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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2006-06-01

[economy][government][media]新聞特殊指定維持

新聞について特殊指定が維持されることとなったからには、公取は押し紙摘発に動いて欲しいもので。業界総出で、さらにはOB議員を動員してまで特殊指定を守りたかった新聞側としては、当然ながら押し紙を憎むことにおいても多大なる情熱をお持ちでしょうから、仮に摘発されるようなことがあれば、見逃してしまっていた悪をよくぞ懲らしめてくれたと感涙に咽ぶことでしょうし、不祥事を起こした役所・企業に対して日ごろ主張しているように自ら襟を正すために厳重なる再発防止策を講じること間違いなしでしょう(笑)。

本社じゃなくて支社や現場がやったなんていうトカゲの尻尾きりも、もちろんやるはずもないですよね、高邁なる理念に奉仕する新聞業界の皆様方(笑)!

公正取引委員会は31日、自民党の中川政調会長ら与党幹部に対し、独占禁止法に基づいて新聞の同一紙・全国同一価格での販売などを定めた「特殊指定」について、「今回の見直しでは結論を出すことを見合わせる」との見解を文書で伝えた。

6月2日の自民党独禁法調査会で正式に表明する。

これにより、新聞の特殊指定は今後も存続することになった。

(略)

新聞の特殊指定をめぐっては、昨年11月、公取委が廃止の方向で見直しを検討する考えを表明。日本新聞協会は「戸別配達網を崩壊に向かわせ、多様な新聞を選択できるという読者・国民の機会均等を失わせる」と強く反対。自民、公明、民主、共産、社民各党もそろって特殊指定堅持を訴えていた。

公取委は「特殊指定の見直しについて」と題する今回の見解の中で、結論を見送る理由について、「議論がかみ合っておらず、これ以上の議論を続けても特段の進展は望めない状況にある」と説明している。

中川氏は党本部で記者団に対し、「(公取委は)多くの人の反対の声に応えて、見送りの判断をされたと思う」と公取委の見解を評価した。自民党の保岡興治・独禁法調査会長は31日夕、記者会見などで「全政党の反対がある以上、公取委としても新聞の特殊指定の存続を認めざるを得ないということだ」「この状況では、10年たっても特殊指定は廃止できない」と語った。

読売「新聞の「特殊指定」存続へ、公取委が与党幹部に見解」

問4 新聞の特殊指定は何を定めているのですか?

答4 新聞特殊指定では,新聞の値引きの禁止などを定めています。具体的には,次の3点を定めています。

  1. 新聞発行本社が地域又は相手方により多様な定価・価格設定を行うことを禁止(ただし,学校教育教材用や大量一括購読者向けなどの合理的な理由がある場合は例外。)。
  2. 販売店が地域又は相手方により値引き行為を行うことを禁止(1のような例外はない。)
  3. 新聞発行本社による販売店への押し紙行為(注)を禁止。

(注)押し紙:注文部数を超えて供給し,又は自己が指示する部数を注文させること

特殊指定の見直しに関するQ&A(@公正取引委員会

なお、次のような指摘は新聞業界が護持する崇高な使命を誤解している輩どもの妄言ですので、ゆめゆめ耳を貸すようなことがあってはなりません(笑)。

おお、珍しく、「業界団体の圧力に屈した形だ」「議論を呼びそうだ」という脊髄反射的な記事を書きませんね。なんででしょうねえ(笑)

この結論の当否は別として、ですよ。念のため。結論の当否はともかく業界団体の意見に(結果的に)一致した結論が出ただけで「圧力に屈した」と騒ぎ立てる勢力がどこかにあったような気もしますが、気のせいですよね。

新聞特殊指定廃止を見合わせ 公正取引委員会(@ダメオタ官僚日記5/31付)

…逆に、無理矢理「抵抗」という言葉を使ってみるのもいいかもしれない(笑)

ほら、抵抗勢力によって「護送船団方式の廃止」「自由化」が妨げられましたよ、と。

抵抗推奨(@霞が関を大いに盛り上げるための官僚の団5/31付)

#お二方とも引用のソースを朝日に求めているのは偶然の一致ですよね(笑)。

[economy]デフレを実感しない経済財政政策担当大臣

47thさんのエントリ経由で(47thさんの論旨とはずれた形での引用となりますが)。

与謝野馨経済財政・金融担当相は、30日午後の参院財政金融委員会で、景気の現状について、好調な企業業績などに触れ「デフレ、デフレと大騒ぎする状況ではない」との認識を示した。

現状については、「役所の定義ではまだデフレだが、私の生活実感とは違う」とするとともに、生鮮品や原油価格の上昇に触れ、「物価が下落していると感じている生活者はほとんどいない」と述べ、実質的にはデフレを脱しているとの認識をにじませた。

日経「経財・金融相「デフレ、デフレと大騒ぎする状況でない」」

与謝野大臣は東京一区(千代田区、港区、新宿区)選出ですから、その生活実感がよいのはわかりますが、ご担当は東京一区の経済財政政策ではなく日本全体の経済財政政策なのですから、無邪気に生活実感に頼っていただくのはいかがなものでしょう。webmasterは与謝野大臣とは違い生活者を代表した見解など述べられようもありませんが、家計調査報告によれば収入も消費も減少していて、しかもそれがいざなぎ越えとかいう声も聞かれる中でのこととなると、「物価が下落していると感じている生活者はほとんどいない」なんて状況にあるんでしょうかねぇ、今の日本は?

蛇足ながら、政府のマクロ経済政策をつかさどる大臣が「役所の定義」(ってことは統計を差すと考えてよいでしょう)よりも「私の生活実感」とやらを重視するとは、経済学が消えるということの冗談性が一段と薄れてきたような。同じものとつかさどる某総裁も輸入された経済学は信じられないなんてことを言ってましたが、純国産の経済学なんてブードゥそのものでしょうし・・・。

[book]「行政学叢書(全12巻)」ってどんなものでしょう?

書店にて今村都南雄「官庁セクショナリズム」(第1巻)をぱらぱらとめくった限りにおいてはなかなか期待できそうでしたが、新藤宗幸「財政投融資」(第2巻)は序章の最初の節のタイトルがいきなり「腐蝕する政府公共部門」ですからねぇ・・・。ジャーナリスティックなものであればともかく、学術書でこのような表現を使うのはいかがかと思いますし、百歩譲って使うこと自体はよしとするにせよ、せめてきちんと論証してからにしていただきたいもので。冒頭からこれってことはアプリオリにそうだってことですから。

シリーズ本であっても個別に評価すればよしという当たり前の結論ではありましょうが、編者としてある程度の関与はできなかったんでしょうかねぇ、西尾先生。ま、ばらつきがあってこその当たりもありということで、下手に低いレヴェルで統一されずによかったとでも思いましょうか(笑)。

[government]都庁の官僚よ、上を向いて歩こう!

上野 それで、今回の件の担当者は、東京都教育庁生涯学習スポーツ部社会教育課長、船倉正実という人ですが、そのほかにもかかわった役人を調べ上げて、今、実名を挙げて抗議しています。「たまたまこのポジションにいたばっかりに、あんた、踏んだ地雷が悪かったわね。でも、あなたの名前でやったことなんだから、ちゃんと責任取れよ」と。自分のしたことの責任を、ちゃんと役人にわかってもらわなきゃね。たとえば、この社会教育課長は、石原都政の前から役人をやっているわけですが、石原都政が終わった後も、役人として残るわけでしょう? トップが代わったら、またそれに適応するんでしょうか。この件で、都庁の内情などを関係者に聞いたら、石原以降、翼賛体制になっていて、都庁内の風通しが悪くなっている、ということです。それでイヤ気が差して辞めた人もいると聞きましたね。

岡留 今回の件だけじゃなく、石原都政以降、都庁のお膝元の歌舞伎町でも、不法滞在外国人や風俗店の取り締まり強化が徹底してますからね。ここまで強権的に歓楽街まで目配りしている都知事も珍しい。なんせ、三国人差別のタカ派ですからね。その都知事の思想を役人たちがくみ取って自主規制している構図でしょう。

上野 中間管理職の意思で決定していることを、いちいち石原が知っているはずはないんですよ。むしろトップよりも過激に動くのが中間管理職で、だいたい、こういう中間層がファッショ的な体質をつくり上げていく。だから私は今回、行政職でそのポジションにいた人間の責任を問わなきゃ、という気持ちがあります。だって、石原都政の前までは、東京とは、官僚の質が大変高いと評判で、「青島ほど無能な都知事でも、都政がちゃんと回るし、福祉行政は全国でも先進レベルだ」といわれてきたんですよ。その中間管理職が、トップになびくわけでしょう?

岡留安則 激論ニッポンの真相 連載第8回 上野千鶴子(サイゾー 2006.06、p92)

5/3のエントリの続きですが、中間管理職が「トップより過激に動く」という認識に基づいての批判とのことですから、webmasterは大いに誤解していたようです。上野先生の批判を真摯に受け止めて、中間管理職がよりトップに従順になるといいですね。それって翼賛体制の強化ではないかという気がしないでもないですが、上野先生の真意を汲み取ることもできず誤解をしでかすことからも明らかなwebmasterの頭の悪さゆえの考え違いなのでしょう。中間管理職に裁量を認めるなんてとんでもない、全部都知事に裁断を仰げ、それが組織の歯車たる公務員の範とすべき原則です。

上野先生の理想の地方自治が実現すれば、きっと「青島ほど無能な都知事になれば、都政は停滞するし、福祉行政は全国でも最低レヴェルだ」といわれるようになることでしょう。やっぱり公務員は選挙を経ていないわけですから、余計なことなど何も考えず、選挙を経たトップの考えが何かと常に考え、それも根拠のない思い込みになってしまっては当然問題ですから、実施に移す段階では逐一お伺いをたてるべしと。知事室がボトルネックになって効率が悪化する? 役人が勝手に都知事の意に沿わないことをすることの害悪を考えれば、その程度のコストなんて安い安い。

・・・あれっ、「トップになびくわけでしょう?」ってあるけど?

