archives of BI@K

CSS: default alternative
(要cookie)

toppage memoranda

(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|

2006-05-13

[BOJ][book]中原伸之「日銀は誰のものか」

当サイトの読者には改めて紹介する必要もないでしょうけれど、著者はバーナンキ現FRB議長が日銀の政策委員会を評して「1人を除いてジャンクだ」と言った(高橋洋一さんの証言)その例外である1人で、日銀のデフレ対策をリードした方です。議事録が公開されていないから、と細部を明らかにしない部分はありますが、それを差し引いても十分に読み応えがあります。議事録公開が待ち遠しくなる一冊。

そんな著者ですから、日銀の金融政策に対する指摘は読んでいて何度も頷かされます。さらには日銀の組織やメンタリティ、他の審議委員に対しても舌鋒鋭く切り込んでいて、タイトルとなっている「日銀は誰のものか」という問いかけには、日銀職員のみならず多くの国民が考えて欲しいと思わせます。

#ただし、ミクロ介入に積極的であるところは、webmasterはいかがなものかと思わざるを得ません。

しかしながら、webmasterもサラリーマンですから(笑)、著者が日銀職員に多大なる拒否感を抱かせたであろうことも、本書を読んで大いに納得がいきました。既述のにべもない日銀批判もさることながら、あまりにスタンドプレイ(と組織人からは見える行動)が多すぎるのです。著者に言わせれば組織としての日銀が頼りにならないからやむなく、ということでしょうし、そうした著者の行動により結果的に金融緩和が進んだわけですから、客観的には批判されるべきものではありません。でも下から見ればやってられないだろうなぁと。

とりわけ、多くの政治家と接触して個人としてとはいいつつ政策提言をするのは、下にとってはさぞかし苦々しかったことでしょう。それが一定の影響力を持つのも審議委員という肩書きあってのこと、本当に個人でやるというなら辞職して肩書き抜きでやるべきだとwebmasterが当時の日銀職員であったなら思ってしまうと確信を持っていえます。報道によると、速水前総裁の後任人事が騒がれた際に日銀は著者でなく福井現総裁にすべきと猛烈に根回ししたとのことですが、それもむべなるかな。

そうした人脈の広さ‐政治家に限らず、内外の学者からはては木村剛現日本振興銀行会長や佐藤ゆかり現衆議院議員まで‐を含め、二代目社長という経歴の影響が大きいのでしょうけれど、組織人が理解できる枠に収まるには奔放に過ぎたのでしょう。明確な根拠はないのですが、どことなく麻生外務大臣に似た雰囲気を感じさせます。

#人脈といえば岩田(規)先生とも懇意なようで、篠塚審議委員の後任として岩田先生に意向を聞いたとのことですが、ここで岩田先生が須田審議委員でなく選ばれていれば、というのは非常に惜しい話だったと思います。無責任な第三者の意見ですが。

いずれにしても、あくまで一当事者による証言ですから、本書を頭から信じ込むのは検察の立論のみを頼りに判決を下すようなもの。当時の他の政策委員会メンバーによる類書が待たれます。本書は「縛られた金融政策」を著した藤井良広日本経済新聞編集委員が取材・構成したもので、つまりは各人自身が筆を執る必要がないものですから、同種の試みにも期待できるでしょう・・・なんてことを考える前に、まずは積読になっている植田和男「ゼロ金利との闘い」を読まないと。

[law][economy]人権擁護法反対論批判と「経済学がこの世から消えたら…」

なぜ bewaad さんらがこれを批判しないのか、どうもよくわからない。まあ、批判はしないまでも、こうしたいい加減な経済学擁護が有効であり、正しい目的のためなら許容できるとするならば、人権擁護法反対論批判における bewaad さんのスタンスも微妙になりますよね。

bewaad さんは(当時検討中であった)人権擁護法案に(少なくとも積極的には)賛成しないが、反対論の大半は事実誤認と非現実的な仮定に基づいており、看過し難いとの立場を堅持されました。私はこれを「手段を選ばないことへの批判」として(も)受け取りました。けれども、経済学擁護のためなら他人が主張してもいないことを主張していると誤解させるような表現さえも使ってよいとするならば、明らかな矛盾が生じます。私は一概に矛盾を否定しませんが、合理的な説明があるなら知りたい。

