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2005-12-07

[economy]社会正義と経済学に関する10(+2)の名言

稲葉先生のところで始まった例の議論につき、何度でも読み返してみたいと思う言葉の数々をまとめてみました。これらがリアルタイムかつ無料で味わえる時代に生まれた幸せを噛み締めつつ。

  • 「一挙的な改革は、それ自体がルサンチマンの所産である可能性が高いのみならず、強引に実施されればそれがまた新たなルサンチマンを引き起こすであろう」
  • 「この世は悪人とバカと小人で一杯です。/現実問題として、改心させ再教育することには限界があるのです。/つまり『我慢して共存する』ということに他なりません」
  • 「今仕事をしている途上国では、杓子定規な役所の掟や、会社に心身をささげる社畜が日本の1/10でもあればどんなに事態がよくなるか、何度も天をあおいでおります」
  • 「制度とは、結局のところ、その社会の構成員が自主的に(いやいやかもしれなくても)やることの総和です。法律なんて、そのごくごく一部でしかありません。ですから制度を変えるというのは、ぼくにとってはまず自分からその行動を起こすことです」「その議論を納得させようとしている当人が『オレの貢献なんて小さいから行動しない』と明言するのであれば、その人は納得させるべき数千万人の最初の一人である自分すら説得するのに失敗しているのです」
  • 「社会革命は、それが語の定義上「奇跡」であるのなら、不可能事にほかならず、その結果訪れるのはよくてカストロのキューバ的状況、そして蓋然的にはレーニン後のソヴェト=ロシアや人民中国を襲った運命であろう」
  • 「その書評のタイトルは"GROWTH MAY BE EVERYTHING, BUT IT'S NOT THE ONLY THING"というものです。/この書評タイトル全体のいわんとしていることが理解できる人と、どうしても前半または後半だけに目がいってしまう人とで齟齬が出てるように思えます」
  • 「不平等を完全に無くすことはおそらく永遠に不可能ですが、しかし不平等が行き過ぎても社会の不安定化を通じて経済の劣化が起きるとも思われるので、ほどほどの落としどころ(妥協点)みたいなのがあるというのが歴史の教訓ではないでしょうか」
  • 「左翼の構造改革(でも革命でもいいけど)が、マクロ経済政策でのつかの間の(あるいは偽りのでも結構)、困窮者・本来の意味での弱者への手助けなど以上の成果を挙げた例に心当たりがないんですね」「経済成長が何事もなしえないというそういう主張こそ、くたばれGNPに代表される朝日岩波文化人的サヨクの絶望的なところ」
  • 「有限な資源(物的・政治的・言論的)を配分するとき、優先順位をつけなきゃならない。けが人が大勢運ばれてきて医者も看護婦も薬も限られていれば、トリアージュがカードを貼って歩く。/手持ちの資源をデフレ不況克服に集中するのは当然で、それを問題の矮小化とかいわれる筋合いはないです」
  • 「リフレ派の主張は、左翼に「左翼の依拠するドグマを矮小化してしまうかもしれない」という危惧を抱かせている(同時に右翼には,リフレ派の主張によって、右翼の主張する「構造改革が停滞する」という危惧を抱かせるw)」

具体的な引用元は次のとおりです。文脈もありますので、できますればリンク元をご覧いただければと思います(時間があるときで結構ですので)。

#引用中の下線付きの強調(=上記「名言」の部分です)はwebmasterによります。

11/11付エントリ@インタラクティブ読書ノート別館の別館

「一挙的な改革は・・・」

# shinichiroinaba 『内藤さん、ひさびさにあまりといえばあまりにストレートな、左右を問わずラディカリストにはありがちの、既得権益へのルサンチマンに駆動されたかのごとき清算主義というかシバキ主義の発言に出会ってちょっと笑えます。一応拙著『教養』は差し上げたはずですので、それにプラス竹森俊吉『経済論戦は蘇る』あたりを読まれるとよいかと存じます。

