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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-04-01

[law]人権擁護法反対論批判 法案分析編(その3)

まずはじめに、当サイトが「人権擁護法」でぐぐった際に、最初の10ヒットで出てくるようになったことを報告させていただきます。当サイトのテキストに賛成であれ反対であれ、trackbackしていただいたり、リンクを張っていただいたりした結果だと受け止めています。どうもありがとうございました。

#最近アクセス障害が起こっており、以上にもかかわらず読者の皆様にご迷惑をおかけして恐縮です。rubyのスキルがなく抜本的対策がとれず、大変申し訳なく思っております。なお、pluginが原因であるので、pluginを呼び出さないアクセス、具体的には携帯からのアクセスは、通常のアクセスに障害が起きているときでも問題なく可能のようです。

本日は、共同通信社が昨日配信した法務省の修正案について触れてみたいと思います。配信の内容は次のようなものです(共同通信社からの配信と明記している東奥日報の報道から拾いました)。

不当申し立ての具体例明記 人権法修正の法務省案

自民党内で調整が難航している人権擁護法案について、法務省が同党に示した修正方針案が31日、判明した。

それによると、人権侵害申し立ての乱発を防ぐため「本来の目的を逸脱して乱用することがあってはならない」との条文を追加。救済手続きを開始しない不当な申し立てについて、その具体例を別の規則に定めるとした。ただ、自民党内であいまいと批判された人権侵害の定義については「具体化は不可能」として条文は変更しないとしている。

人権侵害の調査などを行う人権擁護委員の選任基準に国籍条項を設けることは公明党の反発に配慮し「現時点で保留」とし、今後の調整に委ねるとした。

まず、乱発を防ぐための規定それ自体には大した意味はないでしょう(法務省職員には手品の種を明かすようで申し訳ありませんが)。なぜなら、この規定がなくても、「本来の目的を逸脱して乱用する」ことが是認されるわけではないからです。

報道の続く部分、すなわちある種の申立てについては救済手続を開始しないとの記述を見ると、そこには具体的な効果として、申立てがあっても人権委員会の職権で門前払いするという対応が規定されており、この条文までセットでようやく法的な効果が生じると考えられます。でも、申立てを見ただけでそれが目的を逸脱しているかどうかがわかるのでしょうか?

とすると、おそらく報道中の「救済手続」とは、人権擁護法案第4章第3節に規定する特別救済手続を指すものと考えられます。つまり、まずは単なる人権侵害等として受け付け、一般調査権の行使等により事案の内容を精査した上で、それが目的を逸脱していると認められる場合には、特別救済手続に移行せずにそこで事務は終了という取扱いです。

改めて特別救済手続のメニューを列挙しますと、特別調査、調停、仲裁、訴訟援助、勧告、その公表、差止請求提訴となります。うち、調停と仲裁は当事者間の合意が前提となっていますから、事実上この不当申立てとは無縁と考えて差し支えないでしょう。世にその危険性が喧伝されている立入調査や勧告の公表が行い得なくなるわけですから、この修正にはそれなりに意味があると評価できると思います(ただし、後述の点を考慮する必要があるかと)。

関連して人権侵害の定義ですが、曖昧だとこれもまたえらく評判が悪いわけですが、勝手に法務省の意図を推察するに、報道のとおりの具体化の不可能性に加え、単に人権侵害だということであれば一般救済手続しか適用されない、といういわば副作用の小ささがあるのではないかと思われます。例えばNHK報道によると自民党の安倍幹事長代理は次のように述べたとのことですが(ファイルがすでに存在しないのでGoogleのキャッシュから全文転載)、そんなことはありえないので取り合う必要がないとの判断でしょう。

安倍幹事長代理は、人権擁護法案について、「人権侵害という定義があいまいで、果てしなく解釈が広がっていく危険性がある。また、人権擁護委員の選任についても、いわゆる国籍条項を外している。例えば、朝鮮総連の関係者が人権擁護委員になった場合、私が、まっさきに人権侵害をしていることにされる危険性がある。言論の自由は、一度失ったら、取り戻すことは至難の業だ」と述べ、法案には根本的な部分で問題点が多いと指摘しました。そのうえで、安倍氏は「本当の意味での人権侵害を、決して許してはいけないことは当然だが、問題点がふっしょくされない限り、いい加減な形で法案を提出して成立させてはならない」と述べ、人権侵害の定義など根本的な部分での問題点が是正されない限り、提出は見送るべきだという考えを示しました。

人権侵害の定義がいくら曖昧であっても(それが曖昧であることは否定しません)、それにより適用されるのが一般救済手続だけであれば、一番権力的な行為としても「説示、人権尊重の理念に関する啓発その他の指導」にとどまるわけですから、これで言論の自由が失われるというのはいくらなんでも大げさでしょう。

#何度か当サイトで触れていますが、いわゆる確認・糾弾としてこの「指導」を行うことは認められません。なお、この曖昧さについては、「『人権擁護法案』は曖昧か?」(@Apes! Not Monkeys!3/24付)においてApemanさんが極めて詳細に検討されており、皆様にご覧いただくようお勧めいたしますが、1つだけ、第3条において、この法案が対象とする人権侵害の範囲が限定されているの部分については、第3条第1項で「次に掲げる行為その他の人権侵害をしてはならない」とされていて、これまた何度か触れたとおり「その他の」は例示ですから、結局第3条第1項が対象とする人権侵害とは、同項各号に掲げる行為に代表されるところの第2条第1項で定義される人権侵害だという点に留意いただきたいと思います(これが、「次に掲げる人権侵害をしてはならない」という規定であればご指摘のとおりになります)。

なお、一昨日の自民党内調整についての配信を見てみますと、この法務省案(とされるもの)とは1つ大きな違いがあります(同じくソースは東奥日報)。

申し立て乱発防止策検討へ 人権擁護法案で自民

自民党の古賀誠元幹事長(与党人権問題懇話会座長)らは30日夕、同党内の反発で調整が難航している人権擁護法案の修正問題をめぐり党本部で協議した。

関係者によると、同法制定で人権侵害の申し立てが乱発されることを防ぐ措置や、人権委員会から侵害があったと認定された場合の不服申し立て制度を新たに盛り込むかどうかについて検討していくことになった。

自民党内からは人権侵害の調査などを行う「人権擁護委員」の選任基準に国籍条項を設けるよう求める声が出ているが、同条項に反対している公明党への配慮もあり、この日の会合では結論は出なかった。

会合には自民党の二階俊博総務局長、自見庄三郎衆院議員、滝実法務副大臣らが出席。古賀氏はこれに先立ち法案提出に反対している拉致救出議員連盟会長の平沼赳夫前経産相と会談した。

具体的には、「人権委員会から侵害があったと認定された場合の不服申し立て制度」の有無です。「認定」とはいかなるものか、これまた明らかではありませんが、狭く定義されているとすれば「認定」=「勧告」でしょうし、広めの定義であるとすれば、これに加え特別調査の着手も「認定」に含まれるかもしれません。法務省案報道が全貌を明らかにしている保証はないので、法務省案にこの制度が含まれている可能性がないわけではないのですが、いずれにしてもこうした制度があるとすれば、例えばan_accusedさんまさくにさんのような方々の懸念にある程度応え得るのではないでしょうか。

最後に先に書いた「後述の点」として、もしこのような制度があるのであれば、その不服申立審査の対象は、その審査に第三者が参加するとして、人権侵害申立に対する門前払いもその対象に含めるべきではないか、とwebmasterは思います。検察審査会(が実効性ある組織であるかどうかはさておき)のような存在として。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)
  13. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)
  14. 人権擁護法反対論批判 趣旨説明編
  15. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その8)
  16. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その9)

[misc]メガネな人々へ

眞鍋かをりagainです。

本日のツッコミ(全307件) [ツッコミを入れる]

Before...

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2005-04-02

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その10)

#RSSリーダでご覧の方への注記ですが、この日を狙い撃ちで幾度となくスパムコメントが投稿されており、それを削除する度に更新扱いとなり表示されていると存じます。しかし、本文に変更はございませんので、その旨お含みいただければ幸いです(もし将来本文を変更する際には、この注記を何らかの形で変更いたします。それがない限り、以後更新扱いとなっていても、コメントの処理の結果としてそのようになっているものとご理解ください)。(2006/7/7追記)

先日の「リジョインダー編(その9)」に対して、「bewaadさんへの返答」(@ブログ鷹森4/1付)でご意見をいただきましたので、再度webmasterの思うところを述べたいと思います。

#意見に入る前に、非常に丁寧な議論をいただいたことに感謝申し上げるとともに、アクセス障害によりご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。

さて、本論の前に、「陰謀論」という言葉についての説明をいたします。というのも、webmasterはジャーゴンとしての「陰謀論」を用いていたのですが、それを明確にしておかなかったために議論を錯綜させてしまった気がしてならないからです。日本語のネットリソースではジャーゴンである「陰謀論」の説明としていいものが見つからなかったので、wikipedia(en)から引っ張ります(日本語版にも該当項目はありますが、今回の紛れを説明するには英語版の方が真正面から定義に向かっているので適当と判断しました)。

A conspiracy theory is a theory that defies common historical or current understanding of events, under the claim that those events are the result of manipulations by two or more individuals or various secretive powers or conspiracies.

Colloquially, a conspiracy theory is any unconventional theory about current or historical events, with the connotation that that theory is unfounded, outlandish, or irrational or in some way unworthy of serious consideration. In this sense, the term is sometimes used to refer to events with which no association to an actual "conspiracy" in the legal sense (two or more persons plotting and one overt act related to the plot) is claimed. In this sense "conspiracy theory" is often simply an allegation of clandestine action, based on little or no solid evidence. Thus the expression "conspiracy theory" in common speech is often used as a term of derision for an allegation that the speaker considers unproven, unlikely, or false.

Conspiracy theories in general allege that some particular event - such as an assassination, a revolution, or even the failure of a product - resulted not solely from the visible action of overt political or market forces, but rather from intentional covert action.

Conspiracy theory - Wikipedia, the free encyclopedia

(私訳)

「陰謀論とは、歴史的ないし現在の事象について、そうした事象が複数の人間や様々な秘密勢力により、すなわち陰謀(共同謀議)の結果もたらされたものだとの主張に基づく、一般に通用している理解に反する議論です。

わかりやすく言えば陰謀論とは、現在の、または歴史的な事象についての何でもありな議論で、根拠のない、トンデモな、または不合理なもので誠実に向き合う価値のないものだという言外の意味を伴っています。この意味で、この語は時として法的な意味での「共同謀議(1つの犯罪行為について複数の人間が企むこと(webmaster注:日本の刑法学では「共謀共同正犯」といいます))」とは無関係な議論を称する場合にも用いられます。つまり、しばしば「陰謀論」とは、単に秘密裏に物事が動いているという、ほとんどないし全く根拠のない主張のことを指します。かくして、一般的に用いられる「陰謀論」という表現は、証拠のない、ありそうにない、または誤っている主張に対する嘲笑の語として少なからず使われます。

一般に陰謀論においては、いくつかの特定の事象、例えば暗殺や革命、さらには製品の失敗といったものが、単に公然たる政治的な、あるいは市場の力による目に見える展開の帰結としてではなく、むしろ密室でのたくらみによりもたらされたものであると主張されます。

また、典型的なパターンは日本語版で紹介される以下となりますし、そこではユダヤ陰謀論などについても触れられています。

「政府は国民に秘密で何事かを行っている」、「世界や国家は何らかの団体にコントロールされている」、「ある戦争や事件は一般に知られているのとは別の理由で起こったものだ」、などが代表的なものである。

前回書いたことと一部重なりますが、webmasterが「陰謀論」という言葉を使うときには、以上の趣旨で用いております。誤解を避ける観点から、この意味で用いる場合にはかぎ括弧で囲んで「陰謀論」とします。

以上お断りした上で、鷹森さんのご意見についてのリジョインダーに移らせていただきます。意見の相違がないと思われる部分については取り上げませんが、もし漏れがあるようでしたらご教示いただければ幸いです。まずは「その9」における最初の表に対応する部分(「陰謀論」関連以外)です。

#なお、鷹森さんのテキストが「その9」を踏まえたものであるため、「『bewaadさんへの返答』の記述」の列においても一部鷹森さんのテキストの引用ではなくwebmasterによる補足(〔〕で囲まれた部分)があります。

「bewaadさんへの返答」の記述webmasterの考え方
竹光でも人を殺せるシーンが弐十手物語にありましたね、まぁあれはマンガですが竹光だろうが日本刀だろうが危険性が無いとは言えないという点は同意します。まずは同意いただきありがとうございます。そこからさらにもう一歩、竹光であれば日本刀ほど厳格にその使用目的をチェックする必要はないという点についても同意いただけるとうれしいです。竹光に銃刀法を適用する必要はないですよね?
少なくとも私はああゆう表現方法は取らないように心がけている点は認めて頂けますでしょうか?〔「ああゆう表現方法」とは、webmasterが人権擁護法反対論の多くに見られる表現方法とした、適切でない引用や論理のすり替えのことです。〕その点は認めます。さらに、あたかも鷹森さんまでそうした表現方法を用いているかのようなミスリードな記述があったとすれば、それについてはお詫び申し上げます。言い訳を許してもらえるのであれば、そもそもwebmasterが当初想定した対象に鷹森さんへの返答の形で言及する際には、それが鷹森さんに該当しないとしても、その問題点に再度触れることになってしまいます。テキストの読み手として鷹森さんを想定した表現であっても、テキストの書き手を鷹森さんと特定していない場合には、基本的に鷹森さんを含まない対象の記述を念頭に置いているとご理解いただければ幸いです。

ただ1つお願いしたいのは、そもそもはネットでよく見られる論調を対象としてwebmasterが書いたテキストがスタートで、鷹森さんはそれへの反論を書かれたわけですから、基本的には鷹森さんは(特に断りのない限り)そうしたよく見られる論調をディフェンスしたものだとwebmasterは考えます。で、再反論をした際に、それは鷹森さんに当てはまらないとおっしゃるのであれば、反論の際にその旨明示的に断っていただくか、それともディフェンスしないでいただきたいと思います(webmasterが鷹森さんのテキストを対象として行った意見表明については、もちろんその限りではありません)。そうでないと議論が混乱すると思うのですが。

続いて、「陰謀論」一般についてです(冒頭に重なる部分は省略します)。

「bewaadさんへの返答」の記述webmasterの考え方
なるほど、ロジックが似ていると感じられるのですか、でそのロジックというのは『民主政の美名の下大衆操作を通じてユダヤ人が世界征服をたくらんでいる』という部分のロジックと言われるのですか?/すいませんがこの文面を読んでまっさきに思い浮かべるのは中国や北朝鮮の靖国批判や日本軍国主義復活などの対日批判の方でして、どうしても私の頭では人権擁護法案反対運動に結びつきません。つまり『民主政の美名の下大衆操作を通じてユダヤ人が世界征服をたくらんでいる』だけではどこがどう人権擁護法案反対に結びつくロジックなのか理解できません。靖国批判や日本軍国主義復活批判は、陰謀論の要素を持っているとはwebmasterも考えます(日本において領土拡張指向が再燃していると根拠なく主張しているということです)ので、この点において鷹森さんに同意します。

さて人権擁護法反対論ですが、「人権擁護法案といっても、本当の目的は公称するような人権の擁護ではなく、差別利権の拡大強化である」という主張が数多く見られます。これが上述の「陰謀論」の定義に合致することは自明ですよね?

続いて、解同についてです。

「bewaadさんへの返答」の記述webmasterの考え方
まず、「人に知られないようにこっそり企てた、よくない計画だと指摘する事」という意味では、確かに陰謀論ですが、ユダヤ陰謀論的かどうかは部落解放同盟に対する言葉狩り批判がありますので、根拠がまったくないとは言えません。まず、解同について言葉狩りと呼ばれても仕方がない活動が一部に見られることは否定しませんし、それは彼(女)らが公然と行っていることですけれども、それのみをもって人権擁護法案に不安を感じることをwebmasterは陰謀論と申し上げる気はありません。

ではどのようなものを陰謀論と呼んで非難するかと言えば、例えばこの問題について各所で人権擁護法案が成立した際に、同和利権確保を目指した濫用が行われるとの意見のソースとして、國民新聞の記事が用いられることです。まず事実関係として、当該記事は平成12年の時点で、当時において検討されていた「人権教育および人権啓発の推進に関する法律案」を対象に書かれたものですから、人権擁護法案の内容を踏まえたものではありません。しかも、よくコピペされる次の部分は、その法律案を対象としたものですらなく、当時民主党・社民党が提案していた「人権に関する教育及び啓発の推進に関する法律案」に対するものです。同法案が成立すれば、現在、解放同盟が差別発言の名のもとに行っている私的制裁、人権無視の人格攻撃である糾弾闘争、押しつけ/「同和研修会」が/「人権研修会」/に名前を変えて自治会単位で行われることになり、/「同和は恐い」/の意識を全国にばらまくことになり、差別が逆に増殖するとの懸念がある。

しかもこれが一部改変されて用いられています。その改変コピペの元ネタである(と思われる)「この法案の根本的な問題点(法案のセキュリティー・ホール)」(@人権擁護(言論弾圧)法案反対!3/5付)から引用しますと、同法案が成立すれば、現在、解放同盟が差別発言の名のもとに 行っている私的制裁、人権無視の人格攻撃である糾弾闘争、押しつけ 「同和研修会」が 「人権研修会」 に名前を変えて自治会単位で行われることになる。 つまり2万人の人権擁護委員(ボランティア)は、 同和の方々が行うということ。というものが現在広くコピペされています。繰り返しますが、上記國民新聞記事は民主党・社民党が平成12年に提案した法案に対する指摘(その指摘が正鵠を得ているかどうかは捨象します)ですから、そこでいう「同法案」は人権擁護法案を指すものではないにもかかわらず、その点、及び「同法案」と人権擁護法案の異同に触れずしてミスリードな流用をしていることになります。

さらに、いわゆる確認・糾弾は(当サイトで何度も触れているように)人権擁護法案に規定される人権委員会・人権委員・人権擁護委員の権限の行使として行うことは認められないにもかかわらず、そうした法案の枠組みを破って解同(ないしその関係者)が人権擁護法に基づきいわゆる確認・糾弾を行うとの虚構をソースなく構築しているのですから、明らかにこれは「陰謀論」に該当します。

さらに、引用部の最後の文については、そもそも原文には記載がなく、加えて「つまり」以下がまったく非論理的です(「つまり」とは帰結ないし言い換えを示す順接接続詞ですが、それ以前の文章からどうやってそれ以後の結論が導き出せるというのでしょう)。これはまさに根拠なくそうなるに違いないと決めつけて非難しているわけですから、悪質な煽動以外の何物でもありません。
〔解同のこれまでの運動を紹介するEnCartaのテキストを引用して、〕この文面から推測するに人権擁護法案は「部落解放・人権政策確立」要求運動の一環かと思われ、17年とりくんできたというくだりから受ける感じは「悲願」という単語を私は連想します。ですので『ないよりあったほうがいい』というのには疑問符でお返しします。引用文中にあるように、解同の悲願は「部落解放基本法」及びその延長線上にある諸施策ですから、それに比べて彼らの希望に答えることの少ない人権擁護法案は、彼(女)らにとって物足りないものではあるけれども「ないよりあった方がいい」ものでしょう。
そもそも、全国人権連が終結宣言して全国部落解放運動連合会の名称を変更しており、法務省人権侵害事件統計でも1年間の新受理で85件、前年繰り延べ含めても110件でしか無い(全体は18786件なので、0.4%。人口比0.00007%)なのに、未だに「早急な解決こそ国の責務」「抜本的な解決策を」「なぜ部落解放基本法が求められるのか」「糾弾は組織的に行なわれることによって社会的にも認められ、差別した人の真の反省と差別された人たちの自覚を促し、差別を許さない集団がつくられるのです」と部落解放同盟中央本部HPで宣言している事についてbewaadさんは理解し賛同する事ができますか?全国人権連は解同と意見を異にする団体ですから、両者の見解が食い違っていても自然でしょう(どちらが正しいかといった問題はさておき)。

で、解同や全国連は彼(女)らが差別と考える問題についての取組方針としては、法務省の手を借りることよりもいわゆる確認・糾弾を重視しているわけですから、法務省統計に表れない部分を問題だと指摘しているわけです。webmasterもいわゆる確認・糾弾においては問題行動が少なからずあると考えていますので、彼らの行動に賛同できない部分は多いですが、以上のように理解はできます。
なるほど、部落解放同盟が「不当な介入の排除と明言しています」のは同意頂けるのでしょうか?もし同意頂けるなら、次に、部落解放同盟が「不当な介入の排除」をあきらめているかいないかの点はどのように思われていますか?仮にあきらめていないとするなら、法案の成立後に法案改正要求もしくは運動をやると思われますか?やらないと思われますか?第1点、同意します。第2点、諦めていないと思います。第3点、そのような要求・運動をやると推測します。

しかし、それらは現状の人権擁護法案を彼(女)らが推進しようとしていることについての反対の論拠にはなり得ないと考えます。将来においてそのような要求・運動が出てくればそれには反対しますが、今の法案はそれを許容するものではありませんから。例えば有事法制についてwebmasterは賛成ですが、徴兵制には反対です。で、将来の徴兵制につながり得ることを有事法制反対の理由の1つとしていた朝日新聞などの論調にwebmasterは批判的でしたが、それは賛否を考えるテーマに含まれない要素を持ち込んでいたからで、仮に将来徴兵制を導入する法案が出てくれば、そのときの外部環境が現在と同様のものであれば、それに対しては朝日新聞などと同調してでも反対しますが、それと同じようなものです。

次は創価学会関連です。鷹森さん自身にあてはまるかどうかの議論については既に触れましたので、その延長線上のものは割愛しています。

「bewaadさんへの返答」の記述webmasterの考え方
うーん、これ理解できてません。批判対象が一つだけなのは”片手落ちだ”と言われるなら、まぁそうも言えるかな?とは思いますが、片方だけを批判するのは”ダブルスタンダード”になるのですか?
すいません、勉強不足なものでダブルスタンダードの意味について教えてください。
ダブルスタンダードとは、1つの基準を物事に当てはめているように見せかけながら、実際にはもう1つの基準を同時に当てはめて評価することです。人権擁護法案に反対する理由が、メディアスクラム規制により池田大作創価学会名誉会長の批判がしづらくなるのが問題であるということなら(「池田大作 人権擁護法」でぐぐって出てくるような意見です)、メディアスクラム規制を凍結するのはけしからんといった意見(「報道被害 人権擁護法」でぐぐって出てくるような意見です)には同一テーマなのですから当然に反対すべきです(世にあるあらゆるメディア規制論を探し出して逐一反対せよと求めるものではありません)。

であるにもかかわらず、それらの意見には触れない(どころか、呉越同舟で共存している)のは、メディアスクラム規制全般に反対なのではなく、池田名誉会長を対象にするそれのみに反対だということになります。別に池田名誉会長批判は大いにやっていただいてかまいませんが、であればメディアスクラム規制だから人権擁護法案に反対だ、などという建前を使わないでいただきたいということです。

在日韓国人・朝鮮人関連です。

「bewaadさんへの返答」の記述webmasterの考え方
先ずは、陰謀説ゆるすまじと書かれる前に、この点については西尾氏にコメントなりTBなり打って確認された方が良いのではないですか?webmasterは西尾先生に賛成の立場から、その議論を引用したいけれどもソースがないと不安なのでソースを出してほしいということを申し上げているのではなく、ソース(直接的なものではなくとも、間接的に蓋然性が推定できるようなものでいいのですが)なくして不当な決めつけをしていることそのものを批判しているのですから、そのような行動をする必要はありません。webmasterの批判を不当と考える人間に、在日韓国人が人権擁護委員となって他の人間の人権を侵害するとの予測が合理的な根拠に基づくものであることについての挙証責任があるのです。

鷹森さんのテキストに対するwebmasterの指摘について。

「bewaadさんへの返答」の記述webmasterの考え方
あの私案を書き上げた後「あぁ、ついついホンネが出ちゃうんだなぁ」と思った訳で、その後ふと改めて法案を見たら、順番が児童虐待より先に在日公務員の差別的取り扱いや不快にさせる言動が来ている。「こりゃどういうこっちゃ?」と思った訳で、記載していないという事を指摘した文章ではありません。誤読に基づく指摘でした。非を認め撤回いたします。

ただし、鷹森さんのご指摘は、あくまでご自身のスタイルにのみ基づくもので客観的に妥当な根拠のない推測であるとは、なお申し上げざるを得ません。食事の際に自分の好物を最初に食べる人と最後に食べる人がいるように、ホモ・サピエンスは何かを書くときに必ず重要と思うことから始めるということには、鷹森さんのご感想を超えて普遍的妥当性を示す証拠はありません。
〔人権擁護委員の権限では〕『他人の人権を侵害できる可能性は極めて低く』ってのはこれ本当ですか?人権擁護委員が人権擁護法案の規定上行使が許されている(法律に基づく)権限は、同法案第39条第1項の一般調査権と第41条第1項の一般救済のみです。
『DEATH NOTE調のアレでしたら、そんなことは人権擁護法案の規定では絶対にあり得ない』
アレですか、仮にアレが間違っている/いない,に関係なく法案分析から答えを導くべきで
アレが変だから安全と断定できないと思うのですが?
それに、論点は人権擁護委員の権限だけではないでしょう。

例えば第六十二条
(条文の引用は略)

とあります。第六十条第一項、つまり特別人権侵害で概要を公表された人物ではありますが、弁護士はともかくなんで被害者や法定代理人まで「資料の閲覧又は謄本若しくは抄本の交付」ができるのか不思議で、裁判起こすため閲覧するなら弁護士が交付を受ければ良く、第六十三条には人権委員会が訴訟に参加できるとも書いてあるから、お金がなくて弁護士雇えない人でも、人権委員会参加者をもって彼らが閲覧すれば良いい訳で、それ以外の権利利益のために被害者が交付を受けるのはプライバシー権の侵害ではないかと考えます。仮に人権侵害の予防に必要なら既に公表に至っている訳で、また、文中にも「権利の行使」と書くべきではなく法案に疑問が持てます。

一応第3項には「不当に関係者の名誉又は生活の平穏を害することのないよう注意しなければならない」とはありますが、守秘義務は課していないようですし、注意しなければならないというだけで、なぜ禁止と書いていないのかも疑問で、これは人権委員あるいは人権擁護委員らの人権侵害には該当しませんが、被害者の復讐的人権侵害を阻止するという意味においても疑問が持てますので、人権擁護法案成立時にそれを原因とした人権侵害が発生しないとは断定出来ないと思います。
具体的な人権侵害の懸念についての記述が拝見できなかったので、世に人権擁護法案に基づく人権侵害とされている例を持ってきましたが、鷹森さんにそれ以外のご指摘があれば、対応させていただきます。

なおご参考までに、これまでwebmasterがan_accusedさんとしてきた議論の中で、例えば人権委員会による勧告の公表による人権侵害の危険性及びそれへの対処法や、鷹森さんがご指摘の関係書類等の閲覧交付をどう評価すべきかについて触れてきておりますので、ご覧いただいた上で反論などございましたら承ります。
ん?根拠が無ければ陰謀になってしまうのですか?
そうなると、証明地獄になってこれまた自由にものが言えなくなりますよ、「ソース無し=陰謀」まで行くと納得できないです。
根拠を求められて示せなければ「陰謀論」と言われても致し方ないでしょう。根拠なく自由にものを言うことが悪いと申し上げるつもりは全くありませんが、信頼性に瑕があると受け止められてもやむを得ません。なお、基本的に「陰謀論」との指摘への反証は全称命題ではなく特称命題(存在命題)の証明で足りる(1つでいいから証拠能力のある例を出せばいい)ことですから、それほど難しいことを求めているわけではありません。
もちろん、神ならざる身ですから、100%の正義はありませんが、なぜ部落解放同盟や公明党、創価学会および朝鮮総連に対してここまで批判、不満が噴出するのかを考えると、過去彼らがやってきた事に対する反感があるのではないかと推測します。社会心理学の客観的研究における仮説の1つとしてであればそのとおりかもしれませんが、それは人権擁護法案について、解同、創価学会、朝鮮総連がその濫用を企図して成立を目指しており、かつ、成立の暁にはそうした濫用によりそれら団体が他人の人権を侵害するとの主張の正しさを裏付けるものでは決してありません。「批判、不満が噴出する」ことの合理性と、その「批判、不満」自体の合理性は別の話です。
一般的に陰謀論の9割は妄想であり耳を傾けるべきでないし言うべきではないと思いますが、本件は彼らの身から出た錆という見方もできる状況下で、かつ上記各点において陰謀論とする根拠も疑問符が沢山付く状態では当方にソースの提出を求められても違和感を感じます。
まずは、当方にソースを求める前に、上記各点について是非とも検討回答下さいますようお願いします。
以上の回答で疑問点があればご指摘下さい。

反対運動のあり方について。

「bewaadさんへの返答」の記述webmasterの考え方
また、まったく別の観点から仮にbewaadさんのご意見が総て正しいと仮定したとして(念のため言っておきますが、同意、賛同、納得している訳ではありません)、bewaadさんが言われるところの「人権擁護法反対の指摘方法」が陰謀論と言われると、他への批判はどうなるのか?例えば「スパイ防止法が阻止された時と同じような危険性の指摘方法」(以下指摘方法)も同列ではないか?との疑念などがあり、仮に人権擁護法案の指摘方法を問題にするならば、他の「北朝鮮に対する経済制裁反対論」や、大げさに人権侵害があったとする法案推進者の「指摘方法」も同一に厳しく指摘されるべきです。それが「陰謀論」タイプなのかそれ以外の好ましからざる方法なのかを問わず、問題があるとwebmasterが考えたものには同様の対応をしております。もちろんwebmasterにも本業やら時間やらの制約がありますから、すべてのテーマについて言挙げしているわけではありませんが、例えば少し前にmojimojiさんとした議論では、(長いので極めて乱暴に要約すれば)例のVAWW-NETの女性国際戦犯法廷について、従軍慰安婦のためという目的の正しさを考えれば、女性国際戦犯法廷という手段における問題を論難するのは不当であるとのmojimojiさんに対して、webmasterは(従軍慰安婦問題それ自体について見解を異にしますが、それを捨象しても)手段における問題は目的により正当化されるとは限らないと主張しております。
100歩譲って人権擁護法案反対の「指摘方法」がモラルハザードとするならば、他者の指摘方法もモラルハザードとしなければフェアではなく、実際に法案賛成派のHPでは「人権擁護(言論弾圧)法案反対!」は差別をしたいがため反対しているのだとか、あるいは反対サイトにリンクを張ることは差別の助長に繋がるだとか「反対運動」に対する批判は、「語られる恣意的な濫用の危険性の指摘が陰謀論に似ている」状況があり、さらに小人と巨人のような戦いの最中で、片方だけ武器の使用を許して、片方には許さないような状況というのは疑問があります。繰り返しになりますが、webmasterは意見の内容によってある意見には不当な手段を許し、他方で違う意見には許さないという立場にはありません。ただ、webmasterを含め、人間である以上何ら問題なく物事を進めることは不可能ですから、不当の有無で言えばどれにでも有るのだというのでは何ら批判活動は行い得ず、程度問題としてより不当と思うものから批判せざるを得ません。もちろん、人権擁護法反対論(その全てでは当然ありませんが)の論の建て方に、より問題があるというwebmasterの認識も誤っている可能性がありますが、それを超えてなお、webmasterが放置し得ないと考えたものについての批判をしているわけです。あくまで主観的認識ですが、反対論と賛成論を比べた場合、これまで指摘してきたような問題点は特に反対論側によく見受けられます。
bewaadさんが「そういうやり方はやらん方がいいには決まっている」には賛同し、「嫌い」だというのであれば同感ではありますが、本件に限って言えば、正当防衛と解釈する事も不可能ではない。もちろんそれが正当防衛なのか過剰防衛なのかという意見も出るかもしれません。それについては、私は私が白黒はっきり断定できるものではないと考えます。少なくとも私は「それにより良い社会ができるか」「それにより悪い社会ができるか」の結果論として後世歴史が判断するべき事項ではないかとも考えられます。ですので、現時点としては「故に私はそういう手段を執らないように心がける」以外の判断は下していません。ここまでwebmasterの意図をお酌み取りいただき感謝いたします。webmasterもむろん、自らの言論の当否は第三者に委ねるほかないと考えておりますが、個人の思想・信条として、鷹森さんのように「そういう手段を執らないように心がける」とおっしゃってくださる方が一人でも多くなるよう祈るばかりです。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)
  13. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)
  14. 人権擁護法反対論批判 趣旨説明編
  15. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その8)
  16. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その9)
  17. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その3)

[joke]エイプリルフール

みなさんいろいろ工夫をこらしていらっしゃって、大いに楽しませていただきました。そうしたセンスに欠けたwebmasterとしてはうらやましい限りです。そんな中でもとびきりの私選ベスト3は次のとおりでした。

  1. ダメオタ官僚日記

    あれはこの伏線だったのか、と仕込みに感心することしきり。伏線の段階で、あんなこと書いたら個人特定されちゃうじゃないですか、と心配していたのですが、伏線もネタ? それとも秘書官には既にカミングアウト済なのでしょうか?
  2. ダメ東大女子の備忘録

    ただただ大爆笑。一応優ちゃん派というのもポイント高しです。もちろん山田優がいいということはありますが、それ以上にもう片方は、上原美佐からANESSAのCMを奪ったという点で許し難いので(笑)。
  3. svnseeds’ ghoti!

    某総裁の掌の返しっぷりがお見事。仮にこれが実現したら(まあ実現するとは思えませんが)、本当にあんな風にしれっと言いそう。
本日のツッコミ(全600件) [ツッコミを入れる]

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2005-04-03

[media][law]タレント活動再開(続^9・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)

本当かどうかは知りませんけれども。いや、彼女がタレント活動を再開することがではなく、3/31発表のホリプロのリリースの内容がです。

警視庁からの要請、そして数多く頂戴したご意見の多くが、タレントの発言・活動は多くの青少年に対して影響力があるのだから、特に襟を正して充分に注意するように、との点に関するものでした。

「ダウト」だったら何の問題もなかったというのでしょうか(笑)。

また、会社として上記の取組みを行う前提のもと、当該タレント本人の今後についても、どのような形が適切なのか、様々な観点より検討してまいりました。その結果と致しまして、今後、タレント活動を継続し、その活動を通じて、より社会性を身につけさせていくことを選択しました。

タレント活動の真の役割とは、教育だったんだよ! O-O;6)

ナ、ナンダッテー ΩΩ Ω

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. あびる優の窃盗告白@カミングダウト
  2. 事実関係の整理(続・あびる優の窃盗告白@カミングダウト その1)
  3. キーワードは「小学5年生」「単独」「1回限り」(続・あびる優の窃盗告白@カミングダウト その2)
  4. 本日のテレビ番組その2:カミングダウト(NTV, 2355-)(続々・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  5. 火曜日のテレビ番組その2:カミングダウト(NTV, 2355-)(続々々・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  6. あびる優に警察が事情聴取(続^4・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  7. 落ち穂拾い(続^5・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  8. 万引きで幕引き?(続^6・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  9. NTVが警察に「おわび」(続^7・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)
  10. NTVの関係者処分等(続^8・あびる優の窃盗告白@カミングダウト)

[economy][book]清水谷論「期待と不確実性の経済学」

取り上げている分析はどれも興味深いもので、しかもなかなか他に見られないものが多いあたりは金を払った価値があると思いますが、素人にはそれがどの程度優れているのかがわからない点、少し残念です。データ選択の適否や分析手法の解説(これには向いている(いない)とか、今後の検証の方向性などについて、他の経済学者による解題がついていると有益だったように思います。

でもこの人、法学部出身なんですね。社会人になってからスタートしてここまでいくというのは、webmasterが見習うべくもないのが悲しいです。

[economy][politics]バーナンキFRB理事、CEA委員長就任

読売新聞報道より。

あえて悲観論を。グリーンスパンの任期切れの前に、ブッシュ政権お得意の経済閣僚すげ替えを食らってFRB議長になれなくなるような気がしませんか?

本日のツッコミ(全890件) [ツッコミを入れる]

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2005-04-04

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その11)

以下を「 非常識を超えて、もはや恐怖 『人権擁護法案』が暗示する人権を弾圧する社会の到来」(@ys(櫻井よしこWebサイト!)3/26付)のコメントに投稿したいのですが(trackbackは受け付けていないようですので)、「コメントする」のリンクをクリックしてもコメントできるようになりません。理由などご存知の方いらっしゃいますでしょうか?

コメント失礼いたします。私、bewaad institute@kasumigasekiというサイト(http://bewaad.com/)の管理人をしておりますbewaadと申します。日頃より櫻井様のご活躍拝見させていただいております。

さて、コメントと申しますのは、このエントリにつきまして、若干の事実関係(法案の条文解釈)についてお手伝いができるのではないかと考えまして、投稿する次第です。

まず、メディア規制条項についてです。ご指摘のとおり第42条第1項第4号ロ(1)及び(2)においては、メディアによる「つきまとい」等や電話取材等が規定されておりますが、これらの行為の対象は、同号イ(1)から(3)までにおいて、犯罪被害者、少年犯罪者、そして犯罪者・犯罪被害者の家族に限られており、(少年犯罪者を除きますと)犯罪者本人は対象となっておりません。

加えて、「継続的に又は反復して行い、その者の生活の平穏を著しく害する」ことが要件とされておりますので、そもそも接触が許されないというものでもございません。

続きまして、人権侵害の定義についてです。ご指摘のとおり第2条第1項における定義は曖昧ですが、他方、ご指摘のような事情聴取、立入検査といった手続の対象には、単に人権侵害というだけでは該当せず、第44条第1項に定義する「当該人権侵害等」というより厳密な定義に該当する必要があります。

また、人権擁護委員には、そうした手続を行う権限は付与されておりません(第44条第2項。なお、それらの権限につきましては、刑事手続のような強制力は認められていないのではないかと拝察しております)。

以上、櫻井様の今後の言論活動の一助となれば、これに勝る喜びはありません(なお、上記で紹介の当サイトにおいて、同じものを掲載させていただきました(http://bewaad.com/20050404.html#p01))。末筆ながら引き続きのご活躍、祈念いたしております。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)
  13. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)
  14. 人権擁護法反対論批判 趣旨説明編
  15. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その8)
  16. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その9)
  17. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その3)
  18. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その10)

[politics]ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世聖下逝去

なぜこれが[politics]カテゴリかといいますと、形而下を守備範囲とするwebmasterとしては、教皇庁の政治的意図とその次期教皇選出への影響というものをついつい考えてしまうからです。

普通に考えればイタリア人からの選出になるのでしょうけれども、ヨハネ・パウロ2世のポーランド人という属性を旧共産圏に対して最大限活用してきたという来歴を考えれば、今後教皇庁として取り組むべき宗教的課題=イスラムへの対抗(特に発展途上国において)を見据えて、ヨーロッパ人以外、具体的には中南米、アジア、アフリカ人からの選出という可能性がそれなりにあるのではないかと思います。

#でも、さすがに有色人種は、お膝元の信者がどう受け止めるかを考えると難しいのでしょうけれども。

そんな心の汚れた読み(笑)を抜きにしても、今まで塩野七生作品(「神の代理人」ですとか)などに見られる歴史上のイベントとの印象が強かったコンクラーベをリアルタイムで味わえることは、非常に感慨深いです。さすがはヴァティカン。未だにスイス傭兵に警備させていることもそうですが、その手の臭いに敏感な人間にはそそるものが多いです。

#多分、天皇家関連イベントも、他国からはそのように見られているのだろうと思います。明治時代に作られたものも多いんですけどね(笑)。

関連して、報道などを見てのくだらない感想一覧。

  • 「ヨハネ・パウロ」は英語にすればJohn Paulですが、歴史オタ的には海軍提督のイメージが強すぎて、しかもその人生を考えると教皇と同名というのは相当に違和感(笑)があります。ヘヴィメタな人々にとってはレッド・ツェッペリンかもしれませんが。
  • 報道ではコンクラーベ構成員である枢機卿を「すうききょう」と発音していたのですが、webmasterにとってのそれは「すうきけい」でした。ぐぐったところ、despera掲示板にて、1981年の教皇ヨハネ・パウロ2世の来日にともない、教会用語を用いて報道される場合の混乱を避けるため、日本におけるカトリック教会の対外窓口であるカトリック中央協議会(日本カトリック司教協議会)において、「ローマ教皇(きょうこう)」、「ローマ教皇庁(きょうこうちょう)」、「枢機卿(すうききょう)」で統一することを公式に決定、各メデイアに正式に通知したという経緯がございますというレスが見つかりました。なるほど。・・・? ??? その割には、「教皇」じゃなくて「法王」って報道されているような。
  • タイトルで「聖下」としましたが、本件についていろいろ見るまで、webmasterは宗教上高位にある人々への尊称は宗教を問わず「猊下」かと思っていました。語源を見ると確かに仏教由来ですし、イスラム高位者の尊称は「師」を用いており「猊下」ではありませんから、今後はキリスト教関係は「聖下」を使いたいと思います(でも、ATOK17では「せいか」と打ち込んでも変換できなかったりするのですが)。
  • コンクラーベ出席可能な枢機卿一覧(via「パパさまに祈りを (その2)来るべきコンクラーベを構成する枢機卿たち」(@天漢日乗4/3付))を見て、塩野七生「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」第一部の題名「緋衣」とはこのことかと。

[sports]ヒョードルvs高阪@PRIDE武士道

ヒョードルが勝ったとのことですが(2ちゃんの実況板より)、地上波放送ないのにネットメディアに速報掲載を制限(それも日が変わってまで)するなよなぁ、DSE・・・。

[comic]現在官僚系もふ・第4回

今週はヤマケン氏主演のラノベ。まあ新人という設定ですから脇が甘くても仕方がないのですが、行動が一緒なら動機もまた同じ可能性に思いが至らないのは、かなり想像力に欠けているような(笑)。ところで、高校によっても差があるのでしょうけれど、文系と理系の違いって、受験寸前まで親にごまかせるものなのでしょうか?

