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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-01-11

[notice]トップページリニューアルしました

1年越しの宿題だったtDiary導入がようやくできました。某友人に感謝!いろいろお知らせしなければいけないことはあるのですが、今回はとりあえずお知らせのみで。あわせて、"writings"、"sitemap"と50,000ヒット記念企画を更新しました。

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apple watch hermes [私は実際午前このウェブページ 満足 一目読み取るするためにどの%記事を**** これらの種類のような データを。 ..]

iwatch apple strap [こんにちは、それは儀式ですから単にから研究教科書 進むしないインターネットの最新アップデート archives of..]

apple watch hermes [万歳! 最後に私が得たブログ archives of bewaad institute@kasumigaseki(2..]


2005-01-12

[notice]年初のリニューアルの概要

昨日は不案内な内容で失礼いたしました。今回のリニューアルでは、次のような変更を加えております。

tDiaryの導入
プラグインの使い方などまだ危なっかしいところだらけですが・・・。これに伴って、画像なし(flashやjavascriptもなし)・テキスト100%サイトになりましたが、このブロードバンドのご時世、そんなことにどこまで価値があるかと聞かれますと、やっぱ、自己満足に過ぎないですよねぇ・・・。
writingsページの情報追加
各テキストをリンクをしていただく際のURIを記述するようにしました。
writingsページ(アーカイブを含む)のアンカー表記の変更
従来は最初の文字を大文字で始めていましたが、厳密なstrict表記としては小文字で開始する方が正しいようですので、変更いたしました。具体的には、例えば昨日の更新ですと、"...html#jan1105"としております(従来どおりであれば、"...html#Jan1105"という表記になるところでした)。
cssの変更
あんまり大きくは変えていませんが、気になっていたところを少しずつ(実は今日も少し変えました。しかし、webセーフカラーでの対応も限界かな・・・)。

他方、これからやらなきゃいけない課題として自覚しているのは次のような点です。

makerss.rbの導入
なぜかプラグイン・エラーが出てしまいますので、きちんとセッティングする。
cssの改善
IEだとgoogle検索boxが表示されません。firefoxとoperaなら大丈夫なのですが・・・。
代替スタイルシートの作成
今のcssが結構不評なようなので(泣)。

何か皆様気づきの点があらばコメント(つっこみ)してください。

最後に、isuzukiさんからご連絡をいただいたのですが、はてなアンテナでの当サイトの捕捉がうまくいっていないとのことです。"www.bewaad.com"ドメインとしてのチェックは問題ないようなのですが、"bewaad.com"ドメインですと更新してもアンテナではそういう取扱いを受けていないようです(後者の方がwebmasterの主観的認識では正式名称なのに・・・)。おそらく、カウンタが回ったことは更新から除くための設定がおかしいのではないか、とのことですので、お心当たりの方はご対応よろしくお願いいたします。

[misc]大晦日のテレビ番組

季節はずれにならないうちに。

  • 紅白はマツケンサンバIIしか観ませんでしたが、観よう観ようと思ってチェックしていて運良く引っかかっただけです。おそらく観たいけど何時からかわからないからいいや、と思った人もいるでしょうから、もっとわかりやすい時間を設定していれば、もっと高い視聴率が出たことでしょう。で、マツケンサンバは新宿コマ劇場等でのライブが発祥ですが、ずっと公演を見て盛り上がって最後にという段取りでなく、他の歌手に混じっての出番ですから、もっと一瞬で世界を切り替えるパンチのある演出があればと思いました。具体的には、バックダンサーの人数を倍ぐらいに増やして、セットを3階建て・4階建てぐらいにしてそこにも並べるとか。
  • K-1 Dynamite!はもっとカードを考えないとやばいんじゃないの?ラスト3カード(藤田vsイブラヒム、サップvsバンナ、曙vsホイス)みたいなものしか用意できないようじゃすぐ飽きられるといいますか、PRIDE(の総合格闘技)とレベルの差がありすぎます。視聴率的にはベストだった魔裟斗vs山本"KID"徳郁にしたところで、確かに山本はたいしたものだと思いますが、キックルールで魔裟斗をあてがうぐらいしか使い道がないのは大問題。PRIDEの五味とやらせた方がいい試合になるのは間違いないですから、早めに五味クラスのライバルを育成するなり発掘するなりしないと。でも、山田優はよかったです(ひいき目?)。F1中継でもわかるように、きちんと勉強して成長するタレントですから、今回だけでなく長い目で使ってほしいなぁ。
  • PRIDE男祭りは個々の勝負の内容ではk-1に圧勝でしたが、テレビ中継としては全くダメ。だいたい、5時間以上もずっと観るわけないでしょうに(しかも過去映像の使い回し等々で水増ししているし。ちなみに、webmasterもリアルタイムではK-1を観て、PRIDEはビデオ観戦しましたが、早送りで試合だけ観てたら所要2時間切りましたよ)。K-1に視聴率で勝てなかったのは番組編成の問題だと思います。カードについては1つだけ、シウバvsハントには文句を言いたいです。シウバはさすがミドル級最強の称号に恥じない見事な戦い振りでしたが、PRIDE参戦以来無敗というブランドを、直前にハント戦を決定するなんてやり方で傷つけるのはもったいない限りです。桜庭の負傷というアクシデントは仕方がないですが、もう少し考えてほしかったです。
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apple watch hermes [このポスト archives of bewaad institute@kasumigaseki(2005-01-12..]

apple watch hermes [私の中で、退屈その後 居住地私は取得取る頃のみ私のON コンピュータノートとオープンユーチューブサイト archiv..]

iwatch apple strap [祖父いつも監視するために使用されるYouTubeの面白い ビデオクリップ、hehehehehe、理由彼なるように願い..]


2005-01-13

[economy]今回の景気回復についての地域経済に着目した分析

昨日、昨年のマネーサプライ貸出動向が公表され、前者は2年連続で1%台の伸び率にとどまり、後者は8年連続でマイナスとなったのですが、それについていちご経済板にて、ドラエモンさんが90年代からの銀行貸出の減少は不良債権など金融機関の側の問題が原因というのが構造改革派の主張であり、こっち側は資金需要の低迷を原因だと言ってたわけ。(中略)つまり、現在の回復は不良債権など構造問題の解消による不可逆的なものではないとレスしていました。これに触発されて、以下、適当に数字をいじくってみました。

まず、先の貸出動向では地銀の貸出は回復に向かっていることが明らかになっていますが、第二地銀や信金はまだ減少を続けているので、地銀がそのように貸出を増やすことができる要因としては、基本的には経営状態がいいということであって、地方の経済が相対的に良好なわけではないだろう、と考えられます。しかし、第二地銀や信金にしても都銀よりはいいわけで、やっぱり地方経済はいいんじゃないかとも考えられます。

そこで、日銀の都道府県別預金/貸出金統計から21世紀に入ってからの各地域別貸出金の動向(対前年同期比、単位%)を算出すると、次のとおりです。

 北海道東北関東北陸中部近畿中国四国九州全国
FY01中-3.70-0.95-2.65-3.59-1.31-4.66-3.46-1.59-2.48-2.86
FY01末-5.89-2.98-3.96-2.84-4.40-5.26-2.33-1.25-4.08-4.08
FY02中-5.94-4.10-5.96-2.26-6.80-6.90-3.21-3.12-3.92-5.72
FY02末-0.29-2.22-5.11-3.21-5.35-5.78-2.95-2.61-2.15-4.65
FY03中0.69-1.96-3.89-1.12-3.21-5.28-1.76-1.10-1.63-3.52
FY03末-0.26-2.40-3.88-0.12-2.07-4.61-0.59-0.19-1.67-3.25
FY04中-0.66-1.92-3.32-0.68-1.27-3.47-1.020.50-1.47-2.67

まだマイナスが続いているのは既述のとおりですが、マイナス幅が小さくなっていることは明らかです。でも、何か変だと思いませんか?というわけで、ちょっと違う切り口でまとめると次のような表を作ることができます。

 北海道東北関東北陸中部近畿中国四国九州
FY01中295381476
FY01末165732894
FY02中453921786
FY02末973421568
FY03中942731586
FY03末732941685
FY04中832751694

これは、各地域をワーストから順に並べたときの順位で、強調部分は全国以下のもの、つまり足を引っ張っている地域ということです。関東や近畿が足を引っ張っているわけですから、先の地域経済が相対的に良好なのかも、という仮説が支持されるようにも見えますが、ここでちょっと別の表を見てみましょう。

 北海道東北関東北陸中部近畿中国四国九州全国
実数0.600.691.070.981.320.871.030.780.630.92
順位138695742n.a.

これは昨年11月の地域別有効求人倍率(webmaster注:リンク先は地域区分が上記貸出計数とは異なるので、「関東」「中部」については、「関東」=「北関東・甲信」+「南関東」−山梨・長野、「中部」=「東海」+山梨・長野で計算しました)ですが、この順位は貸出のそれとまったく違っています(1回だけのサンプルなので単なるお遊び以上の意味はありませんが、上記順位と貸出のFY2004中間決算での順位の相関係数を参考までに計算すると-0.23となります)。

有効求人倍率は2つのグロス変数(求人数・求職者数)から計算されるものである一方、貸出の方はストックの変化率ですので、労働状況に関する同様のデータとして、地域別就業者数の変化率(CY04Q1-Q3)を見てみましょう(実数は期間内平均値(万人)、変化率は対前年同期比(%)。有効求人倍率と同じ地域のデータであり、かつ、都道府県別データがないので、「関東」は「北関東・甲信」+「南関東」、「中部」は「東海」を用いました)。

 北海道東北関東北陸中部近畿中国四国九州全国
CY04Q1(実数)25745422412787739743731936926236
CY04Q2(実数)26947922862887769943801987026372
CY04Q3(実数)26848322922947739813861977046379
CY04Q1(変化率)-1.15-0.440.632.211.05-0.10-0.80-1.53-0.290.24
CY04Q2(変化率)-1.47-0.420.62-0.69-0.640.001.331.540.720.20
CY04Q3(変化率)-0.74-0.410.350.680.260.20-0.260.000.860.27
変化率平均値-1.12-0.420.530.730.220.030.090.000.430.24
順位128964537n.a.

こちらの順位も貸出のそれとは傾向が全く異なります(相関係数(対FY04中間決算ベース)は-0.217)。貸出も雇用も同じ遅行指数ですから、本来似通った傾向を示してもいいはずなのに、なぜこんなにも違うのでしょうか。まともなペーパーでもないので乱暴な議論をすれば、次のようなグルーピングが成り立っているのでは、などという仮説も考えられます。皆様はどうお考えでしょうか、ご批判、ご意見などお伺いできれば幸いです。

デフレ改善グループ(関東、北陸、中部、中国)
ため込んだ自己資金を用いての投資で経済成長を達成し、それに伴い雇用も増加。このままの状態が維持できれば、そのうち自己資金を使い果たしてもなお資金需要が継続し、貸出も増加するかも(あくまで維持できれば、ですが)。
デフレのど真ん中グループ(近畿)
・・・。まあ、それでも次のグループよりはましですが。
停滞グループ(北海道、東北、四国、九州)
雇用状況は低位で安定し、金融もそれに応じたレベルでほぼ均衡。ある意味、「構造改革」(もちろん、小泉政権のいうそれとは違う意味です)が完了した地域。orz...
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2005-01-14

[misc]たらこの味噌漬けレシピ

知人からいただいたたらこを思いつきで味噌漬けにしてみたら結構おいしかったので、レシピを書いてみます。もしよろしければお試しください。

  1. 味噌大さじ2-3杯(webmasterは信州味噌でやりました。他の味噌でもいいと思いますが、八丁味噌は濃すぎるような気がします)、醤油少々、日本酒とみりん大さじ半分ずつ(以上、たらこ一腹あたり)をよく混ぜる。
  2. ラップを用意し、味噌漬けにするたらこを置けるだけの面積に1で作った味噌の半分を塗る。
  3. 塗った味噌の上に、爪楊枝等で薄皮に適当に穴を開けたたらこを置く。
  4. 残り半分の1の味噌をたらこの上にまんべんなく塗る。
  5. ラップで包んで冷蔵庫に入れる(水分が出るので、皿に載せるなり、タッパやジップロックに入れるなりします)。
  6. 数時間から一日漬ける(時間はお好みで)。
  7. 味噌をぬぐい落として完成。

生でもいけますが、火を入れると香ばしさが際だってなおいいです。半生風ならオーブントースターで最初に4分、裏返して2-3分。典型的な焼きたらこにするなら最初に5-6分、裏返して4-5分。

[economy][pension]マクロ経済から公的年金を考える その0

昨年発売された脱=「年金依存」社会 別冊環(9)を読んであれこれ考えたので、少しばかり書き殴ってみようかと思いました。今回は「その0」ということで、前提となるキーワードを備忘もかねて整理しておくことにします。世の中の議論でも若干混乱が見られるようなので、それぞれ純化した定義としました。

積立方式
年金額が(累積)保険料から諸費用を差し引き、それに運用益を加えた額となる方式。自分(たち)で支払ったお金を自分(たち)で受け取ることとなる。
賦課方式
支払うべき年金額を決定し、それに必要な額は現在保険料を納付している者から徴収する方式。若年世代が支払ったお金を高齢者が受け取ることとなる。
保険料方式
支払額と受取額に相関関係がある方式。より多く支払った人間の受取額がより少なく支払った人間の受取額より多ければ足り、必ずしも支払額よりも多く受け取ることは要しない(特に賦課方式の場合、支払った分だけ受け取れないことがあり得る。積立方式の場合は、運用に失敗して損を被らない限りは、支払った以上の受取りとなる)。
税方式
支払額と受取額に相関関係がない方式。賦課方式に親和性が高いが、積立方式と組み合わせることも可能(定義により個人別は無理だが、世代別であれば、毎年一定のルールに従い社会保障基金に拠出し、一定期間運用後支払いに充てるという形で組み合わせられる)。

内容は書きながら考えていく、つまり現時点で結論まできちんと整理できているわけではありませんが、とりあえずの方向感としては、上記別冊環(9)の若田部論文(pp62-69)、広井論文(pp218-229)、井堀論文(pp238-245)、小塩論文(pp246-253)の間のポテンヒット部分に該当するのかなぁ、と考えています。

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ZhQJUjqztE [[URL=http://www.legemmedimurano.com/Image/Image1/asics-sca..]

VfXOLtfrvM [http://www.legemmedimurano.com/Image/Image1/quanto-costa-n..]

NxKYDcuelJ [[URL=http://www.borelli-tc.it/images/images/new-balance-it..]


2005-01-15

[notice]リンク修正しました

読者からのメールで、トップページのタブ型リンクのリンク先が再帰的にトップページとなっていて、about以下のページとなっていないとのご指摘をいただきましたので、訂正いたしました。霞ヶ関に入ると、日銀に批判的な経済理論が身に付くのかなどと言われてしまっていますが(笑。ちなみに、このページでは当サイトのほか、pogemutaさんのサイトkanryoさんのサイトが官僚のサイトとして紹介されていますが、日銀の金融政策に批判的なのは当サイトだけですから、両サイトの紹介として明らかに間違っていて失礼である上、この両サイトを紹介することと霞が関=日銀に批判的と指摘することは明らかに矛盾していると思います)、直近の"writings"では財務省の片山さつき主計官による防衛構想をこき下ろしていまして、そういう霞が関礼賛的な主張をしているわけではない実例となっていますので、もし「リンクをクリックしてもページが見られない!」ということがございましたら、改めてご覧いただければと思います。

ちなみに、"writings"がメインページになったという誤解を招いている面もあるようですが、トップページはリアルタイム・思いつき指向(笑)、"writings"は掘り下げ指向というデマケ(霞が関用語。demarcationの略で、役割分担の意味)で併存させていこうと考えております。

[media]NHK検閲疑惑

上で紹介した2大官僚blog(笑)で触れられているNHKの番組内容への安倍・中川両氏の検閲圧力疑惑ですが、「普段から議員とのおつきあいがある官僚の方々の見解」なるものには情報価値が認められるようですので、少し触れておきたいと思います。

よく役所に対する批判として問題になるのが、規則を盾にとった杓子定規な対応ですが、逆に言えば、そういうプロトコルは仮に介入圧力があった場合には大きな武器になるわけです。メディアにおける典型例が用語についての放送コードで、今回と似たような例を挙げれば、石原都知事がいくら中国の呼称は支那(「しな」で出てこないぞ、ATOK17)だといっても放送コードが盾となるわけで、放送コードを変えろという主張はあっても、番組内容への直接の介入はありません(放送コードに引っかかるから無理です、と言われるに決まっているからです)。

本件について、圧力の有無はとりあえず脇に置くとして、NHK内の経緯を見ると、番組内容について部長試写や局長試写という異例の手続きを経て変更されたということのようです。となると、以下は勝手な推測ですが、NHKでは相当程度強い自主性が現場に認められていて、内容についての組織としてのチェックというのは原則行われていない(おそらくこれは「奇跡の詩人」日木流奈事件とかムスタンやらせ事件の一因でもあるのでしょう)一方で、それは明確なルールではなく慣行として確立されているのではないでしょうか。

つまり、今回の騒動の遠因としては、放送内容の自主的なチェック体制がきちんと整っていないことが挙げられるのではないでしょうか。おそらくは担当プロデューサー個人の判断に委ねられているのだろうと思いますが、そうした体制が整っていれば、仮に圧力があったとしても、部内の正規の手続きを経て承認されたものですから私個人ではどうしようもありません、とはねつけることができるわけです。

それは自主的な検閲だ、という批判もあるとは思いますが、組織に属して組織の人や金を使って番組を制作する以上、組織としてその内容でいいかどうかをチェックするのは当然です(上記の放送コードにしても、組織として表現を一定程度制約していることには違いありません)。不当なチェックを避けることは、チェックしないことではなくきちんとしたチェック基準を作ることにより対応すべき問題でしょう。

[economy][pension]マクロ経済から公的年金を考える その1

そもそもなんで公的年金が必要なのか、ということを、人道的見地とか憲法問題から離れてマクロ経済の観点から考えると、次のようなことが言えるのではないかと思います。

まず、公的年金がない世界を考えた場合、国民は老後の不安に備えるためせっせと自力で貯蓄(預貯金のほか、年金保険や投信など、類似のものを含んで以下この語を使います)しなければなりません。一般に、ある国の経済において一番長期間の存続が期待されるのは国ですから(たいていどこの国でも国債が最も長期の債券であることからわかります。究極の例として、コンソル債(永久債)なんてものは政府以外には発行し得ないでしょう)、国以外の者が提供する貯蓄で老後の不安に備える場合には、実際に必要になるまでの間に貯蓄を提供する銀行等が破綻するリスクに備えて分散して貯蓄するなど、より多くの額を貯蓄する必要があります。

