archives of BI@K

CSS: default alternative
(要cookie)

toppage memoranda

(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|

2005-03-01

[joke][politics]千葉国大統領・憲法制定議会同日選挙戦情報

#このエントリは、「千葉国独立から一ヶ月…緊急現地ルポ」(@霞が関官僚日記1/30付)の続編として、webmasterが勝手に書いたものです。

ク○ス先生
3月に入りまして、13日の千葉国大統領・憲法制定議会同日選挙まであと2週間を切りましたが、本日は特集として、千葉国の現状、及びこの選挙の見通しなどをお送りしたいと思います。まずは元旦の独立からこれまでの動きをご覧下さい。

(ビデオ開始)

ナレーション「今年の元旦は、思わぬ初夢が正夢となった」

千葉国臨時大統領「本日午前零時をもちまして、私たちは日本から独立し、千葉国を建国することを宣言いたします」

(記者会見場で独立宣言を読み上げる千葉国臨時大統領(前千葉県知事))

ナレーション「新年早々に届けられた『お年玉』に日本中が大わらわ」

(ディズニーランドを巡る攻防、道路封鎖をする陸上自衛隊とその周りの野次馬など)

ナレーション「1月下旬には、千葉国首脳が姿を隠す中で、国会は大混乱」

野党幹部「・・・都内に自衛隊を動員するような事態を招いている。あい続く混乱をストップさせるには昔なら遷都するところだが、今必要なのは政権交代ではないか」

総理大臣「・・・今必要なのは政権交代ではないかとの質問にお答えします。いわゆる千葉県問題につきましては、正確な情報に基づき対応していくことが重要であると考えておりますので、かかる宣言をした県知事の意向や、それに対する千葉県民の反応などを見定めつつ、平和的解決を図ってまいりたいと考えております」

野党幹部「答えになっていない。再度答弁を求める」

総理大臣「もれなく答弁している。あなたたちの満足する答弁ではないのはわかったが、それを答弁していないというのは間違っている」

(衆議院本会議場から野党議員が退席。「所信表明演説に対する代表質問で戦後初の審議拒否(1/24)」のテロップ)

ナレーション「しかし、こうしたやりとりの裏では、政府と千葉国との間で密かに協議がスタートしていた。2月10日夕刻、千葉国臨時大統領が21日ぶりに、総理大臣とともに姿を現した」

千葉国臨時大統領「日本国総理との協議の結果、次の内容で合意に至りました。1、千葉国の独立については千葉国民の自由な意思決定に委ねること、2、そのため本年6月1日に独立の是非を問うため千葉国国民投票を行い、賛成多数の場合には、日本国は7月1日をもって正式に千葉国の独立を認めること、3、可及的速やかに大統領選挙、及び憲法制定議会選挙を実施し、独立の是非を問うのと同時に憲法制定の国民投票を行うこと、4、国民投票までの間、日本国は千葉国の主権を時限的に承認し、大統領選挙までの間は臨時大統領、大統領選挙後国民投票までの間は選挙により選出された大統領を千葉国の代表者として遇すること、5、国民投票までの間、日本国は憲法制定議会を千葉国の唯一立法機関と認めること、6、千葉国国防軍に編入された旧自衛隊の指揮権を正式に千葉国に譲渡すること、7、現在日本国が千葉国に対して行っている道路封鎖、海上封鎖その他による経済制裁を全て解除し、千葉国民の日本国内における自由な通行を認めること、他方で千葉国は日本国民の成田空港、TDR、JR・私鉄各路線、高速道路各線の正当な使用を認めること、8、明日から13日までの3連休の間に以上の実施に必要な準備を行い、14日より施行すること、以上でございます」

総理大臣「ただいま千葉国臨時大統領から発表があったとおりの内容について、私は日本国を代表して協定に署名いたしました。民でできることは民で、地方でできることは地方で、という構造改革の精神にそった、非常にすばらしい合意だと思います」

記者「臨時大統領にお尋ねします。これまで表に出てこなかったのは、密室で協議を行っていたからだということですが、独立後まもないにもかかわらず、国民を放置していたのは問題だという認識はありますか」

千葉国臨時大統領「非常に心苦しくはありましたが、経済封鎖を何とかしないことには千葉国の未来はないと考え、苦渋の決断をいたしました。しかし、先ほどご説明したとおり、現時点においても時限的ではありますが主権の承認を受け、国民投票による完全独立の道を勝ち取りましたので、プロセスについてのご批判はあるかとは思いますが、最終的には国民の皆様にもご理解いただけるものと信じております」

記者「総理にお伺いします。日本国を代表して署名したとのことですが、国会との関係で問題があるのではないでしょうか。特に、主権を一存で認めたことですとか、自衛隊の指揮権を譲渡することについては、独裁的とのかねてからの非難がさらに激しくなるのではないかと思うのですが」

総理大臣「これは事実上外交交渉に等しいわけですから、それに準じた形で。国会に批准を求めます。でもねぇ、平和的な解決はこれしかないでしょう」

(葛西臨海公園特設会見場にて並んで記者会見に出席し、フラッシュを激しく浴びながら質問に答える日本国総理大臣と千葉国臨時大統領)

ナレーション「しかし、今から振り返れば、このときが千葉国臨時大統領の絶頂であった」

(独立を支持する:82%、独立を支持しない:4%、どちらでもない・まだ決めていない:14%(2/11・12に行われた千葉国民を対象とした電話アンケート))

ナレーション「3連休が明けてはじめて、合意事項の『主権を承認』するとは何を意味するのか、千葉国民は知った」

(成田空港ロビーにて)

工藤祐二さん(23歳大学生(仮名))「卒業旅行に行くはずだったんだけど、『千葉国発行のパスポートがないので出国できません』って言われちゃって・・・。そんなの聞いてねーよ。どーしてくれんだよ。ざけんなよ」

出国管理官「国民にパスポートを付与して外国政府に対して身分を証明するのは主権の行使なので、従来の日本のパスポートの使用を認めるのは千葉国の主権侵害であり差し控えるよう通達がありました。千葉国の出国管理官がいれば別の判断があったのかもしれませんが、空港内に警備員以外の千葉国公務員がいるという話は聞いておりません」

(都内某銀行支店にて)

沢田修さん(48歳自営業(仮名))「千葉県・・・じゃねぇや、千葉国の業者の手形は取立委任できないってんだよなぁ。困っちゃうよなぁ。どうしよう・・・」

テラー「手形や小切手につきましては、千葉国には契約法や訴訟法がなく、それらが整備されるまでの間は手形交換所での決済はできませんので、受け取らないよう指導を受けております。えっ、その他の取引ですか? 額にもよりますが、本人確認ができませんから難しいと思います・・・」

(千葉国内某郵便局前にて)

谷本エミ子さん(71歳無職(仮名))「来てみたら閉まってるので、困りましたねぇ、と思っていたら局長さんが・・・」(バタバタッ)

郵便局長「しーっ、しーっ」

谷本さん「あれ、局長さん、さっきはどうも・・・」

郵便局長「谷本さん、何を言ってるんですか、今日はお休みだって言ったでしょう・・・何でもありません。今、郵便局にお越しいただいても、我々は日本国外での営業を行っておりませんので・・・撮るなっ、ここは撮影禁止だっ!!」

(千葉国臨時大統領府(旧千葉県庁)にて)

千葉国臨時大統領「このような事態は、非常に遺憾な、日本国政府の悪意に基づくものであり、何より我が国国民に迷惑をかけないとの10日合意の誠実な履行を強く求めるものである・・・」

(首相官邸にて)

記者「官房長官辞任以来、表舞台に登場されるのは久しぶりかと思うのですが、抱負を一言」

千葉問題担当相「あのときは『影の外務大臣』とか『影の防衛庁長官』ってみなさんに呼ばれていたのに、いつの間に表にいたことになっているんですか? まあせっかくそう言っていただけるのでしたら、最後まで表にいると言ってもらえませんかね。フフン」

記者「・・・千葉国臨時大統領が、今日の政府の対応は悪意に基づくもので、10日合意違反だとしておりますが、ご見解は」

千葉問題担当相「あの条項は彼らの主張をそのまま受け入れたと聞いていますけれども、仮想主権ですか? ご自由に。熱弁を振るわれていらっしゃいますが、いかに独立というものを軽く考えていたか、わがままは言うけど責任は取らないと、そういう理屈を一生懸命述べられているような印象を受けました。はっきり申し上げましてね」

ナレーション「旧千葉県で勤務していた国家公務員・特殊法人等職員の過半数は千葉国を後にしましたが、約1/3弱残った人々が懸命にそれまでの業務を継続したこともあり、当初は混乱も多く見られたものの、徐々に落ち着きを取り戻しました。そんな中、大統領・憲法制定議会同日選挙の選挙戦も中盤を迎え盛り上がりを見せておりますが、独立派、復帰派入り乱れての混戦模様。さて、あと2週間足らずで下される千葉国民の審判や如何に?」

(ビデオ終了)

ホ○サイキャスター
それでは和○解説員にお伺いしたいと思います。先月14日から新たな局面に入った千葉国独立問題ですが、現在の状況をどう考えたらよいのでしょうか。
和○解説員
千葉の状況は、簡単にまとめますと合法的に制定された法律がないという一種の無政府状態なのですが、少なくともその中に限って言えば、事実上従来の日本の法律がそのまま適用されている状態でして、これまでも阪神淡路大震災や新潟県中越地震の際に見られましたが、日本人、ではなくて大和民族の秩序を尊重する気性がよく現れていると思います。
ホ○サイキャスター
中に限ってといいますと?
和○解説員
10日合意の文言を踏まえ、政府は立法機関が存在しない千葉においては法律が存在していないという態度を示しておりますので、先ほどご覧いただきましたとおり、例えば千葉の業者は東京の業者と手形で取引ができないといった事態が生じております。経済封鎖は解除されましたが、そうした経済的なダメージがあります。また、治安は概ね維持されていますが、例えば千葉の人は他の都道府県の人とは結婚ができない、といったこともありますので、社会が徐々に落ち着きを取り戻している中では、そうした境界をまたぐ問題がクローズアップされるようになってきています。
ホ○サイキャスター
千葉の人々の反応はいかがでしょうか。
和○解説員
世論調査が最近は行われておりませんので、10日合意直後の支持率がどう変化しているか確実なことはわからないのですが、独立派と復帰派が拮抗してきているような見方が多くなっています。
ホ○サイキャスター
復帰派が盛り返してきているとのことですが、その原因は?
和○解説員
先月14日以降、それまでは様子見に徹してきた自民党が政府の行動に呼応する形で復帰を目指すことを公にしたことの影響が大きいと考えられます。
ホ○サイキャスター
一方の民主党は、早期から独立を支持してきましたね?
和○解説員
そうです。党執行部は当初慎重な姿勢を示していましたが、千葉県連がこれこそ真の地方分権、道州制の一里塚であると主張して先行し、現在では執行部もそうした県連の動きに追随しています。
ホ○サイキャスター
そうした動きも踏まえた上で、選挙戦の争点を説明していただけますでしょうか。
和○解説員
まず大統領選挙ですが、独立派の現臨時大統領と復帰派の前衆議院議員の事実上の一騎打ちの様相を呈しています。現臨時大統領は従来からの無党派層の支持を固める一方で、独立の意義を訴えていますが、「千葉都民」と言われる層には近隣都県との経済取引の停滞を独立へのマイナスイメージと捉える人々も多いので、公約の「連邦制的独立」の具体性をどこまでアピールできるかどうかが大きなポイントになると思われます。
ホ○サイキャスター
「連邦制的独立」とはどういう公約なんでしょうか。
和○解説員
例えばアメリカでは連邦法と州法の二重構造が存在しますが、日本の法律を連邦法に見立てて、一括して施行しようというものです。日本の法制とは異なった制度を志向する場合には、いわば州法を定めて別の制度を構築するとしています。この方式であれば、憲法制定議会発足直後に一括施行法を制定して、現在のような法の不在が一瞬で解消でき、取引も滞りなく可能になる一方で、いわゆる地域経済特区を州法で実現し、経済発展を図ることができるとしています。
ホ○サイキャスター
対立候補である前衆議院議員候補はいかがでしょう。
和○解説員
復帰派であることのアピールとして、自分はあくまで県知事候補であり大統領候補ではないとしていることが目を引きます。このわかりやすいアピールは、独立に不安を感じる人々に着実に浸透しているように思われます。また、抜群の知名度を活かして、現臨時大統領の支持基盤である無党派層にも食い込んで来ている模様です。しかしながら、独立は外資の陰謀であると主張したことについて、現臨時大統領側から悪質なネガティブキャンペーンであるとの反論を受け、クリーンなイメージにかげりが見えてきていることが今後どこまで影響するかが注目されます。
ホ○サイキャスター
外資の陰謀とはどういう主張なのでしょうか?
和○解説員
現臨時大統領の公約が「連邦制的独立」ということで、例えば軽減税率による国際金融センターを目指すという公約がありますが、その真意はアメリカ流の社会にすることが目的であり、現臨時大統領をハゲタカ外資がたきつけてそうなったのだという主張です。しかし、財界には現臨時大統領が当選してそれら公約が実現した場合には、本社を千葉に移転しようとの動きも水面下で広がっているようでして、「千葉都民」には内々そうした企業から現臨時大統領に投票するよう働きかけが行われているとの噂もありまして、そうした中での外資の陰謀だとの訴えについては、抵抗勢力との見方も広がっているようです。もともと若年層には外資への抵抗感がそれほどないということもありますし。
ホ○サイキャスター
憲法制定議会選挙はいかがでしょうか?
和○解説員
こちらは大統領選挙に比べますと、従来の県議会選挙の傾向をより多く残しています。もともと県議会では自民党が多数派を形成していまして、現臨時大統領に対しては県議会軽視であるとの反発もありますが、県知事1期の県政運営の中で決定的な対立には至らず今日にいたっています。もともと前衆議院議員候補は県連主導で擁立が決まりましたが、中央の路線である復帰を選挙戦の前面に押し立て、地元を顧みていないとの声が出てくる中で、同候補には反対の姿勢を強く打ち出している公明党との関係を模索する動きも出てきているようです。
ホ○サイキャスター
となると、議会選挙で自民党が勝ったとしても、必ずしも復帰派が議会多数派となるわけではないということでしょうか。
和○解説員
やはり影響が大きいのは、従来の県議会選挙の選挙区とは区割りが変更されたことです。自民党県連内での復帰派は、従来の県議会で多数を選出してきた県東部・南部選出議員が中心となっていますが、憲法制定議会ということで、現臨時大統領が人口に則した選挙区とすべきと主張して「千葉都民」が数多く住む県西部にあつく議席を配分しましたので、県連内の少数派がこのままでは自民党が議会少数派になってしまうとの危機感を持ち、路線に迷いが生じています。「千葉都民」の動向が定まっていない段階で、独立派・復帰派の旗幟を鮮明にするのは必ずしも得策ではないとの判断もあるようです。
ホ○サイキャスター
民主党はどんな動きを見せているのでしょうか。
和○解説員
従来は、先の自民党と同様、現臨時大統領には県議会軽視ではないかとの反発もあったのですが、ここに来て現臨時大統領支持で内部が概ね固まったようです。先月14日以降の混乱は政府に責任があるとし、そんなことを平気でする政府なのだから独立を達成しなければどんな報復があるかわからないと主張しています。
ホ○サイキャスター
公明党はいかがでしょうか。
和○解説員
大統領選挙の前衆議院議員候補への反発から、早々に現臨時大統領支持の立場を明らかにしておりますが、他方で独立・復帰の争点については、是々非々の立場をとることもまた明らかにしております。憲法制定議会において現臨時大統領の政策について詳しく説明を聞いてから判断するとの姿勢です。民主党が独立路線に純化していく中で、そこまで踏み切れない無党派層の支持を獲得する戦略であると思われます。
ホ○サイキャスター
それでは、選挙の見通しはいかがでしょう。
和○解説員
難しいところです。先ほど申し上げたように、信頼できる形での世論調査は行われていませんが、ネット上で各種サイトが開催している世論調査では、独立派・復帰派ともに2、3割程度の支持を集めているのみで、半数近くがまだ決めていないというものが多く見られますので、今後の成り行きが注目されます。
ホ○サイキャスター
仮に現臨時大統領が当選すれば、千葉の独立は事実上決まったと考えていいのでしょうか?
和○解説員
そうとは限りません。憲法制定議会選挙も民主党が勝ち、同日選挙の双方が独立派の勝利となれば別ですが、県東部・南部の自民党の地盤は強固ですから、これからどれだけ独立派に追い風が吹いても、議会選挙で単独過半数を獲得するのは難しいでしょう。前衆議院議員候補が勝てば、民主党・公明党の議会連立が成立するかもしれませんが、現臨時大統領が当選した場合には、独立への温度差から自民党・公明党の議会連立が成立する可能性が高いように思われます。結局、今に至るまで何故独立したのか、独立により何が達成されるのかについては十分な説明がありません。独立支持にしても構造改革、地方分権の流れでの支持ということで、日本という国を心底嫌って独立したいという、植民地型の独立の支持ではありませんから、憲法制定議会での議論によっては独立反対となる可能性も十分にあります。
ホ○サイキャスター
和○解説員、どうもありがとうございました。
ク○ス先生
ニュ○スジ○パンでは、これから約2週間の選挙戦を密着取材し、継続的にその模様をお届けしていきます。それではCMです。

(モニターに映る大統領選挙のポスターク○ス先生が重なっている絵からCMへ)

本日のツッコミ(全528件) [ツッコミを入れる]

Before...

TH-L32C6 パナソニック 液晶テレビ ビエラ 32V型(32型/32インチ) [スウィートブログ!ヤフーニュースで 間、私はそれを見つけました。ヤフーニュースに記載されて取得する方法について| 提..]

鏃ユ?????????????????ゃ?ぶ????????SP-A850-B??????冦? [ちょっとそこ!私は、これは知っているオフトピックが、あなたは私ができる場所を知っていたかと思いまして、見つける私のコ..]

??儕ぐ膏?冦????╂按???渚???????寮???DL-RJ20-WS???穡功い? [私はよく分からない理由正確な理由が、この私のために遅いサイト ロードしています。 問題の問題か、ある他の誰がこのをし..]


2005-03-02

[government]学生よ、官僚を目指すなかれ

今日明日と「学生のための霞が関官庁探訪」が実施されるということで、就職活動にいそしんでいる学生も多いと思いますが、霞が関に就職などするのはどうかと思うよ、やめた方がいいんじゃない、というのがこのエントリの趣旨です。あれこれ調べているうちに、ぼんやりと思っていたことが事実により裏付けられてしまい気が重いです(笑)。

きっかけは、「若手官僚、留学後の退職多発」(@むなぐるま2/26付)や「若手官僚、留学後の退職多発…費用返還ルール作り悩み」(@ダメオタ官僚日記2/28付)で紹介されている読売新聞の記事です。

気になったのは留学後に退職する官僚についての次の記述でした。

退職者の所属は総務省が11人で最も多く、経済産業省、農水省、国土交通省なども目立つ。外資系企業のヘッドハンティングを受けたり、家業を継いだりと、事情は様々だ。「バブル期は企業の引き抜きが多かったが、最近は『官僚に魅力を感じない』という理由も多い」(人事院関係者)という。

先日触れたふじすえ議員や、もっと前に触れた選挙出馬組も本当にやりたいことができるのは政治家だと判断したわけですし、こうして若年退職が増えているのみならず、以前紹介したように学生の間でも人気が落ちているのですが、実際どの程度魅力のない職場であるかを以下検証してみます。

霞が関という職場に対する官僚の不満の概要を示すものとして、まず各府省の若手職員等に対するヒアリングの結果(概要)についてを見てみます。中には甘いなぁと正直思うものもあり、他方で頷けるものもあり、という内容ですが、要するに忙しいわりに報われないという点ではほぼ全員が一致しているようです。

忙しいという点については、人が減ることと仕事が増えることの2つの原因があります。まず人ですが、現業部門を除く典型的な事務公務員は、昭和56年度をピークに漸減しています(独立行政法人化等による減少を除く)

であればせめて仕事量は横ばいであってほしいものですが、実態はそうではありません。といってもホワイトカラーの仕事量を定量的に図るような統計は民間であっても存在しないでしょうから、あくまで官僚の事務仕事の一つに過ぎませんが、国会対応を考えてみます。その中でも定量的に時系列で比較可能なデータとして、内閣提出法案の数と質問主意書の数を、参議院サイトで遡及可能な昭和57年からまとめてみたのが次の表です。

暦年回次内閣提出法案数年累計質問主意書数年累計
S579681813232
97586335
S589858581919
99058423
10013712043
S5910184844545
S6010284846161
10312962384
S6110487875454
105087054
106087155
107281151974
S621081001002222
10991091739
1100109847
1115114249
S6311283831919
113171002140
H111478782424
115078327
1168861441
H21175544
11870751014
119277519
H312093933232
1216991850
122141131850
H412384842323
124084124
12510941236
H512676761818
127076119
1282096625
H612975751010
130075515
13119941328
H71321021023131
1330102031
13417119839
H81350011
136999978
13709908
13809919
13912111312
H914092921818
141201121533
H101421171173030
143101271444
14461331458
H111451241243434
146741982256
H1214797975353
148097760
1490971575
150211182398
H1315199994646
1527106652
15328134759
H141541041045151
155711752071
H151561211215151
15761271768
1580127472
H161591271273737
16071341956
161201542783

#平成4年以前はその年の通常国会を前年12月に召集していましたが、招集年ではなく実際に審議が行われた年にカウントしています。ただし、9月に招集され翌年1月まで開催された第128回国会は招集年でカウントしました。

より大まかな流れをつかむため、4年ごとにまとめてみます(ただし、昭和50年代(S50s)は3年)。

年代内閣提出法案数(平均)指数(S50s=100)質問主意書数(平均)指数(S50s=100)
S50s80.3310041100
S60s106.25132.2661.75150.61
H1-492.5115.1536.589.02
H5-8105130.712663.41
H9-12140.25174.5961.25149.39
H13-16147.5183.6171.25173.78

・・・改めて数字にしてみると見なかったことにしたくなりますが(笑)、特に平成9年以降に事務量が増加しているのがよくわかります。効率化が進んでいないとよく言わる霞が関ですけれども、一人当たり事務量が20年と少しで2倍近くになっていて(1年当たり約2.5%の効率化。同期間の日本のTFP上昇よりもハイペースですね(笑))、変化率最大の部分をとるなら平成5-8年平均と平成9-12年平均の比較では4年で法案ベース1.3倍(1年当たり約10%の効率化)、主意書ベース2.4倍(1年当たり30%以上の効率化)にもなっているのですから、まんざら捨てたものではないようです(笑)。

#データがとれないのであくまで主観的な感想ですが、近年は事後チェック型行政への切替や説明責任の強化等、例えば情報公開への対応や政策評価制度の導入によっても相当事務量が増えていると思います。

他方で報いですが、わかりやすいところから給料(人事院勧告ベース)で。基本給はこの2年連続、ボーナスは5年連続で下がっています。公務員のくせに贅沢な、という声もあると思いますが、リンク先で上記の法案等と同じ期間で累積値をとれば、平成15年度で公務員140.71に対して民間225.51です(昭和56年度を100とした場合の基本給。人事院勧告は実施ベース)。

#そこまでの格差があるとの実感はないので、webmasterが勘違いしている等、何らかの変なところがあるのだと思います。もしからくりをご存じの方がいたらご教示いただければ幸いです。

#roumuyaさんから、民間の定期昇給を差し引いてベア同士の比較とすれば、官民はほぼ同じであるとのご指摘をいただきました。ありがとうございます(3/4追記)。

しかし、おそらくwebmasterを含め霞が関の住人にとってお金よりもつらいのは、基本的に官僚には反論権が認められていないことです(だからこそ、webmasterは匿名でこのように憂さ晴らしをしているわけですが(笑))。例えば公務員の人件費について、去る28日開催の経済財政諮問会議で議論がなされましたが、その場に提出された民間議員4名連名のペーパーの冒頭は次のパラグラフから始まります。

民間企業が総人件費を抑制している中、税金で運営される国や地方自治体はそれ以上の厳しさで公務員の総人件費削減に取り組まねばならない。しかし、国家公務員の総人件費は、主として定員を総務省、給与を人事院が管轄していることもあって、全体としての効率化が進みにくい。地方公務員の人件費も、まだ効率化の余地が大きい。国・地方ともに「効率的で小さな政府」を目指し、具体的な目標を掲げて、公務員の総人件費を大胆に削減する方策を検討すべきである。

こんな資料を出されても、「効率というのは何らかの単位当たりのアウトプット(1時間当たりとか、1人当たりとか)で計るのが普通だと思いますが、おたくら、学生や部下に効率改善策を出せといったときに、単にコストを減らすだけでアウトプットを全く考慮していない案が出てきても、それにOK出すんですか?」なんてことを言うことは絶対に許されません。

これは経済財政諮問会議委員に限らず、政治家だろうがメディアだろうが同じことでして(webmasterが知る限り唯一の例外は農水省のメディアへの反論ですが(組織的なものの場合。個人ベースであれば少ないですが、少しはあります)、しばらく休止していたのでもうやめたかと思っていたら、去年の11月に再開していたようです)、よく役所の「検討します」は否定の意味だと言われますが、肯定できるなら普通はそう答えるわけで、否定することが許されないから宴曲にそういう言い方をするわけです。空気嫁、と。

例の「官の詭弁学」にしても、あの中であしざまに相手をののしっているのはあくまで委員側で、官僚はひたすら平身低頭しながら差し障りのない言葉を慎重に選んでの発言が許されるのみです(webmasterがあの場にいてもそうします)。言いたいことをぐっとこらえ、公の場では相手のメンツをつぶすことになるので裏で(もちろん口調は丁寧なままで)なぜできないかを丹念に説明し、その場では「わかった、仕方がないね」なんてことをいいながら、表に出れば「官僚は我々の主張をおろそかにして骨抜きにした」などと自己正当化して攻撃してくるのですから、いつかは我々の主張もわかってもらえるさなどということを信じていられる底抜けの楽天主義者か、そうした仕打ちを受けることに快感を覚えるマゾヒストでもない限り、官僚などやってられるものではありません。

#webmasterは前者です。為念。

それでも昔はよかったと言えるのは、一つには自民党の実力者の存在で、全員とはもうしませんがその多くは、内心どう思っていたのかはwebmasterの知るところではありませんが、「君たち(=官僚)が悪役を引き受けてくれるからこそ国にとって必要な政策ができる。ありがとう」なんて台詞を言うわけです。そうすれば、前者の官僚はようやく自分たちの希望が叶ったと有頂天になり、後者の官僚は女王様に厳しい責めを受けた後でちょっとだけほめてもらったような気持ちになり、どちらにしてもそれまでの苦労を忘れられるわけです。おめでたいことに。

もう一つには官僚同士の争いがあって、反論権は官僚が相手であれば認められていますから、日頃の鬱憤を晴らすとばかりに何の遠慮もなくけんかができました。負けた方が悪いというのは霞が関共通基準ですから、相手のメンツなどには全く配慮せずに、ことごとく言い分を論破して屈服させたときの気持ちよさといったらありません。

#そういうときでも相手のメンツを慮ることができる人は非常にまれですが、間違いなく人格者としてその名が知れ渡ります。

ところが、最近になってこうした代償が失われてきました。自民党にしてもメディアの報道ごときでは揺るがない実力者というのがいなくなり、どうしてもメディアを気にして官僚たたきに走ります。また、民間有識者の出番がどんどん増え、霞が関内の争いであっても遠慮しなければならない場面が多くなっていますので、おぼしき事言はぬは腹ふくるるわざなり、ということになります。

というわけで、ふと気がついてみれば学生に避けるよう薦めるどころか、現職も逃げることを考えてみた方がいいのではないか、というのが霞が関の現状です。やめたい人にはやめてもらって、その代わりに民間から優秀な人を中途採用すればいいという指摘もありますが、既述のとおり公務員の人件費には削減圧力しかかかっていない現状で、優秀な人に来てもらえるような給料が出せるはずもありません(天下りを強化して、霞が関を出た後で埋め合わせをするなら別ですが)。

霞が関のレベルが下がってもいいではないかという指摘もあるでしょうが、山形浩生さんが紹介している事例を見てもなおそう言えますでしょうか。別に発展途上国に限った話ではありません。族議員の圧力を逸らす技もないまま真正面から受け止めて押し倒される政府、被監督業界に言われるがまま業界へのレント供給をいつも強いられる監督当局、優秀な弁護士のレトリックに丸め込まれ事実上弁護士の値段で判決の内容が決まる裁判官、そうしたものが日本ではあり得ないなどとは、webmasterには思えませんので。

#ちなみに、それらの者がそうすることは当然だと思います。チェックアンドバランスがないのが問題だということです。

[government]警察ってのは昔っからそういうところですよ!

もう一つダメオタ官僚日記2/28付から、「 警視庁HPに「お使いゲーム」=小学生に路上での危険訴え」のエントリについて。

局地的に騒がれたのでご存じかもしれませんが、1年ほど前にこんなものも作ってます(ただし、警察庁ですが)。

なくせ!ストーカー

#小倉優子も千葉出身だから、機能のエントリで麻生久美子に加えて出番を作っておけばよかったです。orz...

[media][law]万引きで幕引き?(続^6・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)

スポーツニッポンの報道によると、NTVに以下の動きがあるとのこと。

万引発言問題で番組関係者処分日テレ間部社長 日本テレビの間部耕平社長は28日の定例会見で、2月15日放送の同局のバラエティー番組「カミングダウト」が、女性タレントの過去の万引をクイズの題材にし、問題化したことについて陳謝した。同局では番組担当者ら関係者を処分する方向で、1日にも決定するという。

で、続報がありその結果について触れられています。

日本テレビの番組「カミングダウト」で女性タレント(18)の窃盗行為をクイズの題材にした問題で、同局は1日、渡辺弘編成局長ら番組関係者4人を懲戒処分にした。処分内容は出勤停止や減給、けん責だが、対象者の名前などは明らかにしていない。

これまでにも触れた点ではありますが、このような理解には次のように違和感があります。

  • 真実が何かの追究は警察の仕事ですが、その結果がどうであれ、番組内で「トゥルー」とされた内容は、よほど日本語に不自由な人間でない限り「万引き」とは言いません。続報での「窃盗行為」という言い方は、認識した上で改めたものであってほしいです。
  • 何を悪いと思って処分するのかの整理がいいかげんです。犯罪を取り上げたこと自体が問題だというならニュースでの犯罪報道だって問題だということになりますし、犯罪を肯定する内容であったからダメだったというならピカレスクだって放送禁止です。きちんと謝罪すべき点は、(1)被害者がいるという事実に思いが至らなかったこと、(2)違法行為についての知識の欠如(今もなお番組内容を「万引き」と呼ぶことを含む)、の2点ではないかとwebmasterは思うのですが。

読売新聞毎日新聞日刊スポーツでも「窃盗行為」になっていました。NTVが統一したのかな? ちなみに読売のみ、「誇張説」を明記しています。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. あびる優の窃盗告白@カミングダウト
  2. 事実関係の整理(続・あびる優の窃盗告白@カミングダウト その1)
  3. キーワードは「小学5年生」「単独」「1回限り」(続・あびる優の窃盗告白@カミングダウト その2)
  4. 本日のテレビ番組その2:カミングダウト(NTV, 2355-)(続々・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  5. 火曜日のテレビ番組その2:カミングダウト(NTV, 2355-)(続々々・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  6. あびる優に警察が事情聴取(続^4・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  7. 落ち穂拾い(続^5・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
本日のツッコミ(全302件) [ツッコミを入れる]

Before...

free webcames [mdikqcfxbbe, <a href="http://search210.com/?search=woman%2..]

black guys gabgbangin girls [aknifcfxbbe, <a href="http://search111.com/?search=2%20gir..]

taboo 19 [drqizcfxbbe, <a href="http://search111.com/?search=Ford%20..]


2005-03-03

[government]官僚の海外留学

昨日のエントリでは留学そのものの話は枕として、職場としての霞が関について書きましたが、次のようないろいろと示唆に富むテキストが公表されておりますので、それらを踏まえて今日は留学そのものについて書きます。

ミクロ的に考えますと、まず2当事者、つまり役所と官僚ですが、それらからなるモデルでは、(役所にとって)現状が望ましいものではなくとも、仕方がないことであるから放置しているのではないか、というのがwebmasterの見解です。留学に出して視野が広がる等による組織の業務効率の上昇が、その中の一定割合の人が辞めることによる組織の業務効率の低下を下回っていれば、留学制度を続ける方が合理的判断です。

この場合でも、もちろん辞める人の割合が下がればその分だけ組織にとって得になりますが、辞めたいという人を無理に引き留めて不平不満をぶちまけつつ仕事をしてもらうことのデメリットもありますし、汚いやり口ではありますが「役所に来れば留学できるよ」というのが就職活動においてそれなりの効果を有するというメリットもありますから、今までこの問題を放置していたのか、という指摘もありますが、全くの無為無策だったということではなく、あえて放置していたという面も否めないと思います。

さて、当事者を増やしてタックスペイヤーというプレイヤーを導入しますと、役所にとってのペイオフが変わります。このモデルでは、官僚に税金でスキルを身につけさせ、その結果転職されるのでは税金の無駄遣い、官僚優遇であってけしからんという批判を受けるという要素が入ってきますから、その分何とかしなければというインセンティブが働きます。

対応として一番直球なのが費用を返還させること。既述のとおり無理に引き留めることにそれほどの意味はないとすると、タックスペイヤーの批判に答えられればよいわけですから、これで十分な対応策と言えるでしょう(ヘッドハントされるような人なら給料も上がるでしょうから、引き留め効果はさほどないと思われます)。

他方、流出そのものへの対策としては、R30::マーケティング社会時評と[R]Richstyles!において提案がなされています。前者は、留学年齢を上げることにより、転職市場における期待収益(=転職後の給料)が引き下げられるので、その分流出がなくなるだろう、というものです。この提案については、Public Management Revisitedで指摘されているように、その年代は最も繁忙なので留学に出す余裕がないという点はまず指摘できます。

#Public Management Revisitedでの記述に若干補足いたしますと、霞が関で独立した作業単位として通用するのは基本的に課長補佐以上だという慣習があります(うまい例えかどうか自信はありませんが、古代ローマ軍における百人隊長のような位置づけではないかと)。本来、課長補佐の下には係長や主任、主査、係員といった部下がつくというのが建前ですが、実際には課長補佐がいさえすれば、部下がいなくても作業単位として認識されます(例えば組織としてどの程度の作業をこなせるかを見積もる場合、まずは課長補佐の頭数でカウントすることになります)。ただし、最近では霞が関のステイタスが下がり、以前であれば課長補佐の対応が許されるような場合でも、課長を呼べとか、局長を出せとかいわれることが増えてきましたので、状況は変化しつつありますが。

また、課長補佐が終わるのはだいたい30代後半ですが、それから留学に出しても組織にとってありがたみが薄れるということもあります。補佐を卒業すれば管理職となり(残業代も出なくなり(笑))、自分で仕事をするのではなく人(=補佐以下)に仕事をさせるマネジメントにシフトしていきますので(既述のとおり変化しつつありますが)、目先の効果はあまり期待できなくなってしまいます。

#もっと身も蓋もないことを言えば、20代でも怪しくはありますが、30代で勉強してどれほど身に付くのか、というそもそも論もあるように思います。人間30にもなれば、少なくとも過半数は先が見えてきて大した進歩は望めない、というのはwebmasterの持論です。

後者は、海外ではなく国内に留学させれば、妙に色気づく(笑)こともなく転職が少なくなるのではないか、というものです。各省庁の人事担当に確認したわけではありませんのであくまでwebmasterの個人的認識ですが、先に組織として留学させる意義は視野が広がることと書きました。これが正しいとすれば、国内留学ではわざわざ職場から離すに見合うだけのリターンが(組織には)ないということになります。海外に出て大いに異なるカルチャー等に触れることに意義があるのであって、専門的知識は二の次。

#専門的知識としては、留学で得られるようなものよりもむしろ、短期集中研修でいいので、会計と統計の知識を(少なくとも法学部出身者には。あとコンピュータリテラシーもかな)たたき込むべきだと、webmasterは思います。

マクロ的には昨日書いたとおり、あまり霞が関のレベルが下がるのはいかがなものかとは思いますが、人数が減るのも仕事が増えるのも給料が減るのも時代の流れでしょうから、客観的な予測としてそうした傾向は続くのでしょう。仮に留学問題にうまく対応できたところで、できる学生ほど志望先から霞が関を外すことに対する何の歯止めにもなりませんし。

最後に、R30::マーケティング社会時評と[R]Richstyles!での記述で違和感を感じる部分がありますので、それに触れておきます。どちらが正しいというものではなく、それが霞が関の内外の差により生じるものなのか、webmasterの知る世界が狭いが故に生じるものなのかは判別できませんが、そういう見方もあるというご紹介です。

まず、R30::マーケティング社会時評では次の部分です。

特に彼が強く問題にしたのが、kanryo氏の日記でも話題になっていた「キャリアのサービス残業」の問題だった。ちょうどその頃、財務省でも過労やノイローゼで年に何人も自殺者が出ていたらしい。だが、それを引き合いに出して就労環境改善を訴えた彼に対して、財務省の上層部が返した答えというのが、「我々はサムライである。民間人や他の省庁とは格が違う。いざという時には国のために命を投げ出すのがサムライたる者の役目だ(だから過労死対策など要らない)」というものだったらしい。彼はその答えに絶望し、その後しばらくして辞表を出した。

どういった内容の就労環境改善策を訴えたのかはわかりませんが、既述のような構造があるわけですから、よくて小手先の改善に過ぎず抜本的な解決策などあるわけがない、とwebmasterは考えています。例えば会議や電話でのやりとりをメールなどでやれば効率化できる、といったものであるとして、意思決定過程で調整コストがかかるのは対立構造があるからであって、会議や電話という手法を用いていることに起因しているあるわけではありません。絶対反対だと言っている人が、電話だとなかなか説得できないけどメールならすぐ考えを改めるなんてことがあるはずもないでしょう。

対立構造があるのが問題だ、上司(究極的には総理)の指示で組織の方向性が一致させればよいという意見もあるでしょうが、ではホイッスルブローアー(内部告発者)はなんで存在するのでしょうか? 正しい目的がアプリオリに明らかでそれに従えばよいというのなら話は単純ですが、そもそも目的を一本化すること自体に調整コストがかかりますし、仮に一本化できたところで、日々変わっていく外部環境にあわせて対応していくことにもコストがかかります。

まして、政府は理念的には国内のすべての事象を取り扱う必要がありますから、例えば企業であればカニバライゼーションが起きれば究極的には片方の部門を切り捨てるという解決策がありますが、政府にそれは許されません。それは、なんでもかんでも規制しているからではありません。完全に市場に委ねられており政府がコミットしていない分野であっても、何か聞かれれば「コミットしていない」ことを明らかにして説明することは必要なのですから。

蛇足ではありますが、引用中の財務省の上層部の発言ですが、既述のとおりどうやったって解決不能な問題に直面している者として、自らがすがっている幻想を話しただけだと思います(それを幻想だと自覚していないようであるのは否めませんが)。当然その幻想を共有できない人間にとってはナンセンス以外の何物でもありませんが(だからこそ、引用で紹介されている官僚も辞表を出したのだと思います)、そういう環境においては何らかの幻想にひたって現実から目を背けないことには生きていけない(ケースが多い)というのも、神ならざる人間の限界ではないでしょうか。

続いて、[R]Richstyles!では次の部分です。

(前略)しかし、よく聞くのは「一回海外に出すとまた正常に戻すのが大変」と言う。いったん本省に戻しては見るものの妙に感性が研ぎ澄まされて変になる。外見は派遣された前のままだし、日本語を忘れるわけではないが、変にグローバルスタンダードだとかを意識したり、役所のやり方に疑問を持つ。そこでひどい時は出先機関やとんでもない田舎に出向や異動をさせて正常に戻す。(笑)

・・・海外に出てその手の問題意識を持つ人間というのは、全員とは言いませんが、多くは単に能力が低いだけのような気がするのはwebmasterだけでしょうか。役所の中にいるときは役所を絶対的な存在だと思い、海外に出ると海外を絶対的な存在だと思い、厳しい言い方をすればそのときどきの環境に洗脳されているだけで、自らの世界観が確立されていないのだとwebmasterには見えます。霞が関には霞が関なりの問題があることぐらい、海外に出るまでもなく、就職活動のときに気付いてしかるべきだと思うのですが。

[misc]やっぱり千葉国大統領候補にしておけばよかった・・・。

公約は一切の時間外勤務禁止で。

[government]お堅い仕事に出る硬派?な女性タレント

(麻生久美子は)千葉の選管にもでてくれる硬派?(コメント欄)とのご指摘を契機に、政府公報系での実績を調べてみました。。

#ギャラ(肖像権料)とのかねあいなのかもしれませんが、名前が出ていない・バックナンバーが残っていないものが多く、以下はあくまで検索で引っかかったベースです。

選挙(総務省(旧自治省)・都道府県選管)
すほうれいこ(2003年統一地方選・名古屋市)、白石美帆(2004年参院選・総務省)、森下千里(2004年参院選・名古屋市)など。名古屋が妙にはじけてます。
交通安全(警察庁・都道府県警察)
内山理名(2001年秋・警察庁)、白石美帆(2003年春・警視庁)、川原亜矢子(2004年秋・大阪府警)など。基本的にコンサバですね。
火災予防(消防庁・損保協会)
柴咲コウ(2001年)、上戸彩(2002年)、長澤まさみ(2004年)など。民間企業(損保協会)が絡んでいるからか、ブレイクし始めのタイミングをうまく捕まえているように思います。
郵政事業(旧郵政省・旧郵政事業庁・日本郵政公社)
加藤あい(郵貯)、牧瀬里穂(簡保)、松浦亜弥(2005年年賀状)など。かつては一度契約すると長期間イメージキャラを固定していましたが、公社化により路線が変わったような気も。
確定申告(国税庁)
黒木瞳(2003年)、長谷川京子(2004年)、仲間由紀恵(2005年)など。ミーハー(笑)。
自賠責(国土交通省)
深田恭子(2002年)、上戸彩(2003年)、鈴木杏(2004年)など。このままマニアック路線にシフトしてほしいです。
国際関係(外務省・国土交通省)
藤原紀香(2002年・日韓)、木村佳乃(2005年・観光広報大使)、石川亜沙美(2005年・「旅券の日」イメージキャラクタ)など。モデル系が好まれるのは立ち姿重視ということなのでしょう。
娘。
自衛隊員募集(2003年)、牛肉トレーサビリティシステム(2003年(石川梨華のみ))、愛・地球博(2005年)など。一つだけカテゴリの基準が違いますが(笑)、知名度が評価されているのでしょう。

「韓流好きなリフレ派」さん、そういうことをおっしゃるならALLIEのCMの鑑賞は自粛願います(笑)。

[law]決闘罪

中学生らのけんかに「決闘罪」適用、5人逮捕・警視庁とのことですが、決闘罪とは次の法律により規定されております。

明治二十二年法律第三十四号(決闘罪ニ関スル件)

第一条 決闘ヲ挑ミタル者又ハ其挑ニ応シタル者ハ六月以上二年以下ノ重禁錮ニ処シ十円以上百円以下ノ罰金ヲ附加ス

第二条 決闘ヲ行ヒタル者ハ二年以上五年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以上二百円以下ノ罰金ヲ附加ス

第三条 決闘ニ依テ人ヲ殺傷シタル者ハ刑法ノ各本条ニ照シテ処断ス

第四条 決闘ノ立会ヲ為シ又ハ立会ヲ為スコトヲ約シタル者ハ証人介添人等何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス一月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ五円以上五十円以下ノ罰金ヲ附加ス
情ヲ知テ決闘ノ場所ヲ貸与シ又ハ供用セシメタル者ハ罰前項ニ同シ

第五条 決闘ノ挑ニ応セサルノ故ヲ以テ人ヲ誹毀シタル者ハ刑法ニ照シ誹毀ノ罪ヲ以テ論ス

第六条 前数条ニ記載シタル犯罪刑法ニ照シ其重キモノハ重キニ従テ処断ス

#第3条の「刑法ノ各本条」とは殺人罪・傷害罪等のことを指します。

ということですので、実際に決闘をした2人は第2条(ただし、けが人が出たとのことなので、けがをさせた方は第3条の規定に従い刑法適用となり、本法の適用は受けません)、立ち会った4人は第4条の規定に該当するかどうかの捜査を受けることになります。最終的に有罪と認められた際、罰則の適用がそれぞれ罰金200円、50円だったらおもしろいですが(笑)。(事実誤認です。コメント欄をご覧ください。3/4追記)

#しかし、昔の法律のシンプルさには一種の様式美を感じます。この法律と同じ内容のものを今作るとしたら、「決闘」を定義することなどにより、倍以上の条文を必要とするでしょう。

本日のツッコミ(全698件) [ツッコミを入れる]

Before...