(略)

また実質賃金の大幅切り下げという荒療治も、不況時には問題外であるのは当然、よほどの好況時であっても、短期的に行えばそのショック自体がマクロ的な不況へのひきがねになりかねません。内藤さんが考えるような大規模なリストラは、基本的には定年引退による自然減を利用してゆっくり行うしかないでしょう。

簡単にいえば、内藤さんが考えるような一挙的な改革は、それ自体がルサンチマンの所産である可能性が高いのみならず、強引に実施されればそれがまた新たなルサンチマンを引き起こすであろう、ということです。』

「この世は悪人と・・・」

# shinichiroinaba 『この世は悪人とバカと小人で一杯です。ラディカルな人たちは(右も左も)それが我慢できなくて、悪人をみんなぶち殺すかそれとも改心させ、バカと小人もやはりみんなぶち殺すかそれとも再教育して賢い大人にしたい、と考えているのではないでしょうか。

それはもちろんある程度は可能でしょうが、限界はあります。現実問題として、改心させ再教育することには限界があるのです。その限界にぶつかった時、悪人やバカや小人の存在を許せない人には、もはやそいつらを「ぶち殺す」選択肢しか残っていないように見える、ということです。

もちろん本当はそんなことはありません。たとえば小泉義之をパラフレーズするならば「自然死を待つ」という選択があります。しかし自然死までは時間がかかりますので、そのあいだを待つということはつまり「我慢して共存する」ということに他なりません。そしてその我慢を可能とするための条件作りが、宮台真司がいう「バカが伝染らない仕組みを作る」ことです。しかし宮台は「バカが伝染らない仕組み」の内実について詰めることを怠りました。

景気がよいこと、パイが全体として拡大していること、は「バカが伝染らない仕組み」のすべてではないにしても必須の一部をなすといえましょう。』

「今仕事をしている途上国では・・・」

# やまがた 『そして最後に。

さて、バカの典型ともいうべき、いわゆる「お役所の掟」とか「社畜」が猖獗をきわめたのは、景気がよく、パイが全体として拡大しているときでした。

ま、例によってこれらが何を意味しているのかあいまいではありますが、本気でこんなことを思っているとしたら、内藤さんは自分がどんなに恵まれた環境にいるかさっぱりわかっていないのです。その「役所の掟」のおかげで、ほとんどの場合に比較的少ない役人数でそこそこ優れたガバナンスを提供することが可能であり、内藤氏が見下す「社畜」たちは一方でプロジェクトXを実現した人たちでもあります。今仕事をしている途上国では、杓子定規な役所の掟や、会社に心身をささげる社畜が日本の1/10でもあればどんなに事態がよくなるか、何度も天をあおいでおります。繁栄がそうしたものを生み出したのではなく、役所の掟や社畜が多少なりとも繁栄に貢献した可能性を考えられない内藤氏は、ひたすら大企業と官僚にルサンチマンをむきだしにするだけの2ちゃんねらーと(ひいてはご自身が批判してみせる「バカ」たちと)どれだけの差がありましょうか。もちろん、それらの弊害というのもあります。でも、いいところもあるのかもしれないのですよ。』

「制度とは、結局のところ・・・」「その議論を納得させようとしている当人が・・・」

# やまがた 『(略)

さて最後に

制度をこうした方がよいということと、制度が変わらないことを前提に自分がどうするかということはまったく別です。(中略)さすがに山形さんがマジでこの論理を歌い上げる方には思えません(マジだとしたら笑うしかありませんね)。

のくだりについて。では大いに笑ってください。ぼくはマジでその論理を歌い上げます。というより、この記述、特に「制度が変わらないことを前提に」という部分にこめられた内藤さんの制度というものに対する発想を、ぼくは否定します。

