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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-09-01

[economy][media]そりゃ君らはデフレがうれしいだろうけどさ

総選挙が公示され、残暑の厳しい町の中を、選挙カーが走り回りはじめた。

どの候補者も口にするのは「カイカク」で、財政赤字も減らすと約束する。しかし、それには公的なサービスの低下や増税が避けられない。候補者を見抜く物差しは、バラ色の公約ではなく、国民が耐えるべき痛みを正直に告げる勇気の有無ではないか。

日本の国と地方の借金は700兆円を超え、国民1人あたりにすれば600万円にもなる。これほど大きな公的債務を抱え、しかもその債務が増え続けている国は、戦後の先進国の中では今の日本しかない。

現状のまま債務がふくらみ続ければ、いつか、財政に対する内外の不信感から円への信認が揺らぐ時がくるだろう。そうなれば、個人の金融資産が海外に逃げ出し、円は下落し、激しいインフレが起こる。

インフレによってお金の価値が目減りするので、国や地方の借金の価値も減る。しかしその分、預貯金も目減りし、経済混乱や物価上昇によって、国民がその負担を支払わされることになる。

しかも、インフレになると、低所得者や年金生活者ら弱者の受ける痛みが相対的に大きくなる。年金や介護保険の価値も下がるから、意図しなくても社会保障は縮減されてしまう。

つまり、財政改革を先延ばしすれば、弱者への負担の押しつけが自然に起きてしまうのである。

これは、巨額の財政赤字が激しいインフレと結びついた第1次大戦後の欧州諸国や、80年代の南米の歴史が雄弁に示している教訓だ。

改革をするかしないか。それは、国民1人600万円の債務を分割払いで整然と返済していくか、それとも支払いを先送りし続け、最後に破産して差し押さえにあうか、という違いのようなものである。

どちらが望ましいかは明らかだ。歳出削減や増税という改革の痛みは、いずれ返さなければならない借金の分割払いの痛みだと言える。

だからこそ、恒常的な赤字体質が続くなかで、歴代の首相は「財政再建」に取り組んだ。大平内閣は一般消費税の導入を試みて失敗し、竹下政権になってようやく消費税の導入に成功した。中曽根内閣では、雪だるま式に赤字を積む国鉄の民営化が決まった。

しかし、その後、バブル崩壊で投じられた巨額の景気対策のつけで、財政赤字は途方もなく膨らんでしまった。

少子高齢化社会で社会保障費の増大が確実な中で、各党のマニフェスト(政権公約)にある財政改革案の実効性に、有権者はどれだけ納得できるだろうか。

どうやって財政改革を実現するのか。具体的な政策ビジョンを語るように、候補者や政党に求めたい。

朝日「国民の借金 候補者は「痛み」を語れ」(8/31付社説)

  • 民間の貯蓄投資差額は対政府債権か対海外債権のいずれかになります。つまり日本の公的債務の大きさは、対外債権の大きさ(長らく世界一です)と同根なのですけれども。
  • 個人の金融資産が海外に逃げ出すといっても、円を外貨に換えるに当たって円を買う海外の需要が相対的に大きければ円は下落しません。だいたい通貨安によるインフレが「激しい」って、どの程度を想定しているんでしょうかねぇ。プラザ合意後のアメリカではドルは相当程度下落しましたが、アメリカがその際インフレに悩まされたなんてことがありますか? (いまさらキャピタルフライト(笑))
  • いまどきインフレ=弱者が苦しむなんて議論がまだ生き残っていたとは・・・。
    • 預貯金の目減りをいうなら、無貯蓄世帯は無関係です。
    • 年金は物価スライドがあります。
    • 失業者の増加は無視ですかそうですか。
    • パートタイム労働者の増加も無視ですかそうですか。
    • 家計もインフレによる住宅ローンなどの債務の実質減価による恩恵を受けます。
  • 財政赤字を問題にしているにもかかわらず、ドーマー条件を考えないのは朝三暮四です。バブル後の景気対策より、それをやめたはずの小泉政権下で債務増加が進んでいることをどう考えているのやら。
  • 「お手軽な印象論でなく、経済学の知見に基づいた社説を書くように、新聞に求めたい。」
本日のツッコミ(全14件) [ツッコミを入れる]

Before...

うみゅ [>Bewaad様 経済白書レベルですら、経済学を大学で受けていない一般大卒には付いていくのに大変な状況では、分かり..]

ヌル [貿易黒字なのに不景気なのはなんで?とか、国債って日本国が日本人にしてるものなのに破綻するのはなんで?とか、公共事業っ..]

bewaad [>うみゅさん、ヌルさん 知り合いの記者を見て言語するなら、人事異動のスパンが短すぎるのかな、という気がします。「足で..]


2005-09-02

[economy]「過疎地の郵便局がなくなる」とは脅しか

あまり郵政関連の話題を取り上げると小泉総理のアジェンダセッティングを受け入れてしまうようで気が引けていた(笑)のですが、ネット上で評判の高いものの中には若干異見を申し上げたいものがあり、本日は「「過疎地の郵便局が無くなる」という脅しに騙されるな!」(@Irregular Expression8/23付)を取り上げたいと思います。

当該エントリにおいてgoriさんが過疎地の郵便局はなくならないと判断されている理由は以下のとおりです。

  1. そもそも郵便のユニバーサルサービスを維持するためには普通郵便局・集配特定郵便局があればよく、15,000以上の無集配特定郵便局は郵便のユニバーサルサービス提供とは無関係(=これらがなくなったとしても郵便のユニバーサルサービスの提供は可能)。
  2. 無集配特定郵便局については、
    1. 仮に全廃すれば、年間約4,400億円のコスト削減。
    2. 行政監察により同等の業務内容をより低コストで営むことが指摘されている簡易郵便局に仮に置き換えれば、年間約2,600億円のコスト削減(なので、いずれかを行うことにより過疎地の普通郵便局・集配特定郵便局の維持コスト分は捻出可能、という含意ではないかとwebmasterは受け止めました)。
    3. その配置は都市部に集中しており、これらを廃止しても民間企業が提供する代替サービスが存在するので利用者利便は維持可能。
  3. 他方、郵政公社の試算では6,000局が黒字とされており、民業圧迫なくこれらのポテンシャルを活用するためには民営化が必要。

まず、現在の政府案でも郵便のユニバーサルサービスは維持されることとなっているので、それがなくなってしまうと心配している人は少ないでしょう。問題視されているのはあくまで貯金・保険のユニバーサルサービス提供の可否です。一口にユニバーサルサービスの提供と言ってもどの程度の密度で提供するかによって必要な局数は異なりますが、とりあえず現在の郵便局網の基本は徒歩でアクセスが可能ということになっています。

なぜそのようなことが言えるかといいますと、各市町村に最低1つの郵便局を設置するため簡易郵便局制度が導入されたのは、「市町村」が昭和の大合併前の1万強市町村だった時代でしたが、昭和の大合併に先立つ明治の大合併(直後で約16,000市町村)は各市町村に最低1つの小学校を設置すれば全国民をカバーできると考えられた徒歩圏内を基準に行われたものだからです。

#ですから、この基準を例えば自転車でアクセス可能であればよい(中学校基準)とするなら、昭和の大合併後の市町村数=4,000弱が最低郵便局数の目安となります。

したがって1番から2.1番までは、そもそも貯金・保険のユニバーサルサービス提供は不要であるとするなら別ですが、多くの反対派の懸念を払拭するものではないということになります。

また、2.2番から3番までについては、それらの前提の妥当性について議論があります。まず簡易郵便局については、行政監察に基づく勧告そのものにおいても、無集配特定郵便局と置き換えを検討すべき対象としては、立地上利用者の性質が限定され取扱業務範囲の差が問題にならない場合や人口減少などにより取扱業務量が減少した場合とされています。つまり、簡易郵便局が低コストといっても、総じて取扱業務の範囲や量の差がある故でもあり、そもそも置き換えが困難なケースや、置き換えてもコスト低下にはつながらないケースがあるということになります。

#あくまで個人の体験であり統計的に妥当なサンプリングではありませんが、郵便局めぐりを趣味とされている方の体験でも、簡易郵便局のコンプライアンスの問題施設・設備の整備の遅れが見られます。

郵便局別の損益の公社試算についても、goriさんのご指摘のように黒字局の活用がなされるとして、赤字局は廃止された場合にはより都市部への集中が進むことを示唆するものです。goriさんは平成15年度都道府県別郵便局数を見れば分かる通り、実は無集配特定郵便局が集中しているのは過疎地ではなく大都市圏だったりする。東京1379局・神奈川681局・埼玉543局・千葉590局・愛知716局・大阪1010局・京都368局・兵庫696局、これらを合計すると合計5983局に上るとされています。

郵便のユニバーサルサービス提供に必要な普通郵便局・集配特定郵便局は制度的に存続させざるを得ないとして、無集配特定郵便局の赤字局が廃止される場合、次のような結果となります。

都府県無集配特定郵便局全国シェア(A)赤字(=廃止)局黒字(=存続)局黒字局全国シェア(B)シェア増加(B-A)
東京1,3808.96%8805009.89%0.93%ポイント
神奈川6804.41%2004809.49%5.08%ポイント
埼玉5433.53%1044398.68%5.16%ポイント
千葉5903.83%2703206.33%2.50%ポイント
愛知7164.65%16155510.98%6.33%ポイント
大阪1,0106.56%48352710.42%3.87%ポイント
京都3682.39%2191492.95%0.56%ポイント
兵庫6964.52%4102865.66%1.14%ポイント
全国15,403100%10,3475,056100%-

上記都府県の全てでシェアが増加する見込みが示されていますが、その他の道県を含めても、シェア増加となるのは静岡、岐阜、奈良、群馬、栃木、香川、茨城、三重だけで、その他の道県はシェアが低下します(率として低下が最大なのは北海道(5.02%(773局)から0.97%(49局)へ4.05%ポイントの低下)で、数として存続局が最も少ないのは鳥取(97局すべてが赤字で存続局なし)です)。郵便とは違い貯金・保険についてはユニバーサルサービス提供義務が課されていませんので、赤字店舗の廃止をためらう理由はありません。goriさんのロジックはwebmasterが勝手に推察しているだけですが、その推察が正しければ、コスト的に可能であることと経営判断として妥当であることはイコールではなく、廃止すればより利潤が増加するであろうことを行わないと期待できる合理的理由はありません。

法的には、あくまで郵便局を設置するのは郵便局株式会社(窓口ネットワーク会社)であり郵便貯金銀行や郵便保険会社ではありませんが、貯金・保険にとっては郵便局株式会社の過疎地郵便局の存続を可能とするための内部補助をサポートするような委託手数料を設定するインセンティブはありません。頼りになるのは2兆円規模と想定されている基金のみであり、足りなければ郵便局株式会社に損失がたまることとなります。

それを避けようと郵便貯金銀行や郵便保険会社に政府が圧力をかけるようなことがもしあるとすれば、それは不透明な行政介入に他なりません。民営化とは利潤追求を第一義とする経営判断に基づき効率的な経営を行わせるためのものであり、そのような圧力・介入が必要というケースがあるとすれば、それは民営化に無理があることを示す以外の何物でもないのです。

本日のツッコミ(全12件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [そのあたり、東京とそれ以外といった違いや、公共交通機関の密度などと照らし合わせてみると、実は自動車がなくて一番暮らし..]

うみゅ [とゆーか、郵貯と簡保だけの簡易郵便局って、切手の販売やってましたっけ・・・。過去に何度か使った時は、「切符ないです」..]

bewaad [悉皆的に調べたわけではありませんが、エントリ中でコンプライアンスの問題として紹介したリンク先のように、本来取り扱うべ..]


2005-09-03

[notice]当ページの過去記事検索の一助として

いつもコメントいただいている小僧さんが、当ページの過去記事indexを作成されました。エントリタイトルの一覧になっていますので、ブラウザ検索機能と組み合わせてご活用ください。

小僧さん、本当にありがとうございました。

[politics]郵政民営化の別の要し方

昨日に続いてネット上で評判の高い郵政民営化関連のエントリを取り上げます。本日は「郵政民営化って要するに何なの?と政治に詳しい人に聞いてみた。」(@絵文録ことのは8/30付)です。

#各政党の志向なども論じられていますが、郵政民営化関連の話題に限って取り上げます。

◇で、民営化することで郵貯は何のメリットがあるわけ?←ぜんぜんわかってない

●郵貯は、運用しなければ利息を払えないわけだけど、その運用先を地方の公共事業に限定してきたんで、かなりの無駄遣いが出ている。これを改善する必要はある。この点で、竹中・小泉のいってることは正しいし、この点を否定する人は、民主党だろうと、しずかちゃんだろうといない。

◇ふむ。郵貯の運用方法についての改革の必要自体はあるってことやね

#引用文中の「◇」はbloggerの松永さん、「●」はそのご友人の発言です(以下同じです)。

おおざっぱに言えば郵貯はほとんどの資金を(狭義の)政府(webmaster注:SNA上の一般政府とお考えいただければ)に融通するという形式で運用しているわけですが、ご友人ご指摘の「無駄遣い」は(本当に無駄遣いかどうかはさておき)融通された政府のお金の使い方の問題です。政府がもうお金はいらないといっているのに郵貯が無理やり押し込んで、その結果政府が不要な金の使い道をひねり出している場合でない限り、郵貯をどのように「改革」しようとも「無駄遣い」の改善にはつながりません。仮に「無駄遣い」が存在し「改革」が必要であるとして、その対象は予算の決定プロセスや国会のあり方であって郵貯ではあるはずもありません。

●まぁ、しずかちゃん側は、特定郵便局局長会だかなんだかの、選挙支援をあてにしてるということを隠してるけどね。

◇例の「世襲公務員」ってやつ?

●それだね。

特定郵便局:辛坊治郎コラムより

そもそも郵便局には三種類ある。普通郵便局、特定郵便局、簡易郵便局だ。いわゆる本局と呼ばれる大きな郵便局が普通郵便局、その数およそ全国に1300局、これは全郵便局の20分の1に過ぎない。それじゃあ残りはというと、そのほとんどが特定郵便局、その数実に18916局(2000年度末)、実は“街の郵便屋さん”の大多数は、このカテゴリーの郵便局だ。普通郵便局と、特定郵便局の違いは何か?これはなかなか難しい。特定郵便局を一言で定義するなら、局長が、“特定郵便局長”という肩書きの国家公務員である郵便局ということになる。

……

1)郵便局の土地、建物は、郵便局長の所有物であり、国が、局長に家賃を払っている。自宅=郵便局の場合でも、この家賃は支払われる。

2)局長には給料は勿論、公務員としての待遇が保証される。

3)公務員としての定年はあるが、妻、子に世襲制的にその地位が受け継がれる。

4)給料とは別に、年数百万円の経費(渡切経費・わたしきりけいひ)が支給される。

5)局の営業成績が悪いと、局長会などで肩身が狭い思いをするが、公務員なので収入が減ることはない

※コメント欄にてTOMさんより「特定局長の渡し切りはなくなった。最近では官選の特定局長も増えている」との指摘あり。8/31 22:00追記

松永さんよりも辛坊治郎さんへのコメントということになりますが、まず、国が郵便局の賃貸料を払うのは借りている以上当然でしょう。「自宅=郵便局の場合でも」って、自宅の客間で郵便局の業務をしているわけでもなく、所要の設備投資を行い局舎や各種機器を整えているわけですし。試算の材料もないのであくまで可能性の指摘ですが、全部国の所有物だった場合、バブル崩壊後の地価下落で郵政事業のバランスシートはかなりの程度痛んだかもしれません。

#賃貸料の評価がおかしいという指摘もあるようですが、不動産鑑定士を関与させている現行制度を非難するなら、より問題の少ない代替策を提示すべきでしょう。不動産鑑定士の鑑定に少なからず問題があるという実情はありますが、総じてそれよりも客観的・公平な決め方があるのでしょうか?

その他についてはTOMさんが指摘済みですが、何よりおかしいのは、仮に特定郵便局長制度(選任方法など)に問題があるなら、その制度を直接「改革」するのが一番の早道であるにもかかわらず、先の金の使い道同様、せいぜい反射的効果が見込めるかもしれない、という程度にとどまる民営化がなぜか唯一の処方箋であるかのように語られることです。民間部門だって世襲は山のようにありますし、他方で公務員身分を剥奪することは公社形態のままでも可能だというのに。

◇で、ちょっと話は戻るけど。というか、根本的な話。郵貯や保険を民営化したら、なんで市中銀行がおいしくなるわけ?

●かつて、郵貯って「出し入れ24時間手数料なし」だったんだよ。そこに手数料がつくようになる。それから、郵貯の定期ってべらぼうに利息が高かったじゃない。あれって、さっきの融資先が決まってたから、税金でけつもちしてたんで可能だったわけだけど、それももうなくなってる。そうしたら、郵貯に入れてる理由なくなるよね。現時点では、日本の預貯金の半分近くが郵貯なはずだよ。

解決が急がれる郵便貯金問題:全国銀行協会-ZENGINKYO-より

郵便貯金が、どのくらいの規模かというと、その残高は約250兆円(平成13年3月末)で個人預貯金の約4割を占めています。都市銀行の個人預金残高(平成12年9月末約110兆円)の約2.3倍、国内に本支店のある銀行の個人預金残高の合計約290兆円とほぼ同程度となっています。

国際的に見てもここまで巨大な規模の「国営銀行」が存在することは極めて特異な状況です。

◇それが市中銀行に流れていく。

●流れる。少なくとも、競争できるようになる。

◇つまり、政府のバックアップのある「銀行の強力すぎるライバル」が、同じ土俵に降りてきて、そのカネがばらまかれることになる。

まあ全銀協も、郵便局は山間僻地をカバーしているが銀行は都市に集中しているという意見に対しては、信金・信組はおろか農漁協までも含めた支店数で反論するくせに、このような場合には都銀だけとか銀行だけをベースに比較するとは姑息だと思いますが(笑)、それはさておき、少なくとも現在の運用環境を前提とする限り、郵貯に預けていた預金者が銀行に預け替えをしたところで、十分な運用益が見込めないのですから、市中銀行にとっておいしくもなんともありません。

このあたり、銀行も護送船団時代の感覚が抜けていないといいますか、かつて店舗行政で新規出店が厳しく規制される一方、旺盛な資金需要があった時代においては、いかに一店舗当たりの預金額を多くできるかが収益に直結していましたが、資金需要が細り運用難で、かつBIS規制の導入等によりリスク・リターンバランスに重点を置くようになった現在においては、店舗行政が自由化されてなお店舗は減少しつづけ、預金を無理にでも獲得しようなどという銀行はありません。身近なサンプルでは、あまり若い世代の銀行員は郵政民営化に冷淡であると思うのですが、年配の幹部がかつての預金量が全てという気分を忘れきっていないのではないかと思えないでもありません。

ちなみに定額貯金の高金利ですが、平成4年以降は是正されている上、そのからくりもかつて述べたように、財投のハイリスク・ハイリターン運用(ただし、メディアで多く語られているような不良債権=信用リスクにおいてではなく、金利リスクにおいて)の賜物であって、「税金のけつもち」が支えていたわけではありません、為念。更に言うなら、個人向け国債の方がよほど銀行預金にとっての強力なライバルです(政府が債務者なので信用リスクは低く、かつ、金利も通常の国債準拠=銀行預金金利よりも(現時点では)高いのですから)。今は上記運用難と目先の手数料目当てで銀行も喜んで売っていますが、将来訪れるであろう(現在とは逆の)投資超過時代において個人向け国債と競争するなら、銀行預金金利は引上げられざるを得ないのが実態ですし。

◇それで、郵便事業をまかなえるだけの体力は残るの? というか、残らないから僻地郵便局切り捨てなのか?

●残らないというのが、反対派の意見だね。でも、問題はそこにはない。今まで作り上げてきたインフラをどうするつもりなのか、というのが問題。

◇今回の件でインフラというと具体的に何?