#まじめな話、何でも上の了解をとろうというインセンティヴは強くなるでしょう。

本日のツッコミ(全401件) [ツッコミを入れる]

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2006-06-02

[BOJ]マネタリーベース減少速報(5/31現在・第二次速報)

第二次速報といいつつ第一次が存在しないのは、昨日忘れていたためです。失礼いたしました。

先日の過去最大の買いオペが示すようにほぼブタ積みは解消されたようですし、当預の対象としては郵政公社を外すといった統計上の変更もありますので、このシリーズは先月末の確報でとりあえず完結とさせていただきます。結局2ヶ月で蒸発させたということで。

2005年2006年
発行銀行券当座預金合計 (a)発行銀行券当座預金合計 (b)(b-a)/a
3月上旬末72.832.4105.274.230.8105.0▲0.2%
3月中旬末73.133.8106.974.131.1105.2▲1.6%
3月下旬末74.735.8110.475.031.2106.2▲3.8%
3月平残73.332.6105.974.430.4104.8▲1.0%
4月上旬末73.933.7107.674.125.799.8▲7.2%
4月中旬末73.133.6106.773.723.597.1▲9.0%
4月下旬末76.031.8107.876.118.995.0▲11.9%
4月平残74.133.0107.174.424.899.1▲7.5%
5月上旬末74.531.9106.474.617.091.6▲13.9%
5月中旬末72.834.2107.173.413.687.0▲18.7%
5月下旬末73.531.6105.074.014.688.6▲15.7%
5月平残74.132.7106.874.615.189.6▲16.1%

(注)

  1. ソースは次のとおりです。
    1. 上旬・中旬末:営業毎旬報告
    2. 下旬末・第一次速報
      1. 発行銀行券:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績速報)
      2. 当座預金:日銀当座預金増減要因と金融調節(毎営業日更新(速報))
    3. 下旬末・第二次速報:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績)
    4. 平残・速報
      1. 発行銀行券:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績速報)
      2. 当座預金:上旬末残、中旬末残、下旬末残の単純平均
    5. 平残・確報:マネタリーベース
  2. 「平残」の行を除き、一般のマネタリーベース統計(平残・季節調整済)とは異なり末残・原計数です。
  3. マネタリーベースには貨幣が含まれるので、それを含まない表中の減少率は実際のマネタリーベース減少率よりも大きめに出ます(5月下旬末で0.7ポイント程度)。
  4. 単位を表記していない計数の単位は兆円です。
本日のツッコミ(全289件) [ツッコミを入れる]

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2006-06-03

[government]同業者の死

#本エントリは、記事中の死亡が突然死であるとの前提で書きましたが、死因は癌である旨、branchさんからご教示いただきました。お詫びの上、訂正させていただきます。(6/6追記)

(webmaster注:下記の引用記事は日経「波音」(6/2夕刊)のものです)

新しい駐車違反取り締まり制度のスタートを一週間後に控えた先月下旬、警察庁の若手キャリア官僚が帰らぬ人となった。

で始まる文章。取り締まり制度改正に尽力し、道筋をつけた後に病に倒れたとのこと。

意識が朦朧とする中でもパソコンを打ち、考え込むしぐさをしていたという。

職業人としては純粋に尊敬します。(私はぜーーーーったい、仕事のためには死にたくありませんが)

ただ、今回一番目に留まったのは、

ブームに乗るような官僚叩きや批判のための批判は厳に慎み、建設的な議論をしたい。

という結びの部分。

いや全くごもっともなのですが、絶対そんなの忘れ去ったような非建設的な批判記事がすぐに載るんだろうな、そうだよな、と思ってしまって。でもまあA日じゃなくて日経だし配慮があるかな、とか思いつつ、心に引っかかったのでメモとして、残しておこうと思います。

「6月2日の日経夕刊「波音」」(@薄墨日記。6/2付)

仕事で死ぬなんて馬鹿馬鹿しい限りですが、得てして当人には兆候がわからないもの。本件のような事例には当てはまらないものの、過労死を想定するなら、もちろんさまざまな自覚症状は表れているのですが、単なる寝不足の結果だと思いがちですし、それを突然死のチェックリストと照合するなんてことはまずしないでしょう。

だからこそ上司の監督の役割が重要です。本件について上司の責任云々を申し上げる立場にはありませんがは当てはまりませんが、一般論としてそうしたことに多くの上司が気を配るべきであるのは間違いありませんし、組織としての体制の充実もまた図られねばなりません。

ちなみに最後の部分ですが、「したい」って今はしていないからこそそのような文末ですか(笑)。仮に主観において慎んだり建設的であったりすることができたとしても、能力がなければ客観的には慎まれてなかったり非建設的であったりすることもあるんですけれどもねぇ。

[BOJ][economy]アスリート・福井総裁

ドラめもんさんからいただいたネタですが。

インタビュー記事は色々と読みどころありそうですが、政策云々じゃなくてあたくしが一番気になりかつ不安に思ったのは福井総裁が意気込みを表明(?)したくだりです。

日本の将来像についてこんな話をしておりました。

『世界経済の中の日本というプレーヤーは、絶対に勝ち続けなければならない。時々勝つのではなくて、勝ち続けることが大事だ。わたしもアスリートの1人だが、競技場において勝つことを意識しないことは、即、死を意味する。勝ち続けること、これは私の哲学だ。』

アスリート系の自信満々の人にありがちなパターンでして、もうスポーツがタコで腕っ節の弱さに定評があったあたくしなんぞは「はあはあそうですかすごいですねえ(棒読み)」という反応しかできません。

今朝のドラめもん(6/2付)

「即、死を意味する」って負けたら切腹といったルールでもあるんでしょうか、福井総裁がたしなまれるスポーツは(笑)。

このようなくだらないツッコミはさておき、まっとうなツッコミがたまたま別の文脈であったので、そちらを引用して批判とさせていただきます。

174: 名無しさんの冒険  2006/05/30(Tue) 23:25

「国の競争力」というと偉そうにけなすのは国債にバブルはないと逝ってた誰かといっしょじゃないの。「国の競争力」のどこがおかしいか述べよ。

175: ドラエモン  2006/05/30(Tue) 23:31 [ va4qsJNk0c ]

確率的バブルなんざ、バブルのうちにはいらんw それをバブルというなら、資産価格はいつでもバブル。

で、国の国際競争力ってなんだよw 生産性以外になにがあるの?

(略)

180: 名無しさんの冒険  2006/05/31(Wed) 12:12

つまりあれだよ。

近所のラーメン屋は中国と競争してるんだよ。
味とか値段とか客数とか色々と競争してるんだよ。
で、世界中の国は石油やら穀物やらの産出量を競ってるんだよ。
それに負けちゃうとあれやこれやで日本滅亡なんだよ。

(略)

212: yoshie  2006/06/01(Thu) 21:47 [ kqnhgCqZEA ]

例えば国際競争力の定義として石油1ガロンを買うのに国民一人当たりどのくらいの時間働かなければならないかとするのはどうだろうか?

アフリカの最貧国と日本と比べてアフリカの最貧国が上だと言う者がいたら明らかにトンデモだといえるだろう。もしアフリカの最貧国に大天才が現れてトヨタ車の10分の1の価格で10倍の燃費10倍の性能の車を発明したりソニー製品よりずっと良い電器製品を発明するなど日本が優位なほとんどすべての製品を上回るものを発明したとしたらそのアフリカの最貧国は国際競争力は一気に上がり日本は一気に下がるのではないだろうか。

(略)

217: 名無しさんの冒険  2006/06/01(Thu) 22:41

>>212

国際競争力の定義として石油1ガロンを買うのに国民一人当たりどのくらいの時間働かなければならないかとするのはどうだろうか?

それ、ただの一人当たりGDP (GDP per capita)。つまり生産性だよね。(名目GDPでも、PPPでも好きな方をどうぞ)

でも普通「競争力」という場合、同じ財をどれぐらい安く提供できるかが問われていることが多いんじゃない?それは、生産性とは関係がないと思う。

(略)

223: すりらんか  2006/06/02(Fri) 04:41 [ G3b0eLLP4o ]

>>217

国際商品の価格はほぼ共通だから,PPPというよりは足下のレートでドル換算したGDPと言うことになるかと思います.ちなみに「PPPの一人当たりGDP≡国際競争力」を出発点とすると世界経済フォーラム方式の国際競争力のはかり方.

224: 名無しさんの冒険   2006/06/02(Fri) 14:22

>>223

競争力ってことは、それが高いほど今後(何かの)競争で勝てるってことですよね。どういう競争なんでしょう? 勝ったときのprizeは? 経済成長?

もし「成長を競う」力を「一人当たりGDP」で測るのだとしたら、「今、豊かなほど今後豊かになる」と言ってることになると思いますが...

225: ドラエモン   2006/06/02(Fri) 18:01 [ va4qsJNk0c ]

>>224

個別企業場合は、結局「儲かる」としかいえないんじゃない?同じ価格で売らねばならんなら、生産性高い企業が儲かるけど、ブランド力(だけ)の会社は物的な生産性で優れてなくても高い価格で売れるので儲かる。どっちも多分「競争力」ありそうだけど(笑)、中身は全然違う物だよね。もともと経営学の概念でしょう、競争力って。だから、利益のことだと思うよ。それを国に敷衍すると、訳が分からなくなるけどw

(略)

227: すりらんか   2006/06/02(Fri) 21:27 [ G3b0eLLP4o ]

>>224

競争力ってことは、それが高いほど今後(何かの)競争で勝てるってことですよね。どういう競争なんでしょう?

そのとおり!
どう明確化してもやっぱり国際競争力って変な話ですよね.いっそ軍の継戦能力で測るとかw

まぁ昔あった○○番付みたいなものだとマターリ愉しむ分にはいいのかなぁというくらいの指標何ではないかと.

「経済の構造って何ですか」スレ@いちご経済/経済学板

念のため福井総裁の名誉のために付け加えるなら、政府においても経済財政諮問会議を筆頭に各所で国際競争力という言葉は使われておりますorz

[BOJ]マネタリーベース減少速報(5/31現在・平残確報)

昨日申し上げたとおり、今回で締めとさせていただきます。

2005年2006年
発行銀行券当座預金合計 (a)発行銀行券当座預金合計 (b)(b-a)/a
3月上旬末72.832.4105.274.230.8105.0▲0.2%
3月中旬末73.133.8106.974.131.1105.2▲1.6%
3月下旬末74.735.8110.475.031.2106.2▲3.8%
3月平残73.332.6105.974.430.4104.8▲1.0%
4月上旬末73.933.7107.674.125.799.8▲7.2%
4月中旬末73.133.6106.773.723.597.1▲9.0%
4月下旬末76.031.8107.876.118.995.0▲11.9%
4月平残74.133.0107.174.424.899.1▲7.5%
5月上旬末74.531.9106.474.617.091.6▲13.9%
5月中旬末72.834.2107.173.413.687.0▲18.7%
5月下旬末73.531.6105.074.014.688.6▲15.7%
5月平残74.132.7106.874.615.289.7▲16.0%

(注)

  1. ソースは次のとおりです。
    1. 上旬・中旬末:営業毎旬報告
    2. 下旬末・第一次速報
      1. 発行銀行券:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績速報)
      2. 当座預金:日銀当座預金増減要因と金融調節(毎営業日更新(速報))
    3. 下旬末・第二次速報:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績)
    4. 平残・速報
      1. 発行銀行券:日銀当座預金増減要因と金融調節(実績速報)
      2. 当座預金:上旬末残、中旬末残、下旬末残の単純平均
    5. 平残・確報:マネタリーベース
  2. 「平残」の行を除き、一般のマネタリーベース統計(平残・季節調整済)とは異なり末残・原計数です。
  3. マネタリーベースには貨幣が含まれるので、それを含まない表中の減少率は実際のマネタリーベース減少率よりも大きめに出ます(5月下旬末で0.7ポイント程度)。
  4. 単位を表記していない計数の単位は兆円です。
本日のツッコミ(全322件) [ツッコミを入れる]

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2006-06-04

[dystomics]経済学がこの世から消えたら… 第一.五部:その6‐2月13日 22時10分

パタン、と隣でドアが閉まるのを確認してから、ボクは部屋を出た。

「お兄ちゃん、ちょっといいかな」

「・・・どうぞ」

部屋に入ると、椅子をくるっと回してお兄ちゃんがこちらを向いた。机の上にあるのは・・・携帯? 珍しい。

「どうかした?」

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」

「いいけど、その代わりに・・・、ひ、・・・」

「代わりに?」

「・・・いや、何でもない。聞きたいことって、何?」

何となく察しがついたけど、たまにはからかってみたい気がむくむくとわいてきたけど、気分を悪くさせたら元も子もないやって思い直して、とりあえず今日のホームルームでの出来事をかいつまんで説明した。

