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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-06-03

[economy][BOJ]30兆円割れの記録

2005-06-01 18時ごろ
「日銀当座預金増減要因と金融調節」の6/1速報6/2予想が公表されました。前者による当座預金残高が31.36兆円、後者による当座預金増減が2.21兆円減、差し引けば29.15兆円の残高ということになるので、即日資金供給オペがないか足りなければ30兆円を割り込むことになります。
2005-06-01 19時過ぎ
経済財政諮問会議後の取材(多分、いわゆる「ぶら下がり」)において、福井総裁が当座預金残高の30兆円割れが見込まれることについて、「あすになってみないと分からない。市場の中で自ずと決まる」と語ったとの報道が出ました(ドラめもんさんのご教示によります)。
2005-06-01 夜以降
以上を受け、30兆円割れの可能性に触れる報道が出始めました。
2005-06-02 08時50分
5月分のマネタリーベース(前年同期比2.2%の伸び)が公表され、14ヶ月連続の前年同期比一桁パーセントの伸び率にとどまることが明らかになりました。
2005-06-02 09時20分
即日資金供給オペの定例オファー時間でしたが、オファーは見送られ、つまり資金供給オペはこの段階では行われませんでした。
2005-06-02 10時ごろ
「日銀当座預金増減要因と金融調節」の6/1確報公表。6/1現在での当座預金残高31.36兆円が確定しました。
2005-06-02 午前
オファー見送りを受け、30兆円割れが確実になったとの報道が出始めました。
2005-06-02 午前
水野温氏審議委員が「最近の金融経済情勢と金融政策運営」(福島県金融経済懇談会における挨拶)において、量的緩和政策の枠組みを長続きさせるためにも、当座預金残高目標の維持が「自己目的化」しないように、資金需要の減退に伴う受身的な対応として、当座預金残高目標を段階的に引き下げた方が良いと思います。その際、過去の資金供給オペをロールオーバーしない形で当座預金残高を自然体で引き下げることが現実的なように思います等の発言をしました。
2005-06-02 昼ごろ
谷垣大臣が、30兆円割れはあくまで技術的な話であり金融緩和の後退とは考えていないと語ったとの報道が出ました。
2005-06-02 13時ごろ
6/6付の手形全店買入オペがオファー(期間8ヶ月、オファー額1兆円)
2005-06-02 13時30分過ぎ
衆議院予算委員会に出席した福井総裁が、石井啓一議員(公)の質問に対して、「今回の措置によって何かを積み残しているとか、今の段階で次に何かを予定していることは一切ない」等と答弁しました。
2005-06-02 14時ごろ
上記オファーへの応札締切。応札総額約2.66兆円、落札総額約1兆円。
2005-06-02 18時ごろ
「日銀当座預金増減要因と金融調節」の6/2速報6/3予想が公表されました。前者により当座預金残高が30兆円を割り込み29.13兆円となった(銀行券発行超過200億円分だけ予想を超えて減少)ことが公式に認められました。なお、後者によると、当座預金増減は0.25兆円増にとどまりますので、即日資金供給オペがなかったり足りなかったりすれば、2日連続で30兆円を割り込む(29.38兆円)ことになります。

[politics]ゲームのルール@国会

昨日から民主党・社会党が国会での審議に応じることとなりました。審議拒否については「給料泥棒」をはじめとして様々な批判があり、理屈としてはまったくもってご指摘のとおりなのですが、なぜ野党はそのようなことにするのか、という背景をちょっと説明してみたいと思います。

鍵になるのは次の2つの条文です。

  • 国会の常会は、毎年一回これを召集する。(憲法第52条)
  • 会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない。但し、第47条第2項の規定により閉会中審査した議案及び懲罰事犯の件は、後会に継続する。(国会法第68条)

基本的に与党は多数を占めているわけですから(少数与党の場合はどうかとか、(絶対)安定多数に足らざる場合の委員会はどうかとか、例外的な扱いはあります)、多数決により憲法改正案を除く全ての議案(法律案、予算案など)を自分たちの思うがままに決められます。逆に言えば野党はガチンコでぶつかれば勝ち目はないはずなのですが、上記2条文をうまく使えば勝負することができます。

憲法第52条は、いわゆる通年国会の禁止を含意しています。つまり、必ず国会には会期があり、会期末があるわけです。これに国会法第68条を重ねますと、会期末まで議決させなければその議案は閉会中審査をするとの議決をしない限り廃案にできるという道が開けるわけです。

国会運営は各議院の自治に委ねられていますが(憲法第58条)、基本は前例・慣習です。例えば審議拒否の原因となった郵政民営化関連法案のような、野党が勝負をかけにくる法案であれば、いくら与党が早く可決したいからといって1日審議してすぐ採決、ということは許されません。議案の軽重によって、それぞれどの程度審議すれば(ものによっては公聴会など特別なプロセスも求められます)採決してよいかということが決まっているのです。

となると、与党(の国会対策委員長)にとっては、そうした前例・慣習を踏まえつつ、その国会で各議案をどういった順番で、どのぐらいの時間をかけて採決までもっていくかという段取りが非常に重要になります。会期という限られたリソースをうまく割り振らなければいけないわけで、配分を間違えると成立させたい法案が成立できないことになってしまいます。

野党にとっては、先に申し上げたとおりガチンコでは勝てませんが、この段取りを崩すことにより会期を無駄遣いさせ、時間切れに持ち込むというのが勝機になるのです(審議拒否をしている間にも会期は刻々と消費されていくわけですから。その他でも、スキャンダルの審議で時間を費やすことも同じ効果が見込めます)。与党が成立させたい主要な法案を廃案に持ち込めば、経験則では、与党には非常に大きなダメージとなります。