内藤さんの発想は結局はお上頼みです。内藤版の制度は、法律とかなんとかでお上が勝手に作って衆生に押しつけるものです。そしてお上が制度を変えてくださるまで、自分はなにやらあれこれ口だけ不満を述べ、身勝手な妄想をふりまいて、手をこまねいておればよいという低級な考え方です。

ぼくにとって制度とはそういうものではありません。制度とは、結局のところ、その社会の構成員が自主的に(いやいやかもしれなくても)やることの総和です。法律なんて、そのごくごく一部でしかありません。ですから制度を変えるというのは、ぼくにとってはまず自分からその行動を起こすことです。現在の著作権制度やソフトウェアのあり方について疑問だと思えば、ぼくはそれを少しでもよくすると思われる活動をしますし、またそれに関連した団体に寄付をして、現状を変える努力をします。途上国援助についても、足りないと思っているので、そこそこの寄与を自分の評価に基づき私的に行います。その上で、言論活動を通じて制度改変の必要性をも訴えます。それに賛同して自主的にやる人が増えれば、制度というのは変わるんです。既得権益がにらみ合いになったり、手詰まりに陥っているときにのみ、お上頼みの強制的なてこ入れはあり得る。またマクロ経済政策のような、個人では何ともならない部分もある。でも、個人でできる部分もあるのです。むしろそのほうが遙かに大きいのです。Put your money where your mouth is というのはぼくの大きな行動規範の一つです。なにやら法律によって社会の全員に何かをやらせるのがよいことなら、外部性とか合成の誤謬とかはありますが、それをぼく一人がやることだってよいことなのです。

したがいまして「制度が変わらないことを前提に自分がどうするか」という発想自体がぼくにとっては口先だけの人間の逃げ口上でしかありません。制度が変わることを前提として、変えるために自分がどうするか、というのがぼくの論理ではあります。教育機会が平等化されなら税金40%とられていいというなら、所得の40%(のいまの税金との差額)を自主的に教育機会の少ない人にあげてはいかがでしょうか。多くの人が内藤さんの活動および議論に感じ入ってそのひそみに倣えば、そのとき制度はすでに変わってるんです。制度というのは、ぼくたちの内部にあるんです。ぼくが変わることで、内藤さんが変わることで、制度も変わるんです。

(後略)』

# やまがた 『

自分の収入の40パーセントを寄付することなどは、まったく無に等しい影響力しか及ぼしません。

(中略)

すくなくとも山形さんがいっていることは規模の小さい社会でしか通用しないことです。

いいえ。マクロはミクロの積み重ねでしかありません。それは100人の村だろうと1億人の社会だろうとまったくかわらないのです。一人の活動の量は確かに小さい。でも、マクロな制度の変化は、その小さい活動の積み重ねでしかない。所得の4割を税金として召し上げようという制度を作るためには、一応民主主義の建前として、その社会の構成員みんな――あるいは過半数か多数――が、所得の4割を社会に拠出することがよいことだと納得しなくてはなりません。そしてそこで納得するのは、「マクロな社会」とかいう抽象的なものではなく、ごく小さな力しかない、ミクロな個人なんです。

その議論を納得させようとしている当人が「オレの貢献なんて小さいから行動しない」と明言するのであれば、その人は納得させるべき数千万人の最初の一人である自分すら説得するのに失敗しているのです

そして有効に機能する制度においては、人は自分の貢献が小さくても、それが社会にとって確実によい影響を与え、役に立っているのだと感じなくてはなりません。自分の貢献、自分の行動が小さくても、それが多少なりとも社会を支えているのだと実感し、制度だから何かをやるのではなく、自分が自発的にそうしたいから(少なくとも、そうしないと困るから)やる、という状態にならなくてはいけません。人が社会に所属し、社会の一員としての意識を持つというのはそういうことです。みんなが「おれの貢献なんか小さいんだからやっても無駄だ」と思うような制度は、制度としてそもそも成立しないし、それが拡大すればその社会の存立すら危うくなります。これはあんたら学者さんが言うアパシーってやつです。

