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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-05-06

[law]裁判員などめんどうに決まっているじゃないか

全体を読まずに言うのもなんですが、「裁判員制度」(@gachapinfanのスクラップブック)で紹介されていた、丸田隆「裁判員制度」における、裁判員がめんどうだという人に向けての次の言い分はひどいでしょう(ただし、日刊ゲンダイの書評経由の曾孫引きであることをお断りします)。

重要な権力機構に国民が参加するのは民主主義の前提。裁判は専門家に任せておけばよいというのは、日本の政治家は世襲だから十分信頼できる、一般市民が投票になど行く必要はない、という理屈と同じです。

いくらなんでもそんな無茶な理屈はありません。裁判に民主的統制を効かせるのに国民が直接参加する裁判員制度を立法府の活動に置き換えるなら、代議制でなく直接民主制を採用することの方がよほど近いでしょう。いちいち国会審議に国民が直接参加しなければ民主政じゃないとでも?

#司法への民主的統制のあり方にしても、アメリカでの検事・判事の選挙制のように他の方法だってあるわけですし。

だいたい裁判員制度の議論で腹が立つのは、参加するのが当然だといわんばかりの法曹側の態度です。制度導入の理由として、司法に対する国民の理解・信頼の向上を法務省最高裁も挙げていますが、理解され信頼されるために自分たちが努力するならともかく、なぜ相手方に負担を求めるのか、ろくな説明がされていません。

仕事を離れて拘束され機会費用を負担させられるわけですから、インフレを税にたとえてインフレ税というぐらいならよほど裁判員税とでもいうべき負担のわりに、なぜそうした負担を求めなければならないのかの説明もないといいますか、そもそもそうした負担を課しているとの認識がほとんど感じられません。

webmasterごときの給料ならともかく、それこそホリエモンあたりが、支払われる日当では自分が仕事を離れることによるロスの埋め合わせにはぜんぜん足りないといって、憲法第29条第3項(私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる)違反だと訴えたりすれば痛快なのですが(笑)。裁判官の多くは機会費用なんてどこまでわかっているか知れたものではありませんし、そもそも日当の水準を決めるのが最高裁なので、絶対負けるでしょうけれど・・・。

[history][law]皇位継承の伝統

さらに同日のgachapinfanさんのエントリ、「皇室制度と家族通念」に関連して。本当に伝統を尊重するなら、皇室典範で機械的に皇位継承順を定めるのをやめ、天皇家の家長(院政がない現在では、イコールその時々の天皇ですが)が指名した者を皇嗣とする(憲法第2条(皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する)との関係上、条文を置かないわけにはいきませんので)ようにすべきでしょう。

以前にも少し触れましたが、そもそも天皇家がもっとも苦しんでいるであるわけで、それを伝統を重んじるといいながら国民の皇室への敬愛が維持できる皇位継承を考えることが、最も大切という産経新聞社説は、本当に皇位継承の歴史を踏まえているとは思えません。伝統を言うなら、以下の3パターンのいずれにも当てはまらない現在においては、あくまで天皇家の問題として口出しを控えるべきなのです。

  • 特定の系統が断絶し、かつ、皇嗣が定められていないケース
  • 時の天皇が世俗政権に反発・屈服し、世俗政権の指示を受けざるを得ないケース
  • 天皇家から世俗政権に対して調停等が依頼されるケース
本日のツッコミ(全10件) [ツッコミを入れる]
通りすがりの法曹 (2005-05-06 15:18)

なぜ法務省や裁判所は相手方に負担を求めるのかとのご指摘についてですが、法曹の中には、法曹の仕事ぶりが信頼されていないのために外部から裁判員制度の導入を求められのだという意識を持っている人が少なからずいると思います。ろくな説明がないのは、決められたことに粛々としたがっているだけだという意識があるからかもしれません。無責任な感じがしないでもありませんが、実際、引用されている丸田氏のコメントのように、裁判員制度擁護論は法曹に対する不信感を背景にもっていることが多いように感じます。