本日のツッコミ(全1337件) [ツッコミを入れる]

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2005-04-05

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その12)

本日は、和尚さんが「[人権擁護法案]ここらで対案でも考えてみないか」(@ニヤリ4/1付改訂後)において提案されている対案を取り上げたいと思います。議論の進め方としては、まず和尚さんの案を法律の条文として(僭越ではありますが、一応はそれを飯の種にしている立場から)ブラッシュアップした上で、その案についてのwebmasterの意見を別に述べる形で行います(以下、「法務省案」とは、これまでも引用してきている第154回国会提出時法案です)。

#しかし、条文書きというのは、プログラムのコーディングと同様で、同じ内容でも書き手の癖がでるものですから、以下を見る人が見ればwebmasterの正体がわかるかも(笑)。

人権委員会・人権委員関係

法務省案
第5条 国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第2項の規定に基づいて、第1条の目的を達成することを任務とする人権委員会を設置する。
2 人権委員会は、法務大臣の所轄に属する。
和尚さんの原案
第5条 ?
2 人権委員会は、内閣総理大臣の所轄に属する。
webmasterの試案
第5条 内閣府設置法(平成11年法律第89号)第49条第3項の規定に基づいて、第1条の目的を達成することを任務とする人権委員会を設置する。
2 人権委員会は、内閣総理大臣の所轄に属する。
試案の考え方
公正取引委員会の例(独占禁止法第27条)に倣って第1項も変更しました。

「前編」で書いたとおりwebmasterはどちらでもいいと思っていますので、和尚さんの案で問題はないと考えます。ただし、事務局は和尚さんの総務省を使うというものより、現在の法務省人権擁護局の横滑りが妥当ではないでしょうか。といいますのも、まずもって種々のノウハウ(それこそいわゆる確認・糾弾は正当な人権擁護手続ではありませんよ、とか)を持っているのは法務省ですし、地方に至るまでの組織・人員について、従来のそれを廃止して新たに構築するのはかなりのコストを要しますので。

法務省案
第6条 人権委員会は、前条第1項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
 一 人権侵害による被害の救済及び予防に関すること。
 二 人権啓発及び民間における人権擁護運動の支援に関すること。
 三 人権擁護委員の委嘱、養成及び活動の充実に関すること。
 四 所掌事務に係る国際協力に関すること。
 五 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき人権委員会に属させられた事務
和尚さんの原案
第6条 (略)
 一 (略)
 二 人権啓発及び民間における人権擁護運動の支援に関すること、および誤った人権啓発等の訂正に関すること。
 三〜五 (略)
webmasterの試案
第6条 (略)
 一 (略)
 二 人権啓発並びに民間における人権擁護運動の支援及びその適正の確保に関すること。
 三〜五 (略)
試案の考え方
和尚さんの解説を読みますと、民間における独自活動を対象としたもののようですので、人権委員会が自ら行う「人権啓発」ではなく「人権擁護運動」のみを対象とする規定としました。また、誤った活動の訂正ですが、法令用語としての「訂正」は字句の修正のニュアンスが強いので、宅建業法等で用いられている「適正の確保」としてみました。

#webmasterの考えとしては、和尚さんのご懸念もわかるのですが、そうした活動は「人権啓発」に含まれると思うので、規定の要否で言えば、なくても同じことが可能だと思います(例えば現在の法務省設置法第4条第26号から第29号までにはそのような規定はありませんが、現に法務省は「えせ同和行為」対策等を行っています)。もちろん、確認的に規定するという趣旨で何の問題もありませんが。

法務省案
第8条 人権委員会は、委員長及び委員4人をもって組織する。
2 委員のうち3人は、非常勤とする。
3・4 (略)
和尚さんの原案
第8条 人権委員会は委員長および委員14名で構成する。
2 ?
3・4 (略)
webmasterの試案
第8条 人権委員会は、委員長及び委員14人をもって組織する。
(現2 削除)
2・3(現3・4) (略)
試案の考え方
第1項の規定は法務省案を変更する必要はないと思います。非常勤委員については、特に言及はなかったのですが、ニュアンスとして全員常勤であることを求めていらっしゃるように受け止めましたので、そう規定してみました。

「リジョインダー編(その1)」で書いたとおりwebmasterも人数を増やすのは一案だと思っていますので、和尚さんの案に異論はありません。

法務省案
第9条 委員長及び委員は、人格が高潔で人権に関して高い識見を有する者であって、法律又は社会に関する学識経験のあるもののうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 前項の任命に当たっては、委員長及び委員のうち、男女のいずれか一方の数が2名未満とならないよう努めるものとする。
3 委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のため両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第1項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる。
4 前項の場合においては、任命後最初の国会において両議院の事後の承認を得なければならない。
和尚さんの原案
第9条 委員長及び委員は、人格が高潔で人権に関して高い識見を有する者であって、法律又は社会に関する学識経験のある国民のうちから充分な多様性をもって、両議院の2/3以上の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2〜4 (略)
(さらに補足として、「両議院の同意の議決において議員の欠席または棄権の場合信任に投票されたとする」旨を規定。)
webmasterの試案
第9条 委員長及び委員は、人格が高潔で人権に関して高い識見を有する日本国民であって、法律又は社会に関する学識経験のあるもののうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 前項の任命に当たっては、次の各号に掲げる基準に適合するよう努めるものとする。
 一 男女のいずれか一方の数が7名未満とならないこと。
 二 人種等(性別を除く。)の属性のいずれにも偏るものでないこと。
3 委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のため両議員の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第1項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。
4 (略)
試案の考え方
国民は、具体的な要件として用いる場合には「日本」を前置するのが通例のようです(なお、「○○者であって、××のあるもの」との規定においては、後者の「もの」は関係代名詞的な用法で名詞としての意味を持ちませんので、要件は「であって」の前の名詞に付けます)。2/3要件については、憲法第56条第2項違反となってしまうので・・・。多様性については、第3項で「(第1)項に定める資格」とありますので、資格ではない「多様性」は第1項ではなく男女構成と同じ第2項に規定することとして、ついでにもう少し具体的に規定してみました(第2項第2号。「性別を除く。」としているのは、同項第1号で既に定められているので、それとのバッティングを防ぐためです)。性別を7名未満でないこととしたのは、法務省案を「過半数引く1」未満であると解釈してそれを維持したものです。また、よくよく法務省案を見てみると、男女構成は第3項任命の際には無視してよい規定になっていて据わりが悪い感がなきにしもあらずなので、第3項に後段を追加してみました。

「リジョインダー編(その6)」で書いたとおりwebmasterも多様性確保をプッシュしていますので、和尚さんの案に賛成です。国籍要件は、これが反対解釈の根拠となって同様の条項を置いていないポストが軒並み外国人可となるようでしたら困りものですが、いわゆる当然の法理は確立した法解釈ですから、単に確認規定としての意味のみを有してそのような根拠とはならないでしょう。

法務省案
第11条 委員長及び委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。
 一 禁錮以上の刑に処せられたとき。
 二 人権委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき、又は職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。
 三 第9条第4項の場合において、両議院の事後の承認を得られなかったとき。
和尚さんの原案
(何らかの形で罷免について第三者の意見を徴収する。また、守秘義務違反で起訴された場合に職権を停止する。)
webmasterの試案
第11条 (略)
 一 (略)
 二 人権委員会により、次のいずれかに該当すると認められるとき。
  イ 心身の故障のため職務の執行ができないとき。
  ロ 職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があるとき。
 三 第9条第4項の場合において、両議院の事後の承認を得られなかったとき。
2 内閣総理大臣は、委員長又は委員が前項第2号ロに該当すると認める場合においては、両議員の同意を得て、これを罷免する議決を人権委員会に求めることができる。この場合においては、人権委員会は、当該求めに応じて委員長又は委員の罷免の可否を議決するまでの間は、当該議決以外の議決をしてはならない。
3 第87条の罪につき訴追されている委員長若しくは委員又はその罪を犯した疑いにより逮捕状、勾引状、勾留状若しくは鑑定留置状が発せられている旨が関係機関から人権委員会に通報されている委員長若しくは委員は、この法律に規定するその職務を停止するものとする。
試案の考え方
第三者といっても罷免についてのみ諮問を受ける機関を作るのも無駄であるように思いましたので、任命権者による形をとりました(国家公安委員会委員と同様です(警察法第9条第2項))。しかし、解任権まで与えると独立性が損なわれる恐れが大きいので、解任請求権にとどめてあります。

#解任請求権にとどめるか解任権まで認めるかは迷うところですが、とりあえず漸進主義で規定してみました。職務停止は、推定無罪との関係を考えると悩ましいです。必要なら非行による罷免で対応、という方が穏当ではないかという気がします。

法務省案
第14条 人権委員会の会議は、委員長が招集する。
2 人権委員会は、委員長及び2人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3 人権委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
4 人権委員会が第11条第2号の規定による認定をするには、前項の規定にかかわらず、本人を除く全員の一致がなければならない。
5 委員長に事故がある場合の第2項の規定の適用については、常勤の委員は、委員長とみなす。
和尚さんの原案
第14条 人権委員会の会議は、委員または委員長の発議により委員長が招集する。
2 人権委員会は、委員長及び4人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3 人権委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、公聴会を開きこれを重視した上で委員長の決するところによる。
4 出席した委員の2割以上の保留があった場合第41条4項、第三款を行うことはできない。
5・6(現4・5) (略)
webmasterの試案
第14条 人権委員会の会議は、委員長が招集する。委員から委員会の招集の請求があるときは、委員長は、これを招集しなければならない。
2 人権委員会は、委員長及び7人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3 人権委員会の議事は、次の各号に掲げる事項を決するときは、出席者の当該各号に定める数の一致によるものとする。
 一 第11条第1項第2号の規定による認定(同条第2項の求めによりする場合を除く。) 本人を除く全員
 二 第41条第1項第4号の通告、第60条第1項若しくは第64条第1項の規定による勧告又は第61条第1項(第64条第2項において準用する場合を含む。)の規定による勧告の公表 4分の3以上の多数
 三 前2号に掲げる事項以外の事項 過半数
4 前項第3号に掲げる事項を決する場合において、可否同数のときは、委員長の決するところによる。この場合においては、あらかじめ、公聴会を開いて一般の意見を求め、これらの意見を十分に考慮した上で、これをしなければならない。
5 人権委員会は、あらかじめ委員のうちから、委員長に故障があるときに委員長を代理する者を定めて置かなければならない。
試案の考え方
第1項については、用例を見る限り「発議」は会議が開催された後の議案提出を指すようですので、招集手続に用いることはできないと考えられますので、地方自治法第188条から規定を借りました。第2項については、会議の開催要件は過半数の出席が通例なので、それに倣って増やしました。第3項については、保留というのがピンとこなかったので、75%以上の賛成に置き直しました(通常「特別過半数」は2/3を指すので、相当厳しい要件です)。なお、先の内閣総理大臣による解任請求を受けて行う議決は、それだけの事情があるという前提で、過半数議決としました。第4項については、独占禁止法第71条のパクリ(笑)です。第5項は、第8条の非常勤委員を廃止して全員常勤委員としましたので、その代替措置を講じました。

#前例を見る限りは、公聴会規定は非常に違和感があります(例えばプライバシー関連の情報が判断に必要な場合にはどうするのか等の問題がありますし)。それよりは、単に過半数でなければ議決できない(=可否同数の時は否決)としてしまった方がすっきりするように思います(この場合、「試案」の第4項を削除して、第5項を第4項とします)。解任請求に応じてする議決を上記のように過半数とするか、それとも通常どおり本人以外全員とするかは政策判断です。一般行政府の統制を強めたければ前者、人権委員会の独立性を重視するなら後者で。最後に3/4以上を議決要件とする対象ですが、行政機関への通告がそこまで厳格な手続が必要なのか(通告を受ける側の手続をバイパスする規定ではないですから)、他方で差止訴訟の提起が勧告よりも手続的に軽いことは妥当なのか、といった点に疑問が残ります。

法務省案
第20条 人権委員会は、内閣総理大臣若しくは関係行政機関の長に対し、又は内閣総理大臣を経由して国会に対し、この法律の目的を達成するために必要な事項に関し、意見を提出することができる。
和尚さんの原案
第20条 人権委員会は、内閣総理大臣若しくは関係行政機関の長に対し、又は内閣総理大臣を経由して国会に対し、この法律の目的を達成するために必要な事項に関し、意見および勧告を提出することができる。
webmasterの試案
第20条 人権委員会は、内閣総理大臣若しくは関係行政機関の長(以下この条において「関係各大臣等」という。)に対し、若しくは内閣総理大臣を経由して国会に対し、この法律の目的を達成するために必要な事項に関し意見を提出し、又は関係大臣等に対し、当該事項に関し勧告することができる。
2 人権委員会は、前項の規定による勧告をしたときは、遅滞なく、その勧告の内容を公表しなければならない。
3 関係各大臣等は、第1項の規定による勧告に基づき講じた施策について人権委員会に報告しなければならない。
試案の考え方
せっかく勧告というカテゴリを設けるなら、意見よりも強い法的効果を持たせることができますので、食品安全基本法第23条の規定における意見と勧告の使い分けを手本に、勧告には応答義務があるとの構成をしてみました。

#実際の効果は疑わしい面もありますが(意見であっても勝手に公表すれば政治的プレッシャーになるでしょうし、他方勧告に応答してもその内容が勧告どおりとは限りません(仮に勧告そのままの履行を一般行政府に強制するとすれば、それこそ人権委員会が立法府・司法府なみの強権組織になります))、選択肢が多くて困るということはないでしょうから、webmasterはこうした修正に問題があるとは思いません。

人権擁護委員関係

法務省案
第22条 人権擁護委員は、人権委員会が委嘱する。
2 前項の人権委員会の委嘱は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が推薦した者のうちから、当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)を包括する都道府県の区域(北海道にあっては、第32条第2項ただし書の規定により人権委員会が定める区域とする。第5項及び次条において同じ。)内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、行わなければならない。
3 市町村長は、人権委員会に対し、当該市町村の住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者及び弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから、当該市町村の議会の意見を聴いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。
4 人権委員会は、市町村長が推薦した候補者が人権擁護委員として適当でないと認めるときは、当該市町村長に対し、相当の期間を定めて、更に他の候補者を推薦すべきことを求めることができる。
5 前項の場合において、市町村長が同項の期間内に他の候補者を推薦しないときは、人権委員会は、第2項の規定にかかわらず、第3項に規定する者のうちから、当該市町村を包括する都道府県の区域内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、人権擁護委員を委嘱することができる。
6 人権委員会は、人権擁護委員を委嘱したときは、当該人権擁護委員の氏名及び職務をその関係住民に周知させるため、適当な措置を講ずるものとする。
7 市町村長は、人権委員会から求められたときは、前項の措置に協力しなければならない。
和尚さんの原案
第22条 (略)
2 前項の人権委員会の委嘱は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が推薦した者のうちから行わなければならない。
3 市町村長は、人権委員会に対し、当該市町村在住の国民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者のうちから、および当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)を包括する都道府県の区域(北海道にあっては、第32条第2項ただし書の規定により人権委員会が定める区域とする。第5項及び次条において同じ。)内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会が充分な多様性を持つよう選定し、当該市町村の議会の議決を経てた後、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。
4〜7 (略)
webmasterの試案
第22条 (略)
2 前項の人権委員会の委嘱は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が推薦した者のうちから、当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)における人権擁護委員に係る人種等の属性に偏りが生じないよう配慮して、行わなければならない。
3 市町村長は、人権委員会に対し、当該市町村の議会の議員の選挙権を有する住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者のうちから、当該市町村を包括する都道府県の区域(北海道にあっては、第32条第2項ただし書の規定により人権委員会が定める区域とする。第5項及び次条において同じ。)内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、かつ、当該市町村の議会の同意を得て、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。この場合においては、市町村長は、前項の配慮に支障を及ぼすことがないよう、当該候補者に係る人種等の属性に著しい偏りが生じないよう配慮して推薦しなければならない。
4〜7 (略)
試案の考え方
多様性は、委嘱された人権擁護委員において確保されなければならないと考え、第2項に移動させました(母集団に多様性がなければ無意味なので、第3項にも関連規定を残してあります)。第3項の国民要件は、現行の人権擁護委員法第6条第3項を維持してその地域の選挙権者に限定しています。「選定」「議決」は通例の用語法にしたがって書き直しました(といっても、「聴いて」「同意」の2重要件の前例はないのですが。ちなみに「聴いて」はその内容に必ずしも縛られませんので、議会の方がハードルが高いです)。

#国籍条項は、webmasterはどちらかといえば反対です。和尚さんの擁護委員の持つ潜在的威圧感や、人権委員会の持つ権力を利用し「人権委員にタレ込むぞ」といった行動が取り得るということからこれを付与するという理屈ですと、それこそあらゆる圧力団体の構成員を排除しなければつじつまが合わないのですし、人権擁護委員以外の公務員(いわゆる当然の法理の対象は除く)に外国人を登用できることとのバランスが悪い気がします。

法務省案
第23条 人権委員会は、前条第2項に規定する市町村長が推薦した者以外に特に人権擁護委員として適任と認める者があるときは、同項から同条第5項までの規定にかかわらず、その者の住所地の属する市町村の長並びに当該市町村を包括する都道府県の区域内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、その者に人権擁護委員を委嘱することができる。
和尚さんの原案
第23条 (略)
2 ただし、前項で定める擁護委員は第22条を持って委嘱された擁護委員の定数の半分を超えないものとする。
webmasterの試案
第23条 人権委員会は、前条第2項に規定する市町村長が推薦した者以外に特に人権擁護委員として適任と認める者があるときは、同項から同条第5項までの規定にかかわらず、その者の住所地の属する市町村の長並びに当該市町村を包括する都道府県の区域内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、その者に人権擁護委員を委嘱することができる。ただし、この項本文の規定により委嘱した人権擁護委員(その職務を現に行っている者に限る。)の人数が、当該人権擁護委員の住所地の属する市町村における前条第2項から第5項までの規定により委嘱する人権擁護委員(その職務を現に行っている者に限る。)の人数から1を減じた数以上の数であるときは、この限りでない。
試案の考え方
和尚さんの市町村長から推薦する擁護委員の数より多い擁護委員を中央が指定できちゃおかしいでしょ。ってことから追加という趣旨に照らして、定数の半数ではなく現に活動中の人権擁護委員の半数未満となるよう規定しました。ただし書でも第2項の追加でも条文書きの技術的には問題なく規定できますが、「この限りでない」という定番の語句を使って短くまとめるため、ただし書で処理しています。

#半数上限は多いような気が。第2項を立てて、「人権委員会は、人権擁護委員がその第27条の区域内においてその職務を行うことにかんがみ、みだりに前項の委嘱をしてはならない。」といった訓示規定で処理する方がエレガントかな?

法務省案
第27条 人権擁護委員は、その者の委嘱の時における住所地の属する市町村の区域内において、職務を行うものとする。ただし、特に必要がある場合においては、その区域外においても、職務を行うことができる。
和尚さんの原案
第27条 人権擁護委員は、その者の委嘱の時における住所地の属する市町村の区域内において、職務を行うものとする。ただし、特に必要があると人権委員会が認める場合においては、その区域外においても、職務を行うことができる。
webmasterの試案
(特に補足すべき点はありません。)

#市町村境を1歩超えるのにも必ず東京に照会しなければならないのも非現実的でしょうから、このような規定とする場合には、「人権委員会が認める場合」というものを第85条の規則制定権に基づきあらかじめ定型的に規定することを認めることが合理的ではないかと思います。

法務省案
第28条 人権擁護委員の職務は、次のとおりとする。
 一 人権尊重の理念を普及させ、及びそれに関する理解を深めるための啓発活動を行うこと。
 二 民間における人権擁護運動の推進に努めること。
 三 人権に関する相談に応ずること。
 四 人権侵害に関する情報を収集し、人権委員会に報告すること。
 五 第39条及び第41条の定めるところにより、人権侵害に関する調査及び人権侵害による被害の救済又は予防を図るための活動を行うこと。
 六 その他人権の擁護に努めること。
和尚さんの原案
第28条 (略)
 一・二 (略)
 三 人権に関する相談に応ずること。上記第3項において当該相談に対し、直接または間接的な利害関係を持つような人権擁護委員にこれを行わせることはできない。
四〜六 (略)
 七 第41条1項6号に定める文化的差異に関する啓発等その他の指導をすること。
webmasterの試案
第28条 人権擁護委員は、次に掲げる職務(第3号の相談につき利害関係を有する人権擁護委員にあっては、同号を除く。)を行う。
 一・二 (略)
 三 人権に関する相談に応ずること。
四・五 (略)
 六 第41条第1項第6号に定める文化的相違に関する啓発等その他の指導をすること。
 七(現六) (略)
試案の考え方
第3号の処理はこちらの方が用例に則したものだと思います。第6号と第7号の順番は、「その他」は最後に置くのが通例ですので変更しました。

#利害関係者だと相談にすら乗らせないとまで手当する必要性は、webmasterはないのではないかと思います。救済手続の公正性が保てればいいわけですから、そちらで手当をする方がwebmasterにとっては自然です。その場合も、必ず(か加害者の申立てをトリガーとするかは選択の余地がありますが)複数のバックグラウンドの異なる人権擁護委員で担当するようにすればいいのではないでしょうか。文化的相違については次で詳しく論じますが、結論のみ触れておきますと第41条に盛り込むなら第5号に包含されると思います。

一般救済手続関係

法務省案
第41条 人権委員会は、人権侵害による被害の救済又は予防を図るため必要があると認めるときは、次に掲げる措置を講ずることができる。
 一 人権侵害による被害を受け、又は受けるおそれのある者及びその関係者(第3号において「被害者等」という。)に対し、必要な助言、関係行政機関又は関係のある公私の団体への紹介、法律扶助に関するあっせんその他の援助をすること。
 二 人権侵害を行い、若しくは行うおそれのある者又はこれを助長し、若しくは誘発する行為をする者及びその関係者(次号において「加害者等」という。)に対し、当該行為に関する説示、人権尊重の理念に関する啓発その他の指導をすること。
 三 被害者等と加害者等との関係の調整をすること。
 四 関係行政機関に対し、人権侵害の事実を通告すること。
 五 犯罪に該当すると思料される人権侵害について告発をすること。
2 人権委員会は、委員、事務局の職員又は人権擁護委員に、前項第1号から第4号までに規定する措置を講じさせることができる。
和尚さんの原案
第41条 (略)
 一〜五 (略)
 六 被害者と加害者の文化的相違から発生する人権侵害である場合に加害者の擁護のため当該行為に関する説示、文化的相違に関する啓発その他の指導をすること。
2 人権委員会は、委員、事務局の職員又は人権擁護委員に、前項第1号から第4号および第6号に規定する措置を講じさせることができる。
webmasterの試案
第41条 (略)
 一 人権侵害による被害を受け、又は受けるおそれのある者及びその関係者(第3号及び第5号において「被害者等」という。)に対し、必要な助言、関係行政機関又は関係のある公私の団体への紹介、法律扶助に関するあっせんその他の援助をすること。
 二 人権侵害を行い、若しくは行うおそれのある者又はこれを助長し、若しくは誘発する行為をする者及びその関係者(次号及び第5号において「加害者等」という。)に対し、当該行為に関する説示、人権尊重の理念に関する啓発その他の指導をすること。
 三・四 (略)
 五 人権侵害が被害者等と加害者等との間に存する文化的相違に起因する場合において、当該加害者等対し行う第2号に掲げる措置又は当該被害者等及び当該加害者等に係る第3号に掲げる措置と併せて、当該被害者等に対し、当該文化的相違に関する説示、啓発その他の指導をすること。
 六(現五) (略)
2 人権委員会は、委員、事務局の職員又は人権擁護委員に、前項第1号から第5号までに規定する措置を講じさせることができる。
試案の考え方
順番は、第2項でまとめて引用できるように並べ替えました。原案第1項第6号(試案第1項第5号)は、なるべく原意を損なわない範囲で法令用語的に書き改めました(でも、文化的相違だけはどうにもうまくかけなかったのでそのまま置いています)。

#文化的相違というのはそれこそ曖昧では(笑)。ちなみに、小樽の件にしても文化的相違(この場合主として入浴マナー)に原因を帰するのであれば、入浴マナーを日本人と同じくする異人種の人々まで一律に入浴禁止としたあの事件は、やっぱり人権侵害でこの号の対象にはならないでしょう。で、この号がなければ問題があるかと考えますと、異人種側に入浴マナー等を教えてそうすれば問題がなくなるというのは第1号の「助言」で読めると思いますし、第3号の調整でもそういったコミュニケーションを図ることは可能でしょう。むしろ号を立てるのではなく第1項柱書に後段を加えて、「この場合においては、加害者等に損害ないしそのおそれがあり、それらを防止するために当該加害者等が必要と認める措置を講じ、かつ、被害者等の責に任ずべき事由があるときその他のやむを得ない事由があるときは、当該事由に配慮しなければならない。」といった規定として、利害衝突の際に加害者側の事情も斟酌すれば、「文化的」でないケースも含めて(しかも加害者等側の自助努力も要件として。小樽の件については、当初はロシア人差別は問題だから一律に外国人差別をする(この理屈も妙ですが。ロシア人差別が問題なら外国人差別だって問題でしょうに)との理由でありながら、後になって客の日本人がおよそ白人をいやがると異なった理由を持ち出していることからも(せめてあなた達を入れるとロシア人が不公平だと問題視すると言っていれば、ことの是非はともかく論理的一貫性はあったものを)、易きに走った面は否めません。もう少し合理的な努力が求められるでしょう)対応できるように思います。でも、この規定だと第82条ですでにカバーしているとも・・・。

特別救済手続関係

法務省案
第42条 人権委員会は、次に掲げる人権侵害については、前条第1項に規定する措置のほか、次款から第4款までの定めるところにより、必要な措置を講ずることができる。ただし、第1号中第3条第1項第1号ハに規定する不当な差別的取扱い及び第2号中労働者に対する職場における不当な差別的言動等については、第六十三条の規定による措置に限る。
 一 (略)
 二 次に掲げる不当な差別的言動等
  イ・ロ (略)
 三・四 (略)
2 人権委員会は、前項第4号に規定する人権侵害について、調査を行い、又は同項に規定する措置を講ずるに当たっては、報道機関等の報道又は取材の自由その他の表現の自由の保障に十分に配慮するとともに、報道機関等による自主的な解決に向けた取組を尊重しなければならない。
和尚さんの原案
第42条 (略)
 一 (略)
 二 次に掲げる不当な差別的言動等 ただし、被害者と加害者の文化的相違から発生する人権侵害であると認められる場合を除く。
  イ・ロ (略)
 三・四 (略)
2 人権委員会は、前項第4号に規定する人権侵害について、調査を行い、又は同項に規定する措置を講ずるに当たっては、報道機関等の報道又は取材の自由その他の表現の自由の保障に十分に配慮しなければならない。
(さらに、メディア規制は凍結せず。)
webmasterの試案
第42条 (略)
 一 (略)
 二 次に掲げる不当な差別的言動等(前条第1項第5号に規定する場合を除く。)
  イ・ロ (略)
 三・四 (略)
2 人権委員会は、前項第4号に規定する人権侵害について、調査を行い、又は同項に規定する措置を講ずるに当たっては、報道機関等の報道又は取材の自由その他の表現の自由の保障に十分に配慮しなければならない。
試案の考え方
第41条の試案を前提に規定を簡略化しました。

#文化的相違については、既述のとおりですので繰り返しません。メディア規制の凍結は、附則に施行時期を遅らせる(多分、別に法律で定める日から施行とするのではないかと)だけでしょうから、規定の記載は割愛しました。第2項については、取組がなされていないなら尊重の対象もないわけですから、あっても実害はないと思うのですけれども。

法務省案
第44条 人権委員会は、第42条第1項第1号から第3号までに規定する人権侵害(同項第1号中第3条第1項第1号ハに規定する不当な差別的取扱い及び第42条第1項第2号中労働者に対する職場における不当な差別的言動等を除く。)又は前条に規定する行為(以下この項において「当該人権侵害等」という。)に係る事件について必要な調査をするため、次に掲げる処分をすることができる。
 一 事件の関係者に出頭を求め、質問すること。
 二 当該人権侵害等に関係のある文書その他の物件の所持人に対し、その提出を求め、又は提出された文書その他の物件を留め置くこと。
 三 当該人権侵害等が現に行われ、又は行われた疑いがあると認める場所に立ち入り、文書その他の物件を検査し、又は関係者に質問すること。
2 人権委員会は、委員又は事務局の職員に、前項の処分を行わせることができる。
3 前項の規定により人権委員会の委員又は事務局の職員に立入検査をさせる場合においては、当該委員又は職員に身分を示す証明書を携帯させ、関係者に提示させなければならない。
4 第1項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
和尚さんの原案
第44条 (略)
2 (略)
3 前項の規定により人権委員会の委員又は事務局の職員に立入検査をさせる場合においては、当該委員又は職員に身分を示す証明書、および立ち入り検査の嫌疑、内容の記された内閣総理大臣発行の特別調査命令書を携帯させ、関係者に提示させなければならない。
4 (略)
webmasterの試案
第44条 (略)
2 人権委員会は、委員又は事務局の職員(以下この条において「担当委員等」という。)に、前項の処分を行わせることができる。
3 人権委員会は、第1項の規定により立入検査を行おうとする場合(前項の規定により担当委員等に立入検査をさせようとする場合を含む。)においては、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した書面を内閣総理大臣に提出して、その承認を受けなければならない。
 一 立入検査を必要と認める理由
 二 立ち入ろうとする場所
 三 立入検査により調査する内容
4 内閣総理大臣は、前項の承認をしたときは、前項の書面に記名捺印をして、その写しを人権委員会に交付しなければならない。
5 第2項の規定により担当委員等に立入検査をさせる場合においては、当該担当委員等に身分を示す証明書及び前項の写しを携帯させ、関係者に提示させなければならない。
6(現4) (略)
試案の考え方
「命令書」というと検査権限が内閣総理大臣にあるようになってしまうので、第1項・第2項の構造を維持する前提で、承認申請をしてその書面を携帯するという規定振りとしてみました。

#霞が関住人としては非常に違和感のある規定です(笑)。他に山のように立入検査規定があるなかで、他省庁・委員会とは違って人権委員会だけが信頼できないとしてここまで厳格な手続を必要とする理由がよくわかりません。立入検査規定全てに同じような手当をしろというのであれば、その是非はともかく、理由はわかるのですけれども(百歩譲って人権擁護委員が立入検査をするのであればともかく、人権委員・事務局職員なんて、普通の大臣・お役人と何も変わりはしないのですが)。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)
  13. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)
  14. 人権擁護法反対論批判 趣旨説明編
  15. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その8)
  16. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その9)
  17. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その3)
  18. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その10)
  19. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その11)

[misc]生香里奈

が日曜日の渋谷(109前)で見られた(FujiSankeiBusiness iスポーツニッポンサンケイスポーツzakzak報道より)というのに、そんなイベント知らなかった・・・。

#ついでに申し上げますと、3人のうち香里奈と長谷川潤以外の1人が太田在という名前だともこれら報道で初めて知りました。

でも、事前に知っていたとしても、明らかに浮きまくるであろうことが容易に想像できるので、せいぜいBook 1stにいく用事を作って往復に一度ずつすれ違いざまに眺めるのが精一杯だったでしょう、チキンなwebmasterとしては。ああ、でも、そんなんでもいいから見てみたかったなぁ・・・。

[misc]ベルリン・フィルとウィーン・フィル初の共演

日経報道より。

指揮はラトルで評判は上々のようですが、残念なのは選曲。メインはマーラー「第6番」だったのですが、他の作曲家であれば誰であれ曲をどうこう言う気にはならないのですけれども、ことマーラーを選ぶなら曲は「第9番」じゃなきゃと思います。というのも、ベルリン・フィルとマーラー「第9番」の組み合わせは、20世紀後半を代表する2人の指揮者、カラヤンとバーンスタインが唯一した真正面からの決闘の舞台だったからです。

先手はバーンスタイン。カラヤン支配下のベルリン・フィルに乗り込みその影に苦しみながら、名演とも奇演とも称すべき伝説的怪演を残しました。後手はカラヤン。バーンスタインが選んだからとしか思えないタイミングで取り組みはじめ、これまたベルリン・フィルとの歴史に残るライブ録音を残しています。

ベルリン・フィルにのみ歴史的伏線があるようではバランスがとれませんが、ウィーン・フィルにしてもこの曲をワルター指揮で初演し、バーンスタインもライブ映像を残し(しかも場所がフィルハーモニーザール。そういえばカラヤンもベルリン・フィルとムジークフェラインザールでやってます)、それにラトル自身が録音していますし。

ベルリン・フィルの団員もウィーン・フィルの団員もこんな経緯は百も承知ですから、選曲がマーラー「第9番」だ、となれば絶対にピンと来るはずです。ラトルはカラヤンとバーンスタインを超えたいのだと。まして史上初のイベントなのですから、思い入れも普段とは全く違うはずです。そういう諸要素が角突き合わせるライブはリスキーではありますが、その分、当たったときの爆発力は普通のライブやスタジオ録音では代替できません(例えば同じ「第9番」でもベートーヴェンでは、そうした歴史的バックグラウンド・ストーリーのあるライブ録音に名演の代表例駄演の代表例が並んでいてよくわかります)。

今回の「第6番」がどれほどの名演でも、またラトルが後にベルリンかウィーンを使って「第9番」の名録音を生み出しても、なれば今回やっていればその上を行ったのではないか、というイフシナリオを夢見ざるを得ないように思えてならないのです。どうせならマーラー以外の方が純粋に演奏を楽しめたのですが(彼のディスコグラフィから(ベルリン・フィルで再録音していないものの中で)選ぶなら、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」、ショスタコーヴィッチ「第4番」、ウォルトン「ベルシャザールの饗宴」(でもこれだとコーラスが必要ですね・・・)などは、とことん趣味に走ってますが(笑)、ものすごくおもしろい演奏になるだろうと思います)。

#でも、それぞれの拠点で同じ内容を1回ずつ開催との取り決めにもかかわらず、ベルリンではフィルハーモニーザールで開催したのに、ウィーンではムジークフェラインザールではなくコンツェルトハウスで開催ということは、ウィーン・フィルの方が格上ということなのか、それともより大人げないということなのでしょうか(笑)。

[misc]プリキュアだらけの特別列車が運行

アニメ映画「ふたりはプリキュア マックスハート」の特別列車が3日、西武新宿線を運行した。車内はぬいぐるみやシールで飾られ、約1000人が乗車。16日公開。

霞ヶ関駅その他の駅でのパスネット売り上げに貢献した同業者の方々(pogemutaさんbranchさんdropさんkanryoさん)及びその境地めざして邁進中(笑)の方々(t9930211さんroi_dantonさん)がこの約1,000人の中にもしいたとしたら・・・。

#かんりょーさんによるおるぐ(「さらにリバイス」のこめんとらんさんしょう)がはじまってるみたいなんですけど、そもそもしろうとにはしろくろってなんのことかわからないなあ・・・しゅじんこうふたりのうちならしょーとかっとのほうがいいけど、そんなこときいてるんじゃないっていわれたらどうしよう、こまったなあ。(棒読み)

本日のツッコミ(全96件) [ツッコミを入れる]

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2005-04-06

[law]人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その2)

本日は、webmasterのテキストを高く評価していただいた「人権擁護法案ファイナルアンサー」(@音極堂茶室4/4付)を見て、しみじみ筆が滑ったものだと反省した点について補足いたします。

#このところずっと「人権擁護法案検討メモ―番外編その8」(@an_accusedの日記3/31付)へのリジョインダーを書きたいと思いつつ、なかなか手強いテーマで結果として放置する形になっていて申し訳ありません。

J2さんは上記エントリにおいて、西尾先生のエントリ宛のwebmasterのコメントを引きつつ、次のように述べられています(強調は原文によります)。

この一文は、「法律の専門家なら誰だってこんな誤読はしない」という事を暗に示唆している重要な指摘です。そしてそれを裏付けるように、こういった「誇大妄想」に与する「法の専門家」というのは今までのところ実際見当たりません。

えー、ミスリードしてしまいごめんなさい。法律の専門家も結構その手の誤読(ただし、わざとなのかどうかはわかりませんが)をします。たまたま人権擁護法案についてはあまり見かけませんが、逆方面で同様の運動になりがちな「軍クツ」関係では、それはもう非常にたくさん(笑)。

ちなみにちょっと脱線しますが、本件についていわゆる右がいわゆる左と同様のパターンにはまっているとの指摘がなされていますが、「軍クツ」なトンデモ話を探してぐぐっていたら、2ちゃんねるマス板の名物スレ、「朝日の基地外投稿」シリーズのテンプレに次のようなものがありました。改めて眺めてみますとあまりにも傑作なのでご紹介しておきます(「第121面」から採集)。

まず、「基地外投稿における基地外要素」です。「ほとんどは、以下の五種類の組み合わせでカテゴライズできるとされています。」という解説付き。

  1. 事実誤認及び思い込みを前提に理論展開:一番多出。朝日的事実を前提としたものが多い。
  2. 不適切な類推、比較:拉致と強制連行、など。実情としてまったく別もの。1.に裏づけされている場合が多い。
  3. 論理の不連続、飛躍。論理展開がおかしいものや、結論が激しく一致しないもの。朝日による付けたしの可能性も。
  4. そのまま自分への批判となっているのに気付かない。たかが歌や旗に拘るのはおかしい、など。拘っているのはあなたです。そんなのどうでも良いといいながら妙に拘るパタンが多い。
  5. ただの空想、もしくは願望。

続いて、「対洗脳・情報操作に対する十箇条」です。

  1. 与えられる情報を鵜呑みにするな、まずは疑え。
  2. 自分の頭で考えている気になるな、殆どの場合無意識に誘導されていると思え。
  3. 数字に騙されるな、数字でも悪意があれば操作する事は可能だ。統計ってやつは算出方法次第で操作できたりするんだ。
  4. 過去に目を向けろ、必ず今と繋がっている。
  5. 皆が一様に同じ結論、意見に達したときは、情報操作もしくは悪質な誘導、最悪洗脳されていると考えろ。
  6. 事象、問題点、結果を箇条書きで抜き出せ、そして関連付けろ。
  7. 耳触りの良い言葉ばかり言う奴は信用するな。そいつは下心を隠している。
  8. 強硬論をまくし立てる奴は単なるパフォーマンスでやってるだけだ。バックに居る誰か、もしくは何かから目を逸らす目的があると考えろ。
  9. 正論ばかり述べる奴には気をつけろ、禅問答になる。
  10. やばいと感じたら直ぐに逃げろ。それと逃げ道の確保を忘れるな。

あとは有名な「詭弁のガイドライン」ですが、これはせっかくですから改変しておきましょう(笑。なお、「第121面」には全17条が貼られていますが、第18条も補完しておきます)。

  1. 事実に対して仮定を持ち出す
    「人権擁護委員は人権を擁護するというが、もし人権を侵害する人権擁護委員がいたらどうだろうか?」
  2. ごくまれな反例をとりあげる
    「だが、特定の団体により人権委員会がのっとられることもある」
  3. 自分に有利な将来像を予想する
    「何年か後、北朝鮮批判が人権侵害とされないという保証は誰にもできない」
  4. 主観で決め付ける
    「人権擁護法が成立したら、人権侵害容疑で逮捕される」
  5. 資料を示さず持論が支持されていると思わせる
    「国連では、人権擁護法案はパリ原則を満たしていないという見方が一般的だ」
  6. 一見、関係がありそうで関係のない話を始める
    「ところで、北朝鮮による拉致問題という人権侵害を知っているか?」
  7. 陰謀であると力説する
    「それは、差別利権を守るために解同と古賀誠が結託して画策した陰謀だ」
  8. 知能障害を起こす
    「何、ファビョってんだよ、在日」
  9. 自分の見解を述べずに人格批判をする
    「人権擁護法が濫用されないなんて言う奴は、世間を知らない証拠。総連をみてみろよ」
  10. ありえない解決策を図る
    「解同や創価を人権擁護委員にさせないよう手当てすればいいんだけどね」
  11. レッテル貼りをする
    「何にでも人権を振りかざすなんて過去の手法にしがみつくサヨはイタイね」
  12. 決着した話を経緯を無視して蒸し返す
    「ところで、令状なしの立入検査がどうやったら合憲だというんだ?」
  13. 勝利宣言をする
    「人権擁護法案は以前廃案になったのだが」
  14. 細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
    「法律って言ってもその推進者や推進理由がある。もっと勉強しろよ」
  15. 新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
    「人権擁護法は人権侵害法だと認めない限り言論の自由は守られない」
  16. 全てか無かで途中を認めないか、あえて無視する
    「全ての人権侵害の定義の適用が適当かどうか確認するのは不可能だ(だから、適当ではない)」
  17. 勝手に極論化して、結論の正当性に疑問を呈する
    「確かに濫用の危険性は低いかもしれない。しかしだからといって、濫用があり得ないというのは早計に過ぎないか」
  18. 自分で話をずらしておいて、「話をずらすな」と相手を批難する
    「現在問題なのはこの法律の危険性であり、この法律で助けられる人がいるかどうかは問題ではない。話をそらすな」

#人権擁護法案に反対するため自民党内で結成された「真の人権擁護を考える懇談会」に安倍晋三幹事長代理が含まれていることからも、反対派には朝日嫌いが多いのではないかとwebmasterは推測するのですが(あ、ちなみにwebmasterも嫌いですよ)、以上の当てはめは不当だと思われますか?