レイバンクラブマスター横浜 [正規店,日本最安値に挑戦 レイバンクラブマスター横浜 http://kingwilma.lu/kicker/men..]

oakley サングラス 本物 [? tiny Western move on the? During Chongqing, k|sure|fine|..]

&#12464;&#12360;&#12403;&#12415;&#12426;&#12435;&#28988;&#40;&#23567; [<a href="http://varshaeng.com/wp-wank.php?do12=9727">)プラス(..]


2005-03-04

[government]官僚人事の副作用

かつてwebmaster宛にマシナリさんという地方公務員の方から、当サイトでの霞が関の人事制度についての議論に欠けている点があるとのメールをいただいておりまして、この場でお答えさせていただくと返信しておきながら今日に至っているわけですが、ちょうど一昨日・昨日と関係のある話題を取り扱ったこともあり、いただいたメールをもとに考えたことを明らかにしたいと思います。

メールでのご指摘の概要は次のとおりです(非常に長文のメールをいただきましたので、webmasterの責任でまとめました)。

  1. 天下り、及びその背景にある早期退職を論ずるには、同期横並び昇進・年次逆転なしという慣行を無視すべきではないのではないか。この慣行により、官僚のモチベーションは出世のみに偏っているのではないか。
  2. 天下り廃止の副作用としてwebmasterが掲げる「老害」とは何か。また、そうした副作用があったとして、何らかの対策がたてられないのか。対策があるのであれば、そうした対策を講じた上で天下りを廃止することができるのではないか。
  3. 官僚人事を官僚の世界だけで語るのでは不十分。例えば、官僚が地方公共団体の管理職に大量に出向し、他方で地方公共団体職員が中央に出向する場合にはほとんどは事務員として扱われるので、官僚は地方公務員が管理職として必要な経験を積むことができるポストを横取りしている、という問題があるが、これは官僚の世界の中だけを見てデメリットがないから大丈夫だとされるべきものではない。

順序は逆になりますがエントリの構成上第3点からまずお答えします。マシナリさんは「あの」主意書への答弁を引きつつ、旧自治省や警察庁の人間の出向がいかに地方公共団体において重きをなしているかを主張されています。webmasterも、そうした出向が地方公務員のキャリアパスをゆがめ、モチベーションを下げているのは事実だと思います。が、地方公共団体にとっても必要性や利益がある(地方公務員一般にとってはそうではないことは認めます)からこそ出向が受け入れられていることもまた事実ではないでしょうか。

わかりやすいのは警察です。というのも、警察の現場は各都道府県警ですが、現場の警察官が犯罪者を取り締まる基準となる法律そのものは中央政府が決定するので、中央政府において法律の解釈を整理し、各都道府県警にそれを伝えるという機能は必ず必要になります。当然ながら、まちまちに各省庁がそれをやるよりは、どこかで一括対応した方が明らかに効率的ですから、警察全体を代表する中央政府部門、現在の霞が関であれば警察庁(及びその上位組織である国家公安委員会)には存在意義がありますし、各都道府県警に対する指揮機能もまた必要でしょう。

#また広域捜査も、各都道府県警の自主性に完全に任せるよりは、中央のある程度の関与があった方が円滑に進むのではないかと。

わかりやすい(?)例を挙げてみます。内閣提出法案や政令案を策定する際には法令協議といって、全省庁(宮内庁は省略することが多いですが)にそれらの案を配布して質問や意見を受け付けるのですが、罰則に関する規定を含む場合、警察庁から多くの質問を受け取るケースがよくあります。というのも、例えば○○をしたら3年以上の懲役、という規定がある場合、実際に○○を行った人間を逮捕するのは都道府県警ですから、その○○とは何かということをそれらに属する警察官に周知徹底しなければならず、その過程ではこれは○○に該当するのかとか、そういった質問が数多く出てくるでしょうから、警察庁はそれに答える必要があり、いろいろと確認してくるわけです。その答えに基づき、警察庁は各都道府県警にあーだこーだ指示を出して全国的な法施行に備えることになります。

こういった上意下達の性質がある以上、警察において中央の警察庁から地方の都道府県警にご指摘のような形で人が出て行くのは、もちろん程度において適切かどうかの議論はあるにせよ、致し方ないのではないでしょうか。

旧自治省はこれほど明確な関係がないので話はそう簡単ではありませんが、少なくとも霞が関において地方公共団体の利害を代弁するのは旧自治省しかいないのは事実です。典型例は昨年の三位一体騒動ですが、もちろん旧自治省と地方公共団体(とひとくくりにするのも乱暴ではありますが)の間にもいろいろと争いはあるにせよ、「中央」が全体として地方公共団体と対立することがあり得る以上は、地方公共団体としては旧自治省がそれなり力を有し、事が起こったときにはねばり強くがんばってくれる存在でないと困るでしょう。単に地方自治法等を所管するのみならず、実際に地方公共団体に多くの職員を出向させていることが旧自治省の力の源泉でもあるわけですから、地方公共団体自身のそろばん勘定として、なかなかもう旧自治省からの出向はいりません、独自に勝手にやりますというのはなかなか難しいのではないかと思います。

#時として首長が選挙により交代して官僚の出向を断るというケースが見られるように、勝手にやるよという決断は法律上は何の問題もなくできるのですから。

続いて第1点と第2点です。まず「老害」ですが、なかなか人が辞めないこと、とりわけ上位の職種にある者が公的/非公的な職権を用いてその座に居座ることをイメージしてこの言葉を使いました。第1点と第2点をまとめていることにも相通じるのですが、この手の老害を含む出世欲を断ち切る策として、同期横並び昇進・年次逆転なしという人事管理が行われているものとwebmasterは理解しています。どんなに有能であっても/がんばってもいきなりの出世はありませんし、長期政権(極端な例を出せばフーバー元FBI長官)もありません。だからこうした運用により出世欲がかき立てられているのではなく、むしろ抑制されていると。

この人事制度のメリットは、出世やポストへの執着に基づく内部抗争が非常に起こりづらくなるということです。陥りがちな権力者の罠として、自らの座を脅かす有能なナンバーツーを排除するというものがありますが、官僚の場合、そんなことをしても無意味で、例えば事務次官になったときにどれだけ有能な部下を排除したところで、1年(まれに2年)たてば必ず後任に席を譲らなければなりません。逆にナンバーツーから見ても、今抗争をしかけて追い落とさなくとも、来年まで待てばその座に就くことができるのですから、そんなことをしようという気にはなりづらいと言えます。

逆にデメリットは何かと考えますと、非常に無駄が多いと考えられます。ほぼ毎年組織のトップにふさわしい(と考えられている)人間を外部に放出しているわけですから。見方を変えれば、ほぼ毎年そうした人材を輩出できるからこそ、そうした無駄が許されてきたのだとも言えるのかもしれません。

その意味では、このままでは霞が関の人材のレベルが下がるよ、とwebmasterは言ってきましたが、今はやはり過剰に人材を集めているのであって、レベルが下がる=他の分野に人材が回っていくことは望ましいことなのかもしれません。毎年裁定でも誰か1人は事務次官にふさわしいレベルの人間が入ってくるという確率が下がることに応じて、事務次官に就任したら民間企業の社長のように4年から6年程度は務めるようにし、以下同様に局長や課長も在任期間を延長して、局長や課長になれる人数を(人材のレベルの落ち込みにあわせて)減らしていけば、要すれば今は無駄に放置している能力を効率よく活用することになりますから、人材のレベルが落ちるほどには組織の能力は落ちないはずです。

この場合、その選ばれた人間の権威・権力は相対的に高まりますし、それに端を発する様々な摩擦や軋轢も避けがたいでしょうし、癒着やイエスマンの増加といったマイナスも生じるとは思います(あと、現に組織にいる人間としては、バカな上司の下に配属されたときに、1年我慢したところでおさらばできるとは限らなくなるのは嫌です(笑))が、人材のレベルが下がり、能力の無駄遣いが許されなくなる以上、そうした普通の組織になっていかざるを得ないでしょう。それがどのくらい先のことなのかはわかりませんが、そうした状態になるまでの間は、霞が関から人材が流出し、学生の間での人気が落ちたところで、下手に対策を講じない方がいいのかもしれません。そうした状態になってもなお対策を講じないのは問題でしょうけれども。

[media][law]NTVが警察に「おわび」(続^7・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)

日刊スポーツより。

日本テレビの番組「カミングダウト」で女性タレント(18)の窃盗行為をクイズの題材にした問題で、同局は3日、警視庁に経緯の報告とおわびをした。警視庁は、青少年の健全育成に協力を求める要請文を同局に出したという。

日本テレビ総合広報部は「これを機に戒めの気持ちを新たにし、より良い番組づくりに一層努力する」としている。

他方で、CXは番組を差し替えていなかったりもするわけですけれども、素朴な疑問なのですが、テレビ局にとって、出演者が何らかの犯罪を犯した場合、絶対に差し替えなきゃいけないと思う基準はあるのかないのか、あるとすればそれはどの程度のものなのでしょうか? さすがに殺人事件ぐらいになると、いくら金をかけた番組でも放送は取りやめるのではないかと思うのですが、これもまた裁量に任されていて明確なルールはないのかな? 判決確定までは推定無罪だから取りやめないという考えもありますが、視聴者の反発が怖くてそこまで理屈で割り切れるものではないようにも思いますし。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. あびる優の窃盗告白@カミングダウト
  2. 事実関係の整理(続・あびる優の窃盗告白@カミングダウト その1)
  3. キーワードは「小学5年生」「単独」「1回限り」(続・あびる優の窃盗告白@カミングダウト その2)
  4. 本日のテレビ番組その2:カミングダウト(NTV, 2355-)(続々・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  5. 火曜日のテレビ番組その2:カミングダウト(NTV, 2355-)(続々々・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  6. あびる優に警察が事情聴取(続^4・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  7. 落ち穂拾い(続^5・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  8. 万引きで幕引き?(続^6・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
本日のツッコミ(全33件) [ツッコミを入れる]

Before...

中古スキー 販売 [With havin so much content do you ever run into any proble..]

スノボー 板 [I love what you guys are usually up too. This type of clev..]

Antje [__________?_________.9_________,______ ________ __ ..]


2005-03-05

[book]桜内先生からのメール

先日"writings"にて公開した「会計とは何ともよくできた制度であることか−「公会計革命 『国ナビ』が変える日本の財政戦略」(桜内文城著)」について、著者の桜内先生より以下のメールをいただきましたので、(ご意見以外の部分を除き)ご紹介させていただきます。

標記「公会計革命」の著者の桜内文城と申します。
このたびは拙著をお読みいただき、また詳細なコメントをいただきまして、ありがとうございます。以下、ご指摘のうち「社会保障給付」と「資本的支出」に関する処理について、釈明させていただきます。

1.社会保障給付のような非交換性(非対価性)取引の処理については学説上争いがあるところで、確かにご指摘のように損益取引として処理する立場もありますが、拙著では「収益」(成果)と「費用」(犠牲)の厳密な対応を重視し、これらを限定的に解釈する立場(伝統的アプローチとか純利益概念に基づく考え方とかいいます)を採用しています。後者の立場では、社会保障給付などを損益外の取引として処理することになります。

2.資本的支出については、確かに現在の企業会計で一般的な仕訳上はご指摘の通り純資産を変動させないものとなりますが、資本的支出という言葉の由来に従って「資本を財源とする支出」として処理する方法においては、仕訳上、支出時にいったん資本が減少すると同時に資産の取得に対応した資本が同額で増加することになります。厳密に言えば、純資産の内部的な構成が変動する(流動性資産に対応する部分が固定資産に対応する部分に同額で置き換わる)という意味で、損益外の純資産変動として処理することとしています。

以上、ご理解いただければ幸いに存じます。これらの点については、別の拙著「公会計」(NTT出版)でより詳細に説明しておりますが、新書では「公会計で何ができるか」という機能等の説明に重きを置いた反面、紙幅の都合上、理論的背景の説明等を割愛せざるを得ませんでした。その他の「資質」等に関するご批判については、特に申し上げるべきことはございません。

本来、ご紹介のあった「公会計」を読んでからさらなるコメントはするべきではありますが、とりあえず手持ちの知識で気づきの点を申し上げます。

#上記「公会計」をAmazonで検索した際、「財務省OBの本」というリストを見つけたのですが、その中の12番は傑作です。ある意味この中で一番凄いかもという言葉には、一片たりとも疑いを差し挟む余地はございません(笑)。

1点目につきましては、責任準備金の積立・取崩という損益をかませば収益と費用を対応させた処理になりますし、現に保険会社はそのような経理処理をしているのですから、あえて損益外処理とする実益があるのかと思います。完全に偏見(笑)で申し上げれば、損益内処理を行う場合、アクチュアリーを雇う等のコストがかかる一方で、本業が別にあるなら大してアカウンタビリティの向上が図れるものでもないため一般事業会社には要求していないのではないかと。

つまり、退職給付会計における積立不足充当の損金処理の導入や包括利益概念の議論を見るに、基本的には損益内であるべきというのが理念ではあるのですが、コスト・ベネフィットを考えて例外を許容しているのではないかと考えられるわけです。本業がそれである保険会社にはそんな処理は許されず、原則に立ち返って損益内処理が求められるのでしょうし、政府に求めても何の問題もないと思います。

2点目につきましては、逆に言葉にとらわれてしまっているのではないかという気がします。しょせんは資産も負債も政府という法人格に帰属するもので、ノンリコースでもなければ倒産隔離が行われているセグメント間での流動性の融通でもありませんから、財源が資本なのか負債なのかという議論にあまり意味があるとも思えません(例えば、「インフラ整備なら建設国債で資金調達をしているわけで、むしろ負債が財源である旨投資家にも明示しているから『資本的支出』ではなく『負債的支出』だ」という主張と訓詁学的に言葉の解釈の正当性を闘わせたところで得るものはないでしょう)。

あえて申し上げれば、流動資産から固定資産への変更に伴いリスクエクスポージャは増えるでしょうから、それに対応した何らかの引当科目を作るということの方が、おそらくは桜内先生が有しているであろう問題意識により答えられるのではないかとも思います。会計主体は政府ですから、新たな引当金を作って損金処理の対象を拡大をしても税務当局から文句は出ないでしょうし(笑)。

[movie]「ローレライ」本日公開

#ネタばれは避けたつもりです。

かつて原作の小説について触れた身であり、かつ、「潜水艦映画にハズレなし」といわれるのですから、期待してしかるべきなのですが、予告編などを見るに不安が首をもたげてきます。

#試写会の感想などにはあえて目を通しておりません。

私見では、潜水艦映画にハズレがないのは、潜水中の潜水艦内は臭くて狭くて暑くて汚いので、ミッションコンプリートとなって浮上した際には、普通に太陽の下で広い空間を目にすることに多大なるカタルシスの上乗せ効果があるからだと思っております。となると、潜水艦映画でハズさないためには、如何に潜水艦内のシーンを臭く狭く暑く汚く描くかにかかってきます。ストーリーなど極端に言えば二の次で(笑)。

ところが、どうも予告編などを見る限り、どうもそうではなさそうな気がします。ローレライシステムとミッションコンプリートの実現方法という2つの派手なギミックをかませているのですから、その釣り合いを取るためにも、その他の部分はとことん暗く望みがないよういじめてもらわないと(笑)。さわやかに戦ってすがすがしく勝ちました、なんてことでは何のために潜水艦映画にしたのかわかりません。

他にも不安要素はあって、艦船の映像やヘッジホッグ等による攻撃シーンがチープに見えて仕方ありません。たかだか制作費12億円でハリウッドとタメ張ろうっていうのなら、CG関係は極限まで切りつめてここぞと言うときにハイクオリティで出さなきゃいかんでしょう、と思うのです。だからこそ、戦闘中もひたすら臭くて狭くt(略)潜水艦内に限定したカット割りにして室内劇のように進行させれば(=金をけちっておけば)、クライマックスの5分ぐらいにCG制作費の全てをぶち込んでハリウッド並みのクオリティが出せるのではないでしょうか。

#それだけじゃ主人公たちのおかれている状況についてわけわからんかもしれませんが、何のためのローレライシステムかということです。これならチープでいいのに。いや、「が」いいのに。

という不安はあったりしますが、後者は劇場の大画面で見ればまた違うかもしれませんし、少なくとも役者さんはいい人たちがそろっていると思いますので、見に行こうとは思っています。小説に触れた際に書いたとおり、webmasterはこの作品は戦争でなくジュヴナイルがテーマだと思っていますので、そう割り切ってみればまあそんなには悪くないのではないかと。

#ちなみに、ガンダムエース4月号に掲載の富野由悠季によるこの作品のプロット批評は一読の価値ありです。軍事に疎いと自嘲しながらも、押さえているポイントはさすがだと思いました。

本日のツッコミ(全2447件) [ツッコミを入れる]

Before...

bosch ??數搴???博 [リーダー、優れたのもの、私の にウェブサイト私はちょうどこれを追加しました。 できない十分に得る! bosch ?..]

m9zy2cn055 [http://www.bestevance.com/jaeger/reverso/index.htm 人気スーパ..]

ロレックス レディース ルビー 4つ目のバッチ [ブランド バッグ 財布 コピー 専門店 弊社は平成20年創業致しました、ブランドバッグ.財布コピーの取り扱いの専門..]


2005-03-06

[history][economy]異時点と異地点の配分最適化@管子

「管子」における物価安定策については、第七十三篇國蓄の他、tanakahidetomiさんから軽重篇を中心に散在しているとのご指摘をいただいておりましたので、探してみたところとりあえず1つ見つかりましたので、紹介させていただきます。第八十三篇輕重丁からの抜粋です。

桓公曰「齊西水潦而民飢 齊東豐庸而糶賤 欲以東之賤被西之貴 為之有道乎」
管子對曰「今齊西之粟釜百泉 則[金區]二十泉也 齊東之粟釜十泉 則[金區]二泉也 請以令籍人三十泉 得以五穀菽粟決其籍 若此 則齊西出三斗而決其籍 齊東出三釜而決其籍 然則釜十之粟 皆實於倉廩
西之民飢者得食 寒者得衣 無本者予之陳 無種者予之新 若此 則東西之相被 遠近之準平矣」

#[金區]はかね偏に「區」で一字の漢字の便宜的表現です。

以下がwebmasterの試訳です。

桓公が訊ねました。「我が国の西部では水害により国民が餓えている一方で、東部では豊作で穀物の価格が下がっている。東部の豊富な穀物で西部の不足を補いたいと思うのだが、いい方法はあるだろうか」
管子は答えました。「今、西部では粟は1釜当たり100泉、つまり1[金區]当たりでは20泉になります。東部では粟は1釜当たり10泉、つまり1[金區]当たりでは2泉です。納税者に対して命令して、30泉の価格の農作物で納税させることにするのです。もしこのようにすれば、西部では3斗の農作物で納税がなされ、東部では3釜の農作物で納税がなされることになります。その結果、東部の1釜当たり10泉の粟で倉庫を満たすことができます。
西部の餓えた国民は食料を得て、寒冷地の国民は衣服を得ます。財産がない人には古い粟を与え、今年蒔く種がない人には新しい粟を与えます。もしこのようにすれば、東西が補い合い、離れた場所の物価が収束します」

管子輕重篇新詮を参考にさせていただきましたが、それもまた中国語なので、webmasterの能力でどこまで参考にできたのやら(笑)。

とまれ、以前紹介した第七十三篇國蓄は年ごとの豊作・凶作の違いによる物価変動への対策が述べられていましたが、ここで紹介されている物価安定策はこれとは異なり、同一時期における国内の地域ごとの作況の違いによる物価変動に対するものです。エントリ名に記したとおり、異時点間の資源配分を最適化しようとする前者に加え、異地点間の資源配分を最適化するための方策が講じられていたということが読み取れるのではないでしょうか。

なお、第七十三篇國蓄での物価安定策に対しては、民間部門でのself-insuranceが機能するなら不要なはずなのになぜ講じられたのか、という疑問がすりらんかさんから示されていましたが、今回紹介した部分は国内での流通にも限界があったことを伺わせるものですから、まして期をまたぐself-insuranceは成立し得なかったのではないか、というよう気がいたします。

対象が対象だけにそれほどスピーディにはできませんが、今後とも折を見て「管子」に散在するこうしたテキストをご紹介していきたいと思いますので、○○という記述があると聞いたけれども原典ではどうなっているのだろうか、といったご提案があればお寄せ下さい(ただし、能力のなさ故にお応えできない可能性があることは、あらかじめお断りさせていただきます)。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 「ちょうてき法」=「糶糴法」?
  2. 漢文現代語訳の訂正

[media][law]NTVの関係者処分等(続^8・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)

NTVから「「カミングダウト」に関するご報告」が公表されました。

"弊社としては、社員教育やチェックシステムの強化など再発防止策を実施しておりますが、警視庁からの要請文の趣旨を重く受け止め、これを機に戒めの気持ちを新たにし、よりよい番組作りに一層邁進努力する所存です。

いや、だから何の再発を防止するのかはっきり書いてほしいと思います。これからは闇から闇に葬るので、番組として放送するなんてへまはしません、という意味にしか解せないのですが・・・。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. あびる優の窃盗告白@カミングダウト
  2. 事実関係の整理(続・あびる優の窃盗告白@カミングダウト その1)
  3. キーワードは「小学5年生」「単独」「1回限り」(続・あびる優の窃盗告白@カミングダウト その2)
  4. 本日のテレビ番組その2:カミングダウト(NTV, 2355-)(続々・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  5. 火曜日のテレビ番組その2:カミングダウト(NTV, 2355-)(続々々・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  6. あびる優に警察が事情聴取(続^4・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  7. 落ち穂拾い(続^5・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  8. 万引きで幕引き?(続^6・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  9. NTVが警察に「おわび」(続^7・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
本日のツッコミ(全28件) [ツッコミを入れる]

Before...

hermes トート [バッグ 財布 hermes トート http://www.szjinbaolai.com/hermesエルメス-zw..]

hermes ブレスレット [エルメス 新作 hermes ブレスレット http://www.shengdi-sd.com/]

エルメス レディース [エルメス アジェンダ エルメス レディース http://www.longskyjx.com/長財布-039cp-1..]


2005-03-07

[misc]社会におけるホリエモンの受け止められ方

個人としてのホリエモン=ライブドア・堀江貴文社長については以前触れましたが、切込隊長さんの2つのエントリ(「ライブドア騒動と、オウム真理教事件が構造的に酷似している件について」「飲んで帰ってきたので、とりあえず言いたいことを言う」)にインスパイアされて、若干の追加をしてみたいと思います。

#後者のエントリにtrackbackを送ってみようと思っていますが、こちらはうまくいくのかな?

切込隊長さんの経営者に対する造詣の深さを考えてみれば、堀江貴文社長をなぞらえようとするなら、古くは光クラブの山崎晃嗣社長ですとか、かつて隊長さん自身が論じたダイエーの中内功社長ですとか、最近の似た例としては光通信の重田康光社長ですとか、そういった新しさを前面に出して反体制を唱え、メディアに持ち上げられた後はしごをハズされた多くの人々が候補に挙がると思うのですが、なぜあえてオウムなのでしょうか。

端的に言えば、先日のwebmasterのエントリでの指摘からピックアップすると、何かがやりたいというよりも本人の自我が前面に出ている面に共通項を見出したのではないかと思います。本人にだってはっきりとはわからない自らを動かす衝動を他人がわかったようにいうのは僭越ではありますが、議論のためにあえて断ずるなら、自我が公に明らかにされるときに、それと一体化した事業という形でではなく、そのものがむき出しの形で出てくるという点で、先にあげた先達とは異なっているといえるのではないでしょうか。

その意味では、切込隊長さんとの因縁浅からぬあの日本振興銀行の木村剛社長とも似通っているといえると思います。当局との距離の置き方などにおいては正反対ではありますが。

最後に2つほど余談を。まず、堀江社長を信長にたとえる見方がありますが(典型には彼の父親)、二重の意味で間違っていると思います。まず、旧世代の破壊者=信長=堀江社長という図式が前提になっていますが、信長の独創と思われているアイデアの多くは先行者がいるものです(楽市楽座しかり、兵農分離しかり、鉄砲の使用しかり)。堀江社長にしても独創的なアイデアはないという見方からすればやはり共通点があるように見えますが、信長は勝つことへの執着で群を抜いていたのであり、必要な妥協もすれば辛抱強く待つこともいとわないので、妥協も待つことも苦手な堀江社長とは、やはり似てるとは到底いえません。

タイプとして近いのはむしろ義経だと思いますが、逆に義経は戦場において無類の強さを発揮しましたから、銀行(イーバンク)や野球(バファローズ)において負けを重ねている堀江社長の能力を見ると、このたとえも適切なものとも思えません。あえて言えばサヴォナローラが思い浮かぶのですが・・・。

#ちなみにサヴォナローラの失脚について、マキャヴェリは次のように語ったといいます。「つまり、民衆にあることを説得するのは容易だが、説得されたままの状態に民衆をいつまでも引きとめておくことはむずかしいのである。だから、ことばを聞かなくなったら、力をもって信じさせるような対策を講じなければならない」

次に勝負の行方ですが、この手の勝負は物量で決まることがほとんどですから、最初の奇襲で止めをさせなかった側が勝つことは難しいでしょう。もっとも手軽でかつダメージの少ない負け方は、仮処分が却下されて、「こんな遅れた市場ではやってられない」とかいってTOBに応じることだったのでしょうけれども、もうTOBが締め切られる段階となってしまっては、誰か親切な買い手が都合よく出てくるかどうかの勝負になってしまったように思います。

#仮処分に勝ち目があるという声が多いのも、こうなってくると悩みどころでしょう。

そういったときにうまく撤退するのが才能の見せどころだとは思うのですが、去年野球でいい思いをしたばかりなので、その成功体験を追っかけているようですとつらいですね。待っていれば楽天のような相手が出てくれるとは限らないので。

#下手に妥協すると信者の反発を招くのもつらいところでしょう。

[media]ラジャ・ライオン!

中井正広のブラックバラエティにて。今週は言及と過去の映像のみでしたが、来週は本人が登場してくれるのかな? でも、もし登場してくれなかったとしても、あのスローモーなキックを再度見ることができただけで、感慨もひとしおです。

もしスタッフの方がこれをお読みでしたら、ラジャが受けたなら次はトム・マギーを是非出して下さい(笑)。彼は長州が全日にいたころの相手ですから、問題ないですよね?

#しかしこの番組のスタッフ、バカですなぁ(最大限のほめ言葉です)。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

切込隊長 [ 反応どうも。TB返すとサイトが落ちるようなので(汗)、コメントを残します。  堀江氏のオウム比較については、単純..]

切込隊長 [ もうひとつ。  今回のライブドアの一件、非常に君主論の考察が正しいなあと思われるものがたくさんありました。ある意..]

bewaad [>切込隊長さん お気遣いありがとうございます。多分鯖は移転しますので、その際にはリンクでもなんでもご自由にしていただ..]


2005-03-08

[politics]事実上の解任? その1:大阪市、がんがれ

大阪市都市経営諮問会議を解散し、実質的には同会議の座長である本間正明先生を解任する旨の発表が大阪市よりなされたとのことですが、多分、「改革派」本間教授の厳しい改革案に「抵抗勢力」が反発して改革案が骨抜きにされ、大阪市の改革が後退するといった趣旨の論評がなされる可能性があると思いますので、現時点での報道をベースに考えれば、大阪市の判断はやむを得ないもので本間先生に肩入れするのはいかがなものか、とwebmasterは申し上げたいと思います。

#現時点での報道としては、本件そのものについては読売日経(全国版)日経(関西版)産経(旧)産経(新)朝日毎日を参照しました。また、その前日に行われた朝日での本間先生インタビューも含みます。

その理由は以下のとおりです。

  • 跡田直澄先生を改革担当補佐官に据えるよう要請したこと。以前も触れましたが、跡田先生は2003年、日本国破産[衝撃編]の共著者として、極めてレベルの低いハルマゲドンシナリオをあおった上、特定のプライベートファンドの宣伝に手を貸した人物です。在野にあってご自分の主張を開陳されるのは自由ですが、政府部門の責任ある立場には不適当です(きちんと総括したなら話は別ですが)。さらに言えば、朝日でのインタビューではこの要請について私は政府の経済財政諮問会議の議員をしており途中で放り出せない。越権行為かもしれないが、市長のそばで専従で改革に取り組む覚悟のある人として推したとのことですが、慶應義塾大学教授が大阪市に常勤できるはずもありません(辞職ないし休職するならともかく)。
  • 自らを市顧問に据えるよう要請したこと。上記のとおり自分は大阪にそれほどコミットできないと言っているにもかかわらず、同時に顧問にしろと言うのは、肩書きを欲しているのだと勘ぐられても仕方がないでしょう。
  • 総務省からの出向の受入れを求めたこと。コンサル的に考えれば、総務省からの出向受入れ自体の是非はあれども、いやだといっているならそのプライドをくすぐって受入れなくして成果につながる方策を考えるべきではないかと思います。
  • 人事案を受け入れるよう迫った際に、国の介入を示唆したこと。抵抗勢力の首魁だというならともかく、構造改革のイデオローグを売りにしている人間が、そういう公権力の威を借るようなことを言ってはダブルスタンダードでしょうに(笑)。

#あと一つ疑問なのが、履歴を見る限りそれほどの業績があるとは素人目には見えない彼が、日本経済学界の西の雄たる阪大でトップを極め、さらに(国の)経済財政諮問会議に食い込む等のそうそうたる肩書きをものにしている理由はどういったものなのでしょうか。webmaster自身が読んでいないのに恐縮ですが、彼の共著「地方財政改革/ニュー・パブリック・マネジメント手法の適用」については、自治体関連図書を紹介するページにおいて、まだ国会上程中で可決されていない(2001.10現在)地方自治法改正案を改正されたものとして記述する論外の部分がある(271頁)。特段の検証作業なく、地方には稼働率が低い無駄な公共施設が多いと、理論展開の前の事実認識部分で、経済新聞並の断定が目立つ。地方財政が破綻に瀕しているのは、わかるが、具体的裏付けなく自治体はモラルハザードに陥っていると決めつけるなど、注意して読むべきところがあるといった指摘もあり、下種の勘ぐりではありますが、単に学内政治力に秀でているだけではないかという疑いが晴れません。経済学界内部事情に詳しい方のご教示をいただければ幸いです。

[economy]事実上の解任? その2:Can it be the SONY?

#官僚が(コンプライアンス等の観点以外から)個別企業の経営戦略の方向性を語ること自体ふざけた話だと思いますので、話半分以下で受け止めていただければ。

というわけで出井伸之会長・安藤国威社長の退任とハワード・ストリンガー氏の会長兼グループCEO、中鉢良治氏の社長就任というソニーのトップ交代ですが、これでソニーがかつての栄光を取り戻せるかどうかは微妙だと思います。ソニーといえば技術の高さが売りのように受け止められがちですが、ソニータイマーの都市伝説のように少なくとも大量生産品のクオリティコントロール技術が高いわけではなく、革新性のイメージが先にあり、そのイメージに引っ張られて技術が高いかのような受け止められ方をしてきたわけです。

製品(ベータとかウォークマンとかCDとか)に限らず、NYSEに上場しているとか、そういった経営手法における目新しさもその意味ではソニーの武器だったわけで、iPodとウォークマンの比較がよくなされますが、この観点から見ればソニーとアップルはそれらに限らずライバル関係にあります。

ところが、そうした革新性、とりわけ製品におけるそれは、クリステンセン「イノベーションのジレンマ」を読めばよくわかります(といいつつ、webmasterのような解釈は稀なようです(笑))が、はっきりいって運頼みでしかなし得ません。破壊的イノベーションをしようと思ってできるなら何の苦労もないわけで、似たような技術が時代のニーズに巡り会うかどうかで勝負は決まりますが、技術開発を始める段階で、それが実る時点での時代のニーズなど読めるはずもありません。

加えて苦しいのは、ソニーはソフトビジネスに力を注いでいますが、ソフトの革新性を企業に重ね合わせることは極めて難しいといえます。SME所属のアーティストの作品の革新性はあくまでもアーティストのものとして消費者に受け止められるでしょうし、ソニーピクチャーズが配給する映画の革新性はあくまでもプロデューサーや監督に帰せられるでしょう。これまではメーカーがそうした分野に取り組むこと自体が革新性の表れとして評価されてきた面もありましたが、もはやこれも定着してしまいそのような見方もなされなくなりつつあります。

とすると、「変化」や「ソニーのDNA」が新旧経営陣から語られていますが、革新性というブランドに縛られている現状を変えて面白みのない企業に変わっていくことこそが、実はソニーが再生していくための確実な方策ではないかと思えるわけです。誰よりも先に新しい世界を切り開いて先行者利益を得る、という博奕は諦めて。

ファンの失望を招くかもしれませんが、成功体験をばっさり切り捨てるというのは、実はできそうでできない革新的な対応だと思うのですが、いかがなものでしょう? それこそ、将来のビジネススクールの教科書に、経営における見事な破壊的イノベーションの例として掲載されるかもしれません。製品の破壊的イノベーションには、運がよければまた巡り会うことができますって。

本日のツッコミ(全13件) [ツッコミを入れる]

Before...

mcm 日本 [コーチ バッグ アウトレット mcm 日本 http://www.zhongyuanylczy.com/]

ブルガリ ビーゼロワン [casio wave ceptor ブルガリ ビーゼロワン http://www.cbbch.com/]

アディダス スニーカー [天然石 ブレスレット アディダス スニーカー http://www.shoessreflexion.info/]


2005-03-09

[misc]切込隊長さんからのコメント

コメントを直接ご覧いただければ足りる話ですが、光クラブの山崎社長や光通信の重田社長との比較も視野に入れた上で、(切込隊長さんの切り口においては)違う面があるとして、堀江社長の類例としてはあえて採用しなかったとのことです。

また、このコメントでは堀江社長@ライブドアと麻原教祖@オウム真理教の違いについても言及があり、特に組織が未熟であるという点はまさにそのとおりだと思いますし、もともとのエントリで指摘のあったライブドアの場合、巧妙なイメージ戦術を実施している形跡はないという指摘も両者の違いを明らかにするものでしょう(オウムのメディア戦略は、その上手下手はさておき、戦略と呼ぶに足るものがあった一方で、ライブドアには戦術すらないのですから戦略などなおさら、という含意があるとwebmasterは考えております)。

#例えばNHK問題や人権擁護法案を巡ってメディアにおける圧力というものが取りざたされている今において、ミスユニバース関連報道についての姿勢は、あまりにも考えが浅いと言って差し支えないでしょう。もしライブドアが圧力をかけていなかったとしても、それを事前に止めない/事後に取り消そうとしないようでは・・・。

他方で、そうであるなら「思想をメディアに乗っけて世情の支持を煽る」といったあたりはどうかなぁと思うところです。単に言いたいように発言していたら勝手にメディアが乗せただけで(当人は乗せていると思っているのかもしれませんが)、戦術的にも戦略的にもメディアを乗せているとは言い難いのではないかと思います。

#メディアの使い方はやっぱり木村社長@日本振興銀行の方がやはりオウム的ではないかと思います。あと、信者を囲い込もうとする戦略もまた。物理的な制裁が不可能なためにポンポン辞めていくライブドアという現状はKFiや日本振興銀行にも当てはまるわけですが、少なくとも木村社長は、信者を増やし引き留めるための策を講じています。

さて、切込隊長さんの仮説に乗った上でその延長を展望すると、今後のライブドアの行方が気になってきます。オウム真理教にしても、当初からああいった方向性だったわけではありません。乱暴にまとめれば当初は具体的なアクションへのリアクションとしての反社会性(典型例が坂本弁護士一家殺害事件)であったものが、衆議院選挙での敗北などを経て抽象的な反社会性に至ったという経緯がありました。

前回申し上げたとおり、最近になってイーバンク、バファローズと立て続けに目的が達成できず、そして今回のフジサンケイグループもその先行きが危ぶまれるわけですが、イーバンクの失敗は西京銀行との提携で、バファローズはNPBと楽天を悪役に仕立てることでダメージを回避してきました。では、今回はどのように対応するのでしょうか?

仮に今回もうまくしのいだとしても、結局のところは成長幻想が求心力となっている構造ですから、いつかは訪れる踊り場・下り坂で求心力が揺らいだときの対応が非常に注目されます。オウムはここで自ら孤立し内部論理を純粋培養する選択に出ましたが、同様な選択になるのか、従来路線を変えずに運良く成功・運悪く瓦解の博奕に出るのか、うまく路線転換を図るのか、全てが面倒になって投げ出すのか。ネット版「蒲田戦記」など上梓されたら、目を通してみたいなぁ・・・。

[politics][pseudos]トンデモ#7(予告):自民党憲法案前文に縄文時代?

立憲主義と縄文時代(@当代江北日記3/8付)より。縄文の昔から、生けとし生けるもの一木一草に至るまで畏敬の念を抱いてきたというものらしいですが、まだ報道ということで、正式な発表がなされたわけでもありませんので、テイクノートにとどめておきます。

[WWW]Googleマイナーチェンジ

キャッシュ取得日時の表示はwebmasterは結構便利だと思っていましたので、それがなくなったのは残念です・・・。

本日のツッコミ(全768件) [ツッコミを入れる]

Before...

65Z8X 東芝 液晶テレビ レグザ 65V型(65型/65インチ) [私は疑問したあなたは今までにみなさ場合は、変更してくださいのレイアウトブログサイトを?その非常によく書かれ;私はyo..]

?????な?????ぱ憐 ?????儔 [私はよく分からない理由が、この私のために遅いウェブサイト ロードしています。 問題の問題か、ある他の誰がこのをしてい..]

iphone最新情報 [http://www.camarillocarrepair.com/gwmj/1t7l9x3crl.htmlアイフォ..]


2005-03-10

[economy]失ってもなんとかなる時間って、どのくらい?

時事通信より。

高齢化で日本は近い将来赤字転落=米経常収支への懸念軽減−地区連銀総裁

【ワシントン8日時事】米セントルイス連銀のプール総裁は8日、フロリダ州で講演し、「少子高齢化に伴って日本の経常収支が比較的近い将来に赤字へ転落し、経常赤字が慢性化することは否定し難い」との認識を明らかにした。同総裁は米国をはじめ、事実上すべての先進国が高齢化問題に直面しているが、日本と欧州諸国にとっては特に差し迫った問題だと指摘した。

講演原稿がセントルイス連銀のサイトに掲載されていたのでさっそく見てみました。ロジック自体は、以前webmasterが申し上げたもの(民間部門の貯蓄投資差額が投資側にプラスとなる)の裏返しで、需要が国内供給を上回るようになるから、というものです。

#読む前は該当部分が短かったら訳そうかと思ったものの、全体の1/4ほどを占める長さだったので即刻あきらめました(笑)。

気をつけておく必要があるのは、実際に経常収支赤字になったりすると、これでIMF管理になるとかキャピタルフライトになったとか(経常収支赤字=資本収支黒字=外資流入なんですけどね)、そういった議論が広がるおそれがあることです。某氏の得たりとして論評する姿が目に浮かびますが、その時代までポピュラリティを維持していることが前提ではあります(笑)。

あと、重商主義的主張、つまり国際競争力が落ちたから経常赤字になった、これで戦後日本の繁栄も終わりだ、あとは没落だといった主張もありそうなのが気がかりです。アメリカやオーストラリアといった恒常的経常収支赤字国は没落しているのでしょうか?