(中略)でも、税金を増やす、というのが目的ではなく、その税金でしたいことがあるんでしょ? その方向でできる行動はいろいろあるでしょう(見当違いの行動でないことは確認のうえ)。もちろん、それをしない言い訳はいろいろあるでしょう。しないであれこれ制度論を他人事のように述べ立てることも、するなとはもうしません。ただ、なぜその言論が机上の空論にとどまり、説得力を持たないばかりか、卑しくさえあるのかについては少し考えてみるのも一興ではないかと思います。内藤さんは、決してわからないでしょうから、考えるだけ無駄です。でも、これを読んでいる他の人は、是非とも考えていただきたいと思います。』

11/22付エントリ@インタラクティブ読書ノート別館の別館

「社会革命は、それが語の定義上「奇跡」であるのなら・・・」

# shinichiroinaba 『(略)

ここでの小泉さんの議論をどう読むべきかにはいろいろと考えるべき問題があります。ここでいう「奇跡」を望むことはまったく正しい、そのような望みを抱くことは不遜でもなんでもない、というのであれば、それはまったく首肯できるのですが、まさにその「奇跡」を自らの手で実現しようとするのであれば、手放しでは肯定できません。なんとなればそれ(社会革命)は、それが語の定義上「奇跡」であるのなら、不可能事にほかならず、その結果訪れるのはよくてカストロのキューバ的状況、そして蓋然的にはレーニン後のソヴェト=ロシアや人民中国を襲った運命であろうからです。

他面小泉さんは、前に触れたとおり、『弔いの哲学』で神的暴力について、そして罪を犯したものに対する神の罰(天罰?神罰?)について語ります。しかしその神の罰とは、要するに罪を犯した者、悪いやつもいずれは死ぬ、ということです。そしてそのことに耐えられず、悪に対する報いを性急に求める態度を批判しています。ここでの小泉さんの議論と、レーニンを肯定する小泉さんの発言とは、なにほどかコンフリクトを起こしているように思われます。

 図式的に言えば宗教者、預言者レーニンは肯定できるが、革命家レーニンは? という感じでしょうか。

そのような「奇跡」の到来を本気で望むことなくしては、そもそも何のために「小手先の改良」をしているのかを人は忘れてしまい、結果「小手先の改良」さえ実現できないことになりかねないから、「奇跡」を本気で望み、信じることは必要である。かといってその「奇跡」を人の身で本気で起こそうとすることは、神ならぬ人には不可能なことであり、必ず惨事につながる……抹香くさいですが、こんなところですか。』

11/25付エントリ@インタラクティブ読書ノート別館の別館

「その書評のタイトルは・・・」

# 山形 『いま出ている Foreign Affairs に、スティグリッツがベンジャミン・フリードマン新刊の書評を書いています。そしてその書評のタイトルは ”GROWTH MAY BE EVERYTHING, BUT IT’S NOT THE ONLY THING” というものです。

これは、ここでずっと議論されていた話の根幹にある認識だと思う。結局のところ、だれもリフレが景気回復=経済成長につながることは疑問視していない。で、この書評タイトル全体のいわんとしていることが理解できる人と、どうしても前半または後半だけに目がいってしまう人とで齟齬が出てるように思えます。』

11/18付エントリ@svnseeds' ghoti!

「不平等を完全に無くすことはおそらく永遠に不可能ですが・・・」

すなふきん 『自由と平等は原理的には両立しないというのはその通りだと思います。分配の問題が(左右の間で)対立の種になることは避けがたいことだと思いますが、分配前のパイそのものが大きい場合と小さい場合では、対立の度合いも違ってくるわけで、結局これがカギになる条件ですね。豊かな社会でもそりゃ一部の勝ち組が莫大な富を独り占めというアメリカみたいな問題もありますが、それでも左翼ゲリラが跋扈する中南米の国なんかよりはマシだと考えるわけです。不平等を完全に無くすことはおそらく永遠に不可能ですが、しかし不平等が行き過ぎても社会の不安定化を通じて経済の劣化が起きるとも思われるので、ほどほどの落としどころ(妥協点)みたいなのがあるというのが歴史の教訓ではないでしょうか。その妥協点がどのあたりかというのも左右で意見の隔たりがありますし、これを国民の選挙などによる選択過程に晒した場合の結果が最適値になるとも限らないでしょう。ただ、経済成長そのものを否定するような輩は問題外だということは言えるでしょうねw。』

