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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-09-15

[economy]それでも跡田先生はお薦めいたしかねます

昨日のエントリを受けて、跡田直澄「郵貯消滅」をどう受け止めたかについて徳保さんから詳しい説明をいただきました。これ以上批判するなら、と思い「郵貯消滅」を購入し早速一通り目を通したわけですが、いや、想像以上にひどい本でした。環境問題の本だと思って買ったらフリーエネルギーで解決可能という主張だったとか、進化論の本だと思って買ったら創造説だったとか、そういったレベルです。次のジョーン・ロビンソンの言葉にこれほど頷きたくなったのは初めてです。

経済学を学ぶ目的は、経済の問題に対して一連の出来合いの答えを得るためではなく、どうしたら経済学者に騙されないかを学ぶことである。

せっかく彼の印税収入に貢献したのですから、それに見合うだけの徹底的な批判をおいおいしたいと思います(笑)が、取り急ぎ徳保さんがご紹介の部分について先行して取り上げます。

私の立場を簡単に書きます。田中先生(+bewaadさん)と跡田先生の意見の違いは、世界観の違いによります。田中先生は日銀と財務省がインフレをコントロールでき、市場も日銀と財務省の能力を信頼するとの見通しを持っています。しかし当の日銀と財務省は自身の能力を信じていない。跡田先生もその見方に賛同されているのです。

これは読者の方にご紹介いただいた日本銀行金融市場局の資料です。日銀のインフレ調整能力には不安がたくさんあり、市場の信頼も得られない可能性が無視できないという世界観を前提として、リフレ政策に踏み切るのは危険じゃなかろうかという雰囲気でまとめられています。

なぜインフレをコントロールできないかという理由も示さず、リフレ政策により並のインフレーションではすまなくなる。ハイパー・インフレーションとなって、ペットボトル入りミネラルウォーターを買うにも一万円札が必要になるだろう(p100)などとデマゴギーな主張をされても困るのですが(笑)。論より証拠、インフレターゲットを導入してなおインフレ昂進を抑制できなかった実例を1つでも挙げてみてほしいものです。

ちなみにご紹介の日銀ペーパーですが、財政赤字によりインフレのコントラビリティについて市場の信認が低下した例として挙げられている90年代前半のイタリアやスウェーデンですら、あくまで金利上昇の程度が大きかったというだけでインフレ率のコントロールに失敗したわけではないことはペーパーに添付の図表に明らかで、インフレ抑制が困難であるとの証拠にはなりません。

財政状況への影響にしても、赤字圧力=利払い増加については名目金利=インフレ率+実質金利を見る一方で、黒字圧力についてはインフレ率で割り引いた既往ストックの実質目減りのみを見て、名目成長率=インフレ率+実質成長率の影響を受ける税収増(厳密には税収弾性値(名目成長率に対する税収増減率の変動比率)が1.1(実績値)なので名目成長率を超える税収増が見込まれます)を見ていないなど片面的な比較、つまりインフレの悪影響のみを過度に強調したものであり不適切なのですが。

跡田先生はリフレ政策やるべしとの立場ですが、そのリスクも主張されています。bewaadさんの試算では、少子高齢化の進展により社会保障費の増大圧力が続く中、現行程度の収支状況を維持することが前提となっています。つまり緊縮財政が続きます。国債を日銀がどんどん引き受けても財務省が強い姿勢を維持できるのか? 田中先生は「できる」と考え、跡田先生は「難しい」という。私も難しいと思う。国民感情を考えるに、そんなに社会保障費を削れるわけがない。だから、規模はともかく増税は不可避ではなかろうか。

跡田先生の「リスク」とは財政状況改善を先行させなければハイパーインフレになるというものですが、そもそもハイパーインフレになるというのはノストラダムス予言と同じく根拠なく恐怖感をあおっているだけというのは既述のとおりです。他方、財政状況改善=増税and/or歳出削減を先行してなおデフレ脱却が可能であるというのは夢物語に過ぎません。