経済学的には、所得は消費か貯蓄のいずれかに振り向けられることになりますから、貯蓄が増えるということは、必然的に消費を減らすことになります。つまり、典型的な合成の誤謬である貯蓄のパラドックスが生じて、マクロ的な経済活動に対してマイナスの影響が生じることになります。

また、自分で十分な貯蓄ができないような低所得者層の老後は、当然ながら借金も十分にはできないでしょうから、無い袖は振れぬということでその消費水準は極めて低レベルなものとなるでしょう(更に言えば、貯蓄がなければのたれ死んでしまいます)。他方で、十分以上の貯蓄ができる高所得者層は、少々貯蓄が減ったところで消費水準が変わらないでしょうから、高所得者層から徴収した税金や保険料で低所得者層の年金をまかなうという所得再分配を行った場合には、全体としての消費水準が上がり、経済がその分よくなることになります。この所得再分配は、当然市場原理に反するものですから、政府がやらなければいけない、つまり銀行等が提供する貯蓄では不可能であり公的年金でしかできないことと言えます(厳密には年金でなくてもいいのですが)。

では、公的年金は不可欠かというとそうでもないわけで、そのデメリットが上記のメリットを上回るようであればいらないことになります。というわけで、次回は公的年金に生じ得るデメリットを論じたいと思います。

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2005-01-16

[economy][pension]マクロ経済から公的年金を考える その2

今日は公的年金のデメリット編です。これについては、どのような方式で行うかにより変わってきますので、方式ごとにまとめてみます(この連載では方式としてどのようなものを想定しているかは、その0をご覧ください)。

積立方式の場合、一般に公務員が民間人よりも事業運営が上手ということはありませんので、非効率な運用になるということがあります。前回書いたように、国には信用力があり、その分国民一人一人の支払額は減るはずなのですが、あまりにも運用が下手であると、その損失を埋め合わせるための支払い(ないし受取年金額の現象)を強いられ、結果的に支払額は多かった(ないし受取額は少なかった)ということにもなりかねません。

賦課方式の場合、まさに今の日本が典型例ですが、急速に少子高齢化が進んだ場合に、原資を担う現役世代の負担が非常に重いものになってしまいます。もちろん、現役世代の負担に上限を設定して支払年金額を減らす調整は可能ですが、この場合、受け取る側から見れば債権放棄をさせられているようなものですから、国というひとつの法人格としては信用リスクがなくても、国本体から一種の倒産隔離を受けた形となる年金部分については信用リスクがあるということになり、国がやることのメリットがなくなってしまいます。

保険料方式の場合、最低でも払った額以上はもらえ、かつ、払えば払うほどたくさんもらえなければ、支払うインセンティブがわかなくなってしまいます。これ自体はミクロ的な問題ですが、このミクロ的問題は制度の維持可能性に直結しますので、放置しておくと年金自体が崩壊してしまいます(今の国民年金未納問題を念頭に浮かべてください)。払った額以下の受取となる場合でも保険料方式を維持しようとすると、強力な徴収制度を用意する必要がありますが、徴税機構と別立てでそんな制度を用意するのは無駄以外の何ものでもありません。

税方式の場合、増税に対する国民の合意をどうとりつけるのか、ということになります。一般に国民負担率は租税負担と社会保障負担を分子として計算しますが、既述のとおり社会保険料は一般に払えば払うほど見返りがあるものですから、国民負担率が同じであっても、その構成が租税に寄る場合には、一般には抵抗感が増すことになります。とすると、確保すべき原資の額が判明した場合、その額の構成要素としての租税の比率を増やせば増やすほど、当該額を徴収するとの国民的合意が形成されないリスクが増加します。

さて、前回および以上をご覧いただければおわかりいただけると思うのですが、これらのメリット・デメリットはそれぞれ顔を出す場面や重要度が異なります。というわけで、次回はなるべくメリットが出てデメリットが出てこない制度としてはどのようなものが考えられるか、考えてみたいと思います。

[economy][book]岩田規久男「日本経済を学ぶ」

さまざまなところで大絶賛の本書ですが、もちろんいい本であることに異論はないものの(読んでみてほしい人の顔がいろいろうかびます(笑))、webmasterとしては若干気になったところがありました。簡単に申し上げれば、公的介入をおとしめすぎているのではないかということです。

勝手に推測するに、岩田先生から見ればまだまだ日本には規制が多く、規制を廃止すれば確率論的にはマイナスよりプラスが多いはずという事実認識があって、だから規制等の公的介入は原則として悪いんだとしておく方が入門書としては無難だという判断があったのではないでしょうか。他方でwebmasterは公的部門に籍を置く身として、最近は外部性も情報の非対称性も何もかも無視してとにかく規制はやめろという議論が横行しているのではないかとの認識を持っていて、規制や特殊法人の適否は是々非々で判断すべきで必要なものもあり得るのだ、という議論が忘れ去られているのではないかと思っていますので、そうした点についてまとまった言及がない(環境税に関する議論など、パーツとしてあることはありますが)ことが引っかかったのです。以下、いくつか具体例を挙げておきます。

  • カリフォルニアの電力自由化に伴う電気料金の高騰・停電は自由化の方法を誤り、小売料金の設定を固定化していたから発生したとの説明がなされていますが(pp166-167)、停電はともかく料金高騰は小売料金設定を自由化していても発生したのではないでしょうか。大規模発電所の建設は相当程度の時間とコストを要し、その結果必然的にハイリスク投資にならざるを得ない(建設開始時の需要見込みが外れる可能性が高いので)のですが、自由化前は超過利潤をしてそのリスクバッファーに充てさせて発電所の建設を促進していたと考えられます。自由化後はこのような超過利潤がなくなった結果、本書にもあるとおり設備投資は大幅に削減されています(p166)ので、いつの日か仮称供給により電気料金が高騰するリスクは明らかに自由化前よりも高くなっています。もちろん、そうしたリスクよりも電気料金の引き下げの方が効用が高ければ自由化はやってよかったことになりますが、少なくともそうした比較考量が必要だということには触れるべきではないでしょうか。
  • 財投機関債による資金調達が徹底されていないため特殊法人の経営効率化が進まないとの指摘がなされていますが(pp180-181)、投資家が気にするのはあくまで債券のリスク・リターンバランスですから、仮に財投機関債による資金調達が徹底されたところで、簡単な例を挙げればA法人よりB法人が効率的に業務運営をしていたとしても、A法人がB法人よりも非効率なコスト増を上回る補助金を受け取っていれば、投資家はB法人の債券よりもA法人の債券を評価することになりますので、経営効率化は進みません。これだけが問題なら補助金を一切認めなければいいのですが、アメリカの例を見ると、補助金を受け取っていないGSEs(Government Sponsored Enterprises)についても、政府の関与があることを理由として「暗黙の政府保証」があるとされています。結局、そうした暗黙の政府保証すらなくとも事業が運営していけるのであれば、それはそれこそ民営化してもやっていけるわけですから、とりあえず公企業体による事業運営を認めるのであれば、それに公募債券を発行させて投資家に評価させるのはナンセンスで、別のガバナンスの仕組みを考えるべきだと思います(以上について、さらに高度な議論は岩本康志先生の「財投債と財投機関債」をご覧ください)。
  • 道路公団の民営化に関して、あれでは無駄な道路建設が止まらないという指摘がなされており、その理由は政府保証の付与があるからとされていますが(pp182-183)、他方で社会資本の整備は財政政策の役割と整理しています(p247)。後者が正しいなら(そしてwebmasterは正しいと思いますが)、政府が政府保証(財政政策の手法の一つです)を付与して道路建設=社会資本整備を進めるのは当然ではないでしょうか。上記2にも関係しますが、社会資本整備として必要かどうかではなく景気刺激の観点から過剰な道路建設が進められていることが問題であるとすれば、民営化は処方箋として適切ではないと思います。
  • 郵貯や政府系金融機関の活動について、郵貯の金が大量に政府系金融機関等の財投機関に流れ込み、政府系金融機関はその流れ込んだ金の消化を優先するので民業を圧迫するとのロジックを紹介していますが(p193)、財投の統計を見ると、平成11年度以来平成15年度まで5年連続で、計画の対前年比マイナスと実績の対当初計画比マイナスが続いています。つまり、流れ込む額も減っていれば、その減った額ですら消化せずに余らせているというのが現状です。もちろん、景気が回復した場合にはどうなるとか、本来もっと減ってしかるべきだったとかそういった観点からの検討は必要ですが、実際のデータに反する(かに見える)主張を行う場合には、もう少し慎重に理論構成を行ってほしかったと思います(で、このような現状認識に基づく「兵糧攻め」論については、田中秀臣先生の考え方にwebmasterは賛成です)。

ただ本書は新書の入門書ですから、あまり話を膨らませてしまっては最大の目的(=日ごろは経済の話に無案内な読者に気軽に手にとってもらう)が達成できなくなってしまいますので、その先は自ら渉猟すべきなのでしょう。というわけで、財投関係の「リフレ派的構造改革論」の出版(posted at 2004/12/23 14:07のコメントに書かれています)をとっても期待して待ちたいと思います>田中先生、高橋(洋)先生。

[misc]好きなタレント

Economics Lovers Live(田中秀臣先生のblog)にて上原美佐さんが好きとのご紹介をいただきまして、いや、お気に入りなのは事実なので全く問題はないのですが、同じページで山田優についても触れられていまして、彼女も私はお気に入りだったりします(ちょっと前に書きましたが)ので、その旨をお断り(何のためなのでしょう(笑))すべく、今日時点でのお気に入り女性タレントトップ10を書いておきます。

  1. 上原美佐
  2. 香里奈
  3. 山田優
  4. 小倉優子
  5. 田中麗奈
  6. 観月ありさ
  7. 篠原涼子
  8. 黒谷友香
  9. 相武紗季
  10. 加藤あい

改めて並べてみますと、結構マイナー指向なのかな?

本日のツッコミ(全110件) [ツッコミを入れる]

Before...

cgvlxbug [@@@ 上ハhroughout practice, that上ハ one thing we talked abo..]

nlmoeqdm [@@@ Shares of Goldman Sachs Group Inc. dropped more tha..]

xlfpwzyw [@@@ GLENS FALLS -- Winning the first seven events with e..]


2005-01-17

[notice]trackbackの不調・カテゴリ名の変更について

trackbackにつきましては、ちょっと対策に手間取っています。代替措置としては、とりあえず以下の方法でご対応いただければと思います。よけいな手順をお願いして申し訳ありません。

  • こちらの「ツッコミ」に投稿していただく。
  • ご自身で張られたリンクをクリックして、「本日のリンク元」に記録していただく。

また、カテゴリ名に日本語を使うとURIに日本語が混ざるので、英語に置き換えました(なぜ日本語を混ぜたくないかといいますと、文字コードの問題でアクセスがおかしくなるなどの問題があり、避けた方が無難と考えられるからです)。具体的には以下のとおりです。

英語名(新名)日本語名(旧名)
noticeお知らせ
economy経済
pension年金
mediaメディア
book
misc雑談

[economy][pension]マクロ経済から公的年金を考える その3

これまで前々回前回と公的年金のメリット・デメリットを考えてきましたが、うまくデメリットを減らしつつメリットを殺さないやり方があればいいわけです。

積立方式については、公務員の運用下手が問題でしたが、効率的市場仮説を前提とすればパッシブ運用(インデックス運用)でそれなりの運用が可能で、この場合実際の運用そのものは民間委託するとしても、そのコストは非常に低いものですから、運用委託コストも致命的な問題にはならないでしょう。

賦課方式については、世代間再配分のみを行うと人口構造の変化に弱くなるわけですから、世代内再配分の仕組みを組み込めば、人口構造変化への抵抗力がつきます。

保険料方式については、支払った額以上の受取額を維持できれば問題は軽くなります。仮に維持できない場合は、やはり社会保険庁と国税庁の統合により対応することにより、徴収機構の合理化を図ることで対応すべきでしょう。

税方式については、一つには支給すべき年金額に依存する部分もありますが、仮にあるべき年金支給額が租税により充当され得る額よりも多額の場合には、その差額は保険料方式により担うこととするといった対応が考えられます。

では次回は、これらを踏まえて具体的にどのような制度がいいのか、マクロ経済から考えるということで、貯蓄額の最適化とそうした制度に係るコストの両面から探っていきたいと思います。

#ちなみに、この連載に対する批判的検討から、年金をシステム設計的に考えるというシリーズが英-Ranさんにより開始されました。非常に楽しみなのですが、困ったことに、いきなり書いてあることがよくわかりません。平澤章「オブジェクト指向でなぜつくるのか」あたりをきちんと読まないといけないんでしょうね・・・。

[economy][game]Presidential Game@Mankiw's Macroeconomics page

ドラ様ご紹介のゲーム(いちご経済板にて)。要すれば、アメリカ大統領になって、貨幣供給、税率、財政支出の3パラメータを操作し、マクロ経済運営を行うというもの。まんきう先生のページにあります。夜中だというのに・・・ちょっとだけやってみました(笑)。

1回目(「金融政策しかしません政権」)
12年間政権を維持してFDRに次ぐ第5位(87.48点)。平均GDP成長率3.59%、平均失業率5.24%、平均インフレ率5.59%、財政赤字は0%。
2回目(「景気浮揚は財政政策、インフレ防止は金融政策」政権)
4年間政権を維持してランク外(73.92点)。平均GDP成長率1.95%、平均失業率7.17%、平均インフレ率6.19%、財政赤字は2.25%。しかし、砂嵐でオイルショックが発生して政権崩壊っていうのはつらいです・・・。
3回目(「2回目のリベンジで同じ政策」政権)
4年間政権を維持してランク外(75.86点)。平均GDP成長率2.31%、平均失業率6.90%、平均インフレ率6.33%、財政赤字は4.25%。1回目は普通の不況(インフレ率低下、失業率上昇)から始まったのに、2回目・3回目がスタグフレーション状態からはじまるのは、金融政策がいいと思わせるためのリフレ派の陰謀だ、謝罪しる、賠償しる!(笑)
4回目(「リベンジで再度同じ政策」政権)
6年間政権を維持してFDRに次ぐ第5位(84.11点)。平均GDP成長率2.96%、平均失業率5.21%、平均インフレ率6.05%、財政赤字は0.5%。やっぱり普通の不況(インフレ率低下、失業率上昇)から始まればなんとかなりそう。

・・・いかんいかん、寝ないと(笑)。でも、ちょっと初期条件の差が影響しすぎでゲーム性には欠けるかな、このゲーム。

本日のツッコミ(全49件) [ツッコミを入れる]

Before...

KuMEHgmjpZ [[URL=http://www.liporace.it/images/woolrich-outlet.html]wo..]

RwTYKgvsjZ [http://www.farmaciaduemadonne.it/Image/Uomo-Parajumpers-Ug..]

HcMHEbhxeK [http://www.opielle.it/Image/woolrich-piumini-donna-xl.html..]


2005-01-18

[economy][pension]マクロ経済から公的年金を考える その4

今までの議論が混乱しているとのご指摘もあり、改めて頭を整理しつつ議論を進めたいと思います。

この連載においては、マクロ経済の観点から見た公的年金の存在意義は、社会全体の異時点間資源配分の最適化であると整理しました。つまりは、貯蓄が少なくて済み、消費がその分増えるということです。とすれば、それが実現するためには、実質価値ベースで確定給付型でなければなりません。実質価値ベースでの年金受取額が変動するようでは、その変動リスクをヘッジするための貯蓄を各人がしなければならなくなるからです。

そのためにもっとも適した方式は何かと考えますと、まず、世代レベルでの原資負担については、積立方式です。というのも、積立方式での運用はインデックス運用を前提としますから、そのインデックスに正しくインフレヘッジ資産(インフレ連動国債、株式など)を組み込んでいれば、あとは年金数理に基づき保険料を設定することで、相当程度の確度で実質価値ベースでの年金受取額を確保できるからです。他方、賦課方式では、どうしても人口変動リスクがヘッジしきれない可能性が高いと考えられます。

これは世代全体の集団での話ですが、上記の異時点間資源配分の最適化においては、高所得者層から低所得者層への所得再分配も前提としています。とすると、原資の徴収方式としては、上のパラグラフでは「保険料」と書きましたが、保険料方式よりも税方式の方が適しているように思われます(ただし、年金数理により当該世代に必要な額は計算されているので、目的税等によることとし、歳入額が変動して所要の額が徴収できなかったり、逆に過剰に徴収したりすることは望ましくなく、地方交付税交付金のようにその必要な額を社会保障基金に繰り入れる方式となるでしょう)。

・・・と言いたいところですが、若干問題なしとしません。なんといっても、この方式は実質的に高所得者層への増税ですから、その導入に対する政治的リスクはかなり高いものと言えます。しかも、この方式においては、単に低所得者層へ移転される額だけでなく、自分が将来受け取る額(それも、自分が支払ったよりも少ない額)の分まで一旦は支払う、つまりグロスの増税額は相当なものになると考えられりますから、なおさらです。木村剛氏の年金脱退権−すなわち、年金はいらないから払わない−を求める主張がそれなりに支持を集める現状を踏まえると、このリスクは軽視できません(なお、彼の主張については田中(秀)先生が、国の確定債務超過について債権放棄をするものだ、と指摘していますが、これは当たらないと思います。というのも、彼の主張は、将来させられるであろう確定債務超過の穴埋めをしない代償として、これまでに保険料を支払ったことにより将来受け取ることができる年金はあきらめるというものですから、前者が後者より大きければ(で、これに当てはまる人しか脱退権は行使しないはずです)、ネットで見れば債権放棄ではなく債務超過の拡大につながるからです)。

更に言えば、この高所得者層に対する増税=高所得者層における可処分所得の減少の影響も気になるところです。これについては定量的な議論をしないと意味がないとのご指摘が予想されますが、しかし、ある方法をとることにより、定性的に影響をこの案以下に抑えることが説明可能と考えられます。

そのある方法とは、

  1. 保険料方式として、所得に対して定率の保険料を徴収する。
  2. 最低所得者層が支払える保険料でも老後の生活に必要な年金受給額となるよう、最低所得者層の予定利率を高く設定した上で、その世代における予定利率を制約条件として、所得に応じて予定利率が下がっていくよう、所得別の予定利率を設定する(この予定利率の低下分は、実質的な課税。しかし、最高所得者層についても最低保証予定利率を設定し、少なくとも支払った額以上の年金は受け取ることができるようにする)。
  3. 自らの所得に応じた予定利率が世代全体の予定利率よりも低いものとなる者については、上記の実質的な課税額を支払うことにより、年金受取権を停止することができることとする。すなわち、自分で十分にインデックス運用ができ、政府にやってもらう必要がない高所得者層については、低所得者層へ移転する額のみを支払うこととし、自らの「元本」的な部分については支払わずに支払額を圧縮することができるようにする。当然ながら、実質的な課税額を支払っている状態はあくまで年金受取権を停止しているだけなので、所得額が下がってきた場合には、停止を解除して「元本」的な部分も支払うことにより、無事低所得者層としての年金受取を享受できる。なお、停止までに支払った分は、そのまま預けておいてもいいし、実質的課税額の支払いに充当してもいい。