「左翼の構造改革(でも革命でもいいけど)が・・・」「経済成長が何事もなしえない・・・」

銅鑼衣紋 『>dojinさん

見解の一致に至って慶賀すべきです。ただし、ブルジョア経済学ぼけのリフ派から言えば、左翼の構造改革(でも革命でもいいけど)が、マクロ経済政策でのつかの間の(あるいは偽りのでも結構)、困窮者・本来の意味での弱者への手助けなど以上の成果を挙げた例に心当たりがないんですね。むしろ問題の抜本的解決という青い鳥の幻想を追わせることで、結局は何も解決も緩和もしない自分を欺瞞しているようにしか見えないわけです(笑)』

銅鑼衣紋 『

「労働能力の著しく低いもの」の福祉を押し上げたわけではありません

望ましいほど引き上げてはいないどころか全く不十分ではあろうと僕も思う。だが、「全く」というのは何事か理解しかねる。昔を持ち出さなくても、途上国に行けば生物学的生存権すら全く保証されていない。経済成長が何事もなしえないというそういう主張こそ、くたばれGNPに代表される朝日岩波文化人的サヨクの絶望的なところ。』

「有限な資源(物的・政治的・言論的)を配分するとき・・・」

銅鑼衣紋 『>dojinさん

(リフレの賞揚が、意図してか意図しないでか)、左派の「構造」に対する問題意識を矮小化してしまった気もします。少なくとも、観客がそう受け止めるのを助長したような気がします。

これ読むと、こちらも徒労感に苛まれる。有限な資源(物的・政治的・言論的)を配分するとき、優先順位をつけなきゃならない。けが人が大勢運ばれてきて医者も看護婦も薬も限られていれば、トリアージュがカードを貼って歩く。同じように、今、健常者でも公式統計で見ても経済的困難で自殺する人が1万人もいる。当然、それより立場の弱い人は猛烈な被害を受けている(でしょう)。手持ちの資源をデフレ不況克服に集中するのは当然で、それを問題の矮小化とかいわれる筋合いはないです。』

「リフレ派の主張は・・・」

taro3 『リフレ派の主張は,左翼のいう「一変数」にポジティブインパクトを与えうる。

リフレ派の主張は,左翼に「左翼の依拠するドグマを矮小化してしまうかもしれない」という危惧を抱かせている(同時に右翼には,リフレ派の主張によって,右翼の主張する「構造改革が停滞する」という危惧を抱かせるw)。』

[law][economy][government]強度不足マンションの公的支援に反対と言ってみる

昨日9時から開催された「構造計算書偽造問題に関する関係閣僚による会合」にて「構造計算書偽造問題への当面の対応」がとりまとめられたということですが、木走さんの引用(本件ではお世話になりっぱなしで恐縮です)では耐震強度が偽造された物件は周辺住民への危険もあり、「住民の安全を最優先にする」(北側国交相)立場から、解体は公共性が高いという判断に基づくものとのことですが・・・。

木走さんが既に、

  • 疑問1:売り主責任も明確化しないで公費を垂れ流していいのか?
  • 疑問2:3社に絞って済むのか?