●え、だってATM網があるし、あと、郵便局。特定郵便局じゃなくて、いわゆる本局って、どこの町でも、一番の一等地にあるよね。あれ、誰の財産になるんだろう? 税金でまかなったものを、勝手に民間にくれてやって、それで何も文句を言わない。この国の国民は優しいと思うよ。

◇開拓使払い下げ(´ー`)y-~~

●国鉄のときも、NTTのときも、国立大学のときも。そのうえ、赤字分は、税金でまかなってやるんだぜ!! こんなでたらめな民営化なんてあるかよ!! 民営化に反対なわけではないけど。

ここは政府の弁護になりますが、民営化会社の資産の対価は株式売却益で回収されることになります。民間会社が会社分割により子会社を設立する場合でも、当然もともとは親会社自身が購入した資産を子会社に移すことになりますが、外部に子会社を売るのでなければ連結で見れば同じことですし、外部に売る場合には子会社株式の売却益で回収されるので、基本的に親会社株主(本件で言えば国民と同じ立場)は、子会社株式の評価が適切である限りにおいて文句を言うわけではありませんが、それと同じことです。

[economy][politics]文科系人間から見た「小泉改革の本質」

郵政関連というよりはより広範な課題を視野に入れたエントリですが、「理科系人間にも分かる「小泉改革の本質」」(@Life is beautiful8/30付)もネット上で評価の高いものです。ここでsatoshiさんは現在の日本の最大の問題は財政赤字であると認識した上で、現在の財政赤字の原因は、政府からお金を引き出して得をしている人間の存在であるとし、しかしそれはそうした人間のモラルの問題ではなく得をするという「構造」に起因するので、それを壊すこと=「構造改革」が小泉改革の本質であるとしています。

日本の財政赤字を考えるに当たって、GDPを見てみます。GDPは端的に言えば1年間の国内部門の付加価値、すなわち儲かった額の総計ですが、儲かったお金はその年のうちに使ってしまうか、翌年以降に使ってしまうかのいずれかです(税金で取られない部分については)。翌年以降に使うとはすなわち貯めておくということですので、この関係を式に表すと次のとおりです。

GDP=消費+貯蓄+租税・・・(1)

他方、「儲け」は誰かが儲けさせてくれるから生じるもので、例えば商品を買うお客がいれば売り手は儲かります。上記(1)式は儲けの使い道という面から見たものですが、どうやって儲けたかという面から見ると、まずは(1)式にもあるように誰かの消費がそうですし、投資(民間投資と公共事業=政府投資があります)がそうですし、政府の消費、さらには海外のお買い上げ分があります。以上を式に表すと次のとおりです。

GDP=消費+民間投資+政府支出+純輸出・・・(2)

#政府支出とは(ここでは)政府の投資と消費を足したもの、純輸出とはグロスの輸出からグロスの輸入を引いたものです。

ここで、(1)式から(2)式を引くと次のような形になります。

0=貯蓄−民間投資+租税−政府支出純輸出

→貯蓄−民間投資=政府支出−租税純輸出・・・(3)

「政府支出−租税」とは財政赤字のことですし、マイナスの「純輸出」とは新たに対外債権を取得したこととイコールです。その含意は何かといえば、国内の全ての貯蓄は何らかの方法で運用されるわけですが、国内民間部門での運用先(=「民間投資」)が貯蓄に対して不足している場合、政府に対して運用するか、それとも海外に対して運用するしかないということを(3)式は表していることになります。

#コメント欄でのRhapsodyさんのご指摘を受け訂正いたしました。(9/3付)

日本ではここ40年ほど「貯蓄−民間投資」が正の値をとっていますので、その余剰資金は政府に運用するか海外に運用するしかなく、現に日本は多大な政府債務残高を抱えると同時に、世界最大の債権国でもあります。もっと多額の対外債権を保有する、すなわちもっと多額の純輸出を行うことが可能であれば政府が借金(=政府への運用)する必要もなかったわけですが、80年代から90年代にかけての貿易摩擦問題を考えれば、それは事実上不可能だったでしょう。

さて、小泉改革とは財政赤字の削減、つまり「政府支出−租税」の値を減少させるものと定義した場合、「政府支出」を減らすか、「租税」を増やす(かその両方を行う)ということになりますが、その影響はどのようなものになるでしょうか。「政府支出」を減らす場合、(2)式よりその分だけGDPが減少し、その分だけ(1)式により「消費」や「貯蓄」が減少するので、(3)式の右辺の減少(「政府支出−租税」の減少)と左辺の減少(「貯蓄」の減少)がつりあうことになります。「租税」を増やす場合、(1)式により「消費」や「貯蓄」が減少するので、同様に(3)式の右辺・左辺がつりあいます。

何か忘れていますねぇ・・・どちらも「貯蓄」のみならず「消費」も減っています。儲けの源泉を表すのが(2)式ですが、ここで「消費」が減少すればその分だけGDPが落ち込むわけです。「政府支出−租税」の減少により「消費」が落ち込み、「消費」が落ち込めばGDPが減少し、GDPが減少すれば(1)式から「租税」が減少し、「租税」が減少すれば「政府支出−租税」が増加してしまうので再度それを減少させ、の繰り返しが小泉改革の本質です。小泉政権になってからはGDP成長が落ち込み、他方で政府債務増加は昂進していますが、これは構造改革が抵抗勢力の存在により不徹底なものにとどまっているからではなく、以上の論理的帰結です。

#最近の景気回復は、以前取り上げたように外国の好景気により純輸出が増加したことによります(ある程度は為替介入の貢献もあるでしょうけれども)。

では正しい処方箋はどのようなものでしょうか。それは(1)式において「貯蓄」ではなく「消費」に回す額を増やしてもらうことです。「消費」が増えれば(2)式によりGDPが増加し、GDPが増加すれば(1)式から租税も増加します。また、「民間投資」は「消費」してもらうための商品・サービスを生産するためのものですから、「消費」が増加すると見込まれれば当然各企業は増加させることでしょう。「貯蓄」が減少し「民間投資」が増えることにより(3)式の左辺が減少しますから、そうなってから「政府支出−租税」を減少させればいいわけです(しかも、既述のとおり租税が自然に増加しているわけですから、より無理なく減少させることが可能です)。

といっても宗教国家や全体主義国家でもあるまいし、トップが「貯蓄ではなく消費しろ」と号令をかけても始まりません。「貯蓄」するより「消費」した方がお得な環境を整備して、合理的な判断に基づいて自主的に「消費」を増やすように仕向けなければなりません。そのためにはまず何よりもデフレを止めることです。デフレ、すなわち継続的に物価が下落する状況においては、何か買いたいものがあっても購入を手控え、より価格が下がってから購入する方が合理的です。より価格が下がるまで待つとはすなわち「貯蓄」しておくということですが、これがインフレであれば、「貯蓄」して将来に購入を先延ばしするよりも、価格が上がらないうちに「消費」してしまった方が得なのですから。

#デフレを脱出した場合には財政赤字問題も解決できるとのシミュレーションは、以前示したとおりです。

本日のツッコミ(全288件) [ツッコミを入れる]

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2005-09-04

[politics]笑えない未来像

381 名前:金持ち名無しさん、貧乏名無しさん[sage] 投稿日:2005/09/02(金) 18:11:20

増税路線がどう失敗していくかだな。
さて、この話でどうやって儲けようか?

(略)

398 名前:金持ち名無しさん、貧乏名無しさん[sage] 投稿日:2005/09/02(金) 18:34:04

>>381

<向こう10年間の仮想シナリオ>

小泉自公政権継続
→増税・財政再建・行革路線失敗
→07〜08年頃に倒閣・民主党主導政権成立「まだまだ改革が足りなかった」
→さらなる「真の改革」が始まる
→景況は絶望的に悪化。
→岡田退陣。現在の「若手」による「我々こそが真の改革派なり!」(いったい何人いるんだ)という自民・民主の超党派(主力は元官僚・元金融・松下政経塾出身者)による新自由主義原理型政権が成立。市民派・NPO勢力なども一縷の望みを掛けて(まだ懲りないのか?)草の根から勝手連で擁立。
→ますます階層化が悪化。GDPも微増・横這いを繰り返し、各種経済指標はいよいよ有名無実となる。

どうでしょうか?

2ちゃんねる経済板「経済から政治を語るスレ30」(webmaster注:dat落ちしています。なお、一部改行位置を変更しました。)

かなりの確率でそうなりそうな気がして・・・orz

ちなみにkanryoさんがご指摘のように、ニューオーリンズの現状は日本にとっても決して他人事ではなく、ましてデフレが継続していけばそうした危険は高まることこそあれ、低くなることなど期待できないわけで(今般の「人災」性とブッシュ政権の政策指向との関係についてのクルーグマンの論考を47thさんがご紹介のように)。

#ブッシュ政権についてはまだ路線の対立があるだけましで、小泉政権については反対派ですら多くは路線は同じでそのスピードを競っているだけ、という点においてより悩みは深いのですが。

[politics]ヒトラーに擬えるに当たって

亀井静香候補が日本外国人特派員協会において、ヒトラーを引き合いに出して小泉批判をしたとのこと。かなり不評だったようですがむべなるかな、ヒトラーという劇薬を、とりわけ外国人(主として欧米人を念頭においています)の前で用いるにはあまりに無神経だったといわざるを得ないでしょう。特に問題なのが「今回出馬を断念した議員や私たちは、小泉首相に政治的な毒ガス室に入れられたようなもの。私は生き残るがね」との発言です。いくら政治家は選挙に落ちれば唯の人とはいえ、命まで奪われた人々と自らを同一視しては失笑を買って当然です。

なぜ外国人の前でヒトラーを引き合いに出すことについては慎重であらねばならないのか。それはヒトラーが民主政の正当性に大きな影を投げかけるからです。同じ独裁者であってもスターリンはまだましで、彼が独裁者足り得たのは共産主義体制のためだと考えれば安心できます。自分たちは共産主義でないから大丈夫だ、ということです。ところがヒトラーが自分たちの政治体制からも生まれ得るという事実を認めては安心できない一方、民主政を否定するわけにもいきませんので、いきおいその存在を全否定せずにはいられません。民主政だからこそ生まれた独裁者なのではなく、あらゆる政治制度においても彼は最悪の独裁者であったろう、と。

仮に亀井静香候補がかかる主張をしたいのであれば、例えば次のような比較から入るべきでしょう。

公式論を言うならば、選挙戦の際はなるべく多様なテーマに関して政策論争が行われるべきだろう。しかし論点を「あれもこれも」と広げていくと、結局は焦点がぼやけて有権者の記憶には残らなくなる。なにしろ普通の有権者というものは、政治に対してそれほど強い関心を持ってはおらず、候補者の政策を念入りに調べるほど暇でもない。それであれば、候補者としては強調するポイントをひとつに絞り、自分の名前と主張が一致するようにした方がいい。同じことばかりを繰り返していると、頭が悪そうに見えるかもしれないが、そんな風に受け取るのは、ごく少数の「政治オタク」だけである。

溜池通信vol.286「特集:日米の当世政治比較論」(webmaster注:強調は原文によります。)

宣伝はすべて大衆的であるべきであり、その知的水準は、宣伝が目ざすべきものの中で最低級のものがわかる程度に調整すべきである。

(中略)

宣伝の学術的な余計なものが少なければ少ないほど、そしてそれがもっぱら大衆の感情をいっそう考慮すればするほど、効果はますます的確になる。しかしこれが、宣伝の正しいか誤りであるかの最良の証左であり、若干の学者や美学青年を満足させたどうかではない。

(中略)

宣伝になにか学術的教授の多様性を与えようとすることは、誤りである。大衆の受容能力は非常に限られており、理解力は小さいが、そのかわりに忘却力は大きい。この事実からすべて効果的な宣伝は、重点をうんと制限して、これをスローガンのように利用し、そのことばによって、目的としたものが最後の一人まで思いうかべることができるように継続的に行わなければならない。人々がこの原則を犠牲にして、あれもこれもとりいれようとするやいなや、効果は散漫になる。

アドルフ・ヒトラー「わが闘争」(webmaster注:文章は「ヒトラーの宣伝術」(@反戦老年委員会8/21付)からの孫引きです。)

前者はかんべえさんの見立てによる小泉総理・ブッシュ大統領に共通する政治手法の観察で、後者は言わずもがなのテキストですが、ご覧のとおり極めて似通ったものです。Star Wars Episode IIIにおいて元老院(the Senate)が大衆の支持を得たパルパティーン議長を皇帝に推戴するというのは、明らかにローマ元老院(英語では同じくthe Senateです)によるオクタヴィアヌスの皇帝推戴を下敷きにしたものですが、ヒトラーというタブーを離れれば、そのような手法に対する警戒感というのは欧米の知識人には少なからず見られるわけで、レッテル貼りではなく具体的事実を指摘していく必要があるでしょう。

他にも、今回の選挙を国民投票と呼ぶ=プレビシット型選挙の危険性ですとか、「B層」を主たるターゲットと認識した政府の広報戦略ですとか、いろいろと材料はあるわけです。そういった具体的な証拠を取り上げつつ、小泉戦略がいかに煽動的・皮相的であり、(できればNGワードであるヒトラーに言及せず)国民を誤導する危険性があること訴えれば、外国人記者には日本人記者以上にピンときたのではないかとも思います。

#それこそパルパティーン小泉対ヨーダ綿貫といった喩えを使うとか。

しかしこう書きながらも、webmaster自身は、こうしたイメージ誘導(アメリカ風に言うならスピン・コントロール)はプロメテウスの火であり、後戻りできないのではないかと思っています。アメリカにおいてもブッシュ陣営の専売特許というわけでは全くなく、スピン・コントロールの語が有名になったのは、ブッシュ(父)が敗れた92年選挙における(かんべえさんもご紹介の)"It's the economy, stupid!"、そして何より前回(88年)選挙後において"Read my lips, no new taxes!"と発言したブッシュ(父)の映像をこれでもかと繰り返しその増税を公約破りとして強く印象付けたクリントン陣営の選挙戦術以来のことです。日本にだって「ダメなものはダメ」by土井たか子社会党委員長(当時)という例があるわけですし・・・。

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2005-09-05

[movie]ヒトラー〜最後の12日間〜

1ヶ月以上前に観ようと決意し、その後タイミングが合わかったなどの理由で叶わぬまま今に至りましたが、ようやく観ることができました。現時点におけるwebmasterが観た今年最高の映画でした。何が良かったといって、StG44やMP40、パンツァーファウスト(発射シーンがあればなお)にティーガーI、T34-85などのよくできたレプリカが・・・ではなくって(いや、もちろんそれらも良かったのですが)、当時のヒトラー周辺の雰囲気が丁寧に描かれていて、しかも俳優陣の熱演がそのリアリティをいやましていることです。

日本人が観ることなど念頭になく作成されたでしょうから、各登場人物が誰かなどと親切に説明がされることなどないのですが、ヒトラーはもちろんのこと、ゲッベルス夫妻、エヴァ・ブラウン、シュペーア、ヴァイトリンク、カイテル、ヒムラー、ゲーリングといった主要関係者は出てきた瞬間にそれとわかるほどキャラがきちんと立っていました(ボルマンだけはちょっとイメージと違いまして、もっとあれこれ口出ししていたように思うのですが)。サンクト・ペテルブルクの風景(を借りた当時のベルリンのイメージ)とあわせ、作品世界への没入へ容易に誘ってくれます。

ことは第三帝国の終焉を描いているわけで、安直な総括は避けたいと思いますが、通常文字で読むことしかできない状況を質の高い映像で体験できることには十分価値があります。当時に関心を持つ人間には必見といえましょう(逆にそうでないと、わからない部分が多くなり、上映時間の長さと相俟ってしんどいかもしれません)。

[misc]吉川ひなの@伊勢丹新宿店

上記のための整理券をもらってから上映までの時間つぶしで立ち寄った際に、生で吉川ひなのを見ました(イメージキャラクタになっているジーンズブランド関連のトークショウが終わったところだった模様)。絶対値としての顔の小ささや体の細さは一般人でも見られないことはないな、というレベルなのですが、何より常人離れしていたのが手足の長さ。同じぐらい顔の小さい人はいてももっと小柄ですし、同じぐらい細い人はいてももっと手足が短いわけで、全体としてのバランスはやはりそれで金を稼ぐだけのことはあります。プロってすごいですねぇ・・・。

[comic]現在官僚系もふ・第22話

最初の要求説明での係レベルの発言が査定内容を縛るというなら、主査や主計官や主計局次長や主計局長は何のためにいるのかと小一時間。まあそもそも新規要求の説明先が主査でないというのは変ですし、相手がキャリアでないというふざけた理由で応対を拒否したら、出入り禁止の上ゼロ査定とされても文句は言えないでしょう。だいたいもふも係として出番を与えられているわけで、政策論争ではなく積算をめぐっての議論でもさせないと嘘っぽいのですが。


2005-09-06

[politics]悲しいけど、これって選挙なのよね

先日取り上げた小泉総理の選挙戦術ですが、それをプロメテウスの火と呼んだことについての補足を若干します。契機は、木走さんによる三浦博史「洗脳選挙:選んだつもりが選ばされていた」のご紹介です。

その内容については下手にwebmasterが要約するよりご覧いただきたいわけですが、ある意味小泉総理の(選挙の)やり方は規模において我が国空前のものでしょうけれども、存在としては物珍しいわけではありません。事例を海外に求めても、ここ10年程度のアメリカ大統領選におけるスピン・コントロールの重要性はwebmaster自身前回紹介したところですし、メディアによるイメージ流布の政治への影響を説いた古典的名著、ウォルター・リップマン「世論」の初版は1922年だったりもします。

既にこれらの手法が存在してしまい、歴史から拭い去ることができない以上、そのような手法によらない選挙を望んでみたところでお花畑に他なりません。以前触れたように大衆動員を基盤とする独裁は古代ギリシアにおいて既に僭主政として例があり、リップマンもプラトンを引いていますが、スティーブン・ストロガッツが「SYNC」で述べるように他者への同調がヒトの本性に根ざすのであれば、時代を超えて、選挙はみんなこうしたもの、ということになります。

当サイトでは政策の方向性と選挙戦術において小泉総理の相対化を図っているわけですが、現実問題として小泉政権を代替する可能性のある岡田政権は、後者において雲泥の差はあれど(今までメディアに好意的に扱われてきたがゆえでしょうが)前者においては大差なく、政権交代が起こってみれば実は小泉政権はヒトラー政権ならぬ(それに先立つ)ブリューニング、パーペン、シュライヒャー政権の役回りだったという可能性もあり得ます。ワイマール体制の崩壊は一日にして成らず、世界恐慌後において強権政治は既に始まっていたわけで。

「SYNC」においてはどのような状況において同調が起こりやすいかは触れられていませんが、それが不安定な現状への反応として安定を志向するものであるなら、まずもって社会の安定化がそうした同調の抑止には有効でしょう。歴史を顧みても多くの事例によってサポートされると思いますが、小泉総理の「改革せず景気が先だと言って、景気が回復したら、改革する意欲がなくなってしまう」発言はこの点をとらえたものと言えますし、民主党政権になったところで改善は期待できません。

となれば、やはり憲法における統治機構の定めの役割は大きいといわざるを得ません。その点、安全路線の極みがアメリカとドイツで、アメリカ大統領には議会の解散権はありませんし、ドイツ首相には日本でいう69条解散権(議会の不信任への対抗として国民に信を問う)しか認められていません。これらにおいては選挙のタイミングを操作することはできず、ある意味で平等が担保されています(もちろん現職の地位を活用して予定されたタイミングに政策をあわせることはできますが)。

他方で行政府の長の権限が(対立法府において)最も強いのはイギリスで、留学経験ゆえか小泉総理も多分に意識しているようですが、解散権の行使についてはほぼ日本と同じです。慣習(convention)においてどこまで許容されるのかがわかっていないので(イギリス憲法についての専門書読んだことないですし・・・)、実態としては違うのかもしれませんが、王権という最強の「抵抗勢力」に対抗するための切り札として位置づけられてきたものでもあり、それだけ意図的に強くされてきたという歴史的経緯があります。もし日本の「抵抗勢力」が王権に匹敵するというなら、この文脈では正当化されるとも言えますが・・・。

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shuji [イギリスには憲法はないと思いますよ。]

cloudy [> イギリスに憲法はない つhttp://www.clair.or.jp/j/forum/c_report/html..]

bewaad [>shujiさん、cloudyさん 「(成文)憲法典」と「憲法」は異なるということです。]


2005-09-07

[politics][economy]再び雪斎さんへ

「論座」2005.10号における選挙特集に雪斎さんが寄稿された論考が、ご本人のblogに再掲されていますつい先日も雪斎さんのエントリへの反論をさせていただいたところですが、ネットでも公開されたことに甘えて、この論考について思うところを述べたいと思います。このような機会を与えていただき、雪斎さんには心より感謝申し上げます。