しかし、webmasterにとってちょっと驚きだったのがそのスピードです。わかりやすいものとしてはプール講演の添付図表をご覧いただきたいのですが、推計方法によるものの2005-2010の間には経常収支赤字になるとの見通しです。webmasterは計量的に分析する能力がないため定性的な指摘しかしていなかったので、あと5年もないかもしれないという分析を目にして、あらためてこの問題を考えてみました。

#だから外資アレルギーなんてものは遠からず消えるべきなのです。そんな贅沢を言う余裕はなくなりますから。ただ、歴史の教訓は、外資依存だからこそ排外主義が勃興したりするものだというものなのですが。

経常収支赤字になっても、必要な対応をきちんとすれば何もおそれることはありません。必要な対応とは、まずは日本への外資流入に係る障壁をなるべく除去すること、次にクラウディング・アウト防止のため財政を黒字体質にすること、この2つにつきます。経常収支赤字になった当初は、プール総裁が指摘するように、国内へのネットキャッシュインの主力は外資というよりはむしろ既存の対外資産の環流でしょうから、この2つ、とくに時間がかかるであろう財政の立て直しのために許される時間は、あと5年よりは長いはずです。

具体的に時間を推計すると、昨年9月末での純対外資産額は約100兆円(一次推計。外貨準備を除くベース)ありますので、プール推計の上記図表Panel 4を前提とすれば2010年代前半、Panel 5を前提とすれば2020年近くまではその取崩しでしのげそうです。

・・・あんまり時間ないなぁ。

[economy]ライブドア、死亡!?

まずはisologueでの解説から。

仮に、前述の想定の通りの単価で購入してきているとすると、株価がTOB価格の5,950円まで下がってきた場合には、ライブドアさんの評価損は44億円程度。
ただし、上場廃止になるのにTOBがかかる前の価格水準(5,000円程度)までしか下がらないというのも理論上はヘンですよね。仮に5,000円とすると、評価損は185億円。

#「前述の想定の通りの単価」は、算式は直接ご覧いただければと思いますが、結論だけ申し上げますと1株6,250円という推計値です。

しかし、そんなものではすまないのでは、ということを以下書いてみます。誤りがあれば、磯崎さんをはじめ有識者の方々に訂正をお願いしたいと思います。

まず気になったのはニッポン放送の株価です。昨年9月期中間決算を見ますと、連結ではBPS(1株当たり純資産)は5,500円近くありますが、単体を見ますと、1,700円台に過ぎません。

次に株式の評価方法を見てみます。中央青山監査法人では次のような解説をしています。

市場価格のない株式については、その発行会社の財政状態の悪化により「実質価額」(通常、資産等の時価評価を加味した1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じた金額)が著しく低下したとき、すなわち少なくとも株式の実質価額が取得原価に比べて50%程度以上低下した場合は、相当の減額を行い、評価差額は当期の損失として処理(減損処理)しなければならない(なお、会社の超過収益力や経営権等を反映して、1株当たりの純資産額を基礎とした金額に比べて相当高い価額が「実質価額」として評価される場合もある)。しかし、子会社や関連会社(特定のプロジェクトのために設立された会社を含む)のように、財務諸表を実質ベースで作成したり、事業計画等を入手することが可能であることにより、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には、期末において相当の減額をしないことも認められる。

(いただいたコメントのとおり、以下の記述は誤りです。訂正は翌日のエントリをご覧下さい。3/11追記)

この当たり、企業会計実務がよくわかっていないので間違いの可能性が大いにありますが、上場廃止になれば市場での株価はないので上記の実質価額を用いて、しかもあくまで株式は単体会社が発行しているので単体ベースでその実質価額を算定することとして、しかもニッポン放送のBSはほぼ時価ベースでそれほど含み益はない、という3つの仮定をおきますと、実質価額(昨年9月期のBPS(1,737円)で仮置き)の対取得原価(先の磯崎さんの推計値を使います)比率は30%を下回りますから、減損処理ということになります。

磯崎さんの推計によると、ライブドアによるニッポン放送株式の取得総額は約925億円とのことですから、上記のwebmasterの記述が正しいと仮定した場合、その70%以上、具体的に額を計算すればなんと約670億円! もの損失を計上することになります。ライブドア(単体)の昨年9月末における純資産額は約510億円、これにリーマンブラザーズが引き受けたMSCBの800億円を足しても約1,300億円ですから、一瞬にしてその過半が消えます。この3月期にはまだ上場廃止でなくとも、9月期決算では・・・。

皮肉なことに、以上が正しいとするなら、ライブドアとしてはフジテレビに新株予約権を速やかに行使してもらってBPSを引き上げてもらわないと困るということになります。しかし、フジテレビがそんなことをするはずもなく、むしろ先制して「保守主義の観点から減損処理しました」とあてつけることも大いに考えられます。その場合、TOBに応じなかった株主にはTOB価格に近いものを提示するでしょうから、それが税務上贈与と取り扱われないようにするため、今頃それら株主に、売るなら今だと根回しをしていることも考えられるでしょう。

#なお、繰り返しになりますが、誤りのご指摘は大歓迎です。ご指導よろしくお願いいたします。

[WWW]眞鍋かをり曰く「TBはほぼ全部読んでいます」

・・・いやぁ、ぐらつきました。例の企画のアピールをして、それを目にした彼女がやる気になってくれたらラッキー、ダメもとでtrackbackしようかと5秒ほど。

それってスパム以外の何物でもないよなぁ、と思ってすぐに考えを改めたのですが、逆に、こんなことを公言したら、まさにそうした業者に狙ってくれというシグナルになってしまうのではないか、と心配になってしまいます。ニフティのスタッフが人力フィルタリングでもしてるのでしょうか? もし彼女に嫌気がさして移転でもされたらまずい、という観点から。

#プロモーション的に、trackbackしてもらってもまったく見てませんとは言えないのはよくわかりますが。加藤ローサも全部読んでいるとのことですし。

[politics]本間先生の反論

先日ご紹介した大阪市の諮問会議解散問題について、本間先生が反論をしたということですが、次の共同通信の配信以外に情報が入手できませんでした。

大阪市の市政改革をめぐる手法の対立から、関淳一市長が諮問機関「大阪市都市経営諮問会議」の本間正明座長(大阪大大学院教授)を事実上解任する方針を示した問題で、本間氏は9日、「(旧体制のままでは)手あかの付いた改革として指弾され、市長の進退にも悪影響を及ぼす」として、厳しい表現で外部の人材を助役・局長級などに登用するよう求める文書を発表した。

それによると、大阪市の職員厚遇問題などについて「市民、政府・与党などの大阪市に対する反応は、市の内部の認識よりはるかに厳しく、このままでは窮地に追い込まれる危険性が高い」と強調。「市政改革を本格的に推進するには、市役所内部だけの体制では無理がある」として、助役・局長級かそれに準じる市長補佐官と、部課長級を、それぞれ外部から複数受け入れることが最低限必要だと指摘した。

この記事中の「文書」の内容をもう少し詳しく見てから論じたいと思うのですが、それについてお心当たりのある方、ご教示いただければ幸いです。

なお、前回のエントリについては、gachapinfanさんから次のような指摘をいただきました

まあ、そのうえで大阪市当局にも肩入れできないとも思うわけですが…。

(そもそもはじめに本間氏を――おそらく氏の著書を一冊も読まずに――招聘したのは市当局なわけで…。)

大阪市への肩入れの背景に同病相憐れむ(笑)気持ちがないと言えば嘘になるかもしれませんが、市当局・議会の反発は、改革案に基づき実行されるであろう施策そのものよりも、跡田先生問題・総務省出向者受入問題で顕在化したものと理解しています。未読で言うのも何ですが、本間先生の著書・論文をすべて読破したところで、自分の弟子を招聘しろだの官僚を受け入れろだのといったことは書かれていないのでは(笑)。

ちなみに、関連する業界?裏話的な議論は、「仮に研究する人生」掲示板の「研究者の不祥事スレ4」のレス309以降にいろいろと書かれています。リンクを張っていいものかどうかわからないので、ご覧になりたい方はぐぐっていただければ。

本日のツッコミ(全8件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [>47thさん、Tetsuya Isozakiさん ご教示ありがとうございました。3/11付で訂正させていただきまし..]

bewaad [>isuzukiさん スレ見てみました・・・リンク張られてる!]

bewaad [>tanakahidetomiさん いや、趣味でないだなんて贅沢はとても・・・。チェックさせていただきます。]


2005-03-11

[economy]ライブドア、(webmasterの言うようには)死亡せず

昨日のエントリには47thさん磯崎さんからコメントをいただきまして、webmasterの懸念は当たらないという結論に至りました。誤りをお詫びするとともに、以下のとおり訂正させていただきます。

webmasterの推測は次の仮定に基づくものでした。

この当たり、企業会計実務がよくわかっていないので間違いの可能性が大いにありますが、上場廃止になれば市場での株価はないので上記の実質価額を用いて、しかもあくまで株式は単体会社が発行しているので単体ベースでその実質価額を算定することとして、しかもニッポン放送のBSはほぼ時価ベースでそれほど含み益はない、という3つの仮定をおきますと、実質価額(昨年9月期のBPS(1,737円)で仮置き)の対取得原価(先の磯崎さんの推計値を使います)比率は30%を下回りますから、減損処理ということになります。

しかしコメントにあるとおり、ニッポン放送が保有する子会社・関連会社株式には約1,300億円(昨年9月期決算値)の含み益がありますので、それを考慮に入れない計算は不適当ということになります(つまり3つの仮定の3番目が外れていたということです)。

なお、この含み益を考慮に入れた実質BPSを計算しますと、5,700円を上回ります。

[government]信じられるか、バカモノ

「若手官僚座談会 それでも文部科学省を信じてほしい」(中央公論2005.4号、pp70-81)読了。司会者がやたらと出しゃばっていて、そちらにもツッコミどころが多いのですが、同業者として標的は文部科学省官僚のみに絞ってコメントします。

  • 先生の能力の問題もあります。専門性を高めてもらう、もっと将来の社会を見通したうえで子供を教えるという発想も必要だと思う。(中略)詰め込みでガンガン教えるほうが先生は楽です。ただ、それではもうやっていけません。(p74、杉浦企画官の発言)

将来の社会を見通すなんて無理を押しつけてどうしようというのでしょう。あなた方は将来の社会を見通せているのだなんていう自信があるのですか(webmasterはとてもじゃありませんがそんな自信は持てません)? 高い専門性と豊かな人間性を持った教師、そりゃ理想ですけど、そんな教師を何人そろえることができるのでしょう? ガンガン教えるのが楽だというなら、それをきちんとやらせてほしいものです。

  • 今回の学力テストで、下位層が増えているのは、大変な問題です。日本の場合、みんな読みも書きもそろばんもしっかりできるということが最大の強みなのです。それが壊れるのではないか、といった不安が出ていることは良くないので、これからしっかり対策を練らなくてはいけないと思う。(p75、杉浦企画官の発言)

先の発言と矛盾してません? ゆとり教育なんていう夢物語はまさに下位層にしわ寄せがいっているのだという認識にどうして至らないのでしょうか。

  • 学ぶことは厳しいけれど「面白い」ということを、小学校あるいは幼少のときにしっかり教え伝えていかなければいけない、と思います。(ibid)

その、学ぶことは誰にとってもおもしろいことだという認識がそもそも間違っているとwebmasterは思います。誰にだって得手不得手、好き嫌いはあるというのに、勉強が不得手で嫌いな子供にも勉強を好きになれというのは、勉強を楽しんでやっていた自分たち学歴エリートの価値観の押しつけ以外の何物でもありません。そんな子供でもそれが人生において致命的な問題にならないよう、最低限の読み書きそろばんをたたき込まなければいけないはずです。

  • 先が見えないという意味では、経済社会全体でもなかなか先が見えないという状況こそが問題です。(p76、杉浦企画官の発言)

責任転嫁するな。

  • 生涯学習社会といえば、いつでもどこでも学べる楽しい社会というイメージがありますが、本来は学び続けて自分の知識を常に新しくし深めてこそ、社会の中で自分なりの役割を果たせるという厳しくもやりがいのある社会なのだと思います。(p77、合田補佐の発言)

「厳しくもやりがいのある社会」なんてもののメリットを享受できるのは一部の人間しかいないのですよ。

  • ゆとり教育をはじめ、われわれがいままでやってきた、いまやろうとしていることが現場や国民にきちんと伝わっていない原因の一つはコミュニケーション不足です。説明もしないで、「私たちは間違っていない」と言っているだけでは、もう役所としての存在価値がなくなると思います。(中略)社会が大きく変わってしまったのに、過去の成功体験に答えを求めようとするところに、いまの教育をめぐる議論の一番の無理があります。(p81、塩見室長の発言)

わかった上で批判しているのをコミュニケーション不足に帰せられるのは納得がいかないですなぁ(笑)。社会が変わったから云々とはこの座談会を通じて何度も繰り返される議論なのですが、それが何なのかは明らかにされません(どうせ大量生産・高度成長の時代から多様化・低成長の時代へといった通俗的・皮相的な理解なのでしょうけれど)。

今の教育をめぐる議論の一番の無理は、教育を受ける側と施す側、つまり子供と教師・学校に対する過度の楽観です。勉強が好きな子供ばかりではなく、うまくやれば効果が出ると考えられる高度な教育手法をきちんと実践できる教師・学校ばかりでもないというところから議論を始めなければ、取り残されるのは勉強嫌いな子供と、低レベルな教師に教わったり低レベルな学校に通ったりする子供だというのに。

[politics]本間先生 その3

昨日紹介した反論についての後追い報道ですが、「改革「今やらねば」 大阪市諮問会議座長ら会見」という朝日新聞記事がもっとも詳細であるようです(その他にも朝日新聞は、「解散「受け入れられぬ」 大阪市諮問会議の本間座長」「本間教授外しで大平助役が官邸に根回し」といった記事があり、一番熱心にフォローしているように思います(Google Newsでの検索結果ベース))。

にしても配布した文書なるものの全貌はわからないのですが、例の出向問題について国だ地方だと言っている時代ではないというのでしたら、経済財政諮問会議での「地方にできることは地方に」という議論に対しても、同じご発言をいただきたいなぁ(笑)。

あと、大平助役の「根回し」ですが、報道を見る限りでは、本間先生の発言の裏を取ったと解するのが適当ではないかと思います。

なお、先日のエントリでは、履歴を見る限りそれほどの業績があるとは素人目には見えないとwebmasterは書きましたが、いちご経済板で下記のような指摘がなされておりますので、素人のメガネ違いであったということをご報告させていただきます。

280: 267  2005/03/10(Thu) 23:53
>>274

THX.

J.of Economic Theory x 1
J.of Public Economics x2
Regional Science and Urban Economics x 2

一流かどうかはともかく、JETとJ.Pub.Eで3本は立派ですな。
Reg.Science of Urban E. てのは聞いたことないけど。
JERは、、、昔は評価高かったんだっけ?

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 事実上の解任? その1:大阪市、がんがれ
  2. 本間先生の反論
本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [>政治学者の卵さん 某軍板でのご活躍、いつも楽しみに拝見させていただいております。 今回は文部科学省をやり玉(笑)に..]

bewaad [>通りすがりさん、もと阪大生さん 政府部内にいるとどうしても本間先生の研究者、教育者としての面が見えにくいもので、貴..]

bewaad [>現場主義さん、roi_dantonさん 現場にいると現場の論理に取り込まれる面はあるというリスクを自覚した上で、ど..]


2005-03-12

[notice]直近のコメント表示数を増やしました

大変ありがたいことにいただくコメントの数が多くなり、見落とすおそれがでてきましたので、倍の10に増やしてみました。直近のエントリリストがあることが見えなくなってしまうというデメリットもあり、どうしようかは考えどころですが、当面様子を見てみたいと思います。何かご要望があればお伝え下さい。

[economy][politics]ニッポン放送の新株予約権発行差止めの仮処分決定、そして陰謀論

仮処分が認められたのは予想どおりということで備忘なのですが。

関連して、R30::マーケティング社会時評にて気になる記述がありました。以下、引用します。

…と、考えてみると、このタイミングとライブドア騒動の勃発、なんか出来過ぎているような気がするわけだよね。こちらのブログの読みというのは、ある意味すごく陰謀論的ではあるけれども、意外に当たってるような気がする。つまり、フジテレビという今回のターゲットは、「一番目立つ、だから政治家も世の中も三角合併の危険に気がついて大騒ぎになって意識高まる、そして結果的には買収失敗、あるいは最悪でもドローになって実害は及ばない」というケースで選ばれたんじゃないかと。ホリエモンはただの当て馬だったとか。うーん。

この仮説、あまりにも大胆すぎてちょっとビビってしまうのだが、これとそっくりな事件というのが、日本ではしょっちゅう(4〜5年に1回ぐらい)起こっているんだよね、これまでも。

僕が鮮明に覚えているのは、93年に細川内閣が押し通した米のミニマムアクセス輸入の事件である。あの年は、夏頃から米の作況指数が記録的な凶作になると言われ、小売店の店頭から米が消えて大騒ぎになった。そのおかげで輸入絶対反対を叫んで聞かない農協は世論に押し切られてミニマムアクセスを認め、タイ米とカリフォルニア米を数十万トン輸入することになった。

(中略)

それに気がついたのは、あの後、2ちゃんねるだったかどこかで、当時の不作は「農水省のでっち上げたデータだった」とする追跡取材記事を見たからだ。その記事には、7〜8月時点で農水省が発表した作況指数(確か80台)は、特に猛暑の影響がひどい地域のものを恣意的に選んで出したもので、その後9月に入って全国平均は90台半ば(ほぼ平年値)まで回復したのにもかかわらず、数字を訂正せずにマスコミを動員して「凶作」を宣伝させ、ミニマムアクセスの輸入権をちらつかせながら商社に市場に流通する米の買い占めを指示し、世論の危機感を煽りに煽って輸入解禁に持ち込んだ、という話が書いてあった。

svnseedsさんならお前ら政治が好きすぎると言うところでしょうか。この世界で飯を食っていますと、普通に法令にしたがって処理した案件がやたらと騒がれて陰謀論的な裏読みをされることがあります。webmasterの経験でも、たとえb(検閲)。だから、本件についても、裏事情はよく知りませんが(知っていてもネットでオープンになどできるはずもないですけれども(笑))、そんなことはないっすよ、と。

というわけで、公表ベースの数字で分析できるところを見てみましょう。1993年(平成5年)の米の作況指数についてですが、農水省サイトで時系列データが入手可能で、次のような数字でした。

 8/159/110/15収穫期
作況指数95807574

というわけで、夏の時点ではまだ大凶作というほどでもなかったのが、時が経つにつれ凶作のひどさが明らかになっていった様が読み取れます。作況指数はあくまでサンプル調査であることから、恣意的なサンプリングをしたという疑いも指摘されていますが、収穫量で見ても1992年が1,054.6万トン、1993年が781.1万トン、1994年が1,196.1万トンです。

リンクが張られている萬晩報の記事についても、まあ実にうまい情報操作だなぁと感心はいたしますが、その正確性には疑問が残らざるを得ません。米の現物のエピソードをちりばめてあたかも収穫量統計にインチキがあったかのような印象を与えるのですが、あくまでインチキがあった可能性があるとしているのは作況指数だけです。作況指数ならサンプリング操作とかいろいろ難癖付けられますが、収穫量統計がインチキだと主張するなら、インチキした現物の保存場所ぐらいは突き止めておかなきゃ説得力ありませんし(笑)。

この世の中少数の人間で左右できるほど甘くはなく、でかいことをしようと思えばそれなりの大組織が必要になります。陰謀論の弱いところは、大組織を無難に動かすには指令はシンプルでなければならないし、仮に面倒な指令をなんとかうまく実施に移したところで、組織の末端まで行き渡るころには絶対に秘密は漏れるという組織運営の現実に勝てないところにあります。更にいえば、シンプルなプリンシプルでなければ、状況の変化に応じて柔軟に対応することなど、特に組織としてはできませんし。

いろいろな関係者の思惑はあるでしょうから、いろいろな言葉が飛び交いますが、その多くはその個人にとってのポジショントークに過ぎないのです。

#けっこう有名な将軍の言葉で、戦場ではすべてが動的なのだから、すべての決断は動的になされなければならない、といった趣旨のものがあったようなかすかな記憶があるのですが、考えても思い出せず、ぐぐってもそれらしいものが見つけられません・・・。

というわけで、陰謀などというのは個人犯罪ならともかく、組織において実行するのはあまりにもリスクが高い割に得るものがありません。だいたい今回が陰謀だとして、堀江社長に口止めなどできるはずもないかと(笑)。罠に嵌めたなんて見方もあるかもしれませんが、「絡新婦の理」の「蜘蛛」(個人名はさすがにネタばれになりますので)は、あくまでフィクションでこそ存在し得る人物ですし。

逆に言えば、陰謀を察知するようなコネがなくとも、クルーグマンが「嘘つき大統領のデタラメ経済」でそうしたように、公開情報に基づく分析によって、少なくとも霞が関の住人の考えることには、十分真に迫ることができるでしょう>blog管理人各位。

[economy][politics]国会における経済論戦 その2

前回はトホホなものをお届けしましたが、今回は逆に国会もなかなかやるな、という論戦をご紹介します。時は3月7日、所は参議院予算委員会、自民党の中島啓雄議員と竹中大臣のやりとりです(参議院サイトの会議録情報ページより抜粋。原文の年号やパーセントに係る漢数字をアラビア数字に変換してあります)。

中島啓雄君
(前略)次に、基礎的財政収支と金利との関係についてお伺いいたしますが、基礎的財政収支が均衡をしていても、これは経済の学説によれば、金利が名目成長率よりもイコールないし下回らないと公債残高のGDP比というのは発散してしまって、そのまま放置すれば財政は破綻の方向に向かうと、こういうのが定説になっておるようですが、竹中大臣、そういう認識でよろしゅうございましょうか。
国務大臣(竹中平蔵君)
大変本質的な御質問をいただいたと思っております。

我々、そもそもなぜ基礎的財政収支をまず回復させようと、基礎的財政赤字から抜け出そうというふうに考えているかと申しますと、正に委員御指摘くださいましたように、名目金利とそれと名目成長率がもしも同じ比率であるならば、基礎的財政収支がもし均衡してさえいれば、少なくとも国債残高のGDP比は上昇はしていかない、どこかで高止まっていくと。これ御承知だと思いますが、ドーマーの定理というふうに、こう専門家は言うわけでございますけれども、その名目金利と名目成長率が非常に長い期間を取りますとほぼ均衡しているのではないかと。

現実に日本の数字だけ見ますと名目成長率の方が少し高いわけでございますけれども、そういう状況を通常の状況として想定するならば、基礎的財政収支を均衡すれば財政の破綻は防げる、そのような立場から基礎的財政収支の均衡化にまず着目しようということを、これは三年前から目標として掲げているわけでございます。今そこに向かって動いていると、目標達成に向けて進行しているというふうに認識をしておりますけれども、非常に、更に長期的なその先の財政の健全化ということを考えるならば、それだけで果たして十分なのかというような議論はあり得るのだというふうに思っております。

我々としては、当面、基礎的財政収支の均衡化、そして名目成長率をしっかりと上げて名目金利と名目成長率の間の今のような逆転現象を抜け出すと、この二つを実現する、しないと御指摘のような問題は生じ得るということだと思っております。
中島啓雄君
ありがとうございました。

今、名目金利と名目成長率はほぼ均衡しているというふうにおっしゃったかと思うんですが、これが問題だと思うんですね。

資料の一枚目を見ていただきますと、一枚目の一番下の中に「名目長期金利と名目成長率の比較」というのが出ております。これは私が勝手にやったのではなくて、この上の方の段に「マクロ経済の姿」で名目成長率とそれから名目長期金利というのが出ておりますから、それを引き算しただけの話でありますけれども、これだと2004年は0.8%金利の方が高かったと、それがだんだんだんだん下がってきて、2008年でマイナス0.5になって、また少し上がっていくというようなことで、9年を平均すると0.1と、こういうことで、今おっしゃったようなほぼ金利と成長率は均衡していると、こういう話なんですが、実は過去の実績を見てみますと、とてもそうは言えない。

三枚目の資料のグラフを見ていただきたいと思いますが、これは1981年から04年度までの名目成長率と利付国債十年の店頭金利というのをグラフにしたもので、名目成長率はやや凸凹はありますけれども、トレンドとしてはやはり名目成長率の方が下回っていると。で、これは下の方に、80年から04年の平均だと利子率の方が1.09%ぐらい上回ってますよと、91年から04年の平均では1.76%上回ってますよと、こういうトレンドでありまして、常識的に考えても、お金を借りて何か事業をしたい、あるいは投資をしたいという人は当然名目成長率よりもややプラスの利益を出そうと、こう意識をしているでありましょうし、貸す方の側にとっても名目成長率を若干上回るぐらいの金利をもらわなければリスクプレミアムとしては引き合わないということで、やはり長期的なトレンドとしては名目長期金利は名目成長率より大きいと、プラスであるというのが常識であると思うんで、この辺についてはいかがお考えでしょうか。
国務大臣(竹中平蔵君)
名目成長率と名目金利の関係はこの委員会でもいろいろとこれまでも御議論をいただいてきたところだと思っております。しかし、委員おっしゃったことは、正に、正にデフレの問題点ということだと私は認識をしております。

デフレの下では、これは物価が下がりますから名目成長率が例えばマイナスになるということはあり得るわけでございまして、ここ数年間そういう状況が続いてきたわけです。しかし、金利はゼロ以下には下がり得ません。したがって、そのデフレが非常に強く、強く続く状況下では、正に名目金利の方が名目成長率より高くなってしまうという状況があり得ますし、近年の日本経済は正にそれに悩まされ続けてきたということだと思います。

委員御提示のこのグラフによりましても、まあこれ要するに期間をどこで見るかという問題だと思います。この80年代だけを見ますと、名目成長率と名目の金利というのは、ほぼ均衡か、まあひょっとしたら名目成長率の方が高いか、ちょっとこれは計算しないと分かりませんが、ほぼ均衡しているわけです。ところが、90年代に入って、そのデフレの強い状況下では、今御指摘のように名目成長率の方が低くなってしまうという状況が生じている。ここは少し、かなり延々とした議論が専門家の間でもあるところだと承知をしておりますが、事実として申し上げますと、戦後の非常に長い時系を取り上げてその平均値を求めれば、名目金利と名目成長率、名目成長率の方がやや高い、これは非常に長期の数字と、これはファクトとして申し上げられると思います。

いずれにしても、名目成長率を上げないとどういう状況下でも財政の健全化というのはできないわけでありますので、その点は政策の運営の立場からは肝に銘じてやっているところでございます。
中島啓雄君
ありがとうございました。(後略)

ちなみに中島議員、次のような提言を含む政策私案をご自身のサイトで公開しています。

デフレは企業収益減、個人所得減、投資と消費の減、実質的な債務増といったことを通じて成長率を低下させます。基本的にデフレは金融的現象ですから、対策は金利を低下させ、資金供給を増やすことです。ゼロ金利の下、日銀は潤沢な資金供給を行っており、市中の資金需要が低迷しているのでこれ以上の金融政策は効果がないという説があります。しかしながら、効き方は鈍いが日銀がコントロールできるマネタリーベース(日銀券+日銀当座預金)を増やせば、市中の資金量を示すマネーサプライも増加します(図6)。現状よりさらに思い切った資金供給に加えて、1-3%の範囲内で安定的な物価上昇を目指すインフレーションターゲット(物価安定ターゲット)を定め、政府・日銀が一体となってデフレ克服への明確な意思表示をすればさらに効果が期待できます。

[history][economy]漢文現代語訳の訂正 その2

webmasterにとっての漢文の師と仰ぐべきBJ38さんから、前回の「管子」第八十三篇輕重丁の現代語訳についてコメントをいただきましたので、改訂版を掲載させていただきます(改訂部分は強調表示しております)。

桓公が訊ねました。「我が国の西部では水害により国民が餓えている一方で、東部では豊作で穀物の価格が下がっている。東部の豊富な穀物で西部の不足を補いたいと思うのだが、いい方法はあるだろうか」
管子は答えました。「今、西部では粟は1釜当たり100、つまり1[金區]当たりでは20になります。東部では粟は1釜当たり10、つまり1[金區]当たりでは2です。民に30銭の税を課し、農作物で納めさせてはどうでしょうか。もしこのようにすれば、西部では3斗の農作物で納税がなされ、東部では3釜の農作物で納税がなされることになります。その結果、東部の1釜当たり10の粟で倉庫を満たすことができます。
西部の民は(安く穀物を買えることで経済的な余裕が出来るので)、飢えた者は食料を得、寒さに凍える者は衣服を得るでしょう。そして食料が無い者には古い穀物を与え、蒔く種が無い者には新しい穀物を貸すのです。もしこのようにすれば、東西が補い合い、離れた場所の物価が収束します」

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 「ちょうてき法」=「糶糴法」?
  2. 漢文現代語訳の訂正
  3. 異時点と異地点の配分最適化@管子

[government]夜も明るい霞が関

kanryoさんpogemutaさんなど、霞が関住人(の一部)の注目を「霞が関は「不夜城」だった!」(@がぶり寄り2/23付)集めております。webmasterはこの業界でしか働いたことがないのでよくわかりませんが、忙しいのは霞が関だけではないと思います。あたかも霞が関だけがサービス残業で悩んでいるかのような口ぶりは世の反感を招くだけでは?

ちなみに、当該エントリについては、窓からは日比谷公園において次のような指摘がなされています。

「この現実を打破したい」と言うが、具体的にはどういうふうにするつもりなのか?
霞が関の役人は、野党のいじめでサービス残業させられていることも多いが、民主党に掛け合って国会質問やめてもらったり、質問主意書減らしてもらったりしてくれるのか?

わかる人にはわかると思いますが一応解説いたしますと、組合は民主党の支持団体なので、上記のようなことを民主党に主張して民主党がそれに従えば仕事が減る(のでサービス残業を減らせる)という趣旨です。詳しくは、質問主意書とサービス残業について触れた細田官房長官答弁に関するkanryoさんの解説をご覧下さい。

[government]質問主意書の数

上記エントリを作成中に、以前webmasterが行った仕事量分析のうち質問主意書については、参議院提出分のみをカウントして衆議院提出分が入っていないベースだったことに気がつきましたので、以下、それについて。

#少なすぎるなぁ、とは思っていたのですが・・・。

まず、衆議院サイトで見ることができるのは第148回国会以降ですが、その数字は次のとおりです。

暦年回次質問主意書数年累計
H1214899
1491928
15078106
H13151136136
15216152
15353205
H14154195195
15553248
H15156155155
15730185
15825210
H16159201201
16070271
16185356

#平成12年が少ないのは、前半の通常国会(第147回国会)が入っていないためです。

以前のものとは期間が違っていますので同様にトレンドをあれこれ論ずることはできませんが、上記期間について以前のものと合算した表をご参考までに掲げておきます。

暦年回次質問主意書数(衆)質問主意書数(参)衆参共年累計
H121489716
149191550
1507823151
H1315113646182
152166204
153537264
H1415419551246
1555320319
H1515615551206
1573017253
158254282
H1615920137238
1607019327
1618527439

平成16年は質問主意書の数が過去最高だったとのことですが、その数1日当たり1.20。国会開会期間に限定すれば、第159回国会が150日、第160回国会が8日、第161回国会が53日で合計211日なので1日当たり2.08。この国会開会期間は休日込みなので、それに5/7をかけた概算平日数151日をベースとすれば1日当たり2.91! ま、質問主意書が集中すれば休日返上になるので平日1日当たりを計算する実益はないかもしれませんが(笑)。ついでに計算すると、国会開会期間は約30週、閣議は基本的に週2回なので、閣議1回当たりの答弁書決裁数は7.32・・・。

本日のツッコミ(全10件) [ツッコミを入れる]

Before...

シャイロック [RSSから拝読しているのですが、出来ればRSSの記事とコメントを分離していただけないでしょうか。 最近特にコメント多..]

bewaad [>tanakahidetomiさん はっきり書かずに失礼しました。下記を念頭においたコメントでした。 http://..]

bewaad [>シャイロックさん ご要望のように設定を変更してみましたが、いかがでしょうか? 感触をお伺いできればと思います。]


2005-03-13

[law]人権擁護法反対論批判 前編

#以下は3/13に公開し、webmasterのミスで3/15にいったん削除してしまったものを、Googleのキャッシュから復元したものです。Google様ありがとうございます。(3/17記)

人権擁護法案については様々な議論がなされていますが、反対論のレベルがあまりにも低すぎるので、今日明日とこき下ろしたいと思います。今日はメディア関係の反対論、明日は2ちゃんねるを中心に盛り上がっている反対論をとりあげます。

というわけで今日は前者ですが、批判対象としては、ネットで入手可能なもののなかで一番まとまっている、日本ジャーナリスト会議日本出版労働組合連合会日本新聞労働組合連合日本ペンクラブ言論表現委員会/人権委員会、日本民間放送労働組合連合会メディア総合研究所の6団体が共同で発表した「人権擁護法案の再提出に反対する声明」をとりあげます。

まずどうかと思うのが、メディアによる報道被害に対する言及が一切ないことです。メディア規制条項が盛り込まれた理由は、報道被害に対する厳しい見方が少なからずあることなのだから、もちろん自主的に第三者機関を設ける等により何らかの対応を図ることが望ましくはありますが、ポーズだけでもいいからそうした批判にはきちんと対応していく必要があると考えているとかなんとか言えないのでしょうか。そういう独善的な態度が問題の根源だと思います。

#一応必要な規律はメディアの自主規制に委ねるべきだとはありますが、何をどうするかといった具体的記述はまるでありません。ひょっとして、今の自主規制で十分だとでも思ってる? webmaster自身ははむしろ今でもいわゆる言葉狩り等は行き過ぎだと思いますが、社会的には不十分だと思われているのではないでしょうか。

ちなみに、メディアに対する各国の対応は二つあり、メディア自身の自主的な機関で規範を定めるものと、法律によって定められた、独立した機関が監視を行うものとがあるが、プライバシーに関する法など既存の法律や、裁判所などすでに存在する機関や仕組みとのかかわりで考えられなければならないバーデキン国連人権高等弁務官特別顧問もいっています。「自主的な機関」での規範がきちんと機能していると社会的に認知されていれば、そもそもメディア規制条項など入るはずもなかったでしょう。続いて書いてある内容について。

人権の擁護を掲げる以上、最大の脅威である公権力による人権侵害が重視されなければならないはずなのに、法案が救済の対象としているのはわずかに差別と虐待だけにとどまり、公権力が市民の思想・表現の自由やプライバシーなどを侵害しても人権侵害とされず、救済の対象とされていない。公権力の人権侵害に正面から対処せず、逆に「お上」が人権の「擁護者」を名乗って民間の人権侵害を取り締ろうとする今回の提案は、「人権擁護」の名に値しない代物と言わざるをえない。

この法律ができたところで、「公権力による人権侵害」が促進されるわけではありません(メディア規制云々については後述しますので、それ以外は、という趣旨です)。この法律により何らかの人権保護が図られるのであれば、その成立は人権保護の充実に程度はともかく貢献することは明らかではないでしょうか。

#ちなみに「公権力による人権侵害」について、最初の文では(公権力による)差別と虐待が対象になっている(人権擁護法案(平成14年の第154回国会に提出されたものなので、例のメディア規制の施行凍結などは盛り込まれていません)第42条第1項第3号イ)ことと整合的に書かれていますが、次の文ではあたかもすべての人権侵害が対象外であるかのような書き方は卑怯だと思います。

まあ彼ら自身も、「民間の人権侵害を取り締」まるものであることは認めているわけですが、公権力云々を重視して民間の人権侵害を放置するほうが人権に対する脅威だとwebmasterは思います。人権擁護法で終わりとするのではなく、公権力についての法制化も引き続き検討しろといった主張ではないのですから、自分たちが人権侵害を続けたいのでは、と疑われても無理はないでしょう。

人権の適切な救済を確保するためには、国連も求めているように、人権救済の機関が政府から独立していることが欠かせない。この法案がかつて廃案となった大きな理由は、人権侵害の実態が多数指摘されてきた拘置所・刑務所・入国管理施設などを所管する法務省の外局として「人権委員会」を設置するのでは、委員会の独立性はもとより、公正で実効的な救済も担保できないという、各方面からの厳しい批判にあった。この点について根底から出直す提案がなければ、この法案はおよそ審議に値しない。

法務省の内局外局(webmaster注:ここは3/17に訂正)にするのがそんなに変でしょうかねぇ。といいますのも、現に法務省人権擁護局は、人権擁護法が施行された後における人権委員会(事務局を含む)のいわば雛形として人権擁護業務を営んでいるのですが、その現状に何か問題があるのでしょうか?

現に問題があるのであればそれを指摘した上で非難すべきですし、現に問題がなく、人権擁護法においてそれが改悪されるわけでもないのに問題だと騒いでいるなら、不勉強か不誠実のどちらかでしょう。むしろ、「人権擁護法案に関するQ&A」の14番にあるように、従来法務省の運用で対応してきたことをきちんと法律にするわけで、現状の改善なのですから、そこを評価すべきではないでしょうか(で、運用での対応の中身については今まで特段の批判はなかったというのですから・・・)。

#明日とりあげる2ちゃんねるでの反対論においては、この現状無視の姿勢がよりひどいのですが。

ちなみに、日本国憲法で認められている完全に内閣から独立した執行機関は会計検査院だけですから、憲法改正を伴わない制度設計を考えれば、組織的には内閣に属することとなるのは避けられません。しかし政府からの独立性は確保する必要があるということで、法案で出されている回答はいわゆる三条委員会とするものです。三条委員会とは、国家行政組織法第3条第2項に規定する委員会で、典型例は公正取引委員会になります(他方、普通の審議会などは同法の条番号を同じく引っ張って八条委員会と呼称されます)。

この三条委員会は運用により、外局といっても事実上省庁なみの独立性が確保できます(たとえば公正取引委員会なら事務局職員もも独自採用です)から、そうした運用体制をきちんとチェックすることの方がよほど意味があるでしょうに。

さらに私たちは、法案で「差別的言動」と「差別誘発・助長行為」を人権侵害とし、「差別表現」を広く規制していることに注目したい。これまで日本の法律では、具体的な「行為」を離れて、「言論・表現」についてこのような一般的な形で規制する条文はなく、規制対象とされるものが抽象的であることを含め、憲法21条に規定する「言論、出版その他一切の表現の自由」に違反する危険な条項になりかねない。

とくに後者では「文書の頒布、掲示その他」が含まれ、差別的取扱いを誘発・助長する「おそれがあることが明らか」であるものには、「将来行わないこと」も含め勧告や差し止め訴訟も提起できることになっている。この条項をもとに、出版や放送の事前差し止めも認めるような規定も設けられている。

「文書の頒布、掲示その他」の部分だけを取り出すとこの主張にも理があるように見えますが、この名詞には修飾語がついていまして、それを込みで抜き出すと「当該不特定多数の者(webmaster注:「人種等の共通の属性を有する不特定多数の者」の意)が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を文書の頒布、掲示その他」、要すれば「○○は在日だ」とか「××は部落だ」といった文書の頒布や掲示です。それへの対応が憲法第21条に違反するんですかねぇ。

#確かに憲法第21条には公共の福祉による制限は規定されていませんが、第12条における濫用禁止、第13条における公共の福祉に反しない限りの最大限の尊重といった、人権一般についての公共の福祉による制限には、当然に服することになります。

で、規制の内容についても、詳しくは先に紹介した「Q&A」をご覧いただきたいのですが、勧告には強制力はありませんし、事前差し止めも従来から法律上は不法行為として可能であったことについては訴訟参加等の支援にとどまり、枠組みを変更するものではありません。従来では個人としては不可能であった不特定多数を対象とする識別情報の公開や差別行為の予告に限り新たな枠組みを整備し、手続としては司法の判断でしかできないという点及び個人の提訴を認めないという点は従来から何も変更せず、人権委員会が(勧告によっても改善されない場合に限り)代わってできるとしたのみです。繰り返して言いますが、当の本人であれば今までだってできたことなのです。

(webmaster注:3/25に訂正しました(強調部分)。)

また「メディア規制」部分の凍結も、事態の改善にはならない。メディアの取材や報道について「人権委員会」の強大な規制権限を法案に明記したまま、その条項を条件付きで凍結するということは、報道機関に対して「問題があればいつでも凍結を解除する」という威嚇効果をもち、政府や与党が報道機関を監視下に置き目を光らせることを意味し、メディアの萎縮を招く危険が高い。

凍結とは報道によると別に法律で定める日まで施行しないことのようですが、つまり凍結を解除しようとするならもう一度法案を提出しなければならず、削除した規定を復活させる場合と手続としては全く同じものが求められます。凍結だからいつでもできるわけではありません。

「僕たちは馬鹿だから、規制そのものが書いてある法案なら気がつくけど、施行日を定める法案だと見逃してしまうかもしれません」とでもいうのなら、その言い分ももっともだと認めますが(笑)。

この点、先の法務省の外局云々の議論もそうですが、どうでもいいとはいいませんが、ほとんど実益のない形式論にこだわってわざわざ自縄自縛になっているとしか思えません。自分たちが凍結解除の法案を見逃すとでもいうことでない限り(くどいようですが、法案ですから政府が一存で成立させることは不可能です)、凍結により削除と同じ結論を勝ち取っているというのに、勝ったと気づいていないのですから愚かとしかいいようがありません。仮に今後削除になったところで、いったん切ったカードが再利用できたと推進者を喜ばせるだけでしょうに。

本日のツッコミ(全12件) [ツッコミを入れる]

Before...

next [たびたびすいません。 この法案ができた場合に、これまで救済できなかったけど、できるようになる具体的事例としては どの..]

他人丼 [>この法律ができたところで、「公権力による人権侵害」が促進されるわけではありません 人権の大半は国家からの自由です..]

ペコ [二つの問題点があると思います。 総理大臣(任命)→委員会員となるそうですが、 この任命プロセスが政治的な背景によっ..]