というものです。これであれば、高所得者層は低利回りの年金を受け取るため満額支払うか、それとも所得移転分のみを支払ってあとは自助努力で対応するか、いずれか自分の好きな方を選ぶことができるため、少なくともこの世に後者が一人でもいる限りは、例外なき税方式よりも社会全体としての効用の合計量は上昇するはずです。

この制度において依然として残る問題は、運用等の結果が年金数理の前提と食い違うリスク(典型例はいわゆる逆ざや)です。次回は、この問題への対応を考えてみたいと思います。

[economy][game]まんきうのげゑむ:まだはまってます

「彼らは、月に青くなれと命じる事もできるさ、けど、それは起こらない・・・指揮官というものは、おまえが彼らに持たせておいてやるだけしか、権限を持たないんだ。おまえが彼らに従えば従うほど、それだけ多くの権力を、彼らはおまえにふるうのだ」・・・って、これはゲーム違いですが(笑)。さて、全然数字に従ってもらえない=権力がないのであれこれ試行錯誤しながら、何とかコンプリートできました(16年間)ので、それを達成するまでの軌跡をご紹介いたします(ゲームについてはマンキュー教授のページをご覧ください)。

回数順位スコア任期実質GDP成長率失業率インフレ率財政赤字
5回目5位80.6点7年2.52%5.25%6.87%-1.14%
6回目5位80.6点7年2.52%5.25%6.87%0.73%
7回目4位88.56点10年3.73%5.94%4.28%0.5%
8回目5位83.49点(記録漏れ)3.08%6.42%4.77%1.0%
9回目圏外70.36点4年1.03%7.40%5.78%2.8%
10回目5位80.47点11年2.40%5.89%5.73%1.45%
11回目5位83.48点15年2.77%6.15%4.57%1.33%
12回目5位80.67点7年2.53%6.18%5.45%0.57%
13回目5位82.65点11年2.81%6.50%4.54%1.27%
14回目5位82.15点13年2.65%6.36%4.68%1.27%
15回目圏外62.59点3年-0.35%8.39%5.43%2.67%
16回目5位84.84点13年2.84%5.57%4.9%-0.38%
17回目4位88.48点8年3.77%5.09%5.68%-0.5%
18回目4位88.36点15年3.58%5.45%4.8%0.33%
19回目4位89.18点16年3.71%5.72%4.24%-0.31%

振り返ると、開眼したのは17回目でした。この回は、それまで今ひとつ突き抜けられなかったので、「そういえばインフレ率は10%ぐらいまでならたいした問題じゃないよな」と思い、インフレ率上昇を放置していたら終わってしまいました。ところが、数字をご覧いただければわかると思いますが、実質GDP成長率平均値と失業率平均値は実はこの回がベストで、インフレ率も平均値では極端に悪くはないわけですが、最後の年はインフレ率が9.1%になってしまっていて、これが原因か、と(ちなみに同年のGDPは3.7%成長、失業率は3.9%)。つまり、1つの数字が極端に悪くなっていくトレンドが出ただけで、他の2つの数字がよかったとしても終わってしまう設計と推測できます。

というわけで、もしうまくいかない方がいらっしゃれば、次の点に気をつければそれなりにやっていける可能性が高いと思います。

  • 基本はインフレギャップ・デフレギャップのコントロールです(いちご経済板ロビーvol14の805さん、アドバイスありがとうございました)。
  • インタゲの設定は、webmasterはだいたい下限3%上限5%でやっていましたが、特にインフレの抑制はオーバーキルになりやすいので、金融政策のみではなく増税や財政支出削減によるインフレギャップ吸収とのポリシーミックスがいいように思います(財政政策の乗数効果はあまり大きくなく、結果が予測しやすいのです)。また、レンジを逸脱した場合でも、レンジ内に戻そうとするよりは、横ばいにもっていく程度にとどめておく方が有効な場合が多いです(次項記載の理由によります)。
  • 1年で大幅に数字が動くこともありますが、どこまで自力回復するか読めないので、自力回復と政策対応の相乗効果によるオーバーシュートを防止する観点から、あまり極端な対応はしない方がいいようです。とはいっても、そうこうしているうちに終わってしまうこともあるのですが(15回目がまさにそうやってハマりました)。
  • 時折スタグフレーションに出くわしますが、その際は強烈な金融引き締めと大胆な減税and/or財政拡大を指示し、後は神に祈るだけです。
  • 結局、一番重要なのは、運です(笑)。

さて、これからクリントンを抜くまでやるか、さらに90点台を目指すか・・・。

[economy][book]中村宗悦「経済失政はなぜ繰り返すのか−メディアが伝えた昭和恐慌」

歴史学者、経済史学者、政治史学者、社会史学者らの学際的コラボレーションによる、総合的な戦前史の必要性を強く感じさせる一冊でした。昭和恐慌は明らかに大東亜戦争(満洲事変から太平洋戦争までの全体を指す呼称として他に適当な語がないので用いますが、それ以上に意味はありません)の遠因となったと思いますが、大東亜戦争が愚行だったことは明らかでも、それを当時の人間がバカだったからそんな愚行をしたのだ、と片づけてしまっては何も歴史から学べません。各時代にはどのような他の選択肢があって、でもなぜそれらの選択肢ではなくて戦争に進む道を結果的に選んでしまったのか、それを網羅的・総合的見地から分析することが我が国においてもっとも必要な(であるにもかかわらず行われていない)歴史研究だと思います。多士済々なMHETあたりならその起爆剤となるポテンシャルをもっていると思いますが、皆さんお忙しくてそこまで手が回らないでしょうか(といっても、そういう目的の会ではないので無理は言えませんが)。

[book]福井晴敏「終戦のローレライ I」

解説を書いている藤田香織ってのはトンでもないやつです。あんなネタばれもどき、最終巻ならともかく1巻に載せるな! 書いた本人も、そしてそれを止めなかった講談社の編集も、一体何を考えているんだか・・・。未読の方、絶対にアレを読まないように。

本日のツッコミ(全1447件) [ツッコミを入れる]

Before...

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2005-01-19

[economy][pension]マクロ経済から公的年金を考える その5

今回は前回の最後に書いたように、年金数理の前提が結果において誤りとなるリスクへの対応をまとめてみます。

前回では例示としては逆ざや、つまり運用利回りが予定利率に届かないリスク(いわゆる利差)を掲げましたが、他にも、次のようなリスクがあり、これらが現実化すれば実質価値ベースでの確定給付は困難になります。

  • 見込みよりも皆長生きする(いわゆる死差)。
  • 運営コストが予想以上に多くなる(いわゆる費差)。
  • 所得水準が全体として下がり、世代内での所得再分配が機能しなくなる。

こうしたリスクへの対応は、基本的には長期運用による損益の平準化によることになります。リスクというのは予想が当たらないことで、悪い方に外れるのみならずいい方に外れることもあるわけです。したがって、悪い方へ結果が出るリスクの前に、いい方に外れた場合の利益が積み上がっていれば、まずはこれを取り崩して充当すればいいわけです。

しかし、順番が逆の場合、充当財源がないわけですから、どこかから原資を引っ張ってくる必要があります。ここで用いられるのが賦課方式。つまり、足りない分を現役世代から分けてもらうわけです。といっても、一方通行でもらうのではなく、あくまで借り入れによる流動性の供与にとどめておき、後で利益が積み上がったときには返済するということにしておけば、世代間負担の不公平は生じません。なかなか返せなかったらどうするのだ、という指摘があるかもしれませんが、現役世代から年金受給世代に入った人の分だけ一般会計から社会保障基金への貸付を償却していけば、債務超過が累積的にふくれあがるような事態にならない限り、最後はすべて償却され返済義務はなくなりますし、積立方式で行く以上、合理的な年金数理を前提とすれ債務超過が累積的に積み上がることは想定し得ません。

リスクとしては、逆に保険料をもらいすぎたことによる利益の野放図な積み上がりということもあり得ます。民間保険のように配当として払い戻すこととすると、流動性管理のためのコストが必要になるので、基本は毎年の保険料の洗い替えで対応する形がいいかと思いますが、死んだ際に一時金を遺族に払うといった還元策を設けておけばなおよいでしょう。

ここで少し話を変えて、だいたい数字としてどのようなものになるかのイメージを示して、制度がきちんと成立し得るかのテストをしておきたいと思います。といっても、webmasterにはアクチュアリの素養はまったくありませんので(笑)、非常に単純化した前提に基づくラフなイメージです(専門家の方々に批判を受け訂正することができれば本望です)。とりあえず、以下を前提条件とします。

  1. 支払期間は20歳から65歳までの45年間、受取期間は65歳から80歳までの15年間。
  2. 上記期間中は全員が生存し、上記期間の終了とともに全員が死亡する。
  3. 予定利率は1%。

ある世代全体の収支計算を式にすると次のとおりです。

総支払額+総運用益=総受取額

先の前提条件で上の式を解くと、1年当たり支払額×4≒1年当たり受取額となります。

次に、世代内再配分を計算します。どうせ概算なので、国税庁の「民間給与の実態調査」(平成15年分)の分布で自営業者の所得も分布していると仮定します。計算の簡便から、p14の給与階級別の分布表におけるそれぞれの階級につき、そのメジアンとなる額(ただし、2,000万円超の階級については5,000万円)がそこに属する全ての者の所得とみなします。とりあえず保険料率は所得の12%、受給額は48%とおくと、再分配がない場合は次の表のような計数となります(年間ベース、断りない限り単位万円)。

所得501502503504505506507508509501,2501,7505,000
構成比(%)7.412.815.817.514.510.36.64.93.22.03.80.70.4
支払額618304254667890102114150210600
受取額24721201682162643123604084566008402,400

ここで、最低年金額を120万円(年間)とし、所得が350万円の者だけが全体の予定利率を同じ予定利率(つまり、上記の受取額が再分配の後においてもそのまま受取額となる)すると、所得が50万円、150万円、250万円の者(合計36%)がより高い予定利率を享受し、450万円以上の所得者がより低い予定利率に甘んじることになります。例えば、分配を受ける側については「所得50万円・年金額120万円」と「所得350万円・年金額168万円」から所得額と年金受取額の比例関係を導出することとし、それだけの分配を行うため必要な額を捻出できるだけの予定利率の引き下げを、「所得350万円・予定利率1%」からスタートして所得額と予定利率に反比例の関係が成立するよう予定利率を設定すると仮定した際には(ちなみに、厳密な年金数理に基づくものではまったくない計算方法ですが、おおまかな傾向は外していないはずです)、次のような再分配後受取額がはじき出されます(年間ベース、断りない限り単位万円)。

所得501502503504505506507508509501,2501,7505,000
支払額618304254667890102114150210600
再分配前受取額(a)24721201682162643123604084566008402,400
再分配後予定利率(%)5.93.01.71.00.940.880.830.780.730.690.570.420.10
再分配後受取額(b)1201361521682142572993403804195337131,853
(b)-(a)9664320-2-7-13-20-28-37-67-127-547

この予定利率調整や最低年金受取額の設定はまったくの置きですが、とまれ、不況により相当程度分布が下に寄っている現状を前提に、しかも1%という極めて低い予定利率でもなんとか回るようです。ちなみに、これには所得のない人間が含まれていないではないか、という指摘があるかと思いますが、専業主婦の全主婦に対する比率がだいたい20%台半ばで、これに学生や失業者等々を含めても全人口に対する無所得者の割合は30%を超えないと思われます。とすると、それらの者が全所得階級にわたり均等に養われていると仮定すれば、所得が全体に下方へ30%シフトしたのと実質的には同じ結果で、このベースで考えてもマクロ的に見た保険料率は17%強、受給率は69%弱になり、これでもまだ重すぎる負担ということはないと思います。

ちなみに、今回紹介した賦課方式の出番は、上記の設例でいえば最高所得者層に係る最低保証予定利率が0.1%超に設定されているときであるとか、所得水準の低下により高予定利率を享受する人数が増えるとか、そういった場面になります。

なお、最後の「(b)-(a)」が、前回触れた選択権の対価になります(厳密には、当該支払を行うときから年金の受給開始までの間の分だけ割り引いて現在価値化したもの。例えば年収5,000万円の人々でも、20歳に支払いはじめるときであれば、ファンド全体の予定利率1%で割り引いた353万円で十分ということになります)。

次回はいよいよ連載の最終回ということで、以上のシステムを我が国において現実に導入しようとするのであれば、いったいどのような問題を解決する必要があるのか、これだけはタイトルから離れてマクロ経済以外の観点からまとめてみたいと思います。

本日のツッコミ(全51件) [ツッコミを入れる]

Before...

HiBNPeywrC [http://www.osteo-therapies-nouvelles.com/images/Buttons/Mo..]

MyUCWgeekQ [http://www.osteo-therapies-nouvelles.com/images/Buttons/Go..]

QsTUZbbcmY [http://www.sorlut-reflexo.com/Images/Menu/peuterey-parka.a..]


2005-01-20

[economy][pension]マクロ経済から公的年金を考える その6など

その6

最終回は、この連載で提案したスキームを実現する場合に対応が求められる課題を、思いつくまま並べてみます。

所得の把握等
最低限、納税者番号の導入をはじめ、所得や(累積)支払保険料額を一元的に把握できるデータベースの整備が必要でしょう。また、年金の受取額は生涯所得額により決定するのが最も合理的ですが、生涯所得額は、年金受給開始後のものはカウントしないにしても、年金受給開始時に確定するものですから、現役期間中に保険料支払額の基準として用いられる所得としては何を用いるべきかも詰めていく必要があるでしょう(直感的には、その年々までの累計所得額のように思います)。
歳入庁の設立
所得比例年金の保険料は、やはり所得税と同じ手法で徴収するのが一番効率がいいはずですから、国税庁と合併して一元的に歳入に係る現業部門として運営していくべきでしょう。
マクロ経済政策の安定的運営
前回は予定(実質)利率1%で計算しましたが、これが2%で回れば、世代全体としては支払保険料と受取年金額の比率がだいたい×5.5となりますから、世代内の所得再分配も少なくて済み(前回の例でいえば、平均受取年金額を現役所得の48%で固定して考えた場合、保険料率は約9%まで引き下げ可能で、かつ、所得250万円の階級に対する再分配が不要となります。さらに、3%まで上昇すれば、所得150万円の階級にもほとんど再分配する必要がなくなります(×7.5))、制度運営に余裕が出てきます。昨年の年金制度改正に当たっての実質金利見通しでは、一昨年度・昨年度は1%割れとなる一方で、来年度以降は2%以上、最終的には3.2%まで上昇すると見込まれていますから、このとおりになれば問題はありませんが、1%割れが続くようですと・・・。
過去債務の処理
この連載での提案スキームは、ある世代の現役・年金受取期間を通じた世界で完結していますから、そもそも完結していない(=追加拠出を必要とする)現在及び近未来において支給される年金の財源は別途手当てする必要があります。原田先生が言うように、今の制度において予定されている年金支給額が多すぎてカットすべきということであれば、その分だけカットしていったん均衡させた後は本スキームにより積立方式で運用され、将来においてはカットはあり得ないときちんと周知を図る必要があるでしょう。そうでなければ、「債権放棄」への懸念がぬぐいきれず、結局は過剰貯蓄を作らないという本スキームの目的が達成できなくなります。

鰻谷さんのコメントへのリジョインダー

木村構想に対する田中(秀)先生の批評についてですが、鰻谷さんからいただいたコメントを踏まえ、改めてきちんと考えてみました。

鰻谷さんのご指摘、つまりアンダーパー債券の時価での買い戻しと同じではないかというのは、それをブレイクダウンすると次のような趣旨です。ある会社が社債を発行した際、例えば発行後に格下げを食らうと流通利回りが上昇=債券価格が下落します。ここで、ある社債権者が、例えば100円で発行したものが90円まで下落したとして、このまま持っていると更に格下げされて80円まで価格が下落する(もっと極端な例としては、満期までに倒産して1円も返ってこなくなる)と予想しているのであれば、この段階で90円以上の額で会社に買い戻してもらえればお得です(会社が90円未満の価格しか提示しないのであれば、流通市場で売却すれば足ります)。

他方、会社から見れば、ここで市場に売却されれば、最終的には元本=100円で償還しなければなりませんが、90円で買うことができればその社債を償却できますから、差額10円分だけ得になります。

以上と年金脱退が同じロジックで説明できれば、つまり脱退する側から見れば保険料支払を免れることに、国から見れば年金受給をしなくてよくなることに、それぞれメリットがあるのであれば、後者に着目した田中先生の批評におかしいところはないのではないかということになります。

さらに、鰻谷さんのいうリスクプレミアム云々の話をこれに追加しますと、仮に脱退しようとした人が、年金財政の悪化により自分が支払うべき保険料の増加and/or自分が受け取ることのできる年金の減少があり得ると主観的に見込んでいた場合に、それが客観的な確率よりも悪く見込んでいて、本当は受取超過はずなのに支払超過になると判断して脱退するのであれば、脱退者が主観的に満足する一方で、年金財政にとってもいいことになります。

結局のところどうなのよ、というのは年金財政における過去債務の存在による債務超過の解消方法に依存します。あり得る方法としては、

  1. 保険料引上げ
  2. 年金額のカット
  3. 国庫負担(=租税負担)
  4. 解消しない(=債務超過の解消を次世代以降に繰り延べる)
  5. 高利回りの運用

があります。このうち1番はまさに現役世代の負担、2番も過去債務に対応する世代以外にもカットを及ぼすのであれば現役世代に影響しますが、3番以降は話が変わってきます。3番は現役世代の負担ではありますが、保険料負担とは無関係に租税負担が割り振られますから、脱退したところで負担は追いかけてきます。4番は自分が過去債務を負担する分だけ、将来世代が将来において自分たちに対応する過去債務を負担しますから、損得はバランスするはずです。5番ができるなら脱退する必要はないでしょう。

というわけで、このうちのどれになるかわからない現状では確たる回答はないわけですが、少なくとも脱退者が得をするとは限らないのは事実ですので、少なくとも断定的にwebmasterが語ったことは間違っています。田中先生、申し訳ありませんでした。

ただ、やはり田中先生の批評で難が残るのは、一方で脱退権行使は過去債務をご破算にする徳政令であるとしておきながら、他方で、脱退権が行使されれば年金制度は破綻して債務超過が残されるとしている点です(トンデモ経済書ミシュラン第4回/木村剛氏の最近著を読む)。果たして脱退権の行使により、過去債務は消えるのでしょうか、それとも残るのでしょうか。