「経済学がこの世から消えたら…」はネタに過ぎない、ということもできるけれど、人権擁護法案反対マンガや反対 flash だってネタみたいなものだったと思う。後者は本気にしてた人がいる? それは前者だって、(少なくとも部分的には)そうなのではありませんか。

「敵の土俵に乗る:内輪向けジョークで辻説法」(@趣味のWebデザイン5/12付)

webmasterの考えが徳保さんに合理的とお認めいただけるかどうかは定かではありませんが、人権擁護法反対論批判との関係を主観的にどう捉えているかを説明したいと思います。

人権擁護法反対論において提示されたストーリーが、ディストピアフィクションとして描かれたのであれば、内容の出来不出来によって評価が変わったり、内容がヘイトスピーチに該当するようなものであれば眉をひそめたりといったことはあったかもしれませんが、あのような形で取り上げることはなかったのではないかと思います。違う言い方をするなら、議論の流れとして若干その余に触れたことはありますが、基本的には人権擁護法(案)の解釈論について批判をしていました。いわば、フィクションではなくノンフィクションであるとして主張された部分を対象としていました。

将来の日本において、本来は人権思想≒立憲主義は民主政における多数派支配と緊張関係にあって機能が望まれるところ、むしろそれと結託して現状のいわゆる言葉狩りの延長線上にある問題が多々生じる世界を描くフィクション、その存在意義はあると思います。そうしたフィクションに対してノンフィクションでないという類の批判は筋違いであるはず。

例えばディストピアフィクションの代表作であるオーウェル「1984年」に対して、実際の1984年にはそのようなことは起こらなかった、あれは荒唐無稽なデタラメであるという批判が当たらないように、かかるフィクションにおいて「事実誤認と非現実的な仮定」のみを材料として論難すべきではないでしょう。

仮にそのような論難がなされたとすれば、美術に詳しくないのにわかった風な例えをするなら、それはキュービズム絵画を写実的な意味で現実とは似ても似つかない落書きだと批判するようなものです。他方でwebmasterの人権擁護法反対論批判は、作者が写実的絵画であると主張するものに対して、それは現実とは似ても似つかない落書きだと批判したものであると主観的には認識しているのです。

徳保さんが「経済学擁護のためなら他人が主張してもいないことを主張していると誤解させるような表現」とおっしゃるのは、「焚書坑経」に代表される経済学への迫害のことだと察しますが、「経済学がこの世から消えたら…」での主題はあくまで経済学なき世界での政策運営がどうなるかであって、経済学への迫害の危険ではないとwebmasterは考えます。その意味で、ある日突然ヒトの頭の中から経済学に関する記憶がなくなってしまった、という設定でも差し支えなく、こちらが徳保さんのご懸念に照らしてより無難であるのは事実でしょう。

ではなぜそうでないのか、オリジナルの作者ではないのであくまで推測ですが、フィクションとしての設定の自然さが違うからでしょう。ある日突然というなら、それがいかなる原因(宇宙人の人類の記憶操作? 突然変異のウィルス性疾患?)で、なぜ他の分野の記憶は影響を受けず経済学に関するそれだけが影響を受けるかの理由(脳に経済学に関する部位があって、そこが壊れると経済学的思考ができなくなる?)も考え、といったハードルがあります。

他方で特定の思想・学問が迫害され、政策運営から排除されるというのは、クメール・ルージュが代表例でしょうけれども、人類の歴史上ままあったことです。つまりはよりもっともらしい設定が可能であるわけで、まあ銀河を旅するSFにおいて神の恩寵のおかげでそれが可能だとするよりはワープ等の理屈を作家が編み出すのと同様であるとwebmasterは考えています。

#日本ではなく架空の国での話とする等の配慮はあってもよかったのかもしれません。

もちろん、「経済学がこの世から消えたら…」を根拠に、経済学は迫害の危機に瀕しておりこのままでは逮捕されてしまう、という主張がなされているのであれば、それは電波な主張であると思いもするでしょうし、程度によっては批判もするでしょう。しかしそのように誤読する人がどれだけいるのでしょうか? 甘い認識で刃物をもてあそんでいるとの批判を否定するものではありませんけれども。

[BOJ]マネタリーベース減少速報(5/10現在)