拝読してwebmasterが最も異議を申し上げたいのは次の部分です(強調はwebmasterによります)。

筆者は、小澤の「普通の国」路線と同様に小泉の「構造改革」路線を一貫して支持してきた。小澤と小泉の政策路線には、「小さな政府」を標榜し、たとえば「自助努力」の意義を強調する余りに、「格差」を容認し「平等」の価値を軽視するという批判が向けられた。しかし、我が国の本質的な課題は、現在の我が国が持つ経済上の実力や社会上の活力を、どのように保つかということに他ならない。そうした社会上の「活力」を前提にしてこそ、我が国は、どのように対外的な影響力を発揮し対内的な「公正」を確保するかということを議論できるのではなかろうか。此度の総選挙に際して下されるであろう「構造改革」路線への評価は、この社会上の「活力」の維持という観点からも判断されるべきであろう。

現在の日本経済には全く活力がなく、「経済上の実力や社会上の活力」という観点からの構造改革路線支持は矛盾しています。前回雪斎さんのエントリを取り上げた際に、現在の景気回復は輸出増加に過ぎないと申し上げました。統計上は設備投資も堅調ですが、以前論じたように資本ストックの水準は低調なままで、単に寿命を迎えるまでとことん使い尽くされた設備が多いというだけのことです。家計消費は底堅いと言われていますが、逆に言えば下掲のように、実際の支出を示す帰属家賃を除くベースでは、10年前の名目水準に劣っています(支出額は単位兆円。なお、帰属家賃とは、持ち家のある家計においては家賃支出がありませんが、それでは持ち家比率が上昇するとGDPが低下することになるので、調整のため家賃相当額として算出される数値のことです)。

年度家計最終消費支出除く持ち家の帰属家賃
1994268.9226.3
1995273.7229.6
1996281.1235.4
1997282.2235.1
1998281.9233.7
1999280.5231.3
2000280.2230.0
2001278.9227.6
2002278.0226.0
2003277.4224.5
2004279.4225.7

念のため実質支出も掲げると次のとおりですが、4年で20兆円弱という輸出増に比べればそのインパクトの小ささがお分かりいただけるかと存じます。

年度家計最終消費支出除く持ち家の帰属家賃
1994267.2222.3
1995273.3227.6
1996280.4233.7
1997277.8230.2
1998278.4230.0
1999278.6229.3
2000280.7230.6
2001282.7231.6
2002284.6232.8
2003285.9233.2
2004289.5235.9

このようにデフレを放置した結果、企業の新陳代謝はますます滞っています。まず、以前田中秀臣先生がご紹介の開廃業率の推移(竹森俊平「経済論戦は甦る」記載計数の補足)を紹介すれば次のとおりです。

年度開業率(%)廃業率(%)
75〜785.93.8
78〜815.93.8
81〜864.34.0
86〜913.54.0
91〜962.73.2
96〜993.65.6
99〜013.14.5

最新の調査結果を見ますと、ベースが違うようなので過去の分もまとめて別途掲載しますが、次のように相変わらず開業率は伸び悩む一方、廃業率は右肩上がりです。

年度事業所新設率(%)廃業率(%)
19944.64.7
19994.15.9
20044.26.4

これらは偶然そうなったというわけではなく、次のようにカバレロとハマーによる理論的解明も進められています。

もう一つは、不況時は事業家がリスク許容度が小さくなったり、保有する純資産が低下し、外部資金コストが上昇するため、新規参入が見送られたり、新規の雇用や設備に対し消極的になる点だ。カバレロとハマーが米国の製造業を対象に行った実証研究の結果は以下の通りだ。一般に不況下でも果敢に参入するのは技術力に自信を持った事業家だが、社齢の若い企業が不況で損失が発生し、融資を受けられなくなって退出して、雇用が破壊される。情報の非対称性で技術力の優劣ではなく純資産が多い企業が外部資金を得やすい。このため、不況時に参入できるのは純資産が大きい企業に限られる。不況から時間が経過した後でも、純資産の小さい事業家はなかなか参入できない一方で、社齢の古い企業のリストラに歯止めがかかる。このように、不況は新規参入を抑制する一方で、社齢の古い企業の存続を促進する。この結果、経済全体の生産性を下げる。不況が創造なき破壊となる点でシュンペーターには皮肉な結果だ。日本でも、景気の良い時期に開業率が高く、廃業率が低く、不況期には開業率が高く、廃業率が低くなり(ママ)、需要が冷え込んだ時期に新たな起業が起き難いという常識が当てはまる。

#なお、「ママ」の部分は、正しくは不況期には逆となります。(9/8追記)

「「構造改革」の政策思想−創造的破壊か創造なき破壊か」@連合総研

以上のように、経済の実力や社会の活力といった観点から構造改革路線を評価するのであれば、絶対に路線存続を許すべきではないという結論しか導き得ません。構造改革に賛成であるというなら、それらを損なってでも成し遂げなければならないことがあるとの理由でない限り、知的に不誠実であると断ぜざるを得ません。無礼を承知で申し上げるなら、「社会上の「活力」を保つために必要な「構造改革」」というタイトルは悪質なプロパガンダです。

その他の主な気づきの点についても触れますと次のとおりです。

英国紙『ザ・タイムズ』は、「日本における『真昼の決闘』」と題された記事の中で、「国会内での崩落は、小さな政府(smaller government)か旧式の費用が高く付く大きな政府(the old-style high-spending big government)かを選ぶ岐路に日本を押し遣った」と書いた。此度の総選挙の争点は、表面的には郵政民営化の是非であるけれども、本質的には「小さな政府」への歩みを速めるのを是とするか、あるいは非とするかということなのであろう。
現在の日本が国際的に見れば「小さな政府」であることは以前論じましたし、cloudyさんによるわかりやすいまとめもあります。そもそも、仮に小泉政権が敗北したところで、その際に与党の中心となるであろう民主党にしても構造改革原理主義であることに変わりはなく、「『小さな政府』への歩み」以外の選択肢など事実上ありません。しょせん今回の選挙は構造改革原理主義者どうしのポケットの中の戦争であるに過ぎません。
そうした「反」の論理や感情は、それに拠る人々に何らかの正義を背負っているかのような錯覚を与えるものであったとしても、何ら積極的なものを生み出せるわけではない。
小泉総理の動機として反田中・反経世会という部分が相当程度あるのではないかとの指摘は数多くなされていますし、構造改革原理主義にしても既得権(と世間的に信じられているもの)への反感という一点において共通を見るだけで、その具体論が異なるというのは珍しいことではありません。ここでのご指摘が「抵抗勢力」にのみ向けられ、小泉総理らに向けられないのはダブルスタンダードでしょう。
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 [所得の再配分をしないなら、国がわざわざ年金制度を運営する意味はないと思いますね。 それに日本の年金は多いほうです。ス..]

kumakuma1967 [医療費負担の不安が年金額の要求を引き上げている事を考えると、スウェーデンより高くてもスウェーデンより豊かかどうかはわ..]

bewaad [>◆さん、kumakuma1967さん 以下は1月にあれこれ書いたことの焼き直しなので詳しくはそちらをご覧頂きたいの..]


2005-09-08

[economy][politics]5度財投機関債について

#本エントリは下記の関連エントリ中3番の続きになります。

  1. 「財投機関債廃止のために郵政民営化をすべきなのか?」(8/24付)
  2. 「昨日の補足(財投機関債などについて)」(8/25付)
  3. 「それでも暗黙の政府保証は存在する、ほか」(8/27付)
  4. 「4度財投機関債について」(8/30付)

馬車馬さんからいただいた次のご質問に回答させていただきます。

◆ 馬車馬 (2005-08-31 13:02)

TB有難うございます。コメントが遅れてごめんなさい。本文、コメント欄ともに興味深く拝見しました。

ざっとまとめますと、
1. 政府の政策を実行する機関である以上、政府がきちんと面倒を見るのは当然
2. 現実問題として暗黙の政府保証は織り込まれている
3. ただし、そもそも「暗黙の政府保証」をどう定義するかという問題はある
4. 発行体による格差は現在むしろ縮小している
5. 旧自治省は明示的に地方債の「暗黙の政府保証」を認めていた
6. 地方債のスプレッド格差は実際のクレジットの格差に比べれば小さい
7. risk mitigationとしてカウントされるのでスプレッドには格差が出る
8. スプレッドは厳密には信用プレミアム+流動性プレミアムなので、そこでもスプレッド格差がつく

といったところだと思います。「どら」さんがご指摘されている通り、私はnon-JGBは完全に素人ですので、現場の方がトンデモとおっしゃるのであればそれは感受せねばならないと思います。また、同じ理由から上の2点目、4点目と6点目には反論のしようがありません。ただただ「勉強になります!」と思うばかりです。

それ以外の点について。1点目についてですが、政府にとって重要なのは実行機関の継続ではなくサービスの継続ですから、一度機関は清算して投資家に債権をあきらめさせ、改めて新しい機関を立ち上げてもいいわけです。その意味でこれは「暗黙の〜」を正当化するロジックにはなりにくいと思います。

3点目についてですが、これは全く仰るとおりで、「〜保証」は厳密には狭義広義の2種類があるのだと思います。私は狭義の「保証」しか考えておりませんでした。個人的には、機関債の今後を考える時に狭義の「保証」が前提されるのはまずそうですが、広義の「保証」についてはどうなのか、ちょっと疑問があります。こちらは(私の)今後の課題という事で。

5点目については、自治省が発行体格差を付けたくなかったので「〜保証」を半ば明言していた、と理解していますが、今は大分事情が変わったのではないかと。

6点目についてですが、クレジット格差に比べてスプレッドが小さい、という点は了解しましたが、どの程度小さいのでしょうか?

7点目ですが、risk mitigationでスプレッド格差が付くというのがちょっとよく分からないのですが、もう少しお教えいただけると幸いです。

8点目、10年前の公社公団債に比べ、現在の機関債のスプレッドは基本的に拡大している(金融機関は縮小しているように見えますが)と理解しているのですが、それも流動性プレミアムの増減で解釈可能でしょうか?もし違うとすると、このスプレッドの変化は何を反映しているのでしょうか?

質問しまくりで恐縮なのですが、お手間でないものだけでもご教授頂ければ幸いです。

コメントを拝見するに、「保証」がほとんどない、という部分については間違っているという結論だと思うのですが、改善しているのかどうか、そのペースがどうか、という点が未だにもやもやしております。その点についてもお教えいただければ大変ありがたいです・・・(ややこしいのは結局保証の有無はバイナリーではなく、「どの程度」存在するかが問題になっている、という点だと思います)

1点目ですが、清算・再調達等に要するコストと債務を事実上保証するコストの大小を比較して前者が小さいのであれば、ご指摘のような処理もあり得ますが、なかなかそのようなケースは想定しがたいのではないでしょうか。こと個別の事業のみを見るだけでは不十分で、他の財投機関の将来にわたっての資金調達コストにも影響を及ぼすわけですから。

3点目ですが、暗黙の政府保証自体は、最後に馬車馬さんご自身が示されているようにバイナリーではあり得ません。暗黙の政府保証がどのように観察されるかといえば、結局は金利が勝手格付けのように財務状態のみから想定される信用リスクに見合わないほど低い状態であるかどうかということになりますので、つまりは投資家が政府の損失肩代わりの確率をどの程度織り込んでいるかという鏡像しか観察できません。

実際に政府(予算・法律の決定権者=国会も含む)が財投機関の破綻に当たってどのように振る舞うかは蓋を開けるまで決定不能で、投資家が国の出資や監督等のコミットをどのように主観的に評価するその加重平均値がいわばimplied implicit government guaranteeであり、したがってex anteにはimplied valueしか存在し得ないとwebmasterは考えています。シュレーディンガーの猫が財投機関、観測者が投資家、その表情などから確率についてあれこれ雑談する野次馬(笑)が暗黙の政府保証について議論する者、といったところでしょうか。

5点目ですが、総務省の地方債の安全性についての解説ページにおける、地方債の元利償還に必要な財源を国が保障という微妙な言葉遣い(「保証」にあらず)が全てを物語っているのではないでしょうか(確か旧制度時代も「保障」と呼んでいたように記憶していますが、裏が取れませんのでその程度の信頼性としてお受け取りください)。

6点目ですが、実際のデータは他の方々にお任せするとして、先に紹介の総務省のページにおいて記されているように地方債はBIS規制上のリスクウェイトがゼロですので、それが価格形成に影響している可能性があるのではないか、という点のみ紹介いたします。

7点目ですが、政府支援の可能性がゼロでない限りは、その確率分だけリスクが低減されるはずなので、投資家は当然その低減効果を見込んで投資判断を行うということではないでしょうか。

8点目ですが、本来事業系財投機関の債券を悉皆的に分析すべきかもしれませんが、とても適任とは思えませんので、馬車馬さんのエントリで俎上に上げられていたのは道路公団と本四公団ですが、そこでまさしく道路公団について道路公団債はムーディーズでAa3、S&PでAA-と高い格付けを得ており、シングルAの社債スプレッドが0.15%程度であることを考えると、もっと低い金利で発行できていてもおかしくないとされているように、これらについてはポリティカル・リスクが織り込まれてスプレッドが拡大した可能性があり、他の事業系財投機関とは同列に論じられない可能性があるのでは、とのみお答えさせていただきます。

[government]METI, METI über alles!

中川経産相:経産省不祥事で訓示「国民の見る目は厳しい」(毎日)

通産省時代から中央官庁の中で最も活躍してきた本省に対する国民の見る目は厳しい。『このくらいはいいだろう』という考えや風通しの悪さが結局、省始まって以来のイメージ低下につながった」 ※ 強調は引用者による。

部内向けに言っていることなのでことさらに論難するつもりはないけれども、このような発言があったということだけは指摘をしておきたい。ま、「活躍」の語義を幅広くとらえれば、必ずしも誤りではないのかな、と。(´ー`)y-~~

記事をご紹介のbranchさんとは異なり、webmasterは「活躍」ではなく「中央官庁の中で」の解釈がポイントだと思います。「経産省は他省庁に比べて最も活躍してきた」という意味ではなくって、「経産省が最も活躍してきた舞台は他省庁を相手にするものだ」ということで(笑)。

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bewaad [>韓流好きなリフレ派さん、yubinさん 実は旧郵政官僚にとっては願ったりかなったりの民営化だ、という話はあるかなと..]

馬車馬 [すみません、折角エントリーを起こしていただいていながらコメントをするのを忘れていました。 1点目ですが、清算コスト..]

bewaad [本来国が直接やればいいところ、定員やら政府肥大化批判やらで特殊法人をつくってやらせ、さらにそこに市場原理を導入する、..]


2005-09-09

[economy]文科系人間には大した問題だとは認識できない郵便貯金

以前にも構造改革について論じたテキストを取り上げさせていただいたsatoshiさんが、さらに「理科系人間にも分かる郵便貯金の問題点」と題して郵便貯金について論じていらっしゃいます。メディアなどで郵便貯金の問題点として語られる事象が簡潔にまとめられていますので、再度取り上げさせていただくことにより、「問題点」を検証してみたいと思います。

我々日本人の貴重な財産のうち、320兆円という巨額なお金が郵便貯金という形で郵便局に預けられている。なぜ多くの人々が郵便貯金を選ぶかというと、(1)出し入れが自由なわりに金利は低くない、(2)「政府が保障してくれる」という安心感がある、からである。「安心で、便利で、金利も悪くない」のであれば当然である。

日銀の資金循環統計からここ6年間の預金残高の動向を抜き出すと次のとおりです(断りのない限り単位兆円)。

年度全預金(A)うち民間預金(B)うち郵便貯金(C)C/AC/B
19991,091.7830.0261.724.0%31.5%
20001,102.1850.8251.222.8%29.5%
20011,106.0864.8241.221.8%27.9%
20021,106.8869.1237.721.5%27.4%
20031,125.1893.3231.720.6%25.9%
2004(P)1,120.3901.0219.319.6%24.3%

「ここ6年」とは1999年度が郵貯残高のピークなのでそれ以降ということですが、近年明らかに郵便貯金は民間預金に対して競争力がなく漸減傾向となっています。これは一時的な傾向というわけではなく、公社スタートのときの資金量233兆円については、1期4年の終わる平成18年度末は208兆円になり、10年後の平成25年には約150兆円になる、というシミュレーションをしている。公社のスタッフのシミュレーションは、過去相当の確度をもって当たってきている。したがって、資金量を徐々に健全スリム化にしていくというのは、まさにその流れの中で今順調に推移している、というふうに理解していただいていい郵政公社の生田総裁も発言しているとおり、構造的にそのような傾向となっています。

satoshiさんご指摘の特徴は定額貯金を念頭に置いたものかと存じますが、このご指摘は1992年の定額貯金金利設定ルールの変更前においてのみ妥当するもので、最近のこの動きはルール変更後10年(=定額貯金の最長預入期間)を経て不当な有利性は存在しなくなったことの証拠といえます(1999年度がピークであるのは、バブル期に集中的に預け入れられた高金利定額貯金が満期を迎えたためです)。

変更後のルールにおいて定額貯金の金利(3年超に一律適用の部分)は、順イールド時には民間の3年定期預金金利よりも、逆イールド時には国債の10年金利よりも低い水準に設定されることとなっています。つまり、「金利は低くない」ということはありません。また、政府保証については、預入限度額が1000万円である以上、預金保険制度が適用される民間預金と実質的に差はありません。

残る「出し入れが自由」ですが、世の中の金融商品で満期前に引き出したところで刑務所に放り込まれるようなものはありません(笑)ので、俗に言われる定額貯金が出し入れ自由とは、満期前の引出しに当たって生じるべき損が回避可能であるということを指します。「生じるべき損」とは簿価と時価との差額で、例えば1%(単利)の10年国債を購入し、発行後5年経過時に5年国債が5%(単利)だから乗り換えようと10年国債を売却する際には、額面の17%程度の売却損が生じる(=残存5年間の利子と満期償還金を年5%で割り引いた現在価値は額面の約83%)ことになります。

定額貯金は満期前に引き出しても適用金利が変わらないことから「出し入れ自由」と言われるのですが、例えば東京三菱銀行三井住友銀行UFJ銀行の定期預金がそうであるように、民間預金であっても適用金利が引き下げられこそすれ、債券のように元本を割り込むことはありません。その限りにおいて民間預金も債券に比べればよほど「出し入れ自由」であり、定額貯金との差は程度問題です。

理論的には、これらは金利上昇に当たって生じるはずの時価下落をプットオプションでヘッジしているのと同じで、部分ヘッジ(元本のみヘッジ)の民間預金とフルヘッジの定額貯金のオプションプレミアム格差が上記の金利設定ルールにおける官民金利格差(定額貯金が制度的に民間定期預金よりも低金利商品と位置づけられている)に相当します。郵貯の残高の漸減は、このプレミアム格差は預金市場において定額貯金はむしろ不利な商品性として預金者から評価されていることの表れ以外の何物でもありません。

したがって、なぜ、「出し入れが自由なわりに金利は低くない」なんていう魔法のようなことが出来るかというと、郵便局には、一般の銀行に課せられたさまざまな義務(税金、保証金、従業員のための年金の負担など)から免除されているからであるとのご指摘は、以上のとおりそもそも前提において「魔法のようなこと」ではないのですが、後段についても、税金がない代わりに国庫納付制度が設けられている、保証金(=預金保険料?)がない代わりに特例的に一般会計に5年間で1兆円も上納させられる等の資金負担があり得る、年金に至っては民間並の事業者負担分のみならず国営ということで基礎年金の国庫負担分まで事業収入から捻出しておりむしろ民間より不利である、といった点を見ない片手落ちのご指摘といわざるを得ないでしょう。

#その他にも、ユニバーサルサービス提供のための不採算郵便局の維持等のコストも負担しています。

しかし、政府の機関である郵便貯金は、市場原理を無視して国債、地方債、財投、財投機関債、などの政府自身、もしくは政府が作った特殊法人の発行する債券を買う、という形で運用されてきたのだ。この市場原理を無視した郵便貯金の運用のために、政府や特殊法人が経営努力をろくにしなくとも、不当に低い金利で資金を調達できる、という状態が長年続いて来たのである。

前回satoshiさんのエントリを取り上げた際にも論じましたが、民間貯蓄の運用先は民間、政府、海外のいずれかの資金調達の原資となる以外に選択肢はありません。仮に郵便貯金が存在せず銀行等の民間預金取扱金融機関に資金が流れていたところで、結局は同額の政府資金調達に振り向けるより運用先はなく、現状は「不当に低い金利」ではないのです。

銀行等なら民間資金調達に運用できた? 銀行等が「不当に低い金利」である国債にあれほど運用して貸出を減らし続けていることからわかるように、借りる側に資金需要がなければ、いくら貸したくても貸せるものではありません。銀行等なら海外資金調達に運用できた? 海外への資金運用の純額を増加させるためには、モノやサービスを販売して得た債権=経常収支を増やすよりほかなく、銀行等の資金仲介部門がどうこうできる話ではありません。結果は大差ないのです。

ちなみに郵貯の資金運用における国債購入は(財投債の経過措置引受を除き)市場でなされており、その限りにおいて市場原理を無視しているわけではなく、市場で形成された条件に従っていますし、市場での売買は民間投資家と全く同じ立場でおこなっています。ちなみに、1999年度の数字ですが、アメリカでは有利子国債約5.6兆ドルのうち、2兆ドル弱(約35%)は連邦政府が非市場性証券のかたちで保有しており(公的年金の運用として)、これらは市場で売買されることはありません。市場原理によりそぐわないのはどちらでしょうか?