#以上、極めて端折った説明です。岡本全勝さん(総務省大臣官房総務課長(旧自治省出身)です)のページで詳しく解説されていますので(「国会ということろ」を順にご覧下さい)、ご関心の向きは是非。

他方、野党が審議拒否というカードを切ってきた場合には、与党にとっては、今般の郵政民営化関連質疑のように欠席でもどんどん審議を進め、最終的には強行採決というのが対抗手段となります。この両者のいずれが勝るかですが、審議拒否が有効であるためには、与党が悪法を数の力で押し切ろうとしている、というイメージを喚起して世論を味方に付けるか、(多くの場合に重なりますが)与党内の造反を招くか、いずれかが必要となります。

#全体の枠組みを考えれば、与党には会期延長という対抗策もあります。

本件について言えば、郵政民営化はもともと世論の関心が低いテーマですから、欠席戦術はなかなか国民的反感に火を付けることができませんでしたし、与党内の郵政民営化反対派も(これまでwebmasterが指摘してきたとおり)廃案から解散総選挙という流れを決して望むものではなく、最終的には条件闘争に持ち込まざるを得ないわけですから、野党に同調して造反するわけにはいきませんでした。

こう考えると、今回の審議拒否は、ジョーカーの使い方を誤って無駄にしてしまったと考えるのが適切な評価ではないでしょうか。

[government]ロイターが見たくーるびず

finalventの日記で、ロイターにてはoddly enough article(変なニュース)というカテゴリで報道されているとのご紹介がありました。どんなニュアンスなのか興味があり、下記のとおり試訳してみました。

「クールビズ」日本で開始

東京(ロイター)‐日本の官僚やビジネスマンにワイシャツの襟元をゆるめ、ネクタイを外すよう勧めることがいかに難しいか、エネルギー消費の抑制・温暖化防止のための政府による「クールビズ」キャンペーンの初日を見るに、明らかになったのではないか。

既に「ノータイ」外交で知られているが、小泉首相はカジュアルで軽快に装い、青い亜麻布のシャツをスラックスから裾出しにして執務した。

「ネクタイをしないとは実に快適だ」と小泉首相は記者に語った。

しかし、官房長官は気まずげに、少し恥ずかしそうに開襟シャツを着ていたものの、外務大臣はスーツにネクタイでこの日を迎えた。

「格好についてはご勘弁を」よく糊の利いた青シャツで、でもネクタイはせずに税収について記者にブリーフした財務省の官僚はそう語っている。

暑い気候にかかわらず、普段はダークスーツにネクタイと決めている男性の政府職員や政治家に対しては、6月1日から9月30日までの間、エネルギー消費の抑制・温暖化防止のためエアコンの設定温度をより高くするため、上着とネクタイなしとするよう求められている。

政府は地方自治体や民間企業がこれに追随し、消費が刺激されることを望んでいる。

政府の試算によれば、もし25万人の男性国家公務員が「クールビズ」ずくめとなれば約100億円の売り上げが見込まれ、1,500万人の男性ホワイトカラーが同様にすれば、6,000億円に相当するとのことである。

#6/4に一部訂正しました。

どちらかというと、クールビズキャンペーンそのものというよりは、取らぬ狸の皮算用である需要喚起を皮肉ってのカテゴライズであるように思われます。

[government]「職員の自殺防止のために」(自殺防止専門家会議)について

複雑系な人さんが既に取り上げていらっしゃいますが、人事院が各省庁に標記を通知したとのことです。参考資料のうち、「国家公務員の自殺者数の推移」を見ると、平成15年度における10万人あたりの自殺者数で国家公務員17.1人に対して国民のそれが28.6人ということで、国家公務員の方がお気楽らしいです。

別に、警察庁がまとめた「平成15年中における自殺の概要資料」を見ますと、国民の自殺について様々な分析がなされていますが、その中で有職者の合計を見ると13,424人とのことです。先日の「真の失業率」で触れた就業者数が2004年中平均で6,329万人ですから、10万人あたりを計算すると21.2人。かなり差は縮まりましたが、それでもなお国家公務員は恵まれた職場なのかもしれません。

とはいっても気になるのが、「平成13年、平成8年及び平成3年長期病休者の傷病別順位比較」です。長期病休者は5年ごとに8,032人、7,026人、6,591人と右肩下がりである一方、うち精神・行動の障害による者は914人(11.4%)、1,050人(14.9%)、1,912人(29.0%)と右肩上がりになっています。

国家公務員志望の方々におかれては、そういう職場であることをご認識いただきたく。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
鰻谷 (2005-06-03 14:47)

多くの審議員のみなさんや総裁の本音は本音として、前総裁との比較において「最高の中銀総裁」の名を手に入れた経緯を考えれば、結局のところ当座預金残高目標の引き下げやゼロ金利解除なんて、先の先だとおもっていたのですが、昨日のあからさまにコントロールされた30兆円割れや、水野審議員の話を聞くにつれ、「こりゃダメだ。。。」って感じになってきました。
このところの金利低下について、市場が「下限割れはあくまで技術論であって金融引締めとは思っていない」証拠だって言われ方もしてますが、個人的には日銀逆噴射→オーバーキル期待の醸成なんじゃないかな〜とまで思ったりしてます。
米国じゃ利上げ打ち止めかって時に、ほんと最近の日銀のみなさんの盛り上がりは何なんでしょうねぇ。

bewaad (2005-06-05 13:34)

そういえば、そんな話もありましたね、「最高の中銀総裁」(笑)。

金利低下は、デフレの継続(と実質金利一定)を前提としたものではないかという気もしますが、短期の変動か中長期の傾向かで、そのうち明らかになるのではないでしょうか。


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