本題に戻ります。例えば女性国際戦犯法定の判決については、webmasterは大日本帝國憲法との関係での問題点を以前指摘しましたし、それに加えて、そもそも管轄権があるのかとか、罪刑法定主義を無視するのかとか(そもそも罪の規定だってめちゃくちゃ怪しいですが、一万歩譲ってそこは目をつぶるとしても、罰則規定はどこを探したところでありません。東京裁判だってその点はグレーですが、こちらは真っ黒です)、一般に国際法違反としての私人間効力を問うことのばかばかしさですとか(とりわけ当時基準で)、既に行われた国交回復時の措置との関係とか(同じ罪を2度裁くのは一事不再理に反します)、まあ限りなく法的問題点は指摘可能ですが、その検事団には弁護士が含まれているわけです。

#本件関連では、各地の弁護士会による意味不明な「勧告」が出されていたことも、読者の記憶に新しいと思います。

まあ偉そうなことを書いていても、webmasterだって以前、人権擁護法案の法解釈を誤り、その訂正させていただきましたし(今回の正誤訂正は幸いにして法解釈問題ではありませんが)、法学に限らずどのような学問体系でも、第一人者といわれた学者・実務家が誤った見解を持っていたり、通説が覆されたりしたことなど歴史上数え切れないほどあるわけです。

逆に当然ながら、本件についてようやく取り上げた切込隊長さんが、決して法律を専門とされてはいませんが、的確な見方をされているように、専門家でない人々の意見が間違っているとも限りません。結局は、何が専門であろうとバカはバカなわけです。

#とリンクさせていただいたのでtrackbackを送りたいと思いつつも、ホスティングサービスからアクセス禁止になっているので無理なのは残念。もう次の鯖は確保したのですが、なかなか移転させる時間が・・・。

というわけで、webmasterは専門家には誤りがないと申し上げるものではありません。そんなこと当然でしょ、という見方もあるでしょうけれど、難しいから誤るのではなく、バイアスにより誤ることがあるので、初歩的な問題であっても安心できないわけです。あくまでも確率として誤っているリスクが低いとご理解いただければと思います。ましてwebmasterのような「自称」官僚など、本当に官僚かどうか、仮に官僚であったとして法律屋かどうか、疑ってみればとっても怪しいでしょ?

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 人権擁護法反対論批判 前編
  2. 人権擁護法反対論批判 後編上
  3. 人権擁護法反対論批判 後編下
  4. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その1)
  5. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その2)
  6. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その3)
  7. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その4)
  8. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その5)
  9. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その6)
  10. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その1)
  11. 人権擁護法反対論批判 正誤訂正編(その1)
  12. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その2)
  13. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その7)
  14. 人権擁護法反対論批判 趣旨説明編
  15. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その8)
  16. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その9)
  17. 人権擁護法反対論批判 法案分析編(その3)
  18. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その10)
  19. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その11)
  20. 人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その12)

[history][economy]1/4万年前の市場と貨幣@管子

久しぶりに、管子に描かれた貨幣論を読んでみます。今回は第五篇乘馬から次の部分です。

市者 貨之準也
是故百貨賤 則百利不得
百利不得 則百事治
百事治 則百用節矣
是故事者生於慮 成於務 失於傲
不慮則不生 不務則不成 不傲則不失 故曰「市者可以知治亂 可以知多寡 而不能為多寡 為之有道」

右務市事

黄金者 用之量也
辨於黄金之理 則知侈儉
知侈儉 則百用節矣 故儉則傷事 侈則傷貨
儉則金賤 金賤則事不成 故傷事
侈則金貴 金貴則貨賤 故傷貨
貨盡而後知不足 是不知量也 事已而後知貨之有餘 是不知節也 不知量 不知節 不可為之有道

右黄金

試訳は次のとおりです。

市場は価格の基準です。
というのも、物価が下がると儲からなくなります。
儲からなくなると、生産が抑制されます。
生産が抑制されれば、生産資源の無駄遣いがなくなります。
なぜそうなるかと言えば、モノは市場動向を反映して生産され、市場原理に適合すれば成功し、(市場よりも)生産者側の事情に囚われれば失敗するからです。
市場で必要とされないモノは生産されず、市場原理を無視すれば成功せず、生産者側の事情に振り回されなければ失敗しません。だから、「市場では世の中が治まっているのか乱れているのかがわかるし、モノが余っているのか不足しているのかがわかるけれども、モノを余らせたり不足させたりするものではありません。これが正しいやりかたです」と言うのです。

これが市場原理の尊重です。

マネーは需要の基準です。
マネーの理論により、物価変動がわかります。
物価変動がわかると、世の中の財を無駄なく使うことができます。というのも、物価が下がればモノの価値が下がるし、物価が上がれば貨幣の価値が下がるからです。
物価が下がるとマネーが使われなくなり、そうなるとモノの取引が滞るので、モノを持っていても役に立たなくなります。
物価が上がるとマネーが過剰になり、そうなると貨幣の購買力が下がるので、貨幣を持っていても役に立たなくなります。
貨幣が底をついた後で足りなかったと知るのは、どれだけ供給する必要があるかわかっていないということです。モノが買い尽くされた後で貨幣が多すぎたと知るのは、どれだけ供給すれば十分であるかがわかっていないということです。必要がわからないのも十分がわからないのも、正しいやり方ではありません。

これがマネー(の理論)です。

後半はwebmasterのバイアスで、意味をいわゆるマネタリズム的に解しすぎているような気も(笑)。「黄金」=「金」=マネー=抽象的な意味での「お金」、「貨」=貨幣=具体的な意味での(物理的存在としての)「お金」、といった具合に訳し分けてみました。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 「ちょうてき法」=「糶糴法」?
  2. 漢文現代語訳の訂正
  3. 異時点と異地点の配分最適化@管子
  4. 漢文現代語訳の訂正 その2

[economy][book]岩田規久男、岩本康志、本多佑三、松井彰彦(編)「現代経済学の潮流2004」

本書を一言であらわすなら、「ジャネット・イェレン先生萌え〜!」です(人妻ですが。笑)。

というわけで、第6章「世界同時デフレとマクロ経済政策」からイェレン先生の発言をいくつか。

アメリカがデフレに陥るとすれば、供給サイドの要因が原因である可能性が高い。とくに、重要なのは、急激な生産性の上昇です。生産性の上昇は過去2、3年きわめて顕著で、この傾向が続けば確かにデフレは起こりえます。(p135)

#「改革なくして成長なし」な方々におかれましては、どうぞ反論していただきたく(笑)。

・・・ゼロ制約に関して、正のインフレ下でもゼロ制約が問題になりうることを強調しておきたいのです。この問題を引き起こすのは、単にデフレだけではないのです。アメリカは現在デフレではありませんし、将来もならないと思います。現在は低い正のインフレです。しかし、ゼロ制約は、連邦準備制度が直面する現実的な問題として金融政策上の制約となりえます。ゼロ制約問題がどれだけ深刻かは、均衡実質金利によります。90年代の後半、投資ブームで生産性が急上昇したとき、均衡実質金利は正でおそらく非常に高かった。そのときのインフレはきわめて低く、ひょっとするとデフレになってもおかしくない状況だった。当時の連邦準備制度にはそれに十分対処する余裕がありました。しかし、投資支出と消費が落ち込んでしまったバブル崩壊後の今、しばらくは均衡実質金利がかなり低いまま推移することが望ましいでしょう。実際、連邦準備制度はすでに問題に直面しており、対処するためのクッション(余裕)としては100べーシス・ポイントしかありません。だからデフレに入る前であっても、ゼロ制約は意義があると思います。(pp145,146)

#こちらは某国中央銀行の方々に。

・・・インフレは、目標値以下に下がるほど非線形反応関数(non-linear reaction function)に従うことが望ましいということです。結局、インフレが目標値以下に下がるほど、中央銀行はとくに積極的に先取り的な対応をすべきです。その理由づけは次のようなものでしょう。政策が不十分で、インフレが目標値以下に下がると、そのリスクとして、中央銀行が経済を刺激する能力を完全に失うことです。インフレ目標値の以上と以下で、リスクは非対称ですから、それに合わせて政策対応も非対称であるべきです。(p149)

#イェレン先生同様に、学界(ただし業績には差があるようですが(笑))から中央銀行の女性ボードメンバーになった某先生は、インフレでもデフレでもない状態が理想だとしていましたが、どっちが妥当な見解でしょうか(笑)。

最後に一言、非伝統的政策について言わせてください。それは、政策金利がゼロになったときに残されたほぼ唯一の手段です。非伝統的政策の有効性についての研究に関する私の評価は、ポートフォリオ代替効果(portfolio substitution effect)を通じての政策効果は極めて不確実だということです。また、為替レートの減価は、政治的には不快なものです。しかし、非伝統的政策の別の形には、中央銀行のプリ・コミットメント(あらかじめ将来の政策についてコミットする)を通じてのものがあります。つまり、長期金利を下げるために、中央銀行がその政策を長い間維持することをプリ・コミットすることで期待を操作するのです。(中略)最近の論文の示すところでは、政策効果を十分に発揮させるためには、インフレ目標を採用する多くの中央銀行ならば事後的には望ましくないと思うような政策にコミットすることが必要なのです。すなわち、目標値以下のインフレしか達成できなかった期間を相殺すべく、目標値以上のインフレが続く期間を許容することなのです。(p150)

#某国中央銀行が最新の研究成果を十分に踏まえて金融政策を運営していることがよくわかります。「デフレ脱却」という目標(それですら低すぎるインフレ率=0%以上だというのに)を達成する前から、将来のインフレに備えての金利引き上げにプリコミットして期待を操作しているのですから(笑)。で、何と何を相殺しようとしているの?(笑)

日本銀行の場合、インフレがプラスになるまで政策を引き締めないように、明確なコミットをしてきたと思います。この分野の文献では、より強い何かが必要であることを示唆しています。つまり、プラスのインフレ目標や、さらに、物価水準目標に関するコミットメントです。(pp150,151)

#あーあ、webmasterがせっかく固有名詞の言及を避けてきたのに(笑)。

このディスカッションについては、以上に加えて、最後に竹森先生が紹介(p159)した夫君(ジョージ・アカロフ)の断られた発言がどのようなものか、とても興味をそそられます。どなたか、彼が何を発言したかったのか、ご存じの方いらっしゃいませんか?

他方、同じくパネルディスカッションを掲載した第7章「経済学教育と大学改革」は、中身は床屋政談か飲み屋の愚痴レベルなのですけれども(笑)、メタレベルで考えると、経済学者(とここでの出席者で代表させるのも乱暴ではあるのですが)としてそんなんでいいの、という疑問が浮かんできます。

それは何かといえば、当該ディスカッションで学生の質が落ちた、講義に学生に好まれるもの(多くは経営・会計関連)を取り入れざるを得ない、といった現象が何に由来しているかを考えれば、それは当然供給過剰に行き着くわけです。このまま需要が低迷を続ければ、高等教育において経済学という知識体系を提供するというサービス部門は、当然ながら供給を絞らざるを得ない(端的には経済学者の失業や経済学部の廃止など)ことになります。

他方で、供給部門のそのようなリストラを避けようとするなら、供給するサービスの内容を変えてより需要のあるものを提供していかなければなりません。わかりやすく言えばポケベル業者が携帯業者に衣替えするようなもので、先に紹介した経営・会計関連科目中心にシフトしていくことがそうした対応の例となりますが、それにしたって人の入れ替わりは起きるでしょうし(つまりは従来の経済学者から失業者が出ます)、人の入れ替わりがなかったとしても、これまで経済学を教えていた人が実務的スキルを教えるようになって忸怩たるものはないのですか、ということになります。

本来、このような状況にあれば、研究者・教育者としての良心(=自分たちが魅力あるものと信ずる経済学に専念したい)と組織としての要請(=市場から退出するか、自分たちのやりたいことではなく買ってもらえるものをやらざるを得ない)との間に生ずる葛藤に直面しつつ悩まざるを得ないはずだとwebmasterは思います。

ところが、このディスカッションではその遙か手前で立ち止まって世間話をしているように見えるわけです。その言いようもない認識の甘さ、危機感のなさが腹立たしくもありますし、諦念を惹起もさせます。

さらには、上記の今の日本経済学界がおかれているような状況について、経済学者は一般論としては、そうした産業が衰退するのは仕方がない、それを無理して維持しても効率的な資源配分を損ねるだけだと解説するのですが、自分のところがそうなったらああいうことを言いますか(笑)。新聞業界が、規制緩和に総論賛成で、各論においても反対論を(個別事情をろくに調べもせずに)既得権維持を目的としたものと糾弾する一方で、こと話題が再販制になるとそれだけは例外だと聖域扱いすることと同種と評されても仕方がないでしょう。

#もちろんそうでない経済学者の方々がいらっしゃるのは承知しておりますし、何より日本における経済学の衰退があってほしくないと思うが故の記述なのですが。

最後に、浜田先生の霞が関体験談(第3章)は異文化体験レポートとして読み応えがありますが(以前webmasterが紹介した、経済財政諮問会議での議論のレベルの低さにいらだった思い出にも触れられています(p70))、内閣府(旧経済企画庁)という若干毛色の異なる官庁の、それも研究所の所長というポストなので、どこまで霞が関の闇をのぞき込まれたのか(笑)には疑問も残ります。財務省で勤務された伊藤(隆)先生や河合先生にも、浜田先生に続いていただければ・・・。

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?????涓????????牀 [こんにちは|あなたはどのブログのプラットフォームには、心共有する旨でしょうか?私は今が、私は難しい抱えている私自身の..]

50J7 ??? 娑叉??????????50V??50??50い??? [限り、私はあなたに戻って信用と情報源を提供するように|記事投稿公式サイトあなたの|私はいくつかのカップルを引用しても..]

鏃ョ? HITACHI19L-S500-B [19V??????儷??????с?娑叉??????????冦?] [子供子供私とビーチフロント今日はに行ってきました。私は貝殻を見つけて、私の4歳の娘にそれを与えたと言った"あなたはあ..]


2005-04-07

[notice]firefoxユーザの方々へ

当サイトをfirefoxでブラウジングする際、ホイールスクロールが効かないとのご指摘がたびたびあるのですが、「ちょっと頑張ってみました」(@ふぉーりん・あとにーの憂鬱3/3付)のコメント欄で、All-in-one-gesturesを導入して設定画面で「All-in-one-Autoscroll」を選択すれば解決できますとtockriさんからご教示をいただきました。お悩みの方々は、是非試してみてください。

[book]to readリスト(4/7現在)

紹介されているのを見て非常に読みたくなった本が2冊あります。1冊めはkaikajiさんご紹介佐藤優「国家の罠」。鈴木宗男失脚時にあわせて外務省から逐われた彼であるが、やはり官僚としてそうした未来が自分にも降りかからないとは言えないということもありますし、読んでみたいと思います(そういえばkaikajiさんご推薦といえば、坂田豊光「欧州通貨統合のゆくえ」もおもしろそうです。備忘としてこれも記しておかないと)。

2冊目はsvnseedsさんご紹介アルベルト・シュペーア「第三帝国の神殿にて」。このシュペーア、おそらくは田中芳樹「銀河英雄伝説」シルヴァーベルヒのモデルとなった人物なのですが、自伝を書いていたとは知りませんでした(勉強不足です)。これは是非買わないと。

#お礼といっては何ですが、ナチス関係者の自伝ならハインツ・グデーリアン「電撃戦」murajiさんの書評が秀逸です)、ナチス経済政策担当者を取り上げた本としては、第一次大戦後のドイツのハイパーインフレを止めたヒャルマー・シャハトをとりあげたジョン・ワイツ「ヒトラーを支えた銀行家」(こっちは実はwebmasterは読んでないので無責任ですが)などもお楽しみいただけるのではないかと思います>svnseedsさん。

とはいいつつも。

読み終わって書評/感想を書こうと思っている本
矢野誠「「質の時代」のシステム改革」長尾龍一「ケルゼン研究 I」P.W.シンガー「戦争請負会社」
今読んでいる本
マーチン・ファウラー「UMLモデリングのエッセンス」
積読状態の本
深田三徳「現代法理論論争」R.E.パーカー「大恐慌を見た経済学者11人はどう生きたか」田中秀臣先生の書評にやられました(笑))、長尾龍一「思想としての日本憲法史」

ヒマがないです・・・。

本日のツッコミ(全578件) [ツッコミを入れる]

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&#12458;&#12473;&#12473;&#12513;&#23433;&#20840;&#12460;&#12540;&#12489;&#12463;&#12483;&#12471;&#12519; [<a href="http://ekclj.si/">(04)ソファー</a> &#12458;&#12473;&..]


2005-04-08

[law]人権擁護法反対論批判 リジョインダー編(その13)

本日は、webmasterのリジョインダーに対して再度お示しいただいたご意見等について考えてみます。

「人権委員会の決議に保留が必要な理由」(@ニヤリ4/5付)

webmasterがピンとこないとしていた人権委員会での保留について、詳しい解説をいただきました。賛成票と反対票のほか、保留票という類型を設けて、その票数に応じて対応がなされるというものです。しかし、少なくとも原案においては、次の点において運用に難があるように思われます。

第1に、保留票が反対票よりも強い効果を有するという点です。和尚さんの案では、この票が出席者の2割を超えた場合には、勧告等が行い得ないとされています。では、次の例をご覧下さい。

 賛成票反対票保留票議案の成否
ケース1870成立
ケース21104不成立

いずれも和尚さんにより拡張された15人制で全員が出席した場合を想定していますが、ケース1では賛成が8人、反対が7人で通常ルールが適用され、賛成過半数で可決・成立となります。他方でケース2では、賛成が11人いて、残る4人も反対とまではいかずより弱い意思表明である保留にとどまっているにもかかわらず、2割を超える保留票の存在により不成立となります。これらの結果はやはり不整合と考えざるを得ないでしょう。

さらに申し上げますと、A案とB案との選択においていずれも一長一短という場合とは異なり、1つの案についての賛否においては、保留とは事実上反対と同じではないかとwebmasterは思います。例えば勧告をするかどうかという議決において、していいとは決めきれないのは、すなわち様子見ないし延期をすることに等しいわけですから、少なくともその議決のタイミングではしない、ということになるのではないでしょうか。

結局、例えば勧告が議題となった場合、賛成票が7票以下だった時点で、残る8票が反対であろうと保留であろうと勧告はなされません(すべて保留で積極的反対者がゼロであってもです)。つまり保留も反対に含まれることになりますし、それで問題はないと思います。

ですから、仮に慎重な手続を求めるのであれば、単純過半数ではなく2/3ないし3/4以上を求めるというのが代替案ではないかとwebmasterは考えます。

「bewaadさんへのさらなる疑問」(@ブログ鷹森4/5付)

疑問点をご提示いただきましたので、以下のとおり回答いたします。

国籍条項については、まず、リジョインダー編(その2)においてリンクを張り間違えたことをお詫びいたします。その上で事実関係としては、webmasterが引用したのは、鷹森さんがリンクを張った和尚さんのエントリでいいますと、その中で引用されている2ちゃんのレス番でいえば392の最初の行を引用した前提でであって、ご指摘の点、つまり「ただし」以前を意図的に欠落させたわけではない旨、申し上げます。

鷹森さんが引用する部分、つまり「各地の実情に応じて外国人も任命しろと言われて、こういう規定にした。外国人が公務員になるというような公権力行使の立場に就くことはできないが、相談に乗るという人権委員にはなってもいいと思う。ただし、立ち入り調査をする権限などは与えられない。」と、webmasterが引用した部分、つまり「外国人は中央の委員にはしない。一般調査と救済は分けてある。」との関係については、ご案内のとおり「中央の委員」とは人権委員のことですから、「人権委員にはなってもいい」と「中央の委員にはしない」は明らかに矛盾しています。

ソースである2ちゃんのスレ自体、どこまで正確に法務省の発言を文字にしたものかはわかりませんが、起こし間違いか発言者自身の言い間違いかはさておき、鷹森さん引用の部分中「人権委員」は「人権擁護委員」の誤りであると、以下の理由からwebmasterは判断しています。

  • 鷹森さんが引用した部分については、「人権委員」を「人権擁護委員」に置き換えても、その発言は法案及びいわゆる当然の法理と整合的です。
  • 逆に置き換えないとすれば、以下の点で法案と法務省発言(とされる文章)は食い違います。
    • 法案において「相談に乗る権限のみを有する人権委員」と「それ以外の権限も行使する人権委員」という区分は規定されていません。
    • 運用を考えても、たった5人しかいない人権委員の1人を相談に専念させるといった「無駄遣い」をするとは思えませんし、逆に、1人で相談を受け付けても処理効率は極めて悪いので、相談という業務の効率性を考えても非現実的です。
    • 「各地の実情に応じて」という部分は、人権擁護委員の選任手続(市町村長が推薦した者から選ばれる)には適合しても、人権委員のそれの表現としてはあまりに不適切です。

続いていわゆる当然の法理ですが、最高裁判決の原文を以下引用します(強調はwebmasterによります)。

理由
(略)
1〜3 (略)
4 しかしながら、前記事実関係等の下で被上告人の慰謝料請求を認容すべきものとした原審の判断は、是認することができない。その理由は、次のとおりである。
(1) 略
(2) 地方公務員のうち、住民の権利義務を直接形成し、その範囲を確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い、若しくは普通地方公共団体の重要な施策に関する決定を行い、又はこれらに参画することを職務とするもの(以下「公権力行使等地方公務員」という。)については、次のように解するのが相当である。すなわち、公権力行使等地方公務員の職務の遂行は、住民の権利義務や法的地位の内容を定め、あるいはこれらに事実上大きな影響を及ぼすなど、住民の生活に直接間接に重大なかかわりを有するものである。それゆえ、国民主権の原理に基づき、国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであること(憲法1条、15条1項参照)に照らし、原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり、我が国以外の国家に帰属し、その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは、本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。
 そして、普通地方公共団体が、公務員制度を構築するに当たって、公権力行使等地方公務員の職とこれに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する一体的な管理職の任用制度を構築して人事の適正な運用を図ることも、その判断により行うことができるものというべきである。そうすると、普通地方公共団体が上記のような管理職の任用制度を構築した上で、日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることは、合理的な理由に基づいて日本国民である職員と在留外国人である職員とを区別するものであり、上記の措置は、労働基準法3条にも、憲法14条1項にも違反するものではないと解するのが相当である。そして、この理は、前記の特別永住者についても異なるものではない。
(3) 略
5 (略)

つまり、鷹森さんがおっしゃる「地方公共団体に関しては完全に地方裁量権」であって最高裁は可否そのものを論じていないというのは、正確には、いわゆる当然の法理の対象となる公務員(判例中の「公権力行使等地方公務員」)とそれ以外の公務員について、一括して外国人の就任を禁止することは地方公共団体の裁量であると最高裁は論じています。

言い換えますと、いわゆる当然の法理の対象となる公務員について外国人任用を禁止することを当然であるとした上で、それ以外の公務員については、いわゆる当然の法理の対象とならないわけですから外国人任用は認めていいわけですが、これは認めてもよいというだけで、(一定の条件下では)認めなくても地方公共団体の裁量の範囲内であって憲法違反ではないとしたものです。

最後に情報公開についてですが、鷹森さんご指摘の人権擁護側は「可能な限り公表したい」という姿勢が見受けられます。なぜなら、加害者の情報公開こそ人権擁護法案が持つ一番効果的な手段(目的性、別の言葉で言えばダメージ性)だと思われるからですとの点につきましては、「情報公開」が人権擁護法案第61条第1項(第64条第2項において準用する場合を含む)の規定による勧告の公表についてはまさにおっしゃるとおりかと存じますが、ここで問題となっているのは第62条の規定による資料の閲覧等ですから、そもそも違う制度の話です。

制度が違っても運用する組織が違うから同じ運用とは限らないとのご指摘もあり得るでしょうし、その可能性がゼロとはもうしませんが、公表があり得る勧告は他省庁所管法令にも数多くあり、それら省庁は勧告は制度趣旨に従って公表し、その他の情報は情報公開法やその他法令の趣旨に従ってあるものは公表・公開し、あるものは(例えば守秘義務や情報公開法の適用除外規定(同法第5条各号)に基づき)秘匿しているわけです。人権委員会とその事務局のみが、それら省庁とは違うとお考えの理由は何でしょうか?

議論の噛み合わせの悪さ

リジョインダー編(その6)の最後で上記の「一定のルール」に基づくコミュニケーションを例外的であると考える理由について述べたいと言っておきながらここまで放置してしまったテーマなのですが、稲葉先生の「ご期待にお応えして大人げなくいきます。」(@インタラクティヴ読書ノート別館の別館4/6付)を拝見してこれだと思い、さらにはそれを先生自身が言い換えた「ブログでの議論はどこまでアカデミックか」(@イマージュ茶話4/6付)でのコメントで紹介されているcontractioさんのテキスト(「20日のコメント欄が炎上→鎮火している件について」(@日曜社会学>出不ろぐ de√Blog3/24付)より)にあまりにも頷いてしまったので、転載させていただきます(注はカットしました。固有名詞等もあえて説明は省略します。転載部分以外も非常に考えさせられますので、是非とも原エントリをご覧下さい)。

そうじゃなくて、荒谷さんが、上の野望路線を今後も突き進もうとするなら──そうしてほしいけど──必要なことは、たとえば「普通に経済学の専門家をやっている中のひと(複数)」と友達にな(って、一方では自分の言葉がちゃんと伝わるものかどうかを、他方で 相手の領域の議論を単純に誤解してないかどうかなどなどを、日々チェック&微修正しつづけ)る、というようなことじゃないでしょうか。これが一番手軽で効果の大きいやりかた。です。私の経験からすると。
そうしないと、いつまでも、荒谷さんの「批判」は経済学の人には「門前払い」(だけでなく、おそらくは「人文電波」規定)の対象にとどまり続けるだけでしょう。(だからこそ、その「外」で「一方的かつ圧倒的な勝利」をおさめることができるだろう、と予想してみることはできますが。‥‥でもそういう学問人生は あまり面白くなさそうな気が....。)

さらに類似例を集めれば、ダイオキシン(環境ホルモン)問題ですとか、米国産牛肉の全頭検査問題ですとか。

いずれにしても、専門家の見立てとそうでない人の見立てが対立し、当然専門家なんてのは少数派ですから、「外」=世間的には「一方的かつ圧倒的な勝利」・・・。

#当サイトが「専門家」としてのクオリティを自称しても無意味ですので、第三者的な評価としては、2ちゃん法学板の人権擁護法スレをご覧下さいと申し上げておきます。

計画中の企画

実は今、faqを作っているのですが、plummetさんが既にお作りになってしまい、このままではやる気がなくなりそうなので、あえて公言して自らを突き上げる材料にしておきます。

#ちなみに、plummetさんのサイトの4/64/7のエントリのコメント欄においては、共同謀議(笑)が行われており、一読の価値があると思います。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

本編
前編(3/13)後編上(3/14)後編下(3/15)趣旨説明編(3/29)
リジョインダー編
1(3/17)2(3/18)3(3/19)4(3/20)5(3/21)6(3/22)7(3/27)8(3/30)9(3/31)10(4/2)11(4/4)12(4/5)
法案分析編
1(3/24)2(3/26)3(4/1)
正誤訂正編
1(3/25)2(4/6)

[notice]firefox1.1とホイールスクロール

昨日からの続きですが、当サイトのページ内スクロールは"overflow: auto"により実現されています。実は、この方式による場合においてホイールスクロールが効かないというのはバグとして認知されていまして、version 1.1ではフィックスされるとのことです。webmasterの環境では、firefox 1.0でもホイールスクロール可能だったので、OSとの組み合わせを含む個体差のあるバグだったのではないかと思うのですが、現在この問題でお悩みの方々がいらっしゃれば、リリース(6月予定)後にお試しいただければと思います。

[WWW]セマンティック・ウェブとblog

上記エントリの関連なのですが、昨日お名前を出させていただいたtockriさんからtrackbackいただきまして、さっそく拝見させていただいたところ・・・webmasterって「マニヤ」じゃないですか!

・・・ショックを受けつつも(笑)何とかその先を考えますと、webmasterを含めstrictへのこだわりというものがいかほどの意味があるのかについては、確かに問い直しが必要なのかもしれません。しかし、そうしたこだわり、そしてそこから曲がりなりにも広まってきたCSSによるレイアウト指向には、やはりそれなりに意味があったのではないかと思います(といっても、後述のとおりblogのおかげなのですが)。

strictなマークアップとCSSによるレイアウトというのは、究極的にはセマンティック・ウェブを目指したものだとwebmasterは思います。しかしながら、しょせんは構造しか記述できないhtmlはどれだけstrictであってもセマンティック・ウェブに至るには難点が多いわけで、その最たるものはclassの自由度になります。p要素にある意味づけをしてそれをclass指定したとしても、同様の意味づけをした人が違うclass指定をするのであれば、グラマティック・ウェブと称すべきなのかストラクチュアル・ウェブと称すべきなのかはわかりませんが、とにかくclass部分のメタ情報はブラックボックスの中ですからセマンティックには連携し得ません。

理想を言えばここはxmlの出番で、namespaceとしてURIを活用することから勝手に妄想するなら、namespace URIで指定されるページにおいては、スキーマ言語によりセマンティック情報も記述し、xml文書においてどのような要素名が付されていようとも、同様の意味づけがなされている要素を共通項でくくり出すことによりセマンティック・ウェブが可能となります(スキーマ言語においてセマンティック情報についての記法が定義されていない現在においては、できあいのスキーマに対してセマンティック・リンクを張るといった工夫がなされています)。

でも、少なくともwebmasterにとっては、そんな面倒は願い下げです。例えば、途中で放置状態になっていて極めて恥ずかしくはあるのですが、当サイトで企画した「法令XML文書化計画」で、現状求められるスキーマを書くだけで四苦八苦したというのに、これにセマンティック情報をどう付与するかなど考えたくもありません(笑)。

まして、strictなマークアップは結局市民権を得ていないのですから、多くの人にとって、strictなマークアップ以上に面倒なxml文書において用いる要素の定義など顧みられもしないであろうことは想像に難くありません。というか、html文書よりも楽に作成できることがblog普及の一因であることにかんがみれば、定義云々以前に、html文書以上に作成が面倒なxml文書(少なくとも現在それほど努力せずに入手可能なアプリケーションを前提とすれば)自体、webページ作成手段として広まるはずもありません。

しかしながら、blogの普及という思わぬ現象から、セマンティック・ウェブの理念は一部実現しているのではないか、というのがwebmasterの仮説です。何もblogがセマンティック・ウェブを指向していたわけではありません。1にレイアウトの自由度の拡大、2にレイアウトのポータビリティの確保という2つの要請が、CSSによるレイアウトと、その前提となるclassのポータビリティをもたらしたからです。

blogにおいてレイアウトはスキン等とも称されますが、その指定をCSSで分離してはじめてレイアウトの自由度が確保されます(CSSでなく各要素の属性として指定していれば、アーカイヴ部分についてレイアウト変更ごとに書き換えが求められます)。class指定を定型化してはじめてポータビリティが確保され、人が作ったスキン等を流用することができます。この段階で、例えばp要素であっても、それがどのようなものか(エントリの本文ですとか、ナヴィゲーションですとか)についての付加的な情報を伴うことがメタレベルで確保されます。

最近では、異なるblog(movabletypeのような自力設置型であっても、ポータルサイト提供型であっても)間でもスキンのポータビリティ確保を可能とする試みが進んでいます。あるblogエンジンにおけるclass指定を異なるblogエンジンの同種のclass指定と機械的に置き換えているだけでしょうけれども、逆に言えば機械的に置き換えられるほど、メタ的な構造については共通のプラットフォーム化が進んでいるわけです。

これに、ほとんどのblogが備えているカテゴリ指定を組み合わせれば、セマンティック・ウェブの構築まで後一歩です。既述のとおり、bloggerは打ち込むテキスト等のデータとレイアウトが最大の関心事項でしょうけれども、裏を返せばバックグラウンドでの処理系の変更にも抵抗がないでしょうから、bloggerが入力したデータをxml文書として保存し、主たる目的としてのwebページ作成はxsltを通してxhtml化することにより行い、他方で自動的にセマンティック・リンクを形成するようにすることは(bloggerとの関係では)たやすいでしょう。

自力設置型ではインセンティブに乏しいかもしれませんが、ポータルサイト提供型であれば、セマンティック・リンクのbloggerにとっての魅力的な活用方法が提示でき、それにより競争上有為を確保できるのであれば、このような改良を行うインセンティブは十分にあるはずです。つまり、何か一つ新たなアイデアがあれば、バーナース・リーが思い描いたのとはまったく別の径路からセマンティック・ウェブが実現するのではないでしょうか。

問題があるとすれば、サーチエンジン(要はGoogle)との競争に勝てるかどうか。サーチエンジン自身の改良と同時に、ユーザ側においても効率的な検索のためのキーワード設定等のノウハウが蓄積されていますから、これまた対極的なアプローチにより、セマンティック・ウェブのねらいが代替的に実現されつつあるとも言えるとwebmasterは思います。サーチエンジンでは得られない魅力的なアウトプットにどのようなものがあるか、それを思いつけるかどうかは、なかなかおもしろいビジネスチャンスなのではないでしょうか。

最後に脱線しますと、blogの普及の最大の理由は、適度な不自由さではないかとwebmasterは考えています。一般のウェブサイト構築は自由度が高すぎてあれこれ決めねばならず、オーサリングツール(Homepage Builderとか)を使ってもなお面倒なわけです。ましてテキストエディタでなどなおさら。

先のtockriさんのエントリにおいては現在のWebの使われ方にベストマッチなタグ言語が標準になればみんな幸せになれるのに。W3Cはいくつかのしょーもない標準規格よりその方向でガンバレとのご提案があります。webmasterは「ベストマッチなタグ言語」は(少なくともそれに一番近いのは現時点においては)wikiだと思うのですが、環境を含めてメタ性があってつきあいきれない人が多いのではないかと思うのです(using_pleasureさんのお言葉を借りれば、ITスキル以前の問題として、「まとめwiki」に関わる人たちが(老若問わず)、そもそもwikiという概念自体をきちんと理解してくれるかどうかが怪しいということです)。

そんな小難しいことから離れて、テキストエリアにデータを放り込めばページができて、レイアウトもお手軽にいじることができる(一方で、そのお仕着せの範囲外に踏み出そうとするといきなりハードルが高くなる)、それがblogの魅力ではないかと。偉大な先人の言葉を著しく安直に借りるなら、やはり自由は多くの人にとって刑罰であって、そこからの逃走は自然な反応であるようにwebmasterには思えます。

本日のツッコミ(全1808件) [ツッコミを入れる]

Before...

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&#65281;&#65281;&#12452;&#12531;&#12486;&#12522;&#12450;&#23478;&#20855; [<a href="http://ekc-radovljica.si/">(01)ソファー?チェア</a> &#65..]

スーパーコピー時計 [<a href="http://www.tokei-n.net/">スーパーコピーブランド</a> <a href..]