日々発表される当預残高では12日に16兆円を割りました(速報値)。

2005年2006年
発行銀行券当座預金合計 (a)発行銀行券当座預金合計 (b)(b-a)/a
3月上旬末72.832.4105.274.230.8105.0▲0.2%
3月中旬末73.133.8106.974.131.1105.2▲1.6%
3月下旬末74.735.8110.475.031.2106.2▲3.8%
3月平残73.332.6105.974.430.4104.8▲1.0%
4月上旬末73.933.7107.674.125.799.8▲7.2%
4月中旬末73.133.6106.773.723.597.1▲9.0%
4月下旬末76.031.8107.876.118.995.0▲11.9%
4月平残74.133.0107.174.424.899.1▲7.5%
5月上旬末74.531.9106.474.617.091.6▲13.9%

(注)

  1. ソースは次のとおりです。
    1. 上旬・中旬末:営業毎旬報告
    2. 下旬末・第一次速報
      1. 発行銀行券:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績速報)
      2. 当座預金:日銀当座預金増減要因と金融調節(毎営業日更新(速報))
    3. 下旬末・第二次速報:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績)
    4. 平残・速報
      1. 発行銀行券:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績速報)
      2. 当座預金:上旬末残、中旬末残、下旬末残の単純平均
    5. 平残・確報:マネタリーベース
  2. 「平残」の行を除き、一般のマネタリーベース統計(平残・季節調整済)とは異なり末残・原計数です。
  3. マネタリーベースには貨幣が含まれるので、それを含まない表中の減少率は実際のマネタリーベース減少率よりも大きめに出ます(5月上旬末で0.5ポイント程度)。
  4. 単位を表記していない計数の単位は兆円です。
本日のツッコミ(全31件) [ツッコミを入れる]
半端フリーク (2006-05-13 09:50)

中原委員のブレーンは計量のfumio.H先生だと
聞いた事があります。
間違いでしょうか。

半端フリーク (2006-05-13 10:22)

bewaadさんの知的生活にすごく興味があります。
私は研究者の人より官僚の方のほうが情報の
取り方はうまいと考えているのですが、

1.bewaadさんが経済に関してお読みになっている
雑誌は何かありますでしょうか。

2.The Economistについて、bewaadさんがいつも
なさっている新聞の論評のように評価を下すと
すると、専門家であるbewaadさんから見て、
The Economistのクオリティはどの程度のもの
でしょうか。

徳保隆夫 (2006-05-13 18:10)

私は焚書坑経自体の非現実性を問題視していません。「仮定の話」はしていいと思う。ただ、件の記事はディストピア実現のため経済学と同時に多くのものを世界から消しているのに、経済学を消したことしか明記されていない点で、アンフェアな経済学擁護なんです。BI@K の読者ならこのことに気づくので、あくまでも面白いお話として楽しめるに違いない、といった観点から注記を省略しているのであれば、それはそれで理解できる、とは思っています。

なお他人がいってもいないことを云々とは、小泉・榊原・野口の3氏が金本位制にコミットするという物語展開を指しています。榊原さんは本名で登場しているのだから可哀想ですね。

韓流好きなリフレ派 (2006-05-14 01:19)

あ、こっちにTB送ればよかった。

<麻生外務大臣に似た雰囲気>
だって同じ高校だもん。それに後援会の有力者ですよ。

<#ただし、ミクロ介入に積極的であるところは、webmasterはいかがなものかと思わざるを得ません>

というよりもこてこてのシバキあげに通じるところがあって、それでもリフレ議論の事実上の先導役だったわけですよね。それが面白いと思いました。

fhvbwx (2006-05-14 01:23)

>篠塚審議委員の後任として岩田先生に意向を聞いた
タカ派女性枠(http://bewaad.com/20060128.html)が存在してなくて良かったですね。篠塚先生、須田先生、川本先生、岩田先生の共通属性は謎ですが。

それから、仮想経済小説のネタとしては篠塚審議委員の後任が岩田先生というのも面白そうですね。

小僧 (2006-05-14 02:18)

ネタに対して野暮天な気がしますが、書くことにします。

今回のネタと違い、人権擁護法反対の場合は「ネタが教える人権法理w」があとがきとして成立するかと言われると良く分からないのです。人権法理については全くわからないので間違っているのならばご教示頂きたいのですが、解題を書いた時点で人権法理側からネタへの crucial なツッコミが多く発生しませんか? ですから「ネタが教える人権法理w」を書かれる意義はあるにせよ、それは今回のネタの場合とは違うと思います。簡単に言えばこのネタが内輪以外にも役に立つことがあるとしたのならば、それは経済学が一定の普遍性(そこそこ役に立つ)を持っているからだと私は思います。