リフレ政策の中核的効果はレジーム転換、すなわち期待インフレ率を上昇させることにより消費を将来に先延ばしする(=貯蓄)よりも今消費してしまったほうが合理的選択である状況を実現することにあります。この点跡田先生はご理解いただいていないようで、現在はデフレだ。少し貨幣流通量を増やせば、インフレ気味となりデフレが克服される可能性がある(p100)とされており、どうも単純な貨幣数量説(マネタリーベース増加率を上昇さればインフレ率が上昇する)としてしかリフレ政策を理解していないように思われます。だからこそ増税and/or歳出削減の期待に与える影響を度外視しているのではないでしょうか。

そもそもデフレを脱却しないことには財政赤字増加圧力は強くなりこそすれ弱まることはありません。上記の税収弾性値が示すように名目成長率が低迷ないし下落するようでは歳入は減少します。他方、失業率の高止まり・上昇に伴う生活保護・雇用保険支出等の増加、確定給付年金の国庫負担増(運用益の低迷の埋め合わせ)など、歳出の増加につながる要素には事欠きません。むしろwebmasterの方こそ(田中先生にもご同意いただけると思いますが)、リフレなくしてどうやって財政再建が可能と考えているのかお伺いしたいところです。

跡田先生ではなく徳保さんに1点のみご質問するなら、「避けられない増税と歳出カットの嵐」と題する第4章をお書きの跡田先生の方が、webmasterや田中先生より財政再建について「難しい」という立場だというのはいかなるロジックなのでしょうか? webmasterは財政再建は経済状況の好転なくしてはなし得ないとし、跡田先生は経済状況が好転しなくても可能だとしているわけですが、これはwebmasterの方がより財政再建は困難だと認識(そのような状況でなければ増税and/or歳出削減の規模はとてつもなく大きくな(り、そのような大規模な増税and/or歳出削減は民間所得の低下を招いてスパイラル的に次の財政状況悪化につなが)るし、それは国民に受け入れられない)していることの表れ以外の何物でもありません。

また bewaadさんは国債残高が膨らんだのは貯蓄と資金需要のアンバランス解消のためだったと解説されましたが、跡田先生の発想は逆。その必要性が低下した30年前から財投と郵貯の解消を目指し、また貯蓄が他の金融商品より少し不利となる状況を作っていくべきだったという。(私の解釈は保留)

GDP統計(SNA)上の「貯蓄」は銀行預金等に限られず、「他の金融商品」も含みます(将来の消費に備えた一時的な金融資産への運用が「貯蓄」です)。したがって、民間の「貯蓄」が郵貯でなく株式等に向かっていたところで国債残高は累増せざるを得ません。

また、郵貯の存在故に財政支出が増加したという因果関係の存在を仮定する跡田理論を正当化するなら、郵貯の存在により本来あるべき水準よりも金利が高止まりし、それにより「消費」よりも「貯蓄」が選好されたというパスを通じてでしかあり得ないのですが、もちろんそのような論証は「郵貯消滅」では何らなされていないのです。

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ちょい質 (2005-09-15 08:18)

またお邪魔します。

一番上の例は長期金利がインフレプレミアムなどで、金利>成長率となる状態を言ってるんじゃないでしょうか?

また、2番目の例で
>リフレ政策の中核的効果
は機能すると理解できるのですが、
デフレ時には実際にインフレ率を押し上げる別のものが無いと期待インフレ率があがらないと思うのです。
この補助エンジンの様なものはあるのでしょうか?

徳保隆夫 (2005-09-15 09:07)

田中先生が上半期ワースト3にあげた本を買わないでも……。

ご質問の件、第4章は妄想なんじゃないですかね(超読)。だって「政治家はすぐに放漫財政に流れてしまう」と跡田先生は嘆き、だから「振れる袖を無くせ」といっているわけです。第4章がマジメな未来予測なら、他の章が無意味になるような……。

「デマゴギー」も同様で、結局、後で「日銀は生真面目すぎる、日銀主導でマイルドインフレをやるべき」と主張していることと矛盾しますよね。私はここでも「超読」して、前者を妄想ということにしているわけです。

あと、せっかくいろいろ解説していただいているのに話をひっくり返すようで申し訳ないのですが、大学で経済学を学んだ方、エコノミストとして活躍されている方、ビジネスマンとしても成功したような方の多くが、結局のところリフレ政策に積極的でないわけですよね。こちらのコメント欄に登場される方の少なからずは、「連中は経済学をわかってないだけ」と切り捨てているようですが、とにかく説得に失敗している事実があるわけです。