「・・・っていうことなんだけどさ、どう思う、お兄ちゃん?」

「今日の衆議院での演説だね。うちのクラスでたまたま今日公民の授業があって、そこでもやってたよ。まあ寝言は寝てから言ってくれってことだな」

いったんここで言葉を止めて、ボクの方を見てくる。意見を言えって? わかんないから聞いてんだっつーの。

「ん・・・どういうこと?」

「・・・この前も言ったように、今はいろんなモノの値段が下がっていて、みんな稼げなくなってきてる。こんなときに利子が多くなったらどうなると思う?」

しょうがないなぁ、なんて書き文字が背景にありそうな感じでしゃべり出した。

「・・・稼げなくなるかわりに、銀行からいっぱい利子をもらえるようになるからいいんじゃない? いろんなモノが安くなって、お給料は減っちゃうかもしれないけど、その分利子で稼げるなら問題なしってことで」

「銀行にお金を預けている人ならそうさ。でも、世の中には借りている人だっていっぱいいる。そういう人は、ただでさえ稼ぎが減っているのに、その減った稼ぎから払わないといけない利子は逆に増えるんだから大変さ」

「でも、いっぱいいるっていっても、どっちかっていえば借りている人の方が少ないんでしょ? だって、うちのクラスの中でだって借金している家なんて聞いたことがないし」

「うちみたいに家を借りているならともかく、自分の家を持っている人のほとんどは買う金を借りているはず。聞いたことがないとすれば、それはわざわざ子供に借金してるなんて言わないだけさ。しかも、家には借金がなかったとしても、働いている会社はほとんどが借金してる。他人事じゃない。ハゲタカを懲らしめるなんていったって、懲らしめられるのはハゲタカだけじゃないってこと」

「じゃ、やっぱり洋祐の言ったことは・・・」

「そう、涼が思ったように、利子にだって当てはまるのさ。そこに気付いたのはいいんだけどさ、もうちょっと自分で考えられなかった?」

あーっ、やっぱりなんか今日はやけにバカにされてる気がする。

「悪かったね。考えられなくって」

「まだ終わりってわけじゃないぞ」

にやっとお兄ちゃんが口元を緩める。

「手元にお金があります。銀行の利子は上がってます。モノの値段はこの先も下がります。さて、手元のお金を涼ならどうする?」

「銀行に預ける」

「そうだよな、誰だってそうする。でも、みんながそうすれば、ますます会社は儲からなくなる」

「じゃあ・・・」

「ますます貧乏になってくね、日本は」

そう言うと、お兄ちゃんはボクのことをじっと見つめた。

「だからなんとかしなきゃいけないと思う。もちろん中学生が一人じゃどうしようもないけど、最近は自分に何が出来るのかってよく考えてるんだ」

「・・・なんかよくわかんないけど、すごいね」

「そのさぁ、『よくわかんない』っていうクセ、やめろよ。確かにわかってないんだろうけどさ」

またかよ。

「どうせボクはお兄ちゃんと違って頭悪いですよーだ」

「ゴメン。そういう意味じゃないんだ。先公の話を聞いておかしいなってひっかかるってのは、頭がいいってことだよ」

「ホント?」

「たださぁ、そこから先をもうちょっと考えなってこと。そんなんじゃ成績だって上がらないぜ」

ムカつく。持ち上げといて、結局最後はそれかよ。じゃあこっちにも考えがあるってもんだ。

「ところでさぁ、さっき何言おうとしたの? ボクが来たとき」

できるだけ何も知らないフリをして、できるだけそっけなく言ってみる。

「な、なんだよ。何でもないって言っただろ」

やっぱりそうきましたか。

「あれ、着信じゃない?」

あわてて机に向き直る。やっぱりマナーモードにしてたのね。

「・・・お前、嘘ついたな!」

「嘘だなんて人聞きの悪い、見間違えたんだよ。で、メール待ってるの?」

「べ、別に・・・」

「そういえば明日はヴァレンタインディだけど、その関係?」

「だから、メールなんて待ってないって言ってるだろ」

「ヴァレンタインディと言えばさぁ、この前、うちのクラスの委員長やってる平井がね・・・って、お兄ちゃん知ってるよね、平井?」

あーあ、ついに横向いちゃった。

「・・・知ってるけど」

だよねぇ、男女の違いがあるとはいえ同じサッカー部なんだから。

「その平井がね、すっごくキレイなひとと一緒に買い物してるのにばったり会ったんだ」

「・・・それで?」

「話しかけてみたらさぁ、そのひとは平井のお姉さんだったんだけど、チョコレートを一緒に買いに来たんだってさ。誰にあげるんですかって聞いてみたら、何て答えだったと思う? 委員長は、お父さんに、なんてつまらない答えだったんだけど」

こっちを見ずに関心なさそうにしてるけど、明らかに緊張してます。携帯なんていじっちゃって、メール待ってるわけではないんじゃなかったっけ? どうしてそんなに落ち着かないのかな、お兄ちゃん。不自然ですねぇ。

「・・・知らねぇよ。こっちも忙しいんだからさ、早く言えよ」

「ゴメン。そうだよね、関心ないよね。もう戻るよ」

「待てよ、途中まで聞いたら気になるだろ。早く言えってば」

せっかくだから、もうちょっと引っ張ろっかな・・・ダメだ、目が真剣だ。

「・・・えーっとね、その答えはなんと・・・お兄ちゃんなんだって!」

必死に引き締めようとしてんだろうけど、タレ目になってるよ。

「な、何のことだかよくわからないけど、本当?」

「もっちろん・・・嘘だよー!」

「ふ、ふざけやがってっ!」

ヤバ! 飛んできた右フックをよけて、とにかく自分の部屋に走って戻る。

「じゃぁねーっ」

ドアを閉めて耳を澄ますと、廊下までは追いかけてきたみたいだけど、それ以上は何もしないで戻ったようだ。まあ恥ずかしいってことはわかってるんでしょう。

さて、嘘は2つ。ばったり会ったなんてことはないし、ボクから聞いたなんてこともない。聞きたいことがあるって真美さん‐委員長のお姉さん‐から委員長を通じて話があったから会ったんだし、真美さんの方から、お兄ちゃんって付き合っている人っているのとか、お兄ちゃんってどんなプレゼントが気に入ってくれるかなぁって質問してきたわけだ(ついでに昨年の卒業式の後、お兄ちゃんがどんな風に告ったのかとか、いろいろ教えてもらったけど)。そのときの彼とは別れたから今はフリーなんだってさ・・・あの感じだと、同じ高校に進んだ先輩からその噂ぐらいは聞いてるんだろうなぁ、お兄ちゃん。

ま、明日は真美さんから告ってくれるんだから、それまでうじうじ悩むぐらいどうってことないよね、お兄ちゃん!

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2006-06-05

[economy]半径5mのインフレ

ティッシュペーパー、たばこ、第三のビールなど、消費者の身の回りで値上げが相次いでいる。原油価格の高騰やサービス向上などに見合った価格改定−と企業側は説明。景気回復をバックに「今なら受け入れてもらいやすいのでは」との判断も働いているようだ。

ティッシュやトイレットペーパーなど家庭紙の出荷価格(卸値)について「クリネックス」「スコッティ」の日本製紙グループは25%程度、「ネピア」の王子製紙グループは20−30%、7月から値上げすると表明した。「エリエール」の大王製紙も現在、値上げを検討している。

小売価格へ転嫁となれば、店頭価格が250円程度のティッシュ5個パックは、50円程度値上がりする見込み。ただ、流通・小売業者との価格交渉はこれからで、最終的にどの程度の値上げとなるかはまだ不透明だ。

また、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドは9月、6年ぶりに入場料を値上げする。新規アトラクションの導入による価値向上を理由に挙げるが、「景気も回復してきた。決して悪いタイミングではないと踏んだ要素もある」と打ち明ける。

身近なところでは「第三のビール」が5月の酒税改正で出荷価格が350ミリリットル缶で4円程度上がったばかり。たばこは7月からの増税で10−30円の値上げとなる。消費者にとっては今後こまごまと負担が重くなりそうな気配だ。

中日「身の回り品ジワリ値上げ/景気回復など背景」

ティッシュやトイレットペーパーなど家庭用品、銭湯代も値上げ…。原油や原材料価格の高騰の影響は身近な暮らしや中小零細企業の経営にも広がり始めています。(矢守一英)

六年ぶりの値上げとなったのは東京都内の銭湯代です。一日から、四百円から四百三十円に。都公衆浴場業生活衛生同業組合理事長の高橋元彰さんは「これ以上努力しても限界と判断しました」と胸のうちを語ります。

(略)

王子製紙の子会社で家庭紙大手の王子ネピアは一日、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの卸値を、七月二十一日出荷分から20〜30%値上げすることを発表しました。シェア一位の大王製紙も値上げの方向。すでに日本製紙グループも五月に値上げを表明しています。

(略)

スーパーの「目玉商品」として店頭に並ぶ納豆。大豆を煮る燃料代や製品を輸送するガソリン代、パック代等の値上がりが、製造業者の経営を圧迫しています。パック代は去年に比べ10%アップ。「しかしスーパーの『安売り競争』もあり製品への転嫁はしづらい状況」といいます(全国納豆協同組合連合会)。メーカーによってはやむなく一パック当たりの納豆の量を減らすところもあります。

赤旗「銭湯を原油高直撃/燃料の重油価格は1.8倍」

これだけ値上げの例が出ているというのに、ディマンドプルであると考えてよさそうなのはTDRの入場料ぐらいなもので、

原油価格高騰を受け値上げする/した財・サービス
ティッシュペイパー、トイレットペイパー、銭湯、納豆
増税を受け値上げする/した財
「第三のビール」、たばこ

というのは壮観です。いずれもGDPに対してはマイナス要因ですから、景気の先行きにとっては暗い材料です。

・・・かと思いきや次のような観察が。

ただ、第一生命経済研究所の熊野英生・主席エコノミストは「今の局面では値上げによる消費へのマイナス影響は少ないだろう。(景気回復による)収入増加の方が大きく、吸収できるとみられる」と話す。

中日「身の回り品ジワリ値上げ/景気回復など背景」

消費動向調査を見ると「収入の増え方」指標は依然50(=横ばい)に届かず、家計調査を見ると勤労者世帯の収入は減少を続けているというのに、「収入増加の方が大き」いってどこの世界の話でしょうか? どうせ日本経団連会員企業等のボーナスが2年連続増加とか、東証一部上場大企業の春闘の結果は去年以上だとか、東証一部上場企業のボーナスが3年連続増加といったあたりが念頭にあるのでしょうけれど、そうした企業の従業員が日本国民に占める割合をどの程度だとお考えなんですかねぇ。

[comic]現在官僚系もふ・第54話

作中設定上は元総理を含め与党上層部を押さえていることになっているのですから、2ヶ月以上かけて切り崩しなんてバカなことをやれば、委員差し替えをはじめ対抗手段をとられるに決まっています。それが票読み段階では過半数を抑えているって、描かれざる裏側でいったい何をやったのやら。

ちなみにバッヂ付けずに議員会館で議員に会うなんてことはあり得ないことぐらいは、霞が関を舞台とするなら初歩の初歩です。面会票を出すという手もないわけではありませんが、その場合アポイントメントが必須ですから、今回のように議員側が来ることを知らないことと矛盾します。非常に好意的に解しようとするなら、官房長がバッヂを貸与しないという対策を講じたということが考えられないわけではありませんが、そんなことないだろうなぁ(笑)。だって、どうやったって会館に入れなくなってしまいますから。

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2006-06-06

[notice]「同業者の死」の誤りについて

6/3のエントリ「同業者の死」は、官僚が突然死に遭ったとの前提で書きましたが、死因は癌である旨、branchさんからご教示いただきました。お詫びの上、訂正させていただきます。

[economy]「真の失業率」のkuma_assetさんによる補正

当サイトで毎月試算している「真の失業率」(直近は2006年4月現在)においては、「少子高齢化の進展による労働力人口比率のあり得べき低下は考慮していない」と断って緻密な推計を怠っているのですが、kuma_assetさんがその要素を勘案しての試算をお示しです。

その結果、05年において4.4%である完全失業率は、「真の失業率」では9.8%であるとされているが、この差はあまりにも大きい。これは、当該エントリーにも注記されているとおり、「少子高齢化の進展による労働力人口比率のあり得べき低下は考慮していない」ためである。これについては、上述した労働力人口比率(92年)×15歳以上人口の計算式を、年齢階級別に計算したものの和とすることにより、その効果を概ね取り込むことが可能である。なお、このように計算した結果が、下のグラフである。

(グラフ略)

05年でみると、完全失業率が4.42%であるのに対し、「真の失業率」は9.73%、補正後の「真の失業率」は6.19%である。このように、人口構成の変化を取り込むことにより、「真の失業率」は通常の完全失業率にかなり近づくが、依然としてその水準は高く、92年と比較すると、就業意欲喪失効果が大きいことが伺える。

「「真の失業率」と労働力人口の変動」(@ラスカルの備忘録6/5付)

#1999年以前の計数はネットでは掲載されていないと認識しているのですが、どちらで入手されたのでしょうか>kuma_assetさん?