どこかアンフェアがわからない「他者」(svnseed さんの所 http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20060513#p1 を読むまでは私も良く分かりませんでした)に対してアンフェアだと考えていらっしゃるのならば、解題として「ネタが教える経済学w」を書いて頂ければそこそこ解決するとは思いますし、そちらのほうが双方にとって得じゃないかと。

小僧 (2006-05-14 02:22)

追加: 上の書込は書いている当人も誰に対して書いているのか良く分からなくなっていますので、その点は御容赦下さい。

韓流好きなリフレ派 (2006-05-14 02:23)

まあ、待ちたまえ諸君。徳保氏の煽り?の成果で原著作者が続編を書く決意をみせたみたいだよ。hicksianさんブログ参照。その意味で貢献はでかいね 笑。

cloudy (2006-05-14 05:51)

中原氏は日本空手協会の会長もやってるぐらいだから、当然シバキ主義なのですw
Every Breath You Makeの日本版を作ったら、中原氏の突き一発で福井総裁は御陀仏ですねw

冗談はともかくとして、3年前のインタビュー記事でも「過剰設備と過剰融資の解消は必要」って言ってますね。
http://cloudy9.fc2web.com/dousuru2.html

Baatarism (2006-05-14 17:34)

>韓リフさん
><麻生外務大臣に似た雰囲気>
>だって同じ高校だもん。それに後援会の有力者ですよ。
へーっ、そうだったんですか。
じゃあ、今頃中原伸之氏は麻生氏の総裁選出馬の経済政策を考えるのに忙しいのかもしれませんね。中原氏が麻生氏の後にいるのならあまり変な経済政策にはならないでしょうから、麻生ツンデレとしてはちょっと安心しました。w

kou (2006-05-14 21:31)

http://d.hatena.ne.jp/mozuyama/20060414/P20060414MEIJIN
諮問委員会委員長の中原伸之氏
「連盟の赤字体質はこのままではどうにもならない。そこで
負担能力が高く、名人戦とも因縁がある朝日に移してはどうか
ということになった。朝日には箱島(信一前社長)さんと親
しい私がお話ししました」
中原伸之氏は将棋連盟の先行きを考えるのに忙しいみたいです。

bewaad (2006-05-15 01:23)

>半端フリークさん
林文夫先生とのつながりは本書で触れられてます。林先生が中原さんが審議委員だった頃の各種提案についてどのように評していたか、一度聞いてみたいところです(笑)。

いただいたご質問ですが、職業柄雑誌は一般誌が多く、専門誌は読んでいません。The Economistも、いちご等で話題になったものに目を通すぐらいですので、一般的レヴェルはよくわかりません。

なお、経済学については完全な素人でして、専門家というにはまったく当たりません。書いていることもどこかの受け売りばかりで、ほとんどオリジナリティはありません。

bewaad (2006-05-15 01:39)

>徳保隆夫さん
了解いたしました。直接のお答えにはならないかもしれませんが、私と徳保さんの最大の違いは、この物語がどのような意図を持って作成されたかの認識にあるように思います。

徳保さんは明言されているように経済学擁護とお感じになったようですが、もちろんそうした要素がないとは言いませんが、メインはシミュレーション的な面白さではないかと。「日本沈没」や「首都消失」が日本や東京の擁護ではないように。

そのシミュレーションにおいて明らかになっていない前提について、経済学擁護が目的とすれば明らかにしない点は確かにアンフェアですが、シミュレーションとしては「焚書坑経」という前提を導入した以上、それが思想の自由が担保されている社会では実現するものではなく、ある程度の全体主義的体制になっているのは二次的設定として自然だと思うのです。

bewaad (2006-05-15 01:44)

>韓流好きなリフレ派さん
出身校や後援会の話は知りませんでした。迂闊といえば迂闊な話ですが。

しかしそうした直接のつながりというより、いいとこ育ちの傍若無人さっぷりが共通しているのかな、と。さらに端的な人を挙げるなら、白洲次郎とか。

シバキ上げとリフレの共存については、マネーサプライの銀行径路を重視してのことなのでは、と思います。伊藤(隆)先生や星先生路線ですね。

bewaad (2006-05-15 01:48)