鰻谷さんのご指摘どおり脱退権の行使が割に合うか合わないかは将来シナリオによることは既述しましたが、少なくとも過去債務の対象者にとっては絶対に割に合わないので(既に支払い済みで受取だけが残っているので、脱退してもプラスはゼロ、マイナスだけがあります)、脱退権の行使により現に存在する過去債務が消えることはあり得ません。木村構想を難ずるとすれば、それは彼が想定しているであろうシナリオ以外の方法で過去債務の処理が行われた場合には、脱退権を行使した人々が損をするということを隠している(か、それとも気付いていない)点にあるのです。

[politics]高付加価値産業の地域分布:地方分権を考える際の材料の1つとして

地方公共団体のネット認証について、高木浩光@自宅の日記で興味深い話が掲載されています(1/111/141/15の3日間(kanryoさんのエントリ経由))。技術的な話はwebmasterが口を挟むことができるような分野ではないと思いますが、本件について別の観点から考えるべきテーマとして、タイトルにあるように地方自治のあり方が挙げられます。

先に紹介した高木さんのエントリ中の高知県に関するものにおいて、市や村ならともかく、県ともあろうものがこの杜撰さはひどいという一文があります。当然この文の前提には、市町村よりも都道府県の方が仕事のレベルについて高い能力(というほどのものではないかもしれませんが)を求められる(べき)という価値判断が入っていることになります。

この関係は政府と地方公共団体との関係にも当てはまるであろう話で、一般に政府の方が地方公共団体に比べて高い能力を求められるべきだと考えられます。そしてこのエントリで申し上げたいのは、そうした一種の格差は、現在拡大方向にあるのではないか、ということです。

中央・地方を問わず、とりあえず公的セクターが民間セクターに比べ各部門(ネットセキュリティなど)ごとの専門的な能力に劣っているとして、であれば公的セクターが何らかの施策を講じるに当たり民間から知恵を借りた方がよいということになりますが、民間においては俗に高付加価値産業と呼ばれているものほど中央に集中しています−当サイトでも何度か主張していますが。例えば、高学歴者の割合は都市部において高く、低学歴者の割合は地方において高いこと、いわゆるデジタルディバイドは地域間においても生じていること、弁護士は司法書士よりも都市部に集中していることなどが傍証になるでしょう。

結局は、情報通信や物流・交通コストが下がった分だけ、そうしたコスト減少の影響を受けないものの価値が相対的に上がった−端的にはフェイス・トゥー・フェイスの交流で、八田先生に言わせれば東京であっても都内の「一極集中」度合いが低く、こうした交流の効率が悪いということになります−ため、そうしたものをより多く有する都市部の優位性が高まっているわけです。地域振興といっても、例えばあのカミオカンデだって分析自体は東京でやっていたわけですから(もっと言えば、カミオカンデを作ったのは東大であって現地の人間ではありませんでしたし)限度があるでしょう。

さて話を戻して、公的セクターが民間セクターの協力を得て、ないし民間セクターに業務を委任することにより何らかの施策を実施するとして、それを受け止める民間セクターの層が薄ければ、必然的にうまくいかない可能性が高まります。政府や都市部の地方公共団体だってうまくいっていないじゃないかという指摘もあるでしょうが、それらは民間セクターをうまく活用していないからであって、地方の、そもそも活用すべき民間セクターに乏しいというケースとは事情が違います。

本件について言えば、担当職員1人をおくという程度のリクエストであればともかく、高木さんのような意見を把握し、対応を検討し、意思決定をするだけのキャパシティがあるラインを整備することは、それが都道府県・政令指定都市クラスの地方公共団体であっても、やらないのではなくできないところがあるのではないかと思われます。

webmasterの世界が狭いだけ、というのであればよいのですが、地方分権が論じられる際、このようないわば知的ストックの量についての議論はあまり見た記憶がありませんので、申し上げさせていただいた次第です。

[economy][game]まんきうのげゑむ:まだまだはまってます

例のアレですが、ようやく90点超のスコアが出ました。具体的には次のような結果です(任期はすべて16年)。

スコア実質GDP成長率失業率インフレ率財政赤字
91.244.06%5.84%3.75%0.0%
90.953.57%5.56%3.34%0.5%
90.063.68%5.72%3.74%2.06%

以前はインタゲレンジを3-5%にしていましたが、高得点者が低インフレ率であることが多いので、2-4%にしたことが秘訣かなと考えています(といっても、ここに出していない失敗例がたくさんあります。ただ、任期を全うすることはだいたいできるようになってきました)。

ちなみにこのゲームについて、svnseedsさんがデフォルトのフィリップスカーブの設定がプレイヤーに不利になってるとしか思えないと指摘していたので、上記のデータも込みの22個のサンプルで計算してみました(といっても、任期中平均値によるものですから、基本的には短期的撹乱要因の影響は少ないはずで、サンプル数以上の信頼性があると言えるような気がします)。

フィリップスカーブ
y = 0.0484x + 5.8048 (R-squared = 0.0033)
(参考)似非オークン法則
y = -0.6612x + 7.9092 (R-squared = 0.6471)

いずれもyが失業率(似非オークン法則が「似非」たるゆえんは、失業率の変化ではなく失業率そのものを使っているからです)ですが、オークン法則はそれなりに組み込まれているものの、フィリップスカーブについては不利になっているというより、存在していないと考えた方がいいようですね。

でもこのゲーム、今になって言うのも何ですが、金融政策の操作変数は金利じゃなくてマネタリーベースというのが反日銀理論であるところのwebmasterとしてはちょっとニヤリ。日銀にいわせれば、それはあくまでゲームとしての操作のしやすさの観点から選ばれただけに違いない、ということでしょうけれど、マンキュー先生はマッカラムルール的なイメージ、つまり金融政策はマネタリーベースを操作目標として行うものだと考えているのでは、と思うのはうがちすぎでしょうか。

ところで、どなたかアイゼンハワーに勝った人っていますでしょうか? ケネディとジョンソンには誰も勝てないと思いますが・・・。

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2005-01-21

[politics]パウエル国務長官の退任挨拶(webmaster訳)

パウエル長官:(拍手と歓声)本当にありがとう。みんな、ありがとう。ありがとう。(拍手と歓声)フー!(笑)私の親愛なる友よ、本当にありがとう。今日はパウエル一家にとって心沸き立つ日です。私たちは、人生におけるある1つの章を閉じて、他の章に移ります。しかし、その章とは、この4年間、すばらしい人々と働いたという最高にすてきな記憶を、いつでも心に呼び戻すものです。

私がこのロビーに足を踏み入れ、そしてあなたたちみんなが暖かく愛情を持って歓迎してくれた最初の日のことを覚えています。その日の朝ここに来る前、アルマは私にこういいました。「わかってるわね、あなたはもう陸軍にいるわけじゃないのよ」(笑)「だから、昔の気分のままで、歩兵大隊みたいなまねをしちゃダメよ」(笑)それに私はこう答えたのです。「了解、奥様」(笑)それからすぐに私はここに来て、集団を見て、あなたたちを歩兵大隊のように扱い始めたのです。(笑)みなさんこそが私の部隊だったからです。あなたたちはアメリカの部隊でもありました。一人一人がすばらしい人たちです。すばらしい家族です。アメリカ外交の最前線の拠点に駐屯する部隊として祖国に奉仕するすばらしい愛国者です。アメリカの外交政策の先陣を切っているのです。

そして、第65代国務長官として働く機会、そして外交政策のアドバイザーにとどまらず、この偉大な省のリーダーとなる機会を与えてくれたブッシュ大統領に感謝したいと思います。

この省のすべての人に感謝したいと思います。外交官のみなさん、国内で働くみなさん、海外現地採用のみなさん、そしてその他この省でどんな形で働いているひとであれ、また、この建物、国際開発庁、平和維持軍、海外民間投資公社、そしてその他国務省に連なるいかなる組織にいるひとであれ。私は心の底から感謝しています。

私はまた、世界中、それにこの省で私たちの非常に多くの使命に取り組んでいる人々の家族にも、その捧げた犠牲に感謝したいと思います。アルマと私は、35年間の軍歴を重ねた結果、家族の犠牲がいかなるものであるかをよく知っていますが、それにしても、私の目に入る国内外のあらゆる部門で働くみなさんの配偶者と子供の犠牲というものは、私たち夫婦が子供たちに求めてしまったものと等しいものでした。だから、特別な敬意をそうした多くの家族に表したいと思います。

みなさんが私に与えてくれた支援と忠誠を、私の長年の親友にして、天賦のリーダーシップをこの省とアメリカの外交政策にもたらしてくれるに違いない、私の後任であるコンディ・ライス博士にも与えてくれるということを知っています。

また、たいへん一生懸命働いてくれた幹部の人々にも特別な敬意を表したいと思います。私と歩みをともにし、長年に及ぶ友達であり、急造の首脳部に入ってくれた特別な2人がいます。みなさんよくご存じでしょう。1人はあのブッダ、そう、私の副長官(笑)、リッチ・アーミテイジです。(拍手と歓声)

もう1人は、多くの人々を外交準備イニシアティブを通じてこの省に入れてこの省を再生させるために多大な努力をし、IT方面で活躍し、世界中の我々の施設を一新し、議会からそのための予算を勝ちとるのに大いに働き、真のリーダーであり、私の初登庁の朝に私のPTクルーザー(webmaster注:クライスラー社の自動車の1つ)で一緒に通勤し−(笑)−これは国務省が私を管理するより前のことだったのだが−(笑)−私が車を止めて、正直に言えばここで事故にあいかけたことを国務省は知っていたので−そう、管理担当次官のグラント・グリーンです。(拍手と歓声)

みなさんご存じでしょうが、私は家族という考え方にいつも焦点を合わせていました。私たちは一つの大きな家族で、アメリカ国民に奉仕するために存在しています。私たちは大統領を、その外交政策の実行を手伝うことによりアメリカ国民に奉仕しています。私たちは、大統領とともになしとげた、手柄として誇ることができる多くの成功を、満足とともに振り返ることができます。9/11テロに震撼したとき、テロに対する世界的戦争を遂行したことが有効な反応であったかどうか、そして、この文明に対する脅威に立ち向かい、世界中をいかに糾合したのか。私たちは地球上で最も専制的な2つの政権、カブールとバグダッドを取り除くのにどのように成功したのか。そして、課題は難しくはありますが、アフガニスタンとイラクという2つの国が、人々が十分に享受すべき自由と民主主義を獲得していくのをどのように見守っていくのかを。きっとそれは成し遂げられるでしょうし、みなさんはそれに大いに貢献したのです。(拍手)

私たちは世界中の友人と同士と接触を持とうとしました。私たちは、NATOの拡大を通じて、EUの拡大を通じて、大西洋を又にかけた大陸の枠を超える共同体の拡大を助け、そしてロシア連邦を手助けし、見守り、よりよい関係の構築を助けました。最初の9ヶ月間は誰もが、ABM制限条約の失効により、この関係を私たちが壊してしまうのではないかと心配していました。しかし、実際には、大統領は我々の手の内にどのような種類の外交政策があるのかを示したのです。私たちはミサイル防衛構想促進のためABM制限条約の撤廃を進め、そしてなぜ我々がそうしているのかをロシアに理解させることでそれを実現しました。私たちは我慢強く取り組みました。私たちは時間を費やしました。私たちはきちんと説明しました。6ヶ月後、重大な決裂よりも撤退を選ばなければならないと伝えてから、モスクワ条約に調印して、新しい戦略に立脚するロシアとの関係を築いたのです。

一頃であれば敵対陣営と呼んだであろうもう一つの大国、中国との関係においても、私たちは同じことをしました。覚えていますか、2001年4月の初旬、私たちは難問を抱えていました。航空機の衝突事故があり、誰もが深刻なまでに凍り付いた関係を頭に描きました。しかし実際には、辛抱強い外交と、彼らの話・関心事項を聞くことにより−彼らは私たちの話を聞いたのですが−問題を解決し、過去数十年にわたる米中関係の歴史の中で、この数年は最も安定した関係を作り上げたのです。

私たちが成し遂げたのは何かと世界を見回すなら、インド亜大陸においてインドとパキスタンを仲介し緊張緩和に努め、私たちは両国における個人的な関係を使ってそれぞれの友人であると知らしめ、ともに汗を流して、両国間の難問のいくつかの解決を手伝いました。

アジアの同盟、そしてその加盟国・協力国と何をやってきたかを見れば、めざましいものがあります。

貧困、疾病、飢餓についての世界の大変嘆かわしい問題について私たちが何を行ってきたかを振り返るなら、大いに誇りに思うべきです。HIV/AIDSプログラムへの財政支援を倍増し、世界の最先端にいるのです。

リベリアやハイチで私たちがどのように問題を解決したのか、また、数年に渡るねばり強い外交努力を継続してきたことによりどうなったかを見れば、先週の日曜日に大統領を代理して、そしてみなさんを代理して私が光栄にもSPLM(スーダン人民解放運動)とハルツーム政府による包括的平和協定の調印に立ち会うことができ、スーダンでの20年に及ぶ内戦が幸運にもついに終わりを近づいたという、驚くべき瞬間を迎えることができるようになるのです。

みなさんが、私たちが自由貿易に関して何をしたかを見れば、そして、私たちの世界である半球とアフリカにおける私たちの国益に関して何をしたかを見れば、そこには私たちがみな誇ることのできる記録が残されています。

みなさんこそが、それらを行っている人なのです。私は7階で、6階や7階から来たすばらしい同僚たちと一緒だけど、このコーラスみたいに私の後ろに整列している人たち。(笑)(webmaster注:国務省7階には国務長官以下の政治任用スタッフの執務室がある)いきなり歌い出すなんてことはしないと信じてるよ。(笑)しかし、私たちはリーダーで、みなさんのリーダーであることを大変名誉に感じているけれど、なんでそんな立場にあるかも知っています。私が話をしたりとか、ここに来たりとか、あちらに行ったりするからではありません。みなさんがそれを毎日してくれているからです。みなさんのやり方であなたたちが勤め、世界中の使命に関わる同僚たちのやり方で彼らが勤めているのです。

彼らはアメリカの価値観を届ける使者で、みなさんもそうです。みなさんは、民主主義というものがいかに人々によりよい生活をもたらすことができるかを、教えに行くのではなく、押しつけに行くのでもなく、私たちの仕事がうまくいくよう、あらかじめ身をもって示しに海外へ出て行くのです。みなさんは、誰もが自由であるべきだという人権の大切さを体現する存在なのです。みなさんは、ここで働くその働き方により、私たちの同僚全てが世界中の大使館で仕事をするそのやり方により、アメリカの価値観を押しつけることを目的としてではなく、アメリカ的価値観をその国のニーズにあわせて適合させることができれば、それがいかにして世界を豊かにするのかということを見てもらうことを目的として、現地の市民に接する仕事をし、アメリカとは何かという話を、私たちが信じるもの−自由、人間としての尊厳、経済的自由−すべては何かということを話をしているのです。

中東・北アフリカで「未来のためのフォーラム」を周辺諸国の支援のため発足させたことのように、彼らの改革を支援していることを私たちは示しています。中東諸国、とりわけイスラエルとパレスチナとともに、自由で再建されたパレスチナの民主主義国家を、イスラエルとの平和共存のために建設するよう私たちは努力し続けることを示しています。

私たちは挑戦におののいたりはしません。イランと北朝鮮に焦点を当てて、よりよいやり方があるのだと説得を試みています。私たちは、この種の問題にスポットライトを当てます。私たちはリビアの大量破壊兵器の問題を解決しました。そのようなことを考えている他の諸国がリビアと同じ結論に至るよう願っています。

だから私たちは大いに誇りを持っていますが、みなさんも私たちが成し遂げたことに誇りを持つべき人たちです。みなさんのために働くことは名誉の限りでしたが、みなさんは大隊の歩兵です。私は、我が国にもう一度奉仕する機会がもてたことを大変誇りに思います。この仕事から退くときには、政府の仕事に40年近く携わってきたことになります。そのうち35年は合衆国陸軍に所属していました。私は兵士以外の人間には決してなれません。みなさんも35年もいれば、「私は兵士ではありません」とは言えないでしょう。だから陸軍は、私にとっていつまでも愛すべき大切なものでありつづけるでしょう。

しかし、4年間みなさんと時間をともにし、この省に身を捧げた今日この場で、つながりは同じだと申し上げたいと思います。みなさんの長官ではなくなりますが、みなさんから離れることは決してありません。私はいつだってこのすばらしい家族の一部です。ありがとう、みなさん、神の祝福がありますように。(拍手と歓声)

#誤訳などお気づきの点があれば、ご指摘いただければ幸いです。

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2005-01-22

[media][politics]NHK問題再論−「圧力」とは何か

しまった、と思ったのが、大屋先生の「かわいい娘さんですよね」という台詞を無害な隣人が言った場合と、立ち退きを迫っている地上げ屋が言った場合とでは意味が違うだろう、というわけの一文を見たとき。同じことを書こうと思っていたのに、というやつです。とまれ、同じことを書いても仕方がないので、その延長線上で少し。

大屋先生の出した例は言葉を発する側によりその意味が変わるパターンですが、受け取る側によりその意味が変わることもあります。本件について言えば、安倍・中川両氏があのような意見の持ち主なのはわかりきった話で、かつ、NHKで国会議員のところに説明に行く(その対象が予算であれ番組であれ)役割の人間は、当然ながらそうしたことは承知で行くわけです(知らずに行っていればそっちの方が問題でしょう)。とりあえず報道されているような発言があったことを前提として、こういうことを言われるだろうなぁ、と思っていたらやっぱりそのとおりのことを言われた、というのは、少なくともそれを聞いた人間にとっては、圧力とは受け止めない可能性が高いわけです。

もちろん、例えば番組内容を変更しないと予算を認めないとか、総務省に言って放送法に基づく監督権限を行使させるとか、そういったところに踏み込むものであれば、仮にそれが予想どおりの発言であっても圧力でしょうが、今のところ、報道レベルではそこまでの発言があったという事実があったことを伺わせるものはありません。誤解を恐れず言ってしまえば、ある種のお約束というものがあるわけで、当事者間では単にお約束のやりとりであることが、第三者から見ると圧力をかけているかのような場面に映ることもあり得ますが、なんとなく憶測すれば、本件はそういうものでありそうな雰囲気がします。

もちろん、こうしたお約束は狭い世界のなれ合いに過ぎず、むしろ圧力と感じない方が感受性が摩滅しているだけという可能性もありますし、一応政府に身を置いている立場としては、自分がお約束のつもりで言ったことが相手に意図せざるプレッシャーを与えてしまう危険性は常に念頭に置いておかなければ、と改めて自戒したいと思います。