2005-04-09

[law]人権擁護法反対論批判 faq編

テキスト量がそれなりのものとなり、webmaster自身、記憶を頼りに追いかけるのが面倒になってきましたので(笑)、faqとしてまとめました。適宜ご活用下さい。内容の誤りの指摘や、追加すべき質問・回答のご提案などいただければ幸いです。なお、法案の解釈に関するもののみをまとめ、かつ、あれこれ小難しい上に分量が多すぎるとのご批判を各所でいただいているようですので、なるべく簡潔にしてみました。

このようなリソースをまとめることができたのも、ひとえに読者の皆様とのインタラクションのおかげです。賛成・反対を問わず、webmasterにご質問・ご意見をおよせいただいた全ての方々に感謝いたします。

#以下はあくまでwebmasterの個人的見解であり、法務省等の公式見解を代表するものではなく、また、内容の正しさが保証されているものでもありません。内容の誤りについての責任は、すべてwebmasterにあります。

目次

  1. 総論
    1. この法律の目的は何か。
    2. 人権侵害については、司法手続で対応すべきではないか。
    3. 簡易・迅速な対応とは行政の恣意的な運用を指し、問題ではないか。民事ではうまく対応できないなら、刑事で対応すればよいのではないか。
    4. 人権擁護法に基づく措置は事実上の刑罰であるにもかかわらず、刑事司法手続を潜脱しているのだから、治安維持法以上の悪法ではないか。
    5. パリ原則とは何か。
    6. パリ原則では国民に対して直接処分等を行う権限は求められていないにもかかわらず、人権擁護法案は人権委員会に強大な権限を認めており、パリ原則に反しているのではないか。
    7. 国際的に非難されている日本における人権侵害とは公権力によるものであるにもかかわらず、人権擁護法は公権力による人権侵害について手当がなされておらず、問題ではないか。
    8. この法案は性善説に基づいていて、悪意のある者による濫用に対する備えが甘く、問題ではないか。
    9. 一度廃案になった法律を再提出するのは問題ではないか。
  2. 定義
    1. 人権侵害の定義が曖昧であり、問題ではないか。
    2. 北朝鮮への強硬論や同和利権の批判といった正当な言論や政治活動まで違法とされるおそれがあるのではないか。
    3. 具体的にどのような人権侵害がこの法律の対象となるのか。そんなに今の日本に人権侵害事例があるのか。
    4. 「特定の者」には法人が含まれるので、政治団体等に対する批判が人権侵害として認定されるのではないか。
  3. 人権委員会
    1. 要すれば、人権委員会とはどういう制度なのか。
    2. 法務省の外局とするのは法務省による人権侵害(入管等におけるもの)について身びいきのおそれがあり、問題ではないか。内閣府の外局としてはどうか。
    3. パリ原則にしたがって行政からの独立性を確保するため、内閣の外に設けるべきではないか。
    4. 人権委員長・人権委員に適切でない者が選出されるおそれがあるのではないか。
    5. 人権委員長・人権委員に外国人が選ばれるのは問題ではないか。
    6. 人権委員長・人権委員が合計5名というのは少なすぎるのではないか。
    7. 人権委員会は東京にのみ設けられるので、個々の事例にきめ細やか・迅速に対応することが困難ではないか。
    8. 人権委員長・人権委員が不適切な行動をした場合であっても罷免できないのは問題ではないか。
    9. 人権委員会のような高度の独立性は三権分立を侵すものであり、憲法違反ではないか。
  4. 人権擁護委員
    1. 要すれば、人権擁護委員とはどういう制度なのか。
    2. 2万人からなる現代のゲシュタポ、特高との指摘があるが、そのような危険な存在なのか。
    3. 外国人を人権擁護委員に委嘱可能であるのは問題ではないか。
    4. 人権問題について特定の利害関係を有する団体(例えば同和関係諸団体、在日外国人関係諸団体等)の構成員は法的な権限をその団体のために濫用するおそれがあり、人権擁護委員にはふさわしくないのではないか。
    5. 人権擁護委員として行う啓発・指導活動が、いわゆる確認・糾弾として行われるおそれがあるのではないか。
    6. なぜ「人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者」のみでなく、「弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員」からも委嘱可能なのか。
    7. 現在の人権擁護委員法に規定されている政治的中立性の確保や兼業禁止が人権擁護法案においては欠落しており、問題ではないか。
  5. 一般救済手続
    1. 要すれば、一般救済手続とはどういう制度なのか。
    2. 任意調査といって、任意性は担保されるのか。
  6. 特別救済手続 1(勧告及びその公表・差止訴訟の提訴以外)
    1. 要すれば、特別救済手続とはどういう制度なのか。
    2. より厳格な定義といっても、依然として曖昧ではないか。
    3. メディア規制は表現の自由の侵害であり、憲法違反ではないか。
    4. メディア規制の凍結といっても、削除ではないから、行政が勝手に解除することができ問題ではないか。
    5. 特別調査においては、令状なしの提出物件領置や立入検査が認められており、問題ではないか。
    6. 第44条第4項の「第1項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」という規定は、憲法の令状主義(第35条)を免れるために設けられたものであり、問題ではないか。
    7. 調停や仲裁を行う人権調整委員の選出手続は政令に委ねられており不透明で、問題ではないか。
  7. 特別救済手続 2(勧告及びその公表・差止訴訟の提訴)
    1. 勧告の性質はどのようなものか。
    2. 行政指導は様々な弊害が指摘されており、そのような手法を用いるのは問題ではないか。
    3. 義務づけを伴わない措置を設ける理由は何か。
    4. 第三者の見解を求めるなら、調停や仲裁で代替できるのではないか。
    5. 勧告に納得できない場合にはどうすればいいのか。
    6. 勧告の公表の性質はどのようなものか。
    7. 人権侵害者だと公表されれば風評被害も生じかねず、あまりに強大な権限ではないか。
    8. 勧告の公表にはどのように対抗できるのか。
    9. 第4章第3節第5款の規定による勧告、その公表及び差止訴訟の提起は、検閲であり憲法違反ではないか。
  8. 補則
    1. 第83条の「関係のある公私の団体と緊密な連携を図るよう努めなければならない」とは何か。特定の団体に配慮した規定ではないのか。
    2. その他の団体が「緊密な連携」を濫用して不適切な行為を働くのではないか。
  9. 罰則
    1. 人権侵害により逮捕されるのか。
    2. 正当事由のない立入検査拒否等に科される過料とは何か。
    3. 罰則なのに刑事訴訟法の適用を受けない過料は、憲法違反ではないか。
    4. 正当事由がなければ過料というが、正当かどうかは人権委員会が判断するのか。

(Q1)総論

(Q1-1)この法律の目的は何か。

(A)
平成13(2001)年5月の人権擁護推進審議会会長談話においては、本審議会は、人権救済に係る国際的動向に留意しつつ、我が国の人権状況や司法制度、行政制度に適合的な制度を構築すべく検討を進め、本日の答申に至りました。政府において、本答申が、審議会委員の総意のもとに成り立った、いわば必要最小限の枠組みを提示したものであることに留意し、早急に新たな人権救済制度の創設に着手されることを切望するとされており、これを受けて新たな人権救済制度を創設するためのものです。

(関連リソース)

(Q1-2)人権侵害については、司法手続で対応すべきではないか。

(A)
「答申」においては、(民事)司法手続については、厳格な手続であり、また、事後的な損害賠償が中心であるが故に、簡易・迅速な対応が困難であることに加え、証拠収集や費用負担などにより司法手続を活用できない被害者がいると指摘されています。

(関連リソース)

(Q1-3)簡易・迅速な対応とは行政の恣意的な運用を指し、問題ではないか。民事ではうまく対応できないなら、刑事で対応すればよいのではないか。

(A)
思想犯を罰する刑事法規が必ず憲法違反ということはないと思いますが(思想の自由も、憲法上は公共の福祉の制約の範囲内ですから)、思想犯こそ治安維持法で取り締まりの対象となった「犯罪」ですし(傍証として、「思想犯保護観察法」の対象は「治安維持法ノ罪ヲ犯シタル者」です)、破壊活動防止法ですら、行為を取り締まるものであって思想を取り締まるものではないとされていますので、それらとのバランスをどう考えるかではないでしょうか。

(関連リソース)

(Q1-4)人権擁護法に基づく措置は事実上の刑罰であるにもかかわらず、刑事司法手続を潜脱しているのだから、治安維持法以上の悪法ではないか。

(A)
治安維持法は懲役刑(改正後の最高刑は死刑)を科すものである一方、人権擁護法案に規定された措置は勧告の公表がもっとも権力性の強いものであり、そのバランスをどう考えるかではないでしょうか。なお、この勧告の公表に当たっては「加害者」の意見表明の機会が2回設けられていること、行政が通常行う処分とは異なり合議制の人権委員会の議決によるものであること、私人間で提訴されれば(最終的に勝訴したとしても)それにより同様の効果が生じること、勧告の公表の対象となる人権侵害は限定されていることをあわせて考える必要があると思います(ちなみに、今後勧告の公表等については「加害者」のためのセイフティネットを措置する修正が検討されているとの報道もありますので、法案に変更があり得ます)。

(Q1-5)パリ原則とは何か。

(A)
国連人権委員会において1992年3月3日に決議され、国連総会において同年12月20日に決議された「国内機構の地位に関する原則」のこと。人権を促進・擁護するために設けられる組織がのっとるべき枠組みを定めた指針です。

(関連リソース)

(Q1-6)パリ原則では国民に対して直接処分等を行う権限は求められていないにもかかわらず、人権擁護法案は人権委員会に強大な権限を認めており、パリ原則に反しているのではないか。

(A)
人権擁護法案において人権委員会に認められている権限は、基本的には当事者間の合意・和解の形成を目指すもので、処分といったものではありません。例外として、立入検査等の特別調査については、パリ原則においても「活動の方法」(b)として「権限の範囲内の情況を評価するのに必要であれば,いかなる者からも聴取し,いかなる情報や文書をも入手する」ことが定められています。勧告とその公表については、処分性はありません(イコール問題なしとするものではありません。パリ原則に反しているという指摘が事実に反するというだけです)。

(Q1-7)国際的に非難されている日本における人権侵害とは公権力によるものであるにもかかわらず、人権擁護法は公権力による人権侵害について手当がなされておらず、問題ではないか。

(A)
「答申」において明記されているように、人権擁護法案は警察・入管での人権侵害を問題として指摘した国連の規約人権委員会の勧告を含む最終見解を踏まえたものです。具体的には、人権擁護法案第42条第1項第3号イにおいてそれらの人権侵害が明示的に規定されています。

(関連リソース)

(Q1-8)この法案は性善説に基づいていて、悪意のある者による濫用に対する備えが甘く、問題ではないか。

(A)
人権擁護法案は、通常の行政府の行動を縛る法律に比べ、独任制の大臣ではなく合議制の委員会をトップにおいていることに代表されるように、むしろ濫用しづらいものとなっています。また、行使できる権限も、直接人権侵害の停止を命じることが認められていない等、他の行政庁が行使可能な権限に比べて弱いものしか認められていませんので、仮に濫用された場合であっても、その影響は限定的です。

(Q1-9)一度廃案になった法律を再提出するのは問題ではないか。

(A)
過去の国会における意思決定は現在ないし将来のそれを拘束するものではありません(拘束するなら、法改正などおよそ不可能になってしまいます)から、何ら問題はありません。ただし、環境の変化や内容の改善がなければ再度廃案になるでしょうから、それらについての説明は重要であると思います。

(Q2)定義

(Q2-1)人権侵害の定義が曖昧であり、問題ではないか。

(A)
確かに第2条第1項の定義は曖昧です。しかし、人権侵害を禁止する規定(第3条第1項)においては例示がなされ、解釈の方向性が示されていること、単に人権侵害というだけでは強制力のある措置は発動できないこと、強制力のある措置のトリガーとなる人権侵害はより限定的な定義がなされていること(第42条第1項)、現に司法手続において基準となっている法律の規定(民法第709条など)はさらに曖昧であること(=この法律により、程度問題とはいえ曖昧さが減じること)をあわせて考える必要があると思います。

(Q2-2)北朝鮮への強硬論や同和利権の批判といった正当な言論や政治活動まで違法とされるおそれがあるのではないか。

(A)
人権侵害(=個人を対象としたもの。第3条第1項)については、人権擁護法案の規定を最大限拡大解釈しても、現行法制において違法とされるもの(民事上の不法行為(民法第709条など)や刑事上の侮辱罪(刑法第231条)など)の外縁が限度となりますので、現行法制において違法とされない言論や政治活動は、人権擁護法案が成立した後においても合法です。不特定多数を対象とした行為(第3条第2項)については、部落地名総鑑等の人種等識別情報の公開(同項第1号)か人権侵害行為の予告(同項第2号)に限定されていますので、それらに該当しなければ合法です。

(Q2-3)具体的にどのような人権侵害がこの法律の対象となるのか。そんなに今の日本に人権侵害事例があるのか。

(A)
今後の法執行の内容を保証・制約するものではありませんが、参考例として、平成15年度の人権侵犯事例についての法務省資料によると、暴行虐待(夫の妻に対する暴行,児童虐待等)、強制強要(離婚の強要,職場での嫌がらせ等)、住居の安全に関する侵犯(騒音をめぐる近隣間の争い等)のトップ3で約13,000件(全体の7割弱)が人権侵犯として認知されています。ただし、このうち最後の「住居の安全に関する侵犯」については、人権擁護法案が対象とする人権侵害(典型的には差別と虐待)には該当しないものが多いと思います。

(関連リソース)

(Q2-4)「特定の者」には法人が含まれるので、政治団体等に対する批判が人権侵害として認定されるのではないか。

(A)
まず、「特定の者」という言葉が法人を含むのはそのとおりです(「者」とは、法的主体を指す言葉で、自然人・法人の総称と考えていただいて結構です。また、「他人」(第3条第1項)の「人」も同様です)。さらに、法人に対する人権侵害という概念が一般には成立し得るのも事実です(例えば、法人であっても刑法上の名誉毀損罪や侮辱罪の被害者たり得ます)。しかしながら、人権擁護法案において念頭に置かれている人権侵害は人種等の属性による差別的取扱い・言動と虐待で、人種等、すなわち「人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向」(第2条第5項)はみな自然人の属性ですので、人権擁護法案の射程に法人に対する人権侵害は入りません(虐待はあえて論じるまでもないですよね?)。

(Q3)人権委員会

(Q3-1)要すれば、人権委員会とはどういう制度なのか。

(A)
通常の省庁であれば1人の大臣がその省庁のトップとなるところを、合議制の機関が大臣のかわりに省庁のトップとなるようなものです(省庁に当たるのが事務局)。各省庁がそれぞれの事務を所管するように、人権委員会とその事務局は人権擁護を所管することになります。

(Q3-2)法務省の外局とするのは法務省による人権侵害(入管等におけるもの)について身びいきのおそれがあり、問題ではないか。内閣府の外局としてはどうか。

(A)
人権委員会はいわゆる三条委員会(独立行政委員会。他に公正取引委員会など)として設置されるものであり、形式的にいずれかの大臣の所轄とされても、実際の運営においては高度な独立性をもつのが前例の示すところです。他の三条委員会に比べて制度的な独立性の瑕疵はないので、人権委員会のみが他に比べ一般の行政に左右されるとの指摘には根拠がありません。なお、内閣府への移管については、以上にかんがみれば実質的に独立性を左右するものではないと予想されます。

(Q3-3)パリ原則にしたがって行政からの独立性を確保するため、内閣の外に設けるべきではないか。

(A)
憲法上、そのような法執行機関としては会計検査院のみが規定されていますので、憲法改正(少なくとも第65条)が必要です。

(Q3-4)人権委員長・人権委員に適切でない者が選出されるおそれがあるのではないか。

(A)
ヒトが行うことである以上、誤りなきを期しがたいのは事実ですが、内閣総理大臣による指名・両議院による同意という、既存の人選手続の中でもっとも厳格なものが採用されています(第9条第1項。他の多くの三条委員会と同じ)。

(Q3-5)人権委員長・人権委員に外国人が選ばれるのは問題ではないか。

(A)
いわゆる当然の法理(「法の明文の規定が存在するわけではないが、公務員に関する当然の法理として、公権力の行使または国家意思の形成への参画にたずさわる公務員となるためには、日本国籍を必要とするものと解すべきである」との内閣法制局見解(昭和28年3月25日))の対象となるため、外国人を任命することはできません(少なくとも内閣はそのような法解釈をとっているので、そのような者を自ら任命しようとすることはありません)。

(Q3-6)人権委員長・人権委員が合計5名というのは少なすぎるのではないか。

(A)
より多い方が妥当である可能性はあると思います。

(Q3-7)人権委員会は東京にのみ設けられるので、個々の事例にきめ細やか・迅速に対応することが困難ではないか。

(A)
人権委員会は、人権擁護法案の中でもっとも強い権限を与えられているため、より慎重な意思決定が求められたためと考えられます。地方人権委員会を設けることとすれば、人権侵害への対応は迅速化する一方、誤った判断をしてしまうおそれが増加します。

(Q3-8)人権委員長・人権委員が不適切な行動をした場合であっても罷免できないのは問題ではないか。

(A)
独立性の確保のため限定的にしか罷免されないようになっていますが、人権委員会の他の委員全員の賛成があれば「職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行」を理由に罷免することができます(第11条第2号、第14条第4項)。なお、人権委員長・人権委員は特別職国家公務員ですので、職権の濫用により「加害者」に何らかの言動を強いた場合には、公務員職権濫用罪(刑法第193条)により刑事罰の対象となり得ます。

(Q3-9)人権委員会のような高度の独立性は三権分立を侵すものであり、憲法違反ではないか。

(A)
(Q3-2)で既述のとおり、他にも同様の三条委員会があり、それらが憲法違反とされていない以上、人権委員会もまた憲法違反であるとは解せません。また、ある程度の独立性を認めないことには、他の公権力による人権侵害への対応((Q1-7)参照)が事実上不可能となってしまうでしょう。ちなみに、三条委員会の代表例とされる公正取引委員会は、人権委員会よりも強い権限を有しています。

(Q4)人権擁護委員

(Q4-1)要すれば、人権擁護委員とはどういう制度なのか。

(A)
公権力の行使の手前の段階で、任意協力の下で相談、調査、啓発、指導等の活動に携わる非常勤の一般職国家公務員です。

(Q4-2)2万人からなる現代のゲシュタポ、特高との指摘があるが、そのような危険な存在なのか。

(A)
権限などについては他の問いにあるとおりですが、全く違う観点として、末端の捜査員(人権擁護法案に基づく制度が秘密警察であるとすれば、人権擁護委員はこれに当たるでしょう)の身元を公然にする秘密警察なるものは、常識的に言ってあり得ません。念のため申し上げるなら、現在の人権擁護委員法に基づく人権擁護委員も、当然ながらそのようなものではありません(老人が過半ですし。なお、法務省作成の法案では、人権擁護法に基づき委嘱される人権擁護委員は、最初は現在の人権擁護委員の横滑りです)。

(関連リソース)

(Q4-3)外国人を人権擁護委員に委嘱可能であるのは問題ではないか。

(A)
まず、憲法(国民主権)との関係では、いわゆる当然の法理((Q3-4)参照)を前提とすると、公権力の行使等に従事しない公務員については、外国人に委嘱しても憲法違反ではありません。人権擁護委員の権限は、人権侵害をした者ないしその疑いがある者に対しては任意で行うものしかありませんので((Q5)参照)、いわゆる当然の法理の対象とはならず外国人に委嘱しても憲法違反ではありません。その上でどう判断するかですが、憲法解釈として、基本的人権はその性質に応じて外国人に対しても保証されることを踏まえての判断が求められます。

(Q4-4)人権問題について特定の利害関係を有する団体(例えば同和関係諸団体、在日外国人関係諸団体等)の構成員は法的な権限をその団体のために濫用するおそれがあり、人権擁護委員にはふさわしくないのではないか。

(A)
(合理的な根拠なく)おそれがあるというだけで特定の団体関係者を一律に排除するのは差別的取扱いであり、不適当です。ある特定の者についてそのような危険性が裏付けられれば、そうした者に委嘱すべきでないことは当然(かかる行為は解職事由である「職務上の義務違反その他人権擁護委員たるに適しない非行」(第31条第1項第2号)に該当しますし、人権擁護委員が服するべき国家公務員法の服務規律(第3章第7節)違反にもなります)ですが、あくまでそのように具体的な根拠に基づき個別に判定されるべきことがらです。

(Q4-5)人権擁護委員として行う啓発・指導活動が、いわゆる確認・糾弾として行われるおそれがあるのではないか。

(A)
いわゆる確認・糾弾については、法務省は従来より過剰なものとなりやすい自力救済として否定的見解を示しており、また、判例においても(手段の相当性は問われますが)あくまで自力救済の一環として全てを否定するものではないとの判断が示されていることから、そのような啓発・指導活動は合法とはなり得ません。

(Q4-6)なぜ「人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者」のみでなく、「弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員」からも委嘱可能なのか。

(A)
現在の人権擁護委員法においても同様の団体の構成員に委嘱することが認められており、特段この点に問題があると認識がされていないためと考えられます。実務を考えても、これらの団体にまったく依存せず独自に十分な数の候補者を捜し出すのは難しいのではないかと思われます(が、この想像については確たる根拠はありません)。

(Q4-7)現在の人権擁護委員法に規定されている政治的中立性の確保や兼業禁止が人権擁護法案においては欠落しており、問題ではないか。

(A)
現在の人権擁護委員法では、人権擁護委員は国家公務員ではないが(同法第5条)、人権擁護法案における人権擁護委員は非常勤の一般職国家公務員であり、国家公務員法上の同種の規定(第102条から第104条まで)が適用されます。

(Q5)一般救済手続

(Q5-1)要すれば、一般救済手続とはどういう制度なのか。

(A)
特に対応の必要性が高いと認められるいくつかの人権侵害以外の人権侵害等について、任意協力を前提にその解決を図るための手続です。具体的には、任意調査(第39条第1項)、関係団体の紹介・あっせん等(第41条第1項第1号)、加害者等に対する説示・啓発等の指導(同項第2号)、被害者等と加害者等の間に入って行う第三者としての調整(同項第3号)、関係行政機関への通報(同項第4号)、刑事告発(同項第5号)です。

(Q5-2)任意調査といって、任意性は担保されるのか。

(A)
調査に対する協力義務は規定されていませんし、調査に協力しないことについての罰則や処分なども規定されていません。したがって、正当な事由(いわれなく人権侵害をしたといわれるようなケース)がある場合にとどまらず、単に面倒であるとか、さらには本当に人権侵害をしたのだけれどもばれるのが嫌だという理由で拒んでも、人権委員会はそのことについては何も手を打つことができません。

(Q6)特別救済手続 1(勧告及びその公表・差止訴訟の提訴以外)

(Q6-1)要すれば、特別救済手続とはどういう制度なのか。

(A)
特に対応の必要性が高いと認められるいくつかの人権侵害について、単なる人権侵害ではなくより厳格な定義をした上で、それらについて若干任意性を弱めて積極的に解決を図るための手続です。具体的には、特別調査(第44条)、調停・仲裁(第4章第3節第2款)、勧告及びその公表(第4章第3節第3款・第64条)、訴訟援助(第4章第3節第4款)、差止訴訟の提起(第65条)です。

(Q6-2)より厳格な定義といっても、依然として曖昧ではないか。

(A)
曖昧さがぬぐえないのは事実ですが、それは法律という自然言語で物事を標記する形式においては不可避です。ちなみに、人権擁護法案の規定が他の法律の規定に比べてより曖昧であるわけではありません。おそらく一番センシティブにならざるを得ない言論関係(暴行等は身体に「跡」等が残る一方で、言論関係は心理的な受け止めによりますので、客観性に劣ることになります)を例に取りますと、第42条第1項第2号の差別的言動の規定で用いられる「畏怖させ、困惑させ、又は著しく不快にさせる」については、刑事訴訟法第295条や第299条の2の「畏怖させ若しくは困惑させる」という前例や、ストーカー規制法第2条第1項第6号の「汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物」や自然公園法第30条第1項第1号の「著しく不快の念を起こさせるような方法」という前例があります。

(Q6-3)メディア規制は表現の自由の侵害であり、憲法違反ではないか。

(A)
メディア規制の対象を見ますと、表現そのものは含まれておらず、取材行為に限られています。その行為の対象も、犯罪被害者、少年犯罪者並びに犯罪被害者及び犯罪者の親族に限られているので、犯罪者や証言者の取材には適用されません。行為の中身についても、継続・反復的に行い取材対象者の生活の平穏を乱す場合に限られ、単発の取材には適用されません(以上、第42条第1項第4号)。また、規制自身も、(Q6-1)で列挙したもののうち特別調査と差止訴訟の提訴は含まれておらず(第42条第1項柱書、第44条第1項)、基本的にはメディアと取材対象者との関係調整に主眼がおかれています。以上から、憲法違反とは言い得ないと考えられます。

(Q6-4)メディア規制の凍結といっても、削除ではないから、行政が勝手に解除することができ問題ではないか。

(A)
報道を見る限り、凍結とは別に法律で定める日まで施行しないということですから、別に法律を定めたとき、すなわち国会に「いついつから凍結を解除しますよ」という法律を出してそれが可決されてはじめて解除されます。つまり、行政が勝手に解除することはできません。

(Q6-5)特別調査においては、令状なしの提出物件領置や立入検査が認められており、問題ではないか。

(A)
一般調査とは異なり正当な事由がなくては拒否できませんが、逆に言えば正当な事由さえあれば拒否できます。なお、令状に基づく差押、押収や捜索については、「差押状又は捜索状の執行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる」(刑事訴訟法第111条)とあり、抵抗しても実力で排除可能ですが、立入検査については、わかりやすい例を出せば居留守を使われたときであっても、このような処分権が付与されていないため勝手に入ることはできません。さらには、このような立入検査権は他にもいくつも例があり、人権擁護法案のみの特別な規定ではありません(ちなみに、各種の立入検査権の中でも、忌避した際の罰則で比較すれば弱い権限に属します)。

(Q6-6)第44条第4項の「第1項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」という規定は、憲法の令状主義(第35条)を免れるために設けられたものであり、問題ではないか。

(A)
この規定の趣旨は、憲法の令状主義に反してはならない旨を確認するためのもので、具体的な効果としてはいわゆる別件捜査を禁止するものとなります(したがって、立入検査を認める法律には必ず規定されています)。仮に立入検査を行っている際に殺人事件の痕跡を見つけたとしても、それを持ち帰って警察に渡すようなことをしてはいけないということです(検査職員は告発をするにとどまり、それを受けて司法警察職員が別途犯罪捜査を行うことになります)。

(Q6-7)調停や仲裁を行う人権調整委員の選出手続は政令に委ねられており不透明で、問題ではないか。

(A)
確かに政令で定める場合は法律で定める場合とは異なり行政府の裁量に委ねられるため、問題であるとの指摘にも理があると思います。ただし、例えば民事調停法における民事調停官任命手続や家事審判法における家事調停官任命手続は最高裁判所規則に、労働関係調整法における特別調整委員任命手続は政令に委ねられていますので、人権擁護法案だけが特別というわけではありません。

(Q7)特別救済手続 2(勧告及びその公表・差止訴訟の提訴)

(Q7-1)勧告の性質はどのようなものか。

(A)
行政の見解を示して行為を促すもので、従う義務はありません(従わなくとも罰則も科せられません)。義務を生じさせないという意味において、行政手続法に規定する「行政指導」(第2条第6項)に該当します。

(Q7-2)行政指導は様々な弊害が指摘されており、そのような手法を用いるのは問題ではないか。

(A)
一般に指摘される行政指導の弊害とは、法的な権限が認められていないにもかかわらず、事実上の権限を行使するようなケースです(例えば、法律上は届出が求められる行為について、届出受理に当たって注文を付けてあたかも許認可が求められているように振る舞うケースです)。人権擁護法案に規定する勧告が行政指導であるのはひとえに相手に義務が生じないことによるもので、例示のような権限のない行為ではないので、一般に指摘される弊害は当てはまりません。なお、本来相手に義務を生じさせる処分について行政手続法上求められる聴聞(第3章第2節)を勧告の際には行うこととしており(第60条第2項(第64条第2項で準用する場合を含む))、他法には稀な慎重さを求めています。

(Q7-3)義務づけを伴わない措置を設ける理由は何か。

(A)
当事者間の協議では解決できない場合に、第三者が是非を判断してその内容を示し、それにより解決が図られるのであれば、わざわざコストをかけて司法解決を図る必要がなくなります。オール・オア・ナッシングでない第三の道を探るものと言えるでしょう。

(Q7-4)第三者の見解を求めるなら、調停や仲裁で代替できるのではないか。

(A)
調停や仲裁は、開始・解決のいずれかには当事者の合意が必要ですので、当事者の一方が拒否した場合に職権で結論を示すことができません。それが必要かどうかはさておき、調停や仲裁では可能でない部分をカバーするものといえます。

(Q7-5)勧告に納得できない場合にはどうすればいいのか。

(A)
義務づけはありませんので、実害がなければいいと判断するなら放置しておけばいいです。違法だと判断されること自体が腹立たしいということでしたら、公法関係確認訴訟(行政事件訴訟法第4条に規定する当事者訴訟の一種)によることも可能です(判断がどのようなものとなるかを予測するには、ある程度の判例の蓄積を待つ必要がある点には留意が必要です)。

(Q7-6)勧告の公表の性質はどのようなものか。

(A)
義務づけを伴わないという勧告の性質を維持しつつ、その実効性を高めるための措置と考えられます。

(Q7-7)人権侵害者だと公表されれば風評被害も生じかねず、あまりに強大な権限ではないか。

(A)
風評被害のリスクは確かに存在しますので、慎重な運用が求められるのは間違いないでしょう。しかし、とりあえず勧告の存在を是であると仮定し、その内容の実現を図ろうとする際、自力救済が困難なシチュエーションをシミュレートすれば、公表による間接的な強制でなければ直接の強制(=勧告内容の実施命令)が代替手段となります。勧告について、公表とその内容の実施命令の双方を定める法律はいくつか例がありますが、いずれも公表してもなお勧告が無視された場合に実施命令を発出することとなっており、既存の法体系においては、公表はより権限の弱い措置であると位置づけられています(勧告の公表を定める具体的な法律の規定は、最後に(参考2)(参考3)として列挙してあります)。

(Q7-8)勧告の公表にはどのように対抗できるのか。

(A)
事前には、処分性がないことから差止訴訟は不可能と考えられますが、(Q7-5)の公法関係確認訴訟による救済の可能性があります。事後には国家賠償請求が可能です。

(Q7-9)第4章第3節第5款の規定による勧告、その公表及び差止訴訟の提起は、検閲であり憲法違反ではないか。

(A)
言葉の定義として、事前に内容をチェックするわけではないので検閲には該当しません。検閲類似の事前介入としては、勧告とその公表は強制力がないので憲法違反ではないでしょう(公表を止めようというのですから、勧告の公表の公権力性も第61条のケースよりは問題が少ないと考えられます)。提訴については、憲法違反かどうかを判断するのが司法府である以上、憲法違反である差止めを認める判決が(究極的には最高裁において)出るはずもなく、認められた差止めはおよそ憲法上問題が(定義により)あることはあり得ません。

(Q8)補則

(Q8-1)第83条の「関係のある公私の団体と緊密な連携を図るよう努めなければならない」とは何か。特定の団体に配慮した規定ではないのか。

(A)
「答申」においては、各種団体の資源・能力を最大限活用することが必要とした上で、特定の種類の私団体としては弁護士会を挙げています。人権擁護法案が取り扱うことがらは司法手続との境界事例が多くなるでしょうから、妥当だと思います。

(関連リソース)

(Q8-2)その他の団体が「緊密な連携」を濫用して不適切な行為を働くのではないか。

(A)
「緊密な連携」は、個々の行為の贖宥状となるものではありません。緊密な連携の下行われた違法行為は、緊密な連携とは無関係に所要の対応がなされます。

(Q9)罰則

(Q9-1)人権侵害により逮捕されるのか。

(A)
人権擁護法案には逮捕の前提となる刑事罰としては、人権委員長・人権委員の守秘義務違反のみが規定されていますので、それ以外では逮捕はあり得ません。ちなみに刑事罰とは、「死刑、懲役、禁錮、罰金、勾留及び科料」(と付加刑としての没収)です(刑法第9条)。

(Q9-2)正当事由のない立入検査拒否等に科される過料とは何か。

(A)
人権擁護法案に規定する(秩序罰としての)過料とは、「法律秩序を維持するために、法令違反者に制裁として科せられるもの」で、「『過料』は、刑ではないから、これについては、刑法総則の規定はな」く、また、「刑事訴訟法は適用され」ず、「非訟事件手続法第206条から第208条ノ2までの規定」に基づくものとなります(以上、引用元は吉国一郎他(編)「法令用語辞典【第八次改訂版】」(p91)です)。

(Q9-3)罰則なのに刑事訴訟法の適用を受けない過料は、憲法違反ではないか。

(A)
憲法は刑(事)罰についてのデュープロセスを定めており、それに該当しない過料が刑事訴訟法というデュープロセスを経なくとも憲法違反ではありません(判例もあります)。なお、何らデュープロセスが存在しないわけではなく、(Q9-2)のとおり別のデュープロセス(=非訟事件手続法)が用意されていますし、刑事訴訟法の適用がないからこそ、逮捕や家宅捜索といった強権的手続の対象にならないのです。

(関連リソース)

  • 民集20巻10号2279頁(非訟事件手続法により過料を科すことを合憲とした最高裁判例)

(Q9-4)正当事由がなければ過料というが、正当かどうかは人権委員会が判断するのか。

(A)
非訟事件手続法の規定にのっとって司法が判断します。

(参考1)履歴

2005-04-09
公開
2005-04-14
(Q2-4)追加、(Q3-8)の回答に追記

(参考2)勧告の公表とその内容の実施命令の双方を定める法律の規定(読点での並列は異なる対象、中黒での並列は同一の対象です)

  • 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律第9条
  • 持続的養殖生産確保法第7条
  • 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律第20条
  • 計量法第15条、第52条
  • 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法第19条
  • 資源の有効な利用の促進に関する法律第13条、第17条、第20条、第23条、第25条、第33条、第36条
  • エネルギーの使用の合理化に関する法律第19条、第21条
  • 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律第7条・第11条
  • 小売商業調整特別措置法第16条の3・第16条の5
  • 道路運送車両法第63条の2

(参考3)勧告の公表を定める法律の規定(読点での並列は異なる対象、中黒での並列は同一の対象です)

  • 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第9条
  • 東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法第7条
  • アルコール事業法第41条
  • 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律第15条
  • 種苗法第52条
  • 塩事業法第31条
  • 鉄道事業法第22条の3
  • 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律第49条の2
  • たばこ事業法第40条
  • 大規模地震対策特別措置法第7条
  • 石油の備蓄の確保等に関する法律第32条
  • 国土利用計画法第24条・第26条
  • 中小小売商業振興法第12条
  • 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第25条・第26条
  • 公害紛争処理法第34条・第34条の2
  • 農業振興地域の整備に関する法律第15条の17
  • 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第17条
  • 畜産物の価格安定に関する法律第5条
  • 道路交通法第109条の3
  • 障害者の雇用の促進等に関する法律第46条・第47条
  • 小売商業調整特別措置法第16条
  • 分収林特別措置法第6条
  • 生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律第14条の12
  • 酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第23条・第24条
  • 農産物価格安定法第8条の2
  • 高圧ガス保安法第20条の5
  • 電波法第102条の11
  • 船員職業安定法第99条
  • 児童福祉法第59条

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

本編
前編(3/13)後編上(3/14)後編下(3/15)趣旨説明編(3/29)
リジョインダー編
1(3/17)2(3/18)3(3/19)4(3/20)5(3/21)6(3/22)7(3/27)8(3/30)9(3/31)10(4/2)11(4/4)12(4/5)13(4/8)
法案分析編
1(3/24)2(3/26)3(4/1)
正誤訂正編
1(3/25)2(4/6)
本日のツッコミ(全467件) [ツッコミを入れる]

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carpinteyroea.W [<a href=http://snapbackos.blogspot.com/>bon将アs new era sna..]