>fhvbwxさん
意向を聞いたのは中原さんが勝手にやったことで、日銀事務局からすればトンでもないと思うことでしょうし、政府側でも念頭になかったのではないかと思います。ということで、タカ派女性枠の懸念は払拭できず(笑)。

仮想のネタとしての岩田審議委員は、中原さん同様少数派ではいかんともしがたく、ということであまり代わり映えしないような。私が小泉政権の景気重視というのに信頼が置けない理由の一つとして、審議委員人事があります。現任者を換えられないとしても、任期満了に伴う新任の送り込みは自由にできるはずで、にしては実績を見ると・・・。

bewaad (2006-05-15 01:51)

>小僧さん
私が答えるべき話ではないかもしれませんが、人権擁護法については、反対側が「ネタが教える人権法理w」として、人権は絶対ではないとか(それ自体としては別に間違いではないと思いますが)そういった解説を加えるわけで(例えば百瀬先生などが)、それがまっとうな法学から見ておかしかったとしても、ネタと解題との関係としては成り立つのだと思います。

bewaad (2006-05-15 01:56)

>cloudyさん
本書を読む限り、デフレが原因で不良債権が積み上がったという見解には立っていらっしゃらないようです。

bewaad (2006-05-15 01:59)

>Baatarismさん
安心はできないかも。本書で出てきた具体例で言えば、株式買取をどんどんすべしとか、そういうことをおっしゃってますよ。なんというか、毒にも薬にもなる人ですね、中原さんは。

bewaad (2006-05-15 02:01)

>kouさん
能力がある人ですから、それだけに忙殺されるようなことはないと思います。審議委員時代ですらあれこれ動くことができたのですが、その頃より多忙ということはないでしょうから、将棋の話は片手間で十分ではないかと。

銅鑼衣紋 (2006-05-15 02:10)

難しいのは、金融緩和の目的がストレートにリスク資産の価格引き
上げであれば、株やらABSやら土地やらの買い上げは、確かに効
果を持ちうることでしょうな。あるいはジャンクボンドの買いオペ
でも。僕はまず国債、続いて外国債そしてETFという順番だと思
うけど、そんなのまどろっこしい、ストレートに効果を出せという
人もいる。かのザモ先生の場合も、一括債権放棄だがら同じです。

困ったことに(笑)、ケインズは確かにこういうことも言ってるの
は事実。しかし、後々の副作用、モラルハザード考えると、97年
とか98年以外は、さすがにヤバイ政策だと思うけどねぇ。
まあ、信用保証協会の無担保融資は、これに近い政策でしたけど。

bewaad (2006-05-15 03:39)

>銅鑼さま
マネタイズの効果という観点なら、貨幣からよりかけ離れた資産である方が強力であるのは間違いないわけですから、そうした点に着目して株を買えというなら、賛成反対は別にしても理解はできます。

ただ、中原さんの場合は、銀行がそうしたリスク資産を抱えているのが問題だという立場ですから、マネタリーというよりプルーデンス指向で、その意味で日銀事務局と当該政策においてはあまり差がないということになるわけで、そこが私とは違うなぁと。

先に書いたとおり伊藤(隆)先生や星先生もそうした提言をされていて、多分マネーサプライが増えないことが問題だという点は私と同じだとしても、銀行の信用創造機能低下による貨幣乗数低下というパスを重視しているのかなぁと。資金需要の低下が原因でしょ、と思う私からは、そんなことをしてもマネタイズ効果はさておき貨幣乗数は回復しないだろうし、他方でその副作用はいかがなものかと思えるわけですが。

ザモデル氏にしても、あれは銀行径路重視なわけで、マネタリーベースをとりあえず増やせ、という観点はほぼないわけですよね? その点、小林慶一郎さんの「新しい金融論」理解と共通で、ならば中原さん(や伊藤先生・星先生)の量的緩和やインフレターゲット指向というのがどこからきているのか、実を言うとよく理解できないんです。

銅鑼衣紋 (2006-05-15 10:41)

