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2005-09-17

[comic]現在官僚系もふ・第24話

あらゆる補助金系の話を利権に帰するのはやめましょうよ、というわけで今回の話題の交付金(肉用子牛等対策費)について。ちょっと古いですが、この仕組みについての平成11年3月18日の衆・農林水産委員会における質疑を引用してみます。

○藤田(ス)委員 (略)

私は、もうずっと歴年、肉用子牛生産安定等特別措置法に基づいて進められている牛肉の関税の問題、未使用分の問題について取り上げてきました。そして、歴代の大臣は、私の質問にいつも、適切に対処するというふうに答弁されてきました。この肉用子牛生産安定等特別措置法の十三条に基づいて充てられている財源というのは、牛肉の輸入自由化で苦況に追い込まれた畜産農家のために使うものであります。

ところが、毎年毎年未使用分をためてためて、とうとう今二千四百六十八億です。毎年毎年大臣は、この未使用分を活用して畜産農家の振興のために生かしていきたいと答えながら、これほどにためてしまった。一体、どうするのですか。

○城説明員 ただいまの先生の御指摘の件につきましては、御指摘のような数字のいわゆる未使用分があることは事実でございます。

ただ、これは未使用分という言葉遣いもどうかと思いますが、先生御案内の法律第十三条に基づきまして、今後、肉用子牛対策費に必要な額が当該年度の関税収入に満たない場合は、前年度以前に、関税収入以前に生じた関税収入と肉用子牛対策費の差額の範囲内で使える、つまり、今おっしゃった額は、今後必要に応じて使えるということが法律上明確に担保されておるわけでございまして、そのような規定のもとに、今後私どもは肉用子牛等対策を推進してまいりたい、このように思っております。

なお、あえて申し上げますれば、各年度ごとの肉用子牛対策費と関税収入実績につきましては、関税収入がどちらかといえば減りぎみ、肉用子牛等対策費がどちらかといえば増大ぎみということで、その格差、未使用額が大幅に縮小しているということでございます。

○藤田(ス)委員 かつて、関税収入実績に対して肉用子牛等の対策費がオーバーしたことは一度もないのです。これからオーバーするとしたら、どういう状況でオーバーするのですか。

○城説明員 御指摘のように、予算の編成上、関税収入を上回る肉用子牛等対策費の見込み額を計上したことはございますが、実績といたしましては、今先生御指摘のとおり、上回ったことはございません。

今後の話でございますが、私ども、肉用子牛の不足払い制度の運用、あるいは我が国の肉用牛生産、豚肉等の価格安定、そういう面において必要な額は、今後とも財政当局と協議の上、確保いたしたいと考えております。

現時点におきまして、約一千二百億円程度のお金を御案内のように使用いたしておるわけでございまして、これらにつきましては、今後の関税収入の見込み等が大きな影響を及ぼすのではないか、このように思っておりますし、また今後、肉用子牛あるいは牛肉問題につきまして新たな問題が生じた場合においては、当然のことながら、当該年度を超える額を使用する必要が生ずるであろう、このように思っております。

○藤田(ス)委員 今後の関税収入の見込みというその言葉は、二〇〇一年以降の新しいWTO農業協定のもとでの関税の引き下げをまるで想像しているような話でありまして、全くいただけません。そして、この関税収入については、予算のたびに、農水省がしっかり踏まえて、そして絶えず主張していくべきものだ、こういうふうに言いながら、あなた方は、この未使用分をどんどん膨らませてきました。

(略)

○城説明員 繰り返しになりましてまことに恐縮でございますが、私ども、必要があればそのお金を当然のことながら大蔵省から農林水産省の予算の方に計上させていただく、そういうことで措置したい、このように思っております。

(略)

○藤田(ス)委員 必要があれば、必要があればと、あなた方はいつを必要と考えていらっしゃるのか。いかにも無責任であり、そして財政当局とと言いますが、これこそまさに農水省が主体になってこう活用するんだという姿勢がない限り、未使用分はどんどん膨らんでいくばかりです。そして、本来法律でまで定めたこの関税収入がちっとも畜産農家の方に生かされていかない、それは随分政治の怠慢だということを私は申し上げておきたいと思います。

(後略)