2005-04-10

[law]人権擁護法反対論批判 法案分析編(その4)

最近各所で法案の中身に則した議論が出てきまして、そういった議論に努めてきたwebmasterとしては、方針についてのご理解が得られたようで非常にうれしいのですが、次の2点について若干の混乱が見られるようですので、改めてwebmasterの見解をご説明したいと思います。

第3条第2項の解釈

第3条第2項は不特定多数の者を対象とする差別助長行為等の禁止を定めていますが、ここに「不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的」(第1号)といった文言があるため、一般の言論が弾圧されるといった主張の根拠としてよく持ち出されます。しかし、次に整理するとおり、第3条第2項は言論の形式(第1号)や対象者(第2号)を限定していますので、一般の言論には無関係といって差し支えありません。

 第1号(人種等識別情報の公開)第2号(人権侵害行為の予告)
行為(言論等)をする者およそ何人であっても公務員、商売人又は雇用者
行為の内容人種等の属性を共有する人々について、その属性を識別するための情報を公開する行為
(例)部落地名総鑑の発行
人種等の属性を共有する人々について、その属性を理由として、自らが不当な差別的取扱いをする旨の意思表示
(例)「外国人お断り」という店頭掲示
行為の目的識別情報により識別される人種等の属性に基づき、他の人々がする不当な差別的取扱いの助長・誘発不当な差別的取扱いを自ら行うことの予告

というわけですので、例えば「総連は反日団体で反日活動をしている。そんなに日本が嫌なら半島へ帰れ、とみんなで追放に向けて運動していこう」と主張する言論活動であっても、これは「行為の内容」において第3条第2項第1号には該当しないので、人権擁護法案の対象ではありません。

また、「外務省職員のうち創価学会員は、池田大作のノーベル平和賞受賞に向けて職権を私しており問題だ。今後の採用の禁止はもちろん、今いる職員も即刻馘にせよ」と主張する言論活動であっても、これは「行為をする者」「行為の目的」において第3条第2項第2号には該当しないので、これもまた人権擁護法案の対象ではありません。

#以上の2パラグラフにおいては、名誉毀損等で他法令に抵触する可能性は捨象しています。念のため。

勧告の公表への対抗手段

「公正・透明な手続を行うために1・2」(福田氏『漂泊言論』)にお答えして(@an_accusedの日記4/8付)中の<「勧告」の処分性について>において詳しい説明がありますので、それを違った形式で整理だけいたします。

前提として、公表に処分性があるかどうかという論点が鍵になります。処分性があれば行政事件訴訟法第3条第7項に規定する「差止めの訴え」の対象となり、(勝訴すれば)事前にストップさせられます。処分性がないのであれば、その対象にはならないので、行政事件訴訟法第4条の「当事者訴訟」の一種である公法関係確認訴訟で対抗できる可能性を探るしかありません。

この点については、以下の3説があります。

原則処分性あり=差止め訴訟可能
福田さんがこの立場です。詳しくは、「公正・透明な手続を行うために(2)」(@福田::漂白言論4/8付)をご覧ください。
例外的に処分性あり=差止め訴訟可能
勧告の公表は原則として処分性がなく差止め訴訟の対象となりませんが、公表がなされてしまった場合において、事後的な国家賠償等の措置では回復が困難なときには、事前救済の必要性ないし訴えの利益を認めて例外的に対象となるとするものです。川神判事がその論文「法律の留保」(藤山雅行「新・裁判実務大系25/行政争訟」所収)(via人権擁護法案関係についてのまとめコメント3(@IT法のTop Front3/17付))においてとられている立場です。
処分性なし=差止め訴訟不可能
webmasterのこれまでの主張です。

改めてwebmasterの考えを述べますと、やはり処分性なしという考えで基本的に誤りはないと思います。川神論文においても、(小倉弁護士の孫引きで恐縮ですが)「制裁的公表に制裁的機能・侵害的性格が認められるとしても、それ自体が直接法律効果を有するものではない以上、制裁的公表やその前提としての行政指導は抗告訴訟の対象とならない」とされているとのことですし(webmaster注:「抗告訴訟」とは、差止め訴訟のメタ概念です)。

例外的に差止め訴訟が可能であるとの川神論文の指摘があり得ないわけではなく、理論的にはそのように解する余地はあると思います。しかし、実務を考えた場合、川神論文による差止め訴訟では「その公表によって権利利益を侵害されるおそれが強く、侵害される権利利益の性質、侵害の程度、公表の確実性及びその内容・性質等に照らし、国家賠償、名誉回復措置等の事後的救済によっては回復し難い重大な損害を被るおそれ」(再度孫引きで恐縮です)を原告が立証する必要があるので、非常に使い勝手が悪いであろうことが想像できます。

やはり勧告自体の有効性を公法関係確認訴訟で争い、公表の差止めを求めるとしてもそれはその予備的請求(もしメインの主張(主位的請求)がダメだったとしてもこっちの考えもありますよね、という訴訟におけるリスクヘッジ的な主張)にとどめておく方が無難ではないかと思います。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

本編
前編(3/13)後編上(3/14)後編下(3/15)趣旨説明編(3/29)faq編(4/9)
リジョインダー編
1(3/17)2(3/18)3(3/19)4(3/20)5(3/21)6(3/22)7(3/27)8(3/30)9(3/31)10(4/2)11(4/4)12(4/5)13(4/8)
法案分析編
1(3/24)2(3/26)3(4/1)
正誤訂正編
1(3/25)2(4/6)

[law]チョンボ発見

昨日のfaqを作る過程で、(現行の)人権擁護委員法第6条第6項の「第7条第1項第4号に規定する場合」は、「第7条第1項第3号に規定する場合」の間違いであることに気がついてしまいました。民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第151号)第32条により、人権擁護委員法第7条第1項第1号を削り、同項第2号から第4号までをそれぞれ第1号から第3号までとしたときにハネを漏らしてしまったようです。faqがいろいろなところで引用され得ることを想定して、昨日掲載するのは武士の情けでやめました。でも書いちゃいます(笑)。

#第1号を削除号(「一 削除」という形)にしておけば、こういうミスにつながらなかったんですけれども。

本日のツッコミ(全313件) [ツッコミを入れる]

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2005-04-11

[law]人権擁護法反対論批判 法案分析編(その5)

今回は、人権委員の罷免自由の1つである「非行」とはなんぞやという若隠居さんのコメントについて考えてみたいと思います。まずは条文から。具体的には第11条です(強調はwebmasterによります)。

第11条 委員長及び委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。
 一 禁錮以上の刑に処せられたとき。
 二 人権委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき、又は職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。
 三 第9条第4項の場合において、両議院の事後の承認を得られなかったとき。

さて、どのような言動がこの「職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行」かというと、実はあまり当てはまりそうなものがないのです。というのも、人権擁護法案においては、人権委員にはほとんど何も権限が与えられていないからです。

faqの(Q3-1)でも書きましたが、「通常の省庁であれば1人の大臣がその省庁のトップとなるところを、合議制の機関が大臣のかわりに省庁のトップとなるようなもの」なので、各種の権限はあくまで委員会に認められるもので、委員長・委員個人には何も認められていないのです。

結局は、守秘義務や政治活動禁止といった服務違反(第13条)か、人権委員会から権限を付与されて行う一般調査、一般救済及び特別調査において、その付与された権限や所定の手続(第85条の規定に基づき定められるもの)を逸脱するか、この2つがあり得るほとんどの「職務上の義務違反」ではないかと考えられます。

では非行はといいますと、放火、殺人、傷害などでしょう(これらは極端ですが、淫行ですとか交通法規違反などはあり得ないとは言えません)。人権委員長・委員は特別職国家公務員なのでそのまま適用されるというものではありませんが、一般職国家公務員の懲戒に関して人事院が定めた「懲戒処分の指針について(通知)」においては、それらが例示されていますので。

非常に重いファイルで恐縮ですが、「衆議院議員長妻昭君提出国家公務員の懲戒処分に関する質問に対する答弁書」でそれらによる処分例が公開されていますので、ご参考まで。自衛隊員と郵便局員の名誉のために補足しておきますと、それら職員の例が多いのは、母集団が多いからであって、それらのモラルの低さを直ちに示すものではありません。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

本編
前編(3/13)後編上(3/14)後編下(3/15)趣旨説明編(3/29)faq編(4/9)
リジョインダー編
1(3/17)2(3/18)3(3/19)4(3/20)5(3/21)6(3/22)7(3/27)8(3/30)9(3/31)10(4/2)11(4/4)12(4/5)13(4/8)
法案分析編
1(3/24)2(3/26)3(4/1)4(4/10)
正誤訂正編
1(3/25)2(4/6)

[notice]サーバ障害のご報告

昨日(4/10)11:30から15:00ごろにかけて、サーバ障害によりアクセス不能となっておりました。申し訳ありませんでした。

#そのせいでしょうか、昨日は5週前の日曜日以来のアクセス数3桁でした。もともと土日は少ないようですけれど、皆様、職場でご覧になっているのでしょうか。

[WWW]特集*ブログ作法@ユリイカ2005年4月号

生まれて初めて「ユリイカ」を買いました。多分もう2度と買いませんが(笑)。人生最初で最後のイベントの記録を一応。

仲俣暁生、鈴木謙介、吉田アミ、栗原裕一郎「激突!はてな頂上作戦」(pp64-102)
こういう座談会はその世界に属しているかいないかで全く価値が異なるわけで、属していないwebmasterにとっては、部外者でごめんなさい。参加者の誰一人として、はてなで読んだことないですし。
内田樹「市場最弱のブロガー」(pp103-111)
インターネットを通じて、ひきこもりがちの人が新しいコミュニケーションを獲得するという一部のお医者さんの楽天的な意見を、ぼくはとってもバカにしている山形浩生さんに1999年の時点で蹴倒されている意見を今頃何のひねりもなく持ち出されても。あと、「ネット・コミュニケーションほど『ひとりでは何もできない』ということを日々具体的に思い知らせてくれるメディアは他に存在しない」(p108)って、それは想像力の欠如だってことがわかっているのかなぁ。メディアじゃないけど、日々の食事一つとっても(ロビンソン・クルーソーでもない限り)ひとりではできないんですけど。
稲葉振一郎「BBSからブログへ」(pp112-117)
黒木掲示板がすたれたのは、稲葉先生ももちろんご指摘ではあるのですが、やはり黒木先生が手を引かれたことが大きいのではないでしょうか。いちご経済板も、ドラエモンさん、すりらんかさん、歌舞音曲さんといったコテハンあってのことで、この3名がほとんど書き込まなくなった最近ではやはり低調ですし、戻ってこないと皆が思うようになったらさびれてしまうような気がします。
小谷野敦「ミクシィは『出会い系』か?」(pp118-124)
小谷野先生がこんなに性善説(笑)だとは意外でした。ネットでぐぐって手抜きする人間は、ネットから離れればぐぐることすらしないでしょうから、ぐぐるだけましじゃないですか(笑)。
竹熊健太郎「『たけくまメモ』繁盛(させたい)記」(pp125-130)
ミニコミ誌が売れないのは、当然流通の問題もあるわけですが、竹熊さんのblogのアクセスが伸びるのは今の竹熊さんがやるからで、ミニコミ誌だって今の竹熊さんがやれば200部を2年かけて捌くことはないと思うのですけれど。
スズキトモユ「ブロガーがネットを発見する」(pp131-140)
クリフォード・ストールが10年前(原書出版時)に言ったことを超えるものではありません。
上野俊哉+泉政文「接続者のしかばねの上に萌えるもの、あるいは工作者の逆襲?」(pp141-151)
部外者でごめんなさいその2ですが、はてなと(オリジナルの)スラドの違いに驚いてもらっても。日本にもスラドがあるってことぐらいちょっと調べりゃわかるでしょうに。
北田暁大「『ブログ作法とは何か』とは何か」(pp152-156)
相変わらず2ちゃんねるに囚われているようで。数年前はネット上のコミュニティとして均質的な2ちゃんねるしか存在しなかったかのようなミスリードをしていますが、意図的なのでしょうか、それとも無意識なのでしょうか。
佐藤真「活字とWebのコンティニュイティ」(pp157-165)
部外者でごめんなさいその3。
南陀楼綾繁「日記からアクションが生まれる」(pp166-173)
プライベートの日記と同じ感覚で公開する日記を書くことの危なさが伝わってきません。例えば引用されている某医院の「美人の女医さん」という何気ない一言の持つ危険性ですとか。私小説の系譜なのかもしれませんが、あちらは一応フィクションの体裁ですし・・・。
鈴木一誌「遮光された部屋」(pp174-188)
部外者でごめんなさいその4。
ブログ・ガイド100@2005(pp189-227)
kanryoさんのところが紹介されていましたが(p215)、アクセス数に有意な影響はあったのかな・・・?

[book]栗本薫「豹頭王の試練」

100巻記念ということで。個人的には「赤い街道の盗賊」で今の路線が決まったように思います。「風のゆくえ」でケイロニア編が一段落した後、1986年にはこの1冊しか出なくて、その間何度も読み返して、どうにもイメージが変わった気がしてならなかったのを思い出します。多分、アリが作者のそっちのイメージを喚起してしまったからだろうと思っているのですが。

[comic]現在官僚系もふ・第5話

一回もまともに仕事を描いていないのは、実はそれが全くわかっていないからでは、という疑惑(「レポート」って学生や、財務総合政策研究所の研究員ってわけでもあるまいし)。次回は政治家が出てくるとのことなので、お手並み拝見といきますか。

#p124の「サンダル」、ようやく気づいたようです(笑)。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

若隠居 [お忙しいなか回答してくださり、ありがとうございます。昨日から、わたしのブログでも「非行」論議をしておりまして、そのな..]

トニオ [TVタックル見ました?]

bewaad [>若隠居さん あちらの議論は充実していますね。うちにコメントが少ないのは主の人格の差かしらん・・・orz >トニオ..]


2005-04-12

[history][politics]反知性主義についてのいい加減な考察

常夏さんからいただいた次のコメントにインスパイアされまして、ちょうどいいとっかかりがネットで公開されたことも踏まえて、駄文をつらつらと。先行研究などの参照は一切していませんし、裏取りなども適当にすませてお筆先モード(笑)で書きますので、どしどし批判をお願いいたします。それを見て勉強させていただこうという都合のいい目論見がありますので(笑)。

ところで、「専門家」の専門性に対する敬意だとか、信頼というものがなくなり、一般ピープルは一般であるがゆえ〜専門性がないがゆえにエライという類の確信(笑)はいつ頃から形成されたのでしょうかね。
私は、戦後日本社会においては、いわゆる「プロ市民」のレトリックからそれが発展してきたような気がしますが、その論理をネット系の論客を自認する人たちが自明のものとして使っているのには、結構な違和感を感じてたりします。

結論を先に書いておきます。読む価値なしとお考えならばすっ飛ばしていただきたく。

  1. 社会不安が感じられるご時世では反知性主義が顕在化します。感じられないご時世でも、潜在化しているだけで存在していないわけではありません。遍在しているのです。
  2. なぜなら、知性とは突き詰めれば、直感に反する発見ほど付加価値が高いので、発展すればするほど少数派にならざるを得ないからです。
  3. 高付加価値な知性は金や権力に直結しますが、社会不安が少なければそうした支配構造を多数派は許容します。でも、社会不安が昂じてくればひっくり返ります。
  4. 知性の最先端は時とともに直感との乖離が大きくなっていきますから、反知性主義を封じ込めるには、知性側における社会不安を押さえ込む不断の努力が必要です。

第1点については、古いところではペロポンネソス戦争後のポリス社会の斜陽化に伴うデマゴーグが、世界的影響力の大きいところでは、14世紀以降のペスト流行による農村疲弊や十字軍・百年戦争等による封建制・荘園制の空洞化、キリスト教会の混乱(教皇のバビロン捕囚ですとか、シスマですとか)、中世温暖期から小氷期への気候変動に伴う収穫減等々による中世の終焉と並行する宗教改革が代表例でしょう。

遍在などと言うからには思いつくまま他の例を探しますと、日本ですと武家支配の台頭以後における浄土宗系統の「南無阿弥陀仏」や日蓮宗の「南無妙法蓮華経」が顕著な例でしょうし、昭和恐慌を受けての全体主義運動もこの観点からは同じカテゴリに入れていいでしょう。

アメリカではホーフスタッター「アメリカの反知性主義」というそのものズバリの著作がありますが(でも実はwebmasterは未読です。ごめんなさい)、最近の著しい保守化に伴う反知性主義(プロライフ論はともかく、反進化論ですからねぇ)も、70年代のヴェトナム戦争敗北・スタグフレーションから始まり、9.11を経て昨年の大統領選挙に至っています。

#ホーフスタッター本においては、孫引きになりますが、「反知性主義自体は形や程度の差はあれほとんどの社会にみられるだろう」とされているそうです。

究極事例を出すなら、やはり文化大革命(犠牲者の絶対数)とクメール・ルージュ(犠牲者の対人口比率)。

第2点については、「VaRショックに見る情報フローと意思決定」(@isologue4/9付)で最近の事例がちょうど紹介されていますが、ちょっと引用してみますと、消費者金融で「複利」の概念がわからずに多重債務者が発生したり、牛乳やガソリンなら一円でも安い商品を探すのに、保険となると実質が何百万円も違うものを平気で契約しちゃったりするというのを見ても、「一般の人」のレベルというのはそういうレベルなんでしょう。/いわんやσとか√とかが出てくるものなんて、とんでもないわけです。

どこで見たのか思い出せないのですが(鹿野司さんの「オールザットウルトラ科学」@ログインだったかな?)、人の感覚は得てして対数的に働きます。底として10をとるなら、10倍のエネルギーで2倍にしか感じないことになります。典型例は騒音公害の解決の難しさでしょう(エネルギーを半分にしてもわずかな改善しかなされません)

#ぐぐってみたら、鹿野さんがblogを始めているのを見つけました。感激!

騒音といわずとも、オーディオが好きな人なら人間の耳で聞き取れる最小と最大の音量をカバーするダイナミックレンジがどれほどのものかを考えていただければ結構でしょう。耳ではなく目ですと、絞りとシャッタースピードがわかるカメラで日向と日陰の露出がどうなるかを想像していただければ、光量と明るさの感覚のズレがおわかりいただけると思います。

ですから、単純比例関係ですら人間の感覚には不自然なわけで、まして指数関係(複利のことです)がピンと来ないのは、ヒトという生物種にとっては何ら不思議ではありません(日本の国債市場なんて、プロの集まりのはずなのに未だに単利表示が多いですし)。ファイナンス関係では、他に最適資本構成に関するモジリアーニ=ミラーの定理(資金調達を負債で行うか資本で行うかは企業価値に中立)あたりも「不自然」な理論で、不良債権がらみの言論では、「借金が多い企業は危ない」といったこれがわかっていない論者など佃煮にするほど転がっています。

#モジリアーニ=ミラー定理は、税制その他モデル外の要素や前提となる効率的市場の存否により現実に妥当するとは限らないわけですが、それは摩擦や抵抗により高校物理で習うようには投げたボールが放物線軌道を描かないようなもので、それをもってニュートン力学を否定するのがバカげているように、はなっから借金は少ない方がいいのに学者は空理空論を唱えているとするのはバカげています(さらには、デフレでモノの価値は下がっても(つまり、バランスシートの左側は縮みます)借金の価値は下がらない(バランスシートの右側は縮みません)ので純資産が毀損するというデット・デフレーションですとか、考慮すべき要素は多いのですけれども)。

この点、社会に阿る(笑)社会科学よりも自然科学の方が「不自然」な理論は数多くあります。先にアメリカについて触れた進化論のほか、相対性理論や量子力学、疾病への対策(種痘のエピソードが有名ですね)、地動説などなど。

直感がそうは的はずれでないものは多くの人にとって自明ですから、その知識を持っていてもお得なことはないですが、他方で理解が得られず困ることはまずありません。逆に直感に反して、理解するのに苦労するような知識ほど、それを習得した際に得るものは大きい一方で、その内容についてはわかってもらえなくなってしまいます。

第3点ですが、古今東西確率論的には、知識量と所得や地位は比例関係にあります。しかしそれは、ヒエラルキー下位層に知識の価値が理解されているが故ではなく、それが結果においてプラスであるからに過ぎないわけです。知識の価値がわかるのであればそれは既に下位層ではないわけで、相対的多数にとって相対的少数を上位に戴くのは理屈ではありません。

したがって、相対的少数が結果責任を、その結果について因果律的な帰責事由があるか否かにかかわらずとらされるのは自然なことです。フレイザーが「金枝篇」で描いた王殺しの世界は(再びごめんなさい。webmasterは読んでもいないのに一般的知識から引っ張っています)、現代にも息づいているわけです。

最後に第4点。この知識量の格差は、知識が人類の歴史とともに累積していくものだけに、時代とともに拡がっていきます。ここで2つめのエントリとして「「各論全員否定」の社会学」(@切込隊長BLOG(ブログ)4/10付)を引っ張ってきます。

いま、この社会はかつてないほど多様な価値観とそれを互いに認めることで距離を開くという未曾有なバラバラ感に満ちている。下手をすると向かいのマンションに住んでいる人の顔さえ分からない。希望格差社会といわれて、その希望をもてない下のほうにいる若い人を、年寄りたちが理解できないのは、情報が切り離されているからだ。しかも、若い人が何を考え、どうしようとしているのかを年寄りたちは興味がないし、若い人同士もほかの価値観を持つ人間がいま何を考えているのか理解しようとしない。クラブに通ってる奴とオタクと海釣り好きの間に会話が成立しない。その方面の、知る人ぞ知るが細分化された市場ごとに山ほどできて、市場が小さいのだからトップに辿り着いても儲けが少なく、流行廃りが早くてトップであり続けることができない。

#似たようなことをwebmasterも以前書いたことがあります(「2003-11-24『三題噺−自民党税調、日テレ、東浩紀』以降のいくつかです)ので、よろしければご覧下さい。それと明記していませんが、実はこれも昔の「オールザットウルトラ科学」に源流があるテキストです。

これに加えて、アーサー・C・クラークの第3法則がまた重くのしかかります。

Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic.(十分に発達した科学技術は、魔法と区別がつかない。)

この法則が念頭に置いているのは工学的技術ですが、社会科学についても同様のことが言えます。人にとって自然な考えは、経済学で言えば重商主義や重農主義の段階であって、自由主義ですら(その表層的理解はともかく、メカニズムについては)多くの人にとってオカルトな呪文にしか聞こえません。

第3点で書いたことと半ば重なりますが、救いがあると信じるからこそ般若心経を唱えるわけで、救いがないとすればあんなサンスクリット語の音訳などありがたがられるはずもありません。救いがないといい信心を捨てた人間が信心を取り戻すのは救いによるのであって、意味のわからない経典など何度読み聞かせたところで無駄なことです。

そのいい例がクルーグマンによるブッシュ政権批判の「嘘つき大統領のデタラメ経済」「嘘つき大統領のアブない最終目標」。いくら論理的に誤りを明らかにしたところで、読み手が論理の外にいればその試みは何の価値もありません。

#ですから、例のぷち祭りについて申し上げれば、相手の非論理性に自壊を見るのは早計であるように思います。非論理主義といっても、突き詰めれば神秘主義にまで至る道が開けていますし、「迫害」が求心力を高めた前例も腐るほどありますから。

その意味で、マイケル・ムーアの「華氏九一一」に対する山形浩生さんの次の指摘は核心をついています。

もちろんそれは、ある種にイメージ戦略だ。その意味では相手方と同じかもしれない。でもそれが何かいけないかね。イメージ戦略がいちばん効く相手に対して、イメージ戦略を使うことになんのためらいがいるだろう。これよりもっと有効で、しかもイメージ戦略をアウフヘーベンするようなやり方があるならともかく、そんなものはおえらい社会学者でさえ提案できていない。れじちましーがどうしたとかいう愚にもつかないご託に、あの映画のかけらほどの力でもあるかね。唐沢俊一は、この映画はイメージの持つ単純化力にムーアがのみこまれる過程が見えているから賞賛できないそうな。まあいいんですけど、それってあなたが心配してやること?

ただ、この手法には結構なリスクがあって、つまりは歯止めが利かなくなる恐れがあります。フランス革命におけるバイイ、バルナーヴ、ラ・ファイエット、ル・シャプリエのように、ブレーキをかけようと思ったら自分が轢かれてしまったりするわけです。

じゃあどうすればいいのかと。結局はあるべきものが実現していないことが問題なのでして、反○○(韓、北、中、米、抵抗勢力、その他なんでも)のいちいちに反論したところで、内にこもるか他の○○に移るかでしかありません。浜の真砂は尽きぬとも、世に悪党の種は尽きまじ、いくらでも標的は見つかりますし、それに対峙するものとして自らを位置づける彼(女)らの言説には「正義」の色彩がつきまとい、勧善懲悪の響きから不即不離にならざるを得ないのです(webmasterのように「正義」というだけで眉唾だと思う人間は、それだけで糾弾されそうです(笑))。現状の不満を「正義」を語るものとしてのプライドで埋め合わせているわけですから、不満を解消すれば、一部の原理主義者を除けば憑き物を落とすことはできるはずです。

・・・だから早くリフレ汁。

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Before...

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2005-04-13

[politics][economy]中国の反日運動と経済見通し

他のどこにも喧嘩を売れないから日本に喧嘩を売っているのだ、という仮説を立ててみます。

まず、国内が不安定だという前提があります。反日デモの裏で、死人が出るような3万人単位の別の暴動が起きていたりします。どこかに向けてこのガスを抜かなければと政府が考えるのは選択肢として合理的でしょう。ガス抜き先とするには、国民にとって存在感があるだけの大国か特殊事情が必要ですが、それに当てはまるのは次の5ヶ国です。

  1. アメリカ
  2. 台湾
  3. ロシア
  4. インド
  5. 日本

消去法でいくと、まずアメリカが外れます。下手にアメリカに喧嘩を売って軍拡競争に陥れば絶対に中国経済は破綻しますし、軍拡競争で限界まで背伸びさせられたことがソ連崩壊の直接の原因であると知っている共産党指導部にはそのことはよくわかっているでしょうから、アメリカと決定的な対立関係になりかねないリスクはとことん回避するはずです。

次に台湾が外れます。下手に反台湾運動をあおると、したくもない戦争をせざるを得ない事態になりかねません。今の中国に戦争などという贅沢は許されるものではありませんし、まして勝ち目は薄い(中国対台湾でも危ういところ、もし台湾が負けそうになれば絶対にアメリカが直接介入するでしょう)のですから、やはりガス抜き先には適しません。

ロシアとインドも選びがたいです。陸続きでしかも核保有国同士ですから、これまた本当に対立関係になってしまえば、どれだけコストを食われるかしれたものではありませんし、偶発的に紛争が勃発してしまうおそれもあります(ダマンスキー島事件や中印紛争という前例もありますし)。

中印共同声明も出たことですし。

というわけで残るは日本ですが、残念ながら一番無難なのは否めません。戦争に発展する可能性はゼロと考えて差し支えないですし、アメリカ傘下にある限り、軍拡競争の懸念もないでしょう。

ただその前提は、日本が許容できるようなレベルのデモにとどまることです。端的にはもし日本人に死者が出るようなことになれば、日中関係は一気に緊迫するでしょうし、他国だって日本に同調するでしょうから、重大な局面に直面することになってしまいます。

その際、国際的孤立を避けようとすれば国内の不満分子を弾圧せざるを得ませんが、となると不満分子がそのまま反政府勢力になってしまうわけですから、国内の不安定さは格段に増加するでしょう。かといって義和団のときのように排外主義に阿れば、短期的にはともかく中長期的には待つのは経済的破滅のみです。

以上を踏まえると、中国政府は必死になって反日デモのコントロールに努めているであろうことは容易に想像できます。感情的に煽りはしても、実際の行動については暴発を極度におそれ、かといって暴発を力で押さえ込めば政府が日本に与したことが明らかになってしまいますから、できるだけ統制のとれた、整然としたデモにすべく公安をこき使っているのでしょう。極めて難しいオペレーションを強いられているわけですが、彼の国ではなく我が国の官僚でよかった(笑)。

とまあ短期的にも厳しい状況の中国ですが、中長期的にはもっと厳しい(少なくとも日本より)状況がまっています。上でアメリカと軍拡競争すれば経済破綻するとか、戦争という贅沢は許されないとか書きましたが、その話です。景気のいい話がよく伝わってくる中国経済ですが、先を見通すと日本以上のスピードで迫る高齢化という問題を内包しています。どのくらいのスピードかと言えば、rietiの吉冨所長の言葉を借りますと、中国は日本のような所得水準に達する遙か以前に高齢化してしまうということになります。

具体的に数字で見てみましょう。まずスタートラインということで、少しデータは古いですけれど2000年における日本と中国の購買力平価ベースの一人当たりGDP格差を見ると6.7倍になります。次に今後の両国の経済成長の推計として、昨年9月発表の島澤諭・細山英俊「アジア経済における少子高齢化の影響に関する数量分析」を見ると、中国の「高度経済成長」は2030年には終わることになります。

#脱線ですが、現在地球規模での資金の出し手(=経常黒字国)である日本、中国等のアジア各国が軒並み高齢化を迎えることにより、国際的な資金供給が滞る、すなわちマンデル・フレミング・モデルでいう世界利子率の上昇につながるのではないかという気がするのですが、これは杞憂なのでしょうか?

同論文からそれまでの間の(グラフ表示なので目分量ですが)数字を拾うと、中国の平均経済成長率はだいたい6%、同期間の日本はだいたい1.8%ぐらいでしょう。これで複利計算しますと、2000年から2030年まで6%成長を続けても約5.7倍にしかならず、つまり2030年の中国でも2000年の日本に追いつけない(約85%)ということになります。

平均経済成長率は国全体で、2030年までの間中国の人口は増加し続けますから、本当はもっと低い数字になりますし、加えて経済成長により購買力平価で換算する際の「ボーナス」もなくなるので更に低い数字になるでしょう(そもそも前提について、GDPの底上げ計上疑惑や闇人口といった下方修正要因もありますし)。逆に言えば、そこまで底上げしても今の日本にすら追いつけないということです。

他方、2030年の日本は2000年の約1.7倍になりますから、同じ2030年で比べれば、中国の一人当たりGDP(購買力平価ベース)は日本の約半分でしかないことになります・・・30年もの間平均6%成長を続けてもまだ半分、それだけの差が日中両国にはあるのです。

フロー所得からストック水準に目を転ずれば、さらに状況は悲惨です。為替レートを無理矢理押さえつけるために国内投資が抑制されているので、十分な自前でのストック形成ができていないのです。中国の巨額な外貨準備(日本について世界第2位)は有名ですが、巨額の外貨準備を持つという現象は同様でも、両国の文脈は全く異なります。

日本の場合は、国内で使い切れない(=投資機会を充足してなお余る)貯蓄が広義の(=国全体の)資本収支赤字として海外に出ていて、その一部が国による流出分として外貨準備にカウントされています。つまり民間部分の帳尻、すなわち狭義の資本収支もまた赤字です。

しかし中国は、国内の投資を外資導入により進めており、狭義の資本収支は黒字であるにもかかわらず外貨準備が積み上がっています。これがどういうことかと言えば、目先の収益(経常黒字)を稼ぐために将来の収益(中国国内の投資から今後生じる利子・配当)を犠牲にして元安を維持し、しかもその見返りは国債金利=リスクフリーレイト、つまりもっとも低い金利でしかありません。

それが直ちに悪いというわけではありませんが(所得を今増やすことには意味もあるので)、間違いなく言えることは、所得の伸びが鈍ったときには全く余裕がないということです。日本の半分の所得で中国が高齢化社会を迎えたときには、売却できる資産も少なく(=既に外資が所有しているので)、天然資源が豊富というわけでもなく、対外債権からの収益も少なく、もう一度先進国の植民地になるというのが半分冗談、半分本気の選択肢になってしまう(笑)ような状況が想像されるわけです。

#裏がとれそうにないので可能性の指摘にとどめますが、国内の所得再分配も難しくそれがより事態を面倒にしそうな気がします。なぜなら、高所得者層の海外脱出のハードルがとても低いでしょうから。

経済のみを考えるのであれば、戦前の日本において石橋湛山が提唱した処方箋が、今の中国にとってはベストであるように思います。内蒙古、ウイグル、チベットといった「植民地」を捨て(つまりは、明代以前のもともとの漢民族の居住地に戻ることになります。内蒙古を手放せばロシアが影響力を伸ばして北京は危なくなるでしょうから、上海にでも遷都しますか(笑))、軽軍備主義をとり、植民地への投資や軍事費を国内ストック形成に充てつつ、親米(・親日)路線で経済開放をもっと進めていくというものです。

しかしこの政策も、共産党の正統性に瑕がつき、「植民地」からの「帰還者」問題が社会不安を招き、軍部は反動を企て、といった経済以外の副作用を考えると、フィージビリティは非常に低いでしょう。あちらを立てればこちらが立たず、やっぱりwebmasterは彼の国の官僚でなくてよかったとしみじみ思います(笑)。

ああいう大きな国が倒れると影響が大きいですし、やけっぱちになってもらっても困るので、できればソフトランディングして欲しいんですけれど。結果論の最たるものですが、大躍進と文化大革命がなければ、もう少し事態はましだったんでしょうねぇ・・・。

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2005-04-14

[law]人権擁護法反対論批判 法案分析編(その6)

今回は、「松本純リポート2005(2005/04/08)」(@松本純の国会奮戦記4/8付)や「人権擁護法案修正案について1」「人権擁護法案修正案について2」「人権擁護法案修正案について3」(@VNSI堕天使の槍4/11、4/12付)で紹介されている法務省修正案について考えてみます(以下の修正条文案は前記各エントリによります(ただし、明らかに誤記と思われる部分はwebmasterの判断で訂正してあります。取消し線又は強調は原案(第154階国会提出版)との相違部分です))。

#最後に別件についても少し触れます。

第22条 人権擁護委員は、人権委員会が委嘱する。
2 前項の人権委員会の委嘱は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が推薦した者のうちから、当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)を包括する都道府県の区域(北海道にあっては、第三十二条第二項ただし書の規定により人権委員会が定める区域とする。第五項及び次条において同じ。)内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聴いて、行わなければならない。
3 市町村長は、人権委員会に対し、当該市町村の住民で、人格が高潔であって人権に関して高い識見を有する者及び弁護士会その他人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員のうちから、当該市町村の議会の意見を聴いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。
4〜7 (略)

現行の人権擁護委員法に同種の規定があり(「弁護士会その他婦人、労働者、青年等の団体であつて直接間接に人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員」(第6条第3項))それが特段の弊害をもたらしているわけではないこと、現在の人権擁護委員の選任実態を見るとその手のクォータがなければ人が集めづらいことは否定しがたいこと(例えば人権擁護推進審議会第66回会議(平成13年7月6日開催http://www.moj.go.jp/SHINGI/010706-1.html]においては、「市町村あるいは市町村長のほうでどうやって候補者を人選しているかということにつきましては、市町村内の各地区や一定の団体にあらかじめ一定人数の候補者の人選をお願いしている、地区割あるいは団体割といったような例が多いようでございます」という事務局説明がなされています)にかんがみれば、削除する必要性に疑問がないわけではありません。

必要悪的な考え方ですが、むしろこうした団体要件を維持して、結果として各地区の人権擁護委員の構成において多様性が確保されることの方が無難にも思えますし、他方で、条文で削除したところで(市町村長の人選が飛躍的に向上するとも考えづらいので)実態は変わらないのだろうな、という気もします。

第38条 何人も、人権侵害による被害を受け、又は受けるおそれがあるときは、人権委員会に対し、その旨を申し出て、当該人権侵害による被害の救済又は予防を図るため適当な措置を講ずべきことを求めることができる。
2 人権委員会は、前項の申出があったときは、当該申出に係る人権侵害事件について、この法律の定めるところにより、遅滞なく必要な調査をし、適当な措置を講じなければならない。ただし、当該事件がその性質上これを行うのに適当でないと認めるとき、不当な目的で当該申出がされたと認めるとき、又は当該申出が行為の日(継続する行為にあっては、その終了した日)から1年を経過した事件に係るものであるときは、この限りでない。
3 人権委員会は、人権侵害による被害の救済又は予防を図るため必要があると認めるときは、職権で、この法律の定めるところにより、必要な調査をし、適当な措置を講ずることができる。
4 人権委員会は、第1項の申出に係る人権侵害による被害若しくはそのおそれ(以下この項において「人権侵害被害等」という。)が認められないものとして当該申出について第2項ただし書の規定により調査をせず、又は措置を講じなかった場合において、当該申出において人権侵害被害等を加えたとされた者が求めるときは、当該者に対して、当該申出に係る人権侵害被害等が認められない旨の通知をすることができる。

#この条については、具体的な修正案に関する情報がありません。上記は、法務省が示した方針(「法案第38条に、濫訴的な申出に係る事案等については、救済手続きを開始しない旨を追加するとともに、その具体例を規則で定める」、「法案第38条に、人権侵害の申出があっても、その事実がないときは、申出の対象者が求める場合には、人権侵害が認められなかった旨の通知をする旨の規定を新たに設ける」)に沿ってwebmasterがイメージとして示したもので、実際の条文案の規定を引いたものではありません。

第2項にwebmasterが追加した部分については、現在の人権侵犯事件処理においても、内規で「被害の申告が,過去にされた被害の申告と同一の人権侵犯に関するものであるとき」、つまり解決済みのものを蒸し返す申立や「当該人権侵犯による被害が生じておらず,又は生ずるおそれがないことが明らかであるとき」、つまり言いがかり的な申立は救済手続の対象外としていますので(人権侵犯事件調査処理細則第7条第1項)、人権擁護法施行後においても同様の対応を考えていたところ、法律として明確化を図ったということと察せられます。

理屈を言えば起訴便宜主義に対する検察審査会のような安全弁がなくていいのかという疑問もあり得ますが、調査すらしないで門前払いできるほどの案件であると思えば、それほど神経質になる必要はないでしょう。

第4項としてwebmasterが追加した部分については、どうせ聞かれれば答えるでしょうし、情報公開法に基づき請求されれば同じ結果になるだけのことですから、直接にもたらされる法的効果に意味があるというよりは、「冤罪」抑制の観点から「加害者」の便を図り間接的な効果をもたらすよう意図したものと考えられます。

第60条 人権委員会は、特別人権侵害が現に行われ、又は行われたと認める場合において、当該特別人権侵害による被害の救済又は予防を図るため必要があると認めるときは、当該行為をした者に対し、理由を付して、当該行為をやめるべきこと又は当該行為若しくはこれと同様の行為を将来行わないことその他被害の救済又は予防に必要な措置を執るべきことを勧告することができる。
2 人権委員会は、前項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告の対象となる者の意見を聴かなければならない。
3 人権委員会は、第1項の規定による勧告をしたときは、速やかにその旨を当該勧告に係る特別人権侵害の被害者に通知しなければならない。
4 第1項の規定による勧告を受けた者は、当該勧告に不服がある時は、当該勧告を受けた日から2週間以内に、人権委員会に対し、異議を述べることができる。
5 前項の規定による異議の申述があったときは、人権委員会は、当該異議の申述の日から1月以内に当該異議について検討をし、当該異議の全部又は一部に理由があると認めるときは、第1項の規定による勧告の全部又は一部を撤回しなければならない。
6 人権委員会は、第4項の規定による異議の申述をした者に対し、前項の規定による検討の結果を通知しなければならない。
7 第3項の規定は、第5項の規定により第1項の規定による勧告の全部又は一部を撤回した場合について準用する。


第61条 人権委員会は、前条第1項の規定による勧告をした場合であって、次の各号のいずれかに該当する場合において、当該勧告を受けた者がこれに従わないときは、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。この場合において、当該勧告について異議の申述がされたものであるときは、その旨及び当該異議の要旨をも公表しなければならない。
 一 当該勧告について異議の申述がされなかった場合
 二 当該勧告について異議の申述がされた場合であって、前条第5項の規定により当該勧告の全部の撤回をするに至らなかった場合

2 人権委員会は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告に係る特別人権侵害の被害者及び当該公表の対象となる者の意見を聴かなければならない。

条文に基づく議論の中では批判の多かった勧告及びその公表についての修正ですが、これで十分かどうかについては依然議論が残るところでしょう。

なお、この修正により、勧告に処分性がないことは(以前からそうだと指摘していましたが)明らかになりました。このような規定がなければ異議申立てはできないということは、すなわち勧告が行政不服審査法の対象である「処分」でないということですから。

第82条 この法律の適用に当たっては、救済の対象となる者の人権と他の者の人権との関係に十分に配慮し、かつ、他の者の人権を不当に侵害することがないように留意するとともに、本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用することがあってはならない。

#この条については、具体的な修正案に関する情報がありません。上記は、法務省が示した方針(「法案第82条に、「他の者の人権を不当に侵害することがないように留意するとともに、本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用することがあってはならない。」旨を追加する」)に沿ってwebmasterがイメージとして示したもので、実際の条文案の規定を引いたものではありません。

まあ確認規定ですから、世間で納得の得られるよう存分に美辞麗句をちりばめていただければ(笑)。ここで「濫用することがあってはならない」と規定するまでもなく、例えば公務員職権濫用罪(刑法第193条)などで禁止されていますし、具体的な法的効果はそちらで生ずるのですから。

別件についてのお知らせ(faqの追加)

以下を「faq編」に追加しましたので、お知らせいたします。

  1. 次の問答を追加しました。

    (Q2-4)「特定の者」には法人が含まれるので、政治団体等に対する批判が人権侵害として認定されるのではないか。

    (A)
    まず、「特定の者」という言葉が法人を含むのはそのとおりです(「者」とは、法的主体を指す言葉で、自然人・法人の総称と考えていただいて結構です。また、「他人」(第3条第1項)の「人」も同様です)。さらに、法人に対する人権侵害という概念が一般には成立し得るのも事実です(例えば、法人であっても刑法上の名誉毀損罪や侮辱罪の被害者たり得ます)。しかしながら、人権擁護法案において念頭に置かれている人権侵害は人種等の属性による差別的取扱い・言動と虐待で、人種等、すなわち「人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向」(第2条第5項)はみな自然人の属性ですので、人権擁護法案の射程に法人に対する人権侵害は入りません(虐待はあえて論じるまでもないですよね?)。
  2. (Q3-8)に追記し、次のような問答としました(追加部分は強調してあります)。

    (Q3-8)人権委員長・人権委員が不適切な行動をした場合であっても罷免できないのは問題ではないか。

    (A)
    独立性の確保のため限定的にしか罷免されないようになっていますが、人権委員会の他の委員全員の賛成があれば「職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行」を理由に罷免することができます(第11条第2号、第14条第4項)。なお、人権委員長・人権委員は特別職国家公務員ですので、職権の濫用により「加害者」に何らかの言動を強いた場合には、公務員職権濫用罪(刑法第193条)により刑事罰の対象となり得ます。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