実は内心、団塊世代の大量退職を迎える来年以降は、先の注記をしてもなおあまりにミスリードな試算となりそうで扱いをどうしようか悩ましかったのですが、この補正を加えることで問題をクリアした形で継続できそうです。どうもありがとうございました。

ちなみに、92年以降の計数が入手できるのであれば、次のような要素もあわせて補正しようかな、とは考えております。有効数字の範囲内で影響があるとすればこんなものかと思うのですが、ご高見あらばお聞かせください>皆様。

  • 女性の社会進出の影響(より多くの女性が働くようになってきている=労働力人口比率を引き上げる=「真の失業率」を上げると考えられます)
  • 高齢者の社会進出の影響(より多くの高齢者が働くようになってきている=労働力人口比率を引き上げる=「真の失業率」を上げると考えられます)
  • 高学歴化の影響(高卒後の進路として就職よりも進学が増えてきている=労働力人口比率を引き下げる=「真の失業率」を下げると考えられます)

[economy][law]村上世彰M&Aコンサルティング取締役逮捕

当サイトをご覧の方々であればすでに押さえていらっしゃるとは思いますが、次のエントリは非常に勉強になりますので、ご紹介を。

これにより、また金儲け指向がけしからんとか、額に汗して働くことが尊いといった言論がメディアにあふれるのでしょう。金儲け指向とは、お金を払ってでも欲しがられる財・サービスを提供しようとすること、額に汗して働こうともお金がなければできず、金融とはそうした者が額に汗して働けるようにしてくれることでもあるのですけれども。もちろん個別の難ずべき行為(違法行為なり、競争の阻害なり)を難ずることに問題はありませんが、それを妙な一般化しないでいただきたいもので。

[sports][media]PRIDE TV中継中止

フジテレビは5日、人気格闘技「PRIDE(プライド)」を主催するイベント会社との契約を解除し、番組の放送をすべて取りやめると発表した。10日に放送予定だった収録済み番組の放送も中止する。フジテレビ広報部は「放送を継続することが不適切な事象が、イベント会社内であったため。契約違反に該当するものだが、具体的な内容はコメントできない」としている。

毎日「フジテレビ:人気格闘技「PRIDE」放送中止」

先日のボブ・サップの試合出場放棄もそうですが、いかなる事態が発生したかについて、きちんとした説明がなされないことには不透明さを感じざるを得ません。他局での放映の可能性ですとか、PRIDE自体の存続可能性ですとか、そういったことを考えるためにも、きちんとした説明が欲しいものです。

とまれ、TV観戦できる試合のレヴェルとしては最も高かったPRIDEが観られなくなり、K1や亀田兄弟のボクシングが幅を利かすであろうことを想像するのは不愉快なことです。

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2006-06-07

[media][WWW][politics]福島瑞穂議員コピペの鑑定

突然ですが、皆さんは次のようなコピペを目にしたことがありますか?

何年か前の「朝まで生テレビ」での再現。

その日のテーマは「警察官の拳銃使用について」。

司会の田原総一郎と福島瑞穂の会話。

福島「警察官の拳銃使用は絶対反対。犯罪者と言えども人権はある訳ですしぃ〜、犯人には傷一つ付けてはいけない。例え凶器を持った凶悪犯と言えども警察官は丸腰で逮捕に向かうべき」

田原「そんな事して、警察官が殺されたら?」

福島「それは警察官の職務ですしぃ〜〜」

(「ええっ〜」と言う驚きの声がスタジオ中に響き渡る)

その声にまずいと思ったか福島が続ける。

福島「それに犯人がそんなに抵抗するんだったら無理して逮捕する必要は無いと思うんですよぉ〜、逃がしても良い訳ですしぃ〜」

田原「じゃっ、逃がした犯人が別の所でまた人を殺したら?」

福島「それはそれで別の問題ですしぃ〜」

(他のパネリストの「おい、おいっ」という声と共にスタジオ中に 失笑が漏れる。)

それ以降、福島に発言を振らなかったのは司会の田原総一郎の良識か?

このコピペは結構いろんなところで見かけますし、鵜呑みにしている人もかなり多いようです。たとえば2ちゃんねるなんかでは、このコピペを元に「社民党って頭悪すぎ」「本当に東大卒?」「これで弁護士?」「これだからバカ女は」みたいなコメントが頻繁にやりとりされているし、ブログなどでも「わが国を憂う!」「これでは捨民党だ!」みたいなニュアンスでこのコピペを槍玉に挙げている人が少なくない。「拳銃使用 福島 田原」でググるとかなりの数です。

ただ、このコピペ、色々気になるところがあるんですよね。例えば「何年か前の」というのはいつのことなのか、「再現」といいつつスタジオの反応までクリアに描かれているのはなぜなのか(そもそも「朝生」ってスタジオが大きく反応するような番組だっけ?)、これだけ話題の映像がキャプチャー画像とか動画とかで出回らないのはなぜなのか、などなど。そんなわけで、まずはこのコピペがいつ誕生したのかを調べてみました。

(略)

問い合わせた2件とは、「拳銃使用」云々という部分と「日本はスイスのような平和中立国を目指すべきなんですぅ」以降の部分のことなんですが、そのような発言はないとのこと。コピペの検証と、本人事務所やテレビ朝日がこのようなレスポンスをしてくれたことからも、この発言はネタ、デマの可能性が極めて高いと思います。無論、コメントが誤りで動画が出てきた場合に限り別なのでしょうが、テレビ朝日が否定しているのでその可能性は極めて低く、これまでも動画はずっと出てこなかったのだからこれからも出てこないのではないかと。というわけでこのコピペはガセビア扱いしてよさそうです。

「「福島瑞穂の迷言」という都市伝説について(事務所コメント付)」(@成城トランスカレッジ! ―人文系NEWS & COLUMN―6/6付)

略した部分に具体的な検証過程がつづられていますが、わずかな手がかりから材料を探し出して考察を進めていく記録としても面白く読み応えがあります。既に目を通された方々も多いかと存じますが(はてなブックマークでも人気エントリーになっていましたし)、お薦めする次第です。

こうなると気になるのが、ネットにおいて福島議員の迷言として流布している別の言葉、B52が艦載機というアレの真偽です。といってもこちらは平成13年(2001年11月15日の参・予算委員会と出所があわせてコピペされていることが多いので、確認は簡単です。

○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。

十一月二日の日に防衛庁設置法に基づいて海上自衛隊が英領ディエゴガルシア島に向かいました。総理は首相官邸で、米国にとっては戦闘地域だとおっしゃいました。戦闘地域に行くことは問題ではないですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、コンバットゾーンという話が出たから、これは日本語に訳せば戦闘地域だろうと。しかし、アメリカのコンバットゾーンと日本の戦闘地域という場合においては違う場合も出てくるということを言ったんですよ。ディエゴガルシア島が戦闘地域じゃない場合もあるでしょう。戦闘地域の場合もあるかもしれない。これは戦争が起こってみなければわからない。ディエゴガルシア島で戦争が起これば戦闘地域、戦争が起こらなければ戦闘地域じゃないんですよ。そこを言ったんです。

○福島瑞穂君 私は、問題なのは、米国にとって戦闘地域だと首相がおっしゃったことです。つまり、戦争はもう起きているわけです。B52はディエゴガルシア島から飛び立っています。アメリカにとっては戦闘地域で、日本にとっては戦闘地域でないなんてことがあるんですか。国際社会では物差しは一本でしょう。どうして米国にとって戦闘地域が日本にとって戦闘地域じゃないんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、戦火を交えたり、実際に武力行使をしていたりしている場合はわかりやすい戦闘地域でありますが、ある場合によっては、既に、物資を補給するところでも、これは戦闘地域だという見方をする人もいるわけですから、日本は戦闘地域、テロの戦いで、どこでテロ行為が起こるかわかりませんから、そういう状況を見きわめながら、いわゆる軍事専門家から言えば戦闘地域だ、あるいは戦闘行為だという場合において、日本においては自衛隊も軍隊と言ってはいけないんですから、それは見方はいろいろあるでしょう、軍事。ところが、アメリカでは、外国では自衛隊を軍隊と見ているという面が多い。しかし、日本じゃ軍隊じゃない、自衛隊だと。

だから、アメリカでコンバットゾーン、戦闘地域だから、そこへ行けば日本はすぐ戦闘地域だということは当てはまらないと。場合によっては、物資を補給しているところは、日本はこれは後方支援地域だと言えるんですから。そういうことを言っているんです。

○福島瑞穂君 日本が勝手に戦闘地域ではないと言っているだけではないですか。

では、お聞きします。アラビア海は戦闘地域ですか。日本はアラビア海に行くのですか。

○国務大臣(中谷元君) 米国の言うコンバットゾーンというのは、その派遣される軍人の手当、福利厚生とか税制の優遇的なそういう措置を受けるために設定されたゾーンでありまして、そのアラビア海とかいうのは、もう十年前になりますけれども、湾岸戦争のときもコンバットゾーンに指定されて、いまだに指定されたままだというふうに聞いておりまして、米国の意味するコンバットゾーンというのはそういう税制の優遇面があります。

他方、日本が言う地域で言うなら戦闘行為が行われていない地域でありまして、この場合の戦闘行為というのは、「人を殺傷し又は物を破壊する行為」であるというふうに法律で定義をいたしておりまして、米国とおのずと異なるというふうに思っております。

○福島瑞穂君 済みません、アラビア海には、では行くんですか。これは戦闘地域ではないと判断されるんですか。

○国務大臣(中谷元君) 現在も石油のタンカー等民間の船舶がここを航行いたしておりますが、現在、情報収集のための艦艇の派遣等も行っておりますが、この地域が戦闘行為が行われている場所であるか否か十分に調査をする必要がございますけれども、現時点においては民間の船舶が航行いたしておりまして、戦闘地域でないというふうに思っております。