これだけでも、とても先進国で起こっている話とは信じ難い話だが、もっと恐ろしいのは、この「経営努力をろくにしていない特殊法人に低金利で貸し出しているお金」のどのくらいが既に不良債権化してしまっているか(=特殊法人の事業が経営破綻状態にあり、借金を返せる状態に無いか)を誰もきちんと把握出来ていない、と言う状況である。郵政を民営化して、郵貯の運用先をきちんと把握して不良債権を処理したら、実は100兆円が焦げ付いていた(つまり、100兆円を税金で補填しなければならない)、という可能性も十分ありうるのである。

財投機関に由来する将来における広義の国民負担見通し(補助金等の投入に加え、政府出資の機会費用等を含むもの)の割引現在価値は政策コストとして毎年政府が公表しており、平成17年度で5兆円強とされています。別に政府試算が絶対だと主張するつもりはなく、その内容についての議論は大いに歓迎すべきことだとwebmasterは思いますが、根拠のない決め付けはいかがなものでしょうか。

そもそも論をいえば、財投債ではなく全額を建設国債や赤字国債に運用すればそれらすべては税金から償還される(リフレ派のくせに通貨発行益を無視するのか、といったツッコミはなしで(笑))わけで、償還原資が何かのみに議論を収斂させることには疑問がないわけではありませんが。保有主体が郵貯か民間投資家かで変わる話でもありませんし。

#ちなみにこの財投の不良債権が100兆円にもなり得るという話、ネットでよく見かけるのですが、どのあたりが情報元なんでしょうか・・・。

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2005-09-10

[politics]「アナウンスメント効果」と一口に言うけれど

与党優勢との選挙報道を受け、与党支持の人間が「自分が投票しなくても与党は勝つだろうから投票しなくてもいいだろう」と受け止めることにより実際の得票が支持者の数よりも減少する可能性が指摘され、それは一般にアナウンスメント効果とメディアでは呼ばれています。しかしそれって大学の政治学の講義で聞いた話と違うなぁ、ということを書いてみます。

アナウンスメント=告知と訳されることが多いのですが、つまりはある情報を知ることにより行動が変化することがアナウンスメント効果ということになります。他の分野でもアナウンスメント効果という言葉が使われることがありますが、それはこの意味で用いられているもので、例えば企業買収が発表されると被買収企業の株価が上がるとか(買収側が現在の株価を割安と判断しているからこそ買収するわけで、現在の株価より買収価格は高くなり得る、という連想)、中央銀行の政策変更は操作により実現される金利変動以上に実体経済に影響を及ぼすとか(引き締め/緩和が必要と当局が判断しているということは、しばらくの間はその方向で政策運営がなされる可能性が高いはず、という連想)、そういった使われ方もあります。

選挙報道と投票行動が冒頭に紹介したようにしか関係しないのであれば、アナウンスメントの効果は1つしかないのでそれをアナウンスメント効果と呼んで一向に差し支えありません。しかし投票行動はそう単純ではなく、その用法では切り捨てられてしまう部分があります。

冒頭に紹介したような影響の及ぼし方は、大学ではバッファ効果と教えられました。この場合、優勢と伝えられた側に当該報道が不利に働きますが、別のメカニズムでも同様の効果がもたらされる部分があり、そちらはアンダードッグ効果と呼びます。つまりは判官びいきというやつで、劣勢と聞いたからこそ応援したくなるというロジックです。

他方で優勢との報道が有利に働く場合、こちらはバンドワゴン効果と呼びます。単に付和雷同というケースもありますが、もっとも自分の考えに近い候補者に全く当選する可能性がない場合、その候補者への投票はせず、当選する可能性のある中から自分の考えに近い候補者を選ぶというケースもあります。

これらは(バンドワゴン効果の付和雷同タイプを除き)合理的選択の結果であるとの説明が可能です。バッファ効果の場合、投票しなくても自分の応援する候補が当選する、すなわち自らが一票を投じることの効用は限りなく小さいと判断するわけですから、棄権してより効用の高い行動、つまりは他の余暇の過ごし方を選ぶということになります。仮に自分が投票しなければ落選するかもと思えば、自らの一票に価値が出てきてその候補者を当選させる効果がある=自らにとって高い効用が実現されるということになりますから、この場合は遊びに行くのをやめて投票するか、という気になるわけです。

アンダードッグ効果の場合、劣勢候補者が自分の投票により善戦できたことをもって、自分の投票にはそれなりの価値があったと信じることができるという効用があるということになります。ただし、誰に票を投ずるか決めかねていた者が劣勢であることを理由に投票対象を決めた場合、優勢に転じてもなお自らの投票により予定調和を壊すことができたという満足が得られるので、態度決定後の報道による影響は少ないと言えますが、本来は優勢候補を支持しつつ、部分的批判の実現やバッファ効果的な投票抑制により劣勢候補に肩入れしたような場合には、その劣勢候補が優勢に転じるようであれば、本来支持する候補者への揺り戻しもあります。

バンドワゴン効果の場合、モデルでシンプルに表すことができるのでそれを示してみます。ある選挙区において候補者A、候補者B、候補者Cがいて、ある選挙権者にとっての本来の政策の親和性と当選確率の積で期待政策実現率をはじき出す場合、下表のような結果となります。

候補者政策の親和性(A)当選確率(B)期待政策実現率(AxB)
A100
B0.60.40.24
C0.10.60.06

こうした判断・観測をする選挙権者にとって、候補者Aが当選することが文句なくベストなのですが、どうせ候補者Aに投票しても死票になるだけで意味がないので、それぐらいなら候補者Bに投票した方が部分的にでも自らの望む政策が実現される可能性があるので候補者Bに投票することがより効用が高いという結論に至るわけです。

実は実証研究ではアナウンスメント効果があるとの確かな証拠は見つかっていないのですが、つまりはこれらの諸効果が相殺しあっているのではないか、と考えられています(もちろん投票行動を決定する他の要素の影響を除去しきれず観測が難しいということもあります)。メディアで「アナウンスメント効果」という言葉を見かけた際には、ちょっとご用心を、ということで。

[politics]何のために反対したのやら

同法案については、反対票組の鴻池祥肇・元防災相が9日、国会内で青木参院議員会長と会談し、「民意に従うのが政治家の筋だ」などとして、衆院選で与党が過半数を得れば法案に賛成する意向を伝えた。「反対した人たちの気持ちを考えれば、一か月前に出てきたのと同じものでは賛成しにくい」として、何らかの修正が必要との認識を示しつつも、反対から賛成に転じた。

さらに真鍋賢二・元環境庁長官、二之湯智参院議員も同日、読売新聞の取材に対し、衆院選で与党が勝利すれば法案に賛成する考えを示唆した。

(略)

反対票組の多くも、衆院選で与党が堅調な戦いを進め、小泉首相の自民党総裁任期延長論も出る中、賛成に回る大義とタイミングを探っている。

鴻池氏は、青木氏との会談後の記者会見で「民意」という言葉を7回も口にした。衆院選で与党が過半数を獲得すれば、有権者の意思は「民営化に賛成」と判断できるというわけだ。

ただ、反対票組が賛成に転じる理由はそれだけではない。首相や党執行部が、特別国会で法案に賛成すれば、処分の先送りを示唆していることも大きい。

さらに、首相の任期延長論が浮上していることが、「造反を続けたら次期参院選で公認を得られない」との危機感をあおっている面もあるようだ。

読売「与党勝利なら…参院造反組、郵政法案賛成の動き」

士道不覚悟ですなぁ。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」といいますが、進んで身を捨てることができた小泉総理とそれができなかった造反組との間には、戦いに臨む気合において懸隔の差があるようです。かつて反対派への締め付けをもって千慮の一失と評したwebmasterはそのあたりの機微についてよく飲み込めていないようで、読み違いを素直に認めざるを得ません。やはり小泉総理は稀代の政局の天才でございます。

それにつけても造反組は最悪の選択をしたのではないでしょうか。かつて何かの小説で、金で転んだ人間はそれ以上自分を安売りすることがないが、脅しで転んだ人間はいくらでも自分を安売りするようになる、といった台詞を読んだことがありますが、彼(女)らのプレゼンスは今後下がる一方でしょう。その程度の覚悟しかないなら、最初から造反などしなければよかったのに・・・。

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2005-09-11

[politics]総選挙の朝に思うこと

選挙の結果は選挙が終わってみないとわからないもので、事前にあれこれ書いて事後的に的外れだと判明するのは恥ずかしいものではありますが、事後になって「実は・・・」と書き、理屈を後付けにしたのかどうかうやむやになるのもなんですので、明日のエントリで恥をさらすことを覚悟してあえて選挙前のうちに書いてみます。

小泉総理は勝つでしょう。そして投票率も高いものとなるでしょう。しかしてその理由は何かと考えると、報道レベルではよく見えてきません。相変わらず郵政民営化は最大関心事項ではありませんし(例:毎日の世論調査)、自民であろうと民主であろうと構造改革を主張している点は従来同様今回も変わりありません。刺客騒動などで注目が、といっても、毎回選挙においてはそれなりに注目を集める話題はそれぞれあります。つまり、今回の総選挙において特有の事情というのが見えてきません。

webmasterが見るに、今回の総選挙に特有であろう要素は、次が手がかりとなります。

一方、中塚尚子(香山リカ)は、「『借り』を返したい――「ひきこもり」のささやかな治療論」(こころの臨床ア・ラ・カルト20巻2号,2001年)という文章の中で、ひきこもりの人々にある「万能の核」について書いている。これはつまり、上に述べた「自己愛型ひきこもり」にみられる「万能感」と同じものだといっていいだろう。

続けて、中塚は映画『ギャラクシー・クエスト』を持ち出す。

筆者にとって最も印象的だったのは、これまで現実世界では活躍の場がなく、物語世界に閉じこもりがちな生活を送っていたマニアたちが、宇宙船艦長役の俳優から「これは現実なんだ! キミたちの知識が必要だ」と言われた瞬間、「わかりました、艦長!」と一気に活気づくシーンであった。名声やお金が与えられるわけではないが、彼らの「万能の核」が満たされる奇跡が起きたのである。

(中略)

持てる知識をすべて使って彼らの手助けをするマニアたちは、この「借り」を返すときがやってきたからこそ、あれほど歓喜に満ちた表情をしているのではないだろうか。「ひきこもり」たちが望むものもまた、「この世ならぬ場所で『借り』を返したい、返せる相手がほしい」ということにほかならないのではないか、という気がする。となると、彼らを部屋から引き出すのは、名声でもお金でもなく“小さな奇跡”ということになろうか。

レポートの中で、「厨」が対象者をターゲットにしたきっかけとしてしばしば書かれていたのは、対象者がホームページに書いた「誰か手伝って」とか「アシがほしい!」といった、何気ない一言だった。「厨」たちは、対象者が冗談半分で書いたその言葉を真に受けて自宅に押しかけ、拒絶されると逆上する。そんな例がいくつか見られるのである。

多くの人が「厨」の思考に困惑したと思われるのだけれど、ホームページで目にした憧れの作家さんの「手伝いがほしい」という一言は、彼らにとって、艦長の「キミたちの知識が必要だ!」のひとことと同じなわけだ。憧れの作家を自分の力で助けることができる! それは空虚感に満たされた彼らにとって“小さな奇跡”であり、自分の「万能の核」が満たされ、「借り」を返すことのできる輝かしい瞬間なのだ。だからこそ、彼らは同人誌の奥付を頼りに押しかけるのだ。自分が歓迎されると信じて。

それは確かに彼らを部屋から引き出す奇跡だ。とはいっても、中塚がいうほど希望に満ちたものではなく、迷惑きわまりない奇跡ではあるのだけど。

「押しかけ厨 Oshikake-Chu」@私家版・精神医学用語辞典

思うに今回の総選挙に似た要素があるのは小泉総裁が選出された2001年自民党総裁選挙ではないでしょうか。このときは議員投票となれば橋本候補が有利とされていたところ、地方予備選の地滑り的大勝で下馬評を覆しました。密室から生まれたと悪評高かった森政権が求心力を失う中、自分たちは無視されているという現場の不満に対して、議員投票では勝てないのであなたの力が必要なのです、というプライドをくすぐる枠組みを作り上げたのが小泉候補でした。

今回の総選挙の流れ、すなわち参議院での否決から解散へというプロセスは、これと同種の舞台を形作っています。法案は否決されましたがあなたの力があればそれをひっくり返すことができるのです、というメッセージは、上記で言う”小さな奇跡”でしょう。もちろんすべての候補は選挙に当たってあなたの一票が必要だというわけですが、それはこれまでもそうですし、今後も変わりません。今回特有の要素とは、それに加えて総理大臣が力を貸してくれと政権を投げ出したことにあります。

本来小泉政権のマクロ経済運営によりしわ寄せをこうむっているはずの「B層」に小泉総理を支持する者が多いのもこれがためでしょう。自らの存在意義を見出すチャンスに相対的に恵まれず悩んでいる身に対して、こう呼びかけられるのですから。「これは現実なんだ! キミたちの支持が必要だ」と。

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foo [もうひとつの「小さな奇跡」は「政権交代」でしょうか。 奇跡は起きませんでしたが。]

bewaad [>稲葉先生 笑。 でも最初のレスでいう小泉総理の「運」って、最大のものは絶対外需だと思います。輸出の伸びがなければ..]

bewaad [>fooさん 政権交代を現状からの変革(と信じられるもの)のシンボルとするなら、「造反組」の粛清は同様の効果を発揮し..]


2005-09-12

[notice][history]ニーメラー牧師発言

以前のエントリにて標記を引用いたしましたが、愛・蔵太さんによりこのよく引用される発言の訳は不正確では、とのご指摘がなされ、以後そのコメント欄で議論が続いています。その帰趨を見て必要とあらば修正いたしますが、そのような状況にあることをとりあえず告知させていただきます。

[politics]選挙結果を見てのファーストインプレッション

総選挙の結果はご案内のとおりで、なぜそのような結果となったかについては、とりあえずネットでは自民党の大勝というより民主党の自滅では、という分析がなされ始めているようですが、簡単な指標として比例区の得票数を見てみます。

政党北海道東北北関東南関東東京北陸信越東海近畿中国四国九州合計
自民939,5911,884,8202,906,9713,325,0332,663,6131,665,5533,064,6754,001,4741,536,844796,4752,794,27525,579,324
公明368,072613,604942,461959,668819,783403,203987,2011,626,040658,602346,9431,202,1528,927,729
与党計1,307,6632,498,4243,849,4324,284,7013,483,3962,068,7564,051,8765,627,5142,195,4461,143,4183,996,42734,507,053
民主1,090,1791,732,6342,273,0022,323,1101,961,8861,414,3922,765,9093,156,5471,196,482633,5772,202,64120,750,359
共産241,054322,366479,847538,356585,694293,045502,4621,051,549246,761171,924434,3534,867,411
社民152,210360,169326,676420,762300,634272,649300,149619,410215,446138,792583,7523,690,649
大地433,643-----------433,643
国民-243,192---300,140--330,205-297,7761,171,313
日本--296,904291,526289,939-327,325420,619---1,626,313
野党計1,917,0862,658,3613,376,4293,573,7543,138,1532,280,2263,895,8455,248,1251,988,894944,2933,518,52232,539,688

というわけで、何よりも「風」が一定の閾値を超えると地すべり的大勝をもたらすという小選挙区制こそが自民党大勝の最大の原因でしょう。Irregular Expressionより前々回・前回の結果をお借りして並べてみますとその傾向はより明らかで、次のとおり確かに民主党は150万票ほど票数を減らしてはいますが、昨日予測したように投票率を押し上げた自民党賛成票その数約500万票の影響がより大きかったわけです(単位万票。なお、2000年の「民主」には自由党(当時)の得票を足してあります。同年の「その他」には保守党(当時)も含まれますが、手抜きで野党に足させていただきました)。

政党2000年2003年2005年(今回)
自民1,6942,0662,558
公明776873893
与党計2,4702,9393,451
民主2,1662,2102,075
共産672459487
社民560302369
その他116-323
野党計3,5142,9713,254

まあでも今回の真の勝者は自民党ではなく、構造改革原理主義ではないかとwebmasterは思います。とりあえず自民党と民主党を構造改革派としてカウントした場合のシェア推移は次のとおりです。

政策スタンス2000年2003年2005年(今回)
構造改革64.5%72.4%69.1%
景気等35.5%27.6%30.9%

一見前回よりましですが、前回選挙までは今回の造反組もこれでは「構造改革」にカウントされていますし、切込隊長さんもご指摘のとおり今回選挙において公明党は大きく構造改革側に舵を切りました(ま、ここはトップの号令次第でスタンスは変わり得ますが)。前回までの自民党には15%の「景気等」がいたと仮定し(造反組37人の造反前における自民党衆議院議員に占めるシェアを流用しました)、今回は公明党も「構造改革」にカウントした修正版は次のとおりです。

政策スタンス2000年2003年2005年(今回)
構造改革60.3%67.1%82.4%
景気等39.7%32.9%17.6%

orz

[comic]現在官僚系もふ・第23話

牛丼屋で係長と係員に事情を話せば査定が決定ですか(笑)。何のために年末までかけて査定するんでしょうねぇ・・・。

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2005-09-13

[politics]民主政の具体的あり方・国際比較の巻

今回の選挙は二大政党による政権選択だということが半ば自明とされてきたわけですが、必ずしも民主政における選挙とはそうではないよ、ということをひとくさり。題材としてG7諸国を例にとってみます。

行政府の長の選出議会(下院)選挙制度政党構成連邦/非連邦
アメリカ大統領制小選挙区制二大政党制連邦制
カナダ議院内閣制小選挙区制多党制連邦制
イギリス議院内閣制小選挙区制二大政党制非連邦制
フランス大統領制小選挙区制多党制非連邦制
ドイツ議院内閣制小選挙区比例代表併用制二大政党制連邦制
イタリア議院内閣制小選挙区比例代表並立制多党制非連邦制

というわけで、先般の選挙改革で我が国の模範とされた議院内閣制・小選挙区制に基づく二大政党制=ウェストミンスターモデルは、実はイギリスでしか見られない制度ということになります。多党制において政党連合により2つの政権選択が示されるというものを含めればイタリアも入りますが、イタリアは我が国の選挙制度改革とほぼ同時期に現行制度を導入していまして、その意味では我が国と同様に定着期にあり、今後の運用がどのようなものとなるかは定かではありません。

他の国についても簡単に触れておきますと、アメリカは行政府と立法府が完全に独立していて、解散もなければ政府提出立法もありません。最近は下院多数派と大統領所属政党がともに共和党ではありますが、立法府での投票行動において他党のそれに同調するクロスヴォーティングがまま見られ議会運営には苦労がつきものです。まして戦後長らく下院多数派は民主党だったので、共和党大統領は常に議会では少数派だったわけです。

カナダは多党制といっても二大政党のいずれかと少数会派の連立になるのでウェストミンスターモデルの例とされることも多いのですが(アメリカと違ってイギリスから平和裏に独立したこともありますし)、そもそも連邦制なので中央政府の権限は限られており、ケベック州の独立問題なども抱えていたりします。

#連合王国たるイギリスにもそのような側面がないわけではありません。

フランスは大統領に議会解散権があり、その点アメリカよりも議会に対する大統領権限は強いのですが、やはり選挙が別であるため、大統領所属政党と議会多数派が異なる(コアビタシオン)ことは珍しくありません。

ドイツは「併用制」が実態として比例代表制に近く多党制となってもおかしくないのですが、ワイマール体制が多数の少数党の連立政権による不安定な政権運営ゆえにナチスの台頭を招いたとの反省から、少数党に厳しい枠組みとなっているがために二大政党制(という整理になっていますが、実態は自由民主党を加えた三政党制。イギリスも実は同様ですが)という凝った制度になっています。解散権の制限(二本でいう69条解散に限定)など他にも細かな工夫がいろいろありますが、最近のシュレーダー政権による自招不信任解散など今後の成り行きが気になる現在ではあります。

イギリスに話を戻しますと、当面我が国では純粋なウェストミンスターモデルというよりはサッチャリズムが志向されていますが、なぜブレア政権が登場したか、端的には功罪相半ばするとのイギリスでの現在の評価(例えばflapjackさんの現地でのお話などをご覧ください)をどこまで知ってのことか、という点には疑問があります。まして往時のイギリスのように供給制約にない我が国においては、さらに功は少なくならざるを得ません。

#ところでflapjackさん、なんでtrackbackに勇気がいるのでしょう?(笑)そんなに敷居が高いのでしょうか?