2005-03-14

[law]人権擁護法反対論批判 後編上

昨日申し上げたとおり、本日は2ちゃんねるを中心に盛り上がっている反対論を批判します。

#昨日のエントリには多くのコメントをお寄せいただきましたが、後日まとめてお答えしたいと思います。

批判する具体的な対象としては、今日現在で「人権擁護法 反対」でぐぐったときにトップとなる人権擁護(言論弾圧)法案反対!から、「掲示板等の議論の簡単なまとめと2chスレリンク集」「この法案の根本的な問題点(法案のセキュリティー・ホール)」「人権擁護法案の法的問題点」を取り上げます。

#逮捕云々というのはあえて取り上げませんが、人権擁護法違反で逮捕される可能性があるのは人権委員のみです(守秘義務違反の場合。人権擁護法案(昨日同様過去の版です)第87条))。一般人が人権擁護法違反で逮捕されることはありません。

まず「簡単なまとめ」から(強調等は原文によります)。

■謎の二万人の人権委員が国民の「人権侵害」を監視
なんだかわからない方法で選ばれた二万人(市町村長が弁護士会などの意見を聞いたうえで、「人権擁護団体」などから候補者を推薦することになるが、選考過程はあいまい。国籍条項もない)の巨大組織が日本の津々浦々に張り巡らされ、国民が人権侵害していないか情報収集を行うことに。

では現行の人権擁護委員法の規定と比べてみましょう(相違点を強調してあります)。

 人権擁護委員法第6条人権擁護法案第22条
第1項人権擁護委員は、法務大臣が委嘱する。人権擁護委員は、人権委員会が委嘱する。
第2項前項の法務大臣の委嘱は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が推薦した者のから、当該市町村を包括する都道府県の区域(北海道にあつては、第十六条第二項ただし書の規定により法務大臣が定める区域とする。以下第五項において同じ。)内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、行わなければならない。前項の人権委員会の委嘱は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が推薦した者のうちから、当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)を包括する都道府県の区域(北海道にあっては、第三十二条第二項ただし書の規定により人権委員会が定める区域とする。第五項及び次条において同じ。)内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、行わなければならない。
第3項市町村長は、法務大臣に対し、当該市町村の議会の議員の選挙権を有する住民で、人格識見高く、広く社会の実情に通じ、人権擁護について理解のある社会事業家、教育者、報道新聞の業務に携わる者等及び弁護士会その他婦人、労働者、青年等の団体であつて直接間接に人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員の中から、その市町村の議会の意見を聞いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。市町村長は、人権委員会に対し、当該市町村の住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者及び弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから、当該市町村の議会の意見を聴いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。
第4項法務大臣は、市町村長が推薦した候補者が、人権擁護委員として適当でないと認めるときは、市町村長に対し、相当の期間を定めて、さらに他の候補者を推薦すべきことを求めることができる。人権委員会は、市町村長が推薦した候補者が人権擁護委員として適当でないと認めるときは、当該市町村長に対し、相当の期間を定めて、に他の候補者を推薦すべきことを求めることができる。
第5項前項の場合において、市町村長が同項の期間内に他の候補者を推薦しないときは、法務大臣は、第二項の規定にかかわらず、第三項に規定する者のから、当該市町村を包括する都道府県の区域内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、人権擁護委員を委嘱することができる。前項の場合において、市町村長が同項の期間内に他の候補者を推薦しないときは、人権委員会は、第二項の規定にかかわらず、第三項に規定する者のうちから、当該市町村を包括する都道府県の区域内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、人権擁護委員を委嘱することができる。
第6項人権擁護委員の推薦及び委嘱に当つては、すべての国民は、平等に取り扱われ、人種、信条、性別、社会的身分、門地又は第七条第一項第四号に規定する場合を除く外、政治的意見若しくは政治的所属関係によつて差別されてはならない。(規定なし)
第7項/第6項法務大臣は、人権擁護委員を委嘱したときは、当該人権擁護委員の氏名職務をその関係住民に周知せしめるよう、適当な措置を採らなければならない人権委員会は、人権擁護委員を委嘱したときは、当該人権擁護委員の氏名及び職務をその関係住民に周知させるため、適当な措置を講ずるものとする
第8項/第7項市町村長は、法務大臣から求められたときは、前項の措置に協力しなければならない。市町村長は、人権委員会から求められたときは、前項の措置に協力しなければならない。

#第2項での「特別区を含む。」との限定は、人権擁護委員法では第3条においてすでに規定されているので、実体は同じです。

表現振りの違いにとどまるものがほとんどで、実質的な変更は第3項と(現行)第6項のみです。選考過程があいまいというなら、ほぼ同じ方法で選ばれている現行法での人権擁護委員の選考にも問題があるというのでしょうか? 寡聞にしてwebmasterは知らないのですが、あいまいだと非難するならまず現状どのような問題が生じているかを指摘すべきでしょう。

国籍条項がなくなっているのは事実ですが(第3項)、あくまで母集団にとして排除されないだけで、地方議会の意見を聴いて市町村長が推薦して人権委員会が委嘱するという枠組みに変更はありません。地方議会や市町村長への働きかけ等による民主的統制は十分に機能するものと考えられます。

#現行法第6項に相当する規定がないことについては、議論はあると思います人権擁護法上の人権擁護委員は人権擁護委員法上のそれとは異なり、おそらくは非常勤の一般職国家公務員となるものと考えられますので(保護司法に基づき委嘱される保護司がそうであることからの類推です)、一般の国家公務員の服務に縛られることとなるはずです

(webmaster注:3/25に訂正しました(強調部分)。)

ついでにいえば、巨大組織というのも現状と変更はありません(現行法でも上限は2万人です(人権擁護委員法第4条第1項))。それがビッグブラザーのような存在だという指摘も、これまた聞いたことはありません。

■コントロール不能?
人権委員会が暴走してもそれを止める方法があまりない。委員長及び委員は「罷免されない権限」すら(11条)持っている(首にすら出来ない)

■人権侵害が何かは、人権委員会自身が決定
人権侵害を認定する基準は、人権委員会自身が決定し「必要な措置」(「詳細」はかかれていない・・)を講ずることができる。人権委員会が「差別だ」と判断したら、それが「差別」。

そう簡単に罷免できたり、その判断基準について介入を許容すれば、政府(内閣)から独立しているとは言えないでしょう。独立性などいらないというならそれはそれで一つの立場ですが、パリ原則などを見るに、一般行政府からの独立性の担保は広く国際的に受容されているものと考えて差し支えないでしょう。

#ちなみに、日銀の役員や公正取引委員会委員長・委員などの独立性と同レベルで、職務義務違反などの「非行」は罷免の理由になります(第11条第2号)。

■「予防的措置」
人権被害が起こっていなくても、起こる可能性があると「人権委員会が判断した」場合には、「予防的」措置をとることができる。

条文を引っ張ってくれていないので具体的に何を指しているのかがよくわかりませんが、仮に事前の差し止め訴訟(第65条)であるならば、昨日申し上げたとおり本人がそう判断した場合にはできることを不特定多数を対象とする場合に(=個人では訴訟法体系上原則として対応できません)、限定的な対象について人権委員会が代行できるだけです(勧告であれば強制力はないことも、昨日申し上げたとおりです)。それにその対象も、これもまた繰り返しになりますが、一般に言論活動と解されるものではありません。

(webmaster注:3/25に訂正しました(強調部分)。)

■立ち入り・財物の押収・個人情報の公開 が「人権委員会だけ」で可能
「人権を侵害した」とされると、人権侵害の「特別救済手続き」として、関係者への出頭要請と事情聴取、関係資料などの「留め置き」(要は押収)、関連個所への立ち入り検査といった権限をもつ。令状は必要なく、拒否すれば罰則規定(罰金とか?)も定められている。委員会が人権侵害と認めた場合は、勧告・公表(個人情報が裁判も経ることなく公表される?)、提訴、罰金をなどの権限もある。これらは「裁判もなしに人権委員会の判断だけ」で行なえてしまう。
#警察でさえ、礼状なしには家宅捜索も押収もできない

立入検査その他については既に行政措置として広く採用されている手法(一番有名なのは金融機関に対するものでしょう)ですが、それに関連する罰則規定(第88条)を見れば、正当事由による拒否が認められていることがわかります。もちろん警察による家宅捜索にはそんなことはないわけで、そこはバランスがとれているわけです。

#正当事由ってなによ、といったことを法務省に確認することは必要だと思いますが。

ちなみに、提訴といってもあくまで民事訴訟で、くどいようですが一般人で可能なことです(民法第709条の不法行為に係る訴訟)。罰金とは正確には過料ですが、これは憲法でいう刑罰ではなく、刑事訴訟法ではなく非訟事件手続法に基づく処理であっても憲法違反ではないという最高裁判例(民集20巻10号2279頁)がありますから、裁判(訴訟)によらずして行っても問題はありません。

続いて「セキュリティー・ホール」です。

1.人権委員会の権限が大きすぎる

個別に論ずる必要があるのでここでは詳述しませんが、一般的なADR(訴訟外紛争解決手段)のレベルを大きく超えるものには見えません。

2.人権委員会をめぐる利権争いが予想の(ママ)される

人権委員会の人事については国会の同意が必要とされています(第9条第1項)から、その人選がうまくいかないというなら、それは我が国の政治の限界としてあきらめるよりほかないでしょう。また、昨日申し上げたとおり三条委員会としての独立性を有していますから、要すれば既に運用がなされている制度なわけで、利権争いになるといって反対するなら、三条委員会でそうしたことになった前例を引っ張ってこなければ説得力がありません。

3.極端な人権保護により、言論の自由が阻害される

「極端」かどうかは個別に見ていく必要がありますが、人権擁護法案においては、昨日論じ、本日ここまで論じてきたように、基本的に既往の法制度において既に運用されている手段の組み合わせで人権保護が図られています。webmasterの個人的信条からいえばあくまで対抗言論によるべきだと思いますが、それはまさに思想・信条のレベルでの価値観の問題であって、人権擁護法案に定められた規定が法的に問題のあるものとは言えないと思います。

4.特定団体や政治家への批判も規制され、国民が泣き寝入りになる可能性がある。

くどいようですが、現行法制であっても本人によ(ry

5.人権委員会および人権擁護委員の公共性に疑問が有る

繰り返しになりますが、人権委員会の人事は国会同意人事ですから、人権委員会の公共性は(人権擁護法そのものと)国会の判断にかかってきますし、人権擁護委員についても、上記のとおり民主的統制が可能です。国会についても地方議会・首長についてもその公共性は選挙に由来します。きちんと選挙で監視しましょう。

6.マスコミを除外しての市民差別

凍結が叫ばれているメディア規制はそもそもメディアしか対象にしていませんから、そもそも一般国民の直接の適用を争うなら最初から対象外です。他方、一般国民の活動に課せられる規範はメディアも対象となっていますから、「マスコミを除外」というのは何を指しているのか意味不明です。

7.マスコミへの規制がないため報道されず国民が知らない間に成立してしまう。しかも堤会長の事件で泥沼になることも。

それはメディアを批判すべきであって、法案への批判には当たらないでしょう。まあ、郵政民営化の広報に6億円以上もつぎ込んでいると聞くと少しはまわせよと思いますし、電話でのやり取り(webmaster注:3/10付を参照ください)を見るに、法務省職員も誠実ではあるかもしれませんがちょっと世間の動きに疎いとは思いますが。

8.掲示板、ブログなどの運営が規制により難しくなり閉鎖に追い込まれる可能性大。

くどいようですが、現行法制d(ry

9.外国人参政権への布石との思惑も・・・

参政権を有する者にしか人権擁護委員の資格を認めていない現行制度の方が、外国人へ参政権を付与しろとの主張の後押しになるんじゃないんですか(笑)。

10.悪質な宗教団体への批判ができなくなる

くどいようd(ry

11.スパイ防止法のない日本において他国(北朝鮮、韓国、中国)の工作活動に対抗できなくなる。

webmasterは個人的にはスパイ防止法推進派ですが、それとこれが何の関係があるというのでしょう? 人権擁護委員の一般調査権は完全に任意が前提ですし、多少は強制力を有するであろう立入検査は人権委員会の権限であって人権擁護委員の権限ではありませんが?

12.疑いがあれば、「予防的」に立ち入り検査が可能。裁判所の令状も不要。

立入検査とはそうしたものです。正当事由による拒絶が可能であること等は既述のとおりです。

13.通常の企業活動商業活動においても、極めてあいまいな「差別」を禁止しているため、経済活動に著しい侵害を生じる。

k(ry

14.人権擁護委員会(ママ)は任意の外部団体へ「調査」を嘱託できるので、ヤクザ・統一協会・朝鮮総連に嘱託されても合法である。

任意の外部団体へ嘱託することができるのは任意調査である一般調査(第39条第1項)のみで、ある程度の強制力が付与されている特別調査(第44条第1項)や立入検査の外部嘱託は認められていません。

15.人権委員・人権擁護委員に対する弾劾・リコール規定がなく抑止力がない。

既述のとおり、独立性確保のため必要な措置でしょう。ちなみに、職務上の義務違反などの「非行」は罷免・解嘱事由です(人権委員は既述。人権擁護委員は第31条第1項第2号)。念のため。

長くなったのでいったん区切りとして、残りは明日にさせていただきます。

[comic]「現在官僚系もふ」連載スタート

スピリッツ3/28号より。「突っ込みをする気にもなれないのかもしれません」とのpogemutaさんのご意見を振り切って(笑)、いくつか。

  • 入省時が同期と初めての顔合わせって、官庁訪問時に知り合いになるでしょうに。
  • 東大(法学部?)首席と公務員試験1位を混同してない?
  • 新人にあんなでかい机は割り当てられることはありません。
  • 「ラジャー」とは言わんでしょう、自衛隊じゃない限り(って、自衛隊でも言ってなかったらごめんなさい(笑))。
  • 4月に補正は打ちません(まだその年度の予算が通ったばかりですから内閣の責任問題になります)。
  • 職場にいる間、ずっとキャラ作ってなんかいませんってば(笑)。
本日のツッコミ(全3706件) [ツッコミを入れる]

Before...

スーパーコピー時計 [<a href="http://www.tokei-n.net/">スーパーコピーブランド</a> <a href..]

WilAgitle [Buy Tamoxifen Pct Uroxatral [url=http://aquedan.com]zolof..]

オメガ激安ブランド館 [コピー時計通販専門店 人気コピー時計通販専門店 ◆在庫情報随時更新! ◆お客さんたちも大好評です: ◆..]


2005-03-15

[law]人権擁護法反対論批判 後編下

昨日の続きで、人権擁護(言論弾圧)法案反対!「人権擁護法案の法的問題点」の批判です。

・本法案は国民が自ら自由・権利を放棄し、一部の者による訴訟権の濫用を招き、公共の福祉に反する利用を招くものであるから、憲法第12条に反する

・本法案は一部の者に過剰な権利保護を与える恐れを孕むものであるから、憲法第14条の精神に反する

・本法案は集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由を侵害し、事前検閲に繋がるものであるから、憲法第21条に反する

・本法案は正当な言論・批判活動を弾圧するので、学者・専門家等による研究、著述、討論を萎縮させ、古典文学、社会学をはじめとする学問の水準の低下を招く恐れが極めて大である。又学問の自由を侵害するものであるから、憲法第23条に反する

・本法案は憲法に定められた上記の基本的人権の享有を妨げるものであるから、憲法第11条に反する

・個人的な憶測による訴訟権濫用の恐れが極めて大である

・不特定多数に対する差別行為の禁止は訴訟権濫用の恐れが極めて大である

法的問題点の指摘ということですから、これまでのエントリでも散発的に触れてきましたが、改めて人権擁護法に基づく措置(これまでと同様、以前の国会提出法案ベース。以下、法令名のない条文はすべて人権擁護法案の条文を指します)についてまとめてみます。一覧すれば次のとおりです。

  1. 一般救済
    1. 一般調査(第39条第1項)
    2. 一般救済(第41条第1項)
  2. 特別救済
    1. 特別調査(第44条第1項)
    2. 調停及び仲裁(第45条)
    3. 勧告(第60条。差し止めについて特に第64条第1項)
    4. 差止訴訟(第65条第1項)

これらについて「被害者」への過剰な保護、ないし「加害者」の表現の自由等の弾圧があり得るかどうかですが、まず、一般救済は明らかに強制力を持たない措置ですから(一般調査については調査拒否にも罰則はありませんし、第41条第1項の一般救済において「加害者」に対して一方的になされる措置は「当該行為に関する説示、人権尊重の理念に関する啓発その他の指導」(第2号)だけです(webmaster注:「当該行為」とは、ラフにいえば人権侵害行為です))、そうした危険があるとは言い難いでしょう。

次に特別救済についてですが、まず特別調査は、正当事由があれば拒否できますし、正当事由かどうかは裁判所で判断されることになります(非訟事件手続法第206条)ので、人権委員会が無理矢理押し入って調査・検査を行うといったことはありません。

#なお、立入検査を実力で阻止しても、検査を行う行政職員が実力でそれを排除することは認められませんから(このあたりが警察の捜査とは異なるところのひとつです)、正当事由がない場合でも過料を受けて立つ覚悟があれば、実力で阻止し続けるという対抗手段はあります(法律によっては検査忌避が過料ではなく刑罰の対象となっているものもあり、それらは警察の捜査に近い効力があると言えます)。決してそれを推奨するわけではありませんが(笑)。

調停・仲裁はいずれも当事者の合意がなければ効力がないので(調停については第52条第3項、仲裁については公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律第786条)、意に沿わない結果を押しつけられることはありません。

勧告は従わなくても罰則が科せられるわけではありませんから、無視された場合には、人権委員会は公表(第61条第1項)よりも強い手段を持ちません。公表に至る場合でも、それまでに2回の意見表明の機会(勧告の前と公表の前)がありますし、それこそ公表に対しては対抗言論をなし得ますから、過剰な保護/弾圧とは言えないでしょう。

差止訴訟はそれこそ裁判所が判断することであり、合憲かどうかの判断権は裁判所に属するわけですから、表現の自由の弾圧等、違憲だとされる判断がなされるはずもありません(正確には、(最高裁判決の後で)その判断が違憲だとすることは日本国内のどの法人・自然人にも不可能です)。

関連して訴訟権の濫用云々ですが、これで何度目になるかわかりませんけれども(笑)、本人が提訴可能な人権侵害について不可能な不特定多数を対象とした行為について限定的に人権委員会(人権擁護委員ではありません。為念)が代わって提訴できるものに過ぎません。どう考えても「濫用」と言えるような運用は想定しがたいのですが。

(webmaster注:3/25に訂正しました(強調部分)。)

というわけで、「被害者」への過剰な保護、ないし「加害者」の表現の自由等の弾圧という指摘は適当ではないとwebmasterは考えます。

・差別とされる行為の範囲及び法の適用の基準が曖昧であり、人権委員に就任した人物の政治的信条・宗教的心情・属するコミュニティの利害、あるいは個人的感情によって恣意的な運営が行われる可能性が極めて大である

まず繰り返していいますが、人権擁護法は差別を刑事罰の対象とする法律ではありませんから、憲法が要請する罪刑法定主義の対象外です。ではどういう法律かといえば、これまでは民事訴訟によっていた差別への対抗を補充するものですが、民事訴訟での差別に関する法律の規定は何かといえば、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」(民法第709条)、「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。」(同第710条)というもの。これらの規定しかない方がよほど曖昧です。

#民法まで口語化法が成立していたとは(不勉強で)知りませんでした。今年の4月から口語化だそうです(上記条文はいずれも口語化後の正式の条文で、現行の文語条文の口語訳ではありません)。

人権擁護法が差別と定義する行為は、これまでも上記民法の規定に基づき不法行為とされていたものの部分集合ですし、今後のその解釈についても、これまでの不法行為に関する判例・学説の蓄積に基づき行われることとなります。確かに第2条・第3条の規定は曖昧ではありますが、それはこれら判例・学説の蓄積を条文化することが困難であるが故(条文化すればそれだけでどれほどの長さになるものか・・・)。行為の範囲・法の適用の基準は、それらを総合して考えれば、十分に合理的なものと言ってよいと思います。

なお、人権委員に就任した人物による恣意的な運営のリスクは、その他の行政機関のトップについても同じリスクがありますし、人選における立法府の統制、法の執行における司法府の統制が図られますから、これもまた合理的な範囲内であるとwebmasterは考えています。

・侮辱については刑法の侮辱罪で対応すべきであり、新法制定の必要はない

・不快発言に関しては発言者に抗議して、任意に撤回すべきものであり、公権力が介入するべき性質のものではない。

上記と重なりますが、人権擁護法は現行法体系における不法行為を基礎としています。侮辱にしても、刑事上刑法の侮辱罪を構成すると同時に、民事上不法行為として損害賠償等の対象となりますし、不快発言も民事上は同じです。人権擁護法がなければあたかも何の制約もないかの言い方は明らかにミスリーディングですし、人権擁護法が施行された後においても、不法行為を構成しなければ何の問題もありません。

・人権擁護委員について、人権擁護委員法は「当該市町村の議会の議員の選挙権を有する住民」から推薦するとしているが、本法案では「当該市町村の住民」から推薦するとしており、在日朝鮮人を主とする外国人の就任を意図している事が明らかである
この事は、昭和二十八年に内閣法制局が示した「公権力の行使または国家意思の形成に参画する公務員に日本国籍が必要なことは当然の法理」とする見解に反し、国家主権を脅かすものである。

・人権擁護委員について、人権擁護委員法は国家公務員法が適用されない事と「委員の欠格条項」を定めていたが、本法案では定めていない。国家公務員法第三十八条及び第七十六条を含む同法が人権擁護委員に適用される事を確認したい

正確さに万全を期すのであれば法務省に確認すべきなのですが、ほぼ間違いなく人権擁護委員は国家公務員にはならないので、ここの指摘は当たらないはずです(人権擁護委員法においては国家公務員法の適用がない旨明示されています(第5条)が、人権擁護法案における人権擁護委員関連規定にそれに対応するものがないのは、規定するまでもなく明らかだからという理由ではないかと推察します)。

人権擁護委員は非常勤の一般職国家公務員であると考えられますが、明らかに「当然の法理」の対象外でしょうから、外国人に委嘱しても合憲です。また、このwebmasterの推測が当たっていれば、当然国家公務員法は適用されます(第38条・第76条を含みます。なお、人事院規則で適用除外があり得ますので、厳密にはそこまでフォローする必要がありますが)。

(webmaster注:3/25に訂正しました(強調部分)。)

理屈をいいますと、国家公務員に課せられる義務のなかで最も(対国民で)重要なものは守秘義務(国家公務員法第100条)で、だからこそ国家公務員でなくても法の執行により国民の非公開情報に接する者には、いわゆるみなし公務員として守秘義務が課せられる場合が多いのですが、人権擁護委員には守秘義務が課せられていないので、裏返していえば国民の非公開情報に触れる法的な権限がなく、国家公務員としての取扱いを受けてないものではないかとの推論が成立します。

#立入検査を含む特別調査権(第44条第1項)を有する人権委員会の構成員たる人権委員には守秘義務が課せられます(第13条第1項、第87条)。人権委員は国家公務員ですが、国家公務員法の適用を受けない特別職ですので、改めてここで守秘義務を課していると考えられます。

裏道から論証しますと、最大2万人の人権擁護委員を国家公務員にしたら、行革との関係上どこかで2万人人員削減しなきゃいけませんが、そんな余裕は霞が関にはないっす(笑)。

・民事調停法に基づき、最終的な紛争解決機関たる司法府に属する地方裁判所に、裁判官の中から指定された調停主任が主導する調停委員会の呼出しを受けて出頭しない場合の罰則が五万円以下の過料であるのに、最終的な紛争解決機関ではない行政府に属する法務省の外局として置かれる人権委員会や、人権委員会が設置する調停委員会の出頭の求めに応じない場合の罰則を三十万円以下の過料としている事は、不出頭者を過当な重い処分に処するものであり、不当である

ざっと調べただけなのですべてを網羅するものではありませんが、類似の呼出し等に応じなかった際の過料をまとめると次のようなものです(法律の成立順)。

法律条文過料(上限額)
家事審判法第27条5万円
裁判官弾劾法第44条10万円
海難審判法第65条第1/2号3千円
検察審査会法第43条第2項10万円
刑事訴訟法第133条第1項/第150条第1項10万円
公認会計士法第55条第1/2号30万円
証券取引法第209条第4/5号10万円
労働組合法第32条の2第1号30万円
建設業法第55条第2号10万円
電波法第115条30万円
民事調停法第34条5万円
土地収用法第146条第2号10万円
酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第29条1万円
商標法第84条10万円
意匠法第76条10万円
実用新案法第63条10万円
特許法第203条10万円
民事執行法第206条第1号30万円
民事訴訟法第192条第1項10万円
労働審判法第31条5万円

#「過料」で検索をかけたのですが、独占禁止法が引っかからないなぁと思って条文を見てみたら、過料ではなく刑事罰である罰金でした(20万円以下。第94条の2第2号)。

確かに30万円以下の過料はもっとも高いグループではありますが、他に例もあり、「過当な重い処分」というほどではないでしょう。この辺りは政策判断ですから、もっと下げるということは十分に考えられますが、法案を廃案にする理由としては弱いと思います。

最後に、昨日の予告をはみ出しますが、3/11付産経新聞朝刊(第12版)15面に掲載され、その後同じものがblogで公開された、西尾幹二先生の主張を取り上げてみたいと思います。というのも、その翌日のエントリによりますと、次のような影響をもたらしているとのことだからです(強調はwebmasterによります)。

産経政治部の石橋記者から、「先生、すごい反響ですよ」との電話があった。「先生のコラム『正論』の一文で『人権擁護法』は吹っ飛びますよ。自民党の反対派議員はコピーして、いっせいに回しています。」

にわかには信じられない話だが、ささやかな言論が効果を発揮するということはうれしいことだ。11日朝の自民党役員連絡会で、古屋圭司議員が拙文を朗読して同法案の国会提出に反対。賛成派が誇張した書き方だというと、安倍晋三氏が元検察官の堀田力氏までが、政治家が「公平で公正な放送を」求めればそれだけで「圧力」になるというようなことを平気で言うあぶない政治風土の国なので、上程反対と言ったそうである。

基本的にはこれまで書いてきたことの繰り返しとなりますが、西尾先生の主張は物語調になっていますので、webmasterの批判が具体的にどのような言論に対するものなのかの別解として、皆様の理解の助けになれば幸いです(引用部の強調は原文によります)。

《《《定義のない「人権侵害」》》》
国会に上程が予定されている「人権擁護法」が今の法案のままに成立したら、次のような事態が発生するであろう。

核を背景にした北朝鮮の横暴が日増しに増大しながら、政府が経済制裁ひとつできない現状がずっと続いたとする。業を煮やした拉致被害者の家族の一人が政府と北朝鮮を非難する声明を出した。すると今までと違って、北朝鮮系の人たちが手をつないで輪になり、「不当な差別だ」「人権侵害は許せない」と口々に叫んだとする。

直ちに「人権擁護法」第五条に基づく人権委員会は調査を開始する。第四十四条によってその拉致被害者家族の出頭を求め、自宅に立ち入り検査をして文書その他の物件を押収し、彼の今後の政治発言を禁じるであろう。第二十二条によって委嘱された、人権委員会は北朝鮮系の人で占められている場合がある。

韓国政府の反日法は次第に過激になり、従軍慰安婦への補償をめぐる要求が再び日本の新聞やNHKを巻き込む一大キャンペーンとなったとする。代表的な与党政治家の一人がNHK幹部の来訪の折に公平で中立な放送をするようにと求めた。ある新聞がそれを「圧力だ」と書き立てた。

すると今までと違って、在日韓国人が「不当な差別だ」「人権侵害は許せない」と一斉に叫び、マスコミが同調した。人権擁護法の第二条には何が「人権侵害」であるかの定義がなされていない。どのようにも拡張解釈ができる。

  • 北朝鮮を非難する声明は在日北朝鮮人への差別としては取り扱われません(今までにそれが不法行為として取り扱われた判例は、webmasterは寡聞にして知りません)。
  • 人権委員会に発言を禁止する権限はありません。勧告には強制力はありませんし、強制力のある判決は裁判所のみが下せます。
  • 「第22条によって委嘱された、人権委員会」とは人権擁護委員のことだと思いますが、人権擁護委員の権限は一般調査までで、第44条の特別調査は対象外です。その地位の幾ばくかは在日北朝鮮人に占められているかもしれませんが、それは地方議会の意見を聞いて行う首長の推薦により、究極的には当該地域の住民の意思決定によるものです。
  • 人権侵害の外縁は不法行為ですので、無限定な拡張解釈にはつながりません。

《《《全国各地に巨大執行組織》》》
かくて政治家が「公平で公正な放送をするように」といっただけで「圧力」になり、「人権侵害」に相当すると人権委員会に認定される。日本を代表するその政治家は出頭を求められ、令状なしで家を検査される。誇り高い彼は陳述を拒否し、立ち入り検査を拒むかもしれないが、人権擁護法第八十八条により彼は処罰され、政治生命を絶たれるであろう。人権委員会は在日韓国人で占められ、日本国籍の者がいない可能性もある。

南京虐殺に疑問を持つある高名な学者が143枚の関連写真すべてを精密に吟味し検査し、ことごとく贋物(にせもの)であることを学問的に論証した。人権擁護法が成立するや否や、待ってましたとばかりに日中友好協会員や中国人留学生が「不当な差別だ」「人権侵害は許せない」の声明文を告知したとする。人権委員会は直ちに著者と出版社を立ち入り検査し、即日出版差し止めを命じるであろう。

南京虐殺否定論はすでに一部のテレビにも登場し、複数の新聞、雑誌、とりわけミニコミ紙で論じられてきた。人権委員会は巨大規模の事務局、2万人の人権擁護委員を擁する執行組織を持つ。まるで戦前の特高警察のように全国をかぎ回る。

人権擁護法第三条の二項は、南京事件否定論をほんのちょっとでも「助長」し、「誘発」する目的の情報の散布、「文書の頒布、提示」を禁じている。現代のゲシュタポたちは、得たりとばかりに全国隅々に赴き、中国に都合の悪いミニコミ紙を押収し、保守系のシンクタンクを弾圧し、「新しい歴史教科書をつくる会」の解散命令を出すであろう。その場合の人権委員の選考はあいまいで、左翼の各種の運動団体におそらく乗っ取られている。

  • 仮に「圧力」とされたところで、それは(この例であれば)NHKに対するものですから、在日韓国人への差別としては取り扱われません。
  • 陳述拒否や立入検査拒否について正当事由か否かを判断し、過料を科すのは裁判所の権限であって人権委員会の権限ではありません。
  • 仮に過料を科されたとしても、公職選挙法に定める被選挙権否認事由(第11条・第11条の2)には該当しないので、本人に政治家を続ける意思があり、選挙で当選すれば政治活動の継続に何ら問題はありません。
  • 巨大規模の事務局といっても現に法務省人権擁護局があり、2万人の人権擁護委員はすでにいます(制度上は。実員は約14,000人ですが)が、それらが人権擁護法ひとつで特高になるという根拠は?
  • 南京事件否定論をいくら唱えても人権侵害には当たりません(それを不法行為と認定した判例があったら謝罪して訂正します)。
  • 団体の解散命令権は人権委員会はおろか、人権擁護法の下では裁判所にすら認められていません。団体の解散命令権が行政に認められている法律というと・・・破防法に抵触するのですか、「新しい歴史教科書をつくる会」は?(笑)
  • ここでいうあいまいな選考の「人権委員」も人権擁護委員なのでしょうけれど、繰り返しになりますが、人権擁護委員には特別調査権は付与されていません。

《《《国籍条項不在の不思議さ》》》
私は冗談を言っているのではない。緊急事態の到来を訴えているのである。2年前にいったん廃案になった人権擁護法がにわかに再浮上した。3月15日に閣議決定、4月の国会で成立する運びと聞いて、法案を一読し、あまりのことに驚きあきれた。自民党政府は自分で自分の首を絞める法案の内容を、左翼人権派の法務官僚に任せて、深く考えることもなく、短時日で成立させようとしている。

同法が2年前に廃案になったのは第四十二条の四項のメディア規制があったためで、今度はこれを凍結して、小泉内閣の了承を得たと聞くが、問題はメディア規制の条項だけではない。ご覧の通り全文が左翼ファシズムのバージョンである。もちろん、機軸を変えれば共産党、社民党弾圧にも使える。自由主義社会の自由の原則、憲法に違反する「人権」絶対主義の狂気の法案である。

外国人が人権委員、人権擁護委員に就くことを許しているのが問題だ。他民族への侮蔑はいけないというが、侮蔑と批判の間の明確な区別は個人の良心の問題で、人権委員が介入すべき問題ではない。要するに自由社会の常識に反していて、異常の一語に尽きる法案である。予定される閣議決定の即時中断を要請する。

  • いや、むしろ冗談で言っていてほしかったです(笑)。先生の労働鎖国論には今でも賛同しているのですが・・・。
  • 一読しかしないからこんなテキストになってしまうのですよ(笑)。法律の専門家にアドバイスを受けつつ、何回か読んでください。
  • 憲法上、自由権の中でも最も根源的なものである表現の自由ですら、公共の福祉の制約の範囲内です。webmasterの個人的信条としては、そうした制約は最小限であるべきだと思いますし、人権擁護法があるよりはない方がいいと思いますが、それは価値判断の問題であって、憲法の公共の福祉を超えるものかといえば、その範囲内に納まるものだと考えます。言い換えると、憲法違反だから反対だなんていう明後日を向いた反対ではなくて、政策論として反対を唱えるべきだと考えます。
  • 人権委員は例の「当然の法理」の対象になりますから、法律で定めるまでもなく外国人は就任できないという整理がなされているものと推察します(例えば同じ三条委員会である公正取引委員会の委員についても、法律(独占禁止法)上国籍条項はありません)。他方、人権擁護委員には強権的権限はありませんので、別に外国人がその地位についても問題はないでしょう。
  • パリ原則に沿って各国は人権侵害への対抗措置を講じていますが、人権擁護法はどのあたりが沿っていないのでしょうか? 沿っていない部分がないのであれば、それは自由社会の常識の範囲内ということです。

#この3日間、いろいろなサイトを見てきましたが、法務官僚も大変ですね。左右からそれぞれ人権侵害者、左翼人権派とののしられて。

[government][law]経済産業省・中原拓也係長(犯行当時)インサイダー取引にて告発

一番詳しい報道は毎日新聞のようです。

しかし意外なのは、これがどうやら史上初の公務により入手した情報によるインサイダー取引事件(公になったものでは、という限定は付さざるを得ませんし、逆に報道が事実であれば、という限定もつきますが)だということ。収賄等、これまでも公務員による犯罪はあったわけですから、残念ながら公務員が倫理的に優れているからということではないでしょう。ネット取引によるものだったとのことですから、単に店頭で一般の顧客として行うのは難しかったからなのかな?

ところで、収賄とインサイダー取引は、どちらを重く罰すべきなのでしょうか? 今後インサイダー取引事件が増えて、巨額の利益を懐にしていたなんて話をよく耳にするようになると、公務員については罰則が強化されたりするのかもしれません。ちなみに、現行法に定められたそれぞれの罰則は次のとおりです。

収賄罪
7年以下の懲役(刑法第197条第1項(受託収賄罪。その他の収賄罪は5年以下の懲役(一部例外あり)))
インサイダー取引
3年以下の懲役and/or300万円以下の罰金(証券取引法第198条第19号)
本日のツッコミ(全411件) [ツッコミを入れる]

Before...

涓??????鏈???????嶇? [こんにちは!のためウェブサイトあなたしばらく今、最終的に得た勇気先に行くし、あなたを与えるために|私は読み取り、次の..]

パナソニック【基本設置料金セット】 [左開き]5ドア冷蔵庫(426L) NR-E430VL-N シャンパン (NRE430VL) [私はオフトピック場合は、これを知っているが、私は自分の始めに探していますブログをと好奇心したすべてがに必要とされるも..]

???枡?℃枡????c???紙SHARP??4V????儷???い?ぃ??紜500GB HDD?呰數 ??????с?娑叉??????紙?穡功い?/USB HDD????惧繙??QUOS LC-24R30W [私はオフトピック場合は、これを知っているが、私は自分の始めに探していますブログをと好奇心したすべてが必要な取得するに..]


2005-03-16

[notice]お願い・ツッコミ(コメント)のRSS対象からの除外・明日の予告

webmasterのミスで3/13付エントリのデータを消してしまいました。googleキャッシュにもありません。もしデータを保存している方がいらっしゃったら、提供していただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

RSS設定についてはご要望にお応えしてみました。他にもご要望があれば随時ご相談下さい。

また、「人権擁護法反対論批判」については非常に多くのコメントをいただきありがとうございます。それらについてのwebmasterのリジョインダーにつきましては、明日とさせていただきます。

[movie]ローレライ

#webmasterはディープな映画ファンではありませんので(今年観た映画はカンフーハッスルとこれで未だ2本)、書くこともまた浅いと思いますが。あと、ネタばれは避けております。

先週末観てきました。概ね予想の範囲内といったところでした。やっぱり潜水艦内は妙にこざっぱりしているし、CGはチープだし(伊507の水中での外観は特に。あと、伊507が機敏すぎるのはちょっと)、他方、俳優陣は期待どおりでしたし、ヘッジホッグ萌えー(字幕では「新型爆雷」でしたが、しゃべりでは"hedgehog"と言ってくれました)でしたし、「ちょいブロー」「とーりかじ」とかありましたし。・・・でも。

なんで浅倉大佐のエピソード残すかなぁ。

出航前やナチス関連の話題をばっさり落としたのですから、あともう一歩、浅倉大佐がらみの話も切ってくれれば。あれがかなり時間を食いつぶしたので全体が駆け足に、つまりストーリーがプロットの消化で手一杯になってしまったように思います。潜水艦内部のつらさと、その中での"A boy meets a girl."路線に集中してもっと掘り下げてくれれば。

[economy][pseudos]トンデモ#8:「プロレス史観」と小児病エコノミスト

岩田他「昭和恐慌の研究」に対する日経金融新聞・吉次弘志デスクの批評です。これを「批評」と言っていいのであれば、ですが。

既に執筆陣の中村宗悦先生田中秀臣先生から反論がなされていますし、svnseedsさんも元原稿より長い反論をされていますから、それらで触れられていない点を一つ。

(前略)何と今のマスコミや竹中さんに共通する「構造改革主義者」の大間違いなことよ、というわけ。で、歴史的に見ても、自分たち「リフレ派」が正しいのである、とこう来るわけですな。

これはしかし、ちょっと勧善懲悪的なのではないですかね、というのが筆者の見立て。じゃあ、ニュートン力学が成立する前に渦動宇宙論で世界を説明しようとして挫折したデカルトは「間違い」だったのですかね?。量子力学的原理の発見前に巨視的分子運動を古典力学で説明しようとしたケルビン卿の悲劇は科学の歴史上、意味がなかったんですかね?。そんなことはないんです。今常識として成立した理論で過去に遡及し、正誤を判断する手法を鹿島茂は「プロレス史観」と呼び、科学史では「ホイッグ史観」と称するわけで、これを分かりやすく言えば「後出しじゃんけん」となります。

今の立場から当不当を論ずるのは「後出しじゃんけん」でしょうけれど、だからといって真偽は変わりません。吉次デスクの上記を借りれば、デカルトの努力の方向性は(当時の人間の営為として)「間違い」ではなく正当で合理的なものですが、「渦動宇宙論」は(理論的に)「間違い」以外の何物でもありません。同様に、ケルビン卿の為したことに科学史上意義があることと、量子力学の対象分野を古典力学で解明できるという仮説が誤りであることは、何の矛盾もなく両立します。

要すれば、吉次デスクの指摘は「間違い」という言葉の多義性を悪用して議論をすり替えているのです。引用部の最初のパラグラフの「(大)間違い」はfalse(で、「正しい」はtrue)の意味ですが、次のパラグラフの「間違い」はirrationalとかstupidの意味です。歴史上の人物のrationalであった判断について今の知識からirrationalだったと断罪するのは問題ですが、rationalだったからといって、falseであるものがtrueに変わったりはしません。

#ただし、当時であっても石橋湛山に代表されるリフレ派はいたわけですから、清算主義者にはirrationalだと断罪されてもやむを得ない面があるとwebmasterは考えます。

これはよくいわれる誤った三段論法そのものです。次がその典型例ですが、第1文の「野獣」(=野山に生息する(大型の)哺乳類)と第2文の「野獣」(=乱暴で欲望を表に出す人の比喩的表現)は、単語は同じですが意味するところが違うので第3文が成立しません。同様に吉次デスクの主張は、「間違い」の意味を混同させて「構造改革主義者」は間違っているわけではないという結論を導いています。

  1. 野獣は全身に毛が生えていて四つ足で歩く。
  2. 彼は野獣だ。
  3. したがって、彼は全身に毛が生えていて四つ足で歩く。

この文章が別の観点からも問題なのは、時間軸の概念がないことです。再び吉次デスクのテキストを借用すれば、ニュートン力学が発見される前に渦動宇宙論を追究することが「間違い」ではなかったとしても、その後には「間違い」になるわけです。量子力学が発展している現在において研究者がニュートン力学に基づき量子の運動を論じても、その存在価値はゼロです。

上記のとおり石橋湛山らの主張があるにもかかわらず、それに耳を傾けなかった浜口雄幸や井上準之助が本当にirrationalの意味で「間違い」でなかったかどうかには議論があると思いますが、世界恐慌は前例がないとも言える事態でしたし、当時は各国の政策当局も同様の誤りを犯していた例が多いわけですから、rationalであったとも言い得ると思います。

しかし、今はその経験を経た後で、しかも関連する多くの研究が積み上げられているわけです。この70年以上にわたり積み重ねられてきた貴重な知的遺産から目を背けて70年前と同じことを繰り返したとき、同じことの繰り返しだからといってそのrationalityをイコールに評価できるはずもありません。昭和恐慌当時の清算主義者をrationalだとしても、今の構造改革主義者をrationalだと考えることはむしろそれと非整合的で、irrationalだとすることが適当でしょう。

以上の二重のミスリーディング、故意でやったことなら悪質ですし、過失でやったことなら筆で糧を得ている身として恥じるべきだと思います。

[book]書店の品定め

この週末は既述のとおりローレライを観にいったほか、久しぶりに大型書店に行って矢野誠「「質の時代」のシステム改革」P.W.シンガー「戦争請負会社」班固「漢書」2(食貨志を含む部分です)、長尾龍一「ケルゼン研究Iマーチン・ファウラー/ケンドール・スコット「UMLモデリングのエッセンス」を購入しましたが(全然一貫性がないなぁ(笑))、webmasterはこのご時世でも、本はネットではなく書店で買うタイプです。ぺらぺらページをめくりながら買おうか買うまいか悩むのもまたよし、と考えるものですから。しかも、かなりの乱読派なので、大型書店をぶらぶら歩き回ることをこよなく愛しております。そんなwebmasterにとっての主観的な書店ベスト5は次のとおりです。

  1. ジュンク堂池袋本店
    かなりwebmasterの理想に近い書店です。日本最大の売り場面積や取扱冊数(特に専門書を探すときにこのメリットは大きいです)もすばらしいですが、上記のような買い方ですと、1階で一括清算というシステムが代え難い魅力です。別のフロアの本を並べてどっちを買おうかためつすがめつ悩むためには、この形式でないと。
  2. 紀伊國屋書店新宿南店
    ネット上の書籍検索が一番使いやすいこと等、経営がこなれているのはさすがです。昔は新宿本店を愛用していましたが、それに比べて書店としての建物の設計が新しく楽に動き回れる点、客が少ない点が気に入っています。
  3. 丸善丸の内本店
    ジュンク堂池袋本店に迫る床面積を実質3フロアで確保しているので、1つ1つのフロアが広く歩き回るのに適している点、それを使いやすくする検索端末が店内各所に豊富に設けられている点(ただし、縦書き50音表が右から左に並んでいるのは、日本語としては正しいのでしょうけれど、使いづらいと思います)はよいのですが、以前、長尾龍一先生の著作でどれを買おうか迷っているときに、「純粋雑学」が法学関係の1階ではなく雑学関係の2階にあった思い出がマイナス(笑。そりゃタイトルはそうですが・・・)。まだ開店間もないので、もっと通って本の配置等になじむとランクアップするかもしれません。
  4. 八重洲ブックセンター本店
    連続で東京駅近辺から。webmasterが大型書店に行くのは休日のみなので平日がどうかは知りませんが、けっこうすいているので落ち着いて散策できます。新幹線に乗るときには、ここで乗車中に読む本を渉猟するのがwebmasterのお決まりのパターンです(新幹線ホームは東京駅の八重洲口側にあるので便利なのです>東京以外在住の方)。
  5. ブックファースト渋谷店
    売り場面積(webmaster注:回答のNo.9を参照)等のスペックでは上記の各店に劣りますが、立ち寄って本を探したときには何かが心に引っかかり買ってしまうことが多く、何も買わずに帰った記憶がほとんどありません。品揃えの波長が合っているのかな?