○福島瑞穂君 よくわからないんですね。

そこでB52が、実際に艦船から飛び立ち、攻撃をするわけです。直接に攻撃をするわけです。ですから、そこは相手方から見て十分攻撃される場所ですから、アメリカは戦闘地域と考えているわけです。日本がいつまでも、日本は戦闘地域と考えないと日本だけが言って、だから自衛隊は行けるのだとすることは極めて問題だと思います。

参議院会議録・第153回国会 予算委員会 第6号(平成13年11月15日(木))(webmaster注:強調はwebmasterによります)

2番目の強調部にあるとおりですので福島議員が言ったことは間違いありませんが、このように流れをみると、なんでこんなことを言ったのかについては、理解に苦しんでしまいます。最初の強調部においては、B52はディエゴガルシア島から出撃していると正しく指摘しているからです。ディエゴガルシア「島」と言っているからには、ディエゴガルシアという名前の空母だと思ったわけでもないでしょうし(ちなみにイラク戦争においてペルシア湾側に展開した空母はエイブラハム・リンカーン、コンステレーション、キティホークの3隻)。

#当時は9.11テロの約2ヶ月後、すなわちアフガニスタンが攻撃対象であり、イラク戦争云々は関係ありませんでした。不正確な記述をお詫びいたします。(6/11追記)

弁護するなら、うっかりミスで言い間違えただけ‐「艦船から飛び立ち」は「ディエゴガルシア島から飛び立ち」と言いたかった‐ということは考えられますが、となるとつじつまの合わないところが出てきます。ディエゴガルシア島はアラビア海にはないのです(ディエゴガルシア島は南緯7度に位置しますが、アラビア海は北緯10度弱が南端です)。

となると、福島議員は、

  • B52はディエゴガルシア島と空母の双方から出撃していたと認識していた、
  • B52はディエゴガルシア島から出撃していたと認識していて、空母(艦船)といったのは単なるミスであるが、ディエゴガルシア島の位置を誤認していた、

のいずれかということになり、やはり弁護は難しそうです。

[government][media]役所内の・・・

文部科学省が平成13年以降設けている「かすみがせき保育室」について、Apemanさん経由ですが、

文科省内にある、ということは家賃や光熱費は税金で賄われているということ。税金を使う以上、国民が平等にサービスを受けられなければいけないのにこの保育所は文科省周辺に勤務する人しか利用できない。不公平です

という指摘が週刊現代の今週号でなされているとのことです。いやぁ、霞が関は実にけしからんですね。はたしてこの保育園に「丸の内近辺に勤務している者の子弟に限る」といった受け入れ条件があるのかどうか知らないが、丸の内に住んでいる人間なんて大していないのだから、この保育園が丸の内近辺に勤務する労働者の子どもを受けいれることになるのはごくあたりまえのことだ。町田に住んでいて横浜に通勤している人間が丸の内の保育所に子どもを預けようとは思わないだろうなどとApemanさんがおっしゃるのは、きっとApemanさんが霞が関に瞞着されているがゆえなのでしょう(笑)。

ところで、webmasterが思い出せる範囲内で、もっと大々的に家賃や光熱費を税金で賄っているにもかかわらず、国民が平等にサービスを受けられるわけではない施設があります。正確な名称は失念してしまったのですが、確かなんとかクラブとか言って、霞が関にとどまらず地方公共団体や政府関連団体(日銀とか)、はては民間団体等にも存在して、そのほとんどにおいてサービス受益主体は家賃や光熱費を払っていなかったように記憶しているのですが・・・。

[politics]村上世彰M&Aコンサルティング取締役逮捕に関する諸閣僚発言

村上ファンドの村上世彰代表が証券取引法違反の疑いで逮捕された事件をめぐり、6日に小泉首相や閣僚から発言が相次いだ。首相は、規制緩和などの行き過ぎが原因ではないかという批判について「何でも小泉批判に結びつけたがる」と反発。村上代表の逮捕についても「監視機能が正常に機能している表れ」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。

(略)

谷垣財務相は「マーケットのルールに従うことが非常に大事だ」と述べ、安倍官房長官は「経営者は利益のみを追求するのではなく、社会的地位にふさわしい責任、倫理観が備わっていなければならない」。麻生外相は「金をもうけたから嫌われたわけじゃない。金のもうけ方が問題だから嫌われた」とし、川崎厚労相は「随分荒っぽいことをやる人だという思いがしていた」と語った。

小池環境相は事件の教訓として「もっと明確な運用の仕方、ルールなどがクリアになっていけば、それはそれで意味があるのではないか」との見方を示した。

朝日「閣僚、村上代表に苦言 小泉首相は批判に反発」

小泉総理は監視機能という政府の働きについての論評、谷垣大臣はルール遵守の重要性という行政府としての見解、麻生大臣は世間がどのように見ているかの観察、川崎大臣は事実関係についての個人の感想、小池大臣はルールの運用の改善という行政府としての方向性、とそれぞれ無難な話が続く中で、一人安倍官房長官だけが思想家・教育者のごとく倫理観についてのご訓辞です。このような高潔な倫理観と、それを普及せざるを得ない熱い使命感が、次期総理候補としての国民の人気を集める源なんでしょうね!

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2006-06-08

[misc]農村の虚実・都市の虚実

はてなブックマークで注目を集めている農家の恐ろしい実態 まとめサイトに対して、徳保さんが異議を唱えていらっしゃいます。

極端な事例を引っ張ってくるとこうなる、という話。祖父母と伯父夫婦が専業農家だからいわせてもらうけれど、上記リンク先に書かれているような状況が「農家のふつうの状況」だと思ってほしくない。いったいどこのでこんなことをやっているのか? と私は疑問に感じたな。

(略)

これなどは読者が誤解しない方がおかしいという典型的な記事。こんな非常識な農家もある、と読み替えるべし。いや、実際の農家の知り合いがいる場合でもね、ひとつやふたつは思い当たることがあるのではないか。けれども実態を知っていれば、「農家スゲー」みたいな他人事感覚には陥らないはず。面白おかしく誇張されている程度も読み取れる。まるっきりの嘘だとはいわないし、ホントにひどい人もいることは事実。だからといって……ということ。

「農家の人は今や「どこかの誰かさん」になっている?」(@趣味のWebデザイン6/7付)

徳保さんのおっしゃることはごもっともではありますが、では農村が現在の都市住民にとって違和感無き環境であるかといえば、やはりそれも違うとwebmasterは考えます。といっても農村に限らず、都市であっても昔ながらの町内会が生きている商店街などもそうでしょうし、住宅街であっても専業主婦のつながりはそれに似ていることでしょう。要すれば共同体色の濃淡の問題で、淡い地域の住民から見れば濃い地域には抵抗を感じざるを得ないでしょう。

都市において一般に共同体色が薄れてきたゆえんについてはかつてあれこれ書きましたので繰り返しませんが、いまじん・おーる・ざ・ぴーぽー・りびん・ふぉー・こみゅーん♪、ともに働き、ともに余暇を過ごし、すれ違う人々の多くが重なるならさぞかし息苦しいでしょう。農村においては働く場所が近接していますが、加えてコモンズ的共同財産(用水路等)がある以上、混住している都市勤労者をとりあえず捨象するなら、その色彩が濃くなるのも自然です。

#余談ですが、農業の労働生産性の向上(昔なら集落総出で各人の田んぼを順番に稲刈りをしていたのが、今では機械を使って自前で可能、等)によって当然ながら農村においてもつながりは薄くなっているのですが、農地改革がなければもっと生産性が向上し都市との格差が小さくなっていたのでは、という気がする今日この頃。やっぱり農業経営への企業参入拡大は強く望まれます。

都市住民といっても昔からそうであったのは少数で、その多数は戦後の人口移動で農村から出てきた者です。抱く感情が愛憎いずれかはさておき、そうした者であれば、そのような共同体性がいかなるものであるかを感覚的にわかっています。

しかし、その子は違います。ちょうど団塊世代の大量退職が間近となり、農村からの移住第一世代は次々と引退を迎え、第二世代が現役の中心を担うようになる中、次の徳保さんのご懸念は蓋然性を増しこそすれ、減りはしないでしょう。

農家が非常に少なくなって、農家の人が「ふつうの日本人」にとって「どこかの誰かさん」になっている中でこういったものが流行ると、どんどん誤解が広まってしまう。こうして根拠のない農村差別が始まるのか、と暗澹たる思いだ。

(略)

戦後、時間が経つにしたがって戦中を描くドラマや映画の描写がどんどん一面的になっていくわけだけれども、農村への誤解もまた同様に進んでいるように思われる。

「農家の人は今や「どこかの誰かさん」になっている?」(@趣味のWebデザイン6/7付)

以前webmasterが次のように書いたとき、違和感を表明されたのは他ならぬ徳保さんだったのですが、記された「暗澹たる思い」へ対処するには、やはりこの選択肢ということになるでしょう。

ちなみにwebmasterの管見では、あと30年ほど、つまり高度経済成長期の社会変動前の世代がほぼ死に絶えるまでの間は「国内対立が厳しい」でしょうから、その間は比例代表が望ましいのではないかと。

「2005年を振り返る(7)‐総選挙の先にあるもの」(2005/12/30付)

昔ながらの自民党を代表する政治家の凋落・小泉流政治スタイルの興隆は、こうした第一世代と第二世代の勢力逆転を抜きにしては語れないでしょうし、もはや第一世代が逆転するすべはないのですから。

[sports][media]PRIDE出場選手は破門! by CX

人気格闘技「PRIDE」の運営会社ドリームステージエンターテインメント(DSE)に契約違反があったとして放送打ち切りを決めたフジテレビが、PRIDE出場選手らを番組に出演させないよう、制作会社などに通達していたことが6日、分かった。マスコミ各社に契約解除のファクスを送った5日に通達したもので、関係者は「関連する人物、選手は一切、番組に出演させないようにという話が回ってきた」と明かした。

スポーツ報知「PRIDE出場選手、フジが起用禁止…各所に通達」

すでにこの手の「今後一切○○とは○○するな」ということを同業者達に通達するというのは「さる業界」におかれまして所謂「破門」とかが問題になる場合(ろじゃあは詳しくないのでなんともいえないところもあるのですが強制的に盃を返される場合というものがあるならそれも含まれるのでしょうかねえ)に「回状」という形で伝達されることになるものと似ているのではないかと報道に接した場合には感じてしまったのですがとのご指摘がろじゃあさんからなされていますが、世上噂されるようにDSEの暴力団関係者とのつながりが問題だというなら、どっちが暴力団だよと思わずにはいられない対応はネタであれば大したものです。

実際の破門状ってどうなのよ、とぐぐってみたところ、平成5年版警察白書に破門状が載っていたので、転載してみます。ただ、スキャン画像が小さく拡大してもよく読み取れなかった部分があったので、正確ではない可能性が大いにあることにはご留意ください(webmaster注:ソース上伏字になっていない部分について、固有名詞を中心に一部追加して伏せております)。

破門状

謹啓 時下御尊家御一統様には益々御隆盛の候大慶至極に存じ上げます。

さて、今般、元○○会専務理事 ○○一家 ○○組組長

○○○○(○○○才)○○在住

右の者己の良心を失い侠道上不都合の段多々有り依って一家一門協議の上、平成○年○月○○日付を以て「破門」と決定致しました。

従って今後は○○会並びに○○一家とは一切関係ありませんので御通知申し上げます。尚念の為御賢台様には理由の如何を問わず「縁組、客分、交友、商談、拾い上げ」等は一切固く御断わり申し上げます。 敬具

御賢台様

(差出人記名)

ファクスの文面と比べてみたい(笑)!