そもそもウェストミンスターモデルの評価について、あまりにいい面だけが紹介されているのではないでしょうか。例えばかみぽこさんがご紹介の実態(もちろんこれも評価軸の一つであって絶対視すべきではないのですけれども)を見て、そうしたデメリットよりもメリットが大きいとの判断がなされているようには、webmasterには見えないのです。

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2005-09-14

[economy]跡田先生はお薦めいたしかねます

一昨日読んだ跡田直澄さんの「郵貯消滅」は(当サイト読者の方にはとくに)お勧めできますという徳保さんの言を見て思わず。郵政民営化問題について「郵貯消滅」を参考とするのは、宇宙論についてコンノケンイチさんを参考にするようなものでしょう。

「郵貯消滅」の具体的問題点については、既に田中秀臣先生が詳細に論じていらっしゃいますし、実はwebmasterは同書を読んでいないのですが、跡田先生が郵貯等を論じた他の論文はつぶさに批判的検討をしたことがありますので、このテーマについていかに跡田先生の議論が信頼ならないかについては十分見当がついています。

とまあ難しいことを抜きにしても、「2003年、日本国破産[衝撃編]」なんて本の共著者であることのみをもってして、学者としての良心に欠けるところがあると断じてよいでしょう。タキオングッズの広告にコメントを寄せている博士号保有者と同じレベルです。跡田先生、2年前に日本国は破産したのですか?

#与党自ら郵政民営化で景気回復も社会保障も地方経済も安全保障も解決なんていうぐらいですから、この程度で驚いていちゃだめなんでしょうけれども(笑)。人間力とかいう自己啓発セミナーまがい(じゃないですね、そのもの(笑))の政策もありますしねぇ・・・。

[politics][economy]猪口先生もお薦めいたしかねます

猪口邦子先生 東京新聞夕刊におけるインタビュー(一部を抜粋)

今回の選挙を「イデオロギーから政策の争いに代わった」と分析。自民圧勝の理由を「郵政の先にあるものを国民は感じていた。背水の陣で臨んだ総理の勇気とリーダーシップを評価したんだと思う」と強調した。

東京でも自民候補が圧勝したことを「都民は都市政党への転換の重要さを直感していた。行財政改革を進め、グローバリゼーション化の中、日本は負ける側になってはいけないと強いメッセージを送った。この流れは地方にも浸透し、今後も続いていくと思う」と変化の兆しを肌で感じる。

「選挙結果 2」(@Meditationes9/12付)(webmaster注:強調は原文によります。)

まがりなりにも「国際」政治学を専門とする学者が「グローバリゼーション」で「負ける側」ですか(笑)。でもこのお人、在国連の特命大使やってたんですよねぇ・・・。

#さすがに「グローバリゼーション」でも「グローバル化」でなくって「グローバリゼーション化」なのは記者の聞き間違いであると信じたいですが。

「負ける」の意味が定義されていないので何が言いたいのかはさっぱりわかりませんが、思いつく限り考えてみましょう。

「国際競争力」がなくなる
「国と国とが競争をしているというのは危険な妄想」by Paul Krugman
日本もアルゼンチンのようになる
アルゼンチン政府が抱えていたのは外貨建て(ドル建て)債務、日本政府が抱えているのは邦貨建て債務。ドル建て債務はそうはいきませんが、円建て債務は紙幣を刷ればいくらでも返済可能です。
他国に比べ経済成長でひけをとる
一国の経済成長の重要性はグローバル化してようがしていまいが関係ありません。で、総需要不足を放置して若年層にろくな労働経験をつませず、将来の労働生産性低下を招いている現在の路線をより強化したほうがいいとでも?

[media][politics]ル・モンド紙の選挙報道

dpiさんからご紹介いただいたのですが、そのタイトルからしてずばり"Plébiscité, M. Koizumi a les mains libres pour moderniser le Japon"というもの。他にも8月末の記事でもタイトルにプレビシットという単語を用いており、さすがはボナパルティズムの母国の一流紙であります。webmasterごときですら思いついたプレビシット型選挙についての論評を、我が国のメディアではとんと見ないもので。

#実際に立法府の構成員の入れ替えという直接の効果を持つ分だけ、原義である国民投票として行われるプレビシットよりもたちが悪いのですが。

その他、dpiさんの訳から琴線に触れるものを抜き出して見ますと・・・。

  • 自分の政策―より正確にいえば、自分の統治スタイル(というのは彼の改革主義的万能薬は実質を欠いているのだから)―
  • 小泉首相は今や大統領制的な「人民の委任」[を得たこと]をもって任ずることができる。
  • 景気の回復が小泉首相[の政策]に負うものはほとんどない。それは、民間部門の再編(リストラ)と、良好な国外環境、とりわけ中国の成長の賜物である。
  • 2006年にはなおデフレが放置され続けるであろう日本の背後には、その将来に影を落とし、今回の選挙の最大の争点であった郵政民営化が魔法を用いて解決してしまうことなどないであろう、種々の問題が潜んでいるのである。
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2005-09-15

[economy]それでも跡田先生はお薦めいたしかねます

昨日のエントリを受けて、跡田直澄「郵貯消滅」をどう受け止めたかについて徳保さんから詳しい説明をいただきました。これ以上批判するなら、と思い「郵貯消滅」を購入し早速一通り目を通したわけですが、いや、想像以上にひどい本でした。環境問題の本だと思って買ったらフリーエネルギーで解決可能という主張だったとか、進化論の本だと思って買ったら創造説だったとか、そういったレベルです。次のジョーン・ロビンソンの言葉にこれほど頷きたくなったのは初めてです。

経済学を学ぶ目的は、経済の問題に対して一連の出来合いの答えを得るためではなく、どうしたら経済学者に騙されないかを学ぶことである。

せっかく彼の印税収入に貢献したのですから、それに見合うだけの徹底的な批判をおいおいしたいと思います(笑)が、取り急ぎ徳保さんがご紹介の部分について先行して取り上げます。

私の立場を簡単に書きます。田中先生(+bewaadさん)と跡田先生の意見の違いは、世界観の違いによります。田中先生は日銀と財務省がインフレをコントロールでき、市場も日銀と財務省の能力を信頼するとの見通しを持っています。しかし当の日銀と財務省は自身の能力を信じていない。跡田先生もその見方に賛同されているのです。

これは読者の方にご紹介いただいた日本銀行金融市場局の資料です。日銀のインフレ調整能力には不安がたくさんあり、市場の信頼も得られない可能性が無視できないという世界観を前提として、リフレ政策に踏み切るのは危険じゃなかろうかという雰囲気でまとめられています。

なぜインフレをコントロールできないかという理由も示さず、リフレ政策により並のインフレーションではすまなくなる。ハイパー・インフレーションとなって、ペットボトル入りミネラルウォーターを買うにも一万円札が必要になるだろう(p100)などとデマゴギーな主張をされても困るのですが(笑)。論より証拠、インフレターゲットを導入してなおインフレ昂進を抑制できなかった実例を1つでも挙げてみてほしいものです。

ちなみにご紹介の日銀ペーパーですが、財政赤字によりインフレのコントラビリティについて市場の信認が低下した例として挙げられている90年代前半のイタリアやスウェーデンですら、あくまで金利上昇の程度が大きかったというだけでインフレ率のコントロールに失敗したわけではないことはペーパーに添付の図表に明らかで、インフレ抑制が困難であるとの証拠にはなりません。

財政状況への影響にしても、赤字圧力=利払い増加については名目金利=インフレ率+実質金利を見る一方で、黒字圧力についてはインフレ率で割り引いた既往ストックの実質目減りのみを見て、名目成長率=インフレ率+実質成長率の影響を受ける税収増(厳密には税収弾性値(名目成長率に対する税収増減率の変動比率)が1.1(実績値)なので名目成長率を超える税収増が見込まれます)を見ていないなど片面的な比較、つまりインフレの悪影響のみを過度に強調したものであり不適切なのですが。

跡田先生はリフレ政策やるべしとの立場ですが、そのリスクも主張されています。bewaadさんの試算では、少子高齢化の進展により社会保障費の増大圧力が続く中、現行程度の収支状況を維持することが前提となっています。つまり緊縮財政が続きます。国債を日銀がどんどん引き受けても財務省が強い姿勢を維持できるのか? 田中先生は「できる」と考え、跡田先生は「難しい」という。私も難しいと思う。国民感情を考えるに、そんなに社会保障費を削れるわけがない。だから、規模はともかく増税は不可避ではなかろうか。

跡田先生の「リスク」とは財政状況改善を先行させなければハイパーインフレになるというものですが、そもそもハイパーインフレになるというのはノストラダムス予言と同じく根拠なく恐怖感をあおっているだけというのは既述のとおりです。他方、財政状況改善=増税and/or歳出削減を先行してなおデフレ脱却が可能であるというのは夢物語に過ぎません。

リフレ政策の中核的効果はレジーム転換、すなわち期待インフレ率を上昇させることにより消費を将来に先延ばしする(=貯蓄)よりも今消費してしまったほうが合理的選択である状況を実現することにあります。この点跡田先生はご理解いただいていないようで、現在はデフレだ。少し貨幣流通量を増やせば、インフレ気味となりデフレが克服される可能性がある(p100)とされており、どうも単純な貨幣数量説(マネタリーベース増加率を上昇さればインフレ率が上昇する)としてしかリフレ政策を理解していないように思われます。だからこそ増税and/or歳出削減の期待に与える影響を度外視しているのではないでしょうか。

そもそもデフレを脱却しないことには財政赤字増加圧力は強くなりこそすれ弱まることはありません。上記の税収弾性値が示すように名目成長率が低迷ないし下落するようでは歳入は減少します。他方、失業率の高止まり・上昇に伴う生活保護・雇用保険支出等の増加、確定給付年金の国庫負担増(運用益の低迷の埋め合わせ)など、歳出の増加につながる要素には事欠きません。むしろwebmasterの方こそ(田中先生にもご同意いただけると思いますが)、リフレなくしてどうやって財政再建が可能と考えているのかお伺いしたいところです。

跡田先生ではなく徳保さんに1点のみご質問するなら、「避けられない増税と歳出カットの嵐」と題する第4章をお書きの跡田先生の方が、webmasterや田中先生より財政再建について「難しい」という立場だというのはいかなるロジックなのでしょうか? webmasterは財政再建は経済状況の好転なくしてはなし得ないとし、跡田先生は経済状況が好転しなくても可能だとしているわけですが、これはwebmasterの方がより財政再建は困難だと認識(そのような状況でなければ増税and/or歳出削減の規模はとてつもなく大きくな(り、そのような大規模な増税and/or歳出削減は民間所得の低下を招いてスパイラル的に次の財政状況悪化につなが)るし、それは国民に受け入れられない)していることの表れ以外の何物でもありません。

また bewaadさんは国債残高が膨らんだのは貯蓄と資金需要のアンバランス解消のためだったと解説されましたが、跡田先生の発想は逆。その必要性が低下した30年前から財投と郵貯の解消を目指し、また貯蓄が他の金融商品より少し不利となる状況を作っていくべきだったという。(私の解釈は保留)

GDP統計(SNA)上の「貯蓄」は銀行預金等に限られず、「他の金融商品」も含みます(将来の消費に備えた一時的な金融資産への運用が「貯蓄」です)。したがって、民間の「貯蓄」が郵貯でなく株式等に向かっていたところで国債残高は累増せざるを得ません。

また、郵貯の存在故に財政支出が増加したという因果関係の存在を仮定する跡田理論を正当化するなら、郵貯の存在により本来あるべき水準よりも金利が高止まりし、それにより「消費」よりも「貯蓄」が選好されたというパスを通じてでしかあり得ないのですが、もちろんそのような論証は「郵貯消滅」では何らなされていないのです。

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2005-09-16

[politics]過去記事のサルヴェージ

今後の政治動向を考えるに、現時点でのwebmasterの考えを相対化するために、関連しそうな過去のテキストをいくつか引用してみます。正直なところ、webmaster自身がどのように書いたか記憶があやふやな点があり改めて見直してみたのがきっかけなのですが、今に至るまでの時代の流れ(についてのwebmasterの同時代における見方)を紹介することには、皆様の思考の一助としてそれなりに意義があるかな、と思いましたので(若干手抜きっぽい(笑)のはご容赦を)。

小沢一郎が1990年代以降の日本政治における重要なキーパーソンであったことは否定しがたい事実だが、中でも最も注目すべきことは、野党にある種の桎梏をかませたことだろう。それが何かというと、とにかく政策を重視し、政局の要素を軽視・蔑視する態度である。細川政権が発足したとき、しきりに55年体制の崩壊という言葉がささやかれたが、社会党こそほぼ消滅したものの、結局今に至っても自民党は与党であり続けている。その大きな原因の一つがこの桎梏と考える人間は、霞が関には結構多いのだ。

(略)

歴史にifは禁物だが、もし小沢が政策の不一致よりもとにかく自民党の息の根を止めることを優先して社会党・さきがけを取り込み続け、1995年度予算を連立政権で編成していたら、おそらく自民党は崩壊していただろう。各種圧力団体からしてみれば、自民党は与党であり予算にコミットできるから意味があるのであって、連立政権が一度でも予算を取り仕切る実績を見せれば、雪崩を打って自民党を見放していた可能性は極めて高い。やりたいことをやるのはそれからでも十分であったはずなのに、自らの政策にこだわって政権を崩壊させ、自民党を与党に復帰させてしまった。

2003年7月27日

ただし、中長期的に見れば、両者の立場は逆転する。ラフに言えば、日本において選挙で多数派を獲得してきたのは、いわゆる地方の名士に支持された政治勢力だ。これは板垣退助の自由党からほぼ一貫している。江戸時代の村役人(名主・庄屋など)以来の農村有力者の系譜を継ぐ農協等の幹部や特定郵便局長、開業医や商工会議所幹部、酒造業者など、今の自民党の支持基盤を見てもこれは明らかだ。

しかし、高度経済成長を経てこれらの顔役のグリップが効く共同体の多くが解体してしまったことにより、この必勝パターンが崩れ去ろうとしている。その手の共同体は、都市よりは地方、若年層よりは高年齢層に相対的に残っているが、地方人口・高齢者人口がともに下がっているし、今後その流れが止まるとも思えない。当然、反小泉派はここに依拠しており、だからこそ反小泉派が勝ってしまうと選挙には勝てないのだが、反小泉派の強みは、ここに依拠する政治勢力は彼らしかいないということだ。

他方、小泉総裁は都市・若年層を中心とする無党派層=政治勢力に把握される形での共同体を形成していないグループを支持基盤としているが、ここは民主党の支持基盤でもあるし、今後新しい政治運動が起こるときは必ずこの層を狙ってくることは間違いない。小泉総裁及びその一派はこのグループの支持をつなぎ止める必要があるのだが、今のところ小泉自身の個人的資質に依存しており、それを代替する組織的対応も見つかっていない。

だから、自民党の戦略としての小泉・反小泉疑似連合を続けるために次の一手が必要とされているのは小泉総裁側だ。それに失敗すれば、自民党が野党に転落するにとどまらず、小泉サイドは自民党内で負け組としてとどまるか民主党などに吸収されるか、いずせにせよ集団として存続するすべがない。反小泉派は、仮に望まずして野党に転落しても、上述の基盤を背景に一定の発言力は維持可能なのだが。

2003年8月31日

自民党という政党は選挙区選挙を勝ち抜いてきた議員の連合体であり、各議員は高度な「自治権」を有しているため、党本部の統制力は「内政不干渉」なものにとどまっているのだ(ちなみに正反対の極にいるのは、想像に易いだろうが共産党)。例えば今回話題の73歳定年制についても、あくまでその適用は比例代表選挙にのみ出馬する候補に限られ、小選挙区で出馬する議員は対象外(例:現在84歳ながら今回の選挙に出馬する相沢英之)。

選挙区選出議員から比例代表に転出するというのはこの自治権を放棄することであり、それこそ今回のように意に沿わない引退を強いられることにもなりかねないからこそ、中曽根は終身1位という身分保障を要求したのだ。

江藤隆美や持永和美の世襲に反対する造反候補の出馬を止められないため、3選挙区中2つが分裂選挙となる宮崎県に典型的に見られるように、こうした選挙区選出議員の独立性の尊重は組織にダイナミズムを生むが、共倒れのリスクが大きくなるのも事実。そうした自民党にとっての長所が活き短所が出てこないのが、かつての中選挙区制だったのだが、小選挙区比例代表並立制の現行制度の下では、今後どう対応していくのかが見もの。党本部の統制が強化されていくのか、それとも選挙区選出議員の独立した活動が自壊をもたらすのか。

2003年10月26日

話を元に戻すと、そうした混乱があったときに、民主党が自民党と相当程度違う方向性を持ったものとして認識されていれば、どうせ同じようなことをやるのなら自民党でいいや、ということにはならず、自民党にはどうやったってできないのだから民主党で仕方がない、我慢しようということになるはずだ。 ではどこに自民党に押さえられていない票田があるのか。

それは、都市部だ。高速道路をめぐる問題でも、対応策が「三位一体改革」と称されている地方財政問題にしても、郵政三事業、とりわけユニバーサルサービスをめぐる問題でも、その根底には都市と地方の対立という構造があるのだが、未だかつて都市の繁栄のためには地方をある程度切り捨てるのはやむを得ないと正面から訴えた政党はない(個人はいる。 石原慎太郎だ)。石原都知事もそうだし、民主党関係者では埼玉の上田知事、神奈川の松沢知事、横浜の中田市長もそうだが、都市部では一般にやや右の受けがよいが、自由党亡き後自民党に代わる保守政党がない(まあ、保守新党ってのもあるにはあるが)ことも考え合わせれば、保守&都市重視というマーケティング戦略の成功率は高い。

もちろんその場合、地方での得票は大して見込めないが、ラフな試算では、東京で9割、南北関東・東海・近畿で8割、残りは2割の議席という計算でも選挙区で140程度(全体で300)、比例区で100超(全体で180)の議席が確保可能でありほぼ単独過半数に手が届くレベルであり、状況に応じて他の政党と連立を組めば与党になることは十分可能と言える(ついでに言えば、この戦略で一度政権をとってしまえば、あとは「一票の格差」解消を名目に都市部の議席配分を厚くすることにより、まず負けない体制が出来上がる)。

といいつつ、このアイデア、実はwebmasterのオリジナルではない。某国の同名政党の集票パターンをまねただけである。その某国の選挙で、その政党がどんな地域で勝ちどんな地域で負けたか、色を塗ってみるなどすると、都市部重視戦略(ただし、あちらはリベラルであり、本邦とは逆となるが)にもフィージビリティが感じられるのではないだろうか?