本編
前編(3/13)後編上(3/14)後編下(3/15)趣旨説明編(3/29)faq編(4/9)
リジョインダー編
1(3/17)2(3/18)3(3/19)4(3/20)5(3/21)6(3/22)7(3/27)8(3/30)9(3/31)10(4/2)11(4/4)12(4/5)13(4/8)
法案分析編
1(3/24)2(3/26)3(4/1)4(4/10)5(4/11)
正誤訂正編
1(3/25)2(4/6)

[politics]専門家、必ずしも信頼すべからず

「電波系国会議員登場」(@窓からは日比谷公園4/13付)にて、櫻井充参議院議員(民主党)が取り上げられています。どう取り上げられているかはぜひ当該エントリをご覧いただきたいのですが、その際には、次の事実を頭の片隅においておきますと、一段とその妙味を味わっていただけるのではないかと思います。

櫻井議員は医者です

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2005-04-15

[law]「法と正義」についてのとりあえずのまとめ 1.法の解釈は如何にあるべきか:「行列のできる法律相談所」の弁護士比較

このテーマで書くといったのは2/1なのですから、1ヶ月以上間が空き、さらに当初はmojimojiさんとの議論を踏まえて各予定だったのが、どちらかというとan_accusedさんへのリジョインダーの準備として考えるべきテーマであるように流れが変わってきていますが、それらをひっくるめて今なりのテキストとしてまとめてみます。

#今読んでいる佐藤優「国家の罠」でも似たような話になりそうなので、読後ですと引っ張られかねず、「生煮え上等」で取り急ぎ書いたものであることにご留意いただければと思います。

表題に掲げた「行列のできる法律相談所」ですが、簡単に紹介いたしますとNTVで放映している日曜21時からの1時間番組で、ショートドラマ仕立ての法律相談に対して、北村晴男弁護士住田裕子弁護士橋下徹弁護士丸山和也弁護士の4人があれこれ回答する(のに加えてタレントのトークもありますが、このエントリには無関係なので割愛します)というものです。

#それぞれの弁護士がどういった方々かについては、「超愚トピ:「行列のできる」相談するならどの先生?」「この弁護士に依頼したい」などで視聴者の意見を見ることができます。

テレビに映し出されるキャラクタが当人の弁護活動におけるそれとは重ならない可能性をお断りした上で申し上げれば、丸山弁護士こそあるべき弁護士(に限らず、裁判官・検事を含めた法曹)の姿であるとwebmasterは考えています。法律の枠組みに現実を流し込むためではなく、現実の形に合う法律の型紙を探し出すためにこそ、法曹のエクスパティーズは用いられるべきだと思うからです。

他の3名の弁護士についても、ケースによっては現実の評価が先立つような物言いが見られはするのですが、基本は法律を先に置き、故にこうしたケースではかく結果があるべきという主張の構成となっています。が、それは違うでしょうと。まずはそのケースにおいていかなる結果があるべきかに、全人格をかけて取り組まなければなりません。人の生き方を断ずるに、法律という文字の羅列をもって対抗するなど、オールドリベラルなwebmasterには非常に違和感があります。

では法律の存在価値は奈辺にあるというのでしょう。あるべき結論を正当化するに当たって、その結論の客観的妥当性を図るための物差しである、というのがwebmasterの考えです。正当化のロジックには先日話題(笑)の陰謀論を含め多種多様なものがあり得ますが、その結論が他にどのような影響を及ぼすかなどについて、あれこれ法律を当てはめてその中になじむものがあれば、それは自ら導いた結論が主観的のみならず客観的にも妥当であると位置づけることができる、ということになります。

#この意味で、手続法(刑事訴訟法など)にとどまらず実体法(刑法など)も、主張の論理構成を制約することから、メタ的には手続についての定めであると言えるでしょう。

具体例を挙げてみましょう。webmasterが日本法の歴史に残る名判決と考えるもののひとつに、尊属殺重罰規定違憲判決があります。非常に有名な判例ですから法学をかじったことのある人であればご存じの場合も多いと思いますが、簡単に紹介すると次のような判決です。

被告人は幼い頃から実父に性的関係を強要され、それがもとで家庭が崩壊した後も実父のもとに留め置かれ、夫婦同然の生活をし子供もできました。その後、被告人が働きに出て、世間の人の暮らしぶりを見る中で、それまで自分がいかに異常な環境にあったかを自覚し、ついには恋人ができ実父を離れ結婚を考えました。

しかし、実父はそれを認めようとせず、逃せまいと実力を持って事実上軟禁状態に置き、子供の殺害をちらつかせる等により関係の継続を迫り、夜は夜で性的関係を強要し十分な睡眠も取らせず、被告人は誰にも相談できぬまま心神耗弱状態に陥りました。そんな中で、実父のふとした動きに暴力を連想した被告人は、この環境から逃れるには実父を殺害するより他に手だてはないと思いつめ、ついに殺害に至ったのです。

この事件に対する最高裁の判断は、この被告人を刑務所に入れてはならないというところからスタートしたものだとwebmasterは思います。尊属殺と減刑の規定の定めるところによれば、次の5つの要素が相俟って法律を字句通り適用すれば刑務所は不可避だったのです(実際、控訴審(高裁)判決では以下による最大の刑の軽減をした上で、懲役3.5年の判決を下しましたし、最高裁においても、下田裁判官は同様の反対意見を残しました)。

  • 尊属殺は、死刑か無期懲役しか刑罰がありません(刑法第200条)。
  • 法定事由ないし情状酌量による刑の軽減は、最大で2回しか認められません(第7章・第12章)。
  • 無期懲役は、1回目の軽減で7年まで短縮できます(第68条第2号)。
  • 有期懲役は、1回の軽減ごとに半分まで短縮できます(第68条第3号)。
  • 執行猶予は、3年以下の懲役等にしか認められません(第25条第1項)。

つまり、1回目の軽減(心神耗弱によるもの)で無期懲役を7年の懲役とし、2回目の軽減(情状酌量によるもの)でそれを3.5年の懲役まで短縮しても、執行猶予の対象にすることはできず、刑務所に必ず入ることになります。

最高裁は、こうした状況を踏まえ次のようなロジックで執行猶予を導き出しました。

  • 「普通殺のほかに尊属殺という特別の罪を設け、その刑を加重すること自体はただちに違憲であるとはいえないのであるが、しかしながら、刑罰加重の程度いかんによつては、かかる差別の合理性を否定すべき場合がないとはいえない。すなわち、加重の程度が極端であつて、(略)これを正当化しうべき根拠を見出しえないときは、(略)かかる規定は憲法14条1項に違反して無効であるとしなければなら」ず、
  • 「この観点から刑法200条をみるに、同条の法定刑は死刑および無期懲役刑のみであり、(略)現行刑法にはいくつかの減軽規定が存し、これによつて法定刑を修正しうるのであるが、現行法上許される2回の減軽を加えても、尊属殺につき有罪とされた卑属に対して刑を言い渡すべきときには、処断刑の下限は懲役3年6月を下ることがなく、その結果として、いかに酌量すべき情状があろうとも法律上刑の執行を猶予することはできないのであり、普通殺の場合とは著しい対照をなすものといわなければなら」ないので、
  • 「刑法200条は、尊属殺の法定刑を死刑または無期懲役刑のみに限つている点において、その立法目的達成のため必要な限度を遥かに超え、普通殺に関する刑法199条の法定刑に比し著しく不合理な差別的取扱いをするものと認められ、憲法14条1項に違反して無効であるとしなければならず、したがつて、尊属殺にも刑法199条を適用するのほかはない。」

被告人を刑務所に入れないために使えるロジックは他にもあり得ます。弁護人が持ち出したものは次のようなものです(ちなみにすべて、最高裁判決においては「単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない」とされました)。

  • 尊属殺の刑の軽重が以前に尊属殺の存在自体が憲法違反で無効なので普通殺の対象とすべき(第一審(地裁)判決で採用されました)。
  • 仮に尊属殺規定自体は合憲であっても、本件被害者のような尊属殺規定で保護すべき対象としての適格性に欠ける者に対する適用は憲法違反で無効なので、普通殺を適用すべき。
  • (誤想)過剰防衛による刑の減免規定に従って刑を免除すべき(これも第一審判決で採用されました)。

その他でも、無期懲役からの第1回目の刑の軽減で7年以上の懲役までしか軽減できないのが違憲だとか、有期懲役の1回の刑の軽減で半減までしかできないのが違憲だとか、執行猶予が3年を超える懲役について認められないのが違憲だとか、言い出せばいろいろとあります。被告人を刑務所に入れてはならないという「正義」を実現することのみを至高の目的とするなら、どのロジックだってよいのです。

しかし、それらのロジックを用いたらどのような副作用が生じるのかを考える材料が、法律の当てはめにおいて与えられます。例えば(誤想)過剰防衛を用いるなら、今後は、具体的な危害行為の排除を超えて将来の一般的な不安への対応も正当防衛になりかねないということになりますが、それをどう評価すべきかということを検討せざるを得ません。

以上のようにwebmasterは、法律(成文法)とは、「正義」そのものを表象するものではなく、「正義」の適格性についてのネガティブチェックのためのハードルである、そのように法と正義の関係を捉えるべきではないかと考えているのです。「正義」は、個別の事象にしか宿らないでしょうし、また、抽象的な文言に宿らせようとすべきではないと。

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2005-04-16

[politics][economy]「もしも私がかの国の官僚だったなら。」(@梶ピエールの備忘録。4/15付)

先日の当サイトのエントリ、「中国の反日運動と経済見通し」を丁寧に発展していただきありがとうございます。kaikajiさんご提案の国内複数通貨制ですが、実はwebmasterもいちご経済板でその導入を(しかも日本で)提案したことがあり、その際にはwebmasterの専門知識不足故に、いろいろご協力をいただいたにもかかわらず、議論をうまく継続していくことができなかったので、kaikajiさんの議論を踏まえた今後の展開が非常に楽しみです。

マンデルの最適通貨圏理論は、つまるところ通貨統合の必要条件を示したものですから、最適通貨圏であることがイコール通貨統合によりベターな結果を保証するものではありません。例えば当たり前のことではありますが、中国国内においては、政府による資源配分として西部等における公的資本形成がなされ、また、農村部から都市部への人口流入が見られますから、中国は最適通貨圏の条件を満たすのですが、それはkaikajiさんのご提案がベターでないことの証明にはならないわけです。

通貨統合の十分条件の導出は、おそらくはミクロ分析によらざるを得ないでしょう。経済的観点のみでも、単一通貨によるメニューコストの低減などのメリットと、財政政策の出番が増えることによる政府の失敗のリスク増加などのデメリットを比較しなければなりませんし、まして同一の通貨を用いるというある種の連帯感の強化によるソーシャルキャピタルへの好影響といった非経済的要素にまで検討対象を広げるなら、定性的な水掛け論をいくらしても決着などつかないおそれが多分にあります。

とまれ、上記のいちご経済板では、webmasterが咀嚼しきれなかった論文が多数紹介されていますので、ご関心の方は一度ご覧下さい。

#webmasterは未読なのですが、今月号の諸君に切込隊長さんが、中国はいくら経済発展しても日本には追いつけない、高度成長が終わったら植民地になるぐらいしか有効な選択肢が考えられない、といった寄稿をされていると聞きました(同誌サイトでの紹介文では、外貨と公共事業に支えられている中国経済が崩壊する前に、誇りをもって、経済植民地化も視野に入れるべきだというものであるとのことです)。ご参考までに。

その他のご指摘として、国際収支と投資の関係についてもコメントいただきましたが、webmasterの主張は、日中ではフローでの格差以上にストックの格差、それもストックそのものの量というよりは、ストックが外国資本依存で形成されることにより、将来それを切り売ることができないという意味での格差が存在すると考えられ、安定成長期にはその分だけ中国がフロー格差以上に難儀な状態に陥るだろう、という趣旨でした。

kaikajiさんのコメントで示された、僕自身は、人民元がいくらか過小評価されているのは事実にしても、その切り上げが、国内における効率的なストック形成につながるかどうかは疑問だ、と考えているという結論に、webmasterも異論はありません。

[politics][book]P.W.シンガー「戦争請負会社」

軍事組織の歴史的変遷、現代戦における作戦展開の具体、行政組織の民営化論などについて、簡潔にして要を得た(といっても対象が対象だけに全体のページ数は多いですが)描写が光る一冊です。前2つはある意味当然ですが、行政組織の民営化についても、各種メディアで氾濫している、民営化は100%善であるとのイデオロギーを疑いすらしない脳天気な論評とは切れ味が異なり、メリットやデメリット、デメリットへの対策や今後の方向性などについて、様々な考える材料を提供してくれます。

さらにお得なことに、日本の読者はすばらしいボーナスがあるのです。それは、伊勢崎賢治「武装解除」との併読が可能ということ。同様のテーマについて、全く違った切り口からの見解、それも甲乙付けがたいレベルのそれを味わえるというのは、なかなかあり得ない貴重なチャンスだとwebmasterは思います(主張と反論という形でなら、それなりにありますけれども、この2冊の組み合わせのように、独立してそれが達成される例はなかなかないでしょう)。全体として相補う部分は多いのですが、とりわけ、シエラレオネ内戦という同じ対象についての記述の読み比べは、絶対にお薦め。

[law][book]長尾龍一「ケルゼン研究 I」

ケルゼンらぶ、です。これまで門前ケインジアンを自認していたwebmasterですが、今後は門前ケルゼニアンとも自認いたします。もう1人Kで始まる学者に惚れ込めばKKKとそろい、差別主義者として名が体を表すのに(笑)。

#そこまでいうわりに、両名ともに本人の著書を読んでいないのがいかにも「門前」ですが。

何度も読み返して玩味熟読したいテキスト満載ですが、最近の人権擁護法案をめぐる議論について、特に次の2つのパラグラフが非常に印象深く感じられました。

公権力に特権的地位を認めることを一切排撃することが進歩的民主的なる所以であると信ずるのは盲目的反権力信仰である。民主主義の本質は公権力を民衆の統制下におくことであって、公権力を否定することではない。公私法二元論のイデオロギーが反民主的であるのはそれが公権力に強力な権限を賦与するからではなく、公権力がいかなる場合にいかなる限度の特権的地位を有すべきかの認定権を国民代表機関たる議会から簒奪し、公権力に附された制限を実際上無意味なからしめるからである。

(pp242, 243)

#強調は、原文では傍点です。

自由の理念は、あらゆる社会的理念と同様に、科学的政治理論の見地からすれば、相対的な理念に過ぎない。しかしある人物の情念上の評価においては、これと矛盾する他の価値を排して選び取る至高至上の理念でありうる。私は、合理的科学の見地からはそれが相対的価値に過ぎないことを容認しつつも、民主制の実現しうる自由のために、無条件的に闘い、死することができる。「自己の信念の妥当性が相対的であることを自覚しつつ、なおそれを断固主張することこそ、未開人に対する文明人の優位である」というヨゼフ・シュムペーターの言葉は全く正しい。

(pp296, 297(, p330))

[economy][book]矢野誠「『質の時代』のシステム改革

前半の、例えば「一山取引」についての分析などは非常におもしろく読めたのですが、次第に日本の現状分析に移るにしたがい頭の中にクェスチョンマークが出てくるようになりまして・・・。

終章が脱力。矢野先生にしてこの程度の政策提言ですか。ポリティカル・アポインティの導入(行政)に、供託金の見直し(司法)に、定数是正・党議拘束の廃止(立法)ですか。

まあ百歩譲って、それらが本当に有効なのかどうかや、フィージビリティについてはいいとしましょう。しかし、なぜそれらの検討が前半のそれに比べあれほど底が浅いのでしょうか。官僚の自業自得である側面がないとは申しませんが、こと行政がからむ話になると、なぜこうも感情論が多くなってしまうのでしょうか。

少なくとも、次のような検討を行った上での政策提言であってほしかったとwebmasterは思います。

  • 問題とされる事象の原因は何か。
  • その原因への対策として取り得る選択肢は何か。
  • それぞれの選択肢が有効と考えられるロジックは何か。
  • それぞれの選択肢のメリット・デメリットは何か。
  • 上記の検討の結果選ばれた選択肢について、デメリット抑制策はあるか。
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bewaad [>政治学者の卵さん いえいえ、3/11のエントリにもコメントいただいておりますよ(笑)。 定数是正の話は、確か軍板..]

政治学者の卵 [すみません.最近いろいろなところで書き込みデビュー(笑)しているので,記憶が混乱してます.政治学者でKですか.うーん..]

bewaad [>政治学者の卵さん わざわざお考えいただき恐縮です。とりあえずケナンあたりで暫定でしょうか(彼も学者じゃなく外交官で..]


2005-04-17

[politics][book]佐藤優「国家の罠」

webmasterが本書を一言で言い表すなら、「刺客列伝」(史記)中の豫讓(予譲)の言葉、「士爲知己者死」(士は己を知る者のために死す)を選びます。

以下は、本書を読むにあたっての、どちらかというと参考情報的なwebmasterのメモです。「モデル」の検討のお役に立てば幸いです。

外務省という組織

外務省にとって、言語ごとのスクール形成は不可避でしょう。というのも、複数言語をたやすく習得できる才能の持ち主は限られていますし、長期間にわたる接触の継続なくして相手国の要人と深い関係を構築することは不可能だからです。この点、たいていは30代〜40代前半ぐらいの長い時間をかけて「畑」が確定していく他省庁と比べますと、より内部対立に傾きがちになってしまうのではないかと思います。

また、外務省の官僚にとって海外で過ごす時間が長くなるのは当然ですが、その分国内の政治家との付き合いが他省庁よりも少なくならざるを得ません(旧自治省の官僚も東京以外で過ごす時間が長くなるという傾向を共有していますが、彼(女)らは地方で政治家と付き合いますので、それが付き合いの疎遠さにつながるものでもありません)。その分だけ、国内の政治家との接し方がこなれておらず、田中真紀子元大臣・鈴木宗男元議員関連の一連のイベントでは、そうしたある種の手際の悪さが混乱を大きくしたと思います。

鈴木宗男元議員

前提として、エスタブリッシュメントの多くはスノッブで、「田舎モノ」が生理的にあわない、という側面があるとwebmasterは思います。

鈴木元議員は多くの官僚から嫌われていたわけですが、それは彼がこの前提を、意識してか無意識にかはさておき感じ取り、居丈高に圧伏することで乗り越えようとしていたためだと考えられます。ただでさえ「田舎モノ」の「行儀の悪さ」や「言動の品のなさ」を冷たく見られているのですから、これではますます悪循環です(今年の大河ドラマでいえば、木曾義仲みたいなものです)。彼の系譜の先達、例えば田中角栄や竹下登がうまく官僚を持ち上げて結果的に頤使したのと比べると、器の違いというものを感じざるを得ません。

とはいっても、単に声が大きいだけなら捌き方はいろいろあるわけで、それを許さなかったのも、彼の政治的実力の傍証ではあるのでしょう。

国策捜査と検察

一昨日のエントリとも重なりますが、「(略)実のところ、僕たちは適用基準を決められない。時々の一般国民の基準で適用基準は決めなければならない。僕たちは、法律専門家であっても、感覚は一般国民の正義と同じで、その基準で事件に対処しなくてはならない。(略)」という西村検事の発言(p288)は、検察のビヘイビアを的確に表現していると思います。

というのも、他省庁は他にも依拠できる何らかの専門的な体系があるので(本件で言えば外務省にとっては、外交の世界のさまざまな慣習がそれにあたりますし、一番わかりやすいのは旧科学技術庁にとっての科学技術でしょう)、国民の多くから批判を浴びても、それだけで存在基盤がなくなるわけではありません。しかし、検察には国民の多くが正義と信じるものを実現することにしか、正統性の根源がないのです。

検察庁も役所の1つとして、他省庁と同じように政治家との関係が濃淡はあれど存在し、その中での虚虚実実の駆け引きはもちろんあるので、国策捜査といわれるものにおいて、その影響がまったくないはずはないでしょう。しかし、検察庁が他省庁以上に「国策」に動かされやすい原因は、他省庁と質的な差がない政治家との関係ではなく、世論への依存にあるのだとwebmasterは思います。

付け加えるなら、山本譲司元議員に対する実刑判決についての「(略)検察庁は実刑になるとは予測していなかったんだ。あの判決は以外だった。世論が税金の使い方に厳しくなったことに裁判所が敏感に反応したのだと思う。裁判所は結構世論に敏感なんだ。(略)」という西村検事の発言(p291)は、そんな検察庁から見てもさらに、最終的な「正義」の実現者である司法(英語で言えば正義も司法も同じ"justice"であるぐらいですから)は世論に阿らざるを得ないということについての証言だと思います。

時代のけじめ

短期的な方向性としては、著者の見立て、つまり内政での「構造改革」への傾斜と、外交での排外主義的ナショナリズムへの転換は事実だと思いますが、いずれも、経済的な不調に起因するものだとwebmasterは考えています。排外主義なんてものは、経済的に好調な時代にはマイノリティにとどまりがちです。

中長期的には、経済さえよくなればまた変わるであろう排外主義的ナショナリズムについては話は簡単なのですが、それとは異なり「構造改革」は込み入っています。webmasterの見立てでは、社会的規制をも完全撤廃が望ましいかの物言いについては、財界は通時的に主張するでしょうけれども、それが受け入れられるのは企業セクターが相対的に弱くなりその主張への警戒感・抵抗感が少なくなったからで、経済状況がよくなり企業セクターが相対的に強くなれば、この部分についてはゆり戻しがあるでしょう。

他方で、地方への資源配分(メインは公共事業と地方交付税交付金)については、かつて論じた(恥ずかしいことに未完ですが・・・)ように、不可逆的な変化であるように思います。

#著者は「構造改革」ではなく「ケインズ型公平配分路線からハイエク型傾斜配分路線」と書いていますが、これほど知識と教養のある著者(個人的に知っているわけではありませんが、本書を読めば疑いなくそうと断言できます)にしてこのような表現となるのは、経済学はやはりマイナーな学問なのかなぁと残念に思いつつも、著者ほどの人でも不得手があるならwebmasterが人文系においてからっきしなのも仕方がないなぁと安堵してしまったりも。

最後に、本書を取り上げたネット上の言説からさらし上げを2つ。

  • 「「国家の罠」という凄い本」

    評者の底の浅い外交論など、本書に照らせば存在価値を完全に否定される程度のものなのですが、それをまあよく持ち上げられたものだと感心します(笑)。外務省に対する被害者意識を一方的に共有したのでしょうけれど、醜女の深情けとでも言うべきでしょうか(笑)。評者の読解力がないからこそ可能な片想いでしょう。

  • 「『国家の罠』出版に寄せて」

    鈴木宗男元議員への著者の気持ちを「寄って立つ主(あるじ)を間違えた」といい、さらに本書をワイドショー的な外務省批判のだしにしておいて、よくもまあ「「心の叫び」とでも言おうか」だの「佐藤氏には大変お世話になった」だのと言えたものです。その独りよがりをもって霞が関中から軽蔑された評者にふさわしい、底の浅い論評といえましょう。

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一国民 [解説ありがとうございました。 私も「士爲知己者死」の言葉は好きです。 死ぬべき人を見つけるか、知ることのできる人にな..]

bewaad [でも「ハマる」と、多くの人からは幸せには見られないケースが多いですけどね(笑)。佐藤氏のように。だから、家族との間で..]

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2005-04-18

[notice]tDiaryのバージョンアップ

ver2.0.0からver2.0.1へのバージョンアップに対応しました。バグフィックスされたということですので、昨日もまたプラグインエラーでご迷惑をおかけしましたが、これで問題解決、となるとうれしいです。

#もしこれで解決したとすれば、いままでバージョンアップに気付かなかったのが悔やまれます。

[economy]「ニート再考。ていうかニートって言葉使うのもうやめません?」(@svnseeds’ ghoti!4/15付)

以下の点について、データに基づき論じられています。ぜひご覧いただければ。

  • 若年層無業者問題を考えるのに「ニート」という新たな区分は必要ないこと
  • 若年層無業者問題の本質は20〜24歳の労働力人口の減少にあること
  • 20〜24歳の労働力人口の減少は景気の動向と密接な関係があること
  • 「ニート」という言葉で問題の本質からfocusをそらすことは、無意味であるだけでなく有害であること

これはまったくの思いつきなのですが、近年の日本は社会的に青い鳥症候群に罹患しているように見えます。バブル崩壊以後の経済低迷の中で、まず永田町や霞が関が諸悪の根源とされ対策が講じられ(いわゆる政治改革・行政改革)、それでもパッとしないため次に企業が問題視され対策が講じられ(不良債権処理や産業再生、過剰債務整理など)、なお回復が見られないので、いよいよ個人におはちが回ってきたのではないでしょうか。

もちろん、依然として政治改革がなっていない(定数是正など)、行政改革もまだまだ(特殊法人など)、といった意見もありますし、他方で以前から個人の資質ややる気を問題視する見解もあり、さらには財政改革のように継続的に指摘されているものもあるわけですが、メディアで多く見かけるものは概ねこのように推移してきたと言えるのではないでしょうか。

[government]学生に人気のある官庁

「ループ」(@おおやにき4/16付)に、次のような記載がありました。

その「国I」(国家公務員採用I種試験)について、「成績上位者から順番に、大蔵・通産といった経済官僚になるという形」がなくなっていて、「総務省や警察庁を志望」する。それは「旧内務省系、つまり情報管理行政に携わろうとするわけ」だというのだが、ええっと。つまり総務省の中の自治(地方財政・旧内務省)と郵政(情報政策もあり・旧逓信省)と総務(行政内部の情報管理もあり)の差異は無視ですかそうですか。ちょうど私が卒業する頃に省庁再編があったのだが、そのときに総務省は旧自治と旧郵政で別々の採用をしているという噂もあった。私自身が確認したわけではないし、もう十年近くたっているので今どうかは皆目わからないが、仕事の方向性も組織としての出自も異なるものを「総務省=情報管理行政」というのはえらくいい加減な把握だと思う(郵政事務は1874年から85年まで内務省だったのではとかいう指摘は聞きたくないからそのように)。さらに、これは同世代で共有できている感覚かどうかもわからないのだが、私のごく個人的な思いとしては、人気省庁の「三羽烏」が大蔵・通産・自治と言われていたのが私よりもう 10年20年前の話。1990年代にはもう、それに警察を加えて「四天王」という話だったように思う。通産省の斜陽というか、産業政策の時代は終わったのではという話も出ていた。つまり経済官僚から情報管理行政へ……という変化は起きていない。あえて言えばeconomyからsecurityへという感じだが、それももう十年前からの話だろうと思う。

いつものご恩を少しばかりでもお返しできれば、ということで当事者の感想(一部、2ちゃんねる情報で補完)をば。客観的データではないので大した価値はありませんが・・・。

  • 昔であっても「成績上位者から順番に、大蔵・通産」ではなかったように思います。あくまでも傾向といいますか、それこそ私立エリート校(引用部の前で触れられています)でも成績上位者から「順番」に大学・学部が決まっていたわけではないのと同じですね。
  • 総務省は今でも旧自治、旧郵政、旧総務庁別の採用をしているらしいです。
  • 今でも「四天王」は「四天王」であるように思います。一部例外が、国Iに統合された外務省で、これは「四天王」と同格に受け止められているように見えます(そのうち、"G5"とでも呼ばれるんでしょうかね?)。

[comic]現在官僚系もふ・第6話

秘書課長、(主計局)総務課長と同期に見えません。それどころか、p18なんてヤマケンと同期に見えますし、p23なんてもふと同期に見えますし(画力の問題はkanryoさんがすでに指摘しているところですが)。

ところで、あんな人事が高等な謀略という設定はいかがなものでしょうか。何の結果を保証するものでもない一方で、今後同様の介入を招く口実になるわけですから、愚の骨頂です。人事は一回介入を許すと、法律のような確たる基準があるわけでもなく、歯止めがなくなってしまうわけで、恩を売るならむしろ個別(自己検閲)。

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2005-04-19

[politics]日米関係と日中関係

って似ている部分があるのではないかという気がする今日この頃。といっても、時間軸がずれていて、戦前の日米関係と今の日中関係が、なのですけれども。

典型的には、戦前の日本を追いつめたものの1つがABCD包囲網ですが、日米(と台湾)によって太平洋から封じ込められる可能性を想像することは、中国指導部にとってそれ以上の悪夢であることは間違いありません。

最近の日本で出てくるようになった従来よりは強気な言動も、仮に絶対水準として他国に対するものと同様になったのだとしても、中国側から見た相対的な変化の受け止め方は、紳士協約により認められた、日本に対する他のアジア諸国と比べての優遇を排して横並びとしたいわゆる排日移民法に対する当時の日本のそれに相通じるものがあります。

乱暴にまとめるなら、「大国」(かつてのアメリカ、今の日本)側に大国としての自覚が少なく、「小国」(かつての日本、今の中国)側に被害妄想的な恐怖感がつのっている状態ではないでしょうか。

#基本的に日本は、自国が極東においてどれほど頭抜けて大きな存在であるかの自覚が足りなさすぎます。尖閣諸島に対する中国の出方と、南沙群島や西沙群島に対するそれを比べてみても、中国が日本(とアメリカの強い結びつき)をどれだけ怖がっているかわかるでしょうし、まして中国に及ばぬ他国においてはなおさらなのですが(「超大国」アメリカと自国を比べてしまうがためという側面はあるのですけれども)。

以上を踏まえると、戦前アメリカの対日外交の失敗(戦争に至ってしまったのですから、もちろん失敗です)を振り返るのも、今後の対中外交を考える上で得るものが多いように思います。まずはジョージ・F・ケナン「アメリカ外交50年」(先日お亡くなりになってしまいましたが)あたりが手頃なのかな?(学生時代に読みましたが、今は手元にありません・・・。)

#振り返るまでもなく、まずは安保理常任理事国入りをやめるのがベストだとは思いますが。

[movie]The Aviator

当サイトに映画評論をお求めの方々がいらっしゃるとも思えないので、取り上げる気はなかったのですが、自分は人にお勧めしません。起承転結がないというか、なんというか、微妙ですという同業者の評価があったので、少しばかり弁護を。

スコセッシ監督が本作の主人公ハワード・ヒューズをイカロスになぞらえてもいるわけですが、本作は"New York, New York", "The Age of Innocence", "Gangs of New York"といった作品の系譜に連なる、神話を持たない国アメリカの歴史を神話化する作品ではないかと思うのです。最近頻発の読んでいないにもかかわらずな放言をすると、ギリシア悲劇や叙事詩のようなものを作りたかったのではないかと。

ですから、物語としての整合性やわかりやすさよりも、不条理さや理不尽さをあえて放置したんではないでしょうか。もちろんそういったわけのわからなさも作り手の主観を通過していますから整理をしていないわけではないのですが、ハワード・ヒューズという多くの人の想像を超える人物について、この人にもこんな一面があったんだねぇ的なわかりやすさをはめ込まず、できるだけわけのわからないさまを描いたように思います。

#キャサリン・ヘップバーン(を見事に演じたケイト・ブランシェット)がいなければ、もっとわけがわからなかったでしょうけれど。

ちなみに、たまたまwebmasterが観たときには白人が結構入っていたのですが、公聴会でヒューズが(ライバルであるパンナムの社長)トリップを経営者としては無能だという趣旨で皮肉ったときに、白人にはかなり受けていた一方で、あまり日本人にはピンと来ていなかったように思いました(白人の方が一般論として映画館でよく笑うといった傾向もありますし、webmasterがつぶさに観客を観察していたわけでもないので、そういう雰囲気を感じたという以上のものではありません)。UFJ争奪戦やホリエモン騒動を経てもなお、株主と経営者との関係についてのアメリカ的見方というのは日本人にはなじまないのかな、と少しばかり思ったり。

[economy]お金を持つことの幸せ

とまあ破格の大金持ちの話を受けて。

「「幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何か」を読む」(@A.R.N [日記]4/17付)によると、次のように金があればあるほど幸せではないということです。

経済学を学んだものから見ると、一番ショックなのは「先進国においては幸福と所得の間に相関が認められない」という点であろうか。クルーグマンの言葉を引用すれば「経済にとって大事なことというのは――つまりたくさんの人の生活水準を左右するものは――3つしかない。生産性、所得配分、失業、これだけ」なのだが、少なくとも先進国に関しては生産性は国民の幸福に影響していなかったわけだ。

似通ったテーマについてちょうど最近、磯崎さんが違った切り口から語っていました。

もう20年以上前ですが、ある大学教授(経済学)曰く、
「日本ではどうも年収2000万円くらいの人が効用が最大って気がするなあ。それ以上稼いでいる人を見ても、あまりに忙しくて好きなことをする時間がなかったり、家族と生活がすれ違いだったりして、あまり幸せじゃないような気がする。」
とのこと。

ベンチャーを起業しても、時価総額50億円にして自分が何十億円か獲得したら、それ以上稼いでもバッシングを受けるだけということだと非常に困るわけです。100億円の企業を1000億円に、1兆円の時価総額の企業を10兆円に押し上げる経営者に対して、「やりがい」の他には、「使い道のない金」と「バッシング」だけが報酬というのでは、よほど性格がヘンな人しか日本の国富を増やしてくれないことになります。

「日本では金持ちは幸せになれないのか」

「マズローの欲求段階説」的にも、ある程度カネがたまってきたら「名誉」とか別のものを目指そうとするから、あまりカネの効用は無くてもいいのかも知れませんね。(お金持ちの気持ちはよく存じませんので、何とも言えませんが・・・。)

「日本では金持ちは幸せになれないのか(その2)」

ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を借りて理屈づけるなら、金儲けできるからではなくそれが天職であるから働くのだエートスがあるからこそ先進国になれるのであって、ということになります。

経済学的に考えるなら、短期的に見て平均消費性向が所得の増加により減少するとはよく言われることで、日本での実証分析を見ても傾向としては当てはまっています。限界消費性向についての実証分析を見ても、明らかに年収1,000万円を超えると限界消費性向が激減しています。

#限界消費性向の分析は、増減税に伴う可処分所得変化を見ているので、年収300万円未満の階層の限界消費性向がゼロであるなど、癖のあるものですが。

一般論としていえば、お金自体の限界効用は金額の多寡にかかわらず一定であっても、その金額で買うことができる財の限界効用は財の価格に対して逓減していく、例えば300円のカップ麺を食べたときに感じるおいしさが、150円のカップ麺を食べたときのそれの2倍になるわけではないので、自然なことなのでしょう。

#美味しんぼの登場人物のように、限界効用が逓増するようなケースもあるわけですが(ブロイラーなんか食えないとか言ってますし(笑)、あくまで一般的な傾向としてはということで。

以上のような考え方の延長線上にある「お金持ち」の意味と、それとは別の価値体系に立つであろうポトラッチのような富の蕩尽を対比して考えていくとおもしろそうな気もするのですが、明らかにwebmasterの能力を超えるので、可能性を述べるにとどめさせていただきます。

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東芝(TOSHIBA)【基本設置料金セット】 [左開き] 3ドア冷蔵庫 GR-H38SXVL-ZT (GRH38SXVL) [より多くの書き込み、私は言わなければならないすべてのthats。あなたはあなたのポイントを作るためにビデオに頼ってい..]