私の場合、一時期「HTML と CSS の正しい使い方」の啓蒙活動を頑張った時期があり、その苦難の道程から逆に「なぜ間違った使い方ばかりが広まっていくのか」を考えるようになりました。その結果、プロのウェブデザイナー・ウェブマスターたちの思想・行動には W3C の賛同者とは異なる原理・価値観があること、単に「バカは説得できない」という話ではないことを納得し、現在に至ります。

ここで話を戻しますと、素人にも分かるリフレ政策実施の可否を決めるポイントは2つ。

1.財政規律は守れるか?(財務省+政治家)
2.インフレ率は管理できるか?(日銀)

リフレ政策消極派は、どちらにも自信がない。田中先生らリフレ派の説得しても、「いや、でも……」なわけでしょう。HTML の使い方なら、別に「人それぞれ」で放っておいてもいいのですが、政策は基本的に多数決。説得に成功しない限り、リフレ政策は実施されません。

「郵貯消滅」が bewaad さん的にひどい本なのは当たり前。私としては、「バカは説得できない」を乗り越えた話を知りたいのです。

銅鑼衣紋 (2005-09-15 13:00)

>徳保さん

「正しい」HTMLの書き方の普及と、マクロ経済政策を同列に並
べるのは無理です。「正しくない」HTMLで記述されたもので
あっても、普通は(IEだけならとかいうのも『普通』に分類すれ
ばですが)表示されるわけですが、「間違った」マクロ経済政策を
続けても、何年もしないと「動かないこと」がわからないことが
多いからです。バブル崩壊の直後から92年まで日銀はコールレー
トを高水準で維持し、その間、多くの「大学で経済学を学んだ方、
エコノミストとして活躍されている方、ビジネスマンとしても成功
したような方」からマスコミまで、みんなそれを支持したわけです
が、結果は失われた10年+αということになってしまった。

HTMLに限らず、コンピュータソフトを例に持ち出すなら、
「間違ったコードをコンパイルして、実行時エラーがでるまで3年
も4年も掛かる」場合を考えるべきです。

言語仕様について、みんなが「これで正しい」と言っているから
それでよいとは言えないでしょう?今の状況で言えば、毎年40兆
円の財政赤字が発生し、名目成長率2%そこそこで、平均的な税収
増加率が3%にいくかいかないか状況で財政バランス改善するには
10兆円単位の増税か歳出削減が必要ですが、それが2%か3%で
あっても成長と両立すると思いますか?
る」

tockri (2005-09-15 15:06)

横から失礼します。
徳保さんのおっしゃることは僕もとても気になっていたところです。経済学には全くの素人ですが最近bewaadさんの解説
http://bewaad.com/archives/reflationindex.html
を読んだりウェブの記事を読んだりして、リフレ政策というものがなんだか現在のデフレに効きそうじゃないか、という気分がしてきています。
しかし実際は日銀が「インフレターゲットについては今のところ考えていない」みたいなことをニュースで言ってたりして、経済の玄人さんたちがリフレに踏み切れないでいるわけです。
もちろんマクロ経済政策が「正しい」「間違っている」の判定には3年、4年かかるというのはよくわかりますが、じゃあこの状況下で日本の沈没を防ぐために日銀にリフレ政策をとってもらうにはどうしたらいいかの戦略として、愚直に「リフレは良いよ」と繰り返すだけじゃなく、ましてや「あいつらはバカだからほっとけ」と突き放すんでもなく、何か政策を左右する人の利に訴えるような方法はないもんでしょうか。

銅鑼衣紋 (2005-09-15 15:48)