#でも、人生で一番はまった書店は、大学生協書籍部ですね。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [>wolfさん ジュンク堂、新宿もいいですか。情報提供ありがとうございます。実はまだ行ったことないので、今度チェック..]

tanakahidetomi [ひさしぶりのTBありがとうございました。 ところで『漢書』のちくま文庫の訳は原文がないのが難ですが、それでも通して..]

bewaad [>tanakahidetomiさん こちらこそご無沙汰してしまって、興味の薄い分野に行ってしまっていると受け止められ..]


2005-03-17

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)

かねてより予告していたとおり、下記のエントリに寄せられたコメントについてのwebmasterの見解を説明いたします。なお、テーマごとにテキストをまとめますので、各コメントへの一対一対応にはなっていない旨、あらかじめお断りさせていただきます。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編nextさんの(2005-03-15 15:44)でのコメントまで)
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上stinさんの(2005-03-16 00:03)でのコメントまで)
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下Beckyさんの(2005-03-16 02:33)でのコメントまで)

#なおご報告ですが、「前編」、無事復元できました。

前編関連

公正取引委員会は総務省の外局から内閣府の外局へ変更されたが、同様に人権委員会を内閣府の外局とすることが適当ではないか
霞が関の住人としては、橋本行革で公正取引委員会を総務省にくっつけたのが変な話で、自然な姿に戻したという理解ではあります(笑。ちなみにそれ以前は総理府の外局でした)。

公正取引委員会の所属変更の理由については、法案審議でも盛んに議論されていますが、本件との関係では、(1)内閣府には「現場」担当を置かないという橋本行革の理念にこだわる必然性はなく、(2)総務省所属だからといって実務に悪影響はないが、外から疑いの目で見られるのがうざい(意訳。笑)ので内閣府所属にした、という点を押さえておく必要があるでしょう。

これらを踏まえれば、人権委員会を内閣府の外局にすることは可能です。ただ、「前編」での凍結条項についての記述と重なりますが、独立性が担保されているにもかかわらず、そのような形式にこだわることにどれだけの実益があるかといえば疑問です。法案推進側にとって「人権委員会は内閣府に所属させます」というカードは安いものなのに、買い手がわざわざ高く買う必要はないでしょう。

念のため付け加えますと、webmasterは人権委員会を法務省の外局とすべきと主張するものではありません(ここまでで明らかでしょうけれど、どっちでも大差ないと思っています)。内閣府の外局にすべしと大キャンペーンを展開したところで、それによりもたらされるベネフィットがほとんどないことに鑑みれば、自己満足に過ぎませんか? ということが言いたいのです。

なお、人権委員会の独立性に関する人権擁護法案の条文としては、独立性を付与した第7条、国が関与する関連訴訟における法務大臣指揮権の停止を定めた第86条などがあります。
勧告の処分性及び救済手続はどう考えるべきか
勧告は直接権利義務を創設するものではありませんから、いわゆる行政指導に含まれ、処分性はないと考えられます。このwebmasterの推測が正しければ、行政事件訴訟法上の取消訴訟や無効等確認訴訟の対象にはならないはずです。

他方、昨年の行政事件訴訟法改正で「公法上の法律関係に関する確認の訴え」が規定されましたので、これにより勧告の違法性を争うことはできるのではないかと思われます(が、具体的にどこまで争えるかは判例の蓄積を見る必要があることは否めません)。なお、この確認の訴えは従前からの当事者訴訟で認められていたものの明確化という位置づけなので、改正法施行前でも提訴は可能なはずです。

また、勧告の公表については、それによる風評被害等があれば国家賠償の対象になるかと思います(その他の人権委員会等の活動による被害についても同様です)。
人権委員・人権擁護委員の選定手続における公平性が担保されていないのではないか(特に国籍条項との関係)
まず人権委員についてですが、国籍条項がないと言い出せば大臣だってそうです(内閣総理大臣だけは国会議員から選ぶという憲法の縛りがありますので日本人(の被選挙権保有者)しかなれませんが)。

法律上大臣について国籍条項がなくても日本人しか就任しないのは例の「当然の法理」に基づくものですが、国籍条項が法律上なければ安心できないというなら、外務大臣や防衛庁長官、国家公安委員長(警察を所掌する大臣)の国籍条項の方がよほど必要でしょう。それらのポストにある外国人がその祖国のために公権力を濫用した際の影響は、人権委員の比ではありません。人権委員の方が身分保障があるとはいえ、人権委員会がある人権委員を「非行」があると判断した場合には、それを理由に総理大臣は罷免できるのですから、しょせんは程度問題です。

人権委員に国籍条項がないことを理由に人権擁護法に反対している方々、今まで上記の事実を知らなかったというならそれは仕方がないでしょう。しかし、これを読んだ今はもう違うはずです。人権擁護法案なんて些末な問題は放置して、まずは大臣の国籍条項法定化運動を始めるべきではないでしょうか? そうでなければ、人権委員に係る国籍条項不在を理由とした人権擁護法案反対は裏の意図があるか、優先順位を間違っているかのいずれかでしょう。

まして人権擁護委員は、行使し得る権限は「加害者」に対する強制力を有しないものばかりなので、手続的にはさらに緩やかな縛りであっても許容されるべきです。人が作る制度である以上完璧なものはないわけですから、濫用されれば悪影響があるといえばそもそも公務員など選ぶことができません。その悪影響がどのようなものか、その生じる可能性はどの程度か、悪影響が生じた場合の救済の難易などを総合的に勘案して制度設計は行うものですし、そうした観点から人権擁護委員の選定手続を見るに、国籍条項の有無でそれほど大きな結果の差が出てくるとは思えません。

(webmaster注:3/25に訂正しました(強調部分)。)

過料や立入検査、勧告の公表には人権侵害の危険性があるのではないか
反対論批判のためにあたかもこれらに人権侵害の可能性がないかのような書きぶりになってしまったのはwebmasterに慎重さが足りませんでした。これらの人権擁護法に基づく措置により人権が侵害される可能性はあります。ただしそれらだけを問題にするのはバランスを欠いていて、人権擁護法案が成立した場合に、それにより新たに侵害されることとなる人権と、それにより新たに侵害からの救済が図られる人権について、それぞれその蓋然性、変化の量、誤って適用された場合の回復の難易度を比較する必要があります。

過料はしょせんは金の話(それも最高で30万円)ですし、裁判所が妥当と判断しなければ払う義務は生じません。立入検査は、正当事由の説明も不要であればその方が侵害性はありませんが、説明を求められることがそれほど重大な人権侵害でしょうか。勧告の公表については、先に触れた「公法上の法律関係に関する確認の訴え」が提起され判決が出るまでの間は行われないだろうとは思いますが(もし違法な勧告であるという判決が出れば公表する根拠が失われますから)、その点の確認・条文化を求めるという選択肢もあるでしょう。
人権擁護法案の成立による救済の変化はどのようなものか(法案提出の目的は何か)
基本的に救済手続の整備で(従来不法行為等として取り扱われてきた)救済対象については一部を除き変化はありません(従来から認められてきた人権侵害の類型及びその現行法上の取扱いについては、法務省(人権擁護推進審議会)が資料をまとめています)。

なお、「一部」の趣旨ですが、これまで不法行為のみが差別に対応する法であり、その点において人権擁護法案では変更はないかのように書いてきましたが、先のリンク先をご覧のごとくそうではない旨を明らかにしておきます。ほとんどはそれ以外の現行法制で外縁が定まっていますが、特定人を対象としない集団誹謗的表現、差別助長表現については人権擁護法により新たに設けられたカテゴリになるようです。不勉強を謝罪し訂正させていただきます。

言い換えれば、本来与えられて当然の救済が手続上の問題で与えられがたかった場合について、本来法が予定する救済が与えられるよう手続を整備する部分がほとんどで、それに集団に対する部分につき対象を拡大したものです。
人権擁護法に基づく救済による損害は人権擁護法に基づき回復可能か
人権擁護法に定める人権侵害に該当すれば回復可能ですが、おそらくは該当しないでしょう(人種等に起因する取扱いではないため)。ただし既述のとおり、その適法性を裁判で争うことは行政事件訴訟法上可能だと思いますし、国家賠償の対象になると思います。

後編関連

#人権委員等の選定手続の公平性、法案提出の目的については既述ですので割愛させていただきます。

勧告の公表と行政手続法第32条第2項の関係はどう考えるべきか
行政手続法第32条第2項に規定する「不利益な取扱い」とはあくまで「行政指導に携わる者」によるものですから、公表に伴い第三者から「不利益な取扱い」を受ける結果となっても、同項違反とはならないと考えます。確かに公表の副作用は大きいでしょうから、「前編関連」で既述の公法関係確認訴訟が同時に活用されることが望ましいかもしれません。
人権調整委員の選定手続が人権委員会にすべて委ねられているのは問題ではないか
確かに人権調整委員の選定手続はご指摘のとおりです。ただし、人権調整委員は調停・仲裁に参画することしか職務がありませんが、調停は結論に両当事者の合意がなければ成立しませんし、他方で仲裁は仲裁判断について合意なくして当事者に対する拘束力が生じますが、調停とは違って開始に合意が必要です(調停は職権で開始可能です)。このように当事者が何らかの合意をしなければ何もできないのが人権調整委員だと考えれば、もちろん厳格な選定手続を法律で定めるという選択肢もありますが、現行法でも問題があるとまでは言えないと思います。ちなみに、調停・仲裁とも人権調整委員のみで組織しても適法であると解されるとwebmasterは考えております。
恣意的な運用により国民に多大な損害をもたらす危険があるのではないか
危険性の評価としては、その事象が起こる確率に起こった場合の損害を乗じた期待値からまず考えるのが確立された手法ですから、それにしたがって考えてみましょう。

最初に、恣意的な運用をする可能性の高い人間が人権委員になる確率を考えてみます。専門的なスキルの判定(弁護士や医師など)を除けば、法的には国会同意人事以上に慎重な手続は考えづらいです。国民投票にかけるなんてアイデアもあるかもしれませんが、多分国民投票で選任されるポストに対しては総理大臣の罷免権を付すことができないでしょうから(直接国民の信託を受けた者をそうでない者が罷免するのは理屈から言っておかしいので)、選任時の権威の付与により選任後の統制がかえって利かない可能性が高いと考えられます。

次に、そうした人間が実際に恣意的な運用を行う確率を考えてみます。人権委員会は合議制の機関ですから、少なくとも独任制の機関(1人で満たされるポスト。典型的には大臣)よりは内部でチェック機能が働きます。確かに人数の多寡の問題はあるでしょう。人権委員会は5人ですが、他の合議制の機関を見ると、三条委員会では公正取引委員会が5人、国家公安委員会が6人、公安審査委員会が7人、公害等調整委員会が7人、中央労働委員会が45人といったところで、司法機関を見ると、最高裁判所が大法廷15人で小法廷5人、高等裁判所が原則3人(例外的に5人)、地方裁判所が多くのケースで1人(3人のケースもあり)といったところです。もう少し増やすべきかどうかについての議論はすべきなのかもしれません。

次にどの程度の損害が生じ得るかを考えてみます。合意に基づく措置は本人が同意しているのですから問題ないでしょう(脅迫等による同意は取消可能ですし、それはこの法律により問題となるのではなく、この法律がなくとも問題になる話です)。裁判所が判断する事項はこの法律がなくとも同じかより悪い運用がなされる(ただし、「前編関連」で既述の特定人を対象としない集団に対する差別的行為は別です。これについては後述します)ことになります。

前例がないことは今後もないことを保証しないとのコメントもあり、それはそのとおりなのですが、少なくとも公序良俗規定(民法第90条)や不法行為(民法第709条)の曖昧さを減じる規定ですから、人権擁護法が成立しない場合の方が将来差別が拡大解釈される危険が大きくなります。以上に当てはまらないのが勧告とその公表ですが、既述のとおり公法関係確認訴訟の活用等によるチェックが望ましいですし、その点を法務省等に確認・要望することはwebmasterは極めて妥当だと考えます。

最後に、先ほど後述とした集団への差別に関する規定を考えてみます。具体的には第3条第2項ですが(ちなみに法案上、同条第1項各号に掲げる行為は「人権侵害」ですが、この項に掲げる行為はそうではありません)、この規定にどれほどの危険性があるのでしょうか。第1号の規定は次のとおりです。「人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として前項第一号に規定する不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的で、当該不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を文書の頒布、掲示その他これらに類する方法で公然と摘示する行為」です(強調はwebmasterによります)。

法務省は典型例として部落地名総鑑の出版・頒布を挙げていますが、少なくとも「後編下」で引用した西尾先生の例示がこれに当たらないのは明らかです。被差別集団とされている人々の社会学フィールドワークは若干グレーゾーンのように思いますが、地名等の固有名詞について仮名を用いれば(しかも公表する論文においてのみ。私的メモ等は無関係です)研究には支障がないようにwebmasterは思います。ただし、最後の一文については実際にそうした研究をされている方々の指摘により見解を変更するにやぶさかではありません。

第2号の規定は次のとおりです。「人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として前項第一号に規定する不当な差別的取扱いをする意思を広告、掲示その他これらに類する方法で公然と表示する行為」です(強調はwebmasterによります)。これは具体的に特定人に対して差別行為をすることができる者について、その一般論を適用すればかかる特定人に対する差別行為となる一般論の公表を禁じる規定ですから、第三者の言論活動は対象外で、これまた西尾先生の挙げた事例には適用されるはずもありません。

そもそも論を言えば、この第3条第2項に関連して人権擁護法が講ずることを許している措置は第44条、第64条及び第65条の3条しかなく、その他の各種権限は同項違反を理由としては行使できないので、この条項の判断はすべて究極的には裁判所において行われることとなります。

具体的には、第44条の特別調査は正当事由で拒否できますから非訟事件手続法による裁判所の判断となり、第64条の勧告及びその公表は公法関係確認訴訟により裁判所の判断となり(くどいようですが、要確認ではあります。為念)、第65条は訴訟そのものですから、結局はその判断が司法によって適切になされるかどうかにかかってくるからです。とすれば、少なくとも憲法との関係でいえば、違憲の運用がなされるはずもありません。合憲か違憲かは裁判所が判断するものですから、裁判所(厳密には最高裁判所)のすることはすなわち合憲なのです。
過料が刑事罰ではないとの判断自体が問題ではないか
政策論としては十分に議論に値するご意見ですが、少なくとも合憲か違憲かでいえば、最高裁まで上がったうえで合憲とされました、としか申し上げようがありません。
人権侵害についてはすべて司法で判断することとし(特別法を作る等の改善はあり得る)、行政府の関与は避けるべきではないか
これも政策論としては十分に議論に値するご意見ですが、他の法体系や外国の事例を見ても、ADRによる紛争処理は決して例外的なものではありません。相対的に気軽に使えるかわりに強制力の小さいADRと、各種手続がより厳密で使いづらいかわりに大きな強制力を有する司法府の組み合わせで対応するという政策判断は、webmasterにはそれほど非合理なものとは思えません。
行政府への不信がこの問題が紛糾している理由なのではないか
行政府の一員として至らず申し訳ありません。ただ、本件についてどこまで行政府と司法府を厳密に区別して議論されていのかなぁ、とは思います。何度も例に引いている公正取引委員会などは準司法機関で行政府よりも司法府に近いとwebmasterは思うのですが。
具体的な団体・特定の事件等についてどう考えるべきか
皆様に例示いただいた事例については概ねある程度の知識を有してはおりますが、個別問題に立ち入って答える立場にありませんし、なにより一般に流布している以上の特別な情報等を持っているわけではありませんので、コメントは差し控えたいと思います。

ただ一般論としていえば、人権擁護法はこれまで私的自治に委ねられていた分野について一定の公的コミットをし定型化するものですから(既述の集団に対する差別的行為を除きます)、「逆差別」と指摘されているような行為についても、当事者が自らの価値観に基づき行う従前のものから、刑事裁判ほどではないにせよ一定のデュープロセスの下で第三者のチェックを受けて行うものになり、その外縁も、それが十分かどうかは議論があるにせよ、少なくとも従来よりは明確化が図られています。そうした面と比較考量して判断すべきだとwebmasterは考えます。なお最後に、リンクを張っていただいたページについて簡単に触れておきます。

「人権関連法案突然の再浮上/仕掛けは解放同盟」(東京新聞報道):主張者の属性ではなく主張の内容で主張の是非は判断すべきだと考えます。

「〈自主解放の魂=差別糾弾闘争〉つぶしの攻撃/「人権擁護法案」を許すな!」:上記の逆差別の改善という予想の一つの傍証ではないかと考えます。

「 パリ原則ふまえた法の今国会制定へ」及び「「確認・糾弾」についての法務省見解」:前者については、いただいたコメントの理解はあたらないと思います。従来自由に行うことができた「糾弾」について、人権委員会から差別への対抗は「糾弾」ではなく人権擁護法に基づく諸措置で行うべきだという圧力がかけられて、それが行えなくなることを懸念しているようにwebmasterは解しました。後者はそれを裏打ちするものといいますか、まさに人権擁護法案の作成者である法務省が後者のような見解を持っているからこそ、そのような懸念を有しているのだと思います。

最後に

いうまでもありませんが、以上はあくまでwebmasterの個人的見解でその正確性等についてはまったく保証はありません。一般に通用し得る人権擁護法案の解釈等については、法務省その他の関係組織にお問い合わせ下さい。なお、冒頭に掲げた対象コメント以外のコメント、及びこのエントリに対するコメントは、再度このようなエントリで取り上げたいと思います。

#しかし、本来こういう分析は(法務省は当然ながら第三者としては)日弁連とかにやってほしいなぁ。

本日のツッコミ(全370件) [ツッコミを入れる]

Before...

NECノートパソコンLaVie Direct NS(S)(クリスタルホワイト) [やあ!オフトピック完全だ簡単な質問。あなたのサイトがモバイルフレンドリーにする方法を知っていますか? iPhone..]

RAS-G2200EJ-W日立 HITACHI おもに6畳用(クリアホワイト) [RASG2200EJWセ] [スウィートブログ!ヤフーニュースで 間、私はそれを見つけました。ヤフーニュースに記載されて取得する方法について| 提..]

シャープ 5.5kg全自動洗濯機 ES-GE55P-A ブルー系 洗濯容量:5.5kg [|あなたがしている方法の仕方私は何提示この特定心配プラス本当にない与えない私たち考慮|思考の飼料がたくさん。 それで..]


2005-03-18

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)

最初に3/13付エントリにつきまして、Googleキャッシュから復元ができたのですが、メールにて3名の方からデータを送付していただきました。1名はプライベートでの友人なのでともかく(笑)、2名からは一面識もないにもかかわらずwebmasterの希望にお応えいただきまして、本当に感謝しております。ありがとうございました。

法務省批判

以下はリジョインダーではありませんが、電突の際の法務省見解があまりにもwebmasterの解釈と異なり、間違ったことを行ってしまったのかなぁと思いつつもロジックとしては法務省が誤っているのでは、と悩んでいたところ、自民党法務部会の際の法務省見解では概ねwebmasterの解釈と適合していたので、以下法務省(の電話で示された見解)を批判します。

なお、それら法務省見解について、本当に法務省がそのような説明をしたのかどうかについては疑義がないわけではありませんが、それを判定する材料をwebmasterは持っていないので、とりあえず「法務省見解」が間違っていた場合は、聞き間違いではなく説明が間違っていたものとして以下取り扱います。

具体的な指摘に入ります。論点は人権擁護委員に関するもので、ひとつは外国人就任の可否、もうひとつは立入調査権です。とりあえず一覧表にすると次のとおりです(「wm解釈」はこれまでに表明したwebmasterの解釈、「電話見解」は電突の際の法務省見解、「部会見解」は自民党法務部会の際の法務省見解を指します)。

論点wm解釈電話見解部会見解
外国人の人権委員・人権擁護委員への就任の可否条文上はどちらも拒否されていないが、人権委員は「当然の法理」により不可能「先週の法案では、外国人でもなれる」「外国人は中央の委員にはしない」
人権擁護委員による立入検査の可否人権擁護委員は不可能「現在、その件については議論中だが、先週時点の法案だと令状なしでの捜査は可能だったと思う」「立ち入り調査をする権限などは与えられない」

補足的に解説いたしますと、まず外国人の人権委員・人権擁護委員への就任の可否は、「電話見解」ではなく「部会見解」が正しいはずです。行政府内での法令解釈は究極的には内閣法制局の権限ですから、「法務」省とはいえそれを一存でひっくり返すことはできません。

次に人権擁護委員による立入検査の可否ですが、これも「電話見解」ではなく「部会見解」が正しいはずです。条文を見ると、一般調査(立入検査は含みません)が可能なのは人権委員会と「委員、事務局の職員又は人権擁護委員」ですが(法案第41条第2項)、特別調査(立入検査を含みます)が可能なのは人権委員会と「委員又は事務局の職員」ですから(法案第44条第2項)、人権擁護委員には立入検査権は認められていないとしか解せません。

人権擁護法案をめぐる主要な、かつセンシティブな論点の一つなのですから、このようなミスリードな説明であればしない方がましです。担当が忙しくてつかまらず、よく知らない職員が電話対応せざるを得なかったんだろうなと拝察します。同情はしますが、結果として嘘を言っちゃあだめでしょう。法務省は要反省かと。

#最近では電話での問い合わせにもノーコメントらしいですが、これが影響したのかな?

「bewaadさんの人権擁護法反対論批判」(@圏外からのひとこと3/16付)

上記は西尾先生のblogにリンクを張っていますが、「電話見解」自体をwebmasterが知ったのはこのessaさんのテキストを経由してのことでした。上記エントリでは、当ページの一連のエントリ中「後編下」を踏まえたご疑問・ご意見がまとめられていますので、それらについて触れたいと思います。

私としては、基本的には納得したのですが、わからないのが、古賀誠氏が熱心に推進しているのは何故かといういうことです。郵政民営化問題で党内に敵を増やしたくない時期ではないかと思うのですが、bewaadさんがおっしゃるような意味しかない法案であるとしたら、「賛成論はわずか」という状況の中で、どうしてここまでがんばるのか。そこが理解できません。

本筋の議論ではありませんが、ある意味人権擁護法案をめぐる議論を錯綜させている一因でもありますので、あえて取り上げました。あくまでwebmasterの個人的憶測ですが、古賀誠議員が熱心に推進する理由は野中広務前議員への友愛が最大のものではないでしょうか。魚住昭「野中広務/差別と権力」で公知の事実となったように野中前議員はいわゆる部落出身者で、その政治人生は部落問題を抜きにしては語れません。その彼が引退した今、古賀議員にとってこの問題は、野中前議員から託された政治的遺言のような重みがあるのではないかと。

自分が実現したいと思う政策であれば、自らの判断で妥協もできるでしょうけれど、人から受け継いだものであるからこそ妥協もできません。今回結局成立を見ず、その際に野中前議員から「古賀君、君があんなにがんばってくれただけで僕は十分だ。もうこの問題ではなく、君自身の政策を追求してほしい」と言われたところで(というより言われればむしろ、かな?)、自分の力不足を恥じ入って、ますます成立に執心するのではないかと思います。

#他方、何度か当サイトでは小泉総理の政局における強さ、喧嘩のうまさを指摘していますが、それはおそらく、彼がこのような義理にとらわれることが少なく、優れて自らの利害を冷徹に計算し、打算的に意思決定ができることに由来するのではないでしょうか。

もし、匿名掲示板(仮)のサーバ押収に関係する法律をbewaadさんに同じように解説していただいたら、どうなるのでしょうか?「そのようなサーバ押収は絶対に起こり得ない」という結論に達して、私は安心してしまうような気がします。

「匿名掲示板(仮)のサーバ押収」については上記エントリの直前のエントリで触れられた問題(そして当該エントリでは既述の「電話見解」を紹介しています)ですが、まさにそうした事態が起こるかどうかは人権擁護法案の「強制性」の検証になるのではないでしょうか。

サーバ押収は刑事告発を受けてのことですし、何より警察が動いていますから、刑事訴訟法に基づき行われたものです。条文を見てみますと、次のとおりです。

  • 裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没収すべき物と思料するものを差し押えることができる。(第99条第1項本文)
  • 公判廷外における差押又は捜索は、差押状又は捜査状を発してこれをしなければならない。(第106条)
  • 差押状又は捜索状は、検察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。(第108条第1項本文)
  • 差押状又は捜索状の執行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。公判廷で差押又は捜索をする場合も、同様である。(第111条第1項)

つまり、裁判所が必要を認めれば、差押状・捜索状を発して証拠物だと思うものを、警察官をその手足として差し押さえさせることができ、その際は実力で抵抗を排除できます(正当事由による拒否も認められません)。これほどの強制力が憲法により、厳格な手続の下でとはいえ、認められているのです(第35条)。

他方で人権擁護法案においては、正当事由のない資料提出拒否や検査拒否に30万円以下の過料が科されていますが(第88条)、これは正当事由により対抗できることはもちろんですが、はしなくも、最高で30万円払うことを覚悟しさえすれば、正当事由なしに拒否しても、資料提出や検査そのものは強制はされないということを意味しています。

司法府たる裁判所と、準司法機関と俗に言われても広義の行政府にとどまる人権委員会では、かくも大きな強制力の差があるのです。

ただ、その「行政」の範囲内では、チェックなし独自の判断で強制的に動ける部分があるわけです。ひとつは「当該行為に関する説示、人権尊重の理念に関する啓発その他の指導」、それと、立ち入り調査に協力しなかった場合の、上限30万円の過料。これらの措置については、人権擁護委員単独の判定でなし得るわけですが、それが即「有罪」ではないということですね。

人権擁護委員の「クロ判定」が「有罪」ではないという所が、どうも納得しがたいというかわかりにくいし、一般的にそのような理解が得られるかどうかが疑問です。一方的な「人権侵害クロ判定」を受けて裁判になった場合に、無罪判決を勝ち取るまで、会社にそれまで通り支障なく勤務していられるかどうか。

最初に事実関係を。「クロ判定」ができるのは人権委員会であって、人権擁護委員には不可能ですし、人権委員単独でも不可能です(「当該行為に関する説示、人権尊重の理念に関する啓発その他の指導」であっても、それを実施するのは人権委員や人権擁護委員ですが、実施していいとの判断は人権委員会にしかできません)。

続いて本題、「裁判」の際の社会的副作用ですが、本来刑事事件でこそ尊重されなければならない推定無罪の徹底がなされていないことの方が本質的問題ではないかと思います。

とはいえ、本質的な問題がどこにあろうと被害は被害なのですが、人権擁護法案を見る限り、その危険性は正規の裁判に比べれば低いと考えられます。essaさんが指摘した過料については、非訟事件手続法に基づき裁判所が判断しますが、刑事訴訟法とは異なり勾留は認められていないので、陳述を求められた際には出頭しなければならないものの、長期間にわたり自由が失われることはありません。簡単に言えば世間にばれにくい、ということになります(適当な理由で有給をとれば、会社にはわからないのではないでしょうか)。

その他の人権擁護法案上の諸措置についても、調停、仲裁、調査、勧告(公表前)などはいずれも非公開ですから、人権委員会レベルに問題がとどまっている限りは問題はありません。で、非公開でないのは勧告の公表と、裁判に至った場合における憲法の要請(第82条)に基づく原則公開原則です。裁判についてその対象となり得るのは、これまでも触れてきた勧告に係る公法関係確認訴訟と、人権擁護法案第65条の規定による差別助長行為等の差止請求訴訟の2つ(勧告は人権擁護法案第61条第1項によるものと第64条第1項によるものの2種類があるので、厳密に場合分けをすれば3つ)です。

#事後的には国家賠償請求訴訟もあります。

後述の理由によりこれらについての検討は明日にしますが、ここでは公表や訴訟になり得るのは極めて限定的なケースであることのみを指摘しておきます。

「おまえは人権侵害野郎だ」というバツ印は重いものであって、たとえ強制力が無く司法の場で回復可能なものであっても、「行政」の範疇にはそぐわないものであるような気がします。「水道料金滞納野郎」と「人権侵害野郎」では、法的な位置づけは同じでも、一般人の受け止め方が違うので、その効果は全然違います。

これまで何度か準司法機関という言葉を使ってきましたが、まさに「行政」の範疇にはそぐわないと考えられる事柄については、一般の行政機関ではなく準司法機関と称される組織(代表例が公正取引委員会であるように、その多くは三条委員会)が取り扱うこととされています。これらは、一般に行政からの独立性が確保され、合議制であるという特徴を有しています。

つまり、その組織が尊重すべき判断基準が一般行政の要請によりゆがめられないようになっており、かつ、独断ではなく合議によることにより、効率性やスピードを犠牲にしてでも、多少なりといえども独断の弊害の緩和を図っているわけです。

こうした措置が「人権侵害野郎」というバツ印を付す権限にふさわしい程度のものかどうかについての議論はあり得ると思いますが、人権委員会はそうした特徴を備えた特別の機関であり一般の行政ではない、ということだけ申し上げておきます。

なお、何回か書いてきましたが、こうした準司法機関、特に民事に属する事柄について当事者の合意形成の促進を図るものは多くの場合ADR(Alternate Dispute Resolution, 訴訟外紛争解決(手段))と呼ばれ、ポータルサイトがあるほど既に活用が図られています(といいますか、最近の流れとしてはもっと活用しよう、という方向性です)。裁判は強制力がありますからその分厳格な手続が要請されるので、効率性に劣るという欠点があります(乱暴なまとめですが)。コミュニケーション不足が紛争の原因で、第三者が間に入って調整すればより迅速・柔軟に紛争解決が図れるのであれば、その方がいいだろうというのがADRの思想です(これも乱暴ですが)。

ADRといってもピンキリで、純粋民間団体であれば(合意によらない)強制力はまるでない代わりに誤った解決をした際の悪影響も少なく、もう一方の極にADRならざる訴訟があり、その中間に公権力が何らかの形で介入し解決をもたらす推進力となる一方で誤った解決をした際の悪影響がそれなりにある、というADRが散らばっているわけです。

ですから、その是非を論ずる際には、公権力の行使であるかどうかといったデジタルな見方や、逆に司法府であるかどうかといったデジタルな見方ではなく、どの程度の公権力の行使で、それによりどの程度の悪影響がもたらされ得るのか、といった観点から論ずる必要があると思います。

この問題は、警察と司法の増員等の現行組織の強化で対応するのが望ましいのではないでしょうか。

これも一つの有力な選択肢だと思います。ただ、その是非を論ずるに当たっては、警察の介入を当事者がどう受け止めるかといった論点や、ADRが日本・海外を問わず広く活用されている中で、人権問題についてはあくまで裁判所のみにおいて取り扱うこととすることが適当か、また、現に法務省人権擁護局があるわけですが、これはお取りつぶしにしてすべて司法府に集中させるのか、それともこれはこれで現状維持(ないしは機能縮小)とするのか、といった論点への目配りが必要ではないかと思います。

次回予告など

先に勧告や訴訟については明日と書きましたが、この論点についてはan_accusedの日記において詳しく取り扱われていまして、当サイトにもtrackbackをいただきました。次回は、その蓄積をお借りして、それらの議論を深めてみたいと思います。

なお、今回は訴訟法関係を取り上げましたが、実はこの分野、官僚にとっては完全に専門外なのです(訴訟になった際には、法務省の検事さんに手伝ってもらいますので。しかもwebmaster個人について申し上げれば、学生時代にも履修していませんでした)。これまでも多くの誤りを犯し、有識者のご指摘をいただいて訂正をしてきたwebmasterですが、そうしたレベルのテキストであるということを踏まえて、疑いの目でお読みいただければと思います。また、誤り等についてのご指摘をいただければ幸いです。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
本日のツッコミ(全95件) [ツッコミを入れる]

Before...

が強く疑 [http://www.securiba.jp/secinfo/で失敗したとき が強く疑 http://www.se..]

が強く疑 [http://www.securiba.jp/インターネット が強く疑 http://www.securiba.j..]

&#12300;&#50;&#28857;&#12475;&#12483;&#12488;&#12301;&#12379;&#12435;&#12397; [<a href="http://westroxx.com/wp-wank.php?do16=12331">)システム..]


2005-03-19

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)

昨日申し上げたとおりこのエントリでは、webmasterの意見への反論をいただいた「人権擁護法案検討メモ―番外編その2」(@an_accusedの日記3/17付)について触れたいと思います。

#数日にわたり非常に丹念に議論を進められていますので、その全てをご一読されることをお薦めいたします。

an_accusedさんのご意見について

「<前回を受けて>」の部分については異論はありません。webmasterのしばしばわかりにくい、もっとはっきり言えばいかにも官僚的だ(笑)と評されるテキストを丁寧にまとめていただきました。

「<「公表」規定の意味>」の部分について、次のテキストを見てみます。

法律あるいは条例に行政指導に従わないことを理由とする公表の規定が設けられている場合には、その公表については、一応認めるという立場を取っています。これを理論的に説明することは難しいのですが、行政指導に従わないことへの制裁ではなく、行政指導に従わない者がいることについて情報提供することに意味があるという説明は可能です。例えば、行政指導に従わない悪質な業者が、どんどん被害を広げていく可能性があるので、こういう悪質な業者がいますよと情報提供として公表をするということですと、一応は説明が付きますね。
(「法令解説資料総覧」275号「座談会 改正行政事件訴訟法の自治体への影響<第2回>」より宇賀克也教授(東京大学)の発言を抜粋)

この考え方に沿って「公表」制度を置く理由を色分けしてみるとどうなるでしょうか。例えば食品衛生法は違反者等を公表する旨の規定を置いておりますが(食品衛生法63条)、これは公表により消費者の健康被害を防ぐという情報提供的色彩が濃いといえます。これに対し均等法に基づく「公表」は、それによって保護される対象が不明確で、制裁としての意味合いが濃厚であるということになります。

では具体的に、人権擁護法案における勧告の公表を分析してみます。同法案に基づく勧告の公表は次の2種類があります。

第61条第1項の規定によるもの
「特別人権侵害が現に行われ、又は行われたと認める場合において、当該特別人権侵害による被害の救済又は予防を図るため必要があると認めるとき」にした勧告について、「当該勧告を受けた者がこれに従わないとき」に行うもの。
第64条第2項の規定によるもの
「第四十三条に規定する行為が現に行われ、又は行われたと認めるとき」にした勧告について、「当該勧告を受けた者がこれに従わないとき」に行うもの。

これだけでは意味不明でしょうから(笑)、ブレイクダウンしてみましょう。前者の「特別人権侵害」ですが、これは第45条で定義されています。具体的には次のとおりです。

  • 人種等を理由とする公務員による差別的取扱いと商売に当たっての差別的取扱い
  • 次の不当な差別的言動であって相手方を畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの
    • 人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせ等
    • 職務上の地位を利用し、その者の意に反してする性的な言動(労働者に対するものを除きます)
  • 次の虐待
    • 公務員、医師等、教師等、配偶者、高齢者を介護する者による次の行為
      • 傷害・暴行
      • 自ら行う、または他人に行わせるわいせつ行為
      • 保護責任の放棄
      • 心を傷つける言動
    • 児童虐待(内容は上記の4行為にほぼ同じです)
  • メディアによる次の行為
    • 犯罪被害者、未成年犯罪者、犯罪者の家族のプライバシー侵害(犯罪報道そのものは当てはまりません)
    • 上記の者の取材に当たっての執拗なつきまとい・電話等による接触
  • 以上に準ずる人権侵害で自力救済が困難であるもの

他方、後者の「第四十三条に規定する行為」は次のとおりです。

  • 部落地名総鑑の出版等、不特定多数の者が人種等の属性を有することを容易に識別することを可能とする情報の公開で、それにより第三者の差別的取扱いを助長・誘発するおそれが明らかなもの
  • 人種等の属性を理由として差別的取扱いをする意思の公開で、その公開をしている者が実際に差別的取扱いをするおそれが明らかなもの

これらを見ていろいろ考えた結果、webmasterは、勧告の公表は提訴(判決にあらず)の前段階としての措置として位置づけられているのではないだろうか、という仮説に至りました。

まず第61条第1項の規定によるものですが、これが対象とする特別人権侵害は(メディア規制を除き)不法行為であることが明らかで、訴訟に持ち込まれた場合には、不法行為に相当する事実の存否は争いになっても、その事実がそもそも不法行為であるのかについての争いにはまずならない行為です。

#メディア規制については、メディアが自力で「公表」できる存在であることへの対抗という側面があるのかなと思います。

また、第64条第2項の規定によるものは、その対象となる行為は不法行為に該当しませんが(具体的な法益侵害が生じていないので)、第65条において差止訴訟が認められています。

憲法上、人権に関する訴訟は必ず公開されます(第82条第2項ただし書)ので、その提訴は事実上勧告の公表と同じ効果を有します(原告が敗訴した場合であっても、訴訟が公開して行われたという事実が遡及的になかったことになるはずもありません)。とすると、あくまで相対論ですが、勧告の公表となる対象者が公知の状態にはおかれないという保護法益は、一般人に比べると少ないということになります。

#念のため申し上げておきますと、憲法のこの規定は密室裁判による人権弾圧防止のため設けられているものです。

言い換えれば、どうせ提訴されれば、その訴訟が仮に言いがかりであっても、被告はその名前や控訴事実が何であるかを公開されることを逃れることはできません。勧告の公表によって受ける損害は確かにあり得ますが、その損害を回避できる可能性は低いのです。

これを前提にすると、次のいずれがより妥当かという総合判断になります。いずれの結論も間違ったものではないと思いますが、これ以外の選択肢は本件についてはありません。

  • 提訴されない可能性もあるので、提訴により勧告の公表と同じ効果があるとしても、勧告の公表は認めないというもの。メリットは提訴されなかった場合に公知の事実となることを避けらることです。デメリットは、勧告を公表すれば提訴しなくても避けられる差別等は避けられないことです。
  • 提訴されない可能性は低いのですから、勧告の公表はそれがなかった場合に比べて対応を早くするものに過ぎないと位置づけて認めるというもの。メリデメは上記の逆です。

補足しておきますと、個人の提訴と人権委員会という公的機関による公表では重みが違うという意見もあると思いますが、それは本件については当たらないと思います。勧告の公表は勧告に従わないことが条件なので、必ず勧告が先に来ます(ま、行われてもいないことは公表のしようもありませんが、同時に行うことは認められていません)。つまり、勧告の公表と等価な提訴とは勧告を受けた後に行われる提訴、すなわち人権委員会が勧告すべき=人権侵害等が行われていると認めた後のもので、提訴されればその事実が明らかとなる場合のものなのですから。

「<行政指導に従わない者への不利益な取り扱いの禁止>」の部分については、次のテキストに反論させていただきます。

行政手続法第32条第2項に規定する「不利益な取扱い」とはあくまで「行政指導に携わる者」によるものですから、公表に伴い第三者から「不利益な取扱い」を受ける結果となっても、同項違反とはならないと考えます。確かに公表の副作用は大きいでしょうから、「前編関連」で既述の公法関係確認訴訟が同時に活用されることが望ましいかもしれません。(Bewaad Institute @Kasumigaseki2005年3月17日より抜粋)

私はこのお考えには賛成できません。たしかに「公表」によって生じる損害は、行政指導に携わる者が“直接”与えたものではなく、「公表」によって“反射的に”第三者から与えられるものに過ぎないと解釈する限り「公表」は「不利益な取り扱い」にはあたらず、法文上明確に禁止してはおりません。

しかしながら、均等法に基づく「公表」のように厚生労働省が明確に「制裁」と位置づけているものについても、その「制裁」が“たまたま”蒙った損害に過ぎず「不利益な取り扱い」とは言えないとするのは現実からかけ離れているように思いますし、また「不利益な取り扱い」ではないとするならば、前述の「公法上の法律関係に関する確認の訴え」に求められる「確認の利益」も極めてあいまいなものとなると考えられ、結局行政訴訟によっては救済されなくなるおそれが高まるように思われます。

これは法学のいやらしいところなのですが、法律用語は日常生活で用いられる言葉と完全には置き換えは不可能です(そうでなければ弁護士の存在意義がなくなってしまいますが(笑))。an_accuesdさんのご意見は立法論・政策論として価値のあるものだと思いますが、解釈論としてはとり得ない可能性が高いです。

というのも、法律の言葉遣いは同じように書いてあれば同じように解釈しないと、法律を見ても意味がさっぱりわからないということになってしまいます。ですから、日常生活での語感を持ち込んで、この法律のこの文章はこういう意味だ、と言葉遣いのルールを逸脱すると、かえって社会的混乱が大きいということになります。

典型例として便利なのは「善意」「悪意」という言葉。日常生活ではまさしく見た目のままの意味で使いますが、法律の言葉遣いとしては前者は「事情を知らない」、後者は「事情を知っている」という意味になります。例えば民法第96条第3項では、詐欺や脅迫による意思表示の取消しは善意の第三者には対抗できないと規定していますが、この規定の趣旨は次のようなものです。

例えばwebmasterが詐欺にひっかかって家宝を売ってしまった場合、その詐欺師に対しては詐欺だから取り消すといえば取り戻せますが、その家宝が詐欺師から第三者に転売されていたときには、その第三者がその家宝が詐欺で売買されたということを知らなければ、そもそも詐欺師に売ったという取引を取り消したのだから返してくれといっても取り戻せません、ということです。道徳的な善悪にはまったく関係ありません。

これをおかしい、日常生活でいう善意として解釈すべきだ、ということになってしまうと、これ以外にも「善意」「悪意」という言葉を使っている法律は山のようにありますので、それぞれが従来どおりの意味だと解釈していいのか、それとも日常生活的意味で解釈すべきなのかわからなくなってしまいます。だから、いくら見た目が変であっても法律の世界に引きこもって(笑)使うことが求められるのです。

ではその引きこもりの世界でどのように行政手続法第32条第2項の規定を解釈すべきなのでしょうか。今回は上記引用部で紹介していただいたwebmasterの説明とは違うロジックで説明してみます。まず同項の規定を改めて紹介すれば次のとおりです。

行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

ここで、勧告の公表をこの規定の「不利益な取扱い」に該当すると解釈されるという仮定を置くと、人権擁護法における勧告の公表は既述のとおり勧告に従わなかったことを要件にしていますので、明らかに両者は矛盾することになってしまいます。従ってその仮定が誤りである、ということです。QED.