2003年11月3日

政治と一口に言っても、その取り扱うテーマは極めて多岐にわたるし、一つ一つ取り上げればそれぞれが一生を費やして取り組むような複雑な問題だらけ。官僚として、世に言う「政治」の一端に携わることで口を糊しているwebmasterであっても、自分の担当外についてはよくわからないことばかりだし、それを他の職業で活躍することにより世に貢献している人々がわからないことを責める気には到底なれない。この傾向は、経済が発展し社会に流通する情報量が増加していく中で強化されることはあっても、その逆はあり得なかろうし、また、豊かになった各人がそれなりの発言をしたがる以上、百家争鳴の状況は混沌の度合いを増すばかりだろう。立花隆がスノーの発言を引いて文系と理系の隔絶に警鐘を鳴らして久しいが、彼の努力とてしょせんは蟷螂の斧である(というか、立花隆自身、理系分野のテーマについては理解が怪しいと指摘されているわけだし)。もはや、物事をよくわかったエリートの連帯感に基づく政治判断という理想像は、現実から遊離したものとしか言いようがない。

したがって、何らかの政策テーマがあるときに、その内容をできるだけ正確に伝えて判断を仰ぐということが望ましい、逆に言えばそうしたコミュニケーションがきちんとできればわかってもらえるというのは、そのテーマに携わる人間のエゴでしかない。人々の政治に関する判断は、自分の専門分野であればともかく、その他の分野については政策そのものを見て行われるものではなく政治家を選ぶという形でしか行い得ない、つまりは政策を見たって判断不能なことについては、それを主張している人間を支持するかどうかでしか決めようがないからだ。

この点は、ある意味現代民主主義の前提となっている代議制民主主義が十分に機能しているともいえるのだが、古典的な意味での代議制民主主義とは変質しているのもまた事実。何らかのコミュニティにおいて常日頃接する中で信頼できるか否かを見極めていくというのが古典的な代議制民主主義のありようだが、その手のコミュニティが崩壊過程にある以上、異なる手段でその手の信頼を勝ち得ることができた人間こそが、今の日本において人々の支持を集めることとなっているのだ。

小泉総理の支持率がなんだかんだいっても高止まりしているのは、今の政治家の中では小泉総理がこの点を一番きちんとおさえているから。webmasterが総理用の資料を作成する際にも、いかに短くわかりやすいものとするかについて、官邸の事務方からくどいほど念を押される。そうした小泉総理の手法は「ワンフレーズ・ポリティックス」などと揶揄されることも多いが、負け犬の遠吠えに過ぎない。商品が売れないときに良さがわからない消費者が馬鹿だといっても始まらないように、小泉のよりも自分のほうが中身のあることを言っていると誇ってみたところで、良さを伝えられなかった側の負けである。

2003年11月24日

これらの帰結として、webmasterはflapjackやkmiuraが図らんとするコミュニティの再構築、そしてそのコミュニティの指導的立場の人間に対してまんべんなく一定レベル以上のものの見方・考え方を提供するというクオリティペーパーの働きについて悲観的に見ているわけである。確かにそうしたコミュニティがあれば、指導者層が主導して一定の方向性を与え、それについて疑問がないわけではない成員も、他にこれといった代替策が思いつくわけでなし、参加しないことによる「村八分」のコストがあまりにも高いため、指導者層に従うという政策形成が可能であろうが、それは既に(少なくとも日本では)成立し得ない時代を迎えている。

その代替物としての政策形成のあり方としてwebmasterが考えているのが、テーマや時間を区切った上で、参加者が主体的に参加しているという実感を得られるようなオペレーション。けだし、最近の成功したボトムアップの運動は大概がこのパターンにはまっている。 薬害エイズ問題しかり、UDがん研究プロジェクトしかり、linuxもある意味そうだし、何より大カトーよろしく「故に構造改革はなされるべきである」で全てを片づける小泉総理が典型例だ。だからこそ、webmasterは例えばリフレ政策についても、その学問の世界での勝負と同等以上にそれをどのような形で広めていくかにもこだわるわけであり(もちろん好きでやっている部分が一番大きいのだが)、抽象的な意味での啓蒙活動には興味がない。

2003年12月17日

年金未納騒動の中で民主党代表に選出されて以後、選挙の前後を通じて「まじめ」というスローガンで売り出し中の岡田であるが、霞が関から眺めた彼の姿に最もしっくりくる言葉は何かと考えると、それは「いい人」である。具体的なエピソードはwebmasterの匿名性を確保する観点から差し控えさせていただきたいが、抽象的に言えば官僚相手だからといって居丈高にもならず、ざっくばらんにうち解けた話ができる人である。履歴に明らかなように順風満帆といってよい人生をこれまで歩んできており、そうした人間は乱暴に言えば、人の善意をどこか否定しきれないタイプか人の痛みに鈍感なタイプかの両極端に分かれがちだが、この区分で言えば疑いなく前者のタイプだ。

(略)

そんなキャラクターである彼が政治家、それも政権を狙う立場にあるそれとしてどのように評価され得るかを考えると、残念ながら否定せざるを得ない。まず、現在の民主党のセールスポイントである改革の推進に向かないのだ、そうしたキャラクターは(webmasterはだからいいと思うのだが、一般受けにとってはマイナスだろう)。フランス革命でも明治維新でもよいのだが、大規模な社会変革には相当のコストが不可避であるのだが、それを目の前にしても平然と改革を続けられるのか−その点、自殺者増加を聞いても特効薬はないとコメントできる小泉総理は、改革推進者としてはまことに適任ではある(彼にとっての改革が推進されることが日本にとっていいかどうかはさておき)。

(略)

本題に戻ると、他にも彼が間違いなく直面せざるを得ない試練が2つある。1つめは、メディアからはしごをはずされるときがいずれ来るだろうが、そのときにどう対応するか。勝手な推測で悪いが、どうも彼はネガティブなメディアの論調に対して論理的な反駁を試みそうな気がしてならない。が、そんなことをしても全体をきちんと聞いてくれる人などごく一部であり、片言隻句のみを取り上げられてさらなる中傷に用いられるのがオチだ(その点、ワンフレーズだといわれる小泉総理は、メディアに全体を使うか全く取り上げないかの二者択一をせまっており、やはりうまい。「人生いろいろ」発言にしても、長々と説明していればどこをどう使われてネガティブキャンペーンにさらされたか知れたものではなく、あれはあれでダメージを最小限にとどめたものだったと考えられる)。

2つめは、党内の意見対立が先鋭化する局面において、どうその解決を図るか。民主党内には、旧日本社会党左派出身者が典型だが、憲法問題などについて明らかに彼とスタンスを異にする勢力がいる。小沢一郎の顰に倣ってそれを切り捨てるようでは政権は遠いが、かといって馬鹿正直に説得にかかったところで説き伏せられるはずもない。かつて自社さ連立政権時代に自民党がそうであったように、議論はうやむやにしつつ既成事実を積み上げていくような骨の抜き方ができるかどうか。

2004年8月1日

結論から言ってしまえば、この2つの価値観の対立は、中長期的には「地方」派が絶望的なまでの少数派に転落することで解決するだろう。「地方」と「都市」は、人口以上に住む人の属性が異なる。高齢化のスピードが段違いに速いことに加え、高付加価値産業の知的インフラとでもいうべき職種−弁護士や公認会計士、外国語やコンピュータ関連のスキル所有者や研究者など−の分布を見れば、圧倒的なまでの濃淡がついている。つまり、政府の介入が相当程度あったとしても、それがスターリンによる強制移住ほど極端なものでなければ、民間ベースでの格差拡大のペースが若干は鈍ろうとも、反転することは想定しがたい。一部の「地方」では衰退を免れるところもあろうが、全体の趨勢はあまりにも明らかだ。

こうした対立が最近になって先鋭化しているのは、格差が最近になってから生じたからでは無論ない。高度経済成長に伴う大規模な人口移動からの時間の経過がこうした先鋭化をもたらしたのではないか、というのがwebmasterの推測だ。「都会」へ移動してきた第一世代、すなわち出身地への郷愁や共感、さらにはある種の罪悪感−自分は故郷を見捨てて都会でいい暮らしをしている−を持っており、地方への重点的な資源配分をある種の仕送りや贖罪だと受け止めることができる世代は引退しつつある。他方でその二世・三世、つまりは生まれながらにして「都会」に属し、「地方」への特別な思いを抱かない世代が現役にどんどん参入し、社会の中核を担いつつある。とすれば当然、「地方」への所得移転への抵抗感は高まる。

2004年9月21日

結局のところ、そのように遷り変わった社会的多数派の意見を踏まえつつ国家の意思決定をどのように行うべきか、はやり言葉で言えばガバナンスのあり方についての問題を今の日本が抱えているのだ、ということを道路公団を巡る騒動ははしなくもあらわにしたと言えよう。最終的には「地方」の減衰により解消されるだろう、というのは前回明らかにしたwebmasterの見解であるが、それまでの間この問題を放置しておいて良いというものでもあるまい。以前書いたことではあるが、自民党が分裂し都市部自民党と民主党の2大都市型保守政党が対抗し、キャスティングヴォートを行使する立場に地方部自民党が立つという姿が、当面、実現可能性がそれなりに高く、かつほどほどに都市と地方の対立を緩和する道ではなかろうか。

2004年10月31日

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [民主党からあの社長にスカウトがいったりして(笑)。]

JSF [中身なぁ・・・例えば防衛予算で「政府が500億円削減ならウチは5000億円削減だー!」等と、実にいい加減な決め方で数..]

bewaad [あの文章はデフレ脱却を最優先にすべしという政策スタンスを念頭において書いたものです。パーツの中には見るべきものがない..]


2005-09-17

[comic]現在官僚系もふ・第24話

あらゆる補助金系の話を利権に帰するのはやめましょうよ、というわけで今回の話題の交付金(肉用子牛等対策費)について。ちょっと古いですが、この仕組みについての平成11年3月18日の衆・農林水産委員会における質疑を引用してみます。

○藤田(ス)委員 (略)

私は、もうずっと歴年、肉用子牛生産安定等特別措置法に基づいて進められている牛肉の関税の問題、未使用分の問題について取り上げてきました。そして、歴代の大臣は、私の質問にいつも、適切に対処するというふうに答弁されてきました。この肉用子牛生産安定等特別措置法の十三条に基づいて充てられている財源というのは、牛肉の輸入自由化で苦況に追い込まれた畜産農家のために使うものであります。

ところが、毎年毎年未使用分をためてためて、とうとう今二千四百六十八億です。毎年毎年大臣は、この未使用分を活用して畜産農家の振興のために生かしていきたいと答えながら、これほどにためてしまった。一体、どうするのですか。

○城説明員 ただいまの先生の御指摘の件につきましては、御指摘のような数字のいわゆる未使用分があることは事実でございます。

ただ、これは未使用分という言葉遣いもどうかと思いますが、先生御案内の法律第十三条に基づきまして、今後、肉用子牛対策費に必要な額が当該年度の関税収入に満たない場合は、前年度以前に、関税収入以前に生じた関税収入と肉用子牛対策費の差額の範囲内で使える、つまり、今おっしゃった額は、今後必要に応じて使えるということが法律上明確に担保されておるわけでございまして、そのような規定のもとに、今後私どもは肉用子牛等対策を推進してまいりたい、このように思っております。

なお、あえて申し上げますれば、各年度ごとの肉用子牛対策費と関税収入実績につきましては、関税収入がどちらかといえば減りぎみ、肉用子牛等対策費がどちらかといえば増大ぎみということで、その格差、未使用額が大幅に縮小しているということでございます。

○藤田(ス)委員 かつて、関税収入実績に対して肉用子牛等の対策費がオーバーしたことは一度もないのです。これからオーバーするとしたら、どういう状況でオーバーするのですか。

○城説明員 御指摘のように、予算の編成上、関税収入を上回る肉用子牛等対策費の見込み額を計上したことはございますが、実績といたしましては、今先生御指摘のとおり、上回ったことはございません。

今後の話でございますが、私ども、肉用子牛の不足払い制度の運用、あるいは我が国の肉用牛生産、豚肉等の価格安定、そういう面において必要な額は、今後とも財政当局と協議の上、確保いたしたいと考えております。

現時点におきまして、約一千二百億円程度のお金を御案内のように使用いたしておるわけでございまして、これらにつきましては、今後の関税収入の見込み等が大きな影響を及ぼすのではないか、このように思っておりますし、また今後、肉用子牛あるいは牛肉問題につきまして新たな問題が生じた場合においては、当然のことながら、当該年度を超える額を使用する必要が生ずるであろう、このように思っております。

○藤田(ス)委員 今後の関税収入の見込みというその言葉は、二〇〇一年以降の新しいWTO農業協定のもとでの関税の引き下げをまるで想像しているような話でありまして、全くいただけません。そして、この関税収入については、予算のたびに、農水省がしっかり踏まえて、そして絶えず主張していくべきものだ、こういうふうに言いながら、あなた方は、この未使用分をどんどん膨らませてきました。

(略)

○城説明員 繰り返しになりましてまことに恐縮でございますが、私ども、必要があればそのお金を当然のことながら大蔵省から農林水産省の予算の方に計上させていただく、そういうことで措置したい、このように思っております。

(略)

○藤田(ス)委員 必要があれば、必要があればと、あなた方はいつを必要と考えていらっしゃるのか。いかにも無責任であり、そして財政当局とと言いますが、これこそまさに農水省が主体になってこう活用するんだという姿勢がない限り、未使用分はどんどん膨らんでいくばかりです。そして、本来法律でまで定めたこの関税収入がちっとも畜産農家の方に生かされていかない、それは随分政治の怠慢だということを私は申し上げておきたいと思います。

(後略)

作中で言及される肉用子牛生産安定等特別措置法第13条(の第1項)は各年において牛肉関税収入を交付金の財源に充てるという規定ですが、そこには「ただし、その金額が当該年度の肉用子牛等対策費を超えると認められるときは、当該超える金額については、この限りでない。」と但し書があり(webmaster注:「その金額」とは牛肉関税収入の見込み額のこと)、上記質疑のとおり関税収入=肉用子牛等対策費ではありません。つまり、アメリカから牛肉を輸入すると、その関税が機構を通じて、農水省の意のままになる(p266)という仕組みにはなっていないのです(だから質疑で言う「未使用分」が生じるわけです)。

肉用子牛等対策費の定義は同法第14条第1項に定められていまして、使途限定費目ですから、「意のまま」という表現は二重の意味でミスリードと言えるでしょう。ちなみにこの項の規定によると当該使途に「必要な経費の財源に充てるため、交付金を交付するものとする。」とされていて、関税収入の額がキャップとなるとは規定されていないので、法律上は肉用子牛等対策費として必要と認められる額については、関税収入を上回ってでも交付金を交付しなければなりません。仮に無駄な支出があるとすれば、問題は関税収入ではなく、肉用子牛等対策費の側にあるのです。

公平を期すため紹介するなら、禁輸が続くと2005年度中に過去の積み立て文(ママ)がなくなることを理由に農水省は米国産牛肉の輸入再開に傾いているとの報道があったようです。これは同法第13条第2項の規定を念頭においた報道であろうと思いますが(つまり質疑中の「未使用分」に相当するだけの肉用子牛等対策費の支出が既になされつつある、ということ)、繰り返しますが同法第14条第1項には関税収入額の縛りはありません。「未使用分」が底を尽きたからといって、政府が必要な額を交付しないことは認められていないのです。

というわけで、今回の話がこの「未使用分」枯渇問題(本当に枯渇しそうな状況にあるかどうかはwebmasterは知らないので、報道が正しければ、ということですが)を取り上げたものだというなら、まずもってそのような「未使用分」と肉用子牛等対策費との間のリンケージを運用上認めている財務省・農水省の馴れ合いをまずもって批判すべきでしょう。「未使用分」を事実上キャップとすることとのバーターで、「未使用分」を含む牛肉関税収入がある限りにおいて、肉用子牛等対策費をきちんと査定してこなかったということなのですから。

#そのような馴れ合いがあるかどうかについていえば、可能性としてはあり得るんでしょうねぇ・・・。

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bewaad [食肉分野は屠殺差別以来の複雑な経緯があるので、上っ面をなでるような取り上げ方はして欲しくないんですよねぇ・・・。]

ryon [漫画にそこまで正確さを求めなくても・・・と思ってましたが、 ようやく、シナリオが本題に突入したようなので一言。 確..]

bewaad [霞が関を題材にするとしても、純粋なコメディに徹するとか、ラブストーリーの舞台にするとか(人気は見込めなさそうですが(..]


2005-09-18

[economy]「都市」対「地方」の経済学的含意

かねてからwebmasterは現在の日本が抱える最も先鋭な政治的対立軸の一つは「都市」と「地方」の確執であると説いてきました。最近では下記のエントリがそれなりにまとまっているものです。

こうしたwebmasterの見方に対して、次のような反論がありました(webmasterを名指しというわけではなく、自意識過剰であるとのご指摘はまことにそのとおりなのですが)。

今回の総選挙を、都市対地方という対立の枠組みで捕らえようとする方もおられるようだが、私は、それは違うと思う。

亀井的な守旧自民、あるいはムネオは、本当に地方を守ろうとしているのだろうか?

私には、亀井やムネオが守ろうとしているものが地方をダメにしているとしか思えないし、都市住民が都市政党を持つことが出来なかったことが、地方の不幸だと思うのだ。

「選挙」(@retreatist9/15付)

政治的な分析は上に掲げた諸エントリにありますので(あんなものは分析の名に値しないとのご指摘は甘受いたします)、今回は目先を変えて経済学的な分析を試みてみます。その道具立ては最適通貨圏理論。

この理論はノーベル経済学賞受賞者ロバート・マンデルが唱えたもので、EUの通貨統合はこれにより正当化されたのですが、皮肉なことに通貨統合後において少なからぬユーロ使用国の経済が低調である理由をもっともうまく説明する理論でもあります。最適通貨圏という名が示すとおり、この理論は単一通貨への統一が合理的な条件とは何かを論じるもので、逆に言えばその条件が満たされなければ、その地域は別の通貨を用いた方がよいという結論を導きます。

通貨が統一されていることにどのような意味を見出すかは人によってさまざまですが、経済学的に意味があるのは同一通貨には同一の金融政策が適用されるということです。例えば日銀が日本国内で金融緩和をした場合、ユーロ円(ラフに言えば国外において保有されている円貨の通称ですので、ヨーロッパに限らずアメリカやアジアで保有されている円も含みます)もまた緩和されます。

というのも、仮にユーロ円が依然として金融政策変更前の金利水準であるとすれば、日本で円貨を調達してユーロ円市場で貸し出すことにより自動的に鞘が抜けますので(裁定取引といいます)、投資家がそのような行動に走ることにより国内円市場の金利が上がり、ユーロ円市場の金利が下がることとなりますが、そのような形で投資家にむざむざ利益を与えるようなことは誰もが避けるので、結果的に日銀の金融政策変更はユーロ円市場にも直ちに及ぶことになります。これは資金移動が帳簿(今ではコンピュータシステム上のデータですが)上で可能なことから不可避で、方や実物ですと輸送に要する時間などがあるのでこのような瞬時の調整とは無縁ということになります。

#厳密には、税制の違い等から若干の金利差が生じます。

ここで、地域Aと地域Bがあると仮定します。この両地域が異なる通貨を用いているのであれば、地域Aが好景気、地域Bが不景気の場合には、地域Bにおいて相対的な金融緩和and/or為替下落を生じさせることにより、地域Bも景気を回復させ、ひいては共存共栄を図ることができます。しかし両地域が通貨統合している場合には、この径路による共存共栄は達成できません。統合通貨の金融政策が地域A主導で決定され引き締めとなれば地域Bは不況が底割れしますし、地域B主導で決定され緩和となれば地域Aは物価や資産価格が騰貴します。加重平均で決めるなら地域Aでは若干の緩和、地域Bでは若干の引き締めとなりどちらにとっても不幸な話です。

地域A・Bがこのように通貨統合による金融政策の制約に服する場合、その悪影響を相殺する何かが必要で、その何かがあれば地域A・Bは最適通貨圏(なので通貨統合すべき)、なければ地域A・Bは最適通貨圏でない(ので通貨統合すべきでない)、というのがマンデルの主張です。結論から先に書くと、「何か」とは次の2つです。