平手 緑 (2005-05-06 17:16)

もし私が裁判員に選ばれたら「自己の良心にもとづき、裁判員を拒否します。それでも選ぶというのなら、私は有罪にしか投票しません」と宣言するつもりです。そうすれば裁判員には選ばれないでしょうし、それでも選ばれたら、私は一言も話さず、票決にも加わらないつもりです。ちなみに、↑通りすがりの法曹さんの心情は理解できます。しかし、裁判員制度を導入すれば法曹の仕事ぶりは信頼されるかもしれませんが、司法制度自体が信頼されなくなると思います。
http://kabu-horoki.hp.infoseek.co.jp/tsurezure2.htm#20040120

(2005-05-06 18:08)

とっくにご存知かもだけどhttp://alicia.zive.net/weblog/t-ohya/archives/000031.htmlとか。制度への賛否が述べられているわけではないけど、為念。
ところで、もしも裁判員制度が採用されたとして、仰る様な行動(票決不参加)は司法制度への信頼をさらに損なうだけでは?>平手さん

平手 緑 (2005-05-06 18:25)

「悪法も法」ではあるが、なるべく悪法(ポピュリズム司法制度)には加担したくないから。>村さん

すなふきん (2005-05-06 22:25)

私も平手 緑さんにほぼ同意。そういえば構造改革論者ほど裁判員制度にも賛成するという傾向が見受けられるようですが、これって偶然ですかね。それとも何か価値観として共通項があるんでしょうか?

roi_danton (2005-05-06 22:34)

暴論ですが。
賛成した人たちの中には、裁判員をアガサ・クリスティの小説に出てくる陪審員と同程度にしか考えていない人がいるのでは? 法曹の知識がなくても、自分の思い込みで有罪・無罪の表決に参加したいとか。部下の勤務評定をつけるのとは訳が違う(重みが違う)んですけどね。

saibanin (2005-05-07 00:33)

>裁判員制度
でも,裁判所の切実な願いは,裁判員制度に伴う事務量増加のための人と金を増やして欲しいということだったりする。
その辺の感覚,bewaadさんなら,分かっていただけますよね?

bewaad (2005-05-07 04:57)

>皆様
さまざまな観点からのコメントありがとうございます。このテーマについても、新しくエントリを起こして再論します。

もう少し情報処理能力が高ければ、もっとクイックリーに向き合えるのですが、ごめんなさい。

平手 緑 (2005-05-07 09:01)

その後、少し調べてて。。。
裁判員制度は地裁だけのようですね。ということは、地裁で国民によって選ばれた判決が、高裁でひっくり返ることもある。そのほうが国民の反発を受けそう。しかも、死刑相当罪しか裁判員制度がないということは「死刑判決を国民の手で出させて、裁判官への不満をそらしましょう」ってことか?

パネライ ベルト (2013-08-27 15:31)

ロジェベルト緩め方
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>> [http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/pukiwiki/?2005-05-04#fda5d00b] 効果が疑わしく国民の負担が大きい夏時間や裁判員制度に向けた取り組みは一度リセットしてはどうか。システムの改善で無駄が省けるところは山ほどあるはずだ。 〔コメント欄〕 国から赤紙..

bewaad氏が正当にも裁判員制度への疑問を呈しておられる。そもそも何で今頃になって裁判員制度が取りざたされ、ろくに国民の承諾も得ないで国会だけで「全会一致」で採択されてしまったのか、私にはどうしても理解できない。 裁判員などめんどうに決まっているじゃないか ..

Bewaadさんが、拒費用の負担を理由にして「裁判員などめんどうに決まっているじゃないか」と裁判員制度を批判されています。 仕事を離れて拘束され拒費用を負担させられるわけですから、インフレを税にたとえてインフレ税というぐらいならよほど裁判員税とでもいうべき負..


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