少しはやってますよ。公共投資減らしたい小泉さんに竹中さんがデ
フレ対策の必要性を強調したから、「デフレ上等」と居直っていた
速水さんの後任選びの際に、小泉さんは「デフレ克服に真剣な人を
選ぶ」と条件を付け、福井さんも就任会見で「デフレ阻止が私の使
命」と言わざるをえなくなったわけです。さらに、ハッキリとイン
フレターゲットを支持していた岩田副総裁が選ばれています。リフ
レ政策支持者から見れば不十分だし、余計なことばかりしている様
に見えますが、岩田教授が量的緩和論を主張した93年だか94年
のころは「コール金利がゼロになって金融市場が大混乱に陥るから
そんな政策は絶対に採用しない」と言っていたのに、結局ゼロ金利
政策は採用されたし、その後も「金利はゼロで量など増やせはしな
い」と言っていたのに「量的緩和」が実行され、デフレでも利上げ
と言っていたのに「趨勢的にプラスのインフレ率になるまで量的緩
和は解除しない」というのが現在の日銀の公式見解です。速水さん
の時代と現在を比較すれば大違で、この変化全てが1〜2年で起こ
っていれば、リフレ派の主張が全て実現したと言っても過言ではな
いほどの変化です。残念ながら10年以上も掛かり外部環境もどん
どん変わっていますから、なんだか全てが曖昧になってはいますが。
それでも、今、量的緩和停止・コール金利引き上げ・デフレ上等な
どと言える「鷹派」は民主党の金融政策担当者以外はいないでしょ
う。

ネットでできることは、愚直に訴えるだけです。

韓流好きなリフレ派 (2005-09-15 16:07)

名前が引用されていて黙っているのはなんですが、いま、個人的に冬ソナ世界にいってまして、妄想の中で幸せなひとときをすごしてます。すみません。

議論というのはいつも単純化と省略のバランスの中で行われるわけですが、徳保さんの意見もtockriさんの意見もここ数年よく聞かれる「バカを説得する問題を超える問題=世界観」の話題と理解していいわけですよね?

思い出してほしいんですが、デフレとデフレ期待を払拭するためのインフレターゲット政策が日本に本格的に紹介されたのが90年代の終り頃(98年?)、その当時の日本では「流動性の罠の状態でインフレを無理やり起こす? そんなのあま〜い」という芸人、じゃない経済の玄人はいまにも負けずいっぱいいました。例えばその中には浜田宏一先生(この文脈で代表させるのは誠に申し訳なく思いますが)もいらっしゃったと思います。『金融政策の論点』(2000年発行、内容自体は前年の分もあり)では期待インフレ率をコントロールする政策にはリスク面をかなり強調されていて否定的なものでした(もっとも一定の条件ならばやむをえないとも認識していたと思います)。いまでは期待経路を重視した政策を積極的に主張されていることはみなさんもご存知ですよね?

実は(というほどではないですが)私もこのインタゲを初めて聞いた2001年のはじめ?、野口旭さんから猪瀬事務所の地下で聞いたのですが(そのときの話は『デフレ危機』としてpHPから刊行)、やはり「あま〜い」というのが最初の印象でしたね。で、家に帰ってから流動性の罠を金融政策主導+財政政策中立的で果たして脱出できるのか??? とない頭をひねりましたが、考えてみれば貨幣数量説が最終的には効いてくるのでその意味で賛成に転じました。そしておわかりですが、この段階の私のインタゲ理解はまだ「あま〜い」ですよね 笑。いいかえると2001年前半ぐらいは(事実上期待経路への働きかけがあまりない)貨幣数量説の適応=新保博説 としてインタゲを理解していたわけです。期待厨になったのはその年の後半以降で、考えてみれば自分が昔書いたモデル(トービンの負債モデルの改変)では深刻な金融危機の状況での期待経路の役割をさんざん強調していたわけで、自分が過去につくったモデルと現実への適用を結びつけるのにかなり時間がかかったわけです。お恥ずかしいかぎりですが。

言い方かえると、古い話題になりますが、「経済玄人」でもなんでもその「専門知」のあり方はかわる可能性があるわけです。実際に有名?どころでは土居丈朗さん、伊藤元重先生はインタゲ賛成に転じています。

専門家だけではなく、例えばそれに大きく影響をうけているメディアの論旨でも90年代の終りに比べると格段にリフレ政策への理解は進んでいます。
既得権の破壊はどこかの国の首相にまかせますが 笑 既得観念の転換(リフレ政策への理解や支持)は着実に進展していると私は思っています。つまり「世界観」は転換可能な場合があります。このときの「世界観」の転換は、限界的な条件の変更という局所的な変化にすぎませんから、ある意味私たちが日常的にも経験していることとあまりかわりません。「あ、安達祐美、なかなかいいおんなになっorz」というようなレベルのものです。
傍証として以下の論文をあげときますね。
http://society.cpm.ehime-u.ac.jp/shet/conference/69th/69paper/220noguchi.PDF
より実証的には上記論文にあげられたHamada and Noguchiと戦前のケースの中村さんの本があります。