  • 地域をまたぐ人の自由な移動
  • 地域をまたぐ財政移転

前者は人手不足の地域へ人あまりの地域から人が移動することにより両地域の景況が均一化される効果を念頭に置いたものですが、中長期的なトレンドに対する調整(わが国において「地方」から「都市」に(特に高度経済成長期において)人が流入しているのはその典型です)としてはともかく、循環的な景況への調整としては機能しづらく(いろいろなしがらみで移動できなかったり、呼ぶ方も不景気になったからといって直ちにお戻りいただくわけにもなかなかいかない、等)、金融政策の代替手段としてはtoo little, too lateとならざるを得ません。

そこで後者が重要となります。先にあげたユーロの悪影響で言えば、その国のファンダメンタルズに照らしてユーロが安い水準に切り下げられている国(例えばスペイン)から得た税収をユーロが高い水準に切り上げられている国(例えばドイツ)で使うことが理にかなっているわけですが、そのような財政政策は存在しません。その当然の帰結として、ある種の「ユーロ高政策」に等しい金融政策で苦しめられている国はいつまでたっても這い上がれないわけです。

翻ってわが国は円貨単一通貨制ですが、国内の取引においては「都市」はもっと「円高」で、「地方」はもっと「円安」であるのが均衡水準です。「地方円」が「都市円」に比してもっと安い水準であれば、例えば1都市円=2地方円であるなら、「都市」が支払う財やサービス(農産物や電力など)の対価は「地方」の「地方円」ベースでの名目所得を今の2倍に引き上げますし、また、「地方」の労働単価等は「都市円」実質値で半額となるので、「地方」への生産拠点シフト等が進み、これまた「地方」の所得を引き上げます。

日本国内の財政政策による資源配分(多くの人がイメージする公共投資よりも地方交付税交付金の役割が大きいのですが)は内国通貨を円で統一していること、先の例を再利用するなら「地方」に1都市円=1地方円という「地方円高政策」を強制していることの代償です。その総量や内容において見直しの余地はあるかもしれませんが、この資源配分の存在そのものを否定するというなら、それは日本は最適通貨圏ではないということに他なりません。つまり、地方分権により通貨発行権を与え、適正な「地方円」レートの設定を許さない限り、「都市」は「地方」を搾取しているといわれても仕方がないということになってしまうのです。

[politics]民主党新代表に前原議員就任

またまた構造改革原理主義者が、というかついに松下政経塾OBがそういうポジションにつく時代ですか。路線が「小泉構造改革は偽りの改革であり、民主党の改革こそが真の改革」というものである限り、小泉構造改革が偽りであるという認知が広く行き渡るシチュエーションでしか勝てない、つまり敵失待ちだってことになるわけですが、そのあたり民主党議員はどこまで自覚しているのやら・・・。

#そりゃ菅議員をまた引っ張り出すよりはチャンスが多いのでしょうけれども。

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2005-09-19

[politics]民意を問うことの意義について(前編)

総選挙から一週間が経過し、いつまでもこの話題ばかりとなるのも本意ではないので、総括としてそもそも選挙により民意を問うとはどういうことかを考えてみたいと思います。

じゃあお前どう考えるんだと問われると、イギリスのように非常に強いリーダーシップを形成することには少数者の権利保障の面で不安があり、井上達夫の「批判的民主主義」構想のようにそれを司法府に期待することにも諸手を挙げては賛成しにくい。しかし従来のような「少数派の支配」もまったく支持できないのであって、結論的には極端に進まないように注意しつつ小泉政権的なリーダーシップ形成に賛成するということになる。この点、「イギリス的方向に進むこと」と「イギリス型まで進むこと」は別なのであって、前者を後者に行くまでに止められるかどうかはまさに我々の民主政の強さにかかっているわけだが、いわゆる改革を批判する人々に限ってこの点をごっちゃにしたり、「アリの一穴」論という要するに人民の判断能力をまったく信用してないんですね?という議論に依存したりするのは大変にいかがなものかと考える次第である。

「選挙戦続く」(@おおやにき9/8付)(webmaster注:強調は原文によります)

総選挙前のエントリですが、「いわゆる改革を批判する人々」の一員であるwebmasterとしてはずっと心に引っかかっていたもので、時間を置いてなんですが議論の枠組みとして取り上げさせていただきます。民主政への信頼という論点を選挙に矮小化するのは気が引けるのですが、そこはパンドラの箱に最後に残ったものという理解で、選挙に議論を絞りたいと思います。

#本論を外れて、いわゆる55年体制においてどこまで「少数派の支配」という状況が存在したのかとか、戦前の総理大臣権限で問題なのは罷免権がなかったことではなく任命権が制約されていたこと(軍部大臣現役武官制はその制約の典型例ですし、軍部大臣、すなわち陸軍大臣と海軍大臣が対象であったのに陸軍においてより弊害が大きかったのは三長官会議(陸軍大臣、参謀総長、教育総監)決定事項となっていたことの影響があるわけで)ではないか、という気もします。

民主政の中心として多数決原理を引く場合において、これは必ずしも結果の正しさとはイコールではないことが長谷部恭男「憲法と平和を問いなおす」において論じられていますが、そのトート号航海日誌での書評に当該部分についての優れたまとめがありますので、以下引用させていただきます。

多数決の正当化根拠としては以下の四つが考えられる。(1)自己決定の最大化、(2)功利主義、(3)公平な手続、(4)コンドルセの定理(参加人数が多いほど正しい選択肢を選ぶ確率が増す)。

これらの考えは民主主義の正当化にも応用可能だ。民主主義の正当化根拠としては、次の三つが考えられる。

(A)客観的に正しい答えがあり、民主主義・多数決はその「正解」を発見するための手段である。(上述1、3)
(B)客観的な正解は存在しない。自分たちの答えとして納得できるのは民主主義・多数決である。(上述2、4)
(C)参加することに意義がある。(ハンナ・アーレント)

民主主義が果たしているのは、人々の意見が対立する問題、しかも社会全体として統一した決定が要求される問題について結論を出すという役割である。しかし、民主主義には、社会の根幹にかかわるような問題を解決することができないという限界がある。その限界を示し、警備するのが立憲主義である。

しかし引用中の(A)(の背後にある(1))について述べるなら、囚人のジレンマ状態のように各人にとっての最適選択が全体にとっての最適選択とはならないケースがあり得ます。関連してコンドルセの定理について述べるなら、「参加人数が多いほど正しい選択肢を選ぶ確率が増す」のは各人が1/2以上の確率で正しい選択肢が何かを判定可能であることが前提で、確率が1/2未満の場合においては参加人数が多いほど誤った選択肢を選ぶ確率が増します。

これらの前提が満たされ各人が正しく判断可能だとしても、その判断が材料として与えられる情報の質に依存することはよく知られています。典型例は設問によって世論調査の結果が大きく左右され得ることですが、どのように質問されるかにより答えが変わるのですから、質問自体がきちんとした問題提示をしていない場合、その設問への答えとしては妥当であっても、設問の背景にある社会問題への答えとしては妥当でない可能性は否定できません(webmasterが今回の総選挙をプレビシット型であると批判する理由の主なものはこの点に関係しています)。

では選挙はまったく当てにならないのか、ということを明日引き続いて論じたいと思います。ご関心の向きは「コンドルセのパラドックス」「アローの一般不可能性定理」あたりを事前にぐぐっておいていただければ。

[WWW][joke]自らの未熟と先入観に気づいたとき

「◆最初で最後のカレー記事」(@カレーとご飯の神隠し9/18付)

素で引っかかってしまいました(笑)。驚いたのなんのって、あわててコメントしなかっただけまし?

本日のツッコミ(全7件) [ツッコミを入れる]

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2005-09-20

[politics]民意を問うことの意義について(中編)

昨日の続きですが、そのラインでは多数決という手段によって民意が正しく選択するにはいろいろな前提条件があり、それらが満たされないと誤った選択をしかねない、ということになります。裏を返せば前提条件が満たされるのであれば、多数決という手段で民意は正しい選択ができると。ところがそうは問屋が卸さない、というところから今日は始めます。

昨日の最後に出した2つの言葉のうち、最初のコンドルセのパラドックス(webmaster注:リンク先では「多数決のパラドックス」という語で説明されています)の典型例を示すと次のようなケースです。

投票者\選択肢xyz
a123
b312
c231

ここでabcの3名はxyzという3つの選択肢について、表中に記載の順位を持っています。例えば、aにとってベストの選択はx、bにとってベストの選択はy、cにとってベストの選択はzということになります。この場合、当然それぞれが1票持っていて1回だけ投票するなら、xyzに1票ずつとなりどれも選択されません。

これだけではパラドックスというほどではないとお感じの方も多いと思いますが、ここでまずxyのみが選択肢である場合にはxが選ばれ(acがx、bがyを選びます)、ついでyzのみが選択肢である場合にはzyが選ばれる(abがy、cがzを選びます)ことを見ると、話は面倒なことになってきます。xとyではx、yとzではyが選ばれたのですから、xとzでは当然xが選ばれるだろうと思いきや、xを選ぶのはaのみで、bもcもzを選ぶためzがより多くの票を集めるという結果になります。

これを一般化したものと言えるのがアローの(一般)不可能性定理で、厳密な数学的証明を追いかける力がwebmasterにはないので結論のみ示すなら、各人の選択の自由、人柱の否定(=パレート最適性、つまり誰もが損をしないもののみが採用されるということです)、ある2つの選択肢についての判断の他の選択肢から独立(先の例でいえば、zという選択肢がなくxyのみが選択肢であってもacはxを、bはyを選ぶということです)、の3条件を満たす民主的手続は存在せず、独裁制でなければならないというものです(センによるものなど、様々な発展的議論があります)。

ということは、選挙(多数決)を通じた政策選択は、理論的には独裁制に劣り得るということになります。さらに歴史的に見ても少なからぬ失敗例があるわけで、にもかかわらずトレンドとして民主政は広がっているのはなぜでしょうか・・・ということをさらに明日続けてみたいと思います。ご関心の向きは「ミーム」を事前にぐぐっておいていただければ。

[government]「もえ」=○○省

もったいつけるまでもなく環境省なわけですけれども(MOE=Ministry of the Environment)、t9930211さんが直面したように(実際のニュアンスはpogemutaさんの適切な意訳のとおりに一票(笑))、「萌え」と解されることを恐れるがあまり(?)、ドメイン名に代表される略称がenv(.go.jp)になっております。

しかし、かのMITI(現METI)に代表されるように"O"(ofのイニシャル)を略すという表記があるわけで、"O"をとればいいじゃないですか・・・って、すぐハングしそうですね、"ME"。

#某OSのことを無視するにせよ(って商標ですから絶対見逃してくれないでしょうけれども)、jpドメインでは2文字は禁止なのでやっぱり無理なんですが、本当のところは。代替案としては"kankyo.go.jp"あたりが無難なのでしょう(総務省が"soumu.go.jp"としている例があります)。

[politics][government]勘弁してくださいますようお願い申し上げます

724 名前:受験番号774[] 投稿日:2005/09/19(月) 21:53:33 ID:ZKtA8nmm

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050919-00000049-mai-pol
自民圧勝で新人議員に付く秘書が足りていないらしい。
無い内定の俺を政策秘書とかいうやつで雇ってくれないだろうか。

725 名前:受験番号774[sage] 投稿日:2005/09/19(月) 22:16:30 ID:UakcAMde

>>724
それ、何気にいいかもな。

自分を官庁訪問で切った役人を、
真夜中の質問通告やら大至急の資料要求やら細かい質問主意書でイジメまくる・・・

最高の復讐だなww

「国1 官庁訪問おまいらどこまわるの 6(事務系)」(@公務員試験@2ch掲示板

実際は個人指名は(特に質問主意書では)難しく、該当する省庁のどこかの部署が逆恨みを買うことになりますので・・・。

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2005-09-21

[notice]近々サーバ移転いたします

おかげさまで数多くのアクセスをいただいておりますが、現在のホスティングサービスではレンタルサーバを共有する他の方々にご迷惑を及ぼしかねないこともあり、CPU・回線ともに余裕のあるサーバに移転することといたしました。

実際に移転するときには再度ご連絡いたしますが、ドメイン名(bewaad.com)の変更はない一方、DNSに変更情報が行き渡るまでの間、皆様にはご迷惑をおかけするかと存じますが、事情をご賢察の上、お許しいただければ幸いです。

#昨日来いただいておりますコメントについて、明日の対応とさせていただく旨、あわせてお断りさせていただきます。申し訳ありません。

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一国民 [たくさんアクセスがありながら、今どき一つ一つコメントに答えようとしてる時点で感動的ですよ。 正直、ここ読むようになっ..]

bewaad [>一国民さん 過分な言葉をいただきありがとうございます。 もちろん好意的に受け止めていただくのはうれしいのですが、..]


2005-09-22

[politics]民意を問うことの意義について(後編)

一昨昨日から(昨日を除き)ここまで2日間かけて民主政(多数決・選挙)というものが導いた結論の正当性という観点から見れば如何に当てにならないかを論じてきたわけですが、であるなら何ゆえにこれほど民主政というものが広まってきているのでしょうか。その手がかりとして、一昨日ミームという言葉を持ち出しました。ミームとは「利己的な遺伝子」で有名なリチャード・ドーキンスが同書において提唱した概念で、リチャード・ブロディの定義を用いるなら、ミームとは心の中の情報単位であり、その複製が他の心の中にも作られるようにさまざまなできごとに影響を及ぼしてゆく。というもので、コミュニケーションを媒介して広まっていく中で突然変異したり淘汰されたりすることになります。

これといった先行研究があるわけではないのであくまで主観的観測(別名思いつき(笑))ですが、ある政治制度ミームが淘汰されないために重要なこととして、当該制度と現実の政治の結果との関係が弱いことが考えられます。一例として現存する世界最長の君主制である天皇制が生き延びてきたのは、そのほとんどの時代において天皇に実権がなく、現状の政治責任を負うべき存在が別にあったことの役割が大きいのではないでしょうか。現状が悪いのは蘇我氏/摂関家/幕府の責任であり、それらに反抗が向かうので天皇家は局外において安寧を確保できるということになります。

逆にこの関係が強い場合、現状への不満が制度への不信に直結する度合いが大きくなります。典型的には親政下の君主制で、現在の政策への反対が容易に反政府・反体制へと転化し、その極北には革命があります。名君が暗君にとってかわる代替わりや君側の奸の排除といったバッファがないわけではありませんが、制度自体に内在するものではなく、偶然に左右されざるを得ません。つまり、環境変化に直面した際に淘汰されやすい性質を持ったミームであるといえます。

#ミームのビークルたるヒトにとって生存が多くの場合においてもっとも価値があるがゆえ、淘汰をもたらす環境変化とは生存が脅かされる事態(敗戦、破滅的な経済状況、圧政など)であるケースがほとんどでしょう。

民主政ミームの強さはそうしたバッファ、つまり政権交代を制度=ミーム自身に取り込んだことにあります。これにより、現状への不満は政権への不満でとどまることが多くなる一方で、制度への不満に及ぶことはきわめて稀となり、ミームが淘汰される可能性は小さくなったがゆえ、というのが冒頭の問い、何ゆえにこれほど民主政が広まってきているのか、というものへのwebmasterが考える答えとなります。であるからこそ、民意が正しい選択をするかどうかは二次的な問題に過ぎず、間違っていても一向にかまわないということになるわけです。

#ちなみに、一昨日紹介した長谷部恭男「憲法と平和を問いなおす」では対立関係にあるとされた民主政と立憲主義は、ミームという切り口から見るならば、実は相補的な関係にあるといえます。憲法における人権保障や統治機構の規定は、こうしたバッファを制度的に確保するとともに、表現の自由などによるガス抜きや社会権による生活水準の底上げを通じてそもそもの不満の量を抑制し、ミームをより生き延びやすくしているわけですから。

一例として細川政権の発足を見てみます。金権政治への批判など自民党が下野した理由は多々語られますが、この観点から重要なのは1993年8月という時期と経世会支配です。政権交代の約1年前、1992年8月に日経平均株価が当時のバブル後最安値を記録するなど、現状への不満が高まる一方で、経世会支配の確立により自民党内部での実質的な政権交代が望めない状況にありました。一昨昨日に取り上げた大屋先生のエントリにおいていわゆる55年体制でも実質的な政権交代はあったとの言及がありましたが、それが機能しなかったわけです。

だからこそ細川政権はその発足、つまりは政権交代を実現したことが当然であったのみならず、その政策において選挙制度改革=現行の小選挙区比例代表並立制の導入を行ったことも、ミームの観点からは当然であったといえます。「利己的」なミームがその生存のために求めたわけですから。

同様に今回の選挙を見るなら、「A層」と「B層」がともに小泉政権を支持したという現象をどう説明するかにも違ったロジックが浮かんできます。つまりは改革のダブルミーニングが景気回復の二極化という現状にこれ以上なく適合したということで、寡占企業、とりわけ輸出産業におけるそれ(典型はトップ自ら支援を公言したトヨタ)に代表される「A層」は改革の継続=現状の維持と受け止めて現政権を支持し、他方で本来は改革重視・景気軽視の現政権の路線によって現状に不満を持っているはずの「B層」は改革の継続=現状の変革と受け止めて「抵抗勢力」から「改革派」への政権交代を支持したということになるわけです。

他方、今回の選挙結果のミームからみた問題点を挙げるなら、選挙直後に書いたように政権を担当する可能性のある自民・民主双方が同じ構造改革路線に純化してしまったことです。既述のとおり民主政ミームの他の政治制度ミームに比べての強みは政権交代というバッファの制度化なのですが、政権交代があっても現状が改善されなければ、結局は政治制度そのものへ不満が集まってしまうことになります。

言い換えれば、先に民意による選択が「間違っていても一向にかまわない」と書きましたが、間違い続けることには民主政ミームにとって大いに問題があります。歴史に見る民主政ミームの淘汰は小党分立等により身動きが取れなくなって間違い続けたことに起因し、より身動きがとれる政治制度ミームがその座を奪ったわけですが、同じ方向への純度を競って政権交代が行われ方向転換が行われないことに起因する淘汰においては、勝ち残る新たな政治制度ミームがどのようなものなのでしょうか。違う方向を示す野党の出現、というのが民主政ミームが前提とする生き残り策なのですが・・・。

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2005-09-23

[book]田中先生ありがとうございます

先日発売された田中秀臣「最後の『冬ソナ』論」をようやく入手して印税を納めさせていただきました。「おわりに」にてネットでの交流を代表してwebmasterに謝辞をお寄せいただき、大変恐縮しております。

ドラマの分析から経済学の入門に至る(しかもそこで紹介される経済学は、教科書で解説されるような意味での入門とは一味違います)構成で、経済学を敷居の高いものと感じている方々には格好の書です。紙幅の関係もあり(半分以上は「冬のソナタ」を中心とする韓流ドラマ論ですし)経済学の部分が若干駆け足気味ではありますが、おや、と思った部分について田中先生の他の著作をはじめとするその先の書籍に進まれれば、最初からそれらに入るよりもより興味深く読むことができるのではないかと思います。

#なお、webmasterが購入した書店では、経済書コーナーで探したところ見つからず、タレント本コーナーにありましたので、お求めの際にはご注意を(笑)。

[politics]現代イギリスをもっと知りたい

選挙関係のエントリは昨日にて打ち止めのつもりでしたが若干の補足ということで、お寄せいただいたコメントなどを見てしみじみ思ったのは、今の日本を考えるにはイギリスのことをもっと勉強すべきだなぁということです。

1つにはサッチャリズムの功罪をもっと知るべきだなぁと。9月13日のエントリへのコメント(特にvodkaさんの一連のコメント)においてその罪の側面をご紹介いただき、さらに深く掘り下げるためポリー・トインビー「ハードワーク」flapjackさんにご教示いただきました。ありがとうございます)は必読だと感じていますが、そうした罪を知った先において、総合的に見てサッチャリズムとは功が多かったのか罪が多かったのかを論じているものを探していきたいと思っています。

#仮に功が多かったとして、それはインフレ率やNAIRU(インフレ率の上昇を招かない失業率の下限)が高止まっていたという当時のイギリス経済の状況あってのことであり、デフレから未だ脱却できていない日本には当てはまらないとwebmasterは見ていますが。

2つにはウェストミンスターモデルを支える憲法的諸慣習(「習律」、convention)をもっと知るべきだなぁと。大屋先生からtrackbackをいただいたエントリにおいて、井上達夫先生の「批判的民主主義」という(ウェストミンスターモデルへの傾斜を示す今の日本の潮流に対する)オルタナティブへの条件付支持を表明されていますが、当該エントリで大屋先生がお示しの民主党への懸念(寡聞にして他に見ないものでした。ご一読をお薦めいたします)とは別に、「批判的民主主義」の基盤についての疑念がwebmasterにはあります。

「民意が最もよく反映されることを求める反映的民主主義ではなく、政権交代の可能性を通じた政策の競争を求める批判的民主主義」であるとするなら、昨日のミーム論考は習えば一時間で済むことなのだ。独力でそれを発明する力をもっと有効に他に使えば本当に有益な研究ができたかもしれないgachapinfanさんのご紹介です。以前どこかで聞いたことがあってずっとソースを探していたのですが、胸のつかえがおりました)ことそのものですねぇ・・・(webmasterが他に使ったところでたかが知れていますが)。

大屋先生ご自身はイギリス流のリーダーシップに懐疑的なわけで、その所論を引きつつイギリス民主政の良き点に目を向けるのもなんですが、ウェストミンスターモデルは表面だけを見れば極めて強力な権限を多数党党首に付与するもので、にもかかわらず全体主義的政権を生んだことがないという歴史を持っています。「批判的民主主義」において野党とともに多数派への桎梏として機能すべき司法権において違憲立法審査権がないにもかかわらず、です。

多分その秘訣は習律にあり、小選挙区制・マニフェスト・影の内閣といった表象だけでは分からない、何らかの暗黙の制約要因が機能しているのではないかとwebmasterは見ています。ウェストミンスターモデルを表面的に導入するだけではおそらくは片手落ちであって、習律もあわせて輸入しないことには多数派専制の危険性を免れないのではないかと思うのですが(もちろん日本では法律として明文化する必要があるでしょう)、それが何かを見出さないことには、現状への批判が説得力に欠けてしまうような気がしているのです。

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CharlieHusty [dayqdmv http://www.carpetsmiltonkeynes.co.uk/407-adid..]