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2006-06-09

[sports]PRIDEファンは猪木を崇めよ!

このところ連日取り上げているPRIDE問題ですが、予定通りDSEの会見はあったもののサプライズはなく、それよりももっと重大なことが別途ありました。CXから絶縁くらったPRIDEに猪木が立ち上がりましたよ!

職がないやつはオレんとこに来い!元PRIDEエグゼクティブ・プロデューサーの“燃える闘魂”アントニオ猪木(63)が7日、東京・赤坂プリンスホテルで、フジテレビの契約解除によって崩壊の危機にひんしているPRIDE選手の救済に乗り出す姿勢を見せた。なお猪木はこの日、猪木ブランドの飲食店の展開に関する記者発表に出席。伝説の名店「アントン・リブ」が復活する可能性が急浮上した。

03年大みそかの「猪木祭」開催でタモトを分かったとはいえ、古巣の危機を黙って見過ごす燃える闘魂ではなかった。

といっても「青少年に夢を贈るビジネスとして、影があってはいけない。ギャラも上がっているし、形を変えない限り(厳しい)」と、PRIDEの存続に疑問符を付ける猪木が気にかけるのは、PRIDE本体というよりは選手たちだ。

猪木は「ケガしても頑張ってる気持ちは分かっている。選手はリングに上がっていくら、という立場。そういう場がなくならないように、我々は戦える場所を提供してあげるべき」と、選手の目線を強調。PRIDE戦士に「来いよ。何か応援できることがあったら訪ねて来てよ。スポンサーにもオレが交渉をつけてあげられる」と、メッセージを送った。

デイリースポーツ「猪木がPRIDE戦士を救う」

さすがは猪木です。もともとDSEに突きつけられている疑惑、すなわち暴力団とのつながりがあるのではとの問題については、記事でも触れられている2003年大晦日のイノキ・ボンバイエへのヒョードルらの出場にまつわるものだというのに、いけしゃあしゃあとこのようなことを言い出すなんて、凡百の人間になし得るものではありません。

「青少年に夢を贈るビジネスとして、影があってはいけない。ギャラも上がっているし、形を変えない限り(厳しい)」との発言も、影があっていけなければ自分がまず表舞台から退場だろうとか、ギャラが上がってるって今から安く買い叩く布石ですかとか、さまざまな想像を刺激してなりません。「来いよ。何か応援できることがあったら訪ねて来てよ。スポンサーにもオレが交渉をつけてあげられる」って、絶対自分のスポンサーを引っ張ろうと交渉する際に、見せ金よろしく使うつもりでしょう(笑)。

しかし、このような言動も十中八九、人並みはずれたポジティヴ・シンキング&都合の悪いことはすぐ忘れるという、彼の迷惑この上ない性格の賜物だろうと思うのですが、心のどこかですべて計算しているのではないかと考えさせられてしまいます。真相がどっちであっても惹きつけられてしまいますが、双方を感じさせることで相乗効果があり、彼がどんなことをしでかすのか一生見ていきたいと改めてwebmasterは思うのでした。

蛇足ながら気になるのが、さりげなく取り上げられている「アントン・リブ」の話。

回転寿司や居酒屋のチェーンを展開するジー・テイスト(本社・仙台市)が、今夏から猪木ブランドの外食ビジネスに乗り出すことを7日、発表。今夏から「アントニオ猪木酒場」を年内に直営3店舗、07年からフランチャイズで「3年で50店舗」(稲吉史泰社長)、展開する予定だ。契約料は5年で1億円。蒲郡出身の稲吉社長は「子供のころに行った、楽しかったアントン・リブを復活させたい」と、昭和50年代に猪木が経営した伝説のスペアリブ・レストランの復活も宣言した。

デイリースポーツ「今夏「猪木酒場」オープンだあ〜!!」

ああ、こんなところにも猪木の魔性に魅入られてしまった人間がまた一人。これから骨までしゃぶりつくされるのではという気がしてなりませんが、それも本望でしょう(笑)。

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2006-06-10

[economy]農家の経済学・前編:フリードマンは農家はケチであると語りき

一昨日取り上げた農家の恐ろしい実態 まとめサイトには、農家はケチであるといった話がよく出てきます。以下、それは実は極めて合理的な行動である、というお話を。

ケチであるとはどういう意味か、人によって受け取り様はいろいろあるでしょうけれど、経済学的には限界消費性向ないし平均消費性向が小さいことであると整理するのが妥当でしょう。限界消費性向とは、同一の所得・資産の場合に、一定の所得増のうちどれだけを消費に振り向けるかということです。年収500万円の人が2人(Aさん・Bさん)いて、所得が10万円増えたときにAさんが5万円、Bさんが8万円を消費を増やすなら、AさんはBさんに比べてケチであると。他方で平均消費性向は一定の所得に対してどれだけを消費に振り向けるかということで、先の例で所得増がないとして、Aさんが年に300万円を消費し、Bさんが年に800万円を消費するなら、おなじくAさんがケチということになります。

この限界消費性向がどのように決まるかについて、フリードマンが唱えたのが恒常所得仮説です。それがどのようなものか、この文脈で簡単に示すなら次のとおりです。

  1. 所得は恒常所得と変動所得からなる。
  2. 消費は恒常所得に依存し、変動所得の多寡は消費に影響を与えない。
  3. したがって、所得が増加した場合、その所得が変動所得であれば限界消費性向はゼロであり、恒常所得であればそれより大きな値をとるので、
    1. 所得増に占める変動所得の割合が高い方が限界所得性向は低くなる。
    2. 総所得に占める変動所得の割合が高い方が平均消費性向は低くなる。

この恒常所得仮説について、次のような指摘がなされています。

(略。なお、続く「二つの理論的仮説」は、上記の3.1・3.2のこと(webmaster注))この二つの理論的仮説は,フリードマン自身のものを含む,それまでの多くの実証研究と整合的であった.

まず家計のクロスセクションデータに比べて,時系列データの方が推計された限界消費性向が大きくなる傾向が存在するが,これは1 時点における家計間の所得のばらつきの多くが,年齢の相違や短期的な失業など,一時的な要因によっているのに対して,時系列データにおける所得変動のほとんどすべてが技術進歩などその影響が恒久的に持続するショックを反映していると解釈できる.次に,農家の限界消費性向が非農家のそれに比べて小さいことについては,農家の所得変動に占める変動成分の寄与が非農家のそれに比べて大きいことで説明される.また同じ所得階層に属する白人家計と黒人家計を比較した場合,白人家計の平均消費性向が黒人家計のそれよりも大きくなることは,(恒常所得水準の違いを示す)両者の平均所得の違い(白人家計の方が多い)によって説明できる.

石原秀彦「所得変動と消費: 理論的帰結と実証上の問題点」, pp13,14(webmaster注:強調はwebmasterによります。また、ページはpdfファイルのそれではなくペーパーに振られたものです)

なぜ変動成分の寄与が農家において相対的に大きいかは、生鮮食料品の価格変動の大きさや、収穫量が自然環境等に依存していることによりますが、農家がケチなのは実証的に確かめられている(そしてそれも当然だ)というのが引用部の結論です。わかりやすい例としては、全国的に不作で価格が高騰した際に豊作となり大儲けしたからといって派手に使ってしまったら、翌年逆に価格低迷・不作の組合せで収入が激減した際に生きていけないので、そうした大儲けがあっても使わずに貯めておこうということになります。

さらに申し上げるなら、流動性リスクが高いのも農業の特徴といえますので、その影響もあるとwebmasterは思います。収穫・売却してしまえば、その代金で翌年の収穫・売却までやりくりせねばなりません。日銭が稼げない商売の払いが渋いのも、また当然であるといえましょう。

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bewaad [>いずみんさん trackbackありがとうございます。 個人でやるのに限界があるのはある意味当然で、そうでなかっ..]

のびた [>インサイダー取引を自由化する代わりに、手口情報も完全に公開ということにしてしまえば これなんですけど、数年前、証..]

bewaad [>のびたさん ご存知かもしれませんが、効率的市場仮説には、 strong form semi-strong form..]


2006-06-11

[economy]農家の経済学・中編:兼業農家への道‐所得変動リスク・流動性リスクをヘッジせよ(上)

昨日書いたように農家がケチであるのが、所得変動リスク・流動性リスクが高いことの帰結であるならば、ケチでなくなるためにはこれらのリスクをヘッジしなければなりません。そのために有効なのは、異なる変動パターンを持つ所得源を併せ持つことです。MPT(Modern Portfolio Theory)において、異なる価格変動パターンを持つ有価証券を多様に組み込んだポートフォリオは、1つの有価証券よりも同じ期待リターンなら期待リスクは低くなり、同じ期待リスクなら期待リターンが高くなるように、複数の所得源を確保すれば総所得の変動は小さくなりand/or時間当たりの労働単価は上昇することでしょう。

となると、兼業農家化というのはこれまた合理的選択の結果であったといえます。農業以外で所得を稼ぐというのは、まさに適切な変動リスクヘッジであることに加え、それが給与所得であれば月給がもらえるのですから、流動性リスクもまたヘッジされることになります。

しかしながら、実は兼業農家の未来はあまり明るいものではありません。なぜそのようなことになってしまうのか、兼業農家が明るい存在であることを許された環境が変化するからですが、その環境とは何かを見ていきましょう。

農水省の統計によると、兼業農家が大幅に増えたのは戦後では昭和40年までのわずかな期間に過ぎません。具体的に数字を引っ張ってくれば次のとおりです(webmaster注:年の後に「(販)」とあるのは販売農家(=除く自給農家)ベース)。

総農家数 (a)専業農家数兼業農家数 (b)兼業農家比率 (b/a)
S225,909,2273,274,5692,634,65844.6%
256,176,4193,086,3773,090,04250.0%
306,042,9452,105,3003,937,64565.2%
356,056,6302,078,1243,978,50665.7%
405,664,7631,218,7234,446,04078.5%
455,402,190844,8284,557,36284.4%
504,953,071616,4324,336,63987.6%
554,661,384623,1334,038,25186.6%
604,376,013626,1433,749,87085.7%
60(販)3,314,931498,2992,816,63285.0%
H2(販)2,970,527473,3592,497,16884.1%
7(販)2,651,403427,5842,223,81983.9%
12(販)2,336,909426,3551,910,55481.8%

数のピークは昭和45年ですが、40年を境に増勢は明らかに衰えていますし、50年以降は比率ではかえって下がってきています。この昭和40年以前というのはいかなる時代であったか、それは機械化の時代だったのです。農水省作成の「くらべてみよう昔といまのコメ作り」というページがありますが、そこで江戸時代と平成のほかに昭和30〜40年代が掲げられているのは、まさにその時代に稲作が一変したからでしょう。

それまでの労働集約型から資本集約型へと変貌を遂げた結果、農民が農業に費やさなければならない時間は格段に短くなりました。それまでは小規模な自給的農家が(とりわけ第二種)兼業農家の主流でしたが、というのも一定の広さの農地を持てば、他で働く余裕などそれほどなかったからでしょう。それが農業機械(とそれに先立つ化学肥料・農薬)の普及により、兼業するだけの時間を作り出すことができたわけです。田植えや稲刈りだからといってお互いに協力し合わなくてもいいわけですし(幸いにして田植え時期はゴールデンウィークと重なります)、他の作業は週末で十分対応可能です‐例えば日常の草刈は除草剤で代替する等により。