韓流好きなリフレ派 (2005-09-15 16:49)

あ、新保博先生(日本経済史の大家)ではなく、もちろん新保生二先生です。

誤記訂正ついでに、Great transformations : economic ideas and institutional change in the twentieth century / Mark Blyth.という本には「世界観」の変換が、上の野口、Hamada and Noguchi論文とは違う視点で書かれています。おおよそはHmada and Noguchiに吸収されている論点ですが。ご参考までに

gachapinfan (2005-09-15 18:23)

徳保さん
 
> 私としては、「バカは説得できない」を乗り越えた話を知りたいのです。
 
ここのブログでも政治戦略や多数派形成の話は折りに触れて行なわれています。(どなたか関連URLを徳保さんにインフォームしていただくといいのですが。)
エントリごとに話題が異なるので当然ですが、ここでの論点は政治戦略の話ではなく、郵政民営化支持派の議論が論理的・実証的に正しいかどうかです。徳保さんのお話では「経済学」の話と「政治戦略(多数派形成)」の話がごっちゃになっているように思われます。
 
それにしても、「世界観」の話って「インテリジェント・デザイン」論争と似てますね。

gachapinfan (2005-09-15 18:43)

徳保さんの期待される
「「バカは説得できない」」を乗り越えた話」
というものは、おそらく
「素人の素朴な疑問(あるいは反対派の中心的な疑問)に答えるような話」
ということだと思うのですが、
それについてはbewaadさんが随分昔にFAQ形式でまとめています。
http://bewaad.com/archives/themebased/reflationfaq.html
 
なお、さきほどのコメントの追記になりますが、
「もし正しい主張なのであれば今ごろはみんな賛成しているはずだ、しかし今みんな賛成しているわけではない、だから間違いだ」という論法においては、「間違い」が「経済学的誤謬」なのか「政治的間違い」なのか判然としない点で問題があります。(この点について注意を促しているのが銅鑼衣紋さんによるアナロジーだと思います。)

gachapinfan (2005-09-15 18:54)

何度もすいません、
> 「間違い」が「経済学的誤謬」なのか「政治的間違い」なのか判然としない
と書きましたが、
「経済効果の点から見た場合に無益あるいは有害である、という意味の間違い」なのか
「多数派形成の点から見た場合に失敗している、という意味の間違い」
なのか判然としない、という意味です。

とん吉 (2005-09-16 04:28)

マル経の人のブログです。

http://blog.goo.ne.jp/sekiseima/d/20050905

竹中平蔵氏への批判の視点がリフレ派と正反対なんですね。

bewaad (2005-09-16 05:44)

>ちょい質さん
1点目、そのあたり、跡田先生は推論を省略して結論を示されるのでよくわからないのですが、もしそうした懸念なら、高橋是清の政策の帰結や、インフレプレミアムとして織り込まれるべき将来の資金需給のタイト化は企業のキャッシュポジションを考えれば当初は顕在化しないはず、という議論につながっていくと思います。

2点目はシニョレッジの活用がその役割を担うと考えています。

bewaad (2005-09-16 05:54)

>徳保隆夫さん
一応普及活動の重要性を軽視していないと自認していまして、次のようなテキストを書き散らかしていたこともあります。
http://bewaad.com/archives/themebased/2004/reflationpopularization.html

ご指摘のポイントについては、
1.赤字国債発行開始以後、その発行が不要な予算はバブル期であり、税収の自然増収が見込める場合における財政支出増加圧力といってもその程度のものであること、
2.(エントリでも触れましたが)インフレターゲットを導入している諸国においてインフレ抑制に失敗した例はない、
という事実の提示では説得力に欠けるでしょうか?