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Scottsaree [tvgdafr http://www.forumados.fr/274-polo-vetement.php..]


2005-09-24

[WWW]Love Baton

というわけで選挙がらみに一区切りついた後の最初の話題として、現在官僚形な方々のご意見も伺ってみたいというのはwebmasterも含まれていますよね、AKITさん、と3週間近く遅くなっての回答ですがLove Batonを。

Q1 理想の恋人像を教えてください。
答えだすときりがない質問ではありますが、かなりの確度で相性が判断できる簡単なテストは人物評価ではなかろうか、と思っています。評価そのものは違っていてもかまわないのですが、その人のどのような点をプラスなりマイナスなりに評価しているのかという話を聞いて納得がいくなら、長く付き合っていけるのではないでしょうか。
Q2 恋人選び、見た目と性格を重視する割合は?
勝手に想いを寄せる分には見た目100%ですけれど(笑)。見た目に性格がかなり反映することを経験的に知ってしまったというAKITさんのご意見にはほぼ同意です。
Q3 今日は一日好きな人と一緒。 あなたの考えるデートプランを教えてください。
黙りこくって必死に話題を探すのは避けたいので、話が盛り上がることが予想できるなら適当に街中をぶらつくと思いますが、そのあたりの感覚がまだつかめていないなら、スポーツ観戦(ある程度の好みは事前リサーチということで)が無難かと。
Q4 好きな人と初めて二人でカラオケにいくことになりました。さぁ、どんな曲を歌いますか? また、相手には何を歌ってもらいたい?
最初はオレンジレンジ、EXILE、ケツメイシぐらいから、その反応を見ながら続く選曲は考えます。相手は楽しんで歌ってもらえるならなんでも。
Q5 夜の遊園地、はじめて二人で観覧車に乗りました。ドキドキクライマックス! 手をつなぐ? つながない??
クライマックスかどうかを感知する能力がないのでつなげません・・・。
Q6 楽しいデートの時間はあっという間。いつの間にか、終電がなくなっていました! そんなとき、あなたならどうする?? そして、相手になんて言う?
「もうそろそろ終電じゃないの、大丈夫?」と聞いてしまうたちなので、そういうシチュエーションは想定の範囲外です・・・。
Q7 相手をかなり気に入ったあなた。告白は自分からする? 相手からされるのを待つ?
相手の自分に対する好意を感知する能力がないので待つという選択肢は存在しません・・・。
Q8 ずばり、いま好きな人、気になる人がいますか?
・・・というわけで告白されることはないのですが、唯一の例外はwebmasterの正体(笑)を知る数少ない人間の1人です。
Q9 その人は、mixi内に生息してますか?
webmasterはmixiを使っていないので確認する術はありませんが、多分使ってないでしょう。
Q10 Love Batonをまわす人たち。
同じく官僚属性を有する方々の中から、AKITさんの別エントリには反応しているにもかかわらず、のbranchさんt9930211さん、じょしこーせーからきゃりあうーまんまでの華麗な女性経歴(笑)を是非垣間見せていただきたいpogemutaさん今年のクリスマスイブについて現時点ですでに女性からお誘いがかかっていて「俺の時代」をお迎えのどろっぷさん、そして日刊ゲンダイにまで進出した官僚bloggersのエヴァンジェリストkanryoさんの5名にお願いします。ただし、このバトンは「受け取らなければならない」ものでも「受け取るものとする」ものでもなく、「受け取ることができる」ものであることを申し添えます(あと、事情が事情ですのであくまでご提案ですが、近日中にはてな閉鎖をご予定のroi_dantonさん、もしよろしければラストエントリにいかがでしょう?(笑))。
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roi_danton [ああ、そうだ、次回の黒白問題関係省庁連絡会議に必ずお越しいただけるというお約束と引き替えであれば、考えてみても良いで..]

bewaad [>AKITさん 誰か一人でも拾ったなら取り上げるのはやめようと思いつつ2週間以上が過ぎ、結局拾ってしまいました(笑)..]

bewaad [>roi_dantonさん わざわざお越しいただき恐縮です。徐々に外堀が埋められているように思えるのは気のせいでしょ..]


2005-09-25

[BOJ][economy]Japanese Translated Version of "The Top Ten Things We Have Learned From Alan Greenspan..."

少々時間が経ってしまいましたが、macroblogにて紹介されたBlinderとReisによる中央銀行にとっての10の教訓、さて、日銀にはどれだけ当てはまっているのでしょうか?

Principle No. 1: Keep your options open

第1の原則:選択の幅を広く保つべし

Principle No. 2: Don't let yourself get caught in an intellectual straightjacket

第2の原則:知的な牢獄の虜囚となるなかれ

Principle No.3: Avoid policy reversals

第3の原則:政策の逆転を回避すべし

Principle No. 4: Forecasts, though necessary, are unreliable

第4の原則:予測は信頼できない‐必要ではあれど

Principle No. 5: Formal optimization procedures work in theory, but risk management works better in practice - especially as a safeguard against very adverse outcomes

第5の原則:理論的には最適化の過程が機能するも、しかし実際にはリスク管理がより機能する‐とりわけ狙いと全く違った副作用への備えとしては

Principle No. 6: Recessions are bad, as is growth below potential

第6の原則:不況は悪である‐というのも、できるはずの成長ができていないのだから

Principle No. 7: Most oil shocks should not cause recessions

第7の原則:オイルショックのほとんどは不況をもたらすものではない

Principle No. 8: Don't try to burst bubbles: mop up afterwards

第8の原則:バブルは破裂させるものではない‐(自然に破裂したならその)後において拭くべきもの

Principle No. 9: The short-term real interest rate, relative to its neutral value, is a viable and sensible indicator of the stance of monetary policy

第9の原則:短期実質利子率‐の自然利子率からの相対値‐は誰にでも見える、かつ敏感な、金融政策スタンスの指標である

Principle No. 10: Set your aspirations high, even if you can't achieve them

第10の原則:志は高く‐たとえ成し遂げられないとしても

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bewaad [>Koiti Yanoさん 原文の語順にとらわれすぎたようです。ところで、ザモデル的にも妥当なわけですね(笑)。]

Koiti Yano [>Bewaadさん > ところで、ザモデル的にも妥当なわけですね(笑)。 もし、現在主流のザモデル(たとえばWoo..]

bewaad [その世界にはついていけないものですから、今後とも機会があればいろいろご教示ください。]


2005-09-26

[comic]現在官僚系もふ・第25話

  1. 「お互い認め合っているじゃないですか! 一番大切な人への想いすらないがしろにする人が国民のためだなんて言っても納得できません」
  2. 「私があきらめないでいられるのは国民のためだと信じたからです・・・そうじゃなかったら、単なる身びいきということになってしまいます」
  3. 「知らなかった・・・あなたがそんな立場に追い込まれていたなんて・・・」
  4. 「偉そうなことを言って逆らったのは、そういうことだったんだな!」
  5. 「ダメだ・・・やっぱりこの予算が通ったら彼女の身に・・・」
  6. 「そんな情けない男だったなんて! 嫌いになったから別れたんじゃないって分かってもらっているか不安だったけど、もうそう思ってもらって結構ですから」
  7. 「やっぱりこんなのおかしいです。どれだけ理屈を聞いたって、国民のことを第一に考えないことが正しいとはボクには思えません」
  8. 「勘違いするな、二人のためにやるわけなどないだろう。これだって仕事というだけだ」

とかいうベタな展開だったらやだなぁ、この先。

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2005-09-27

[notice]コメント・trackbackの一時停止

サーバ移転の円滑を図るため、本日より一時的にコメント・trackbackの受付を停止させていただきます。サーバ移転後、DNSデータの落ち着きを待って受付を再開いたしますので(来月初頭目途)、しばらく不自由をおかけいたしますがご了解いただきますようお願い申し上げます。


2005-09-28

[government][economy]バカなのか、不誠実なのか、それとも両方なのか

という表題をご覧になって某新人議員(笑)を思い浮かべた方々も多いかもしれませんが、世間的には利口で誠実だと思われている人々、経済財政諮問会議の民間議員をけなしております。昨日開催の同会議にて小さな政府を目指すとずいぶんと盛り上がったようですが‐そもそも絶対水準として大きい、つまり総量を削減したほうが国民経済的にベターな状態にあるのかどうかを議論しないのは定説です(笑)‐、これほどまでに低レベルな議論で業界の将来が決定されることのストレスを晴らすため、そのおかしさを批判しておきます。

#だいたい民間議員ペーパーの出来が悪く何を意味しているのかよくわからない部分が多々あり、竹中大臣の記者会見をソースにしなきゃいけないんですよねぇ(以下引用部における強調はwebmasterによります)。

まず、今後の諮問会議の進め方でございますけれども、民間議員のペーパーを御覧いただきたいと思いますけれども、昨日の総理の所信表明での、政府の規模の大胆な縮減を行うという総理の発言を受けまして、民間議員からは、例えば公務員の人件費や政策金融、政府の資産管理等については、政府の規模を10年以内に半減することを目指すといった具体的かつ大胆な目標を掲げて、そのための工程や選択肢を示して改革を進めるべきである、という御提案がありました。

基本的に、政府の規模の大胆な縮減に向けて、具体的かつ大胆な目標、そのための実現のための工程、選択肢を示すべきだというような御意見に対して、このような形で小さくて効率的な政府の実現に向けて取り組むという点では、共通の認識があったというように考えております。

同時に、今後、更に議論を進めるに当たっては、政府の規模とは何なのか、何で計るのかといったことについて、しっかりと詰めていかなければいけないということ、更にはそれにあわせて政策制度の議論、制度そのものを見直すという議論が必要であろうというようなこと、縮減するに当たっても一律縮減にならないように、つまり国がどこまでやるべきなのか、何をやるべきなのかという議論をしっかりと整理してやらなければいけないということ。それとの関連で、GEのジャック・ウェルチ氏が行ったワークアウトのような、不要な仕事を追い出す、そのような運動も必要であろうというような議論もなされました。

定義をこれから考えるという「規模」について、それを縮減するという結論は決まっているってのはどのようなロジックで正当化可能なのか、お願いですからどなたか教えてください。「規模」=サービス残業の量とでも定義してくれるなら大歓迎ですが(笑)。

国の責務がどの程度であるかを議論しようというのはその方向性が中立、つまり結論先にありきでなければまっとうだと思いますが、当然ながらそのようなことを期待できるはずもありません。プロクルステスの寝台(本件はプロコプタスですが)って言葉、知ってます、先生方?

民間議員からは、更に定員の純減目標として5%、5年間で5%純減という目標の提言がなされております。それに関しては、例えば新規採用を退職者の半分に抑える等のやり方をとればどのようになるか、ということも議論しなければならない、というお話がございましたし、先程と同じになりますけれども、仕事の仕分けと政府の仕事そのものを削減していく仕組みの議論をあわせて行わなければならない、ということになりました。地方の公務員の人件費については、人事委員会の強化、情報の開示、そして更に過去4.6%純減されているわけですけれども、更なる純減が可能かどうかについてもしっかりと総務大臣の方で御検討をいただく、ということになりました。

(略)

(問)2、3点伺いたいと思います。この公務員の総人件費の件で、民間議員の方から、今後10年以内に名目GDP比で半減させるといったような目標というようなお話が出ていますけれども、これは、例えば、というようなことで提案があったのか、それともこういうことで今日の諮問会議の中で大体合意が図られたのか、それが1点と、政策金融について今後どのような形で議論なさろうと考えているのか、また政策金融改革について、今日、総理の方から何かお話がなかったのか、その2点について伺いたいと思います。

(答)まず、総人件費、対GDP半減の話については、大胆で明確な目標を明示することが必要であるということについては、基本的には合意があると思います。

民間議員から、その際、例えば、ということで半減という目標を提示して、一部にこれは大変難しいのではないかというような御意見もありましたけれども、民間議員の方からは、例えば郵政の民営化によって公務員は3割削減される。定員の純減目標をしっかりと実現していけば更に1割くらいは減る。そういうことを考えると、難しくて高い目標ではあるけれども、決して不可能な目標ではないと、そのような御意見も示されております。

「公務員」の定義に郵政公社職員を含めていいのなら5%純減なんて実質純増ですし、含めないなら公務員人件費の対GDP比(当然名目でしょうけれど、じゃあ名目を増やす努力を先生方はどれだけして下さっているというのでしょうか・・・)で半減なんて無謀極まりない話ということになります。「民間議員」が別人だってことでしょうけれども、一つの会議なのですからこれほどまでに同じ単語をご都合主義で使い分けないでいただきたいもので。

最後に、この問題に関しては、民間議員から、今の仕組みのもとでは財政の事情が公務員の給与に反映されないと。これもやはり財政が潤沢な場合と、財政が非常に厳しい場合とで、官民の比較といっても、その比較、反映のさせ方が違うのではないか、違うやり方があってしかるべきではないか、という提言があったわけですけれども、それに関しては、財政赤字そのものは決して公務員の責任ではなく政治の責任であるので、そのことで公務員の給与が変わってくるのはいかがなものかという御意見と、さはさりながら、やはり政府全体の人事政策に反映させる仕組みも必要なのではないかということで、少し方向の違う意見も出ました。今後、更に議論を進めていくことになろうかと思います。

財政支出による景気対策についての反対論というのは、不況だからといって財政支出を増やしても将来の増税を織り込んで効果がない、というものだとwebmasterは理解していたのですが、財政が厳しいとき=不況期に財政支出を減らせってのは、どういうブードゥー経済学が理論的背景にあるのでしょうか(なんて言ったら元祖のラッファー先生に失礼でしょうか(笑))。

・・・あ、そうか、ビルトイン・「アン」スタビライザーを導入しようとする政府などない方がましだって、小さな政府原理主義の正しさを体を張って証明なさっているんですね!


2005-09-29

[notice]サーバ移転のお知らせ

このページをご覧いただいているということは、無事新サーバにアクセスいただいているということになります。移転に当たっては一部混乱もあったかもしれませんが、申し訳ありませんでした(転送量等が改善いたしましたので、とりあえずトップページに表示されるエントリを増やしてみました)。今後ともよろしくお願いいたします。

なお、コメント・trackbackは、以前お知らせしたとおり、来月に入ってからの再開とさせていただく予定です。今しばらくお待ちください。


2005-09-30

[science]噂の創造説記事

9月26日付の産経新聞「「反進化論」米で台頭 渡辺久義・京大名誉教授に聞く」ですが、その反進化論部分は既に多くの論考が見られるものの(例:Apemanさんによる「産經新聞に科学部はないのか?」)、結論部分のトンデモなさについてはあまり議論を見ない(寡聞であるなら恐縮ですが)ので、そこを取り上げてみたいと思います。

「人間の祖先はサルだという教育は、生物の授業の仮説ならともかく歴史教育や道徳教育にはマイナスだ」「進化論はマルクス主義と同じ唯物論であり、人間の尊厳を重視した教育を行うべきだ」という議論は日本でも多くの識者から主張されてきた。

マルクス主義の影響を最も強く受けているとされる日本書籍の中学歴史教科書は平成十三年度使用版まで、見開き二ページを使ってダーウィンの進化論と旧約聖書の創世記、戦前の歴史教科書の日本神話を対比させて聖書や神話を否定的に受け止めるよう誘導していた。

このような教育に対し、日本神話の再評価を訴えている作家・日本画家の出雲井晶さんは「道徳の上では人間は人間、獣は獣。人間を獣の次元に落とす進化論偏向教育が子供たちを野蛮にしている。誰が日本人を作ったのかというロマンを教えるべきだ」と話す。

中川八洋筑波大教授は著書『正統の哲学 異端の思想』でダーウィンを批判。創造論、進化論の双方が非科学的だとしても「文明の政治社会の人間の祖先として『神の創造した人間』という非科学的な神話は人間をより高貴なものへと発展させる自覚と責任をわれわれに与えるが、『サルの子孫』という非科学的な神話(神学)は、人間の人間としての自己否定を促しその退行や動物化を正当化する」と論じている。

  • ヒトが神の被造物であることに人間の尊厳の根拠を求めるというのは、ヒトがヒトであることからではそれを導き出せないということになりますが、それって本当のところはずいぶんと人間の尊厳を貶めていると思うのはwebmasterだけでしょうか。
  • ひょっとしてこの人たちがやたらと市場をあがめるのは、「神の見えざる手」ってのを比喩でなく本気で信じているということ(笑)? マルクス経済学は近代経済学の「異端」ではあっても「異教」じゃないんですけどねぇ。
  • 聖書を肯定的に受け止めたら(日本)神話は否定的に受け止めざるを得ないんですが。
  • 「日本神話の再評価を訴えている」人が「人間を獣の次元に落とす」って、どういう「日本神話」をご信奉なのかおうかがいしたもので。八百万の神々って言葉は出雲さん(ペンネームでしょうけれど、国津神ゆかりの地を名乗る割には・・・)の辞書には掲載されていないとか?
  • で、キリスト教の説くところが正しければサルも神の被造物です。「神の創造した人間」ならよくて「(神の創造した)サルの子孫である人間」なら駄目なんですか、中川先生?
  • 創造説を論じるのに安易に「神」という言葉を使うのはまずいんですけどねぇ。一神教と多神教では同じ「神」と書き表してもまったく別物なんですけど。
  • 最後にこれを書いた渡辺浩記者に申し上げるなら、引用部に至るまで米国の記者もよく「何で早く神と言わないのだ」と質問しますが、ID理論家はあくまで科学的実証から出発するわけで、彼らは、自然的要因からは生じえない「デザイン」の事実が厳密に実証できるのだから、従ってデザインの主体、デザイナーの存在が推論できるのだと言っているのです。神から出発するのではないのです。キリスト教右派だとか宗教勢力の画策などというのは、そういうふうに見たがる人の言うことです。と一生懸命論じている渡辺久義先生に失礼じゃないですか、人間は神により創造されたなんて意見をその後に続けたら。それじゃまるで渡辺先生が小手先のレトリックを操っているように見えてしまいますよ(笑)。
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のびた [>ところで中古本の鞘抜きシリーズ、なかなか面白い傾向が出てくるかもしれませんね。ぜひblogで連載していただければ、..]

bewaad [楽しみにしてお待ちしております。]

NIKE スニーカー ["You return mine and we'll be friends."The two little old ..]


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