との疑問を呈されていますので、若干の補足を。

他にも同種の問題はないのかという「疑問2」の延長となりますが、建築物の安全性を理由にするなら膨大に存すると考えられる既存不適格(旧基準適格・現行基準不適格)建築物をどう考えるのでしょうか。これらについて同様の公的支援を行わないとすれば矛盾というものです。

「疑問1」にあるように平等性確保というのは行政の要請としてあり、これまで行政が冷たいといわれつつ天災を含む被害者の直接補償に及び腰だったのは、さまざまな損害に差をつけた取扱いをするに抵抗があったからです。これまでのそうした被害者から何が違うのかと説明を求められ、または今後本件を持ち出されて同様の措置を求められた場合、何を言うことが可能だというのでしょう。

とはいっても、webmasterは国土交通省の担当は責められるべき立場にないのでは、と推測します。同業者びいきである可能性に留意してお読みいただきたいのですが、本件だからといって対応を異にする理由は行政にはないからです。といいますか、金庫番である財務省の担当者をはじめとして、ここ数日上記のような主張をした人間も少なくないと思います。

にもかかわらず実現したのはなぜか。一つには大臣のイニシアティヴ、二つには(以前に紹介しましたが)kanryoさんがおまとめの司法の判断ではないかとwebmasterは思います。官僚的杓子定規を否定するならこうした事態はあり得るわけで、納得できるようにのみ柔軟さが発揮されると期待すべきではないはずではないでしょうか。「柔軟さ」は無リスクではないのです。

#最後の点については、昨年のkanryoさんの2/82/9のエントリが大いに参考になると思います。

[law][economy]禁止しなくてよい独占?

ふぉーりん・あとにーの憂鬱より。

今日は他人の褌で相撲をとってばかりですが、面白くてためになるのですから仕方ありません。応用ミクロなお話にご関心の向きは是非。

本日のツッコミ(全17件) [ツッコミを入れる]
47th (2005-12-07 07:10)

ご紹介ありがとうございます。上っ面だけなんで、応用ミクロが本格的に好きな人には逆に物足りないかも知れませんが^^

Baatarism (2005-12-07 15:54)

朝日新聞が「リフレ策」を批判してますな。
http://www.asahi.com/business/column/TKY200512070230.html
しかしトヨタの奥田会長の発言もそうだけど、こういう「景気回復=バブル=格差拡大・倫理退廃」といった固定観念はどうにかならないんでしょうかね?景気回復でどれだけ多くの職が生まれるか、どれだけ一般の人々の収入が増えるかという側面は、完全に無視してるんだから。

名無之直人 (2005-12-07 16:49)

>朝日の記事

資産価値の上昇や名目成長は目指すな、増税もするな、でも「持たざる者の負担」は増やすな、ってかつて誰かさん達が目指して失敗した道なのに。(まぁ計画的な(名目)成長は目指していたかも知れませんが)

なるべく多くの人に富を分配するには、まず富そのものを増やさないといけない、という中国首脳部辺りが悟っている単純な現実を、朝日新聞辺りはもっと真摯に受け止めるべきでしょうね。

すなふきん (2005-12-07 18:51)

>bewaadさん

なんで私の拙い書き込みが・・・?。取り上げていただきありがとうございます。経済学的知見ではまだまだマスターの足元にも及びませんです、はい。いまだによく理解してない部分も多くて恥ずかしい限り。

>朝日の記事

うーん、朝日もすっとんでますなあw。リフレ派と朝日岩波的スタンスの違いが鮮明になるのはこのあたりですか。

yama (2005-12-07 20:48)

バブルかどうか判断するに際し、PE(price earnings ratio)を注視する必要があるでしょう。この値が過大になると、資産価格に対するファンダメンタルズの裏づけが乏しくなり、いづれ大幅な調整が生じるでしょう。

超低金利の継続は設備投資のファンディングコストを下げ、設備投資を活発化させる側面がある一方、過剰投資に対する抑制が利かなく恐れがあります。

M&Aに常にさらされることによる危機感、もの言う投資家等の存在によって財務規律が適切に働くなら危惧する必要なしですが、この点、未成熟と言わざるを得ない。

日本企業は、ROCE(Retrun on Capital Employed)でみた収益率は英米に比べてまだまだ低く、資本コストの計算に際しても株主資本コストをどの程度勘案しているのかという点の考察も不可欠でしょう。