ご好意に甘えるようなことを申し上げますと、リフレ派の言説にどのような疑問をお持ちかお示しいただけるのは貴重な機会だと思っておりまして、それをご教示いただければたいへんありがたいと思うのです。

bewaad (2005-09-16 06:05)

>銅鑼さま
ご指摘の点以上に、不適切なマクロ経済政策はまさしく「痛み」を与えることが重要なのではないでしょうか。その中には取り返しのつかないものもあるわけですし。

bewaad (2005-09-16 06:10)

>tockriさん
いや、本当にそれは大きな課題だと思います。徳保さんへのリプライでリンクしたようなことなど、いろいろ考えているのですが、なかなかこれといって妙案がありません。徳保さんにも書いたことですが、何が不足かお気づきの点があれば、ぜひご指摘いただきたいと思います。

bewaad (2005-09-16 06:15)

>韓流好きなリフレ派さん
少しでも理解してくれる人は増えている、今後も増えていく、と楽観していなければ、こんなことやってられませんよね(笑)。まあネットなんぞより、先生方の書籍などのオフでのご活躍の貢献するところが遥かに大なのは言うまでもないのですが。

bewaad (2005-09-16 06:25)

>gachapinfanさん
以前、多くの人にとって自明な知識は希少価値がなく、よって自明でないことを研究して明らかにする研究者・知識人は必然的にマイノリティだということを書きましたが、リフレ政策を巡る経済学者の悩みは、相対論を巡る物理学者、進化論を巡る生物学者、・・・のそれと同じであろうし、と学会などそうした状況をネタにする本も出てくるということではないでしょうか。

bewaad (2005-09-16 06:28)

>とん吉さん
マルクス経済学にとってのリフレ政策の受容については、稲葉先生の「経済学という教養」に興味深い分析があります。貨幣のフェティシズムを題材としたマルクス経済学にとって、流動性選好というケインズのアイデアは決して遠いものではなかったはずなのに、・・・というものなのですが。

名無之直人 (2005-09-16 10:22)

リフレ議論初心者というか自前で計算できない輩としては、日銀ペーパーに対してbewaadさんがおっしゃられている『名目成長率=インフレ率+実質成長率の影響を受ける税収増』を加味した試算などを示して頂けると、両者を並べて見て、

「ああ、なるほど。インタゲ策を採った時と採らなかった時で財政赤字(累積債務と利払い)にはこーいう違いが出るのか」

と頷きやすくなるかと思います。(それでなくとも素人には日銀の資料というだけで水戸黄門の印籠的効果があって、一応クルーグマンのXXは△△だ、とか言及されてると、そーいうもんなのかな、と思ってしまいますので。^^;)

私がリフレ政策に関して読んだ書籍はバーナンキと岩田規久男くらいなのですが、バーナンキの方のには2〜3%のマイルドインフレなら財政赤字の状況にほとんど影響を与えないという記述があった気がします(試算は示されていなかった)ので、気が向かれた時にでもコメント頂ければ幸いです。

名無し@政経オタ (2005-09-16 14:55)

名無之直人様へ

>『名目成長率=インフレ率+実質成長率の影響を受ける税収増』を加味した試算などを示して頂ける

安達誠司の「デフレは終わるのか」という今年出た本があります。
昨今の「解除論」にも踏み込んでいる本でして上記もグラフで表示されているなどしております。

バーナンキと岩田規久男と読まれておりますなら、一読の価値があると思います。

bewaad (2005-09-17 09:29)

>名無之直人さん、名無し@政経オタさん
安達本はもちろん大いにお薦めなのですが、素人作業でよければ下記にてひととおり試算しております。
http://bewaad.com/20050823.html#p01

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よく株式市場観測記事なんかで「構造改革路線の継続を歓迎し・・・」なんてコメントが出たりします。誰が歓迎してるのか知りませんが、愛読の産業紙にも市況記事は当然出ていまして、珍しく木曜日の日経産業新聞に(「EQUITY」というコラムですが)「改革路線で市場は大丈..

http://bewaad.com/20050915.html#c02 での徳保隆夫さんのコメントに対してbewaadさんはじめ各氏が応答していますが、 それに対する徳保さんの反応がない件についてエントリを立てましたところ、 deztecさん(徳保さん)からコメントをいただきましたのでこちらに転載し..


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