[law]非正当の法の存在と正当の法の不在について

上記エントリでのリンク先の大屋先生のテキストについて、正当な法が(少なくとも従軍慰安婦問題に関して)そもそも役割を果たしていないという事実をどう評価するのかを抜きにして、非正当の法がしゃしゃり出てくるなという発言をするとの批判がmojimojiさんからなされています。当事者でもないwebmasterがなぜここでこのテキストを引っ張ってきたかというと、同じエントリにおけるこうした傾向は、稚拙な右翼とは違う形で、それなりに聞くべきものもある左翼批判を展開する人たちに共通して見られるとの指摘、そしてそのエントリで引用されている過去のエントリにおける放言左翼に辟易するのは分かる。分かるけれども、そのアホさ加減を批判できるのは、同じ問いを問いながら、別の答えを探す努力をしていることが前提ではないのか、と思うのだ。僕は放言左翼は嫌いだけど、放言すらしない保守主義者はもっと嫌いだというテキストを見て、少し議論の整理に貢献できるのかな、と思いましたので。

まあwebmasterが「それなりに聞くべきものもある左翼批判を展開する人たち」に入れてもらえるかどうか(笑)はさておき、また、大屋先生やその他の人々が同じ見解である保証もないのでそれも脇に置いておきますと、webmasterはそういう問いにこだわらないこと、放言しないことに意義があると考えています。そういう問いというものが何かといえば、演繹的な価値体系とでもいいますか。

宗教であれ共産主義であれ全体主義であれ、その手の価値体系、理想といってもいいと思いますが、そうしたものは得てして現実がその価値体系と食い違ったときに、おしなべて現実を修正すべきという方向に行きやすいわけです。ここで問題なのは「修正すべき」ではなく「おしなべて」の方なわけですけれども、だからこそ歴史上いくらでも悲劇を生んできたわけです。

ただそうは言っても、何ら演繹的な価値体系を持たない社会というのも問題で、経験則や信条を含め、人間はなにがしかのその手の価値体系を必ず持ってしまうものですから、その価値体系同士の調整コストを削減する観点から、generally accepted accounting principlesならぬacting principlesの存在には意義があります。であれば、そうした価値体系をいかに築いていくかが問題になるわけです。

この「いかに築いていくか」をルールとして定めているのが立憲民主主義であって、(一度でも政治運動をした人であればわかると思うのですが)なにがしかの成文法を立法化するのは大変なコストがかかるわけですから、そのコストの高さにより、それを乗り越えるだけの何かが存在するであろうと考えられるので、それは集団として依拠すべき演繹的な価値体系として用いることができると考えるのです。その中身は二の次。

だから、勝手に大屋先生の心中を察すべきではないかもしれませんが、存在する法は少なくとも存在すること自体により正当性は推定されるべきですし、ある法が不在であればそれは正当でないことが推定されるべきだ(厳密にはここでいう法とは成文法に限りますが)、というのも法が存在する以上、存在を可能とするためのコストに見合う何らかの働きがなされたからである、という前提があると思います。そうしたコストを払っていないものがコストを払ったものと同じ地位を要求するのは、要求すること自体はいいとしても、要求が認められないことは甘受せよ、と。

このあたり、法律屋にはなじむ考え(例えばデュープロセスが遵守されていない裁判は、結果が仮に「正しい」ものであっても否認される)だと思うのですが・・・。

なお、この問題、乱暴な結びつけかもしれないのですけれども、ネット認証の問題とパラレルであるような気もします。日本のPKIを殺した真犯人は誰かを見て思ったのですが、ネット認証の手続に瑕疵がないのでアクセス自体には問題がないですということと、そのサイトを運営している団体等がいいかどうかは別問題ですが、前者がダメなところへはアクセスすべきでないということが、あたかも後者の意味においてダメだと考えがちなところに混乱のもとがあるということです。内容云々を論じる前に手続における適正性を確保してはじめて土俵に上がってよいと認めてもらえるのだよ、と。そこを問題視しているのに、後者をもって反論されても困る、といいますか。

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2005-01-23

[notice]trackback、多分できるようになりました

この日記同士では送ることができることを確認しましたので、動くことは動くはずです。ただし、unicode処理は行っていないので、movable typeや各種のポータルサイト提供のblogのように、xml処理を行っているものは文字化けするかもしれません。もしそうならまた要対応なのですが、とりあえずご報告まで。

[media][politics]NHK問題再々論−政治家に会いに行くことは検閲を誘発するのか

#くどいようですが、本件については、事実関係が完全に明らかになっていない段階ですので、事件そのものに対する評価は避けております。ネットでの議論等を見て、事件の論じ方・考え方についてのアイデアを書いているものとご理解ください。

ちょうど昨日書いたことと対応するように、天漢日乗さんのところで「NHK ETV2001改変問題 (その13)どうして「事前検閲」に類する行為を誰も指摘しないのか@職員」エントリにて関連する2ちゃんのスレが紹介され、NHK幹部と政治家との接触についての意見が紹介されています。

また、NHK職員ではありませんが、ジャーナリスト坂本衛さんが、本件に関するページにおいて、次のような見解を表明されています。

しつこく繰り返すが、「どのような経緯で放送局幹部と接触したか」「『〜すべきではないか』の〜部分が実際にどんな言葉であったか」は、放送番組に対する干渉の構成要件ではない。言い換えれば、先方から突然かかってきた電話に答えたとしも、あるいは道でバッタリあって話したとしても、(放送前の特定の番組について政府高官が放送局の行動を示唆すれば)干渉は干渉である。「公平にすべきではないか」「おもしろくすべきではないか」「オシャレにすべきではないか」「わかりやすくすべきではないか」と、どのように口にしたとしても、干渉は干渉である。

言論の自由の形成過程を考えれば、こういった態度にも十分合理的な理由があるとは思うのですが、現実論としては、あまり形式的に考えるのはいかがなものかと思います。

当サイトではじめてこの話題を取り上げたときにも例として用いたとおり、業界には放送コードというものがあります。いわゆる放送禁止用語がこれにより定められているわけですが、たとえばその手の言葉がふんだんに用いられる番組が放送される、という情報を入手した政治家は、そうした言葉を使うべきではないのではないか、とメディア側に伝えることは禁じられるのでしょうか。

放送コードは自主規制の問題ですので若干ずれるかもしれないので別の例を挙げますと、権力とメディアの関係というのであれば、誘拐報道協定があります。これは明らかに当局がメディアに対して個別番組の放送内容について干渉するものですが、先ほどの坂本さんの意見に従えば、これも放送法違反・憲法違反ということになってしまうのでしょうか。

webmasterも仕事において時折取材を受けることはありますが、その際にも、以前取材に応じたときに不正確な報道をされていれば、「今度はきちんと書いてくれるんでしょうね。反対のご意見でもかまいませんが、事実関係と意見はきちんと分けた上で、事実関係の部分で読者を誘導するような書き方をしないでくださいよ」ぐらいのことは言います。そんな官僚の都合など知るか、といわれるとそれまでだが、これも検閲だ、圧力だと言われると、正直言ってつらいです。

事実関係が当事者間で食い違っている今だからこそ、どういった政治家・当局の言動が禁じられるべき検閲・干渉であり、どういったものであれば許容されるのかを整理しておくべきではないでしょうか。将来、事実関係が明らかになった際に、そうした事前に準備した基準に当てはめて当不当を判断することとしておけば、内容に対する評価とは独立してこうした問題を論じることができると思うのです。

本件について政治圧力があったとする側もなかったとする側も、その主張はどうしても番組内容に対する評価に引きづられる面があり、かつ、人間である以上そうしたバイアスを完全に頭の中から除去することもできないでしょうから、こうした試みには相当の意義があると思います。

[economy][media]もう首がまわりません 日本の借金苦ここまできてます!! 財政破たんシナリオ@報道ステーション(1/20)

番組を見ていないので内容の論評はできませんが、政府の言い分を垂れ流しでいいのか、メディアよ・・・もしや、財務省の圧力があったのではないだろうか(笑)?

[politics][pension]国会議員の互助年金等に関する調査会答申

20日に出た答申ですが、これって衆議院参議院ともに公開しておりませんで、原文が確認できません。マスメディア各社が報道しているということは、記者発表は行ったのでしょうし、その場でコピーも配布されたと思うのですが、ネット・紙双方とも答申本文の転載はなし。何だかなぁ・・・。

それはさておき、だいたいどこでもけなされまくりの答申ですが、金をけちってもいい人材は集まらないので、給料もそうですが、国会議員の待遇をあまり下げることに熱心になるのはいかがなものかと。「でもしか議員」ばかりが集まる国会なんぞ、どう考えても国のためになるとは思えません。

[economy][politics]竹中大臣の経済演説

21日に行われたものであるにもかかわらず、これもネットでは入手不可能ですが(さすがにこちらは来週には入手可能になるでしょうけれど。ちなみに現時点で入手可能なのは総理の施政方針演説と財務大臣の財政演説。外交演説は、なぜか英語版は入手可能ですが日本語版はまだ(笑))、報道を見る限り、「もはやバブル後ではない」と言ったとか。ふむふむ、本歌として使われた都留重人後藤誉之助(2006/8/18訂正)の文−「もはや戦後ではない」−が実際どんなものであったか見てみましょう。

戦後日本経済の回復の速かさには誠に万人の意表外にでるものがあった。それは日本国民の勤勉な努力によって培われ、世界情勢の好都合な発展によって育まれた。しかし、敗戦によって落ち込んだ谷が深かったという事実そのものがその谷からはい上るスピードを速からしめたという事実も忘れることはできない。経済の浮揚力には事欠かなかった。経済政策としては、ただ浮き揚る過程で国際収支の悪化やインフレの壁に突き当るのを避けることに努めれば良かった。消費者は常にもっと多くの物を買おうと心掛け、企業者は常にもっと多く投資しようと待ち構えていた。いまや経済の回復による浮揚力はほぼ使い尽された。なるほど、貧乏な日本のこと故、世界の他の国々にくらべれば、消費や投資の潜在需要はまだ高いかもしれないが、戦後の一時期にくらべれば、その欲望の熾烈さは明かに減少した。もはや「戦後」ではない。われわれはいまや異った事態に直面しようとしている。回復を通じての成長は終った。今後の成長は近代化によって支えられる。そして近代化の進歩も速かにしてかつ安定的な経済の成長によって初めて可能となる。
(中略)
このような世界の動向に照らしてみるならば、幸運のめぐり合せによる数量景気の成果に酔うことなく、世界技術革新の波に乗って、日本の新しい国造りに出発することが当面喫緊の必要時ではないだろうか。

(原本を持っているわけではないので、香川大学経済学部・安井修二先生のサイト中の「現代資本主義」の講義資料から拝借しました。感謝いたします。なお、強調はwebmasterによります。)

ええっと、竹中大臣、バブル崩壊から今までの間のどのタイミングで、リバウンド的な回復があったのでしょうか(笑)?

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2005-01-24

[notice]trackback文字コード問題など

とりあえずの対応をしてみました。文字化けはしなくなったと思いますが、もしダメならまた考えないと・・・。

あと、どうもデフォルトの10日表示はテキストが多すぎるように思いましたので、5日に減らしてみました。もしもっと多い/少ない方がいいというご意見がありましたら、ぜひお聞かせください。

[economy][book]増田悦佐「高度経済成長は復活できる」

先日紹介した岩田先生の「日本経済を学ぶ」で紹介されていたのに興味を引かれて購入、読了。現状認識や将来への処方箋(都市をもっと活性化させる)はwebmasterも異論はないのですが、過去の事実認識については若干の違和感があります。一番大きなものとしては、1970年代に入って都市への人口流入が減ったことの解釈についてですが、人口移動の典型例が就職時の移動だとすれば、1950年代に入るとベビーブームが終わり人口増加ペースが落ちたことが、その20年後の人口移動ペースの落ち込みにつながったと考えた方が自然ではないでしょうか。

あと気になるのは、オイルショックの評価(エネルギー効率に優れた経済構造である日本にとっては相対的に得になった)はなるほどなぁ、と思いますが、同時期のドルショックについての分析がないこと(香西泰「高度成長の時代−現代日本経済史ノート」の紹介で一言ネガティブに触れているのみ)です。個人的には、60年代から70年代にかけて経済構造が変わったというのは、1に先の人口構造により、ベビーブーマーらが勤労世代入りしたことに伴う貯蓄投資バランスの変化、2にドルショックだと思っていますので。具体的には次のロジックです。

当サイトでは何度か書いていますが、あらためて整理してみますと、貯蓄投資バランスからは、次の式が導けます。

民間貯蓄−民間投資=政府純支出+経常収支

民間貯蓄と民間投資は、多少は金利で変わるにせよ、基本は構造的に決まるものです。ですから、60年代から70年代にかけての動きを見ますと、それまでは総じて親の稼ぎを消費する一方であったベビーブーマーが自らの所得で消費と貯蓄を行うようになり、貯蓄投資バランスは貯蓄超過に振れます(当然これだけが理由ではなく、所得水準の上昇等の要因もありますが)。

となると、左辺がプラスになる以上、上記式は恒等式ですから、右辺もプラスにならざるを得ません。だからこそ上記期間に戦後初の国債発行と経常収支の黒字化が生じたわけです。それに加えてのドルショックで、それまでの固定相場制=意図的な円安状態の維持という前提がなくなったわけですから。

でも、このあたりは数字で議論しないといけませんね、これ以上この主張をするなら>自分への宿題。

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2005-01-25

[notice]お詫び

設定のミスで表示画面が以前のものにもどっていました。これをご覧いただいているということで、復旧いたしましたが、こころよりお詫び申し上げます。

[law]mojimojiさんへのお答え

NHK問題に端を発した法と正義についての議論ですが、webmasterのテキストに対してmojimojiさんからコメントをいただきましたので、それについてのwebmasterのリジョインダーを以下まとめました(なお、上記コメントは2つのエントリからなっていますが、議論の流れの関係上、mojimojiさんの記載順とは逆順としています)。

保守主義者と放言左派の共通点について

一番わかりやすく、かつwebmasterの見解を端的に示すことができる部分として、戦前の日本が生んだ悲劇である従軍慰安婦問題について、戦後の日本政府が黙殺するという形でその悲劇を温存し続けてきているという事実をどう評価するのかは語られないとのご指摘について、その評価は語っているのだというところから始めたいと思います。「悲劇」かどうかは確定していませんし、仮に「悲劇」であることが事実だったとしても、それに政府として対応することが「正義」であることが確定していないのは言うもさらなりではないですか、と。

志の低い話をしますと、以前イラクでの人質問題で山形浩生さんが語っていましたが、公共リソースは予算制約に服し、無限にあるわけではありません(この点、経済学にも造詣のあるmojimojiさんにはご理解いただけると思います)。とすれば、政府に何らかの「正義」の実現を行わせることは、このリソースの制約−厳密には政府の手元にあるものに限りますが−がある以上、他の「正義」の政府による実現を阻むことになります。

では、そうしたあまたある「正義」にプライオリティをつけ、どの「正義」にどれだけの政府リソースを用いるかの意思決定のプロセスとしては、少なくとも現時点においては、立憲民主主義的意思決定プロセス−身も蓋もなく言えば、いわゆる間接民主主義=代議制民主主義−が、およそ人類が歴史上経験してきたあらゆるプロセスの中で最も欠点の少ないものだということになるのでしょう。

形式的に手続を踏んでいれば中身はどうでもいいのか、と言われそうですのであらかじめお答えしておきますと、そのとおりです。とりわけwebmasterは官僚ですから、個人としてそれに賛成か反対かにかかわらず、国会において立法がなされれば、その執行を担う行政府の一員としてその忠実な履行に努めます(法において許容される行政府の裁量があれば、その範囲内で自分の思うところに沿った運用を行いはしますが)。

更に言えば、あまり女性国際戦犯法廷の中身に踏み込むつもりはないのですが、事実認定の真偽の如何を問わず明らかに結論が間違っている−今般の議論の応酬の文脈で言えば、「正義」らしさに欠ける−と推定される部分がありますので、指摘しておきます。それは、昭和天皇を有罪としている点です。なぜそれが間違っていると言えるのか、理由は簡単、大日本帝國憲法第3条においては、「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」とあり、天皇は無答責であることが明文で規定されているからです(どの意味において無答責であるかには議論が分かれます(例えば道義的責任をどう考えるか)が、少なくとも法的には何ら責任を負わない点においては一致しています)。

この条文と有罪という判決をどのようなロジックで整合的に整理しているのかを見ると、「女性国際戦犯法廷」認定の概要の記載によれば、次のとおりです。

この「法廷」に提出された証拠の検討に基づき、裁判官は天皇裕仁を人道に対する罪について刑事責任があると認定する。そもそも天皇裕仁は陸海軍の大元帥であり、自身の配下にある者が国際法に従って性暴力をはたらくことをやめさせる責任と権力を持っていた。天皇裕仁は単なる傀儡ではなく、むしろ戦争の拡大に伴い、最終的に意思決定する権限を行使した。さらに裁判官の認定では、天皇裕仁は自分の軍隊が「南京大強かん」中に強かんなどの性暴力を含む残虐行為を犯していることを認識していた。この行為が、国際的悪評を招き、また征服された人々を鎮圧するという彼の目的を妨げるものとなっていたからである。強かんを防ぐため必要な、実質的な制裁、捜査や処罰などあらゆる手段をとるのではなく、むしろ「慰安所」制度の継続的拡大を通じて強かんと性奴隷制を永続的させ隠匿する膨大な努力を、故意に承認し、または少なくとも不注意に許可したのである。さらに我々の認定するところでは、天皇は、これほどの規模の制度は自然に生じるものではないと知っていた、または知るべきであったのである。

・・・えーっと、その主張が、おそらくはあなたたちが忌避してやまないであろう戦前の全体主義者の主張と類似のもの、もっと正確に言えば、天皇親政を唱えた皇道派の主張と類似のものだと理解した上でおっしゃってます?