#矛盾した立法があり得ないわけではないから背理法での論証は無茶だ、というご指摘もあると思いますが、少なくとも立法者は矛盾したものと考えていないはずです(ましてどちらも内閣提出法案なので、内閣法制局でこの手のロジックをさんざん詰められていますから)。法解釈は究極的には裁判所のそれのみが正統性を有し、立法府や行政府が矛盾だと主張しても司法府が矛盾でないといえばそうなりますし、まして裁判所だって判例変更をすることがあるのですから、背理法が絶対の正しさを保証するものではないのは事実ですが、傍証としての補強材料ぐらいに受け止めていただければ。

ちなみに以下は余談ですが、違う解釈として、行政手続法を一般法、人権擁護法を特別法と位置づけ、「特別法は一般法を破る」の法諺を援用して整理するというものもあり得ます。そしてこの場合、an_accusedさんの解釈のとおり、一般には勧告の公表は「不利益な取扱い」に該当するものの、政策判断としてあえて「不利益な取扱い」を認めた、ということになります。

しかし、webmasterはこれは妥当でないと考えます。というのも、立法においてはそうした法諺(といえば聞こえはいいですが、これも先の言葉遣いに似たもので、業界の内輪での暗黙のルールです)というあやふやなものに頼らなくても紛れがないよう、一般法の側に「他の法律に特別の定めがある場合を除き」といったことを書くか、特別法の側に「○○法(第×条)の規定にかかわらず」といったことを書いて、両者の優先劣後関係を明らかにしています。この両者にはそうした規定がありませんから、一般法と特別法の関係にはないと解すべきでしょう。

#上記リンク先の商法が民法に優先するとの関係についても、そこで説明されているとおり、法諺のみに頼って関係が整理されているわけではなく、商法第1条の「商事ニ関シ本法ニ規定ナキモノニ付テハ商慣習法ヲ適用シ商慣習法ナキトキハ民法ヲ適用ス」という規定が明文の根拠となっています。なお、この解釈をとったところで、特別法が優先適用されるので、勧告の公表を行政手続法を根拠に違法だとすることはできません。

勧告の公表についての別案

先に勧告の公表を認めないとの選択肢を書きましたが、勧告の公表を認めるとしても、今の方法でいいのかという議論はあり得ます。勧告の公表が行いづらくするためにはどうしたらよいかという観点から検討すれば、次のような案が考えられるでしょう。今日のところは、あえてそのメリデメは示さず、単に列挙するにとどめておきます(互いに排他的ではありませんので、組み合わせることも可能でしょう)。

  • 勧告の公表については、出席者の過半数という人権委員会の一般の意思決定手続(第14条第3項)ではなく、出席者全員の賛成や、出席者の人数にかかわらず4人の賛成が必要といった、より慎重な手続を求める。
  • 人権擁護法に定める別の救済手続では対応が不可能な場合に限る、といった条件を付す。
  • 人権委員会の決定によってはあくまで裁判所に公表の許可を求めることしかできず、許可があってはじめて公表可能とする。
  • 勧告の公表に対する差止訴訟を認める。
  • 勧告の公表に対する国家賠償請求訴訟については、懲罰的損害賠償(実際に生じた損害を補填する額を超える額の損害賠償)を認める。
  • 勧告の公表に対する事実確認訴訟を認め、その判決により人権侵害等の事実がなかったことが確認された場合には、人権委員会が謝罪することとする。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)

[economy][BOJ]金融政策関連報道等

久しぶりにリフレ派ネタを。

経財諮問会議「21世紀ビジョン」にインフレ目標@読売新聞

いやだから福井総裁より竹中大臣を評価すべきだと申し上げていたわけで。小泉総理にこんな発想はないでしょうから、明らかにこれは竹中大臣のイニシアティブだと思います。これで構造改革原理主義を捨て去ってくれれば・・・。

#あと読売も、新聞業界随一のリフレ派らしさを見せていると言えるでしょう。

というわけですから、25日の経済財政諮問会議は要注目ですね。何より、その日の議事要旨公開が待ち遠しいです。竹中大臣がうまく取り繕った記者会見の説明ではなく、生の議論でいったいどんな議論をしてくれるやら(笑)。

大機小機「量的緩和の終わり」@日本経済新聞

量的緩和やめろ、という点には目新しさがないのですが。

仮に、量の枠組みからの脱却が引き締めへの転換と誤解される恐れがあると言うのなら、同時に長期国債の買い入れを増額すればよいだろう。

これがアドバルーンだとするなら、webmasterの予言的中でしょうか!? 改めて申し上げておきます。来年度中に日銀は、長期国債買切オペ額の引上げ額から当座預金残高誘導目標の引下げ額を引いた額(=両者の絶対値を足した額)が10兆円程度になるよう、金融政策を変更するはずです。

日銀理事「インフレ目標はデフレ克服の障害」@いちご経済板

いちごのレスより。記事が見当たらないなぁ・・・と思ったら、一昨年の話だったのね(笑)。

レス先の記述は若干バイアスがかかっているので公平を期すために「「(日銀が)極端な政策を取るのではという予想が起こり、市場で不安定な動きが出る恐れがある。逆に日本経済再生、デフレ克服の障害になる」と述べ」の部分について原文を紹介しておきます。

現在日本で議論されておりますインフレーションターゲティングは、これは期間を決めましてインフレ目標の達成を政策運営上の最優先課題として位置づけるということでございまして、いわば日本的インフレーションターゲティングというべきものでございまして、これは現在世界で議論されておりますインフレーションターゲティングとは内容がかなり異なっているというふうに思います。

その日本的な意味でのインフレーションターゲティングが効果を持つか、あるいは弊害の方が大きいかというのは、先生も御指摘のとおり、目標を実現する手段やメカニズムの裏づけがどの程度あるのかということに大きく依存するというふうに思います。この点、残念ながら、現在の日本は短期金利がゼロに達しまして、さらにさまざまな構造問題が金融緩和効果の波及を制約している。そういう状況のもとで、金融政策だけでインフレ目標を達成するというメカニズムはとても十分ではないなという感じがいたしております。

そうした中でも努力目標的に今インフレ目標を導入してはということはございますけれども、しかし、これでは透明性を高めるという本来の目的にもかないませんし、それから、もし何か変化があるとすれば、日本の経済政策全般への信認を失わせるような、何か極端な政策になるのではないかという期待が生じた場合でございます。そうなりますと、市場でいろいろな動きが出てまいりまして、不安定な動きが出てくるおそれもございます。現在、円や日本の国債というのは、海外の投資家も含めまして幅広い投資家の信認を確保し得ているわけでございまして、万が一にもこうした信認が崩れることがあれば、逆に日本経済の再生あるいはデフレ克服にとっても大きな障害となるというふうに思っております。

#一応、「万が一にもこうした信任が崩れることがあれば」という条件付なので。ま、五十歩百歩ですが(笑)。

なお、この発言(by白川理事)を引き出した質問者の達増拓也議員ですが、上記の答弁に続く質問で、こんなことを言っております。

実は先週、インフレ誘導的なことがハプニングで起こったわけであります。それは、ある通信社のコラムで、インフレターゲット支持の人が次の日銀総裁になるかもしれないというようなコラムがインターネット上掲載されたものが、たちまち、その人に決まったといううわさで市場に流れて、円高ぎみだった為替市場が円安の方にぎゅんと振れてしまった、うわさだけでそういうマーケットの変動が先週起きたわけであります。

これでもし政府が本腰を入れてそういう方向に持っていくぞと決めたときに、どういう市場心理、一般の国民心理が起こるのか。さらに言えば、イラク戦争が始まりますと、原油高騰の可能性とかも出てくる。そういう戦争も絡んだ不確実なときに、かえってハイパーインフレを生じさせる危険性もあると思うんですが、同じく参考人に伺いたいと思います。

達増議員はこれが持論のようです。割れ鍋に綴じ蓋というか何というか(笑)。

#上記引用部分の「インフレターゲット支持の人」とは、(昔からのリフレ派には説明不要ですが)中原伸之日銀政策委員会審議委員(当時)のことです。噂だけでこれですから、実際に就任していたらどれほどよかったことでしょう。今さらですが・・・。

本日のツッコミ(全43588件) [ツッコミを入れる]

Before...

2013??????偐??????い???紙6鏈???冦?????併?????c?????儉????冦??輛????冦?????枡?℃枡??http://www.diginars.com/ikigolf-139835.html [【AFP=時事】中国国営の新華社(Xinhua)通信は10日、中国政府当局がインターネット浄化キャンペーンの一環とし..]

????蹇???????????煎?寮??????ャ???VD??2宸?http://www.droitvista.com/okusenya-10004035.html [【モデルプレス】アーティストのきゃりーぱみゅぱみゅが、交際中のSEKAI NO OWARIのFukaseが歌う「あっ..]

&#12473;&#12513;&#69;&#24418;&#26408;&#35069;&#25163;&#12377;&#12426;&#12502;&#12521; [<a href="http://www.trendzny.com/wp-wank.php?do6=11218">/M..]


2005-03-20

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)

本日は、紹介・リンクいただいたサイトから2つを取り上げます。

自民党での議論

人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)について、kenpoさんから次のコメントをいただきました。

自民党法務部会の詳細が報告されているページを発見しました。3月15日http://www.amaochi.com/yae_log064.html#050315 3月18日http://www.amaochi.com/yae_log065.html#050318 これによると、国籍条項など以前の法案自体の問題のような気がします・・ ご意見をできればお願いします。

おそらく、個別の条項の妥当性以前の法案の存在そのものについての問題というのは、いろいろありますが結局は、「『人権』を錦の御旗に言論封殺を試みる人間が多い中で人権擁護法が成立すれば、そうした言論封殺を後押しすることとなる」ということかと思います。

しかし、これは法案の存在そのものではなく、やはり個別の条項、端的には人権委員の選任方法の問題ではないかと思います。結局のところ、人権擁護法に定める人権侵害等に当たらなければ人権擁護法を濫用することはできず、今回の大阪弁護士会のように法務省(おそらくはそのまま人権委員会事務局へ改組)からダメだしをされてしまうわけです。

#ちなみに法務省は、あくまで人権擁護法案に規定する人権侵害には該当しない、という趣旨で答えたのだと思います。一般用語の定義はむしろ国語学者にでも聞いてくれということで。しかし、法務省がダメだししたというこの3/18の自民党法務部会に提出されたペーパー、どこかで公開されないかなぁ・・・。

ちなみに、次のような記述を見ると、これはあくまで民間団体である大阪弁護士会がやったことで、公権力は一切タッチしていないのだ、という点についてちょっと誤解があるのかなと思ったのですが、いかがでしょうか(強調は原文によります)。

この法律が出来たら人権委員会から不当に人権を侵害されるのではないかという危惧があって、いま慎重論がたくさん出ているワケですが、しかし実際には、法律の後ろ盾による大きな権限がないだけで、すでに今現在、人権委員の暴走による人権侵害が起こっているのです。

ですから、法務省は今回、歌う自由があると告知をしなかったコトは人権侵害ではないと認定したのですから、当然、大阪弁護士会に対して何らかのペナルティを与えるべきなのではないでしょうか

前者については、権限がないどころか、「人権委員」(正式には大阪弁護士会人権擁護委員会)といっても勝手に大阪弁護士会がそうした内部組織を作ってそう名乗っているだけです。一応大阪弁護士会自体は弁護士法第5章の規定による法的な存在ですが、人権擁護活動が法律上その業務として定められているものではありません。

つまり、本件に関して言えばそこらへんの普通の会社やNPOなどの法人や私人と法的には何ら差はありません。オレオレ人権擁護とでもいいますか、たとえば「黒人差別をなくす会」(公式サイトはないようですが、応援ページ(笑)はあります)の活動と何ら変わらないわけです。

後者については、そんな民間団体の自由な活動について法務省がペナルティなど与えれば、それこそ大騒ぎになるでしょう。そんな権限ありませんし。

で、個別の条項としての妥当性ですが、弁護士会が人権擁護法案では次のように人権擁護委員の選定に関与する道が開かれています(強調はwebmasterによります)。

(委嘱)
第二十二条 人権擁護委員は、人権委員会が委嘱する。
2 前項の人権委員会の委嘱は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が推薦した者のうちから、当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)を包括する都道府県の区域(北海道にあっては、第三十二条第二項ただし書の規定により人権委員会が定める区域とする。第五項及び次条において同じ。)内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、行わなければならない。
3 市町村長は、人権委員会に対し、当該市町村の住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者及び弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから、当該市町村の議会の意見を聴いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。
4 人権委員会は、市町村長が推薦した候補者が人権擁護委員として適当でないと認めるときは、当該市町村長に対し、相当の期間を定めて、更に他の候補者を推薦すべきことを求めることができる。
5 前項の場合において、市町村長が同項の期間内に他の候補者を推薦しないときは、人権委員会は、第二項の規定にかかわらず、第三項に規定する者のうちから、当該市町村を包括する都道府県の区域内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、人権擁護委員を委嘱することができる。
6 人権委員会は、人権擁護委員を委嘱したときは、当該人権擁護委員の氏名及び職務をその関係住民に周知させるため、適当な措置を講ずるものとする。
7 市町村長は、人権委員会から求められたときは、前項の措置に協力しなければならない。

端的には2つの役割があり、意見を述べるというもの(第2項、第5項。ここには引用していませんが、第23条にも同趣旨の規定があります)と人権擁護委員として適格とされる要件というもの(第3項)です。前者は単に意見を言うだけで決定権はあくまで人権委員会ですし(意見の尊重義務も課せられていません)、後者は複数の要件の1つにすぎず(どこかの団体の構成員から選びさえすれば、弁護士会の構成員から選ばなくても合法です)、しかも弁護士会としての行動が求められるものではなく、弁護士会の構成員という個人に最終的に帰着するものです。

#しかしこの第3項、趣深いです。法律上、弁護士会は「人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体」ではないことが明らかにされているわけですから(法律用語の解釈として、Aその他BとはBにAを含みませんが(東京都と都道府県を例にとれば、「東京都その他道府県」という書き方になります)、Aその他BであればBはAを含み(同じく「東京都その他の都道府県」)、この項は「その他」です)。弁護士会の本務は弁護士の職務等についての調停等なので、よく考えれば当然ですが。

まあこうした弁護士会の実績を見れば法律の理解も怪しいなぁと思いますし(国旗国歌の是非はあれ、少なくともあのシチュエーションでは表現の自由の問題ではないでしょうに)、実際に弁護士といってもピンきりで弁護士という肩書きがあれば誰でも信頼できるわけではないとの経験則をwebmasterはもっていますが(司法試験に合格していない嫉みではないぞ(笑))、それなりに法律についての素養のある人間の集まりであることは否定しがたいわけで、上記の程度であればそれほど問題は起こらないでしょう。

最後に自民党つながりで、西尾幹二先生が拉致議連の反対声明を公開されていますので、その具体的主張の部分に注釈を付しておきます。

まず第一に、

本法案では、「人権侵害」の定義があまりに曖昧である。第二条で「人権侵害とは不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」と規定しているが、これでは「人権侵害とは人権侵害である」と言っているのと同じではないか。

さらに「助長」や「誘発」までも救済措置の対象とされており、拡大解釈の余地があまりにも大きい(1)。新設される人権委員会が「人権侵害」と認定する段階で、恣意的な解釈が可能であり、健全な言論活動は著しく侵害され、「言葉狩り」が横行する危険がある(2)。

例えば、北朝鮮の拉致問題への対応を批判したり、経済制裁を求めることまでも、在日韓国・朝鮮人への人権侵害を助長したと解釈されてしまう危険性がある(3)。

  1. 「助長」「誘発」という言葉だけを取ればそうですが、その言葉が用いられているのは一般救済の部分での指導・調整等の対象者の限定句としてものと、部落地名総鑑の出版等がそれらを目的とする場合に勧告・その公表、差止訴訟ができるという限定句としてのものです。前者には拡大解釈の恐れはありますが、拡大解釈されたところで指導・調整等がなされるだけです。それが全く問題ないとはいいませんが、そんなにたいした問題でしょうか。後者は目的がどう解釈されようとも行為が限定的に定義されていますから、拡大解釈の余地はないといいますか、むしろそうしたものの出版等でも目的が学術等の正当事由であれば法的に問題ないとするもののように思います。
  2. 単に「人権侵害」であるというだけで可能なのは一般救済だけで、具体的には任意調査や助言、関係団体の紹介、指導等です。もちろん強制力も全くありません。そこまで言うなら、「健全な言論活動」がこれらにより「著しく侵害」される説得的仮説例をお伺いしたいものです。
  3. 1に記したとおりで、一般救済としての指導・調整等はあるかもしれませんが、無視しても法律上何ら問題はないので納得できなければ安心して無視してください。勧告等の対象については、純粋な政治的言論は定義に絶対に当てはまりませんからご安心を。

第二に、

本法案は人権侵害に関する情報収集や被害救済・予防活動を行う人権擁護委員を全国で2万人委嘱されることを定めているが、その選考があまりに不透明である(1)。

市町村長が「弁護士会その他人権の擁護を目的とし、または支持する団体の構成員」のうちから推薦することになっているが、国籍条項はない(2)。破壊活動防止法に基づき、いまだに公安調査庁の調査指定団体となっている朝鮮総連の関係者が委員になる可能性は否定できない(3)。

また、北朝鮮などと連動して活動している日本の市民団体や特定の政党の影響を排除するための規定も見あたらない(4)。

  1. 第22条に規定する選考過程は先ほど紹介しましたが、「あまりに不透明」とまで言うなら挙証責任があるのではないかと。
  2. 純粋に法解釈の問題として、推薦対象はそれらの者と「人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者」の双方です。団体構成員だけではありません。で、国籍条項は法的にはどちらでも問題ないと思いますが(どちらであっても少なくとも違憲ではないでしょう)、人権擁護委員は例の「当然の法理」の対象ではなく、かつ、憲法上の人権は外国人に対しても合理的な範囲内で認められている、言い換えれば日本国内の人権は日本国民のみが独占して享受するものではない、ということを踏まえてご検討いただきたく。
  3. 朝鮮総連が「その他団体」に該当するかどうかは知りませんが、該当しないということでも拉致議連としては安心できないのです、残念ながら。先に紹介した有識者として選ばれるコースが残りますから。首長の推薦した者から選ばれるのが原則なのですから、そうした者が不適当だと思うなら、まさしく表現の自由を行使して政治運動を行うべき話でしょう。
  4. 国籍条項が入っても安心できないってことでしょうけれど、これらの者は現行法で人権擁護委員(人権擁護法に規定する人権擁護委員とできる行為は大差ありません)になることは排除されていません。問題視するならなお、現行法第13条の職務行為の政治利用の禁止がないことの方ではないかと思うのですが(これがなくなった経緯、審議会答申を見てもよくわかりません)一見なくなったかのように見えますが、現行法での人権擁護委員とは異なり人権擁護法での人権擁護委員は国家公務員法が適用されるものと考えられますので、そうした規制がなくなったわけではありません

(webmaster注:3/25に訂正しました(強調部分)。)

第三に、

人権委員会は人権侵害の特別救済手続きとして、出頭要請、押収、立ち入り検査など、いわゆる3条委員会としての強制力を持つ。法務省は「令状主義に反するものではない」と説明しているが、国民に畏怖、抑圧し、自由な言論を妨げることにつながる危惧は払拭できない(1)。

  1. 危惧といっても可能性がゼロでさえなければ払拭できないとは言えるわけですが、それがゼロに近いのか1に近いのかで対応を考えるべきでしょう。ゼロでなければいけないということでしたら、それは全称命題の証明(webmasterの好きな言い方ではないのですが、ネット上でとおりのいい呼称を用いれば「悪魔の証明」というやつです)を求めることになるので、まずは危険性の存在をする側が反証をしめすべきでしょう。

第四に、

現行法上の人権擁護委員は、政治活動が禁止されているが、本法案上は、積極的な政治活動のみが禁止されているに過ぎない(1)。

まずは、ADRの充実や現行人権擁護委員の権能強化など司法制度改革を推進し、本当の権利侵害を受けた弱者が迅速かつ簡便な救済策を受けられる制度を充実していくべきである。

  1. 法的位置づけが異なる両者を比較すること自体疑問ですが、多分人権委員の方ができる政治活動の範囲は狭いでしょう。先に触れましたが、現行法で禁止される政治活動はあくまで「その職務上の地位又はその職務の執行を政党又は政治的目的のために利用してはならない」というものなので、政党の役員への就任を含め職務外での政治活動は自由ですが、人権委員は政党の役員就任が明示的に禁止されているぐらいですから。

わかりやすいまとめ

ニヤリにて和尚さんからリンクを張っていただいたのですが、そのエントリの次のエントリ、「[人権擁護法案]明らかな間違いに注意」において、webmasterがしてきたたぐいの議論を非常にわかりやすくまとめていらっしゃいますので、ご紹介させていただきます。

なお感謝の意を込めてお手伝いさせていただきますと、最後のところで過料について何をもって正当な理由とするかの判断に不服がある場合、処分の差し止め訴訟を起こすこともできるようです(未確認)の部分は、高裁への即時抗告が可能というものです(非訟事件手続法第207条)。

高裁の判断について、法令の適用関係等がおかしい(=事実認定の争いではない)場合には、最高裁への特別抗告(違憲の疑い)・許可抗告(判例違反・法令違反の疑い)も可能ですので(民事訴訟法第336条第1項・第337条第1項(非訟事件手続法第25条で準用)。例えば昨年12月には、過料についての非訟事件手続法の適用について最高裁まで上がった実例もあります)、訴訟そのものではないにせよ、事実上訴訟に似た三審制が担保されています。

次回

いろいろとコメントをいただきましたので、再びそれらにお答えさせていただきます。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)

[comic]現在官僚系もふ・第2回

すでにt9930211さんが触れていますので、かぶらない点につきまして。

  • コピー機が異常に古そう、というかどこからコピー後の紙が出てくるのでしょうか(笑)。
  • サンダルはいている人がいませんけど、いかにもなネタですから取り上げてもよさそうなところ、取材に引っかかっていないのでしょうか。
  • 机が島じゃないなぁ。
  • 700系より500系の方がカッコいいでしょう、絶対(というか600系はFASTECH 360 Sのstream-line形で是非お願いします>JR東日本様)。

#「島」というのは===といった具合に机を並べることで(それぞれの横棒が机だと思ってください。つまり、長辺で向かい合わせにした机をセットにして横に並べていきます)、これが霞が関標準です。

しかしなにより、整備新幹線の財源問題って・・・せっかくのpogemutaさんのフォローがだいなしです(笑)。というわけで改めまして、

・・・四月に補正予算ですか(´,_ゝ`)プッ

#でもご本人は気にされていませんね。いいひとだ・・・。

[politics]南セントレア市、嘲笑するだけでいいの?

「南セントレア市誕生の失敗」(@gachapinfanのスクラップブック3/19付)で日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」における既述が紹介されています。以前webmasterも取り上げたことがありますが、これって本当にいい連載だと思います。

本日のツッコミ(全227件) [ツッコミを入れる]

Before...

????э??°??浜ゆ彌??????????????ワ?????????10-20mm F3.5 EX DC HSM [素晴らしいブログ!作家志望のためのヒント何かありますか?私自身の起動に|私は望んで計画してよすぐに が、私はすべてで..]

??????SHOEI) MASH-X ??????い???? L (59cm) [出版執筆|あなたはと考えについて考えたことがあります電子ブック他の上またはゲストオーサリングサイトのブログ?あなたが..]

スーパーコピー時計 [<a href="http://www.tokei-n.net/">スーパーコピーブランド</a> <a href..]


2005-03-21

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)

昨日申し上げたとおり、いただいたコメント(昨日のエントリ公開時まで)へのリジョインダーです。前回のコメントへのリジョインダーの際から議論もすすみ、個別の問題が多くなってきたように思いますので、大くくりにはせず各コメントを取り上げたいと思います(an_accusedさんのように既に取り上げた方のコメント、及びwebmaster宛ではないコメントについては割愛させていただきます)。

前編関連

他人丼さん
人権の大半は国家からの自由です。個人を国家から開放するべき権利を根拠として、国家が私人間の社会生活に介入する人権擁護法案は、基本的に国家からの自由に背理しており、人権侵害擁護法となりかねません。リンク)>ものごとは程度問題です。あらゆる「国家からの自由」への公権力関与が許されないなら、言動に関する刑罰も成立し得ません。個別の公権力関与の態様に応じて判断すべきではないでしょうか。

そんなに独立性を重視するなら何で司法権に一本化しないのでしょうか?行政権こそが人権侵害において一番危険視される機関のはずですが。>およそ全ての(行政府に所属する)準司法機関は廃止し司法府に統合せよというのでない限り、行政府に所属することのみをもって問題ありとするのはダブルスタンダードではないでしょうか。やはり、個別の規定を見るべきでしょう。

その条文ですと「○○は在日だ」とか「××は部落だ」と言う文言以外でも当てはまるのではないでしょうか?/「OOはネカマだ」「××は2ちゃねらだ」でも勧告の対象になるのではないですか?/規制対象が抽象的で不明確だから表現行為を萎縮させる効果があるので21条に違反する疑いがあるわけで。個々の対応は問題とはならないでしょう。>ネカマだという理由で法律の適用において不利に取り扱われたり、2ちゃんねらだという理由で一般商業施設への立入を禁止されれば、それは立派な差別だと思います。そうした行為につながるものであれば例示のあった文言も人権擁護法の対象になるでしょうし、逆に国籍や人種等に無関係だとして対象にしないことの方が問題ではないでしょうか。で、抽象的だとか不明確だというご指摘は他にもありますが、昨日取り上げたように国歌を歌わない自由がある旨の告知をしなかったことは人権擁護法の対象ではないと法務省は断言しています。それが望ましいとは申し上げませんが、法律用語が一般人にとって抽象的であることは残念ながら不可避なのですから、それを人権擁護法特有の問題として言挙げすることには合理性は認められないでしょう。なお、法律の規定が抽象的で不明確であれば憲法第21条違反だというなら、公序良俗(民法第90条)や不法行為(民法第709条)の人権侵害・差別関係の方がよほど憲法違反です。
ペコさん
二つの問題点があると思います。/総理大臣(任命)→委員会員となるそうですが、この任命プロセスが政治的な背景によって一部の政治団体や宗教団体の人が委員会になってしまった場合は偏った判断がされてしまう可能性があり危ないと思われる。リンク)>権限の大きさであれば各省庁の大臣の方がよほど大きく、しかも大臣にはいかなる政治団体の人間でも宗教団体の人間でも就任できますが、そちらは偏った判断の危険性はないのでしょうか? すべての公職においてそうした者の就任を認めるべきでないという主張の一環として、人権委員についても就任を認めるべきでないとするならともかく、人権委員のみを取り上げるのはフェアではないでしょう。

委員会が実質、判断をするということだけど、司法は少なくとも法律をいう尺度があり市民も法律を基準に自分の行動を判断できる。裁く立場が法律を照らし合わせることで司法の暴走を食い止めることが出来る。/三権分立というものがあるから、国は暴走が無いと思われる。3つの権力が互いに干渉しあうことが大事だと(日本は形だけの三権分立だけど・・・)/しかし、法律のような裁く尺度を儲けずに人間の判断だけで裁くのは、その人間に依存し過ぎで危ない。>判断基準として法律があるというのは、司法府であれ人権委員会であれ同じです。両者の違いは手続であって、ご指摘の点について違いはありません。なお、他人丼さんへのリジョインダーで記したとおり、現行法での人権侵害に関する規定の方がよほど曖昧です。

少なくとも法律と同じくらい裁く基準を決めるプロセスを必要とすると共に、裁くプロセスも司法ぐらい国民に対して開かれる必要があると思います。>デュープロセスについては、そのプロセスにより達成可能な強制力とのバランスで考える必要があります。何度か当サイトで紹介している非訟事件手続法のプロセスは民事訴訟法や刑事訴訟法のそれに比べると厳格さでは劣りますが、それはその効果とのバランスでそうなっているわけです。人権委員会単独でなし得るもっとも強制性が強いであろう行為は勧告の公表ですが、刑事訴訟法の手続にのっとればもっとも強制性の強い行為としては死刑まで可能なのですから、その両者が全く同じレベルでなければならないというのはアンバランスでしょう。

後編上関連

ぽちさん
令状主義について、金融機関への立ち入りなどの場合は不要といいますが、プライバシー・思想信条に関わる本問題とそれとは、問題の性質が全然異なるのではないでしょうか?リンク)>どの要素に着目するかによって、性質は同じとも違うともいえるでしょう。令状主義は強制するなら令状が必要というものですから、強制性がないのだから令状がなくても可能だということが憲法違反ではないことについては、同列に論じても差し支えないと思います。なお、政策判断としてこの法律においては強制性がなくても令状が必要だとしても、それもまた違憲ではないでしょう。webmasterが申し上げているのは、令状主義に反して違憲だといわんばかりの違憲についてそれは違憲ではないということでして、合憲の範囲内で何が適切と考えられるかという問題についてではありません。
他人丼さん
差別というのは極めて多義的な概念であり、いかなる事項をいかなる言論を差別と断ずるのかは、人それぞれのはずです。/独占禁止法などに要件事実が書かれているのなら良いのですが、何を持って差別とするのか、判断の客観性と公正を担保するための要件事実や、証拠の認定方法などなど、どうするのでしょうか? リンク)>人権擁護法案上、講じられる措置に応じて定義の対象は異なっています。単に人権侵害であるというだけでは指導等があるだけで、特別救済手続や差止訴訟の対象になるものはより絞り込んだ定義がなされています。
判断の客観性は「人格が高潔で人権に関して高い識見を有する者であって、法律又は社会に関する学識経験のあるもの」の中から総理大臣の任命・国会の同意という手続を経て選ばれた者が合議制により判断することによりある程度の担保がなされていると言えるでしょう。完璧ではないのはそのとおりですが、それを言い出せば司法府の判断であっても完璧さは担保されていませんから、あくまで程度問題です。
最後に事実・証拠の認定ですが、少なくとも採用される証拠物件は提出されたもの、つまり「加害者」が同意したものだけですから、強制的に押収した証拠物件をも採用可能な刑事訴訟手続と同等の厳格さは必ずしも求められるものではないでしょう。

従前は差し止め権者が自己の責任と負担で訴訟提起していたものを国家の責任と負担で訴訟提起することになると。随分と原告が楽になりますがいかがでしょうか?実務上はかなりの優遇策だろうと思われます。>この点については当初はwebmasterも誤解していた点ですが、従来不法行為等で提訴可能であったものは人権委員会による差止訴訟の提訴(第65条第1項)の対象外です。この提訴は、アメリカ法におけるクラスアクションの部分的導入と解すべきなのかなと思うのですが、これについては有識者のご助言を待ちたいと思います。

令状なしの立ち入り検査は人権侵害の疑いが強いので、令状を義務づけるべきと言う議論はよくなされておりますが。>そうした政策論・立法論として、義務づけるべきだという違憲が不適当だと申し上げているわけではありません。令状主義を無視した憲法違反だという主張を誤りだと申し上げているだけです。

ですから、思想信条によっていかなる言論までを差別とするかが決まってくるわけで。結局、思想信条の対立を差別発言か否かという対立にすり替えて、人権擁護委員会で争うことになるのですが・・・・。>特別救済以上の救済手続の対象となる「人権侵害」などは具体的行為と不可分なものに限定されていますから、思想信条の対立がすり替わって争われる可能性は低いでしょう(人間のやることですから可能性がゼロだとは申し上げませんが)。なお、コメント対象のwebmasterの「思想・信条のレベルでの価値観」という表記は、極端な人権侵害は起こる可能性が極めて低いと論証した上で、その前提を満たす範囲内での選択肢のどれを是とするかについてで、人権委員会での議論でそれが対立になると申し上げたものではありません。

前述と矛盾しませんか?ひとたび任命すると不適任であることが明らかになっても解任は難しいのではないですか?/かといって、解任を容易にしたら独立性が維持できない。>程度問題だということです。独立性はオール・オア・ナッシングで判断されるべきものではないとwebmasterは思います。

正当事由を主張するよりも言論を削除する人間の方が多いでしょうね。それで規制されるべき「差別発言」のみが削除されるのなら良いのですが。実際には「そうでない言論」も萎縮して自主的に消えてしまう。/だから、言論弾圧であり、21条違反なんです。>そのような推測・意見をお持ちの方がいらっしゃるということは心に留め置くように致します。

後編下関連

nullpoさん
最高速30km/hのフットブレーキが利かない乗用車に「そんなに速度は出せませんし、大丈夫ですよ」と無理やり乗せられそうになっている、そんな気分ですね。/法律も乗用車も、使い方次第では人を(社会的に)生かす事も殺すことも簡単なんです。理詰めで説明する事は非常に大切ですが、他の方が述べられている危うさを「あくまで可能性」として軽んじるのはいかがかと思われます。乗用車と同じく、「だろう」ではなく「かもしれない」が大切なのではないでしょうか。リンク)>可能性として軽んじているのではなく、具体的にどのような可能性であるかを論じるというのがwebmasterの主観的な意図です。どんな法律だって悪用の可能性がゼロではなく、ゼロでないことを理由とすればアナーキズムしか回答はあり得ません。だからこそ、可能性がどの程度なのかを考える必要があるのではないでしょうか。
( ・ω・)っさん
人権擁護委員法の十三条に該当する項目って、新法案ではどこ行っちゃったんでしょう?リンク)>確かにそれに相当する条項は人権擁護法案にはありません。その議論も聞いたことがなく、また、法務省の資料にも理由が明らかにされているものが見当たらないようですので、議論が必要であるように思いますが、国家公務員法により同様の規律に服するものと考えられます。法務省の説明不足は否めませんが

(webmaster注:3/25に訂正しました(強調部分)。)

電波小僧さん
「これならO.K.人権擁護法案」/・悪名高い行政指導ではなく刑事罰とする。/人権擁護委員会の告発を受け警察が捜査に乗り出すようにする。これにより警察・検察・司法という、実績があり、それなりに国民に信頼されているルートで問題の解決がはかられる。家宅捜査には令状が必要になる。また罪刑法定主義により、差別規定が明確化される。警察の「民事不介入」の為おきる悲劇も最低限となろう。リンク)>現行刑法で名誉毀損・侮辱が罪とされているわけですから、真正面から差別を罪とすることが憲法との関係で法的に不可能だということはないと思いますが、名誉毀損罪・侮辱罪の規定(刑法第230条・第231条)をご覧いただければわかるとおり、刑罰法規にしたところで人権擁護法案の規定を超えて具体的に記述することは対象が対象だけに難しいと思います。ただし、webmasterはそうした規定は今の人権擁護法案以上に言論弾圧につながる可能性が高いと思いますが。

・人権擁護委員の罷免規定を導入する。/立法・行政・司法の3権全てから独立した組織が存在してはならない。これは独裁を防ぐ為の基本的噂守事項。>人権委員(コメントでは人権擁護委員とありますが、こちらのことを指しているのだと思います。誤りでしたら訂正下さい)の独立性は他の三条委員会の構成員並びですから、問題視されるほどのものではないと思いますが、他の三条委員会を含め独立性は認めるべきでないということでしたら、立法論・政策論としては立論可能だと思います。

・連座制の導入/人権ゴロ・人権ヤクザが身内から出た時は人権擁護委員から退いてもらう。これまでの人権ゴロの手口からみて、人権擁護を推進するには必須の対策だろう。>「人権ゴロ・人権ヤクザ」の行為が【刑法等に定められた罪に該当し、それらに対する人権擁護委員の行為が】教唆や共同正犯等に該当するのであれば現行刑法で対応可能です。(webmaster注:【】内は公開後同日中に追記)
ムツ(´・ω・`)カシイさん
はじめまして。質問です。差別者に対しての制裁的な部分に反対しているような気がします。名前が公表されたりする。差別者とされた人が周囲の人や特定の団体から強い非難を受ける。差別者とされた人は精神的に追い詰められるor社会的地位を失う。これが怖いのかなーと。いじめとかでこうゆうのありますよね。/そこで、制裁的になりそうな部分をとっちゃって、被差別者の保護に重点置けませんか?差別といってもいろいろありますから、難しいかもしれませんが・・・ムツカシイですね・・・この問題。リンク)>「被差別者」にとっての「差別」をやめさせることを選択肢から外すと、保護といっても金銭補償ぐらいしかwebmasterには思いつかないのですが、何かいいアイデアはありますでしょうか? 差別問題は世界各国で長い間取り組まれているものですから、その歴史の中で「差別」の停止でもなければ金での解決でもない救済方法が何かあってもおかしくないようにも思います。

長くなったのでいったん切ります。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)

[misc]KARINA with glasses

最強

ビジョメガネのラインナップのまとめページがありますが、『デジモノステーション』の「ビジョメガネ」も一冊にまとめられた写真集が出ないかな。その際は、メガネを掛けていない写真は極力少なく! メガネ無しは1/3くらいで。一人1カットでもいいよっていうアイデアは是非とも実現してほしいものです。

本日のツッコミ(全237件) [ツッコミを入れる]

Before...

gucci iphoneケース 正規品 [私と海辺の浜今日はに行ってきました。私は貝殻を見つけて、私の4歳の娘にそれを与えたと言った"あなたはあなたの耳にこれ..]

ルイ?ヴィトン 時計 評判 [私はオフトピック場合は、これを知っているが、私は自分の始めに探していますブログと好奇心したすべてがに必要とされるもの..]

Linda [____________?___________.10____________,_____ ______ ..]