それだけの資本集約をしてなお農業が割に合う前提は、農産物価格が高い水準に維持されることです。ただでさえ農業用機械は稼働率が低くならざるを得ない‐耕運機にせよ田植え機にせよコンバインにせよ、それを使う局面は限られていますから、それ以外の時期には単なる不稼動設備に過ぎません‐ことに加え、零細経営が多いという日本の事情がさらに資本効率を悪化させます。自然体でそれら機械を作れば狭い農地にはオーバースペックですし、逆に狭い農地用にスペックを落とせば割高にならざるを得ません。それだけの無駄な投資をしてもペイするだけの高い農産物価格というのが、平日はサラリーマン・休日は農民というタイプの兼業農家を合理的選択足らしめていたのです。

しかし今や、農産物の貿易自由化や財政支出の削減により、農産物価格はトレンドとしては超過利潤が剥がれていく方向にあります。そのような超過利潤が中長期的にはなくなるのであれば、兼業農家にとって農業は継続するだけ損だということになってしまいます。既述のリスク分散効果がありますから、ある程度収益性が低くても兼業の利益は残りますが、それも低いとはいえ利益が見込めればの話。損失しか生まないのであれば、リスク分散もへったくれもありません。

#逆相関の程度によっては、平均的に見て赤字であっても見合うことはあり得ますが。

一般論として、絶対水準として他産業に生産性に劣る産業が存続することは極めて困難です。他国との関係で比較優位にあれば話は別ですけれども、多くの産品において高関税等により保護していることからも、現状が比較優位にないことは明らかでしょう。かといって資本効率を上げればよいかといえば、機械の能力に見合った(=効率的な機械使用が可能な)面積で農業を行うとなれば、休日だけでこなすのは困難になってきます。

では、日本の農業はこのまま衰退していくしかないのでしょうか?

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2006-06-12

[economy][politics][media]「笑えない未来像」のファーストステップ

東京株式市場の日経平均株価が1万5000円を割り込んだ。欧米、アジアなどの市場も値を下げ、徐々に危機感も高まっている。

まず、強調しておきたいのは、現在日本の実体経済に大きな不安材料は、ほとんど見当たらない点だ。企業収益は過去最高を更新中で、景気の拡大基調は続き、戦後最長だった「いざなぎ景気」超えさえ視野に入っている。

にもかかわらず、米金融当局者の発言や原油価格、インフレ懸念、景気減速不安などが、そのつど材料とされ、株価は下げ続けている。

昨年末の欧州中央銀行の利上げに続き、今年3月には日銀が量的緩和政策を解除した。世界的な低金利で、余ったお金が株式に向かっていた環境が変わったのは確かである。

ただ、日本には、こうした“マネーの流れ”に加え、別の要因もあることを見逃してはならない。

まず、ライブドア、大手監査法人、村上ファンドなどの不正が相次いで発覚し、一般投資家が「やはり株式市場は不公正」との警戒感を抱いた。これに小泉純一郎首相の任期切れを前に、改革推進力が衰えてきているとの見方が加わった。重要法案の先送り、「骨太の方針」決定の遅れ、腰が引けた消費税上げ論議などで政権のパワーが落ちたとの指摘は多い。

これまでの株式市場の活況は改革期待に負うところが大きかっただけに、改革が失速しないか、という投資家の不安心理が醸成されているのだ。

東京市場の現状は、昨年来の株価急騰の反動もあり、まだ危機的状況とはいえない。しかし、株価が下げ止まらぬようでは景気に悪影響を及ぼす。金融正常化のステップである日銀のゼロ金利解除も必要以上に遅れかねない。投資家の不安感を助長する要因の払拭(ふっしょく)が急務なのだ。

7日には、証券取引の透明性向上をめざす金融商品取引法が成立した。同法の活用も含め、市場の信頼回復は最優先課題だ。ポスト小泉候補が明確な改革へのビジョンを示すに至っていないだけに、少なくとも、骨太の方針は、次期政権の改革継続を担保するものにならなければなるまい。

好景気に気を緩めるようでは、市場に足をすくわれかねない。

産経「株価下落 好況に気が緩んでないか」(6/11社説)

「好況に気が緩んでないか」というタイトル自体シバキ主義の香り芬々ではありますが、予想どおりマイナスの気配は改革不足だという主張が出てきました。ゼロ金利解除を望ましいものとするのもいかがなものでしょう。

さらには、市場よりもファンダメンタルズを正確に理解しているといわんばかりの態度も気になります。小さな政府だのなんだのと主張するなら、市況が正しくファンダメンタルズを反映しているとの立場で、謙虚に市場の声に耳を傾けるべきでしょう。例えば次のように。

東京株式市場の日経平均株価が1万5000円を割り込んだ。欧米、アジアなどの市場も値を下げ、徐々に危機感も高まっている。

まず、強調しておきたいのは、現在日本の実体経済は不安材料が少なからずある点だ。企業収益は過去最高を更新中で、景気の拡大基調は続き、戦後最長だった「いざなぎ景気」超えさえ視野に入っているとは言え、成長率の絶対水準は低く、これまでの長きにわたるデフレ不況の落ち込みを取り戻すには遠く及ばない。

こうした環境において、米金融当局者の発言や原油価格、インフレ懸念、景気減速不安などが、そのつど材料とされ、株価は下げ続けている。

昨年末の欧州中央銀行の利上げに続き、FRBも利上げ打ち止めには抵抗を示す。輸出そのものや輸出産業の設備投資という外需依存の景気回復下で、海外の動向が景況感を悪化させるのは確かである。

ただ、日本には、こうした“外需の動向”に加え、別の要因もあることを見逃してはならない。

まず、量的緩和の解除が強行され、一般投資家が「やはり日銀の狙いは利上げ」との警戒感を抱いた。これに財政改革の議論が本格化し、国民負担が増加するとの見方が加わった。定率減税の廃止、年金保険料の引上げ、タイミングを計る消費税上げ論議などで消費のパワーが落ちるのではとの懸念がある。

これまでの株式市場の活況は改革期待に負うところが大きかっただけに、改革が実際に「痛み」をもたらし出すと、ファンダメンタルズに関する投資家の不安心理が醸成されてくるのだ。

東京市場の現状は、昨年来の株価急騰の反動もあり、まだ危機的状況とはいえない。しかし、ファンダメンタルズが改善しなければ株価が大底を打つこともない。金融正常化の前提となるデフレ脱却も必要以上に遅れかねない。投資家の不安感の根源にある要因の払拭(ふっしょく)が急務なのだ。

7日には、証券取引の透明性向上をめざす金融商品取引法が成立したが、ファンダメンタルズが回復しているなら、金融事件も一時の波乱要因だ。ポスト小泉候補も多かれ少なかれ改革路線を引き継ぐと予想されるだけに、少なくとも、日銀の金融政策は、持続的なマイルドインフレを担保するものにならなければなるまい。

好景気に気を緩めるようでは、市場に足をすくわれかねない。

[economy][politics]日本ってやっぱりマイナーなんですね(笑)。

【サンクトペテルブルク杉尾直哉】G8財務相会議に出席していた谷垣禎一財務相は会議後の会見で、世界的な経常収支の不均衡是正のため、日本が財政健全化を含む構造改革を求められたことを明らかにした。米国はさらなる財政健全化を、欧州・ロシアも構造改革を求められたが、突っ込んだ議論はなかったという。

毎日「G8:日本は構造改革求められた 谷垣財務相」

アメリカが財政健全化すれば経常赤字が収縮しますから、「世界的な経常収支の不均衡是正」には役立つでしょう。ヨーロッパの構造改革は、高止まりしている失業率を下げるという趣旨であれば誰も困る話ではありません。しかし、日本の財政健全化って何をどうしたいのでしょうか(笑)。非関税障壁云々はともかく、内需拡大を求めたブッシュ、クリントン時代のアメリカにも劣る水準の議論です。

まあG8に経済学的にまっとうな話のみがなされることを期待すべくもないのは当たり前ではありますが。

[comic]現在官僚系もふ・第55話

先週指摘したところ、委員差し替えがなされ&バッヂをきちんとつけているではありませんか! うち、チェックされてるのかなぁ(笑)。

#委員差し替えはネームのスケジュールを考えると多分ないでしょうが、バッヂはまんざら絵空事でないかも(笑)。

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2006-06-13

[economy]農家の経済学・後編:企業経営への道‐所得変動リスク・流動性リスクをヘッジせよ(下)

一昨々日・一昨日と書いた日本の農業のこれまでたどってきた道筋・現在直面する課題を改めてまとめれば次のようになります。

  • 作況や価格の変動が大きく、基本的に収穫時に所得が集中するため、農家は給与所得者に比べ所得変動リスク・流動性リスクが大きい。
  • これまでは、省力化投資(機械化や農薬・化学肥料の使用等)による労働集約型から資本集約型への変化に伴い生じた余暇を給与所得の獲得へ振り向けることにより「分散投資」を図り、そうしたリスクをヘッジすることが可能となった。
  • しかし、そうした資本集約型農業をペイさせてきた農業保護政策=農産品価格維持が行われなくなっていく傾向にあり、将来的には兼業農家(とりわけ第二種)は農業を廃業した方が合理的な選択となるだろう。

ではどうすれば日本の農業の未来が開けるのでしょう。といっても話は簡単、基本は次の2つです。

  1. 低価格農産品でも利益が出るよう効率化する。
  2. 政策支援が無くとも高価格を維持できるよう産品の付加価値を高める。

1つめの道を進むには、導入した機械を効率的に使用する、つまり面積を拡大するのが第一歩となります。もともと労働生産性は高いのですから、資本生産性を上げてやれば少なくとも国内の他産業に比べての生産性格差は解消できるでしょう。こうなると週末だけで農作業を終わらせることは難しくなり、過程で兼業農家として給与所得も縮小せざるを得なくなるでしょうけれど、兼業でどちらを選ぶかとして農業を選ぶのですからある意味必然ではあります。

この場合の問題は、結局は問題が振り出しに戻って所得変動リスク・流動性リスクが拡大することです。稲作をモデルとするなら二毛作という手である程度はヘッジ可能ですが、連作を続ければ土地が痩せてしまいますし、主要な米どころである東北・北陸地方では降雪を考えると二毛作にも限度があります。稲作以外では、例えば果樹栽培ですとそもそも二毛作が成立しません。

二毛作は時間を利用した「分散投資」ですが、これに限度があるなら面積で勝負することになります。複数の田畑で同時並行的に多品種を栽培し、産品の作付期間によっては二毛作にとどまらず三毛作・四毛作と(部分休耕を組み合わせつつ)取扱いを増やしていけば、それぞれの価格変動パターンは異なるでしょうし、それぞれが不作・豊作となる自然条件も異なるでしょうから、所得変動リスクは相当程度ヘッジ可能です。むろん、収穫期が異なりますから流動性リスクもまた。

こうした農業経営を効率的に行っていこうとすれば、どうしても間接部門が必要となってきます。多種多様の産品に適した営農手法の習得までは、まだ農業者の自助努力でなんとかなるかもしれません。では、それらに必要な機械・資材の管理はどうでしょう? ましてそのファイナンスは? 産品のマーケティングは? 通常の作況管理は省力化するにせよ、規模拡大で効率化するなら種付け・収穫といった農繁期にのみ労働量が増えるのは避けなければなりませんから、農繁期を分散化させること等により人員・機械配置の最適化も図り、遊休経営資源を最小化しなければなりません。