大日本帝國憲法下でその手の指示を天皇が行った事例を具体的に挙げればただ1つ、いわゆる聖断だけです(二・二六事件際のの戒厳令は微妙ですが、形式要件を見れば、一応勅令には国務大臣の副書がなされています)。これは、御前会議において政府としての意思決定が不可能であることを理由に「大政奉還」がなされたという極めて特殊な状況下で行われたものですが、そういった事態でなくても、政府や軍部が合法的に行った意思決定を超法規的に覆すような天皇であれと、そういう主張をしているわけです(事実認定は「法廷」のそれが正しいと仮定してます)。

そういった矛盾した主張−判決本文がネット上では公開されていないので、仮に、「概要」には掲載していないが、皇道派の考え方があるべき・望ましいものなのでそれを採用して判決を下したというなら、「矛盾した」という形容は撤回しますが、そんな判決ではないですよね?−を優先的に「正義」として採用せよというのはいかがなものかと言わざるを得ません。この世の全ての法は神ならぬ人の生み出したものですから何らかの意味で矛盾を抱えているのかもしれませんが、ここまで明らかな矛盾のあるものがそうでないものに比べリソースの割り当てにおいて優位に立とうとするなら、それなりの努力が必要でしょう。

そうした努力を行わずして、理解をしない政府や国民が悪いという世界に閉じこもって満足するというなら、永遠にその「正義」が実現する日はこないでしょう(若干脱線ですが関連で、先の「判決本文がネット上では公開されていない」との点につき、書籍で出版しているんだからそれを買って判決本文を確認すべき、という反論は却下。「正義」の実現を目指して少しでも多くの他人に同意してもらおうというなら、タダでいいから是非読んでみてください、という選択肢があってしかるべきです。そうしたマーケティング的な努力もせずに理解が広まらないと嘆くのであれば、殿様商売といいますか、長文のラブレターを一方的に送りつけて読んでもらえないと憤慨する迷惑な片思いといいますか)。

なお、3点補足させていただきます。

  • 僕としては、放言も放言を禁欲した結果としての沈黙も同じように悲劇を引き起こすのだから、どっちもどっちだとの点については、ここまで述べてきた立場は、決して「放言を禁欲」するものではないと申し上げたいと思います。「自ら」が「正義」と信ずることを放言するのは自由です。ただ、それが「政府」なり「社会」なり「組織」の「正義」とはイコールではなく、前者を後者足らしめるためには一定の要件が必要だ、ということです(例えば、mojimojiさんとwebmasterではリフレ政策に賛成であるという点では共通していると思いますが、つまりはwebmasterは決して放言を禁欲していません。しかし、同時にそれが後者の意味での「正義」ではないという認識も持っているし、だからこそ、その実現のためにはどうすればよいかということを考えて、アレコレ行動したりサイトでテキストを公表したりしているわけです)。
  • 前回のエントリで、成文法(mojimojiさんが正しく拡張したように、それに基づく判例を含みます)と限定してwebmasterが議論しているのは、以上にかかわらず、社会や集団で共有される規範が変わってしまえば、正規の手続なしに法の効力は事実上変わってしまうからです。歴史上有名な事例はナチスの政権奪取や戦前日本における全体主義体制の合法的な構築(誤解なきよう断っておきますと、政権構築自体は合法手続に則って行われたという意味で、その過程で違法な行為を行っていないということを意味するものではないです)でしょうし、最近で言えばアーレフ(旧オウム真理教)の事実上の移転の自由侵害でしょう(そうした事実上の法の趣旨の変更に対抗するという意味でも、手続的公正性の確保は大切なのですが)。
  • にもかかわらず、実はwebmasterは、語源どおりの革命的な事態というのは、形式的手続を無視してしかあり得ないと考えています。法の存在はその正当性を推定されるべきと言いましたが、法解釈における推定とは反証を許すものですから、実際には正当でないこともあり得るわけです。そうしたものは通常は形式手続に則り法改正がなされますし、またそうであるべきですが、そうした手法では何ともならないほど現実と法制度が乖離した場合には、革命によりすべて−よいものも悪いものも−を一括してひっくり返すしかないでしょう(時系列的な前後関係や一部制度における革命前後の連続性は当然ありますが、概念的にはということです)。その際には、webmasterのようは保守派は・・・小栗忠順でも見習って蟄居でもすることにしますか(笑)。

bewaadさんへの応答について

こちらについては、mojimojiさんのコメントを見て、むしろネット認証の問題とパラレルであるという当てはめが正しかったんだなぁ、と実感いたしました。抽象化すれば、特定の第三者によるチェックを経なければ形式基準で正当性がないと推定されるものとパラレルであるということですが。

具体的には、正当な目的が正統な手続きを無視する理由になるという見解を僕は持っていないし、かつ女性国際戦犯法廷の適正手続は十分確保されている、というのが僕の見解という部分を見て、そういう実感を持ちました。

前回のwebmasterのテキストは、「民衆法廷」は、それが立憲民主主義体制下において立法府の承認を得ていないというただ一点を理由として、基本的には現実の法廷の代替物たり得ないということを説明することを意図していました。それに対して、法廷に比べてさほど遜色ない適正手続を確保しているという反論は、その事実関係を脇に置いても−そこは大屋先生の守備範囲ということで−、そもそも反論たり得ていないわけです。

例えば、Microsoftがある組織をInternet Explorer等において認証機関として認める基準においては、WebTrust for CA監査を完了するか、あるいは同等のサードパーティ証明書を提供することが求められています。つまり、実際の認証手続自体がいくら適正・的確であったとしても、それが権限を有する第三者による承認を受けなければ意味がないわけです。

別の例として監査つながりで言えば、前回触れた企業会計基準についても同様で、いくら企業の経営者が我が社の決算には粉飾などないと言い、さらにそれが事実であったとしても、基本的にはそんな言葉に耳を貸す投資家はいないわけです。

前回のテキストで参考とした高木浩光@自宅の日記さんの言い方を再度お借りしますと、「オレオレ中の認証局」が発行した「オレオレ証明書」は、仮に「認証局」が極めて信頼の置けるもの、例えばVeriSign社よりも技術的・手続的にすばらしいものであったとしても、WebTrust for CA監査を受け、それを前提にMicrosoft(やNetscapeや・・・)によりブラウザに組み込まれなければ、その適否はさておき実態として、一般に信頼されたものとしての取扱いを受けることはできないわけです。

このエントリにおけるmojimojiさんのコメントは、法廷という一種のブランドを使うことに妥当性があることの説明にはなっても、法廷と同等に取り扱われるべきことの説明、ないしは法廷と同等に取り扱われないことを非難するに当たってのサポートにはなっていないと思います。比喩を使うことが理解していただく助けになるかどうかはわかりませんが、ある山がきれいな三角形であるとして、それはそうでない山と違ってその山を「○○富士」と呼ぶにはふさわしいことの説明にはなっても、決してその山が静岡県・山梨県境にあるあの「富士山」に成り代わって「富士山」だと呼ぶべきだということの理由にはならないわけです。

関連する議論

そもそもmojimojiさんのエントリをwebmasterが見つけたのは稲葉先生のエントリ経由なのですが、これまでの議論から推測すれば、このエントリでの稲葉先生の認識−アイロニカルなサポート−というのは誤っていたように思います(稲葉先生のエントリを受けてのエントリにおいて、mojimojiさんご本人がすでにアイロニカルなつもりは全然なかったとおっしゃっていますが)。

なぜかと言えば、稲葉先生の指摘は、法廷と同じような権威を認めるべき存在と誤認され得るものが「法廷」と名乗れば問題だが、どうせ間違ようがなく名乗ったって実害が生じるわけがないからいいじゃないか、というものです(よね?>稲葉先生)。他方、先の「bewaadさんへの応答について」でご覧いただいたように、明らかにmojimojiさんにはそういう認識はなかったわけです。

これについては、むしろ大屋先生の方が最初にこの問題に触れたエントリにおいて資格のあるものとないものが混在するのはやはり問題としているわけですから、混在があり得ると認めるだけmojimojiさんに近い立場であるのではないでしょうか。

ちなみにこの点についてのwebmasterの意見としては・・・大屋先生ほど「法」というものに愛情は持っていません(笑)。

最後に(中身はないです)

少なくとも前回のwebmasterのエントリは、批判を意図したものでは全くありません(今回は多少入ってます(笑))。「保守主義者と放言左派の共通点」エントリでwebmasterが批判しているとの前提でお答えいただいたのは、webmasterの文章のつたなさもあるのでしょうけれど、少し切なかったです(涙)。

本日のツッコミ(全3508件) [ツッコミを入れる]

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iwatch apple strap [こんにちは 仲間、良い 執筆の一部と本当にこれらによって楽しん} archives of bewaad instit..]

iwatch apple strap [Hahahahahahaha、この政治関連するYouTubeのビデオは本当に真にされるようにコミカル、私は愛さそれ。..]

apple watch hermes [こんにちは誰も、それを私の最初のに進むこれでウェブページ、とポスト archives of bewaad insti..]


2005-01-26

[economy][BOJ]金融政策決定会合議事要旨(2004年12月16、17日開催分)

当面の金融市場調節に関して、多くの委員は、金融システムに対する不安感の一段の後退などから、市場の資金余剰感が強くなっているが、このところは資金余剰期に入っており、オペレーションによる資金供給必要額が減っているため、短期資金供給オペの運営上の工夫によって、当座預金残高目標を達成していくことは可能であるとの見方を示した。複数の委員は、当座預金残高目標の引き下げは引き締めと捉えられる可能性があり、景気が微妙な情勢である現状は、残高目標をしっかりと達成していくことが大切であると述べた。この間、一人の委員は、ペイオフ解禁を契機として金融市場の流動性不安が後退していく中では、デフレが継続するもとで、量的緩和政策における潤沢な資金供給と結果としてのゼロ金利の維持という枠組みは堅持しつつ、タイミングを十分に見極めながら、市場の資金の余剰度合いに応じて徐々に当座預金残高目標値を減額していくことも考えられるのではないかとした。もう一人の委員は、こうした考え方に基本的に賛成であるとしたうえで、実際に目標値を見直していく際には、その時点の景気動向なども無視できないと述べた。

現在の政策が金利に働きかける効果について、ある委員は、(1)ゼロ金利が一定期間続くことをコミットすることにより中長期の金利を引き下げる時間軸効果、(2)当座預金残高目標の引き上げが時間軸のアナウンスメントを補強する効果、(3)様々なオペレーションを通じて銀行間のクレジットスプレッドのばらつきを縮小させる効果、の3つに整理した。別の複数の委員は、こうした整理に概ね同意したうえで、現在の政策が経済に働きかける効果としては、さらにクレジットスプレッドの縮小が企業のバランスシート調整を促す効果なども考えられるとコメントした。もう一人の委員は、それぞれの効果の存在は否定しないが、時間軸効果以外の効果がそれほど大きいとは思えないと述べた。一方、量的緩和政策の副作用として、複数の委員は、(1)資金調達者のモラルハザードの拡大、(2)短期金融市場の市場機能の低下、(3)金融政策の機動性の低下、(4)財政規律の低下などを挙げた。これら委員を含めて、現状においてはこれらの副作用が効果との比較でみて著しく大きいとは言えないとの見方で一致した。

あのー、ここは笑うところでしょうか?

「効果」については、(1)はコミットする期間が変わらない以上さらなる引下げ効果は期待できないですなぁとか、(2)はじゃあ1年以上前(まあ議事要旨における議論の頃にはまだ1年経っていませんでしたが)に引き上げたのを最後に横ばいが続く今ではアナウンスメントをむしろ減殺する効果があるんじゃないのとか、(3)は次に出てくる副作用とバッティングしてるんじゃないのとか。

「副作用」については、(1)は頼むから中央銀行の意思決定機関で経済学のジャーゴンをそれ以外の意味で使わないでくれ(で、それ以外の意味として信用力に欠ける資金調達者であっても資金調達に苦労しないことを副作用だといってるんだろうけどそれなら効果の(3)とバッティングしてるねぇ)とか、(2)は何が言いたいのかよくわからんけど価格決定(=金融機関の信用力に応じた金利設定)の話だったら効果の(3)とバッティングしてるねぇとか、(3)は目標残高の上げ下げと金利の上げ下げとの間で機動性の差があると信じる理由も言えよ(国債保有残高に日銀券発行残高というキャップをはめているから残高を上げる余地が少ないからですかああそうですかそれは自分で勝手に決めたキャップですよねぇ)とか、(4)はどーせ低金利だから国債費が安上がりになるので歳出削減努力and/or歳出増加努力のインセンティブが働かないってことだろうけど絶対に削れない固定費ってのはあるんだから(国債費が典型だけど)急激な金利上昇の方がかえって歳出の野放図な増加につながるんじゃないのとか。

で、当預残高目標引下げですが、こんなことを言わせちゃ、何のために量的緩和政策の解除条件を明確化したのかわからなくなるでしょうに。目標維持を主張した「複数の委員」にしても、景気が微妙であることを維持の理由に挙げていますが、解除条件を見れば、景気は悪ければ条件を満たしてもなお継続するとの留保に過ぎないわけでして、よければ解除していいんだというものでは決してなく、解除すべきかどうかはあくまで物価及びその見通しに依存することをどう考えているのでしょうか。

これでは彼(女)らは、景気が好調であれば物価がどうであっても解除してもかまわない、ということを言っているようにしか思えません。だいたい、あなた方の景気判断については、景気が回復したと判断してゼロ金利を解除した前科がありますからねぇ・・・。あの解除条件には言いたいことはあるのですが、せめて決めたことぐらいは守ってくださいよ・・・。

これに比べ、政府側出席者は、今で満足しちゃダメだ、もっと努力しろ、とまともなことをいっていたので、それも紹介しておきます。まあ、財務省出席者については、「これから緊縮財政やりますんでその分金融政策でよろしく」っていう下心がないとも限らないですけれど(笑)。

現在の民間需要主導の景気回復を持続的なものとしていくためには、今後とも金融政策の役割が重要であると考えている。こうした観点から、緩和的な金融環境が継続するとの期待が将来に亘り維持されるよう、新たな工夫の検討を行って頂きたいと考えている。(財務省出席者)

デフレ克服には、結果としてマネーサプライが増加することが不可欠であることから、効果的な資金供給に繋がるような措置も含め、さらに実効性ある金融政策運営を行って頂きたい。また、金融政策運営に関する透明性の一段の向上に努める中で、デフレ克服までの道筋を明確に示して頂くことを期待している。(内閣府出席者)

#本エントリ中の引用部における強調はすべてwebmasterによります。

[economy][game]まんきうのげゑむ:ケネディ/ジョンソンに勝った!!

きっかけは、アイゼンハワーに勝ったことでした。

  • スコア 94.35
  • 平均実質GDP成長率 4.28%
  • 平均失業率 5.85%
  • 平均インフレ率 2.61%
  • 平均財政赤字 -5.25%

当然、勝負を決めたのは運だったのですが(笑)、基本的な政策運営方針は次のようなものでした。

先にラフな分析をしたとおり、フィリップスカーブは成立していないと考えて差し支えない(=インフレ率を低くしたからといって、失業率が高くなるという弊害が生じるとは限らない)一方で、インフレ率は低い方がスコアがよくなりますので、基本的にインフレ率は低ければ低いほどいいわけです。

他方で、スコアが高めに出るときは、いいイベントが起きて/悪いイベントが起こらずGDPが成長し続け(オークン法則は傾向としては成立していますので、これに伴い失業率も低い状態が続きます)、インフレギャップが継続的に存在するような状況ですから、多くの年において対インフレ政策を講じる必要があります。

しかし、そのすべてを金融政策で行おうとすると、マネタリーベースを引き下げ続けなければならなくなり(webmasterの上記以外の例では、最後の2年間マネタリーベースの伸び率を0%で据え置いたというケースもありました)、その結果民間投資が極端に落ち込んでGDP成長率が伸びなくなるので、「低成長・低失業率・低インフレ」というどこぞの政権が理想像として持っていそうな(笑)数字になってしまいます。

ということで、「財政政策でインフレ率をコントロールせよ」という恐ろしい命題ができあがります(笑)。継続的に存在したインフレギャップを財政支出削減で吸収し続けた(最後の2年間など、財政支出を対GDP比10%(下限)にしてもインフレギャップが吸収できなかったので、税率を22%に上げることまでしました)結果が、上記の「高成長・低失業率・低インフレ・莫大な財政黒字」につながったわけです。ちなみに、任期16年中は一回たりとも金融政策は行いませんでした。

・・・ん? なら、超財政緊縮+超金融緩和で意図的にそうした状況を作り出せばいいんじゃないだろうか、と思いついて何回かやってみたところ、出ました!

  • スコア 99.43(1位!)
  • 平均実質GDP成長率 4.87%
  • 平均失業率 5.87%
  • 平均インフレ率 1.21%
  • 平均財政赤字 -18.13%

具体的なやり方としては、まず、最初の数年はマネタリーベース伸び率を15%にキープする一方で、財政支出を10%に引き下げ、税率を30%に上げることにより、速やかにディスインフレ下で実質金利を-10%以下に誘導します。そのうちGDPが回復してきますので、あとは、なるべくインフレギャップを発生させないよう金融政策を運営していくというものです。このポリシーミックスは非常に高い確率で高得点がねらえるもので、イベント運にもよりますが、なれてくれば平均点が90点台に乗ります。

ただ、実際にはこんなうまい話はないよなぁ、というのがよくわかるのが金利です。1位になったときなど、最後の4年間の金利は実質で-25%以下、名目でも-25%前後でした。これは名目金利の非負制約がないゲーム世界限定の最適ポリシーミックスの結果でして、現実の経済運営であれば、これだけの経済成長を支える投資増をもたらす低実質金利は、インフレを伴わずに現出させ得ないのはいうまでもありません(実質金利が-25%になるということは、名目金利をゼロ金利にしてもインフレ率25%を必要とするわけですから)。

本日のツッコミ(全258件) [ツッコミを入れる]

Before...

buypcsoftware [Just as the keyboard is waiting for a key to be pressed, t..]

LarryThast [Joanna: Yeah, more reserved. That, as you say, reflects th..]

Jamescox [Hello! Touch Screen Phones: Up to 60% OFF and Low to ..]