>マスター

そうなんだけど、彼らの意図は別にして、それでも問題は残りう
る。市中の現預金比率の上昇が貨幣乗数の低下の主因なわけです
が、これが銀行の経営不安と、それによるクレジットクランチ不安
(実現してなくとも、必要な時に金をかりられないという不安が
存在するだけでも同じ)によって、手元に流動性の高い資産(その
極端な物が現金)を(通常の状況下と比較すれば)過度に置いてお
く行動の結果であるとすると、「プルーデンスの為の株式買い入れ
により、貨幣乗数とベースマネーが両方とも増加しマネーが増える」
というルートが存在する可能性は否定できないわけ。

ただ、大恐慌時のアメリカのデータによると、銀行経営の安定化に
よって銀行の過剰準備が減少しても、市中の現預金比率は低下して
はいないので、実際にこのルートに依存した政策の効果と、それが
引き起こすモラルハザード効果のマイナスの合計でネットでプラス
かどうかは分からない(というか、その例では明らかにマイナス)
わけです。金本位制離脱、36年までの大規模金融緩和の組み合わ
せで一旦は大恐慌から離脱したように見えたが、余剰準備の吸収に
出た途端にデフレ再燃ということになったわけで、やはり重要なの
は、十分なインフレ期待の糊代(藁)ということですけどね。

Baatarism (2006-05-15 13:56)

>bewaadさん
本当に麻生さんそっくりですね。外交での麻生外相の暴れっぷりを、金融政策でやっていたような感じですね。w
万が一、麻生首相、中原経済財政担当相なんてことになったら、経済諮問会議がどれだけとんでもないことになるやら。(爆)

銅鑼衣紋 (2006-05-15 17:17)

ごめん。ある推計によると銀行危機からバンクホリデーまでの相対的
に短い期間公衆の現預金比率が急上昇したが、低下したあとに高水準
だった超過準備を吸収して37年恐慌だった。

まあ結論は同じで、理論的には公衆の現預金比率引き下げに資本注
入とか株式買い入れは有効たりうるが、そんな効果も豚積み強制解
消の前には吹っ飛んだということです。

BUNTEN (2006-05-15 22:04)

>麻生首相

他の選択肢がタコですからアレですが、麻生氏単独では
http://www.aso-taro.jp/lecture/kama/2006_5.html
こうです。orz

いや、元経営者の弁としてはよくわかる("理解できる")んだけどね、これ。

Baatarism (2006-05-16 09:41)

>BUNTENさん
これはマクロ経済の話じゃないですね。まあ間違ってるわけじゃないでしょう。日本でも船井電機などはこの戦略だし。麻生氏は知らなかったのかな?コメントかトラックバックができれば突っ込むところなんですが。(笑)
麻生氏にマクロ経済のブレーンがいないことは以前から気になっていたのですが、中原氏が後ろにいるのなら財政再建原理主義者や金利政策原理主義者がブレーンになる可能性はないので、その点では安心かなと。ミクロ介入の可能性はありそうですが、それでも谷垣氏や与謝野氏よりはよほどマシでしょう。w

bewaad (2006-05-17 06:13)

>銅鑼さま
なるほど、貨幣愛が何に由来するか、というところでケインズにつながるわけですか。となるとその手の論者の今回の景気回復理解は、ご指摘の意味での信用不安解消→フリーキャッシュフロー取り崩しによる設備投資増加が主因ということになりますね。

bewaad (2006-05-17 06:15)

>Baatarismさん
多分、諮問会議は軽視されるんじゃないでしょうか(笑)。

bewaad (2006-05-17 06:20)

>BUNTENさん、Baatarismさん
前にも書いたと思うのですが、麻生さんの「机上論」嫌いは徹底してますから、どうしても企業家的発想が強くなるでしょう。その意味では中原さんとは気が合ってそうですが(笑)。

ただ、「三度来る」でも金輸出再禁止をもたらした政変は財界がさすがにやばいと思ったから、という仮説が紹介されていたように、官たたきで遊んでいるうちはともかく(笑)、本当にマクロがおかしくなってくれば方向転換はするだろうということはいえると思います。

toto (2006-05-17 21:38)

立てました。ちょっと覗いて見てね♪

田中秀臣先生の学問的誠実を考える会
http://academy4.2ch.net/test/read.cgi/sociology/1147863235/

bewaad (2006-05-18 06:06)

>totoさん
エントリないしコメント欄での議論に関係のないコメントはご遠慮ください。


トップ «前の日記(2006-05-12) 最新 次の日記(2006-05-14)» 編集