2005-04-20

[law]人権擁護法反対論批判 百地教授編(その1)

本日は、4/13に開催された自民党法務部会で発表された、百地章日本大学法学部教授のレジュメを取り上げます(テキストは、「人権擁護法案 違憲の証明 : 百地論文の紹介」(@人権擁護法案を危惧する国民協議会 人権擁護法案を考える市民の会4/16付)を参照しました)。憲法学者の違憲論ですから、何の遠慮会釈もなく(笑)やらせていただきましょう。全部で次の5項目からなる骨子があり、それぞれに解説がついていますが、今回は2つ、次回は3つを取り上げます。

  1. 「人権侵害」の意味、定義が曖昧・不明確であり、恣意的な解釈がまかり通る危険がある。

    ●「人権」の定義がなく、「人権侵害」の定義も曖昧・不明確なため、「人権侵害」の名のもとに不当な「人権侵害」や「逆差別」がなされる危険が大きい。

  2. 「人権侵害」の定義が曖昧・不明確なまま「表現の自由」を規制するのは、憲法21条違反である。

    ●「不当な差別的言動」とか、「相手方を畏怖させ、困惑させ、著しく不快にさせるもの」などといった曖昧・不明確な基準のもと、行政権力が国民の言論・表現を広汎に取り締まるのは、表現の自由を保障した憲法21条に違反する。

  3. 行政機関である人権委員会が、言論・表現の「事前規制」を行うのは、憲法21条違反である。

    ●人権委員会は、「差別的言動」を含む人権侵害の「予防」のため「必要な調査」ができ、人権侵害を行う「おそれのある者」に対して「指導」を行うことができる。たとえ「差別的言動」であれ、発表に先立って行政権力が規制するのは「事前抑制の禁止」に反し、憲法違反である。

  4. 「差別的言動」の規制は、人種差別撤廃条約批准の際、表現の自由を侵害する恐れありとして「留保」した、わが国政府の態度と矛盾する。

    ●曖昧・不明確な基準のもと、「差別的言動」を規制するのは、平成7年、人種差別撤廃条約の批准にあたり、わが国政府が「人種的優越・憎悪に基づく思想の流布」等を処罰することは憲法の表現の自由に抵触するとして「留保」したことと矛盾する。

  5. 人権委員会が、裁判官の令状なしに立入り検査をしたり、書類等の留置きをするのは、憲法35条違反の疑いがある。

    ●憲法35条の令状主義は刑事手続きだけでなく、行政手続にも適用されうるとするのが最高裁の立場である。とすれば、表現の自由・思想の自由などが侵害される恐れのある本件立入り検査には、事柄の重大性に鑑み、令状が必要と考えるべきである

第1点については、その解説(2つに分かれていますが、まずその最初の部分)によると、法案には「憲法により保障された権利・自由」といった限定は付されていないし、そのような権利・自由が、その「中核」になるとはいっても、果たして「外延」がどこまで及ぶのか、法務省は明言していない。そのため、憲法に明記されておらず、しかも学説や判例上争いのある新しい人権、たとえば「自己決定権」や、靖国参拝訴訟で原告らが主張している「宗教的人格権」の侵害が問題とされた時など、明確な判断は困難となり、濫用される恐れが極めて大きいと説かれています。

百地先生によれば、人権擁護法案における人権の定義として、憲法で保障された人権と限定すべきであるということになります。しかし、続いて言及される自己決定権にしても、憲法第13条の「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の解釈の問題ですから、憲法で保障されたものと限定したところで含まれ得ます。これは憲法学者として恥ずかしい間違いでしょう。

また、宗教的人格権にしても、これは判例上憲法で保障された基本的人権には含まれないとされていますが、原告は憲法第13条なり第20条第1項なりに由来するものだと主張しているわけです。常識的にいって、「被害者」であれ人権委員会であれ、例えば宗教的人格権の侵害なるものを認めたとして、それが憲法で保障されていないけれども、という立論をするはずもなく、当然に憲法から導き出されるものとするに決まっています。であるなら、憲法で保障されたもの、とわざわざ規定する実益はありません。

#その意味では、人権擁護法案における人権の定義として、憲法で保障されたものと規定しても何ら運用は変わらないと想定されますから、主張を受け入れてもまったくかまわないのですが。

第1点の解説の後半では、侵害について論じられており、具体的に次の3つの問題点が指摘されています。

  • 人権侵害の中には「差別」や「虐待」だけでなく、「その他の人権を侵害する行為」などといった極めて漠然とした具体性を欠く行為まで含まれている
  • 「嫌がらせその他の不当な差別的言動」をしてはならない(第3条1項2号イ)(略)といった極めて曖昧な言い方、で広汎に言論・表現の自由を規制している
  • 「不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的」で「文書の頒布、掲示」その他「公然と摘示する行為」をしてはならない(第3条2項1号)などといった極めて曖昧な言い方、で広汎に言論・表現の自由を規制している

1つ目の点については、「その他の人権侵害」とは「犯罪あるいは民法上の不法行為にあたるものである」などと言っても、そのことが法案に明記されていない以上、保障の限りでなく、運用上恣意的な解釈がなされる危険があるとの補足がなされています。けだし、「侵害」の語が問題なのではなく(例えば刑法第36条(正当防衛)で使われる等、法令になじんだ言葉ですから)、結局は人権の定義の曖昧さをここでも問題視していると百地先生の主張を解すべきでしょう。であるなら、ここで論ずべき新たな問題はなく、既述で足ります。

2つ目の点については、まず「不当な差別的言動」を曖昧だとしていますが、既述のとおり憲法での保障対象か否かで曖昧さを百地先生は判断しているところ、憲法第14条第1項は「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と規定しています。「不当な差別」をどれほど拡大解釈しようとも、「差別」より広いはずもありませんので、この意味で主張の一貫性に欠けます。

#個人的には、「不当な」とは差別の中で正当なものと不当なものがあることを意味するため付加された限定句ではなく、およそ差別とは不当なものであることについて確認的に付加されたものと解すべきだと思います。よく合理的差別は云々という議論がありますが、合理的であればそれはそもそも差別でない(区別などである)と解するのが、憲法第14条第1項との関係で最も問題が少ない整理でしょう。

また、「特定の者に対し、その者の有する人種等の属性を理由としてする」という限定句を引用せずして曖昧と断じている点も問題です。百歩譲って「その他の不当な差別的言動」が曖昧であるとしても、それには対象が特定の者であり、人種等の属性を理由として行われるものというロジックの限定がなされています。それを隠していること自体、知的に不誠実であるとの非難に値しますが、実体判断としても、人種等、すなわち「人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向」(第2条第5項)を理由とさえしなければ対象外なのですから、曖昧さに欠けるとの指摘は当たりません。

さらには、法案の解釈以前の問題もあります。別ソースによると百地 章・教授は、法案の問題点を記した持論のペーパーを朗読し、この法案には反対であり、個別の法律か現行の人権擁護委員法を改正して対応すべきとしたとのことですから、人権擁護委員法で可能な対応には問題はないとのお考えのはずです。ところが、単に第3条第1項第2号イに該当するだけでは一般救済しか適用されませんから、人権擁護委員法に基づく措置(及びそれをサポートする法務省設置法に根拠を有する行政の対応)とその内容は大差ありません。

他方、曖昧さでいえば、「人権侵犯事件」(第11条第3号)とのみ規定し、どのような侵犯かは一切規定していない人権擁護委員法の方が曖昧です。「規制」の内容については後で詳述しますが、この部分における人権擁護法案の評価と現行制度の評価は明らかに矛盾しているといわざるを得ません。

3つ目の点については、faqの(Q2-2)で論じたとおり、百地先生が引用していない部分で部落地名総鑑の出版等を対象とするとの限定がかかっている規定です。そこに触れずに曖昧だといっても、わざとやっているなら悪質なミスリードですし、知らずにやっているなら法学者としての能力に欠けます。

ついでに申し上げれば、この部分の解説には次のような記述もあります。

実は、この点についても、山崎公士教授は「『人権侵害』を明確に定義すべきである」として、次のように批判しておられる。すなわち「法案第2条1項は(略)『人権侵害』を定義するにあたり、差別についても『不当な』という形容詞をつけただけで、不当か否かの判断基準は何も示していない。この規定では、結局のところ、その判断は全面的に人権委員会に委ねられることになる。しかし、『人権侵害』の定義は、これを受けた者にもわかりやすいものでなければならない」と。

山崎公士教授のプロファイルとして、百地先生は人権擁護法制定の推進団体であると思われる『部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会』の山崎公士・新潟大学教授と紹介されています。部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会はむしろ人権侵害救済法案にコミットしており、山崎先生の人権擁護法案批判も、代替案として念頭にあるのは人権侵害救済法案と解するのは自然です。

そこで、部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会のクレジットによる人権侵害救済法案(仮称)要綱を見ますと、まず、百地先生が批判する3つの点については、その第3条第1項関係の部分において人権擁護法案と何ら変わるところはありません。

これだけでも、表面上の文言のみを借用し意味するところが自説のサポートにならない引用をするのは、学者としての良心が疑わしいと断じて差し支えないと思いますが、加えて、百地先生の引用部にあるとおり、山崎先生は「不当な差別」の定義が曖昧だとしており、そこがまさに人権侵害救済法案では次のように詳しく定義されています。

この法律において「不当な差別」とは、人種等に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、平等な立場での人権を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有する行為とする(第二条第○項関係)。

百地先生、「不当な差別」とは「人種等に基づくあらゆる区別」がその「目的又は効果」によっては入り得るものであると定義することに賛成なのでしょうか?

第2点として、ついに憲法違反との指摘が出てきます。百地先生が挙げているのはここでは明確性の理論、第3点で事前抑制の禁止ですので、事前抑制の禁止は後に回して明確性について論ずれば、既述のとおり曖昧さはないので憲法違反には当たらない、以上、ということです(笑)。

念のため詳述します。百地先生は解説で判例から、「表現の自由は、(略)憲法の保障する基本的人権の中でも特に重要視されるべきものであって、法律をもって表現の自由を規制するについては、基準の広汎、不明確の故に当該規制が本来憲法上許容されるべき表現にまで及ぼされて表現の自由が不当に制限されるという結果を招くことがないように配慮する必要があり、事前規制的なものについては特に然りというべきである」という部分を引用しています。

ところがこの判例は、引用部のロジックをもって、「関税定率法二一条一項三号にいう「風俗を害すべき書籍、図画」等との規定を合理的に解釈すれば、右にいう「風俗」とは専ら性的風俗を意味し、右規定により輸入禁止の対象とされるのは猥褻な書籍、図画等に限られるものということができ、このような限定的な解釈が可能である以上、右規定は、何ら明確性に欠けるものではなく、憲法二一条一項の規定に反しない合憲的なものというべきである」とするものなのです。

ここの解説では百地先生は、ようやく「人種等の属性を理由としてする」という規定を取り上げ(でもまだ「特定の者」は隠していますが)、判例によればこれは曖昧(=明確性に欠ける)であるとして憲法違反を導いています。しかし、「風俗」ですら「何ら明確性に欠けるものではなく、憲法憲法二一条一項の規定に反しない合憲的なもの」であるというのに、「人種等」が明確性に欠けるというのは明らかに論理の飛躍があり、その飛躍を埋める記述がない以上、憲法違反との指摘を肯うことはできません。

せっかくですから、百地先生が論じていない部分についても触れてみます。百地先生の解説では、差別的言動を行った者に対して「処分」(出頭要請、質問、文書の提出、立入り検査、書類等の留置)を行うことができるとしている。このような、曖昧・不明確で過度に広範な規定をもとに言論・表現を取り締まるのは、明らかに表現の自由の侵害であって、憲法違反と言わなければならないとされていますから、処分の適切性、憲法学的にいえば「より制限的でない他の選びうる手段」の存在も暗黙のうちに想定していると、大きなお世話ですが考えてみましょう。

まず法解釈として問題なのは、引用する処分が第44条に規定するもの、要すれば特別調査であることです。これらは明らかに事実関係を明らかにするためのものであって、法律論としては「言論・表現自体を取り締まる」ものではあり得ません。一般的な語感として、調査=取締りというニュアンスで受け止められがちなのは否定しませんが、およそ法律論として調査権を取締として解するのは明らかに間違いです。

佐藤幸治他(編)「コンサイス法律学用語辞典」で「取締規定」を引くと、次のように説明されています(p1234)。

「〜しなければならない」または「〜してはならない」というように、行政上の考慮に基づいて一定の行為を禁止・制限し、一定の条件を必要とする旨を直接的に命令することを内容とする規定であって、その違反に対して、損害賠償義務が負わされていたり、制裁が課せられていたりするが、その効果は否定されないものを取締規定という。

実際に、例えば法律名として「取締」を冠するものは古くは爆発物取締罰則(明治17年太政官布告第32号なので形式的には法律ではありませんが、国会開設前のものですので法律として取り扱われます)から郵便切手類模造等取締法まで18本ありますが、これらを見れば1つを除いてすべて、禁止した行為が行われた場合には刑事罰を科すこととしています。

#唯一の例外は国税犯則取締法で、これは刑事訴訟法等と同様の手続法規なので、もともと行為を禁止するものではありません。

特別調査の内容の妥当性は第5点において論じますが、特別調査=取締であって表現の自由の侵害だとの立論は、以上から法解釈論としてはおよそナンセンスな主張であるとせざるを得ません。

以上で百地先生の主張は(この部分については)間違っているとして終わってもいいのですが、さらに大きなお世話を焼いて、faqの(Q7-7)で取り上げた勧告の公表が、上記の「取締規定」の定義でいう「制裁」に当てはまるとした場合の適切性を勝手に論じてみましょう。

先に紹介した「より制限的でない他の選びうる手段」とは、猿払事件判決で示された基準で、それを丹念に論述する第一審判決では、「法がある行為を禁じその禁止によつて国民の憲法上の権利にある程度の制約が加えられる場合、その禁止行為に違反した場合に加えられるべき制裁は、法目的を達成するに必要最小限度のものでなければならないと解される。法の定めている制裁方法よりも、より狭い範囲の制裁方法があり、これによつてもひとしく法目的を達成することができる場合には、法の定めている広い制裁方法は法目的達成の必要最小限度を超えたものとして、違憲となる場合がある」と判示しています。

猿払事件とは、公務員の政治活動禁止規定(本件と同じく憲法第21条第1項が問われます)について、その違反に対して刑事罰を科すことに関しての憲法判断がなされた裁判です。上記を判示した第一審では刑事罰は憲法違反とされ被告人無罪、控訴審でもそれが維持されましたが、最終的に最高裁で判決(結論)はひっくり返って合憲とされたものです。公務員の政治活動ですから一般の国民を相手にするものとは法目的においてイコールではありませんが、とまれ法目的が妥当であるとの前提においては、そのために代替手段がなければ刑事罰をもって表現の自由を制約することすら合憲となり得るわけです。

翻って勧告の公表を見るに、直接行為者に対して行為を禁止するものではなく、また行為者による政府への対抗可能性が高い(例えば懲役刑なら、いくら不当判決を叫んでも刑務所行きは免れず表現行為自体が不可能となりますが、公表に対しては対抗言論をいくらでも行うことが可能です)点からすれば、「より狭い範囲の制裁方法があり、これによつてもひとしく法目的を達成することができる場合」には該当せず、憲法違反とは言い得ないでしょう。

#念のため申し上げておきますが、勧告の公表は不当であるという主張が誤りだと申し上げているのではありません。憲法違反を不当であるとの判断の根拠に持ち出すのが誤りだということです。

さらにさらに大きなお世話を焼いて、勧告の公表が一般には憲法違反ではなくても、ある特定の事例における勧告の公表が行為者の人権を不当に侵害する憲法違反である可能性がある点について、最後に触れておきます。確かにそのような可能性はあるでしょうが、これは適用違憲に過ぎません。再びコンサイス法律学用語辞典を引きます(p1154)。

法令それ自体を憲法に違反すると判断することなく、当該事件におけるその法令の具体的な適用を違憲と判断する方法。法令違憲や運用違憲とは異なる違憲判断の方法。適用違憲には、A.法令の規定に合憲限定解釈を加える余地はないが、特定個人にその法令を適用することが違憲となる場合、B.法令それ自体は合憲でも、その執行者が法令を憲法で保障された権利・自由を侵害するような形で適用した場合等がある。

上記設例はB.のケースで、「法令それ自体は合憲」ですから、実際に人権擁護法案が成立し人権委員会が行った行為について憲法違反がある可能性があっても、それと人権擁護法が合憲であることは何の問題もなく両立します。ですから、百地先生が仮にこのロジックに基づき反対するのであれば、憲法学者として正しく「適用違憲事例が発生するおそれが大きいので、法律案そのものは憲法違反ではないが、制度のあり方として適切でないから反対」と語らなければならないはずです。

#表現の自由の制限に関する審査基準としては、他に「明白かつ現在の危険」基準がありますが、既に行われた人権侵害については問題になりようがないので、「事前抑制の禁止」基準との関連で第3点において論じます。

今日はここまでとして、続きます。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

本編
前編(3/13)後編上(3/14)後編下(3/15)趣旨説明編(3/29)faq編(4/9)
リジョインダー編
1(3/17)2(3/18)3(3/19)4(3/20)5(3/21)6(3/22)7(3/27)8(3/30)9(3/31)10(4/2)11(4/4)12(4/5)13(4/8)
法案分析編
1(3/24)2(3/26)3(4/1)4(4/10)5(4/11)6(4/14)
正誤訂正編
1(3/25)2(4/6)

[sports]PRIDE GP 2005 1st ROUND 勝敗予想(その1)

第1試合:中村和裕vsケビン・ランデルマン

そもそも中村が出てくるのが納得いきません。ハイアン・グレイシーが出場しなかったのも、中村に挑戦状をたたきつけられて、出場したらあいつとやらされるのか、俺に対する評価はそんなものか、と気分を害したからではないかと思えてくるぐらいです。ヘヴィー級の隆盛を見ても、わざわざ日本人をプレイアップしなくても十分人気が確保できると思うのですが。

#吉田秀彦と何か密約でもあるのかと陰謀論に走りたくもなります。一回戦でシウバとやらされることの見返りであるとか、ランデルマンが・・・。

予想としては、順当にランデルマンの勝ちとします。

やっぱりハイアンかムリーロ・ニンジャか、どうしても日本人というなら、まだ美濃輪育久の方が納得できます。

第2試合:ヒカルド・アローナvsディーン・リスター

寝技のプロ同士の好カードです(いずれもアブダビ・コンバット優勝経験者。しかも次のアブダビ・コンバットのスーパーファイトと同じカードだったりします。あっちは怒ってるでしょうねぇ)。しかし、せっかくの攻防もテレビではカットされそうな嫌な予感がします。

予想は悩むところですが、打撃において一日の長がある分だけ、アローナに一票。

本日のツッコミ(全8件) [ツッコミを入れる]

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2005-04-21

[law]人権擁護法反対論批判 百地教授編(その2)

昨日の続きです。今日は下記5項目骨子(再掲)の第3点から第5点です(テキストは昨日同様、「人権擁護法案 違憲の証明 : 百地論文の紹介」(@人権擁護法案を危惧する国民協議会 人権擁護法案を考える市民の会4/16付)を参照しました)。

  1. 「人権侵害」の意味、定義が曖昧・不明確であり、恣意的な解釈がまかり通る危険がある。

    ●「人権」の定義がなく、「人権侵害」の定義も曖昧・不明確なため、「人権侵害」の名のもとに不当な「人権侵害」や「逆差別」がなされる危険が大きい。

  2. 「人権侵害」の定義が曖昧・不明確なまま「表現の自由」を規制するのは、憲法21条違反である。

    ●「不当な差別的言動」とか、「相手方を畏怖させ、困惑させ、著しく不快にさせるもの」などといった曖昧・不明確な基準のもと、行政権力が国民の言論・表現を広汎に取り締まるのは、表現の自由を保障した憲法21条に違反する。

  3. 行政機関である人権委員会が、言論・表現の「事前規制」を行うのは、憲法21条違反である。

    ●人権委員会は、「差別的言動」を含む人権侵害の「予防」のため「必要な調査」ができ、人権侵害を行う「おそれのある者」に対して「指導」を行うことができる。たとえ「差別的言動」であれ、発表に先立って行政権力が規制するのは「事前抑制の禁止」に反し、憲法違反である。

  4. 「差別的言動」の規制は、人種差別撤廃条約批准の際、表現の自由を侵害する恐れありとして「留保」した、わが国政府の態度と矛盾する。

    ●曖昧・不明確な基準のもと、「差別的言動」を規制するのは、平成7年、人種差別撤廃条約の批准にあたり、わが国政府が「人種的優越・憎悪に基づく思想の流布」等を処罰することは憲法の表現の自由に抵触するとして「留保」したことと矛盾する。

  5. 人権委員会が、裁判官の令状なしに立入り検査をしたり、書類等の留置きをするのは、憲法35条違反の疑いがある。

    ●憲法35条の令状主義は刑事手続きだけでなく、行政手続にも適用されうるとするのが最高裁の立場である。とすれば、表現の自由・思想の自由などが侵害される恐れのある本件立入り検査には、事柄の重大性に鑑み、令状が必要と考えるべきである

第3点について、百地先生の議論は北方ジャーナル事件判決に基づき人権擁護法案を憲法違反とするものです。この判例について、百地先生は次のように説明されています。

)榾^討禁止する「不当な差別的言動」(その中には、当然のことながら、単なる「発言」だけでなく「文章その他の著作物」も含まれる)は、憲法21条の保障する「表現の自由」にかかわる事柄であるから、その当否は本来、裁判所が慎重に判断すべきである。また、仮に事前規制をするにしても、行政権力ではなく、裁判所による「事前差止め」を限度としなければならない(北方ジャーナル事件、昭和61年6月11日最高裁大法廷判決)。にもかかわらず、行政権力の行使者である人権委員会が、「差別的言動」の「おそれがある」だけで、「予防」的にこれを一方的に規制するというのは、明らかに違法な「事前抑制」に当たり、表現の自由を侵害するものであって、憲法違反といわなければならない。

△海療澄∨綿ジャーナル事件では、公職選挙の立候補予定者に対して罵詈雑言を浴びせ誹謗中傷した雑誌の記事が問題となったが、最高裁は、このような表現であっても、原則として事前抑制は許されず、「重大にして著しく回復困難な損害」が予見される場合に限り、裁判所による「事前差止め」が許されるとした。にもかかわらず、本法案では、単に「不当な差別的言動」の「おそれ」があるというだけで、「予防」的に、つまり事前に行政権力がこれを調査したりして表現活動を規制するわけだから、これは憲法違反であると考えられる。

まず昨日も論じたのですが、なぜか百地先生は調査=規制という立場で、調査それ自体は表現の自由に対してニュートラル(=調査の結果「シロ」であれば大手を振って表現が可能)なことからすれば、そもそも議論の前提が成り立っていないのですが、そこに目をつぶっても、上記テキストには救いようのない欠陥があります。それは、人権擁護法案の規定では、予防的に調査はできないということです。

#立入調査の是非そのものは、第5点として詳述します。

具体的に見てみましょう。第44条第1項では、「人権委員会は、第42条第1項第1号から第3号までに規定する人権侵害(・・・)又は前条に規定する行為(・・・)に係る事件について必要な調査をする」と規定されていて、どこにも「おそれ」があるときに可能とは規定されていません。

#完全に任意である一般調査は、「予防に関する職務を行うため必要があると認めるとき」に可能ですが(第39条第1項)、これを問題視しているわけではないという点については百地先生を信頼して、議論は省略します。

仮に百地先生が条文の引用を誤り、「当該不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発するおそれがある」(第43条第1号)か「当該不当な差別的取扱いをするおそれがある」(第43条第2号)の「おそれがある」を問題視したのだとしても(といっても、百地先生は「不当な差別的言動」(強調はwebmasterによります)のおそれだと主張しているのですが・・・)、それらの規定は、「第3条第2項第1号に規定する行為であって、これを放置すれば」(第43条第1号。同条第2号は引用部分の中の「第1号」が「第2号」に変わります)です。読めば字のとおり、表現自体は既に行われたことを前提に、具体的な差別的取扱いのおそれを問題にしている規定であって、表現自体を事前に制約するものではありません。

これで終わってはせっかく判例を参照していただいた点を詰められないので、「当該行為若しくはこれと同様の行為を将来行わないこと」を求める勧告(第60条第1項ないし第64条第1項)及びその公表が問題であると主張を改変して、議論を続けます。この主張に対するwebmasterの見方は要すればfaqの(Q7-9)のとおりなのですが、以下、北川ジャーナル事件判決を引きつつ、改めて仔細に検討します。

軽くジャブから入りますと、百地先生は判例から「重大にして著しく回復困難な損害」を抜き出し、その後ご自身の言葉として「が予見される場合」と続けています。では、判例の抜粋部分の後まで含めて抜き出せばどうなるかといいますと、「重大にして著しく回復困難な損害を被る虞がある」です。「虞」は「おそれ」と読むことをご存じないわけないですよね、百地先生? 人権擁護法案の「おそれがある」という文言を問題にしたいからといって、これは不適切な引用でしょう。

しかも、「重大にして著しく回復困難な損害を被る虞がある」かどうかという基準は、判例において表現の自由一般について採用されているわけではありません。北方ジャーナル事件は百地先生がご紹介のとおり選挙の立候補予定者に対する雑誌記事が対象ですが、それを踏まえて判例では、そのような報道の「対象が公務員又は公職選挙の候補者に対する評価、批判等の表現行為に関するものである場合には、そのこと自体から、一般にそれが公共の利害に関する事項であるということができ、(略)その表現が私人の名誉権に優先する社会的価値を含み憲法上特に保護されるべきであることにかんがみると、当該表現行為に対する事前差止めは、原則として許されない」とした上で、「その表現内容が真実でなく、又はそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるときは、当該表現行為はその価値が被害者の名誉に劣後することが明らかであるうえ、有効適切な救済方法としての差止めの必要性も肯定されるから、かかる実体的要件を具備するときに限つて、例外的に事前差止めが許される」としたものです(強調はwebmasterによります)。この意味でも、不適切な引用といわざるを得ません。

では、判例は表現の自由の事前抑制について一般論としてどのように論じているかを見ますと、次のように判示しています。

表現行為に対する事前抑制は、新聞、雑誌その他の出版物や放送等の表現物がその自由市場に出る前に抑止してその内容を読者ないし聴視者の側に到達させる途を閉ざし又はその到達を遅らせてその意義を失わせ、公の批判の機会を減少させるものであり、また、事前抑制たることの性質上、予測に基づくものとならざるをえないこと等から事後制裁の場合よりも広汎にわたり易く、濫用の虞があるうえ、実際上の抑止的効果が事後制裁の場合より大きいと考えられるのであつて、表現行為に対する事前抑制は、表現の自由を保障し検閲を禁止する憲法二一条の趣旨に照らし、厳格かつ明確な要件のもとにおいてのみ許容されうるものといわなければならない。

次の3点から、人権擁護法案における勧告及びその公表の規定は、上記の基準に照らして許容されるものと解すべきでしょう(憲法との関係においては。政策として許容されるかどうかは別問題です)。

  • 特別人権侵害(この文脈では特定の者に対する差別的言動)や差別助長行為等が行われた後において、その反復等を行わないようとられる措置であるので、「自由市場に出る前に抑止」して「公の批判の機会を減少させるもの」に合致しない部分があります。
  • また、それらが行われた後ですので、当然にその結果は出ているわけで、「予測に基づくものとならざるをえない」その予測が表現そのものというよりは反復等の効果に限定されますから、全くの事前抑制に比べると蓋然性が高くなります。
  • あくまで強制力はなく(勧告に反して表現を行っても、禁止命令や罰則の対象にはなりません)、「途を閉ざし」ているかどうかについては、北方ジャーナル事件のような「差止め」に比べれば効力が相当程度劣ります。

続いて第4点です。曖昧云々は既に論じたので、その他の点を取り上げます。まず解説で引用しているアメリカの違憲判決ですが、いずれも百地先生の紹介が正しければヘイトスピーチに関するものです。他方、人権擁護法案では「法案分析編(その1)」で論じたようにヘイトスピーチは対象としていませんから、そもそも筋違いの事例です。

また、人権擁護法案という立法措置が人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本政府の意見の提出において示された、我が国の現状が、既存の法制度では差別行為を効果的に抑制することができず、かつ、立法以外の措置によってもそれを行うことができないほど明白な人種差別行為が行われている状況にあるとは認識しておらず、人種差別禁止法等の立法措置が必要であるとは考えていない(5.(1))と矛盾しているのではないかとの点については、その3つ後のパラグラフ(5.(4))で法務省に設置された人権擁護推進審議会においては、1999年9月から「人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する基本的事項」について本格的な調査審議が行われ、2001年5月に人権救済制度の在り方についての答申がなされた。(略)政府としては、同審議会の答申を最大限尊重し、提言された新たな人権救済制度の確立に向けて、全力を尽くしていく考えであるとしていますから、この文書は人権擁護法案の提出を当然視するものですから、百地先生の引用部もこれと整合的であるはずです。

#上記引用部中、「提言された新たな人権救済制度」=人権擁護法案です。為念。

政府が同一文書において矛盾することを書くほど頭がおかしい可能性も念のためつぶしておきます。上記5.(1)では、条約に付した留保については6.で述べるされていますが、6.の記述は次のとおりです(強調はwebmasterによります)。解説は不要ですよね?

人種差別撤廃委員会の一般的勧告7及同15については我が方も十分承知しているところであるが、第4条の定める概念は、様々な場面における様々な態様の行為を含む非常に広いものが含まれる可能性があり、それらのすべてにつき現行法制を越える刑罰法規をもって規制することは、その制約の必要性、合理性が厳しく要求される表現の自由や、処罰範囲の具体性、明確性が要請される罪刑法定主義といった憲法の規定する保障と抵触する恐れがあると考えたことから、我が国としては、第4条(a)及び(b)について留保を付することとしたものである。

また、右留保を撤回し、人種差別思想の流布等に対し、正当な言論までも不当に萎縮させる危険を冒してまで処罰立法措置をとることを検討しなければならないほど、現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の扇動が行われている状況にあるとは考えていない。

最後に第5点です。百地先生は、川崎民商事件判決を引用して行政手続であっても憲法第35条違反になる可能性があること(これはそのとおりです)を前提として、本法案では正当な理由なく立入り等を拒否した場合には30万円以下の過料が課せられることになっており、これによって間接的、心理的にかなりの強制が加えられるであろうことは間違いないここで問題とされているのはあくまで憲法で保障された「表現の自由」や「思想の自由」を直接抑圧ないし侵害しかねない立入り検査や物件の留置等であって、法務省のあげている独禁法違反の事実の有無や公害紛争の調査のための立入り検査あるいは物件の留置などとは、全く性質が異なるとの2点をもって憲法違反の疑いがあると結論づけています。

最初の点については、川崎民商事件の別の部分を引用すれば、「同法七〇条所定の刑罰を加えることによつて、間接的心理的に右検査の受忍を強制しようとするものであり、かつ、右の刑罰が行政上の義務違反に対する制裁として必ずしも軽微なものとはいえないにしても、その作用する強制の度合いは、それが検査の相手方の自由な意思をいちじるしく拘束して、実質上、直接的物理的な強制と同視すべき程度にまで達しているものとは、いまだ認めがたい」と判示しています。

#「同法七〇条」とは、所得税法第70条(昭和40年改正前)です。

さて、ここで「必ずしも軽微なものとはいえない」とされている罰則ですが、当時の所得税法の規定による罰則は、上告趣意に示されているところでは「一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金」と、人権擁護法案の過料30万円よりはるかに重いものです。それですら「間接的心理的に・・・強制しようとするもの」と認めた上で、なお「直接的物理的な強制と同視すべき程度にまで達しているものとは、いまだ認めがたい」とされたのですから、まして人権擁護法案においてはなおさらでしょう。

次の点については、同じく憲法第21条をめぐる議論となった成田新法事件判決を見てみましょう。

本法三条三項は、運輸大臣は、同条一項の禁止命令をした場合において必要があると認めるときは、その職員をして当該工作物に立ち入らせ、又は関係者に質問させることができる旨を規定し、その際に裁判官の令状を要する旨を規定していない。しかし、右立入り等は、同条一項に基づく使用禁止命令が既に発せられている工作物についてその命令の履行を確保するために必要な限度においてのみ認められるものであり、その立入りの必要性は高いこと、右立入りには職員の身分証明書の携帯及び提示が要求されていること(同条四項)、右立入り等の権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと規定され(同条五項)、刑事責任追及のための資料収集に直接結び付くものではないこと、強制の程度、態様が直接的物理的なものではないこと(九条二項)を総合判断すれば、本法三条一、三項は、憲法三五条の法意に反するものとはいえない。

#「本法」とは、新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(通称「成田新法」)のことです。

身分証携帯、「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」と規定されていること、(上述のとおり)直接的物理的な(強制と同視すべき程度の)ものではないことにおいて人権擁護法案は成田新法と変わらないわけですから(なお、当時の規定がわからないので可能性の指摘にとどめますが、少なくとも現行の成田新法においては、正当事由に基づく拒否を認める明示的規定はなく、判例の前提となった当時の規定は、人権擁護法案の同等規定よりも強制性においてはより強いものであった可能性があります)、残るは必要性の評価となります。

成田新法において人権擁護法案よりもより人権侵害的でないと考えられるのは、対象が成田空港近辺という特定の場所(大臣告示事項)に限られ、しかも現に空港反対派の反対活動が活発に行われているという状況を前提とするものであり、加えて各種の破壊活動等を防止するという特定の目的がある点です。人権擁護法案は、一般の人権侵害を対象とするものですから、これらの限定がない部分において濫用の可能性が高いといえるでしょう。

他方、成田新法がより人権侵害的であると考えられるのは、立入検査の前提として目的を問わず集会そのものを対象とした禁止命令があること、集会そのものの禁止ですから当然に事前規制であること、禁止命令の対象者が特定できなければ公告で足りるとしていること、集会の参加者は破壊活動を現に行っている/いた者に限らずそのおそれで足りることです。人権擁護法案においては、現に特別人権侵害や差別助長行為等が行われた場合でなければ立入検査をすることはできませんし、すなわち必ず事後に行われるものですし、行為自体の禁止との関係は存在しません。

以上のように、人権擁護法案における立入検査規定は、成田新法事件判決を覆すほどの質的な相違が認められるものではありませんから、憲法第35条違反であるとの指摘は当たらないと解すべきでしょう。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

本編
前編(3/13)後編上(3/14)後編下(3/15)趣旨説明編(3/29)faq編(4/9)
リジョインダー編
1(3/17)2(3/18)3(3/19)4(3/20)5(3/21)6(3/22)7(3/27)8(3/30)9(3/31)10(4/2)11(4/4)12(4/5)13(4/8)
法案分析編
1(3/24)2(3/26)3(4/1)4(4/10)5(4/11)6(4/14)
正誤訂正編
1(3/25)2(4/6)
百地教授編
1(4/20)

[politics]続々々・政策羅針盤(Political Compass日本語版)

ドラフト3が公開されました。

  • 政治的な右・左度(保守・リベラル度) -2.2
  • 経済的な右・左度(市場信頼派・政府介入派) 1.3
  • あなたの分類はリベラル右派です。

ドラフト1からずっとリベラル右派で変わりないですが、sakidatsumonoさんのブラッシュアップで質問の趣旨を把握するのにほとんど迷うことがなくなり、ベータテスタとしての感想を述べれば、かなり完成稿に近づいたように思います。

ただ1点だけ、Q1-6の「行政職の公務員」という言葉の意味が取りづらいので、「いかなる公務員であっても」とするか「公権力を行使する公務員」とするかのいずれか(意味は異なりますが)にした方がいいのではないでしょうか。

[sports]PRIDE GP 2005 1st ROUND 勝敗予想(その2)

第3試合:近藤有己vsイゴール・ボブチャンチン

客観的であろうと努めて見れば、近藤の方が明らかに穴が少なく有利であるのでしょう。しかし、昔から見ている身としては、PRIDE 7で当時最強を謳われたマーク・ケァーを失神させ実質KO勝ち(記録上は無効試合)した思い出にどうしても引きずられてしまいます。なまじ、PRIDE 29において高橋義生をロシアン・フックできれいにKOしたシーンを見て、かつての栄光の記憶が新たになってしまいましたので・・・。

ボブチャンチンの勝ちということにします。

第4試合:ビクトー・ベウフォートvsアリスター・オーフレイム

こちらは主観的にも客観的にもベウフォート有利と見ているのですが、これまた昔の思い出に引きずられているのかなぁ、という気がしないでもありません。webmasterがベウフォートを初めて知ったのはUFC 12でのトーナメント優勝ですが、まだ2ちゃんねるもないなどネットでの情報流通が乏しかった頃(記憶が定かでないのですが、むしろniftyで読んだのかな?)、ホイス・グレイシーが勝てなくなってUFCを離れるなど、マーク・コールマンらアマレス勢が柔術幻想を消していく中、柔術側の逆襲かと色めいたものです(っても試合スタイルは完全にストライカー(というかボクサー)ですが)。その後ようやく待望の来日なったときには、BTT(Brazilian Top Team)離脱騒動やらなんやらで下り坂で・・・。

というわけでとにかくベウフォート予想。オーフレイムも若いので、思わぬ展開もありそうですが。

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2005-04-22

[notice]RSS feed meterの設定

ふとしたことから存在を知ったので設定してみました。その結果は次のとおりです。

  • 人気度 1.0
  • 更新頻度 4.2 (8.92 アイテム/日)

更新頻度の計算基準がよくわかりません。そんなに頻繁には更新していませんし(更新頻度としては1日1回ですし、アイテム=エントリとしても、8エントリも詰め込んだ日は1日たりともないはずなのですが・・・)。

が、人気度の方がさらによくわかりません。書いているwebmaster自身メジャーになり得ないサイトだと自覚はしていますが、あまりに底辺だとするとそれはそれで寂しさが募りますし。1.0という数字がどのぐらいのものなのか、Google Rankのように目安みたいなものがあるとうれしく思います。一昨日のランキングの300位で1.9でしたが、300位までで上位何%というデータだけでもあれば、ある程度推計は可能なのですが。

[law][economy]小室直樹先生

4/18のエントリ、「学生に人気のある官庁」について、「following the loop.」(@おおやにき4/19付)で言及いただいたのですが、その中で宮台真司先生について「田中角栄はアメリカにはめられた」みたいないやそりゃあなたのお師匠さんはそう主張してらしたけど見たんかいみたいな話という記述がありました。角栄がアメリカにはめられたと主張し、かつ、宮台先生の師匠といえば、これは小室直樹先生のことを指しているに違いなく、webmasterも少しばかり思い出話をしてみたくなったりしたわけです。間違いなく小室先生は、webmasterの人生を変えた人々の一人ですから。

もちろん、直接の面識などありません。最初に小室先生を知ったのは、父の所有する「ソビエト帝国の崩壊」を通じてでした(リンク先は光文社文庫版ですが、webmasterが手にしたのはカッパ・ビジネス版でした)。それですっかり入れ込んでしばらくは夢中だったわけですが、その理由は、社会科学なるものの一端に触れたことだったように思います。

具体的にはどういうことかといえば、世の中のものの見方を与えてもらったということでしょう。社会のからくりの種明かしを受け、様々な物事が腑に落ちていくことの快感といいますか、スケールは小さいですけれど、アルキメデスが「エウレカ」と叫んで走り出した気持ちに若干は相通じるであろう興奮がそこにはありました。

#ストリーキングはしませんでしたが(笑)。

小室先生の著作を読んでいなければ、当時の傾向からすれば史学にあこがれて文学部でも目指していたように思いますが、結局、このインパクトがwebmasterの進路を変え、法学部へと進む原動力になりました。個々の事象に触れるおもしろさには、もちろん今でも十分に心引かれるのですが、それ以上に、個々の事象が生じるメカニズムに興味がわいてきたのです。

皮肉なことに、大学に入り啓蒙書レベルを超えて学問の世界に一歩足を踏み入れると、小室先生の著作の魅力は急に色あせていきました。啓蒙書であるからには仕方がないことではありますが、世界の真理を知ったつもりでいたものの、それは全くの入り口に過ぎず、途方もない奥行きが待っていて、そこを進むことに関心が移っていったわけです。小室先生(の市販されている著作)のレベルでは、例えば経済学について山形浩生さんが書いているように、正直言って物足りなくなったということでしょう。

#あ、でも山形さんが書いている世界に貸出より預金残高のほうが多い銀行なんて、あるの? その銀行は、どうやって稼いでるの?というのは、たいがいは流動性準備などでマネーマーケットで運用している部分がありますので、一般的傾向としては貸出残高より預金残高の方が多くなりがちです(むしろ、かつての都銀など、貸出残高が多すぎると問題視されたものです)。詳しくは「預貸率」でぐぐってみて下さい。

その最たる例は、まさに大屋先生が触れた小室先生のロッキード裁判批判と、立花隆さんによる反論でした。その詳細を記した「ロッキード裁判批判を斬る」シリーズは、文庫単行本ともに絶版なのが惜しまれますが、一般論として妥当する、刑事裁判とは国家が国民を有罪とし得るかどうかが試される場であるという命題のみをもって、全てを割り切る危険というものに気付かされたものです。

#幸いにしてこの論争については、Apemanさんによる「言論界のLiving Dead、ロッキード裁判批判論をいま一度斬る」で追体験が可能です。

最後に小室先生の著作を購入したのがいつなのかは、もう思い出せないほど昔のことになりますが、今でも書店を新作が賑わせています。それを見ると、自分とは目指す方向が違ったが故に別れてしまったけれども、決して嫌いになったわけではないかつての恋人が活躍する姿を見るように、甘酸っぱさとほろ苦さが同居する不思議な感覚に、webmasterは今でもときとして襲われるのです。

[sports]PRIDE GP 2005 1st ROUND 勝敗予想(その3)

第5試合:アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラvsダン・ヘンダーソン

第2試合に並ぶ好カード。正直、webmasterごときではどっちの技術が優れているかなど、考えたところで憶測すら無理です。でも、この試合、絶対にテレビではカットされまくりそう・・・。

ヘンダーソン勝利と予想しますが、根拠は場数だけです。

第6試合:桜庭和志vsユン・ドンシク

田村が出場できなくなった段階で、桜庭の出場もとりやめさせてほしかったです。PRIDEがここまで人気を博すようになったのはひとえに桜庭の功績なのですから、最後の願いであろう田村戦をなるべく早く実現して、引退させてあげましょうよ(高田に続いて因縁の人の介錯役となる田村がいやがるのはわかりますが)。

勝敗自体は、さすがに総合未経験のユンに桜庭が後れを取ることはないでしょうが、むしろ2回戦が不安です。2回戦に勝ち残るであろう誰を考えても、桜庭の今の実力では苦しいと考えざるを得ませんが、そこで大怪我でもして田村戦を実現しないまま引退になったらあまりにもかわいそうです。吉田あたりと当てて安全に1回戦で敗退させてあげるのが人情だと思うのですが、人気を考えて2回戦まで引っ張ることにしたんだろうなぁ・・・。

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2005-04-23

[computer][law]リーガルパターンの可能性

「オープンな法体系(SF小説風)」(@isologue4/17付)において、法令や契約書のxml文書化を通じた自動処理の可能性が語られているわけですが、webmasterの見立てとしては、そちら方面には進まないように思います。

というのも、その補足に当たるエントリで紹介されているLegal XMLはどういうスキーマを定義しているのか公表されていないようですのでよくわかりませんが、例えばLegislative Documents in XML at the United States House of Representativesでは、かつてwebmasterがやっていた「法令XML文書化計画」同様、あくまで文書構造のマークアップのためのスキーマを制定しています。

#Legal XMLは法律そのものよりも契約書や判例などのXML文書化がメインのようですので、実は話が違うのかもしれませんが。

したがって、XML文書化した際にエンリッチ化される情報は、あくまで意味の解釈には立ち入らない部分に限られることになります。察するに、法令そのものを抽象化するに、構造を抜き出すだけでも使い道が多々ある一方で、解釈にまで立ち入ると議論が多岐にわたりすぎ規格化が困難でしょうから、まずできることから先行させているのでしょう。