2005-01-27

[law]mojimojiさんへのアドバイス

webmasterも出しゃばりで恐縮ですが、語り口の問題/立ち位置の問題での記述を見てどうしても一言申し上げておきたいと思いましたものですから・・・(そもそもこのエントリはwebmasterに対してではなく大屋先生に対するものであり、なおさら恐縮ですが)。

前回の本件関連のエントリにおいて、webmasterは従軍慰安婦問題が「悲劇」かどうかは確定していませんし、仮に「悲劇」であることが事実だったとしても、それに政府として対応することが「正義」であることが確定していないのは言うもさらなりではないですかと書いたのですが、この文で何を言いたかったのかが伝わらなかったのだなぁということを、先のmojimojiさんのエントリ中の僕が何にいらだつかといえば、それは表面的な口調の問題じゃなくて、おおやさんが自身と従軍慰安婦問題の間にそのような関係などないかのようなふるまっていることによります。つまり、徐京植さんが考えるような責任の論理を否定した態度をとっているわけですという文章を見たときでした。よって、ここではこの問題に限って、ちょっと詳しく書いてみたいと思います。

この「いらだち」が立場を超えて説得的であるためには、次の3つの要件を満たす必要があるとwebmasterは考えています。

  1. 従軍慰安婦問題に関する事実認識について、mojimojiさんたちのそれが正しいものであること。
  2. 1が満たされているとして、従軍慰安婦問題が他の問題に比べて我が国としてより責任を負うべきものであること。
  3. 2が満たされているとして、徐京植さんが考えるような責任の論理、すなわち我が国として負うべき責任はその主権者である国民一人一人が究極的には負っているという関係を踏まえて発言すべきというロジックを妥当なものとして認められること。

多分これだけでご理解いただけると思いますが、「詳しく書く」といった以上蛇足を承知で説明いたしますと、1は従軍慰安婦の方たちについての事実が責任を負うべきものであることが全ての前提となっているわけですから、その前提が成立していなければ、そもそも問題として論ずべきものでもない、ということになります。

次に2ですが、まさしくmojimojiさんご自身が支援を必要とする人の存在を知った以上、見殺しにすること自体が息苦しさを感じさせる原因と書かれていますが、世の中には数多くの支援を必要とする人が存在します。しかし、前回webmasterが触れたとおり支援に用いることができるリソースには制約がありますから、支援を必要とするの全てを支援することはできないわけです。ですから、いくら息苦しさを感じようとも、支援を必要とする人の中で誰を支援するかを決めなければ、裏返していえば見殺しにする対象を積極的に選択せざるを得ないのです。では、従軍慰安婦の方々を支援することとのトレードオフで見殺しにされる方々は、従軍慰安婦の方々よりも見殺しにふさわしいのでしょうか。

最後に3ですが、おおやさんはかなりの量の思考を重ねた上で、徐氏が言うような責任の論理など成立しない、あるいはさせてはならない、と確信しているみたいですから、文句があるなら、この点について理論的な反論を考えていくのが筋だということは分かっているつもりですとのことですので、webmasterがとやかく申し上げるまでもないと思います。

とまれ、かくのごとく限定的にしか成立しないと考えられるものであるにもかかわらず、おおやさんが自らの立ち位置の問題を認めない限り、こうしたスタンスの心情左翼は苛立ち続けるでしょうというのは、成立しているかどうか以前の問題として、限定的であるかもしれないという疑いすら持たず、アプリオリに普遍的であると考えているからではないでしょうか。通常、「問題を認めない限り」というワーディングは、問題があることを前提に、それを認めないことに対して用いられるものですから。

このエントリのタイトルで「アドバイス」などと偉そうに申し上げたのは、そのアプリオリな仮定が成立しない可能性がある−もちろん、成立する可能性があることは否定しません−と一度立ち止まっていただいて、いらだちを解いていただきたいと考えたからです。批判から逃げるつもりはさらさらありませんが、いらだちに起因する批判を巡る議論は双方にとって労多くして功少ないものだと思いますので。

いずれにしても、これまでのwebmasterのテキストで察していただいているとは思いますが、webmasterは絶対的な正しさのランキングなど不可能だと思っていますので、自身の見解にはそれなりの自信がありはしますが、最終的には見解の相違という結論になることは十分あり得ると思いますし、また、そうなったからといって議論が無益だったとも思いません。webmaster個人にとっての正しさについての認識が、他人に共有してもらえるというのは非常にありがたいことですが、それは同時に原義どおり成し遂げがたいことでもあることは承知していますから。ただ、その過程において、少しでもお互いにとって得られるものが多くなるよう望むだけです。

(備考1)
議論の混乱を避けるためここで述べますが、上記の3要件の2番目については、そんなえらそうなことを言っているお前本人はきちんと判断できているのか、という意見もあると思います。先に答えを言えばできていません、ということになりますが、まず人間の知識は有限ですから、見落としは不可避です。そして、その有限な知識の評価についても、主観的バイアスは絶対にかかってしまいます。具体的には、愛しい人や大切な人、親しい人の支援の必要性はポジティブに、嫌いな人や苦手な人のそれはネガティブに評価してしまうことは否定できません。その結果として、あのときああしていればこんな事態は避けられたのに、ということが起きるリスクは死ぬまでヘッジできないでしょう。webmasterが一人の人間として心がけたいと考えているのは、このリスクから目をそらさないことと、でも少しでも減らせることができるよう、見聞を広め考察を深め続けていくことの2つです。

(備考2)
今回の議論と若干の関連があるものとして、一般に受け入れてもらえない見解を受け入れさせた過程を描いた本でもある中西準子「環境リスク学−不安の海の羅針盤」は非常にお薦めです。既に山形浩生さんの書評などを通じご覧になった方も多いと思いますが、もし読者の中にまだお読みでない方がいらっしゃったらと思い、念のため紹介させていただきます。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [>isuzukiさん どうしましょう? はてなのシステムはよくわからないのですが、管理者にメールでもすれば対応してい..]

isuzuki [>管理者にメール そうしてみまつ。 わざわざ ご返事ども。]

bewaad [ご面倒をおかけしてすみませんが、よろしくお願いします。]


2005-01-28

[notice]RSSの公開を始めました

URIはhttp://bewaad.com/index.rdfです。tDiaryのmakerss.rbプラグインを使用していますので、本文の追加のほか、ツッコミやtrackbackでも更新されます。

あわせて、trackbackの設定ミスを訂正しました。今まで当サイトから送ることはできていたのですが、仮に当サイトに向けて送る際に何らかのエラーが出ていたとすれば、直っていると思います。

[economy][game]まんきうのげゑむ:さすがにこれで最後? その1

100点満点じゃなかったのね・・・。

  • スコア 112.18
  • 平均実質GDP成長率 7.67%
  • 平均失業率 6.56%
  • 平均インフレ率 -0.60%
  • 平均財政赤字 -16.25%

ちなみにこのゲーム、名目金利の非負制約が無いのみならず、失業率の非負制約もありません(最終年は-7.3%)。どういう状態なんでしょうか、マイナスの失業率って(笑)。

100点以上を簡単に出すコツ、本日の最後のエントリに書いておきます。見たくないという方は、そこは読まないようあらかじめご注意申し上げます。

[sports]オシムと有能な仲間たち

いいチームですね、ジェフ。オシム監督自身は、「私は決してマイナス志向ではないが、客観的に見て今の市原には優勝する条件が整っていない」と言っていますが、そうはいっても優勝するところ(そしてオシム監督がうれしそうに笑っているところ)を見てみたいと心から思います。まあ、優勝できない方がいかにもジェフっぽいというような気も(笑)。

[economy]日本経済調査協議会浜田委員会提言「財政破綻の克服へ向けて」

日経の報道では、財政破たんを回避するため、今後1、2年でデフレから脱却できなければ預貯金や現金に課税するマイナス金利政策を検討する必要があるとまとめられているこの提言ですが、一読した感想は、「いつもの深尾節ですなぁ」

1980年代に財政再建が成功した大きな要因は、資産価格バブルの発生という副作用はあったものの、金融緩和により景気の下支えができた結果、財政の引き締めが可能になったからである。これに対して90年代には、デフレによる実質金利の高止まりが、金融緩和効果を限られたものにしたため、財政再建をほとんど不可能にしてきたと言える。

といったあたり(pp5,6(提言より引用。以下単にページ数のみ記します))、webmasterも大いにうなずくところですが、その処方箋については、財政再建に最も有効なマクロ政策の道筋は、早急にデフレから脱却して、マイルドなインフレと名目プラス成長を達成することである(p22)という方針自体はいいのに、各論ではなんで金融資産課税に行ってしまうのでしょうか。

リフレ派が通常主張する手法、インフレターゲット(プライスレベルターゲットの方がいいのではという議論はさておき)の設定と長期国債の買い切りオペ増額については、前者は深尾先生(で代表しますが)も肯定するものの、後者に対してはいつものように次の批判(p23)がなされています。

この政策の副作用は、日銀が巨額の長期国債を購入すると、デフレから脱却した時点で債券価格下落により大きな損失を被ることである。損失があまりに巨額になると、デフレから出た後にマネタリーベースを回収するために売却する金融資産が不足し、日銀が売出手形などの金利付きの短期債務証書を大量に発行する必要が生ずる。この場合、日銀の金利収入を日銀の利払額が上回って、日銀が政府から資金援助を受ける必要が生ずる可能性もある。

これまでもそうですが、結局、なんで日銀に損失が生じたらいけないのかについての説明がありません。日銀が政府から資金援助を受けたら何か問題があるのでしょうか。もしや日銀が通常の銀行と同じように単独で健全性を維持しなければと思っているのでは、ということでもありません。なにせ先に引用した段落には、日銀の利益は一部内部留保される金額を除いて全て国庫に納付されるため、実質的に政府の一部と考えるべきである。(p23)という注がついているのですから。

このあたり、深尾先生は日銀出身だからなぁ、という疑念をどうしても払拭しきれない理由でもありますから、どこかで一度きちんとした理論構成をおうかがいできればと思うところです。

なお、提言の残りの部分ですが、以下の2点を除けばそんなに変なものではないと思います。

  1. 累積債務問題をグロスで論じてます。ネットで論ずべきという意見に対しては、年金の過去債務や財投機関の累積損失を引いて日本の財政状況は非常に深刻な状況にあると判断すべきである(p3)と結論づけていますが、なにも深刻であろうことは否定していないわけです。ただ、債務償還能力なんてものは−国債を政府が全額償還する必要など全くないとwebmasterは考えていますが、それは脇に置いても−ネットで考えなければまっとうに論じられるわけがないので、いたずらにグロスの数字を取り上げて不安感をあおるのはいかがなものか、ということです。
  2. 格付けの低下を問題視しています。提言のp7でMoody'sとS&Pの格付け基準が紹介されていますが、いずれも名目値である券面額の約定どおりの償還可能性のみを問題にしています(Moody'sに至っては、しかしインフレによる債務の実質価値の引き下げは、それがハイパーインフレであっても、デフォルトとはみなされない。また為替相場の切り下げによる海外投資家が保有する債券のキャピタルロスも同じ理由でデフォルトとはみなされない(p7)とはっきり書いています)。しかし、通貨発行権を有する国は輪転機を回せば名目額の返済はいくらでもできるので、自国通貨建国債の格付けは、インフレによる実質的な目減りを考慮しない限りにおいては、AAA以外あり得ないのです。にもかかわらず、政府に支払い意思がない場合や、国内の深刻な政治・社会混乱により徴税システムなどに障害が生じた場合など、自国通貨建てであっても債務が返済できなくなる可能性はある(p8)などと言うのはアジテーションと評さざるを得ないでしょう(ところで、「支払い意思がない場合」ってどんな場合?)。

ちなみに最後の格下げについては、財務省がいろいろ反論していますが、自国通貨建国債の信用リスクについて、経常黒字があるだの債権国だの外貨準備高が世界最高だの反論してどうするんでしょうか(これらは、外貨建国債の信用リスクについてであれば妥当な反論です)。というより、自分たちが財政は危機的状況だと触れ回るからそうなるんです(通貨発行権や徴税権を持つ国を、そんなものを持っているわけもない家計と比べたりとか)。自業自得の典型例といって差し支えありませんね(笑)。

[economy][game]まんきうのげゑむ:さすがにこれで最後? その2

基本は前回紹介したポリシーミックスのとおりなのですが、一つだけ変更点があって、最終年に財政・金融ともに全開にします(マネタリーベース伸び率15%、税率10%、財政支出30%)。そうすると、大雑把な感触としては、インフレ率では+20%ポイント前後の変化がある一方で、失業率では−10%ポイント前後、実質GDP成長率では+40%ポイント前後の変化があります。感覚的には、最終年にこれをやらない時と比べてスコアは10ポイント以上高くなるように思います。

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2005-01-29

[economy][politics][BOJ]国会における経済論戦

「男子の本懐」

昭和の初期、厳しい経済財政政策を断行するとともに、ロンドン軍縮条約を結んだ濱口雄幸首相は、軍部や官僚、経済界の強い抵抗や介入の中、不退転の覚悟で自らの責務を果たすことができれば、たとえ国家のために斃(たお)れても本懐であるとの決意で難局に臨みました。

という施政方針演説。これに対する野党の追及は、

野田議員は冒頭、24日の衆院本会議での岡田克也代表の再質問や小宮山議員の質問に対する小泉首相の答弁姿勢をめぐって「施政方針演説の結びでは濱口雄幸にあやかりながら決意を表明したが、その資格はない」と断じ、暴漢に襲われ術後の経過が最悪だったにもかかわらず国会に臨み、命をかけて首相としての説明責任を果たしたのが濱口首相だったとした上で、「逃げて、ぼかして、開き直るあなたとは違う」と厳しい口調で指摘した。

そんなことより、どんなに命がけの主張であっても、中身が間違っていたらかえって有害だということを指摘してほしいものです(どのあたりが有害かは、以前紹介した中村宗悦「経済失政はなぜ繰り返すのか」をご覧いただければ)。

ところで、同じ質問において、「室伏選手は砲丸投げのゴールドメダリストだが、首相は丸投げのゴールドメダリストだ」として、「リーダーシップの下に断固たる決断に基づいて行ったと胸を張れるか」としてそのビジョンを質したらしいのですが・・・ハンマー投げでしょ(笑)。

「財政の健全性」

日経の報道によりますと、

「金利も上がって、円安になってもいいはずだが、現実の経済はなかなか理論通りにいかないということの表れだ」。小泉純一郎首相は27日の衆院予算委員会で、債券・為替相場の現状をこう分析した。

質問したのは1999年に首相がつくった「郵政民営化研究会」のメンバーだった民主党の島聡氏。島氏は「国債を大量に保有している日本郵政公社が民営化後に国債保有量を減らせば、長期金利の上昇につながりかねない」との趣旨でただした。

首相は「財政が今よりも不健全だったら国債は暴落する。今の状況でこれだけ大量の国債を発行したら、普通の常識的な経済・金融理論ならもっと金利が上がって、もっと円安(ドル高)になってもよいはずだ」などと強調した。

そのうえで「ところが歴史的な超低金利で、これだけ財政状況が悪いのに円安どころか円高を心配する状況だ」と解説。だからこそ財政の健全化に取り組み、郵政民営化を直ちに進める必要がある、との趣旨で締めくくった。

質問はしょーもないものですが(民営化後の公社が保有残高を減らすために国債を売りに出すとして、ファンダメンタルズから導かれる金利より高金利(=低価格)となれば、似通った商品特性を有する他の資産との裁定が働き、国債買い・他の資産売りという取引が行われるので、結局は元の金利水準に戻ります。つまり、ファンダメンタルズが問題なのであって、公社の国債放出=需給バランスの変化は、一時的な市場撹乱要因にしか過ぎません。まあ、公社の国債放出が一種のレジーム転換として機能する−将来見通しが一斉に悲観的になるという期待の変化それ自体がファンダメンタルズを変える−可能性は認めますが)、総理の答えは、実は掘り下げがいがあります。

財政と物価との関係について、FTPL(Fiscal Theory of Price Level, 物価水準の財政理論)という仮説があります。その含意を誤解を恐れず単純化しますと、次の式で表されます。

物価水準=政府が支払うべき金額/政府の支払能力

総理が言う、財政が不健全になることが金利上昇・円安につながるというメカニズムを考えますと、この式を前提として、政府債務が増加する比率よりも政府の支払能力が増加する比率よりも少ないことを意味します。この場合、分子と分母の比率において分子側が相対的に増加しますので、物価水準の上昇、つまりインフレとなり、これは、実質金利が一定であれば名目金利の上昇につながりますし、購買力平価(厳密には相対的購買力平価で十分)が中長期的に妥当する前提で、円安を引き起こすからです(いわずもがなですが、総理がこうしたメカニズムを頭に描いて答弁をしたとはwebmasterは全く思っていません(笑)。以上記したように、デフレが継続中の今、金利が上がらず円高だっていうのは理論どおりのことであって、理論どおりにいかないことの表れなどではないのですから)。

ただし、FTPLにおいては、現時点のみを考慮するものではなく、将来にわたってのものですから、仮にあるとき国債を大量に発行したとしても、その償還原資が将来の増税等で確保されるのであれば、その分、分母も大きくなりインフレにはなりません。インフレを引き起こすような財政状態とは、将来において増税等を行わないという前提で国債を発行するような状況で、確かにこれは財政が不健全といわれても仕方がないでしょう。逆に財政の健全化とは、将来にわたって見通せる範囲内において、政府債務を削減and/or歳入を増加させ、その埋め合わせをしないということです。

ん? この意味で財政を健全化すれば、先の式の右辺は小さくなりますから、左辺もまた小さくなる、つまりデフレをいっそう進行させることにつながります(インフレにするためのことの逆をやっているわけですから当たり前ですが)。・・・あれっ、総理って施政方針演説で、デフレの克服と経済の活性化を目指していたのでは?