2005-03-22

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)

昨日の続きです。

リジョインダー編(その1)関連

wolfさん
勧告や事実の公表については、新設された差止訴訟(改正行訴法37条の4)または仮の差止(37条の5)という手も有効かと思います。リンク)>改正行政事件訴訟法における差止訴訟及び仮差止の対象は「処分又は裁決」ですので、処分性のない勧告は対象にならないと思います。
fpopさん
「パリ原則ふまえた〜の一段落についてですが、西尾氏のブログによれば、推進派が、国籍条項外しを提案した部会の前日に、部落解放同盟委員長と会談し、委員長に活を入れられたとのことです。「活」はさておき(笑)、この法案で解放同盟にwebmaster様のご指摘通りの懸念があるなら、反対派に就いて会談するか、提出の協力者とされる古賀氏を説得して国籍条項以外の改善を要求するのが当然ではないでしょうか。よって、これまでの部落解放同盟の動きは、「逆差別の改善」というご指摘の反証になるのではないかと思いますがいかがでしょうか。リンク)>例えば部落解放同盟作成の「「差別糾弾」とは何か」には、そして、差別意識と偏見をかき立てる一方で「確認・糾弾会には参加する必要はない」「差別事件の相談ごとは法務省の人権擁護機関がする」などと主張して、「差別糾弾」そのものを否定しようと具体的に動き出しているのです。タマス社の「卓球レポート差別事件」にたいする法務省の介入は、まさしく、その具体的行動の一つであったわけです。という記述がありますので、やはり現行法・新法を問わず、人権委員会・人権擁護委員による対応だけが正当なものとされ、いわゆる「確認・糾弾」は排除されることについては抵抗感があるように見えます。とりわけ新法(人権擁護法案)では、議論の多い勧告以外にも調停・仲裁という紛争処理手続が法定化されましたので、現行法以上にそうした危機感はあるのではないかと思います。

ちなみに、法務省のいわゆる「確認・糾弾」についての認識・見解は、人権擁護推進審議会第61回会議(平成13年4月16日開催)の議事録に詳述されています。ご参考までに。
Beckyさん
人権擁護委員の内かなりの割合を占めるであろう解同が、この法案の運用を「恣意的に行う」と公言し実行しようとしている時点で充分以上に問題です。しかもその「恣意的」の方向性についての問題点はそちらも理解しておられる通りです。しかしながら、解同にとっての「確認・糾弾」とは彼らにとっての「正義を成す道」であり(最高裁・法務省ともに否定しているにも関わらず…)それの遂行を諦めるとは到底思えません。リンク)>1つお願いなのですが、部落解放同盟が「恣意的に行う」と公言している事実が確認できませんでしたので(部落解放同盟が恣意的に運用しようとしている、という見解は数多く拝見しますが)、ソースをご教示いただきたいと思います。「恣意的に行う」ということが反発を招くのが明らかなので、それを公言はしないだろうと思うのですが(仮に、本当に恣意的に行いたいと思っているのであればなおさら)。ともかく、人権擁護法案での救済措置にいわゆる「確認・糾弾」は含まれないわけですから、それを(人権擁護委員の職権を利用して)行えば解嘱事由に該当します(第31条第1項第2号の「職務上の義務違反」として)。

上記は法令規則を守り、卒業式で国旗掲揚・国家斉唱を行おうとした校長が自殺に追い込まれた経緯を紹介していますが、これを見ている限り彼らの中で 解同の正義>法令規則 であることは明らかです。先日の投稿において、「正しく運用される可能性は低い」と述べていたのは正にこのことです。>部落解放同盟がしばしば法令の遵守よりも彼(女)らにとっての実質的な「救済」を優先していることは事実ですが、それを人権委員・人権擁護委員として行うこととなるかどうかは別の話です。繰り返しになりますが、いわゆる「確認・糾弾」を人権擁護法案に定める措置としての一般救済・特別救済として行えばそれは法律違反ですし、人権委員・人権擁護委員は法律で認められた権限しか行使できません。

考えるに、この法案に対して出される反対意見において、法案そのものの問題点は実は従属的なものであり、むしろ「人権擁護法を運用することになる者たち」を信用出来ない、という方が主なのではないでしょうか。幾ら法案そのものに問題は無い、と主張しても、法案の実行者に名を連ねるであろう者たち、「解同・在日韓国人団体・朝鮮総連・創価学会・過激なフェミニスト団体」e.t.c、e.t.c…。彼らに任せて安全である、との保証が取れない限り、この法案の危険性は些かも減ずるものではない、と考えます。>どんな団体であれ、人権委員・人権擁護委員の出身母体がある団体の構成員に偏ることは不適切でしょう。その意味では、出身母体の多様性を任命権者に義務づけるという修正は妥当なように思います。
ITOKさん
総論としては同意できるのですが,>恣意的な運用により国民に多大な損害をもたらす危険があるのではないか/のところの“確率を考える”という説明は良くわかりません。>法的には国会同意人事以上に慎重な手続は考えづらいです/などの部分からは,>その事象が起こる確率/を低くするということが判るだけで,“その事象が起こる確率”が実際にどれくらいになりうるかは判りません。/したがって,この説明では期待値の大きさは判らないため“危険性の評価”の判断は出来ないと思います(たとえば,委員5人が恣意的な運用をする危険性を4人に減らせるから“危険性は少ない”とは言えないでしょう)。現実に同様の手続きで“恣意的な運用をする”人間が選任されている確率ならびに同様の合議制の機関で“実際に恣意的な運用を”している確率と同じくらいと見積もるということでしょうか。リンク)>ご賢察のとおりです。同様の行政府任命・立法府同意人事で不適切な人事が行われたから、同様に人権委員選定においても不適切な者が選ばれる恐れがある、という意見であればともかく、そうした根拠なしに人権委員のみは選定手続が信頼できないというのは、説得力に劣ると思います(本件とは離れますが、日銀総裁人事に異を唱えている身としては、その意味で信頼できないのですけれど(笑))。

リジョインダー編(その2)関連

トニオさん
半分冗談なのですが、この法案、所詮国連へのポーズで実効性が無いと言う反対意見もあるのですが、それについてはどう思われますか?リンク)>「人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本政府の意見の提出」で示された日本国政府の公式見解は、我が国の現状が、既存の法制度では差別行為を効果的に抑制することができず、かつ、立法以外の措置によってもそれを行うことができないほど明白な人種差別行為が行われている状況にあるとは認識しておらず、人種差別禁止法等の立法措置が必要であるとは考えていない。というものですから、実効性は必要ないんです(笑)。

冗談はさておき、人権擁護法案での措置を大別しますと、(1)特別調査や勧告といった人権委員会による措置における従来以上の強制力の付与、(2)調停・仲裁というADRの法定化、(3)不特定多数を相手とした行為に対する対応の新設、の3点になりますが、それぞれをどう評価するかに実効性の判断はかかってくるのでしょう。webmasterの評価としては、程度はともかく実効性がないということはあり得ないと思います。
BUNTENさん
どうも、半数を超えない範囲で外国人ないし異人種を入れることを明文で決めた方がよさそーな気がしてきてます。(^_^;)リンク)>またまた物議を醸しそうなご提案(笑)ですが、先にBeckyさんへのリジョインダーで触れたとおり、委員の多様性確保条項を入れるというのは一案でしょう。

リジョインダー編(その3)関連

第3さんのコメントはan_accusedさんへのものと理解していますので触れませんが、webmaster宛でしたらその旨お伝え下さい。ところで、同業者だったのですね(笑)。

一現場さん
これも人権侵害? 全国弁護士会、次々「勧告」/http://www.sankei.co.jp/news/050319/sha042.htm/城内氏は、人権擁護法案について、人権侵害の定義のあいまいさや人権擁護委員の選考過程の不透明さなどの問題点から法案に反対しているが、「法案が成立すれば非常識な事案が次々に『人権侵害』と認定される危険性がある」と指摘した。/法律論ではなく実務として、こういった事についてどうお考えでしょうか。リンク)>人権委員会及びその事務局の実務を考えますと、第85条の規定に基づいて定められる人権委員会規則が鍵となるでしょう。多分これで、「人権侵害」「差別的取扱い」の例示や、各種救済手続の具体的細目などを定めることになります。で、先日紹介したとおり、都道府県弁護士会が認定するような「人権侵害」は人権擁護法に規定する人権侵害ではないというのが法務省人権擁護局の見解ですが、この規則を定める際には、事務局からそうした彼らの見解の根拠となる過去の経緯やら判例・学説の整理やら海外事例の紹介やらについて説明がなされ、質疑応答があって決定することになるでしょう。弁護士会でその手の「人権侵害」認定をした弁護士が仮に人権委員に任命されたとしても、非常に高い確率でそうした説明に対抗できるだけのきちんとしたバックグラウンドはありませんから、まあ当人が納得しなくても他の委員から見れば勝敗が明らかで、その手の「人権侵害」が法律上の人権侵害だとされる規則が定められるようなことはないかと。

「実務」についてということでしたが、このような話でよかったでしょうか?

リンク元についての雑談 I:「MURAJIの戯れ言」(2005年3月分)@MURAJI's Book Page

こちらのサイトは以前から楽しませていただいていたサイトで、皇国の守護者シリーズもここでの紹介文を見て読み始めるなど、いろいろと参考にさせてもらうことが多く、知ってよかったと思っているサイトの一つなのですが、そういったところで個人的に感銘を受けたなどと書かれるのは、うれしいと同時にどことなく恥ずかしいものでした。今後ともよろしくお願いいたします。

リンク元についての雑談 II:「人権擁護法案と男女雇用機会均等法(人権擁護法案検討メモ―番外編その3)」@an_accusedの日記

人権擁護法案の検討材料として、男女雇用機会均等法を分析されています。要注目です。

#男女雇用機会均等法の勧告(第25条)とその公表(第26条)は、事業主からの意見聴取を前置していないのですね。人権擁護法案よりも議論の必要がありそうな気がします。

リンク元についての雑談 III:「雑感」@おおやにき

当サイトではたびたびお世話になっておりますが、本件については言及を避けるとのことです。ただ、次の雑談との関係で、次のコメントだけご紹介を。

ところで現在の大モメを見ていると、普段の意味で左側と右側に対立している人々が両方とも法案に批判を向けていたりするのが面白い。で、両方とも「相手が悪用・濫用するに違いない」と言っている。まあつまり政治闘争があっても一定のルールは守られるべきだ・守られるだろうという信頼を相互に持っていないのだし、問題とされるhate speechの範囲について社会的合意が存在していないということなのだろう。この点、「人権」概念の中身についてきちんと議論することもなしにとにかく「人権侵害」「差別」という批判を振り回してきたことの帰結という冷たい見方もできそうである。アメリカにせよ西欧にせよ、もちろんグレーゾーンはあるがダメなhate speechの対象はわりとはっきりしているような気もするので、それとの差が気になるところ。

関係する議論として、当サイトで1度触れたっきりフォローに手が回っていなかったサマーズ発言についてつっこんだ議論をされていますのでご紹介を。

ちなみにその件についてはwebmasterは、サマーズに賛成であれ反対であれ、ピンカー「人間の本性を考える」を読んでおかないと(よほどそれまできちんと考えていた人でないと)恥をかくぞ、とのみ申し上げておきます。

リンク元についての雑談 IV:「不安の共同体」@Dead Letter Blog

というわけで次の雑談ですが、Dead Letter Blogにおける議論と当サイトでの議論の多くは多くの場合対立するものです。乱雑であることを承知でわかりやすさを優先すると、多くの場合deadletterさんの議論が「左」に分類されるもので、webmasterの議論が「右」に分類されることになります。本件については、deadletterさんの3/5付「Hate speech は存在するか」の分類でいえば、webmasterはdeadletterさんとは異なり「内在的制約説」を支持しています。

であるにもかかわらず、好意的な紹介をいただいたわけですが、これは大屋先生のいう手続についての「一定のルール」を踏まえていることを評価していただいたのではないかと思います。だから無理ってことではないよね、なんて話はなくってこれは例外的なのでしょう。

次回

次回はいただいたtrackbackを取り上げ、さらに、上記の「一定のルール」に基づくコミュニケーションを例外的であると考える理由について述べたいと思います。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
本日のツッコミ(全293件) [ツッコミを入れる]

Before...

バイクウェア タイヤ 価格 [customized like we live our time. needless to say, the hea..]

DanyKroche [<a href=http://bit.ly/1hpcyxy><img>http://i.imgur.com/e92P..]

Sybil [______?_________.8____________,_____ _______ __ ___..]


2005-03-23

[notice]人権擁護法案関係のエントリの掲載延期

本業多用にて、恐縮ではございますが標記の次第とさせていただきます。申し訳ありません。

本日のツッコミ(全185件) [ツッコミを入れる]

Before...

ぐ膏??BRAVIA(??????)KDL-32EX420 W [32V????笂?BS?110搴?S????儷??????с?娑叉???????穡功い?] [I 愛あなたのブログ..とても素敵な色&テーマです。このウェブサイト自身や誰かがあなたのためにそれを行うために雇った..]

ソニー 42V型 液晶テレビ ブラビア BRAVIA W900Bシリーズ KDL-42W900B [イケテルブログ!あなたのテーマのカスタムが行われていますし、それがどこかからダウンロードしましたか? |いくつかの簡..]

????? AQUOS ????LC-26DV7B [26V????儷???い?ぃ????????煎?????笂?BS?110搴?S????儷??????с?娑叉??????????冦??? [I 愛あなたのブログ..とても素敵な色&テーマです。このウェブサイト自身や誰かがあなたのためにそれを行うために雇った..]


2005-03-24

[law]人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)

予告のtrackbackへのリジョインダー等を行う時間が確保できないのでそれについては引き続きお待ちいただきたいのですが、以前に紹介したan_accusedさんの法案分析が着々と進行しており、そのサポートをせずしてはwebmasterは単に揚げ足取りばかりをしている「ダメなものはダメ」的存在になってしまうという危機感をバネに睡眠時間を削り(笑)、以下、若干の補足等をいたします。

「人権委員会が収集した資料の閲覧謄写(人権擁護法案検討メモ―番外編その4)」について

このエントリでは、人権擁護法案に基づく当局保有資料の当事者への開示と刑事訴訟法に基づく同種の開示を比較された上で、人権委員会による情報開示をさらに制限すべきではないかとの立論が行われています。しかし、関係情報を見てみますと、そもそもご懸念のような安易な開示は現在の法案に基づいては行い得ないのではないかと考えられます。

まず、どのような場合に開示がなされるかについての双方の規定を抜き出せば以下のとおりです。

  • 「当該被害者の権利の行使のため必要があると認める場合その他正当な理由がある場合であって、関係者の権利利益その他の事情を考慮して相当と認めるとき」(人権擁護法案第62条第1項)
  • 「公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合」(刑事訴訟法第47条ただし書)

どちらも2つの要件が課せられていますが、対応する部分を明確に対比すれば次のとおりです。

 人権擁護法案刑事訴訟法
開示の理由当該被害者の権利の行使のため必要があると認める場合その他正当な理由公益上の必要その他の事由
可能な場合関係者の権利利益その他の事情を考慮して相当と認めるとき相当と認められる場合

ご覧いただければ一目瞭然だと思いますが、明らかに左が右よりも限定的な規定となっています。具体的には、「理由」については、人権擁護法案では正当性が求められていますが、刑事訴訟法では何か理由(=事由)があればそれで足りることとされています。

#以前も書いたと思うのですが、「Aその他B」は"A and B"の意味ですが、「Aその他『の』B」は"B (eg A)"という意味になり、要すれば刑事訴訟法の「公益上の必要」は単なる例示に過ぎません。もちろん例示がある以上それに反するようなものは認められませんが、何が例示に反し、何が反しないかの判断は当局の裁量に委ねられていることになります。

「場合」については、人権擁護法案では関係者の権利利益などを考慮しなければなりませんから、関係者(それが「加害者」であっても)の権利を害するものである場合には、「被害者」の行使可能な権利の程度にもよりますが、相当とは認められないことがあり得る旨、法案は明示しています。他方で刑事訴訟法は、単に当局が相当と判断すればいいわけですから、法律を読んだだけでは何が相当となり得るのか、まったくわからないわけです。

したがって、人権擁護法案の規定に基づく開示は、刑事訴訟法の規定に基づくそれよりも限定的にしか認めないと解すべきです。an_accusedさんが引用している検察庁見解より新しいものがありますが、本質は変わっていません)は、上記のとおり人権擁護法案より広範な開示を認める刑事訴訟法の規定についての解釈指針なのですから、人権擁護法案に基づく開示としてどのようなものを行うかについては、それよりも限定的なケースになるというわけです(法がそれしか行政府に認めていないので)。

こうした法律間の比較でなく人権擁護法案の条文を読んでも、同様の解釈が可能です。まず「権利の行使」ですが、不当な行使を法律が認めるわけがありませんので(わざわざ「当該被害者の権利の『正当な』行使」と規定しなくとも、そうとしか解釈できないに決まっているということです)、ここでいう権利の行使にいわゆる糾弾等が含まれないのは自明です。

また、人権擁護法案第62条第2項では、「加害者」が訴訟当事者であるケースについて規定していますが、つまりは開示は典型的には提訴が現に行われているような場合になされることを法が予定している証拠です。

ではan_accusedさんが主張するように、明示的に民事訴訟提訴後に限ってもよいではないかという立場もありますが、例えば匿名の相手方については、そもそも誰を訴えていいのかわからないわけですから、提訴後に限ると事実上この場合の「被害者」は訴訟による「権利の行使」が不可能となってしまいます。

それなら提訴後と提訴に必要な場合に限ればよいかというと、調停や仲裁を申し立てたいけれども相手方がわからないケースはどうだとか、そういった話になってくるわけです。これらをひっくるめて「権利の行使のため必要がある」「正当な理由」という要件を課しており、かつ、その資料を受け取った者には第62条第3項で用途制限をかけている(逆に言えば、刑事訴訟法の場合、受け取った者がそれを悪用したとしても、「相当と認め」た当局の過失にこそなれ悪用した当事者は(それ自体をもって)違法なことをしたとはされません)わけですから、人権擁護法案におけるこの規定は、相当程度の配慮の跡が伺えるものだとwebmasterは思います。

「人権委員会の訴訟関与(人権擁護法案検討メモ―番外編その5)」について

これはあまり難しく考える必要はなく、人権委員会は当事者として巻き込まれ得る立場なので参加の形で訴訟にコミットするという理解でいいと思います。ご指摘のとおり勧告をした際に限られた話ですので、「被害者」「加害者」間の訴訟において、「被害者」のオフェンスが不十分でこのままでは「被害者」が負けそうだと思ったときに、仮に「被害者」が負けてしまえば勧告自体の正当性が疑われてしまうわけですから、人権委員会としても自分が勧告までしたことの理由を説明したい動機があるわけです。

#そうした動機があっても、こっそり「被害者」に入れ知恵するのではなく、訴訟の場で(「加害者」にもそれとわかるように)言いたいことを言え、と求めている規定でもあります。

仮に訴訟参加が規定されていない場合、次のようなケースがあり得ることになってしまいます。

  1. 「被害者」「加害者」間の訴訟で、「被害者」のオフェンスが不十分で「被害者」敗訴。
  2. 「加害者」が上記勝訴を理由に人権委員会の勧告に対する国賠訴訟を提訴。
  3. 「加害者」「人権委員会」間の訴訟で、「人権委員会」のディフェンスが十分で「加害者」敗訴。
  4. 「被害者」が上記敗訴を理由に1の敗訴が不当であったとして再度提訴。

このような訴訟合戦はどの関係者にとっても単に手間暇をかけさせるだけですから、それなら(争いの対象は同一なのですから(同一でない場合は第63条第3項で参加を認めないこととなります))まとめられるものはまとめてしまった方が合理的なわけです。

ちなみにan_accusedさんが参照している独占禁止法の規定については、公正取引委員会は争いの当事者ではなく、同種の事件についての過去の審決例や、当該業界における商慣行等について第三者として客観的意見を述べることを想定した規定ですから、本件とは趣旨が違うと考えてよいと思います。勧告までした以上、人権委員会は(その行為があったかどうかの事実認定については)中立的ではあり得ないのですから。

「差別助長行為等の差止請求(人権擁護法案検討メモ―番外編その6)」について

具体的な検討はこれからとのことですので、その方向性についての考え方として2点挙げさせていただきます。

  • 訴訟遂行能力の問題については、多くの場合挙証責任が問題になってきます(PL法などの対応が典型例ですが)。本件については、明らかに国に挙証責任が課せられますが、それをどのように評価したらよいのでしょうか。
  • そもそも差止の対象となる「差別助長行為(=ヘイトスピーチ)」について全く触れていません。手続面からのアプローチにこだわってきましたが、そろそろ“実体面”にも踏み込む必要がでてきたようですとのことですが、差止対象は一般にhate speechとされるもののすべてではなく、それが人種等の識別情報である場合と、当の発言者等が実際に差別的行為を行う場合のみに限定されており、「=」で結ばれるものではありません(ご理解いただいているとは思いますが、念のためということで蛇足覚悟で)。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
本日のツッコミ(全360件) [ツッコミを入れる]

Before...

冷蔵庫 お勧め [称賛時間と労力あなたが入れウェブサイトと深さ情報あなた現在。イッツ良い古い情報材料再ハッシュをそれは同じではありませ..]

シャープ 増設子機 JD-KS100 [このウェブページありません適切に表示レンダリングに私の iPhone4の - もしたいことしようと修理という シャ..]

郵政集配用タイプ ポストマンボックス バイク原付用大型リアボックス 丈夫な日本製 白 鍵つき 特大 【代引き同梱不可】 [こんにちは簡単に素早く率い、あなたが数を知らせる|正しくロードされていない画像を写真はちょうどあなたに与えたいと思っ..]


2005-03-25

[law]人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)

いろいろ書いてきた中で間違いもありますので、今日はその訂正をまとめてさせていただきます。

#とりあえず「その1」と題しましたが、その2以降が不要となるよう気をつけたいと思います。

「前編」

引用部を含む下から5つ目のパラグラフを次のように訂正します。

で、規制の内容についても、詳しくは先に紹介した「Q&A」をご覧いただきたいのですが、勧告には強制力はありませんし、事前差し止めも従来から法律上は不法行為として可能であったことについては訴訟参加等の支援にとどまり、枠組みを変更するものではありません。従来では個人としては不可能であった不特定多数を対象とする識別情報の公開や差別行為の予告に限り新たな枠組みを整備し、手続としては司法の判断でしかできないという点及び個人の提訴を認めないという点は従来から何も変更せず、人権委員会が(勧告によっても改善されない場合に限り)代わってできるとしたのみです。で、規制の内容についても、詳しくは先に紹介した「Q&A」をご覧いただきたいのですが、勧告には強制力はありませんし、事前差し止めも従来から法律上は不法行為として可能であったことについて、手続としては司法の判断でしかできないという点は従来から何も変更せず、人権委員会が(勧告によっても改善されない場合に限り)代わってできるとしたのみです。繰り返して言いますが、当の本人であれば今までだってできたことなのです。

「後編上」

表の下の2つ目のコメントを次のように訂正します。

#現行法第6項に相当する規定がないことについては、人権擁護法上の人権擁護委員は人権擁護委員法上のそれとは異なり、おそらくは非常勤の一般職国家公務員となるものと考えられますので(保護司法に基づき委嘱される保護司がそうであることからの類推です)、一般の国家公務員の服務に縛られることとなるはずです#現行法第6項に相当する規定がないことについては、議論はあると思います

「■「予防的措置」」から始まる引用部への反論のパラグラフを次のように訂正します。

条文を引っ張ってくれていないので具体的に何を指しているのかがよくわかりませんが、仮に事前の差し止め訴訟(第65条)であるならば、昨日申し上げたとおり不特定多数を対象とする場合に(=個人では訴訟法体系上原則として対応できません)、限定的な対象について人権委員会が代行できるだけです(勧告であれば強制力はないことも、昨日申し上げたとおりです)。それにその対象も、これもまた繰り返しになりますが、一般に言論活動と解されるものではありません。条文を引っ張ってくれていないので具体的に何を指しているのかがよくわかりませんが、仮に事前の差し止め訴訟(第65条)であるならば、昨日申し上げたとおり本人がそう判断した場合にはできることを人権委員会が代行できるだけです(勧告であれば強制力はないことも、昨日申し上げたとおりです)。それにその対象も、これもまた繰り返しになりますが、一般に言論活動と解されるものではありません。

「後編下」

最初の批判部分の下から2つ目のパラグラフを次のように訂正します。

関連して訴訟権の濫用云々ですが、これで何度目になるかわかりませんけれども(笑)、本人が提訴不可能な不特定多数を対象とした行為について限定的に人権委員会(人権擁護委員ではありません。為念)が代わって提訴できるものに過ぎません。どう考えても「濫用」と言えるような運用は想定しがたいのですが。関連して訴訟権の濫用云々ですが、これで何度目になるかわかりませんけれども(笑)、本人が提訴可能な人権侵害について人権委員会(人権擁護委員ではありません。為念)が代わって提訴できるものに過ぎません。どう考えても「濫用」と言えるような運用は想定しがたいのですが。

4つ目の批判部分を次のように訂正します。

人権擁護委員は非常勤の一般職国家公務員であると考えられますが、明らかに「当然の法理」の対象外でしょうから、外国人に委嘱しても合憲です。また、このwebmasterの推測が当たっていれば、当然国家公務員法は適用されます(第38条・第76条を含みます。なお、人事院規則で適用除外があり得ますので、厳密にはそこまでフォローする必要がありますが)。(全部間違ってますので省略)

「リジョインダー編(その1)」

「人権委員・人権擁護委員の選定手続における公平性が担保されていないのではないか(特に国籍条項との関係)」という問いに対する答えの2つ目のパラグラフを次のように訂正します。

法律上大臣について国籍条項がなくても日本人しか就任しないのは例の「当然の法理」に基づくものですが、国籍条項が法律上なければ安心できないというなら、外務大臣や防衛庁長官、国家公安委員長(警察を所掌する大臣)の国籍条項の方がよほど必要でしょう。それらのポストにある外国人がその祖国のために公権力を濫用した際の影響は、人権委員の比ではありません。人権委員の方が身分保障があるとはいえ、人権委員会がある人権委員を「非行」があると判断した場合には、それを理由に総理大臣は罷免できるのですから、しょせんは程度問題です。法律上大臣について国籍条項がなくても日本人しか就任しないのは例の「当然の法理」に基づくものですが、国籍条項が法律上なければ安心できないというなら、外務大臣や防衛庁長官、国家公安委員長(警察を所掌する大臣)の国籍条項の方がよほど必要でしょう。それらのポストにある外国人がその祖国のために公権力を濫用した際の影響は、人権委員の比ではありません。人権委員の方が身分保障があるとはいえ、「非行」を理由に総理大臣は罷免できるのですから、しょせんは程度問題です。

「リジョインダー編(その4)」

拉致議連の声明中「第二に」についての注釈4を次のように訂正します。

国籍条項が入っても安心できないってことでしょうけれど、これらの者は現行法で人権擁護委員(人権擁護法に規定する人権擁護委員とできる行為は大差ありません)になることは排除されていません。なお、現行法第13条の職務行為の政治利用の禁止が一件なくなったかのように見えますが、現行法での人権擁護委員とは異なり人権擁護法での人権擁護委員は国家公務員法が適用されるものと考えられますので、そうした規制がなくなったわけではありません。国籍条項が入っても安心できないってことでしょうけれど、これらの者は現行法で人権擁護委員(人権擁護法に規定する人権擁護委員とできる行為は大差ありません)になることは排除されていません。問題視するなら、現行法第13条の職務行為の政治利用の禁止がないことの方ではないかと思うのですが(これがなくなった経緯、審議会答申を見てもよくわかりません)。

「リジョインダー編(その5)」

( ・ω・)っさんへのリジョインダーを次のように訂正します。

確かにそれに相当する条項は人権擁護法案にはありませんが、国家公務員法により同様の規律に服するものと考えられます。法務省の説明不足は否めませんが。確かにそれに相当する条項は人権擁護法案にはありません。その議論も聞いたことがなく、また、法務省の資料にも理由が明らかにされているものが見当たらないようですので、議論が必要であるように思います。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)

[politics]政策羅針盤(Political Compass日本語版)

もうすぐドラフト2版が公開されるとのことですので、現時点でのドラフトを試した結果を記録に残しておきます。

  • 保守・リベラル度 -2.5
  • (経済的な)右・左度 3
  • あなたの分類はリベラル右派です。

英語版を試したときに、「どっちかというと「右」よりの中道だろうと思ってました」と書いた線に沿った結果だと考えていいのかな? 「いわゆる右翼は保守に、左翼はリベラルに対応します」との解説とは違いますが、ネオコンとリバタリアンではネオコンが左でリバタリアンが右だと思っていますので。

そういう意味では、今は上記のとおり「保守対リベラル」「(経済的な)右対左」という対立軸を前提として作っていらっしゃいますが、(設問の内容とその配点を捨象して言えば)次のような対立軸の設定も代替案として考えられるかもしれません。

「保守対進歩」と「自由対平等」
前者は、保守は現状が間違っていないと考える限りその維持を是と考え、進歩は変更策が間違っていないと考える限り現状を改めることを是と考えるイメージです。後者は通常の語感と同じ用法です。この分類ですと、webmasterは「保守・自由」に該当すると思います。
「秩序対混沌」と「性善説対性悪説」
前者はD&Dにおけるlawfulとchaoticのalignment設定から知恵を拝借しました。後者は孟子と荀子のアレです。webmasterは「秩序・性悪説」かな?
「感情対理性」と「絶対主義対相対主義」
前者は読んで字のごとくです。後者は、絶対主義は絶対的な善や悪があると考えるもの、相対主義はTPOに応じて善悪は定まると考えるものを想定しました。webmasterは「理性・相対主義」だと自認しています。

#対立軸の組み合わせはこのペアと限られるわけではありませんが、こうして見ると後になればなるほど、"political"についての基準でないような気も(笑)。

本日のツッコミ(全2725件) [ツッコミを入れる]

Before...

usb ?????樺?嶇? [ハウディ私はそう思いワクワク私が見つけた、あなたのブログページ| Askjeeve| | AOLの|ビンビン| Go..]

????數搴??優?? [advertisings広告トリガー私インターネットブラウザよくありかもしれませんその上置きたい、サイズを変更あなた..]

アイフォン6s携帯カバー [http://www.computerservicegieten.nl/ureb/6a0s8k2fml.htmlクレ..]


2005-03-26

[law]人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)

本日は一点ご報告のみです。

#明日こそtrackback先に触れたいと思います。

昨日の正誤訂正で人権擁護委員は非常勤の一般職国家公務員だろうと推測しましたが(もともとのアイデアはan_accusedさんからいただき、その可能性を検討した結果です)、「人権擁護法案(3)」(@VNSI堕天使の槍3/24付)(webmaster注:エントリへのアンカーが二重指定されていますので、URIは訂正があり得ます。先のリンクでは「人権擁護法案(2)」につながってしまう場合、アンカーを既往ルールに従い推測したリンクをたどってみてください)で次の記述がありました。

※ 人権擁護委員は国家公務員になる

あまり知られていないようなので注釈を入れておきます。
人権委員は特別職の国家公務員、人権擁護委員と人権調整委員は一般職の国家公務員という身分になります。
念のため法務省に問い合わせたので間違いありません。
法案上の「総理大臣の任命」や「人権委員会の嘱託」という条文が、公務員になるという理由になるんだそうです。
よって、人権擁護法案に明記されていなくても、擁護委員は公務員法によって守秘義務とかが課せられるコトになります。
もちろん退職後も一生その義務は負うコトになります。

ということですので、上記の推測は誤りではなかったようです。an_accusedさん、やえ十四歳さん、どうも貴重なご意見・情報のご提供ありがとうございました。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)

[politics]続・政策羅針盤(Political Compass日本語版)

昨日触れたとおりドラフト2版が公開されましたので、早速試してみました。

#昨日は誤ったエントリからtrackbackしてしまい恐縮です。

  • 保守・リベラル度 -1.04
  • (経済的な)右・左度 3.18
  • あなたの分類はリベラル右派(リバタリアン)です。

というわけで、昨日の結果とほぼ同じ路線でした。

なお、若干疑問があるのはQ1の各問により判断される価値観が、Q2の各問のそれに比べてあいまいではないかという点です。まず、webmasterの回答の全体的な傾向を見てみます。

 同意するやや同意するあまり同意できないまったく同意できない
Q121057
Q214143

ご覧のとおり、少なくともwebmasterにとっては、Q1は足して2で割ったらたまたまそのあたりでしたという数字である一方、Q2は数字が指し示すあたりがまさにwebmasterのストライクど真ん中であるように思われます。おそらくは、Q2はまさしく解説にいう「経済的価値観(コンパス横軸)」に特化した質問が並んでいる一方で、Q1は「政治的価値観(コンパス縦軸)について」以外の価値観で判断される部分が混在してしまっているということではないかと思います。

例えば法学的価値観としては、Q1-6とQ1-18は既存法体系を尊重するならまったく逆の答えになるのに、それが「保守・リベラル」の対立軸として正反対にカウントされるのは不本意でしょうし、Q1-7、Q1-15、Q1-16はすべて「まったく同意できない」としましたが、あくまでその方が日本にとってプラスであると考えるからこそ「まったく同意できない」としたわけで、これを「同意する」にした人間の方が、webmasterから見れば自らの不勉強という個人の事情を優先して公共の利益を損ねているから「リベラル」だろう(笑)と思えるわけです。

もちろんwebmasterの価値観が普通ではないのであって、多くの人はQ1でもベルカーブ様の分布を示している可能性もありますから、あくまで一つの見方に過ぎないのですが、今後バージョンアップされる際の参考になればと思います。バックグラウンドで各人の回答を数値化した上で、標準偏差が少なくなるよう質問の内容を調整していけば、多くの人にとって頷ける結果が出てくるのではないでしょうか。


2005-03-27

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)

というわけで本日からtrackbackをいただいたページについて触れていきたいと思います。どういう形で触れていくか(例えばエントリ順とか、trackbackの時系列ですとか)はいろいろと考えましたが、複数回いただき、しかもこれまでwebmasterが取り上げてきていない論点について問題提起をされているサイトであるいい国作ろう!「怒りのぶろぐ」にて公表された、一連のエントリからスタートしたいと思います。

trackbackをいただくようになってから、これまでに次の5つのエントリが公表されています。

  1. 人権擁護法案擁護論への疑問1(以下「疑問1」と略します)
  2. 人権擁護法案擁護論への疑問2(以下「疑問2」と略します)
  3. 人権擁護法案擁護論への疑問3(以下「疑問3」と略します)
  4. 人権擁護法案はどうなるか(以下「どうなるか」と略します)
  5. 人権擁護法案はどうなるか2(以下「どうなるか2」と略します)

全体的に、行政が信じられないから強大な権限は与えられないというトーンで、信じられないというものを信じてくれといっても意味がないでしょうから、別の観点から議論してみたいと思います。テーマは勧告の公表の「強さ」についてです。というのも、「どうなるか2」の最後において、まさに次のような指摘がなされているからです。

こうした行政庁の低い信頼性を鑑みれば、その権限は限定的なものに留めておくのが望ましいことは明らかであり、現段階での人権擁護法案のような権限は到底持たせられない、ということです。最低限、法案自体に検討機会や司法判断を仰ぐ機会が規定されているべきであり、他の行政指導における「勧告」と「公表」の統一性が図られているべきです。

#「人権擁護法案のような権限」とは勧告の公表のことです。

まず法的な整理としては、「弱い」という整理です。是非についてのご意見は多いでしょうけれど、事実としてはそうだということはまず押さえていただきたいと思います。「疑問3」で人権擁護法案における勧告と独占禁止法における(公正取引委員会が行う)勧告について、後者の方がより慎重な手続である旨論証されていますが、これが「強い」ものの典型です。具体的な効果を見てみましょう。

独占禁止法第48条第1項の勧告は、同項に規定する法律違反があったと公正取引委員会が認めるときに発出されるものですが、この法律違反はいずれも刑事罰を伴っています。つまりは勧告を無視して対象行為を継続していれば、独占禁止法違反として刑事訴訟を起こされる可能性があるのです。その量刑は次のようなものです。

罰則違反した条項
3年・500万円(5億円)第3条、第8条第1項第1号
2年・300万円第6条、第8条第1項第2号−第4号
1年・200万円第10条第1項、第11条第1項、第13条第1項、第14条、第17条
200万円第8条第2項−第4項、第9条第5項・第6項、第10条第2項・第3項
罰則なし第9条第1項・第2項、第13条第2項、第15条第1項、第15条の2第1項、第16条第1項、第19条(ただし、第20条により行政処分で差止め等が可能)

#年が単位のものは懲役、円が単位のものは罰金です(いずれも最高限度)。なお、(5億円)は違反行為をした個人が属する法人への罰金刑の上限です。なお、「罰則なし」のグループについては、第19条を除き(行為自体は罰しなくとも)行為の報告・届出義務違反には刑事罰が科されているほか、それらの行為(株式保有や合併等)により第3条・第8条第1項第1号違反となれば、上記の最高刑が適用されることもあり得ます。

公正取引委員会が行う勧告は、これらの刑事訴訟から刑の執行に至るまでのプロセスの代替措置、つまり勧告に従って違法状態を解消すればそれで許してやるというものですから、まさしく準司法機関の名にふさわしい強権ですし、だからこそ手続にも刑事訴訟に準ずる厳格さが要求されていると考えられます。

#なお、勧告そのものについても、応諾したにもかかわらず無視した場合には、2年以下の懲役・300万円以下の罰金が科されます。また、これらは刑事罰ですから、容疑者となれば勾留もされ得ますし、家宅捜索や各種押収の対象にもなり得ます。

また、勧告は行政指導だとwebmasterが言ってきたことが若干ミスリードだったようにも思うのですが、人権擁護法案における勧告は、行政手続法の解釈で言えば紛う方なき行政指導ですが、行政手続法が想定している典型的な行政指導ではありません。ここで言う典型的な行政指導とは、上記各エントリでまさくにさんが引いている業務停止等の処分に先立つ行政指導や許認可に先立つ行政指導です。

つまり、後に処分(許認可をする/しないも処分に含まれます)が控えていて、処分に先立って行政の意見表明として行われるからこそ、行政手続法において「行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。」と規定されているわけです(第32条第2項。「不利益な取扱い」は、ニアリイコールで処分における不当な判断になります)。

こうした処分にはほとんどの場合行政罰(過料)がセットになっていますから、業務停止処分を受けて業務を継続していたり、許認可が受けられなかったのに営業を開始したりすれば、行政罰が科されることになります。

以上とは異なり、人権委員会による勧告の公表は、それ自体は何ら強制力を有するものでもなければ、身体の拘束や罰金等の支払義務を生じさせるものでもありません。また、手続にしても、確かに公正取引委員会によるそれよりは(強制性の弱さ故に)手続の厳格さに劣りますが、上記の典型的な行政指導に比べれば遙かに厳格な手続を求めています(典型的な行政指導においては、窓口の一係員の独断ですら可能なのですから)。

勧告の公表にまで至る過程をシミュレートしてみれば、乱暴に分類すればある行為について、行為があったかどうかを争う場合と、行為の違法性を争う場合の組み合わせとなります。前者の典型はDVやセクハラの有無でしょうけれど、痴漢冤罪のケースを見れば明らかなように、むしろ刑事手続における勾留等の強制性が冤罪の淵源となっています。強制性の極めて弱い人権擁護法案上の特別調査手続において、「加害者」が事実を否認しているにもかかわらず「加害事実」があったと認めるに足る証拠を集めることは極めて困難でしょう。

#ちなみに法務省人権擁護局による現在の対応を見ると、このような事態においては、勧告のようなある意味「加害者」の善処を待つ形の対応ではなく、多くの場合「被害者」の隔離等により対応を図っていますので(もちろんそのようなケースではそちらの方が実効性が高いでしょう)、そもそも勧告に至らないケースがほとんどではないでしょうか。

また、違法性の争いについては、人権委員会もリスクを負うことになります。例えば石原都知事の第三国人発言ですとか(これはwebmasterは、少なくとも「第三国人」という言葉を用いたこと自体については、差別だとは認識していません。その是非はさておき)、オウム真理教徒の転入拒否ですとか(これは差別でしょう。これまた是非については議論があり得ますが)、こういった差別かどうか、またその是非についての見解が分かれる行為について、それが公知となったときに必ずしも差別をしたとされる側の人間が社会的制裁を受けるとは限りません。まあ、以前にも触れた弁護士会のピントはずれの「勧告」のような羽目に陥ることも考えられるわけです。

かく考えるに、もちろん勧告の公表は社会的制裁を伴うリスクがゼロではないことは認めますが、それがどれほどヘッジしなければならないのか、現状の一般の行政指導に比べれば格段に厳しい要件ではヘッジとして不十分なのかについては、善し悪しの判断は人それぞれだと思いますが、箸にも棒にもかからない手続上の欠陥であるとは言えないようにwebmasterは思います。以前紹介したように「被害者」が提訴すれば同じ事ですし、情報公開法に基づき(「被害者」に)公開された情報をメディアに持ち込まれても同じ事であることに鑑みればなおさら。

最後に、事実関係その他についての指摘をいくつかさせていただきます。

  • 会計検査院関連(「疑問1」ほか)

    彼(女)らは法の執行組織であるという意味においては行政ですが、内閣を頂点とする(狭義の)行政府には含まれませんので、行政の代表として取り扱われるのは霞が関の住人としては違和感があるのですが(笑)、まさくにさんご指摘の数々は、会計検査院による法の恣意的な運用というよりはむしろ、組織のキャパシティの問題であるように思います。850人の検査官で行った昨年度の検査実績を見るに、ある一つの事件のみを徹底的に追及することを求めると、他の指摘事項を諦めざるを得ないのではないでしょうか。

    例えばまさくにさんご指摘の警察の裏金事件への追及にしても、数ヶ月間をかけて警察側は準備をしていた(それをさせるほどの厳しさだった)わけで、その準備を見破って違法行為の手がかりをつかむのは、あの人員では困難でしょう。告発的な義務を果たせないことについて、「捜査機関ではないから、実質的に無理だ」との会計検査院長の発言は、法を恣意的に解釈するが故のものではなく、自分たちの能力が不足しているが故のものであるようにwebmasterには思えます。予算・定員を大きく増加させれば、多分実効性は向上するでしょう。

    非常に刺激的な言い方をすれば、会計検査院は独立性・中立性はあるけれども、実力が(少なくともまさくにさんの期待に応えるほどには)ないのです。
  • 公正取引委員会の勧告の公表(「疑問3」)

    独占禁止法第43条を根拠として行っているのではないでしょうか。
  • 法の恣意的運用の危険性(「どうなるか」)

    はっきり申し上げれば、しょせん人間が運用するものである以上、それは程度問題です。恣意性でいうなら、裁判官こそ最高の恣意性を憲法で保障されています。司法府に対する信頼が一般に厚いものであることは喜ばしいことではありますが、およそ恣意的で危険な行政府と、公正中立で国民の庇護者である司法府と決めつけられるのは、前者の構成員であるwebmasterとしてはソースを出してくれ、と言いたくもなります(笑)。
  • 新法制定と法律改正の難易(「どうなるか」)

    手続的には全く同じものが求められているので、改正がより容易だといわれても・・・。
  • 人権委員会の勧告についての諾否・意見表明の機会(「どうなるか」)

    それで十分かどうかはともかく、有無で言えば存在します(人権擁護法案第60条第2項、第61条第2項(それぞれ第64条第2項で準用する場合を含みます))。
  • 国民側が「その事例は差別的表現ではない」と主張する言論を行おうとした時に、それが例え正当であると思われても、メディアを封殺してさえいれば一個人の声など広く知られないし、権力に対抗できる言論ともなり得ないでしょう。(「どうなるか」)