作中で言及される肉用子牛生産安定等特別措置法第13条(の第1項)は各年において牛肉関税収入を交付金の財源に充てるという規定ですが、そこには「ただし、その金額が当該年度の肉用子牛等対策費を超えると認められるときは、当該超える金額については、この限りでない。」と但し書があり(webmaster注:「その金額」とは牛肉関税収入の見込み額のこと)、上記質疑のとおり関税収入=肉用子牛等対策費ではありません。つまり、アメリカから牛肉を輸入すると、その関税が機構を通じて、農水省の意のままになる(p266)という仕組みにはなっていないのです(だから質疑で言う「未使用分」が生じるわけです)。

肉用子牛等対策費の定義は同法第14条第1項に定められていまして、使途限定費目ですから、「意のまま」という表現は二重の意味でミスリードと言えるでしょう。ちなみにこの項の規定によると当該使途に「必要な経費の財源に充てるため、交付金を交付するものとする。」とされていて、関税収入の額がキャップとなるとは規定されていないので、法律上は肉用子牛等対策費として必要と認められる額については、関税収入を上回ってでも交付金を交付しなければなりません。仮に無駄な支出があるとすれば、問題は関税収入ではなく、肉用子牛等対策費の側にあるのです。

公平を期すため紹介するなら、禁輸が続くと2005年度中に過去の積み立て文(ママ)がなくなることを理由に農水省は米国産牛肉の輸入再開に傾いているとの報道があったようです。これは同法第13条第2項の規定を念頭においた報道であろうと思いますが(つまり質疑中の「未使用分」に相当するだけの肉用子牛等対策費の支出が既になされつつある、ということ)、繰り返しますが同法第14条第1項には関税収入額の縛りはありません。「未使用分」が底を尽きたからといって、政府が必要な額を交付しないことは認められていないのです。

というわけで、今回の話がこの「未使用分」枯渇問題(本当に枯渇しそうな状況にあるかどうかはwebmasterは知らないので、報道が正しければ、ということですが)を取り上げたものだというなら、まずもってそのような「未使用分」と肉用子牛等対策費との間のリンケージを運用上認めている財務省・農水省の馴れ合いをまずもって批判すべきでしょう。「未使用分」を事実上キャップとすることとのバーターで、「未使用分」を含む牛肉関税収入がある限りにおいて、肉用子牛等対策費をきちんと査定してこなかったということなのですから。

#そのような馴れ合いがあるかどうかについていえば、可能性としてはあり得るんでしょうねぇ・・・。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
とーにゅー (2005-09-18 02:05)

いやいや,本当に利権が絡んでいる補助金を取り上げてしまうと色々とアレなので(ロッカーに「呪」って紙が入ってたりとか(笑),あえて利権が関係ない補助金を取り上げたのでしょう。
……なわけないですね。

bewaad (2005-09-18 06:54)

食肉分野は屠殺差別以来の複雑な経緯があるので、上っ面をなでるような取り上げ方はして欲しくないんですよねぇ・・・。

ryon (2005-09-24 22:11)

漫画にそこまで正確さを求めなくても・・・と思ってましたが、
ようやく、シナリオが本題に突入したようなので一言。

確かに、行政の問題点=利権という単純図式はどうかと思います。
そもそも、利権においては「悪人」が儲けてることよりも
それによって生じる国民の損害の方を問題とすべきです。
もし、利権が全く無くても、
国民が受ける利益より損害の方が上回るようでは問題があるはずです。
モフに関する話であれば、
個々の予算項目が国民にどれだけの利益と損害をもたらしているか、
ということが書ければ大人の漫画になるのでしょうが、
利権だから悪そう・・・という単純明快な話では興ざめですね。
水戸黄門のような勧善懲悪ドラマは別にモフでなくても良いはずです。

bewaad (2005-09-25 02:50)

霞が関を題材にするとしても、純粋なコメディに徹するとか、ラブストーリーの舞台にするとか(人気は見込めなさそうですが(笑))、いろいろな料理の仕方はあるはずで、そうした取り上げ方であればいちいちツッコミを入れるにしてももう少し愛を込めて(笑)できると思います。

ところが現実はああいった取り上げ方で・・・。

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条文を良く調べもせずに補助金=利権の安っぽいパターンに落とし込みますかそうですか。 http://bewaad.com/20050917.html#p01 そして例によってbewaad様の突っ込みを引用。


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