磯崎さんが考察の端緒としたISDAの定型契約などは、意味も固定化されているでしょうから、解釈についても規格化に向いているのでしょうけれども、法令一般となると、およそ森羅万象が対象となり得ますので、なかなか解釈にまで踏み込むことは将来においても難しいのではないでしょうか(webmasterが悲観的に過ぎるのかもしれませんが)。

むしろ、法令についてコンピュータ関連の知見を活用するのであれば、かつてコードといえばいわゆるプログラムを普通は指しますが、法律もまたコードでして、実際のところ俗に言うプログラミング(コーディング)と法案作成作業は非常に似通っているものですwebmasterは書きましたが、磯崎さんのエントリにtrackbackされていた「三権分立とプログラマー」(@404 Blog Not Found4/20付)において、逆にプログラミングをする立場からも常々思って来たことだが、法律というのはプログラムに似ている。そのものだといっても言い過ぎではないとすら思うとのご意見が出ておりますので、この観点からのアプローチが考えられるのではないでしょうか。

#当該エントリでは、政治家のみなさんも、そろそろシスアドどころかオペレーターに過ぎない役人に起法させるのではなく、立法家となってもらいたいものだとの言及もありますが、これについては、コーディングなんぞ役所(議院・政党に専属スタッフを置くという手もありますが)にさせればよく、政治家には要求分析・定義や品質検証に注力していただくべきではないか、と思わないでもありません。

具体的には、システム開発プロセスについての膨大なノウハウの転用です。クライアントのニーズに基づいてコードを作り出すという点でソフトウェア開発と法令や契約書の作成が同じ構造であるのなら、webmasterはよく知らないので実は的はずれなのかもしれませんが、例えばRUPなどから官僚や弁護士が学べることは非常に多いのではないかと期待してしまいます。

#個人的にはエクストリーム・プログラミングに興味があるのですが、ケント・ベック「XPエクストリーム・プログラミング入門」は訳が悪いと聞き、いい本は何だろうかと探しております。もしお薦めのものがありましたら、ご教示いただければ幸いです(原書を読め、というのは除いて(笑))。

少なくとも、webmasterが趣味的にUMLをかじっていることから感じる限りにおいては、モデリングの部分において学ぶことは多いといっていいでしょう。もちろん各種のギルド的な伝承として、少なくとも霞が関においては同様の作業が行われているわけですが、それはあくまで職人芸的・属人的な技の寄せ集めです。

その結果として生じるであろう結果のばらつきを防止するという意味もあり、役所の中では関係部署間での相互チェックが文書により頻繁に行うなど、組織として、その構成員による多人数チェックが行われているわけですが、以前書いたように霞が関における人員削減・人材の質の低下・仕事量の増加という傾向を踏まえれば、遠からずオーバーフローか品質の低下は不可避でしょう。

であるなら、わざわざ多大な時間とコストをかけて職人芸を伝授しなくともすむよう、作業自体を定型化しフールプルーフ的に一定のレベルを確保できるようにするのは、今後の霞が関にとって実効性のある対策ではないかとwebmasterは思います。ユースケース図を作成してニーズを分析し、クラス図を作成して枠組みを練り込み、・・・というUMLがベストかどうかはわかりませんが、ゼロから作るぐらいならベターであってもUMLでやる方が結果として有益でしょう。幸いにしてビジネスモデリングの実例はどんどん集積されていますから、転用も容易ではないかと思います。

#という問題意識から、マーチン・ファウラー「アナリシスパターン」を読みたいと思いつつ、実現はいつのことになるやら・・・。

webmasterの勝手な思いこみとしては、こうした作業は霞が関以上に弁護士業界や企業の法務部門で進む余地があるのではないかと思います。段違いに従事者の数が多いので手法の統一が図られることのメリットは大きいでしょうし、なにより各種書式集の出版量が市場規模の大きさを伺わせます。上記「アナリシスパターン」やエリック・ガンマ他「デザインパターン」のように、「リーガルパターン」「コントラクトパターン」が出版されるようになれば、法律関連事務の効率化が相当程度図られるのではないかと思うのですが・・・。

#でも、実際に法務に携わっている方による業務プロセス自動化についての見方を拝見する限り、webmasterが思うほどには単純な話ではないのかもしれません。

[sports]PRIDE GP 2005 1st ROUND 勝敗予想(その4)

第7試合:クイントン・“ランペイジ”・ジャクソンvsマウリシオ・ショーグン

ショーグンはいい選手だと思いますが、やはりジャクソンが上でしょう。シウバに勝てないがために弱いイメージで見られがちですが、実際のところ、最近はシウバ以外にはまったく負けていないわけですから。

第8試合:吉田秀彦vsヴァンダレイ・シウバ

シウバは立ってよし寝てよしの選手ですが、彼が負けるとすればスタンドだとwebmasterは思っています(エメリヤーエンコ・ヒョードルにも相通じますが)。とすれば、今回のトーナメントでシウバを倒す可能性があるのはボブチャンチンかベウフォートであって、吉田では難しいように思います。寝技にはつきあわず、スタンド中心でシウバの勝ちと読みます。

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2005-04-24

[sports]PRIDE GP 2005 1st ROUND 結果

 予想結果寸評
第1試合ランデルマン中村1Rが放送されていないので推測ですが、スタミナ切れを誘った中村の作戦勝ちでしょう。
第2試合アローナアローナ予想通り放送がカットされまくりでした。日本人がらみのどうでもいいような情報を何度も繰り返し放送する時間があったら、きちんと全試合放送してほしい(無理なら、後日深夜に別編集でもいいので)と思うのですが。判定までいきましたら、最初から最後までというのは難しいのでしょうけれども。
第3試合ボブチャンチンボブチャンチン思ったより近藤が何もさせてもらえませんでしたが、いまだにwebmasterはパンクラス幻想にとらわれているということなのでしょう。ボブチャンチンはボブチャンチンで、スタイルをエメリヤーエンコ・ヒョードルに倣って変えてきたということなのでしょうか。あれだけパウンドを放り込んで決めきれないのは、慣れてないゆえか、向いてないゆえか。
第4試合ベウフォートオーフレイムこれまたカットされまくり。1Rで終わっているのですから、全部放送できるはずです。オーフレイムは、放送された限りでは見事な試合運びでしたが、あの体格ですと、もう少し鍛えるとミドル級にとどまれないかもしれません。
第5試合ヘンダーソンノゲイラノゲイラは、トップランカーとも互角に戦えることを証明しました。シウバとショーグンによるCBA(Chute Boxe Academy)同門決勝の可能性が語られていますが、アローナとノゲイラによるBTT(Brazilian Top Team)同門決勝なんてこともあり得ないわけではないでしょう。そのためには、ノゲイラは、噛み合わせもありまだシウバには勝てないでしょうから、アローナがシウバを(トーナメントの組み合わせとして)当たって勝つ必要があると思いますが。
第6試合桜庭桜庭順当。しかし桜庭、次はシウバと戦いたいだなんて無茶でしょう、といいたいところですが、誰を見ても危険な相手ばかりですし、さすがに中村とやらせるわけにもいかないでしょうし。
第7試合ジャクソンショーグンショーグン、たいしたものです。webmasterは過小評価していたのかもしれません。ジャクソンの戦意喪失というのも気になりますが、本当にショーグンの膝で骨折したのだとすればやむをえないでしょう。
第8試合シウバシウバシウバと2回連続で判定に持ち込んだというのも、吉田の金メダリストならではの結果だと思いますが、あの内容でスプリットデシジョンになるというは気になります。今後の課題として、選手だけでなく審判の国際化も進め、ボクシングのように公平が図られるジャッジ団が構成できるようになるといいと思います。
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2005-04-25

[notice]リンク元表示の変更

度重なるエラー発生でご迷惑をおかけしています。cacheまわりが原因であることまでは判明していることから、対症療法としてリンク元表示につきpluginを外してデフォルトに戻したので、それが原因であった部分については解消されているはずです。若干見づらくなると思いますが、事情をご賢察いただければ幸いです。

それ以外に、rssを吐き出すためのpluginがcacheファイルを使っているので、これもはずせば同種のエラーの発生は根絶できるとは思いますが、こちらはご活用の方々も多いと思いますので、当面は様子を見ようと思います。

[book]むしゃくしゃするガイドライン

むしゃくしゃして大人買いした。

本なら何でもよかった。

今は途方にくれている。

  1. 和仁陽「教会・公法学・国家」
  2. 梅本弘「流血の夏」
  3. 高橋慶史「ラスト・オブ・カンプフグルッペ」同続
  4. 「やっぱり勝てない?太平洋戦争」制作委員会(編)「やっぱり勝てない?太平洋戦争」
  5. 本田透「電波男」
  6. アルベルト・シュペーア「第三帝国の神殿にて 上」同下

#3番の続編発売を受けて、正編も売っているのかなぁと期待し、それに5番を買うのが目的だったのですが、1番や6番も売っているとは、ジュンク堂おそるべし・・・。なお、Kyonさんにご推薦いただいたロバート・C・マーチン「アジャイルソフトウェア開発の奥義」は、まだwebmasterにはレベルが高すぎると判断し、今回は見送りとさせていただきました。せっかくのご好意を無にする形となり、本当に申し訳ありません。

[comic]現在官僚系もふ・第7話

取材が甘いとか、主な舞台であるはずの職場の話が出てこないとか、エリートのはずの秘書課長がバカにしか見えないとか、そういったレベルの手前として、初の前後編の今回はいろいろヤバいです。スピリッツの編集部が、こんなに低レベルだったとは。

  1. 前編最後のシーンと後編最初のシーンの不連続
    1. 前編最後ではもふは座っていますが、後編最初では立ってます。
    2. 前編最後のもふの台詞は「ボクがいたら消費税が10%・・・いえ、20%になってしまうんです。」ですが、後編最初では「ボクが財務省にいたら、消費税が20%になってしまうんです!」
    3. 秘書課長の表情、前編最後では怒ってますが、後編最初では蒼白になっています。
  2. 主計局総務課長の不思議
    1. わざわざ電気消したの?
    2. 前編では曲がりなりにも対戦形式の駒の配置になっていましたが、あの自分の手駒のみの盤面はどういう意味?(しかも二歩ですし。)
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2005-04-26

[politics]安保理常任理事国入りを目指すべからざる理由

4/19の「日米関係と日中関係」について、「ちょい突っ込み」(@ネット樹海の魔窟から4/21付)にて次のようなご指摘をいただきました。

>#振り返るまでもなく、まずは安保理常任理事国入りをやめるのがベストだとは思いますが。

工エエェェ(´д`)ェェエエ工

それをやめるって事は、「日本は中国の反日暴動に屈します」って言う事に他ならないんですけど〜?

なぜベストと思うかの説明をせず結論だけ言ってしまい気になっていましたので、ご指摘をいただいたのをいい機会に、きちんと説明したいと思います。

#もう一点、前半は特に異論は無いのですが、中段の「乱暴にまとめるなら〜」以降は首を傾げてしまいます。(中国・韓国・北朝鮮以外の)アジアの国々こそは中国の軍事力(+外資招き入れての経済ドーピング)を背景とした恫喝外交に戦々恐々としているのが現実だと思うのですけどね。とのご指摘については、中国と日本以外の諸国との関係は取り扱っていませんので、webmasterのテキストと矛盾はないと思っています(例えば戦前の日本だって、アメリカを恐れる一方で中国を恫喝していたわけですし)。

といっても非常に簡単な話で、骨格は次で尽きています。

  1. 常任理事国となって拒否権を持つのは労多くして功少なし。
  2. かといって、拒否権のない常任理事国となるのはドイツ、インド、ブラジルとの関係で難しい。
  3. よって、常任理事国にはならない方がいい。

第1点ですが、外務省による国連安全保障理事会改革:なぜ日本が安保理常任理事国になるべきかを見ても、拒否権が大きな意味を持つものとは考えられません。

他方で、拒否権の今までの使われ方を見れば、その最大の効力は自国に対する非難決議をブロックする際に発揮されることは明らかです(また、そういう使い方でなければ、万が一日本にとって拒否権行使が必要な場合、アメリカが代理行使してくれるでしょう)。とすれば、常任理事国となり拒否権を獲得することによって、非難決議の対象となるようなことをするに当たってのハードルが下がるわけですから、実際にそのようなことをする危険性が高まると受け止める国(=中国)がいてもおかしくありません。

前回のエントリで現在の日中関係を戦前の日米関係になぞらえましたが、例えばワシントン軍縮条約やロンドン軍縮条約の際に統帥権干犯を持ち出したりして海軍が抵抗したのも、アメリカは日本に攻撃を仕掛けるつもりなど全くなかったにもかかわらず、主力艦対米比率60%(ワシントンの際)や補助艦70%未満(ロンドンの際)では負けるという見通しからだったわけです。

#オレンジプランとかを持ち出して、アメリカは日本を攻撃する気だったというのはなしです(レッドプランが対英戦争の準備ではない(その他グリーンプランなどもありましたし)のと同様です)。ちなみに軍縮条約がなければ日本の経済破綻は明らかで、喜んで締結すべきものだったのですが。

中国は当事者なので除外するとしても(中国との関係については後で詳述します)、外交なんてものはgive and takeの世界ですから、日本が常任理事国になることに対する賛成を取り付けるには、必ず何らかの見返りが必要になります。仮に今までの経済援助等の恩返しで今回は新たに見返りを出さずに済むとしても、その恩返しは他にだって使い道があるわけですから、機会費用的な意味で見返りを提供したのと同じことになります。

ですから、将来安保理において日本への経済制裁決議を拒否権で葬り去るようなことを本気で考えていなければ、そんなものをコストをかけて取りに行く必要はないのです。

第2点ですが、じゃあ拒否権なしでいいから常任理事国に、ということになると、当然ながら今回同様に候補となっているドイツ、インド、ブラジルも横並びとならざるを得ません。インドは潜在的な紛争当事者ですから拒否権はあった方がいいに決まっています。ブラジルについては、日本にとってのアメリカのような安定的に拒否権を代わりとなって行使してくれる国がありませんから、日本にとってのそれ以上に意味があるといえます。

ドイツは、自国だけを考えれば日本と同じぐらいいらないとも思えるのですが、一筋縄でいかない隣国フランスが気になります。日本の拒否権あり常任理事国の地位にまで賛成していることと、イラク戦争時の立ち回りから憶測するに、アメリカへの対抗策として拒否権保有国の数を増やしたがっているように見えます。

どういうことかと言えば、フランスのスタンスが積極的に何らかの議案を通そうとするのではなく、アメリカの積極的行動(それこそイラク戦争がその例ですが)をなるべくさせないというものである場合、拒否権の数が多くて困るということはありません。仮に日本がアメリカと完全に同じ判断をするとしても実害はありませんし、1%であっても違う判断をする可能性があるなら、その分だけアメリカにとってハードルは高くなります。

まして、ドイツはアメリカよりはフランスと共同歩調をとることが多いでしょうから(何度も例に出しますが、イラク戦争の時がそうでした)、フランスはドイツに拒否権を是非とも持ってほしいでしょうし、であるならドイツにとっても、自国に直接利益はなくとも、フランスに恩を売れるという間接的な利益があるわけです。

#裏を返せば、アメリカが消極的とはいえ日本の拒否権あり常任理事国の地位を支持するというのは、よくよく日本を大切に思ってくれていることの証拠でもあります。ま、国連軽視路線をとっているからこそのスタンスで、一方的に恩義を感じるべきものでもありませんが。

以上から、もし日本が拒否権なんていりません、なんてことを言い出せば、それに引きずられる国々からさぞかし恨みを買うであろうことは明らかです。だから、常任理事国入りを目指す限り、拒否権つきでと要望せざるを得ません。

そして第3点。上記で「後で詳述」としていた点について触れます。既述のとおり外交の世界はgive and takeですが、日本にとって相対的に価値が低い(一方で相手にとって相対的に価値が高い)ものをgiveすることにより、日本にとって相対的に価値が高い(一方で相手にとって相対的に価値が低い)ものをtakeできれば成功といえます。

常任理事国入りを諦めるというカードの中国にとっての価値の高さですが、まず既述のように、日本からは軍事的挑発を受けないという安心が得られるというのは大きいです。また、経済を筆頭にどこをとっても日本への劣等感を強いられる中、中国が優越感を感じられるのは常任理事国であることと核保有国であることとオリンピックのメダルの数と歴史の長さぐらいなものですが(指導部がそのような感情論に囚われるかどうかはともかく、国民レベルでは)、その貴重なお宝の1つを守ることができるわけですから、これまた非常に意味があります。

まして、最近、もっとはっきり書けば小泉政権発足後の日本の対中姿勢は、中国にとって不安をいや増すものでこそあれ、安心材料が得られるものではまったくありません。この点の分析については、伊藤惇夫「"暴言反日大使"王毅の大いなる誤算」(「諸君」2005.5号、pp74-83)が非常に参考になりますが、要すれば今までの路線が大幅に変わり、従来からのパイプは使い物にならなくなり、しかもそれらを日本国民が概ね支持しているわけです。

このような状況に照らせば、中国は日本の常任理事国入りに拒否権を行使せざるを得ませんが、そんなことをすれば残りの常任理事国候補国の恨みを買うこともまた必定ですし、そのようなエゴイスティックな拒否権行使が招く国際的反発も少なからぬものとなるでしょう。国内事情を立てれば国際情勢の悪化を招き、国際情勢に配慮すれば国内治安の悪化を招くわけですから、そもそも日本が候補国でなくなることは、非常にありがたいことになるわけです。

#バラの議案となればいいのですが、その他の国連改革議案も含め、バラせば各論反対でまとまるものもまとまらないでしょうから、高い確率で一括議案になると考えられます。

他方で我が国の状況を考えるなら、常任理事国入りの放棄と同じぐらい高値で売れそうなカードを考えると、もっと「謝罪と反省」をするとか、靖国参拝をやめるとか、教科書をどうにかするとか、そういったものとなりますが、これらは世論の反発が想定され(日本)政府としても切りづらいですし、何より相手国が中国(と韓国)であることがあまりにもあからさまで、それこそネット樹海さんご指摘の屈服に見えてしまいます。

#そもそもこれらには、中国国民はともかく政府にとっては常任理事国カードほどは意味がなく、実際には低い値段しかつかないだろうと予想されるのですが。

その点、常任理事国カードは、そもそも国民的関心の度合いが他に比べて弱い(というのには外務省は異論があるかもしれませんが(笑))上に、相手は国連全加盟国なわけですから、既述のとおりそもそも得るものが少ないものを諦めるに過ぎないという実利に加え、メンツや世論との関係においても、切ってしまっても問題が小さいといえます。

したがって、このカードを切る換わりに、在中邦人・資産の将来にわたる安全確保はもちろんのこと(もちろん他国にも同様の取扱いが及ぶでしょうから、それらの国への貸しにもなり一石二鳥です)、東シナ海開発についての合意、酸性雨や黄砂の原因となる環境問題への取組強化などの見返りを得る方がよほど日本にとって得策であると、webmasterは考えているのです。

嫌らしい言い方をすれば、中国が大失敗をしでかして周章狼狽している今、そこにつけ込むしたたかさを持たなくてどうするのですか、相手のレベルに自ら降りていってせっかくの機会を手放すのはもったいないと思いませんか、ということなのです。

[misc]ケサランパサラン

がwebmasterにとっては一番宇宙語に近いです、ハイ(妖怪だという説もありますが)。

#ネタもと:男性にとっては、化粧品の製品名や用語が異国語(むしろ宇宙語)のように見える、との話を聞いた。 in 「使用化粧品」(@ダメ東大女子の単位奪取録(旧・備忘録)4/24付)

[game]九州スタートがお薦め

天下統一IIについて、ゲームの性格上、中四国〜北九州が最後に扱う地方になることが多いroi_dantonさんがおっしゃっていますが、もったいないですよ!

九州三国志のメンツ(大友、龍造寺、島津)から選んでも、残り2家と毛利という強敵と序盤から競うことになりますから、ゲームの醍醐味である序盤の緊張感を満喫できます。ましてそれ以外の大名を選べば、政戦略を間違えると即死亡である一方、うまく同盟・従属先を選んで立ち回れば思わぬチャンスが転がってきますので、あれこれ悩む甲斐があるというものです。

なお、ゲームに登場する城は431あり、ロワはまだその1/3程度しか回っていないのですが、8割くらいまではおおよその所在地が分るようになりましたとのことですが、全てのおおよその所在地がわかるようになりましたら、是非ともAliceの戦国史に次なる目標を定めていただければ(笑)。

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2005-04-27

[economy][WWW]ドラエモンさんの引退に寄せて

532: ドラエモン  2005/04/26(Tue) 01:30
花粉飛んでる間は気候の良いところに隠居してカキコしなきゃ、あんたみたいなストーカーも消えてくれると思っていた俺が甘かった(苦笑)

つーことで、カキコしながらこいつの恥ずかしいコメントをスルーできるほど人間のできていない小生には、もう限界です。まあ、5年も続けて書きたいことは大体書いてしまい、ネタ切れともなったことですから、ここらで親指君のご要望にお応えして、尻尾を巻いて撤退ということにしようと思います。

長い間、どうもありがとう。大事件でもあれば、bewaad氏のブログのコメント欄ででもお目にかかることになるかもしれませんが、本掲示板でのカキコは、このレスをもって最後にさせて頂きます。さようなら。

経済板ロビーvol.15@経済/経済学@いちごびびえす

この件に限ってwebmasterの感じたことを申し上げるなら、本当にお世話になりました、ありがとうございました、ということに尽きます。単なる法学部卒の、経済学の素養がまるでないwebmasterが、あくまで素人の域にとどまるものではありますが、まがりになりにも経済事象について自分の言葉をネットで語ることができるようになったのは、ドラエモンさんに多くを負っています(そのあたりの経緯はかつてまとめたことがありますので、物好きな方(笑)はご覧下さい)。舞台がどこであれ、今後のご活躍を祈っております。

他方、個人としてのドラエモンさんのご判断とは別に、ネットにおける経済に関する議論のあり方を考えると、今後に不安を感じるのもまた事実です。どのような不安か、まずはドラエモンさんの引退発言を受けてのレスのうち、webmasterが一番なるほどと思ったものを紹介しましょう。

551: 名無しさんの冒険  2005/04/26(Tue) 14:19
親指のせいというのはいいわけだろ。要するに知的興奮がなくなったんだよ。トンデモ経済論にはほぼ全て反論が用意できて、後は馬鹿相手にその反論を繰り返すだけという状況にむなしさを感じるのは当然。むしろあれだけ人物が今までよく付き合ってくれたもんだよ。

板全体の書き込みもずっと前から減ってたし、特に優秀な人間の数が減っていた。粘着を我慢しておつりがくるほど面白い場所ではなくなったということ。

もう少し俯瞰的・中長期的な観点からは、田中秀臣先生が次のような見解を示されています。

90年代のある時期から新世紀の最初の数年間において、ネット経済論壇に甚大な影響を及ぼしたサイトとして、苺経済板と黒木掲示板、さらに山形勝手に部室があったと思う。この三者における参加者はそれぞれ互いのサイトでも活動しており、その交流の頻度と濃度は高かったように思う。

これらのサイトは最初のものを除き、長い休眠状態にあるか閉鎖されてしまい、その「歴史的役目」を終えてしまったと思う(この点、稲葉氏のユリイカ論説を読んでみたい)。また苺経済板も各種のブログの登場、油断するとすぐに陥る2ちゃんねる経済板との代替性の高まり などの中期的なトレンドの前で苦戦中である。

すでに私は2002年末ぐらいまでのこのネット経済論壇の整理を行ったことがある。その中ではこの三者のサイトが中心的な位置をしてめいたわけだが、それからわずか2年半あまりでネット経済論壇の主役が大幅に入れ替わったのはやはり驚きを禁じえない。ただし現時点では、「主役」とよべるサイトが不在であり、いくつかの経済系ブログが相互にネットワークを形成し、かなりな密度で展開していることが特徴としてあげられるであろう。

#補足しますと、黒木掲示板とは東北大学の黒木先生が運営する黒木のなんでも掲示板2、山形勝手に部室とは先日閉鎖された山形浩生勝手に広報部:部室(最終ページ及びそれ以前を読むことは可能です)のことです。稲葉先生のユリイカ論説とは、ユリイカ2005年4月号の特集*ブログ作法中の「BBSからブログへ」(pp112-117)のことです。2002年末ぐらいまでの整理は、田中先生のblogの別エントリで読むことができます。

田中先生のいう「歴史的役目」とは何かと想像するに、ネット上でのものを含めた知的ストックの蓄積ということではないかとwebmasterは思います。これについては、前世紀末に比べれば格段に進んだことは間違いないでしょう。

しかし、サロン的な交流の場として見れば、今でもそうしたニーズは存在するでしょうし、いちご経済板がそうした機能を徐々に失いつつあるのは残念に思います。・・・機能が失われつつあるというなら、こうしたニーズも既に過去のものなのかな? 違う意味で残念なことながら・・・。

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bewaad [その意味では、(山形部室の閉鎖の原因は知りませんが)管理人が適度に介入する場所の方がコテハンにとって居心地はいいのだ..]

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2005-04-28

[economy]「真の失業率」推計最新版(2005-03現在)

一昔前には、次のような表が2ちゃんねるなどでよく貼られていたのですが、最近あまり見ないような気がします(ぐぐって見つかった中ではもっとも新しいデータ(2004年5月分)を含むものを掲載しました)。

年月  完全失業率 真の失業率  就労者人口   就業者数 非自発的失業者数(推計)
1990    2.1%    3.2%    10,089    6,249    204
1991    2.1%    2.4%    10,199    6,369    155
1992    2.2%    2.2%    10,283    6,436    142
1993    2.5%    2.8%    10,370    6,450    183
1994    2.9%    3.4%    10,444    6,453    228
1995    3.2%    4.0%    10,510    6,457    266
1996    3.4%    4.1%    10,571    6,486    276
1997    3.4%    3.8%    10,661    6,557    262
1998    4.1%    5.1%    10,728    6,514    348
1999    4.7%    6.3%    10,783    6,462    435
2000    4.7%    7.0%    10,836    6,446    485
2001    5.0%    7.9%    10,886    6,412    551
2002    5.4%    9.4%    10,927    6,330    660
2003/1-3  5.5%    11.1%    10,942    6,221    778
2003/4-6  5.5%    9.3%    10,960    6,359    652
2003/7-9  5.1%    9.3%    10,970    6,362    655
2003/10-12 4.9%    10.0%    10,976    6,322    699
2004/1   4.9%    11.6%    10,983    6,212    813
2004/2   5.0%    11.4%    11,029    6,251    804
2004/3   5.0%    10.7%    10,990    6,279    751
2004/4   5.0%    9.7%    10,997    6,354    680
2004/5   4.8%    9.2%    10,995    6,389    644

総務庁統計局 労働力調査(http://www.stat.go.jp/data/roudou/2.htm)より人数の単位は万人。
真の失業率は、最も雇用状況がよかった1992年の就労率64%を基準に、非自発的失業者数を逆算して求めた失業率を表す。
就業者数の減少に着目して欲しい。というか、2004/1の失業率は過去最悪。その後の回復は季節要因。

一昨日、2004年度の失業率が公表されたので、2005/3まで計算してみたところ、次のような結果となりました(ソースは同じです)。

年月  完全失業率 真の失業率  就労者人口  就業者数 非自発的失業者数(推計)
1990    2.1%    3.2%    10,089    6,249    204
1991    2.1%    2.4%    10,199    6,369    155
1992    2.2%    2.2%    10,283    6,436    142
1993    2.5%    2.8%    10,370    6,450    183
1994    2.9%    3.4%    10,444    6,453    228
1995    3.2%    4.0%    10,510    6,457    266
1996    3.4%    4.1%    10,571    6,486    276
1997    3.4%    3.8%    10,661    6,557    262
1998    4.1%    5.1%    10,728    6,514    348
1999    4.7%    6.3%    10,783    6,462    435
2000    4.7%    7.0%    10,836    6,446    485
2001    5.0%    7.9%    10,886    6,412    551
2002    5.4%    9.4%    10,927    6,330    660
2003    5.3%    10.0%    10,962    6,316    700
2004    4.7%    10.0%    10,990    6,329    705

2004/1-3  5.0%    11.3%    10,983    6,236    793
2004/4-6  4.8%    9.4%    10,992    6,372    663
2004/7-9  4.7%    9.3%    10,988    6,379    653
2004/10-12 4.4%    10.1%    10,998    6,326    713
2005/1-3  4.7%    11.3%    11,003    6,248    794

2005/1   4.5%    11.1%    11,004    6,261    782
2005/2   4.7%    11.6%    11,003    6,224    818
2005/3   4.8%    11.1%    11,003    6,260    782

高齢化が進んでいる(例えば表がスタートする1990年における老年人口比率(生産年齢(15歳以上64歳以下)人口に占める65歳以上人口の割合)は17.3%ですが、2004年のそれは29.2%に上昇しています)ことを踏まえれば、1992年の就労率に基づく「真の失業率」推計値には上方バイアスが幾分かは含まれていると思いますが、就業者数の伸びが極めて鈍いことを考えれば、やはり完全失業率ほどには雇用状況は改善していないとみて間違いないでしょう。

[game]「島津は好きですが」(@Francis Drake Briefing Room4/26付)

当たり前のことではありますが、人によってプレイスタイルは違うもので。

  • 九州三国志組の中では大友でよくプレイしていました。高橋紹運が登場するまで島津をわざと生かしておいて、岩屋城の仇討ちをさせたりとか。
  • 九州征服後は、中国よりも四国経由で畿内進出がwebmasterの好みでした。
  • 北条や長尾(及びそれらよりもさらに奥羽側の諸大名)は、大雪で進撃スピードが鈍る中、平均して城レベルが高い奥羽諸城を序盤に攻略するのが面倒なので、あまり好きではなかったです(といっても、伊達や最上、南部などでもプレイしたことはありますが)。終盤なら、大兵力・豊富な資金・多くの知謀の高い軍団長にものをいわせて強襲・内応を連発し蹂躙すればいいので楽なのですが(だから実は、長尾でも西進は乙なものだったりします)。
  • 織田で福島勝広を登場させるということは、今川を撃破した後さらに東進ということですけれど、webmasterが織田でプレイするときには、武田・北条と同盟を締結して西進していました。

#さらにいえば、島は島でも島本須美ですよ!

[comic]機動戦士ガンダム CDA 若き彗星の肖像(@ガンダムエース6月号)

約半分を占める下書きもどきは、何かの行き詰まりの兆候なんでしょうか(休載した前歴もありますし)。

ところで最終ページの柱、「シャア驚愕の理由はいったい?」の答えは、ハマーン様がツインテイルからついにあの髪型に変わるというものだと予想しているのですが、いかがなものでしょう?

本日のツッコミ(全349件) [ツッコミを入れる]

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lucyrandom[a..z]cx [ 将チ召ト8. Remove currently each of our connection. 9. The ..]

henryukk [ 将チ召トCleanse an individuals homeowners house making use ..]

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2005-04-29

[economy][BOJ]経済・物価情勢の展望(2005年4月)

金融政策についての記述から、特に重要と考えられる部分を強調しつつ抜粋します。

潤沢な資金供給は、金融システムに対する不安感が強かった時期において、金融機関の流動性需要に応えることによって、金融市場の安定や緩和的な金融環境を維持し、物価下落が企業収益の下落などを通じて経済活動の収縮を招くリスクを回避することに大きな効果を発揮した。さらに、こうした「約束」は、ゼロ金利の継続予想を通じて低利での資金調達を可能とし、企業収益を下支えるとともに、投資採算の改善をもたらした。

前述のように、現在、金融システムに対する不安感は後退してきている。このため、日本銀行の資金供給オペレーションに対する応札額が資金供給予定額に満たない「札割れ」が頻繁に生じていることにも現れているように、金融機関の流動性に対する需要も減少している。金融機関には量的緩和政策の枠組みのもとで資金調達に対する安心感が定着しており、緩和的な企業金融の環境が維持されている。さらに、消費者物価に基づく量的緩和政策継続の「約束」は、景気回復が続くもとでも企業が低い金利で資金調達することを可能としており、先行き、企業の将来に対する自信が強まっていくにつれ、金利を通じてより強い緩和効果を発揮していくと考えられる

今回の展望レポートが対象とする期間において、上記の量的緩和政策の枠組みを変更する時期を迎えるか否かは明らかではないが、今回の経済・物価見通しが実現することを前提とすると、2006年度にかけてその可能性は徐々に高まっていくとみられる。枠組みの変更やその後の金融政策運営については、経済がバランスのとれた持続的な成長過程を辿る中にあって、物価が反応しにくい状況が続いていくのであれば、余裕をもって対応を進められる可能性が高いと考えられる

最初の強調部分ですが、結局日銀は、量的緩和政策をプルーデンスに寄せて解釈するようです。そんな解釈をすると日銀法違反を犯していたってことになるよ、とは以前指摘した点ですが、とまれ、この一節が政策転換を正当化するロジックの前提となります。

つまり、金融システムに対する不安感が弱くなるか、金融機関の流動性需要が衰えるか、いずれかの条件が満たされれば「潤沢な資金供給」の「大きな効果」は発揮し得ない、ということになるからです。

#本来、流動性危機時のプルーデンス対応は特融の守備範囲です。ちなみに、経済・物価の将来展望とリスク評価 (2001年10月)には、わが国でも、9月以降、金融機関の流動性需要が高まったり、低格付社債の信用スプレッドが拡大する現象がみられておりという記述があり、量的緩和政策導入時(2001年3月)においては、流動性需要が増加していたわけではないというのが日銀の見解だったはずなのですが。

次の強調部分ですが、これまた以前書いたとおり、かつてはマネーマーケットオペと長期国債買切オペ(ネット)の双方で資金供給をしていたところ、昨年は後者での資金供給量がほぼゼロとなり前者のみでの対応を迫られた結果、ゼロ金利制約故に供給の天井に突き当たったというのがwebmasterの解釈です。

量的緩和政策導入時には、下記の通り札割れが起きれば長期国債買切オペ額を増やすといっていたのですから、これだって「約束」に含まれると解すべきでしょう。にもかかわらず、長期国債買切オペ額を増やさないまま札割れを理由に誘導目標を引き下げたとしたら、嘘つき呼ばわりされても甘受すべきです。

問6:日本銀行はこれまで、長期国債買い切りオペの増額に反対してきたのではないですか。

答:今回、新しい金融調節方式の実施にあたり、長期国債買い切りオペを増額するのは、あくまで、資金供給オペの未達(いわゆる「札割れ」)が多発するケースなど、所要の資金供給を円滑に実施するうえで必要と判断される場合です。したがって、今後も、国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的として長期国債買い切りオペを増やすということは考えていません。このような趣旨を明らかにするため、今回、これまでの「長期国債買い切りオペは銀行券に対応させる」という考え方を守り、銀行券発行残高を長期国債保有残高の上限とする明確な歯止めも用意しました。

(参考2)新しい金融調節方式Q&A(2001年3月19日、日本銀行)

次の強調部分ですが、ドラめもんさんの名付けたところによれば「相対性緩和論」が、総裁の個人的見解から日銀の組織的見解に昇格したようです。

「相対性緩和論」とは、要すれば流動性需要の代理変数として日銀当預残高を考えた場合、自然体で達成可能な当預残高と現に達成している当預残高の差分が金融政策としての超過供給額で、前者が逓減していく過程においては、後者が横ばいでも金融緩和効果が増加するし、さらには仮に後者を減少させたとしても、前者の減少分よりも後者の減少分が少なければ金融緩和効果が増加していることには変わりはない、という理論です。

つまり、金融緩和の度合いは当預残高の絶対額ではなく、自然体での需要額(自体に騙しの要素があるというのは既述のとおりですが)との相対的な関係で決まるとするのが「相対性緩和論」。ゼロ金利解除の際の「ダム論」もそうですが、あまり究極命題「バータリー」や「ドロナーワ」に支配された理論をひねり出すと後々墓穴を掘るでしょうに、と思うのはwebmasterだけでしょうか(笑)。

#これもドラめもんさんご指摘の点ですが、この理論に乗っかった場合、景気が悪化する際には(当預残高が)横ばいでも実質引締めだ、ということになりますので、日銀の見立てどおりに景気が推移しなければ当預残高を引き上げざるを得ず、自ら掘った墓穴に嵌ることになります。

最後の強調部分ですが、これは事実上解除3条件の見直しといってよいでしょう。つまり、直近公表の消費者物価指数の前年比上昇率が、単月でゼロ%以上となるだけでなく、基調的な動きとしてゼロ%以上であると判断できることが必要政策委員の多くが、見通し期間において、消費者物価指数の前年比上昇率がゼロ%を超える見通しを有していることが必要という条件について、その解釈上許される最下限を狙っているという宣言に等しいのではないでしょうか。

「物価が反応しにくい状況」というのは読んだだけでは意味不明ですが、今年2月の須田審議委員講演で次のように詳述されています。

先ほど、消費者物価を「広義公共サービス」とそれ以外に分けてそれらの動きをみてみましたが、消費者物価指数は総合では小幅のマイナスが続く一方で、「広義公共サービス」を除くと、消費者物価はここ数か月上昇していることが示されました。今後も「広義公共サービス」価格の下落が継続するとなると、景気が回復し、「広義公共サービス」を除いた物価は上昇したとしても全体では消費者物価がゼロ近傍に止まる可能性は排除できません。

景気見通しは明るいだの、広義公共サービスを除いた部分では上昇しているだの、いろんな理屈をくっつけて量的緩和政策の解除を正当化するにおいがしませんか? いきなり30兆円をないものとするわけにはいかないでしょうから、まずは来月か再来月あたりに20兆円ぐらいまで誘導目標を引き下げて、その影響を見ながら来年中の完全解除=無担コールO/N金利の実質ゼロ金利解除というのがねらいだと思います。

こわいこわいいんふれにたいして、ここまでぷりえんぷてぃぶなかたちでめをつんでくれるちゅうおうぎんこうをもって、にっぽんこくみんはじつにしあわせだなー(棒読み)。

#でもロイターの配信では、「余裕をもって」の言葉に引きずられて、この部分は量的緩和政策撤廃を後ろ倒す可能性を示すものだと解釈されています。日銀文学の粋を集めた甲斐があるというものでしょう(笑)。

[economy][book]形而下で形而上と闘う?

経済学的道具立てを駆使した具体的な議論の前に、イデオロギー的論争にもガチで臨んでいる。

「ジャディシュ・バグワティ『グローバリゼーションを擁護する』(日本経済新聞社)」(@インタラクティヴ読書ノート別館の別館4/28付)

内容については読んでから判断するとしても、スタイルとして学ぶべきところが多いような予感がします。忘れないようメモ。

#バグワティを読むのは(まだ買ってませんが(笑))かつてゼミで取り組んで以来です。懐かしい・・・。

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2005-04-30

[notice]成りすましメールにご注意

webmaster@bewaad.comのアドレス(もちろん正しくは、@は半角です)から、成りすましメールが配信されているとのご連絡をいただきました。

まず、これまでwebmaster宛にメールを送付したことのない方々につきましては、webmasterがそのメールアドレスを知る由もありませんので、上記メールアドレスからのメールは、基本的にすべて成りすましメールであるとお考え下さい。

また、これまでメールいただいた方々には、可能性としては何らかのご連絡をさせていただくことがないとは限りませんが、その際であっても、何の事前連絡もなしに添付ファイルのあるメールを送付することはございません。もしこれに該当しない添付ファイルのあるメールが送付された際には、これも成りすましメールであるとお考え下さい。

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