    であれば、むしろ公表されないケースの方が問題ではないでしょうか。
  • ストーカー規制法における禁止命令と人権擁護法案における勧告の相違(「どうなるか2」)

    禁止命令は紛れもなく行政処分そのものですし、違反すれば刑事罰(1年以下の懲役・100万円以下の罰金)が科せられます。
  • 行政指導の公表の基準(「どうなるか2」)

    前提として2点一般論があり、1つは行政指導といっても千差万別(極端な例を挙げれば、許認可の申請において字が汚くて読めないからもう少しきれいに書き直してくれ、というのも行政指導です)ですから、一律に公表基準を定めることは不可能です(何でもいいから作ればいいなら不可能ではないでしょうが、解釈の余地が多分にあるものにしかなり得ないでしょう)。

    もう1つは行政の透明性確保の観点から、とにかく少しでも公表部分を増やせという行革の流れがあることです。この観点からすれば、少なくとも人権擁護法案は、勧告をして従わないからといって人権委員会が独断で公表することは禁じているとも言えます。

    さらに個別論としては、人権擁護法案における勧告については、勧告の実効性確保の手段として刑事罰や行政処分と公表のいずれを是とするのか、という論点があります。少なくともパブリックコメントにおいては、勧告やその公表にとどまらず、刑事罰や行政処分を求める声があったわけですが(当然これらは、より「加害者」に対する強制力を持たせたいという観点からのものです)。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)

[politics]続々・政策羅針盤(Political Compass日本語版)

trackbackいただいてしまいました。回答者の識別情報と切り離した形でなら回答を集計しても問題ないと考えていたwebmasterよりも、sakidatsumonoさんはとっても良心的で、かつ、十分な検討を経て問題も練り込まれていたということで、大変失礼なことを申し上げてしまったと思います。

で、ソースの使い方をご教示いただけたというのは、webmasterにも作ってみろと、そうすればいかに作るのが難しいかわかるぞというご指導でしょうか(笑)。

#でも、作り出したらはまりそうで怖いです(笑)。

[law][book]長尾龍一「リヴァイアサン」

いろいろ考えさせられるところの多い本で、軽々に内容を紹介することをためらわせますが、webmasterごときでもおやっと思うのが、世界秩序や国際的公共性への楽観です。共産主義という世界秩序の下主権国家の主権に制約を加えたブレジネフ・ドクトリンの前例を見れば、主権国家に成り代わって世界秩序が世を覆ったところでどうなるというのでしょう。

国家の強制力をサポートする民衆の支持(本書でも引用されるトクヴィルによる、アメリカの「人民」による独裁との見方に代表される、絶対君主を上回る民衆による強権の付与)や、(国家を含む)各種の組織の統制技術は、主権国家が独占するものではありませんから、世界秩序の僕たる帝国であっても、それらを駆使して主権国家的に振る舞うことができます。

そして、これらのことを長尾先生がご存じないとはおよそ想定できません。にもかかわらず、その楽観はどこからくるのか。「あとがき」に到達して、なんとなくその一端に触れたような気がします。深いなぁ、実に深いなぁ・・・。

#でも本書読了後、一番読みたいと思ったのは長尾先生の他の著作ではなく(もちろんそれらも読みたいですが)、和仁陽「教会・公法学・国家」でした。でも、品切れっぽいですし、仮に絶版になってなくても高い・・・。

[comic]機動戦士ガンダム THE ORIGIN(@ガンダムエース5月号)

シャアの設定をそうしますか・・・まったく予想外。でも、そういう展開なら(エースの)表紙は1ヶ月早すぎではないかと。

[sports]K-1 HERO'S

中量級(といってもライト級だよなぁ)をプレイアップしたことといい、短い時間で出場者をかき集めたことといい、前田日明のこの世界での企画力・人脈はまだまださすがと思わせる大会でしたが、いいかげんサップは切った方がいいんじゃないでしょうか。不慣れな新人をあてがってその将来の展開を狭めることが中長期的に割のいいこととは思えません。PRIDEからうまくババをつかまされた感が漂いますが、長期契約しちゃったのかなぁ・・・。

#昨年末のDynamiteの進行役は山田優・井上和香のコンビだったのが、今回は井上和香がピンで進行役をしていました。彼女は決して嫌いなタレントというわけではないのですが(不幸の法則での長井秀和との掛け合いなど、いい仕事していると思います)、格闘技大会をピンでまかせるキャラじゃないでしょうに。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

トニオ [失礼します。 汚いものを置いていくようで恐縮ですが、 笑い話のネタにでもどうぞ。 http://hobby.2log..]

bewaad [>トニオさん 本件については個別にレスはしない方針だったのですが、名誉を守るために一言、「元」じゃないぞ!(笑)]


2005-03-28

[government][law]出向による給与減額の補填

「役所への出向者の給料」(@霞が関官僚日記3/27付)より。昨日はまさくにさんに法の恣意的運用について偉そうなことを言ってしまいましたが、この件は恣意的運用の最たるものです。やっぱ行政はダメかも。本来おおっぴらにするものではないのでしょうが、知る人ぞ知る事実なのは明らかなので(上記エントリのコメントでも話が出ているぐらいですから)、概要をご説明しておきます。

まず官民交流法(国と民間企業との間の人事交流に関する法律)に基づく出向ですが、おそらく一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律の適用を受け、同法第7条第1項に規定する給与が支給されます(現時点での額は40.4万−91.3万円/月)。そんなに低くないのでは、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、これは税込みの額で、しかもボーナスや残業代はないですから、えてして出向前よりも給与は下がります。

#同条第5項で予算の範囲内でというキャップがはめられているので、能力に見合った処遇よりも低くなりがちです。

さらに悲惨なのが、kanryoさんご指摘の調査員(その他の名称の場合もあります)。上記エントリのコメントでは完全手弁当という話もあり、他方で非常勤としての給与(最高でも月30万円はいかなかったはず)を支給している例もあるようですが(それぞれの役所の予算の余裕に応じて使い分けられているのでしょう)、いずれにしても大幅な減額は不可避です。

さらに言えば、これは派遣元の辞令の出し方にも依存しますが、人によっては年金がいったん切れたりとか、退職金のベースとなる勤続年数が変わったりとか、そういった影響があるという話も聞きます。

#昔話として、非常勤だから残業しているわけがないとの建前を優先して、調査員にはタクシー券の使用を禁止していた例すらあります(もちろん公務で残業したにもかかわらず。さすがに最近では、そのような差別的取扱いはしていないようですが)。

で、こんな話は百も承知であろう朝日の(多分記者クラブ所属)記者は、どんな顔して「国に近い組織として、より厳格であるべき独法側の姿勢が改めて問われそうだ」なんて記事を書いたんですかねぇ。上記エントリのコメントにあるように、単に出向中に支払うとアレなんで出向前後に補填するという、いわば脱法行為で民間は対応しているわけですが、脱法行為を推奨するつもりだというのでしょうか。

もっと腹立たしいのが国家公務員倫理審査会。以上をもし知らないというなら不勉強を恥じるべきだし(民間出向経験者を一人でもヒアリングすればわかる話です)、知った上で「国家公務員法の服務規定に抵触する恐れがある」などというなら、庭先きれい主義(webmaster注:霞が関用語で、自分の担当において問題が生じないよう、人に問題を押しつけること)の最たるものでしょう。あくまで記事に掲載されたコメントなので、本当にしゃべった言葉は、「そのような事実は承知していないが、仮にそうしたことがあるとすれば」という前振りが付いていたものであると信じたいです。

#ま、確かに国家公務員法第103条(私企業からの隔離)・第104条(他の事業又は事務の関与制限)との関係は限りなくグレーでしょうけど。

最後に総務省の「派遣元の企業側が法に触れるとの懸念を持ち、差額分を補填した例はない」とのコメント。kanryoさんが、「補填した例はないと聞いている」とより正しい(笑)言い方を提示していますが、「補填した例があるとは聞いていない」の方がさらに無難ではないかと(笑)。

[sports]バーレーン戦は中田(英)ボランチ・3バック

ジーコ監督の決断には自然な解釈と陰謀論の2つの考えがあり得るのですが、果たして真相はいかに。後者であってほしいとは思いますが(笑)。

自然な解釈
行き当たりばったり(笑)。
陰謀論
中田(英)ボランチ・3バックにしたかったのですが、中田(英)のプライドだの世間の雑音だのを考えると(それに、ジーコ自身の踏ん切りもあるでしょう)、4-4-2ではダメだという失敗を一度しておく必要があります。ではいつ失敗すればよいのか。ベストチャンスは、(1)最強のライバルとのアウェイ戦なので、負けはある程度織り込むことができ、負けたときのダメージが最小、(2)予選開始からまもないタイミングなので時間的に余裕がある、という今回のイラン戦を置いて他にありません(出場停止の関係から説明がしやすかったことも運がよかったと言えます)。

どちらが正解かは遠からずわかるでしょう。小野が復帰した後でも中田(英)ボランチ・3バックであれば後者、そうでなければ前者ということになりますから。

#バーレーン戦で思いもよらずうまくいったからそのまま続けたってことだと、この判定条件は使い物になりませんが。

[comic]現在官僚系もふ・第3回

今回は(霞が関特有の点についての)ツッコミどころが減ったように思いますが、それは回を重ねて取材が行き届いてきたからなのか、プライベートが題材だったからなのか、次回を見てみないと・・・。

  • お姉さんのお使いは銀座まで行ったのでしょうけれど、銀座に行って買い物して帰ってくれば、昼休みのスタートからではあの時間ではすみません。昼休み前から出発?
  • 石神井で遠すぎるって、もっと遠いところから(もちろん自宅・持ち家ではなく寮・宿舎で)通っている人はいくらでもいますが。
  • 不動産屋だって商売なんですから、裏に回って何を言っているかは知りませんが、客に向かってあんなことは言わないでしょう。
  • あれは職権濫用ではなく脅迫、立派な刑法犯でしょうに。
  • 新人の給料で家賃8万は相当きついはずですが、生活していけるのでしょうか。

#でもこの漫画って、結局はラノベですねぇ。あんまりラノベは追っかけてないのでよく知らないのですが、社会人が主人公のラノベって普通にあるものなのでしょうか?

本日のツッコミ(全304件) [ツッコミを入れる]

Before...

OLYMPUS(オリンパス) STYLUS TG-4 ブラック [ヘイ!ポスト|私は本当に|あなたのこれは私のまず第一がある。同じを扱う上で行く他のブログ/ウェブサイト/フォーラム被..]

sonyテレビスピーカー [ちょっとそこ! あなたがこのために使用しているオフトピック が、私はどのブログのプラットフォームを思っていた私は、こ..]

ペンタックス 交換用レンズ 645用 FA645 45-85mmF4.5 [非常にあなたの文章の ながら|快い 登場鳴っもともと、本当に座らない沈降さ完全にいくつかの時間後に私個人。 内|どこ..]


2005-03-29

[law]人権擁護法反対論批判 趣旨説明編

ここまで何回もこのテーマを取り上げてきて今さら感も漂いますが、「ミ・д・,,彡カテゴリ、始動せよ!」(@世界の中心で左右をヲチするノケモノ3/28付)や、「なんか変なんだが、なにが変なんだ、、、」(@若隠居の徒然日記3/28付)で紹介されている反対集会の企画を見て、はっきりとお断りしておくべきであるように思ったので、改めてこの一連のエントリにおけるwebmasterのねらいを述べさせていただきます。

オールドリベラルを自認するwebmasterとしては、今回の法案には反対で、もっと言えば名誉毀損や侮辱にしてもまずは対抗言論をもってすべきであろうと考えているわけですが、多くの人権擁護法反対論はそうした抵抗感を乗り越えてあまりあるほど嫌いだから批判しているのです(チャーチルが、ヒトラーが地獄に攻め込んだら悪魔を褒めるといったことのようなものです)。というわけで、今までは極力法案の解釈に限定した議論をしてきましたが(それがwebmasterの比較優位だと思いますし)、今回のみ、そこから離れて論じてみたいと思います。

#故に、読者の皆様におかれては、今回のエントリを常にも増して懐疑的にご覧いただくようお願い申し上げます。要すれば、以下は感情論に過ぎませんから。

なぜ嫌いかと言えば、端的にはやり方が汚いからです。代表例として、コメント数4000とトラックバック数2000も頂きありがとうございます。お陰さまでアクセスもサイト設立から2週間が経過する前に既に100万を超えましたとのことらしいですから大手といえるでしょう、人権擁護(言論弾圧)法案反対!から2点挙げてみます。

第1点として、恣意的な引用をしている部分をピックアップします。「この法案の根本的問題点」(3/25付)では、障碍者団体も反対しているとして、差別や障碍の原因が多種多様であるに関わらず、この事についての十分な議論がなされる前に、一つの機関で全ての問題に対応しようとしている事ですとか、障害者の地域生活支援サービス体制の見直しが進むなかで障害者自身の権利意識が高まっているにもかかわらず、法務省と地域生活のあり方を考える厚生労働省との間の連携がまったくおこなわれていない実態といった記載がなされています。では、障碍者団体の主張の実際はどうなのでしょうか。

上記エントリからリンクが張られている日本障害者協議会の「「人権擁護法案」に対する意見及び要望について」を見てみますと、そこで委員会は、労働委員会のように、地方にも置かれる必要があり、女性雇用差別についての都道府県労働局や、児童相談所に見合う障害者独自の救済制度が設けられるべきである(webmaster注:「委員会」とは人権委員会)ですとか、委員会の救済権限は、一般救済はもとより、緊急性を要する特別救済においても、委員会の勧告、公表どまりで、労働委員会や公正取引委員会にみられるような直接的禁止命令、排除措置命令にあたる権限がない。このことは制度の存在意義を大きく減殺するといった部分があります。

もちろん共通する指摘(法務省管轄はおかしいですとか、公務員による人権侵害への対応が弱いですとか)もありますが、言論弾圧を理由に人権擁護法案に反対するのであれば、組織・人員を強化してより強い権限を与える=「弾圧」の可能性を高める(当然にうまく活用されれば救済の実効性も高めますから、それが一概に悪いものではありません。為念)べしとの主張には、人権擁護法案以上に反対すべきでしょう。小異を捨てて大同につくのではなく、大異を捨てて小同についているのは、障碍者団体のイメージを借りる、もっとはっきり言えば「弱者を振りかざして実質的強者として振る舞う」という反対論者がよく使うレトリックを自ら実践しているとしか評せません。

#同じエントリによりますと、人権擁護法案の本質的な問題については、強大すぎる権力を持つ人権委員会の存在やそれ(と人権侵害概念の曖昧さ)による表現の自由の束縛もそうだとされています。

解同による糾弾を批判し、人権擁護法案によってそれがより悪化するとの主張をするサイトにさんざんリンクを張っておきながら、人権擁護法案では糾弾が非合法されかねないから反対だといっている団体を紹介して自説の強化に用いることも同じ文脈で批判されるべきです。まあ、そうした団体から赤旗や産経新聞まで、その主張も立場も問わずすべて反対しているの一点で同一視できる神経には脱帽ですが(笑)。

第2点として、論理のすり替えを行っている部分をピックアップします。若隠居さんが紹介している「拉致議連や救う会がこの法案に反対を表明している以上、国会議員がこの法案に賛成を表明するということは、拉致問題解決を望んでいないという意志表明に値します」とのテキストはさすがに削除したようですが、現時点でも「救う会や拉致議連は人権擁護法案は拉致問題の解決に障害となる法案として反対表明を明らかにしています」とのミスリードな記述が別エントリにおいてなされています(主張を紹介しているだけだという反論もあり得ますが、同意できないものについてそのような紹介をすることはないでしょう)。

それらの主張が正しいというならともかく、決してそうではありません。拉致議連については以前触れましたので救う会の声明を取り上げますと、ほとんどは既にwebmasterが問題を指摘した類のものですが、目新しいものとして特に第3条の「次に掲げる行為をしてはならない」という箇所では人種差別のみが記述されていることも要注意と思われるとの指摘があります(webmaster注:「第3条」とは第3条第2項各号の規定を指しています)。

これは法律(案)の誤読もいいところで、第3条第2項は第1号・第2号ともに「人種等の共通の属性を有する不特定多数の者」と規定されているところに引っかかったのだと思いますが、ここでいう「人種等」とは第2条第5項で「この法律において「人種等」とは、人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向をいう」とされていますから、人種差別のみが記述されているわけではありません。

#揚げ足取りだと解されるのは不本意なのですが、ほとんどがこのレベルの主張なのでどこをとっても揚げ足取りにならざるを得ないのです。

そのような主張を援用しながら、それに反対する者は拉致問題解決の障害だとして人権擁護法案に反対するのであれば、人権を振りかざして人権擁護法案を通過させようとしているとの法案推進派に対する批判は、まずは自らが甘んじて受けるべきでしょう。そもそも、拉致問題を引き合いに出して人権擁護法案推進派にレッテルを貼るのは、それこそ言論弾圧そのものでしょう(公権力によるものではありませんが)。そうだと思わないならバカだとしか言いようがありませんし、承知の上でわざとやっているのであれば卑怯だとしか言いようがありません。

拉致被害者やその家族の方々が北朝鮮やその関係者、そして政府に対して疑心暗鬼になるのは無理からぬことですし、上記のような解釈をしてしまうのも納得がいきます。しかし、救う会の構成員はそうした方々だけではないはずです。ましてそれを紹介する人々においてはなおさら。であれば、拉致被害者やその家族の方々の信用を守るためにも、そうした人々は彼(女)らに対して誤りは誤りとして指摘することが誠実なのであって、誤りに乗じてスピンコントロールに転用するのは彼(女)らを体のいい御神輿として処遇しているようにしか、webmasterには思えません。

最後に、反対派の中には、人権擁護法は現代の治安維持法、人権委員会や人権擁護委員は現代のゲシュタポ、特高と称すべきものだとの言論が散見されますが、独断と偏見であると断った旨であえて申し上げます。

「反対論に見られる在日韓国・朝鮮人、解同・部落出身者、創価学会に関する陰謀論の多くは、「我が闘争」におけるユダヤ陰謀論に極めてよく似ています。」

#陰謀論の対象がマイノリティでないだけ、朝日新聞などの「軍クツ」論や行政不信論の方がよほど罪が軽いと言えるでしょう。

webmasterは、ここまで述べてきたような主張をする人々のことが嫌いですので、それが反対論の中の少数派に転じない限り、反対論批判派のスタンスを変えるつもりはありません。そうした主張が普及することの不愉快さに比べれば、人権擁護法が成立することの不愉快さなど、比較にならないほど簡単に我慢できますから。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)
  13. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)

[government][law]出向による給与減額の補填(謝罪・訂正)

昨日、標記テーマについては、次のような記述をしました。

まず官民交流法(国と民間企業との間の人事交流に関する法律)に基づく出向ですが、おそらく一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律の適用を受け、同法第7条第1項に規定する給与が支給されます(現時点での額は40.4万−91.3万円/月)。そんなに低くないのでは、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、これは税込みの額で、しかもボーナスや残業代はないですから、えてして出向前よりも給与は下がります。

しかし、これはbranchさんからコメントいただいたとおり、誤りです。例えば人事院公表資料でも、次のような記述があります(強調はwebmasterによります)。

民間人材の国への採用には、官民人事交流法による交流採用のほか、人事院規則1−24(公務の活性化のために民間の人材を採用する場合の特例)及び任期付職員法による採用がある。

お詫びして訂正させていただきます。

#となると、一般の俸給表が適用されるのかな?

本日のツッコミ(全487件) [ツッコミを入れる]

Before...

ミツマルテック 19V型ハイビジョン液晶テレビ ブラック LC1995 [LC1995] [このブログはない正しく に私の iの電話 - もしかもしれないしようと修正したいという ミツマルテック 19V型ハ..]

??????????????????????WC-E75A [このブログ負荷に|絵画像で問題うーん誰が持つ遭遇を経験している?私は、把握を決定にしようとしている、その場合には、私..]

パナソニック DMP-B100-S 8.9型 ポータブルブルーレイディスクプレーヤー シルバー代金引換・日時指定不可 [多くのあなた請求適切なとそれは私を作る不思議理由はI していなかったことを supprisingly起こるとの前に、..]


2005-03-30

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その8)

本日は、webmasterがこれまでにしたリジョインダーにご返答いただいたエントリに対しての、再度のリジョインダーです。

「紛争処理の多元化と正しさという利権」(@圏外からのひとこと3/19付)

essaさんからは(コメント欄においてですが)「公」が「聖」のオーラをまとうことの効果とその危険性が考慮されてないとのご指摘をいただきまして、しかしながらそれは実は意図的だったりします。

最大の理由としてはそちら方面の素養があまりにもないということなのですけれども(笑)、昨日も書いたのですが別の理由として、そこにwebmasterの比較優位を見いだしているということがあります。簡単に言えば他にやっている人が少ないことをやろうと。その方がテキストをより多くの人の目にとめていただける可能性が増えるのではないかと考えております。

#本件について、法律論としては当サイトがそれなりにリンクを張ってもらったり、引用していただいているのは、この後者の理由がそれほど的はずれではなかったことの一つの表れではないかと考えております。

しかしながら、誠実にご返答いただいた以上、webmasterも何らかの形でお返しをすべきと考えますので、以下思いつくままいくつかの論点を挙げさせていただきます。それにより、さらに議論を深めていただければ幸いです。感想めいたものですので、特定のご指摘に対する具体的なものとはなっていない点、ご容赦いただければと思います。

  • 今回、いろいろな方々と意見交換をさせていただき、また多くの主張に目を通したのですが、「公」がまとう「聖」性というのは、実は司法の方が行政よりもよほど強いのではないでしょうか。これほどまでに司法に対する信頼が厚いのは法治国家として誠に慶賀すべきことですが、「聖」として多くの人から見られているかどうかという点に限って危険性の基準とする場合には、司法府の方がよほど危険(確定判決には立法と同じ効果がありますし)であるし、それが故にその対象(訴えられないことには何も始まりません)も手続も限定されていると考えられます。
  • また、「聖」「俗」についてあまりにも単純な見方が多いのも目につきました。といいますか、推進派は反対派を「俗」なるが故に反対しているとのみとらえ、逆もまた真なり、というケースが多いようです。人は皆「聖」「俗」併せ持つものだと考えるwebmasterからすると、それがポジショントークであればまだ納得がいくのですが、本気で信じている人も少なからずいるように見受けられます。そのように相手を100%「俗」だと断じる姿勢には、自らを容易に「聖」と自認することにつながる可能性があるでしょう。
  • 相対化という面では、少なくともその内部にいる人間の感想としては、行政府はそれほど捨てたものではないと思います。正直に申し上げれば、これだけ世に行政不信が渦巻き、世論に阿らないことをすれば即座に抵抗勢力のレッテルを貼られるのですから、自問もなく意見を公表できるはずもない、と認識しています。
  • ただし、世論に阿るような行政の行動は大した批判がなされないことが多く、当サイトでも何度か取り上げているのですが、webmasterは今の日本における構造改革翼賛傾向ははなはだ危なっかしいものだと見ています。その意味で、実は人権擁護法案最大のリスクは、マイノリティによる濫用ではなく、マジョリティによる濫用(典型的に想定されるのはオウム信者に対する転入拒否や公務執行妨害による別件逮捕のような用法)でしょう。ただし、人権擁護法案には濫用されたところでたかがしれた権限しかなく、あくまでリスクは法案にあるのではないというのがwebmasterのスタンスです。
  • 日本における差別主義者の刻印の意味は、political correctnessやhate speechを巡る状況を見れば、webmasterはむしろ欧米よりも軽いのではないかと考えています。他方でそれは、日本における差別が欧米のようなprimitiveなもの(見てわかる属性に基づくものが相対的に多い)ではなくsophisticatedなもの(文化的差異に根ざすものが相対的に多い)であるが故に、欧米流の対処法をそのまま適用すればよいというものではないことを意味し、かえって対処しづらい面があるとも考えています。

「人権擁護法案はどうなるか3」「人権擁護法案はどうなるか4」(@いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

論点ごとに簡潔にまとめていただいたので、なるべくwebmasterもシンプルに箇条書きで。

  • 勧告及びその公表のための手続については、あくまで現行法にもそれなりの理屈があるということを申し上げたのみで、ほかによりよいものは十分あり得ると思います。trackbackいただいたのでご覧いただいていることは承知の上での広告(笑)ではありますが、以前、勧告の公表手続についての代替案をいくつか考えたこともありますので、ご参考にしていただければと思います。
  • 行政指導とその公表については、もちろん例外は残るでしょうけれど(例えば保健所と飲食店の例で言えば、「ここちょっと汚れてるけど、掃除した方がいいんじゃない?」と雑談の流れで言ったものも、厳密に言えば行政指導ですけど、この程度のものまで問題視されることは想定しづらいでしょう)、方向性としては公表されるものが多くなっていくことで間違いないでしょう。公表させられる身としては、総論として公表せいと言われつつ、それでプライバシー等の問題が起こると掌を返されるのがつらいのですが(笑)。行政手続法、情報公開法、個人情報保護法等、徐々にではありますが制度の整備は進んでいますし。
  • 行政の信頼性云々は半分冗談で半分愚痴ですから、ご笑覧の上ご放念いただいて結構です(笑)。ただ1つだけ申し上げれば、あまりにもよく言われる話でオリジナリティのかけらもないのですが、犬が人を噛んでもニュースにならない一方で人が犬を噛めばニュースになるということで、別に立派なことでもなんでもないのですが、大過なく業務をこなしている部分はなかなか外部からは見えない一方で、不祥事は目立つし記憶に残るという面はあります。もちろんそれが世の習いで当然ですから、おかしいことだと言いたいわけではありませんが。

    <ここまで「どうなるか3」、以下「どうなるか4」>
  • 会計検査院の独立性については、ほとんど四権分立だというのが自己申告だったりします。
  • 警察の裏金問題については、会計検査院の報告を見る限り、警察の内部調査と処分を前提とした上で所見を述べていますので、それがtoo little, too lateではあるのかもしれませんが、何らかの対応はしていると言えると思います。
  • 弟子屈署の問題については、ちょっとぐぐってみたのですが、昨年は道の監査は入りましたが、会計検査院は入ったのでしょうか? 事情に詳しくないので、ご教示いただければ幸いです。ただ、通告はそれによる検察の捜査、起訴のトリガーとして位置づけられるものですから、もし最高裁の判決が刑事事件であれば、通告はしなくてもよいはずです(目的が既に達せられているため)。
  • 権力への批判が人権侵害認定されるかどうかですが、定量的に可能性を見積もることは不可能ですけれども、法務大臣の指揮権は結局は造船疑獄の際に一度だけ発動されただけでその後事実上タブーとなっている(直接には犬養法務大臣辞任の、間接には吉田内閣退陣の原因となりましたので)こと、通説・判例ともに公人の名誉等は私人のそれに比べれば保護すべき程度が低いとしていること等を踏まえれば、定性的にはそれほど見込まれないとwebmasterは思います。
  • 通達、ガイドライン等による法解釈の変更ですが、ごめんなさい、これは撤廃できません。法解釈の安定性はもちろん重要ですが、他方で杓子定規だとの批判もあり、その間でその時々の状況にあわせて妥協するしか道はなく、不安定だとの批判も杓子定規だとの批判も完全に回避することはできません。ただ、パブリックコメント手続など、少しでも予見可能性を高め、客観的意見を聞く機会を設けていく努力はなされています、とだけ弁解しておきます。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)
  13. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)
  14. 人権擁護法反対論批判 趣旨説明編
本日のツッコミ(全613件) [ツッコミを入れる]

Before...

ぐ膏??BRAVIA(??????)KDL-40EX710 [40V????笂?BS?110搴?S????儷??????с?娑叉?????揮 [こんにちは随時時折と私は同じようなものを所有し、私はちょうど好奇心した、スパムの多くを得る場合には応答を?ので、どの..]

東芝(TOSHIBA) 50型(50インチ) REGZA(レグザ) 液晶テレビ 4K LED 地上・BS・110度CSデジタル 3D対応 3Dメガネ別売り 外付けHDD対応 無線 50Z9X [この設計はオオワシ!あなたは間違いなく読者を維持する方法を知っている。仕事あなたのウィットとあなたのビデオの間に、私..]

???枡?℃枡??????????Panasonic)50V????笂??S??10搴?S?併???儕?煎?????儷??????с?娑叉??????VIERA TH-50C300(USB HDD????惧繙) [?????TH50C300] [こんにちは! Zyngaのグループ私が私をあなたのブログを共有してもいいですか?あなたのコンテンツを| 感謝楽しむ..]


2005-03-31

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その9)

本日は、先の「趣旨説明編」に対する反論、そのタイトルもズバリ「bewaadさんへの疑問(仮称)」(@ブログ鷹森3/29付)を取り上げたいと思います。bewaadさん、きっちり返答するかなあ若隠居さんから疑問を投げかけられましたが、あれはwebmasterからはという趣旨でして、指摘・批判を無視するということではございませんので、派手に花火がドカンとあがることを熱望しますとのご要望に添ったものかどうかのご判断はお任せしますが、主観的には精一杯火薬を投げ込んでみます。

#その前に、「人権擁護法案ポジションMAP」(@音極道茶室3/30付)を紹介させていただきます。人権擁護法案についての数あるテキストの中に見られない、斬新な切り口のエントリだと感心致しました。

本来、ネットではリンクを張れば論ずる対象をご覧いただけるわけですから、引用・転載は最小限にとどめることが可能であり、それがマナーだと考えておりますが、上で精一杯火薬を投げ込むと宣言しましたので、これに反しはしますが、意見にわたる部分について全文転載の上、逐一webmasterの考え方を披露させていただきます。ご了解下さい。

#ちなみにどうでもいい情報ですが、以下の形式は霞が関では「二段表」といいまして、何らかの対応・反論等をまとめる際によく使われるものです。

まず、最初の段落です。

「bewaadさんへの疑問(仮称)」の記述webmasterの考え方
bewaadさんのブログ(http://bewaad.com/)によりますと、、人権擁護(言論弾圧)法案反対!ブログはミスリードではないかとお考えのようですが、根拠が法解釈のみであり、(推進の)原因と(推進者の)目的をチェックしていないという点で片手落ちです。さらに原因と目的をチェックせずに手段のみを問題にしているのも私には理解できません。webmasterの主観的評価で恐縮ですが、人権擁護法案反対論の多くは、人権擁護というお題目・建前は立派で賛同するけれども、それが恣意的に濫用されて表現の自由等が侵害されるというものだと考えていますが、この点に異論はありませんでしょうか? であるとすれば、恣意的に濫用される可能性の評価が先行することにはそれなりに合理性があるのではないかとwebmasterは考えております。

下手な例えで恐縮ですが、webmasterの主張は、日本刀だと騒がれているものを竹光だと申し上げているようなものです。竹光でだって殴ればけがぐらいはしますが、少なくとも竹光を買う人間に対して、日本刀を買う人間に対して必要と考えられるような購入目的のチェックは不要ですから、日本刀と竹光の誤認を指摘することに比べ、竹光を買う人間の目的を問うことの重要性は低いと考えているのです。
さらに、ユダヤ陰謀説と似ていると言う部分について明確な根拠を述べておりません。あのままではbewaadさんこそ印象操作ではないかと疑念を持たざるを得ません。ご指摘の点については以下で詳述させていただきますが、webmasterがユダヤ陰謀論云々と申し上げる前に大半を割いて縷々書いた部分、つまりは人権擁護(言論弾圧)法案反対!においては恣意的な引用や論理のすり替えが行われているとの指摘については、ご賛同いただいたと理解してよろしいのでしょうか? あくまでもミスリードなwebmasterのレトリックが問題なのであり、上記サイトのデタラメさは共通認識となったということでいいのでしょうか?

以下は最後の段落についてです。

「bewaadさんへの疑問(仮称)」の記述webmasterの考え方
ユダヤ陰謀論と法案反対運動を同列に扱うのは無理があります。まず、ユダヤ陰謀論は根拠が無いあるいは希薄と思われます、一応我が闘争以外ではシオニズム宣言を根拠にしている人もいますが、少し無理があると考えますね。法案反対運動については以下触れますが、法案反対運動そのものがユダヤ陰謀論に似ていると申し上げたのではなく、その運動の中で語られる恣意的な濫用の危険性の指摘が陰謀論に似ていると申し上げたのです。先にwebmasterがまとめたお題目・建前は立派云々というのは、民主政の美名の下大衆操作を通じてユダヤ人が世界征服をたくらんでいるとのシオンの議定書(シオン賢人議定書)(「我が闘争」におけるユダヤ陰謀論の源流です)と同じロジックです。
それに反して、解放同盟の関与については東京新聞の報道および部落解放同盟大会での宣言2つの根拠があり(小さいの入れれば他にまだありますが、2つで十分でしょう)、解放同盟が同法案の主力推進者である事には間違いありません。まず、webmasterが陰謀論とのみ記してその含意を詳述していなかった点にぬかりがあったことを認めます。その上で申し上げますと、解同が人権擁護法案の成立を目指していることを否定などは全くしていません(紛れもない事実なのですから)。解同が人権擁護法案の成立をめざすのは、解同が(人権擁護法の恣意的な濫用により)日本の言論を支配し暗黒時代をもたらそうとしているからだ、という立論は陰謀論であり根拠がない、と申し上げているわけです。

で、ご指摘の東京新聞の報道とは「人権関連法案突然の再浮上/仕掛けは解放同盟」のこと、部落解放同盟大会での宣言とは今月初旬の第62回大会におけるそれのことだとして、彼(女)らが本当は人権侵害救済法案の成立を目的としつつ、ないよりはあった方がいいとの考えから現在の人権擁護法案の成立を推進していることを超えて読み取れるものはありません。

およそ解同の存在自体が悪で、その為すことはすべて否定すべきであるとの前提をおかない限り、解同が賛成・推進していることのみをもって人権擁護法案に反対することの論拠とすることはできません。この前提を受け入れない場合、解同の賛成・推進を人権擁護法案反対の理由としては、表のそれとは異なる裏の賛成・推進の理由があり、その理由に問題があるからというものしかwebmasterには考えつかないのですけれども、他に何かあるのでしょうか。他にないのであれば、その裏の理由が真であるとのソースはどこにあるのでしょうか。

念のため申し上げますと、例えば先に紹介した「人権擁護法案ポジションMAP」を作成されたJ2さんが、別エントリ解放同盟はこの法案の目的の1つが糾弾への不当な介入の排除と明言していますと指摘していますが、そこで引用されている解放新聞の記事において「確認・糾弾への不当な介入の排除」が「メディア規制の削除」と併記されていることからも、当サイトでは何度か指摘していますが、この解同の主張は現在の人権擁護法案の目的は調停、仲裁、勧告のみを人権侵害への対処法として正統性を独占させ確認・糾弾の正統性を否定するもの=不当な介入なのでそれを排除せよ、つまりは人権擁護法案が成立したとしても法律に基づく救済手続とは別に確認・糾弾の正統性を認めよ(人権擁護法案に対する部分的反対論)、という主張であると解するのが正しいと考えております。
また、創価学会および公明党の関与ですが、法案を先に(即日)公明党が承認している点、さらに公明党が過去外国人参政権を求める運動を行っている点、創価学会が人権展を度々行っている点、さらに国連から人権教育プログラムの採択に功績があったとするこれら4つの点から考えて関与が濃厚と思われる事実があり、ほぼ関与推進していると考えて差し支えないと考えます。推進しているであろう(webmaster注:「人権擁護法案ポジションMAP」によると創価学会自身の見解は明らかでないとのことですので、「であろう」としました)ことを否定しないのは解同と同じですので、その議論は繰り返しません。

「創価 人権擁護法」でぐぐるとわかりますが、概ね創価学会にまつわる陰謀論としては、池田大作名誉会長への報道対策のためであるというものと、その信者である在日韓国人・在日朝鮮人のためであるというものが主流です。で、彼(女)らがそのような主張をすることはまったく正当な政治活動であり、それが問題であるわけがありません。

問題があるとすれば、既述のとおり裏の理由に問題がある場合でしょう(例えば創価学会員だけが優遇されるといった恣意的な濫用を目指している等)。きちんとしたソースがあるなら創価学会批判を陰謀論だとした記述は謝罪の上撤回しますが、寡聞にしてまともなソースは見たことがありません。

そもそもメディア規制自体がけしからんという意見には一理も二理も認めますが、であれば創価学会は批判対象の一つに過ぎないことを明らかにし、他のメディアスクラム規制推進派も同様に批判すべきです。創価学会のみをこの理由で批判し、他を批判しないと言うことであれば、それはダブルスタンダードのそしりを免れないでしょう。

国籍条項問題に代表される外国人の取扱いについても同様です。ただし、こちらについてはいわゆる当然の法理と、外国人にも日本国憲法に基づく人権保障は部分的に及ぶとした最高裁判決というより高いハードルがありますが。
次に、「在日韓国人・在日朝鮮人」とありますが、少なくとも私は朝鮮総連とは書きましたが、在日韓国人・在日朝鮮人とは一度も書いたことがないです、これらは、区別しないと明確に意味が変わってしまうので、ささいな点には見えますが確実に区別しなければならないと思います。(朝鮮総連は在日朝鮮人の民意に基づき動いているというよりも、北朝鮮政府の意向で動いているのではないかという疑いが濃厚のため明確に区別すべきと考えます)他のサイトも私が知る限りは、在日韓国人・在日朝鮮人と書いている所は知りません。なぜ、bewaadさんは在日韓国人・在日朝鮮人と記載したのか、疑問があります。では先の鷹森さんに倣ってwebmasterも2つソースを出しましょう。西尾幹二先生の産経新聞への寄稿と、拉致議連の声明です。いずれも在日韓国人の語が用いられています。
また、そもそもですがそこでいう陰謀論とは何を指しているのか私には分かりません。こちらから憶測は可能ですが、それでは議論にならない、もっと明確に述べてもらいたい。まさかとは思いますが、「推進者として関与している」と述べることを陰謀論とおっしゃるのでしょうか?非常に疑問です。以上のとおり、「『推進者として関与している」と述べること」を陰謀論だとしているわけではありませんが、鷹森さんの別エントリにおける次の記述は陰謀論に片足を踏み入れているとwebmasterは思います。

私案人権擁護法を書いて、一度書く側に立ってみて始めてわかったけれども、本気で問題を重視していたら、「まっさきに児童虐待問題」を取り上げるはずである。次に”本気で人権を擁護しようと願っている”なら、人権擁護委員が”誤って人権を侵害したケースを想定する”のは当然の事である。/どちらも、記載が無い。では、本法案のホンネとは何だろうか?

まず児童虐待問題ですが、人権擁護法案においてより対応の必要性が高い(それに伴い何がそれであるかが明確に規定されている)特別人権侵害の1つとして、「児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条に規定する児童虐待」という規定があります(第42条第1項第3号ニ)。その周辺部分についても、より弱い対応しか許されていない一般の(=特別人権侵害でない)人権侵害の一である「特定の者に対して有する優越的な立場においてその者に対してする虐待」に該当します。(鷹森さんは児童虐待が各号に列記される順番についてご指摘なさっていたとのことですので、以上の指摘は当たりません。4/2追記)

また、人権擁護委員の権限は、これまでも当サイトで何度か触れてきましたが、いくら濫用したところで他人の人権を侵害できる可能性は極めて低く(砂糖を大量に食わせたって人が殺せるようにまったくあり得ないとは言いませんが)、そんな事態を想定した規定を置く必要がありません。相対的に強い権限を有する人権委員についても、鷹森さんが具体的にどのような人権侵害を想定されているかはわかりませんが、DEATH NOTE調のアレでしたら、そんなことは人権擁護法案の規定では絶対にあり得ないので対処できるはずもありません。

にもかかわらず、どこかに「ホンネ」があるとして探し始める、その「ホンネ」が(ソースがなければ)陰謀であり、そのような「ホンネ」があることをアプリオリの前提として構築される世界観が陰謀論なのです。

先回りして、予定される反論にリジョインダーを付けておきますと、以上は解同その他の取り上げた団体やそれらの構成員に非の打ち所がないと申し上げているわけではありません。個別には非難すべき言動はいくらでもあるでしょう(逆の意味で保険をかけておきますと、それらの団体がことさらに悪だと申し上げるものでもありません。しょせんは神ならざる人間の集団である以上、誤りからは逃れられないという趣旨です)。そうした言動を非難することに問題があるというのではなく(手段に問題がない限り)、それらを一足飛びに一般化・抽象化することが問題なのです。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)
  13. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)
  14. 人権擁護法反対論批判 趣旨説明編
  15. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その8)

[misc]東京メトロのパブリシティ

ぶっちゃけありえな〜いパスネットカードが霞が関でも話題(少なくともpogemutaさんどろっぷさんには。kanryoさんが触れないのがかえって不気味です(笑))の東京メトロですが、そちら方面には二の足を踏んでいるwebmasterとしては、山田優のCMキャラ採用・制服着用(FujiSankei Business iスポーツニッポン日刊スポーツzakzakより)に注目してます。霞ヶ関駅で一日駅長とかやってくれないなぁ・・・半蔵門とか日比谷、新橋、溜池山王、六本木一丁目、赤坂見附ぐらいまでの範囲内なら、早起きしてその駅から歩いて出勤するんだけどなぁ・・・。

[notice]断続的な表示不能

よく原因はわかりませんが、ぐぐったところどうやらcacheが悪さをしているようで、それを削除したら復帰したのですが、再度止まってしまったようです。ひょっとしたらもう一度止まってしまうかもしれません。

どうもmakerss.rbが怪しそうなのですが、rss経由でご覧の方々で、もしrdfファイルが変だ等の思い当たる節がございましたら、その旨ご教示いただければ幸いです。

本日のツッコミ(全303件) [ツッコミを入れる]

Before...

ヴィヴィアン ネックレス 新作 [ヴィヴィアンウエストウッド Vivienne Westwood ネックレス ヴィヴィアン ネックレス ペンダント ブ..]

ピアノ?キーボード [日本最大級の楽器?音楽機材サイト。人気の楽器?音楽機材が大集合!エレキギター、アコースティックギター、エレアコ、管楽..]

ナイキ コルテッツ [ナイキ コルテッツ メンズ NIKE CORTEZ NYLON 2013新作【skyblue/dark red/wh..]


トップ 最新 追記