#セクションの趣旨からははずれますので、FTPL自体の妥当性はとりあえず脇に置いています。

「154兆円」

ゼロ金利政策の継続による家計の逸失利益だそうです(岩國哲人議員の質問より)。それを得たりと取り上げて経済失政だと指摘する岩國議員自身については、まあ証券会社出身という彼のバックグラウンドを考えればやむを得ないかな、という面はあります。基本的にファイナンスは名目値の学問ですから。

しかし、日銀総裁が金融緩和は一般的に家計部門に負担をかけるなんてことを言っていてはいかんでしょう(毎日新聞の報道によります)。リフレ派にとっては自明ですが、デフレというのは実質金利(名目金利−インフレ率)が高止まって−先の式でいえば、「インフレ率」の部分がマイナスになるわけですから−貯蓄をしている部門、端的には家計にとって非常にお得な状態であるわけです。そうでなければ、つまり借金をしている方がお得なら、利潤追求をその目的とする民間企業がせっせと借金返済にいそんしだりなどするわけありません。福井総裁は岩國議員と違って物価の番人である中央銀行総裁なのですから、名目と実質の違いを理解していないとすれば職務に不適格ですし、理解していた上でごまかしているなら単なるアジテータです。

・・・あ、だめです、岩國議員弁護しきれません。同じく毎日新聞報道によると、岩国氏は家計部門の減少分154兆円について「あのスーパーや、あの建設会社の救済に使われた」「経済用語では『所得移転』というが、一般用語では『どろぼう』だ」などと批判し、政策転換を求めたとのこと。いちご経済板にて、ドラ様一刀両断です。利子が増えると付加価値総額(=企業収益+賃金)が増えるんだろう、彼らの頭の中では。(除く対外債権)

しかし、こうしてみると、次の2つのことが言えますね。

  • なんだかんだ言って、金融緩和策の早期解除に慎重な竹中平蔵経済財政担当相も、別の質問への答弁で両氏のやり取りを再び持ち出し、「家計から見ればローン負担も低下した。経済というのはコインの両面。総合的に見なければいけない」と福井総裁を援護したという竹中大臣(これも毎日新聞によります)は、やはり今の政権の中ではシバキ主義への傾斜というマイナスもありますが、一番まともな経済を見る目をもっているように思います。
  • 毎日新聞は経済記事では電波の含有量が多いことをもって一部で有名ですが(笑)、読売朝日(ただし、ロイター配信)日経を比べてみると、一番この問題についてポイントを突いた報道振りですね。次点は朝日ですが、ロイター配信なのが難点。読売は毒にも薬にもならないという感じで、日経は・・・国民所得統計でみると、家計部門が受け取るはずだった金利収入の大部分は、借り入れが多く金利低下の恩恵を受けた企業部門に移ったとみられるというあたり、やっぱり名目と実質の違いはまったく念頭になさそうです。

#脱線ですが、同日に次のような記事を見ると、かの国がうらやましくあります(ロイター配信ですが、24時間でネットから削除のようですので、リンクは張っておりません)。本来うらやむべき話でもなく、こうしたグローバルスタンダードにこそ従ってほしいものなのですが・・・。

[トロント 27日 ロイター] カナダ中銀のドッジ総裁は、同中銀は、想定された金利の道筋にコミットしておらず、むしろインフレを抑制することや設備のフル稼働に近い状態に経済を維持することに努力を傾けている、と語った。

同総裁は、中銀の金融政策報告書発表後に記者団に対して、「われわれのコミットメントは、2%インフレを目指し、設備のフル稼働に近い状態に経済を維持するという政策目標に対してであり、想定された金利の道筋に対してではない」と述べた。

[book][misc]香里奈と山田優のフォトブック

フォトブックってのは、写真集と違って中身を確認して買えるからいいですよね(笑)。webmasterがそれぞれで一番気に入った写真は次のとおりでした(しかし、どちらもページが振られていないので、うまく特定できているかどうか)。

  • KARINA:最後から5枚目のわざと画面全体にフレアをかけた写真
  • yu:「山田優のB面」の見開きから始まる一連の運転席の写真(あ、ちなみに矢野さんいわく、娘の方はともかく、ママの方は・・・とのことですが、「山田優が山田優であるために」のページ(目分量で半分より少し後ろ)の写真を見ると、大変きれいな方ですよ。)

#ところでリフレ派の有名人(ここでは、書籍の出版を出版社に提案できるような人々を想定しています)の皆様、次の文章(「20才になるということ」より抜粋)を読む限り、webmasterがかつてでっち上げた企画、山田優でトライしてみる価値はあると思うのですが、どなたかいかがでしょう? ジョブスがスカリーを口説いたときのように、「このまま一票を投じ続けるより、日本を変えるチャンスに賭けてみませんか」などと言って・・・。

誕生日から一週間と経たないうちに、ママの一言がきっかけで、初めて一人で選挙に行きました。緊張しました。どこからどうやって投票所に入っていいのか、政党名と候補者名とどっちから書いていいのか、・・・そういう初歩的なことはもちろんだったのですが、「自分が一票入れたことで、何かが変わるかも」という妙な気持ちが、投票所からの帰り道、ザワザワっと襲ってきたんです。その日の夜はテレビに釘付けになって、普段あまり見ないニュースを見てる私がいました。私の入れた人受かってる? あの政党はどうなっちゃうの?・・・とっても気になりましたね。

[misc]2ちゃんからのリンク

昨日のエントリに、2ちゃんからのリンクとおぼしきime.nuドメインの記録が。どこからのリンクかすごく気になるのですが、もしご存じの方がいらっしゃったら、または2ちゃんからリンクをたどって来た方で、それなりに当サイトが気に入っていただけたのであれば、どのスレなのか教えていただけるととってもうれしいです。

本日のツッコミ(全1921件) [ツッコミを入れる]

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2005-01-30

[law][government]ある違法行為

日経ビジネス誌に、「敗軍の将、兵を語る」という不定期連載記事があります。2005年1月31日号においては、関西を地盤とするホームセンター経営のコーナン商事に対する公取委による排除勧告について、同社の社長である疋田耕造氏がその経緯や今後の経営方針などを語っています(pp138-141)。

一読すれば、よくできたエピソードです。仕入れ業者による協賛金納入や従業員派遣を問題視して公取委が指摘し、業界慣行に染まって仕入れ業者を圧迫していたコーナン商事側も、公取委と協議する中で自らの考えを改め、最後は勧告を応諾して今後の経営改革を誓う。問題を解決できた公取委も、勧告を契機に新たな経営をスタートできるコーナン商事も、そして取引条件の改善が図られる仕入れ業者も、誰もがハッピーであるように見えます。

しかし、次のようなテキストを見ると、果たして当事者のすべてにとってよかったことが、本当にそれでよかったのかという疑念が兆します。

7月27日に公取委の立ち入り検査があった時点では、違法なことをしているという認識は全くなかったんですよ。協賛金というのは業界の慣習でしたし、我々が強要したこともなかった。(中略)顧問弁護士にも入ってもらって、取引契約書をチェックしてもらっていましたしね。そういう意味で言えば、業界の商慣習と比して我々が社会的に指弾を受けるような状態にはないと思っていました。

納入業者からの従業員派遣についても指摘されました。(中略)あと10日でオープンという時に、業者さんが商品を持ってきますよね。でもその品物を入り口のところにポンと置かれても、こっちは困ってしまう。だから、自分たちの商品は自分たちで陳列してもらっていたんです。(中略)それが回を重ねるうちに、隣の商品とか関係ないところも手伝ってもらうようになっていった。

2年前になりますかね。同じホームセンター業界のカインズさんが、公取委から警告を受けているんですよ。仕入れ業者さんに値引きを強要したということでね。恐らくその当時から、公取委さんは業界の商慣習を問題視されていたんでしょう。

以上は疋田氏の弁です。他方、公取委の竹島委員長は次のように語っています。

ここ数年、大規模小売業者による納入業者いじめが目に余ります。

協賛金や従業員の派遣は、確かに昔からあった慣習かもしれません。しかし、不当性がだんだん増しているんじゃないでしょうか。それに耐えきれなくなった納入業者からの告発が、非常に多くなっている。

これまで摘発したのは、本当に氷山の一角だと思います。泣き寝入りしている納入業者は非常に多い。そういう業者を守るためにも、大規模小売業者の「特殊指定」を3月までに取りたいと考えています。大規模小売業者がどのような行為をすれば、独禁法に抵触するのかというルールが明らかになりますから。

#「特殊指定」というのは、独占禁止法第2条第9項に規定する指定のことです。

さて、以上から、

  • かねてより大規模小売業者の商慣行としてなされていた協賛金納入や従業員派遣について、公取委は数年前から問題意識を持ち、警告等により個別業者には対応していた。
  • 他方、それらが独禁法に照らして問題ある行為だ、という認識は広まっていなかった。
  • 近々「特殊指定」が行われ、それにより何が独禁法に抵触するのかというルールが明らかになる。

ということがわかります。これらの公取委の対応に問題はなかったのでしょうか。

お断りしておきますと、法的には問題ないはずです。「法の不知はこれを許さず」という法諺があるとおり、それが違法だとは知らなかった、という抗弁は基本的に受け入れられません。本件に関して言えば、加えて、問題があったことに当事者は同意しています。しかし、コーナン商事のように、意図的に独禁法違反を犯そうという意思はなく、単に問題意識を持っていなかった(コーナン商事の言い値ベースですが)当事者については、仮にそうした問題点についての周知が図られていれば、より早期に、自主的に対応がなされ、その結果より多くの納入業者がもっと前から救済されていた可能性があります。

もちろん、ここ数日に何回かwebmaster自身が書いているとおり、政府のリソースは有限ですから、もっと優先順位の高い案件に取り組んでいて、ようやく大規模小売業者の商慣習にまで手が回るようになったということかもしれません。特別指定の発動には行政コストがかかるのでそう簡単にはできないだろうということは察せられます。

しかし、まったく広報活動にすらリソースが割けないほどの忙しさだったのでしょうか。確かに広報活動には強制力はなく、意図的に法令違反を犯している業者には、特別指定とは違ってなしのつぶてなので効力には劣りますけれど、それで一人でも多くの仕入れ業者が救われるのであれば、なにがしかの意味はあるでしょう。まして、慣習として疑問無く受け入れられていたものなのですから、意図的でない違反者はそれなりにいた蓋然性が高いと考えても不自然ではありません。

コスト・ベネフィットを勘案した上で後回しにされたというのであればその判断を尊重したいと思いますが、問題意識をもっていたにもかかわらず、個別の摘発をすれば足りるとし、こうした代替手段を考えなかったとすれば、公取委の対応には疑問を投げかけざるを得ません。明らかに問題があることは相当程度前から気がついており、かつ、個別の摘発が氷山の一角であると自覚しているのですからなおさら。

#もしきちんと広報をしていた、ないし広報をやるかどうかは検討した上で後回しにしたものであり、webmasterの指摘はいわれがないということであれば謝って訂正いたします。

そうは言ってもささいなことではないか、もっと世の中には指摘すべき事項があるのではないか、とはwebmaster自身思わないでもありませんが、この日経ビジネスの記事を読んで以上のようなことを考える人は他にあまりいないのではないか(勧善懲悪・改心のハッピーエンドの物語としてのみ受け止められてしまう)と思い、あえて1つのエントリを立てた次第です。

本日のツッコミ(全248件) [ツッコミを入れる]

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???枡?℃枡??ぐ膏??5.1ch??????????ぶ???HT-IV300 [珍しいうわーそれはあった。 長いコメントが、私は表示私のコメントを提出した後にクリックした私はちょうど書きました。気..]


2005-01-31

[misc]千葉国独立後のものがたり

千葉国独立から一ヶ月…緊急現地ルポ・・・面白いです。webmasterにそういうセンスがないだけに、プリティ柘植さんの次ぐらい(笑)にあこがれてしまいます。

[economy][pension]マクロ経済から公的年金を考える その7

その6で最終回だとしておいてなんですが、積み残し等を整理したいと思います。

私案の骨格

あれこれ書いてきて、その4その5で全体像を示した私案ですが、その骨格を改めて示しますと次のようにまとめられます。

基本はそれぞれの年齢層を母集団とする積立方式
国民の年齢構成に変動があっても、過去債務による債務超過等の問題が発生しません。
徴収額の積算は保険料方式
すべての国民が、支払った保険料(所得額にかかわらず定率。つまり、支払額そのものは所得に比例して増えます)に運用益を上乗せした額の年金を受け取れます。言い換えれば、受取年金額が総支払額を下回る人はいません。
母集団内所得再分配による最低年金額の確保
受取年金額まで所得比例ですと、低所得者層の方々は安心して老後が過ごせませんから(マクロな意味では、消費が過小なレベルで均衡します)、同じ母集団に属する高所得者層の方々の運用益を一部融通して最低年金額を保証します。
徴税と一体化した保険料徴収
既述のとおり保険料は所得に比例しますから、所得税と一体のものとして把握・徴収します。なお、自分で十分運用できるから国の年金などいらんという人には、上記の再分配額のみを支払い、自分自身のための部分については支払わないというオプションがありますので、それぞれの人の実情に即した将来設計を可能としています。

所得再分配スキームの見直し

まず、誤りを訂正します。以前、保険料支払停止権を行使するために支払う再分配に充てる額を計算しましたが、あれは計算を間違っていました。あの額は再分配なかりせば受け取ることができる年金額から実際に受け取る額を差し引いた額でしたが、この差額は、まず受取額であって支払額ではない上に、停止権を行使した際には自分の元本相当額は不要になるのですが、それにより支払が減る分を勘案していませんでした。再分配充当額は要すれば母集団にとっての予定利率と各個人にとっての予定利率の差ですから(厳密には再運用益の帰属とかいろいろありそうですが、とりあえず捨象します)、下の表の額が「ほぼ」正しい充当額です(単位は断りない限り万円。所得分布その他はこれまでの例のとおりです)。

所得額501502503504505506507508509501,2501,7505,000
支払保険料額 a618304254667890102114150210600
予定利率スプレッド(%) b-4.90-2.01-0.7500.060.120.170.220.270.310.430.580.9
再分配充当額 a×b-0.29-0.36-0.2200.030.080.130.200.270.350.641.215.4

最高所得者層で言えば、なんと100倍も多く支払わなければいけないとしておりまして、非常に恥ずかしい間違いをしてしまいました・・・。

さて、この訂正を前提として、鰻谷さんのコメントや英-Ranさんのご指摘、つまり、金持ちだから年金はいらないといって権利行使した後で貧乏になり、やっぱり年金がほしいと思って支払いを再開しようとしたら保険料を支払うだけの金が無くて再開できないというケースがあり得るのでは、という点について考えてみたいと思います。

これを自己責任だ、といってしまうと公的年金のメリット(=将来の不確実性を減らすことにより、異時点間の所得配分を最適化する)そのものの否定になってしまうので、やはり何らかの措置を講ずべきと考えられます。

とすれば、最低年金額を設定していたことにからめて整理するのが一番KISS(Keep It Simple, Stupid!)な感じでいいのかな、と思われます。つまり、最低年金額を受け取るために必要な積立金が確保された後においてのみ、支払停止権を行使可能として、その積立金は取り崩しを禁じておけば、最低年金額の受給は保証されますから、それ以上は自己責任で、ということで不確実性を減らせるでしょう。

具体的には次のようなスキームとなります(所得分布その他はこれまでの例のとおりです)。

所得額501502503504505506507508509501,2501,7505,000
必要積立金額1241.91475.51603.91680.41687.251693.71699.81705.51711.01716.11729.81748.01787.5
必要積立年数4536191612119887653

2段目の「必要積立金額」は、それぞれの階層に属する者が120万円の年金を受け取り続けるために、受給開始時(=65歳)において積み立てておくべき金額です(額の違いは予定利率の差=受取期間中の運用益の差に起因します)。3段目の「必要積立年数」は、その額以上の額が受給開始時において積み立がるために必要な、支払開始時(=20歳)からの所定の保険料を支払いを継続する期間の長さです。例えば最高所得者層においては、当初3年間は600万円ずつ支払い、4年目からは、引き続き600万円ずつ支払っていくか(最後まで支払い続ければ毎年1,853万円受取可能)、それとも5.4万円ずつ支払っていくか(最後まで支払い続ければ毎年120万円受取可能)を選択できることになるわけです(保険料の定率払いにこだわらなければ、例えば最初に1,711万円支払って、2年目以降は5.4万円ずつ支払うことにしても同じです)。

この場合、150万円の層と250万円の層が権利行使した際、逸失分(前者は年3,600円、後者は年2,200円)を支払うのか、好きで行使するのだから支払わないこととするのか、という選択肢がありますが、前者にするとキャッシュを逆流させる手続を整備することも必要(この層ですと所得税の課税最低限を下回ることとなるケースも多いですが、この場合税金とネットするという形でも処理できません)ということを考慮すれば、まあ後者でいいのかな?

過去債務処理

以前、考えられる選択肢を列挙しましたが、その中でどれが/どの組み合わせがよいのかは検討しませんでした。まず選択肢を再掲しますと次のとおりです。

  1. 保険料引上げ
  2. 年金額のカット
  3. 国庫負担(=租税負担)
  4. 解消しない(=債務超過の解消を次世代以降に繰り延べる)
  5. 高利回りの運用

まず、4と5を脱落ということにします。この連載における年金制度の評価は、貯蓄と消費のバランスを最適化するという観点からまずもっておこなっていますが、4や5のように将来の見通しがはっきりしなかったり、運に頼るというものではリスクが残り、やはり個人の選択を貯蓄に傾斜させると考えられるからです。

次に2ですが、これはできるにこしたことはない、としかいえません。原田先生の主張のように、高齢者は子や孫の生活を圧迫してまで既得権を守りたいとは思わないはずだ、となればよいのですが、webmasterの主観的認識としては、ある程度のカットは可能かもしれませんが、今の過去債務に由来する債務超過の全額を解消できるほどのカットはできないのではないか、と考えています。

では、2では仮に解消できなかった場合の対応はどうあるべきなのでしょうか。公的年金自体は可処分所得中の貯蓄と消費のバランスの最適化に特化させるとするなら、それと別の政策目的を公的年金制度の中に持ち込み、狙いに紛れが生じる保険料による負担は、(少なくとも本連載のスタンスからすれば)避けたほうがベターと考えられますので、残るは3ということになります。

どれだけ2によりカットできるかによりますが、おそらくはカット後においても巨額の債務超過が残るでしょうから、短い期間にそれを解消するのは難しいでしょうし、仮にできたとしても、今この時代における現役世代のみが負担すべきものでもないように思いますので、数十年単位で少しずつ埋め合わせていくということではないかと考えられます。

この債務超過は年金数理的に相当程度の蓋然性で確定可能な額になりますから、明確な目的税として制度を仕組み、なぜそうした税金が必要なのか、それによりどの程度の期間で債務超過が解消され、税を廃止できるのか、ということを説明していけば、導入に対する抵抗感も多少は緩和できるように思います。

精緻な分析をした結果ではありませんが、たとえばこうした用途に用いる税として、特別に加算する相続税なんてものが考えられるのではないでしょうか。相続税がすぐれているのは、税を負担する世代を明確に区分できることです。過去債務の対象となる世代により多く穴埋めしてもらおうというのは自然な考え方だと思いますが、対象世代となる高齢者層に税金を払うだけの余裕がないにもかかわらず、そこから税金をとりたてては、老後の生活の安定を図るという年金制度の自己否定になってしまいます。ですから、生活の安定を考えなくてもよい時点、つまりは死亡した時点で、高額の年金をもらっていたことの埋め合わせをしてもらうことになります。

それ以後の世代については、加算する税率や課税最低限のレベルにおいては過去債務対象世代よりも緩和すべきですが、いずれにしても、過去債務を完全に埋め合わせ終わるまでの間は加算税率や課税最低限の引下げを維持し、埋め合わせの終了をもって恒久的な相続税に戻す(それまでの間に相続税制度の改正がある場合は、この加算部分は別枠で考慮することにします)ということになります。その他の税では、今の現役世代がどうしても重い負担になってしまいますが、相続税であれば、どうせ死ぬのは人間一度きりですから、そういう問題も生じません。

そんなことを考えながら現行の相続税制度を見ますと、課税割合はたったの4.5%ということですから、増税の余地がまったくなくフィージビリティ上問題、ということでもなさそうです。バブル期と今の計数を単純比較しても方向性がいえるだけで精緻な議論にはなりませんが、時系列の統計を見る限り、課税対象を10%まで増やし、加重平均税率を20%まで引き上げれば、2兆円前後の増収は見込めそうです。債務超過が200兆残っても100年、100兆なら50年で埋められます(それまでの間の見合いの国債費等も埋める必要がありますが、ラフには)。過去債務対象世代にはたとえば上記を50%・30%とするなどすれば、さらに短期化もできるでしょう。

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