英米の金融マーケットのメカニズムを「ねずみ講のよう」と比喩されている方が当プログにおられたと思いますが、いいえて妙ですね。特にプライベートエクイティーの動きなんかみてると怪しくて仕方ない。けれど英米人の発想は「清濁併せ呑む」で規制強化すれば金融イノベーションの活力も奪ってしまうというもんです。こうした付き合い方が日本でもできるかどうか。

できないのであれば再びバブルの発生とその崩壊と同様のプロセスを辿る可能性は否定できませんなー。

うし (2005-12-07 22:16)

>>Baatarismさん
>朝日新聞が「リフレ策」を批判してますな。

経済コラムのことですから、朝日新聞がコラム執筆を依頼した(千)というペンネームのエコノミストが「リフレ策」を批判したという話ですね。
朝日新聞が小泉構造改革支持なのは間違いないでしょうが。

cloudy (2005-12-07 23:53)

>経済気象台
毎度のことです。あのコラムで経済学的にトンデモでない記事を探す方が大変。俳号みたいな署名が付いてるので一応新聞社としては社の意見とは限らぬといいわけもできるでしょう。むしろ論説委員のK林の解説の方がヤバイ。最近ちょっとトーンダウンしましたけど。
あと、どうしようもないのが社説で清算主義的説教を垂れ流す毎日。これはもう遺伝子ですな。中村宗悦さんの「経済失政はなぜ繰り返すのか」を読むとよくわかる(この本はオススメですよ)。

bewaad (2005-12-08 06:19)

>47thさん
面白くかつためになったので、紹介せずにはいられませんでした。しかし、ミクロ経済学を語れる弁護士ってあこがれちゃいます(笑)。これからも楽しみにさせていただきます。

bewaad (2005-12-08 06:24)

>Baatarismさん、名無之直人さん、うしさん、cloudyさん
本日(12/8)のエントリで取り上げてみました。

ところで、
>K林論説委員
ディスオーガニゼーションのお方でしょうか?

bewaad (2005-12-08 06:27)

>すなふきんさん
いやもうそのバランス感覚は大切にしたいなと。アリストテレスの昔から言われていることではありますが、なかなか成し難いようで・・・。

bewaad (2005-12-08 06:31)

>yamaさん
>けれど英米人の発想は「清濁併せ呑む」で規制強化すれば金融イノベーションの活力も奪ってしまうというもんです。こうした付き合い方が日本でもできるかどうか。

基本はこういう付き合い方だと思います。英米がその路線でうまくいっているのは、ミクロ的なさまざまな努力(よかれあしかれ、例えばSOX法など)に加えて、マクロ政策でそのファンダメンタルズへの悪影響を中和していることが大きいと思うのですが、日本では特に後者がないがしろにされがちだなぁというのが個人的問題意識です。

cloudy (2005-12-10 05:24)

>master
その通りです。
バーナンキ祭のときの彼の反応を以下の記事にコピペしましたが、だいぶ大人しくなってますね。
http://cloudy9.blog29.fc2.com/blog-entry-5.html

bewaad (2005-12-10 06:01)

>cloudyさん
不良債権処理促進が結果に結びついていないですから(笑)。

ところでK林といえば、「・・・だったんだよ!」の方がネット的にはメジャーですね。ちょっぴりRBCをあの口調で、と想像してしまいました(笑)。

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あのようなマンションを購入した人は本当にお気の毒だと思うし、大変なのだろうなあとは思う。 でもだからといって公的支援することが妥当なのだろうか。 この問題は、国の許可だかなんだかを受けた検査機関がかんでいたり、これから大手デベロッパーも出てきたりもし....


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