こうしたことを考えれば、専門の担当者を置いた方が効率的になってくるでしょう。栽培品種を増やしたからといって作るものが箸にも棒にもかからなければ収益性を悪化させるだけですから、仮にメインの産品があるにせよ、他産品にもそれなりに頭は使わなければならないわけで、ごく一部の有能な者を除けばそれらを一人なり一家なりで抱え込むのは非現実的です。

若干脱線するなら、従来の農家にとっては、農協(や営農指導等を行う公的機関)がこのような間接部門の機能を部分的に代行していたという面があります。農協を通して出荷すると農家の取り分が少ないといった批判もありますが、それはこの関節部門機能の対価でもあったわけです。農協の言うように経営していれば大過なくやっていける、と。先進的な農家にとっては農協など邪魔だというのも、そのような機能は自ら賄うので不要であるにもかかわらず、対価だけは徴収されるのですから、当然の話です。

話を元に戻すなら、そのような経営にとっては企業形態が合理的となってきます。おそらく規模を相当程度拡大しても、単品栽培であればわざわざ専門の担当者を置かなくても、農業者の自助努力(経理の自習など)でなんとかなるでしょう。しかし、上記のようにそのような規模拡大ではリスクは大きなままで、安定的な経営は困難です。効率的な資本の活用とリスクヘッジの双方ために目指すべき規模拡大においては、企業経営がより適した選択なのです。

ちなみに、このような効率化を図っても、国際商品と同等の価格まで引下げるのは困難でしょうから、一切の保護政策が行われなくなった場合には、相当程度作付体系が変わらざるを得ないでしょう。非貿易財的な性質を有するもの、端的には長期保存が困難であるものを中心とした農業に変わっていくことが考えられます。最もわかりやすい例としては、稲作は脇役になっていくことでしょう。海外で栽培されているのはジャポニカでなくインディカが中心だって? 日本が輸入してくれるなら、喜んでみなジャポニカを作りますって。

他方、2つめの道は、例えば魚沼産コシヒカリを目指すものです。丁寧な営農を図ることで労働投入量は増えますが、その分だけ高く売れると。もともと機械を効率的に使用できるほどの規模で作付けをすれば、単位(面積≒作物)あたり労働量は減少して付加価値の源泉がなくなるので規模拡大指向も少なく、ましてそれが職人芸によるもので他人に伝授できないならおのずと規模には上限ができます。これなら企業経営は不要なのでしょうか?

所得変動リスク・流動性リスクをヘッジしないのであれば不要でしょう。しかしヘッジするなら実は話は1つめの道と同じことです。お百姓さんが丹精込めて、という気分を抜きに考えれば、先の例のコシヒカリにしても一般に労働量を投入しない稲作においては、というに過ぎません。もともと労働投入量が多い他の産品‐例えばハウス栽培の果樹‐と経済的には同じことと考えれば、ある一人ないし一家が受け持つ面積が小さいことは、経営として合理的に「分散投資」した全体の面積が小さいこととはイコールではないのですから。

えっ、農業者が農業に従事する給与所得者になるだけじゃないか? まあ、給与所得者並みにリスクをヘッジしようというのですから、考えてみれば当たり前の話ですよね(笑)。

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2006-06-14

[BOJ]村上ファンドに拠出した福井総裁の何が悪いの?

日銀の福井俊彦総裁は13日の参院財政金融委員会で、インサイダー取引事件で逮捕された村上世彰容疑者が率いた「村上ファンド」との関係について「(富士通総研理事長だった1999年秋に)有志数人で私も入り、1人1000万円を拠出した」と述べ、同ファンドに個人資金を拠出していたことを明らかにした。

福井総裁は99年に村上容疑者がファンドを立ち上げた際、「具体的な投資活動のアドバイスをしないとの約束の下、(アドバイザーを)引き受けた。報酬もない」と強調。「総裁就任時にアドバイザーは辞めた」とした。その上で「拠出もやめるというのも一つの考え方だったが、私だけが抜けるというのが適当かどうかという仲間内の意識もあった」と述べた。

拠出金から得た利益に関しては「キャッシュアウト(現金化)したことはない」とし、「帳簿上の利益は確定申告して納税している。もうかっているという感じではない」と表明。拠出金は「数カ月前に解約の申し入れをしている。今月末に清算される」と述べた。

日経「日銀総裁、村上ファンドに1000万円」

木走さんやBaatarismさんはアドヴァイザーを総裁就任後も継続したという前提で次のように批判されていますが、上記引用のとおり総裁就任時には辞めたとのことですので、責められるいわれはないでしょう。

そのような特別な役割を有する日本の中央銀行の最高責任者である福井俊彦日銀総裁が、設立に深く関与した一民間企業の出資者兼アドバイザーという関係を、出資時点では民間人であったかも知れませんが、日銀総裁就任以降も3年以上も継続していたということは、どう説明なさるのでしょうか。

「株価暴落まで招いた日銀総裁と村上ファンドの関係〜揺らぐ「日本銀行の独立性と透明性」」(@木走日記6/13付)

この件については「木走日記」さん(id:kibashiriさん)が詳しく説明してます。この記事によると、福井氏は日銀総裁就任後も資金を回しなかったばかりでなく、村上ファンドのアドバイザリー活動を続けていたようです。6/6の記事で紹介したlivedoor ニュースの記事は、このことを指していたのでしょう。

「福井日銀総裁のいろんな疑惑」(@Baatarismの溜息通信6/13付)

ついでに申し上げるなら、日銀法の規定は次のとおりですから、仮にアドヴァイザーを続けていたとしても、証言どおり無報酬であったのなら、法的には何の問題もありません。批判するなら福井総裁個人ではなく法の不備を対象とすべきでしょう。

(役員の行為制限)

第26条 日本銀行の役員(参与を除く。以下この条、第31条及び第32条において同じ。)は、在任中、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 国会又は地方公共団体の議会の議員その他公選による公職の候補者となること。
 二 政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をすること。
 三 報酬のある他の職務(役員としての職務の適切な執行に支障がない職務の基準として第32条に規定する服務に関する準則で定めたものを満たすものと委員会において認めたものを除く。)に従事すること。
 四 営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。

2 日本銀行の役員が国会又は地方公共団体の議会の議員その他公選による公職の候補者となったときは、当該役員は、その役員たる職を辞したものとみなす。

さらに木走さんは次のようにも指摘されています。

また「ガバナンス(企業統治)に関し大所高所からアドバイスしたことはあるが、役員としての契約はせず報酬も受けていない」としましたが、いくらご本人が資金拠出の目的を「応援の意味で」と述べ、自身の金儲けではないことを強調しても、記事結語にあるように「結果的にはファンドから利益を得たうえ、村上容疑者の活動を側面支援した形になる」と指摘されても仕方ないでしょう。

「株価暴落まで招いた日銀総裁と村上ファンドの関係〜揺らぐ「日本銀行の独立性と透明性」」(@木走日記6/13付)

福井総裁が自身の金儲けのためでなかったとすること自体、世間的プレッシャーを感じさせるわけですが、既述のアドヴァイザリー契約から切り離せば、ファンドへの拠出は単なる投資行為です。次のように完全な一任運用とのことですから、拠出の性格もいわゆるGP(General Partner)的なもの=株主的なものではなく、LP(Limited Partner)的なもの=純投資的なものだったと解せられます。

日銀総裁就任時に解消すべきではなかったかとの指摘に対しては「就任時にアドバイザーは辞めた。ファンドへの拠出を止めることもひとつの考え方だったと思う」としながらも、「私だけが、あの時点で抜け出すことが適当かは、富士通総研の仲間うち意識があった。また、このファンドは一切投資家の指図で動くわけではない、完全な一任勘定。他の投資信託と同じように、このまま置いた。利殖の対象として操作可能なものではないという認識だ」と解約せずに継続した理由を説明した。

朝日(ロイター)「福井日銀総裁の村上F資金拠出で波紋、ゼロ金利解除観測の後退も」

例えばある銀行に預金していて、偶々その銀行が違法行為をしたら、「結果的には銀行から利益を得たうえ、銀行の活動を側面支援した形になる」とでも言うのでしょうか? そんな締め付けをするなら、まるまるタンス預金にするぐらいしか資産管理のすべはなくなってしまいますが、そのような行為制限が合理的であるとはwebmasterには思えません。

同様に、本件は日本銀行員の心得7.(2)の「現担当職務と個人的利殖行為との間に直接的な関係がなくとも、過去の職歴や現在の職務上の立場等に照らし、世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。」に違反しているのではと田中秀臣先生がご指摘ですが、ここで言う「疑念」とは7.(1)の「職務上知ることができた秘密を利用した個人的利殖行為は、厳に行ってはならない。」に反しているとの疑念であると解すべきでしょう。であるなら考査権の及ぶ日銀当座預金開設金融機関への預金口座等の開設の方がよほど問題であるとしなければ論理的に整合しません。銀行口座すら持つなという話であればともかく、そうでないなら矛盾するのではないかと思うのですが、いかがでしょう?

村上容疑者が法に触れる行為をしたというなら相応の対応がなされるべきでしょうし(といってもメディアの「推定無罪」という語を知らぬかのごとき報道姿勢には、彼に限らずいかがなものかと思いますが)、当サイトの読者であればwebmasterの福井総裁へのしつこい批判(笑)はよくご承知かとは存じますが、このような福井総裁批判は筋が通らないのではないでしょうか。これでは、先に引用の朝日(ロイター)記事の表題のごとくゼロ金利解除がくじかれたとしても、少なくともwebmasterにとっては、素直には喜べる話ではないですねぇ・・・。

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2006-06-15

[BOJ]福井総裁は絶対に辞任すべきではありません

昨日は他の方の意見への反論という形でエントリをまとめたので、本件についてのwebmasterの意見をきちんとは表明していなかったので、今日はまずそれを書きたいと思います。次いで、昨日のエントリにいただいたご意見の中から主要なものとして、量的緩和解除との関係でインサイダー取引類似の問題があるのではというものを取り上げてみたいと思います。田中先生の、中央銀行の信認との関係で問題があるのでは、というご指摘もその延長線上にあるものだと思いますので、あわせて。

本件についてのwebmasterの意見ですが、表題が示すとおり辞任には反対です。もちろん本件において福井総裁の思慮が足らなかったのは議論の必要もないことです。しかし、辞任が望ましいかどうかは別の話でしょう。中央銀行総裁の辞任が求められるのは、何よりも金融政策の失敗、それに違法行為であって、倫理的・道義的に問題があるといって辞任につながるようでは中央銀行の独立性も何もなくなってしまいます。よって断じて辞任すべからず。

#逆説的に言うなら、騒がれる前に辞任していればよかったのですが、これだけ騒ぎになった以上辞任すべきでないということです。

続いてインサイダー疑惑ですが、誰も証券取引法上のインサイダー取引だと言っているわけではないでしょうから、「日本銀行員の心得」違反かどうかの問題であると整理します。該当部分を改めて引用すれば次のとおりです。

7.個人的利殖行為

(1) 職務上知ることができた秘密を利用した個人的利殖行為は、厳に行ってはならない。

(2) 現担当職務と個人的利殖行為との間に直接的な関係がなくとも、過去の職歴や現在の職務上の立場等に照らし、世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。

日本銀行員の心得

本来は日銀が「疑念」がいかなるものかをきちんと規定しておくべきだったのですが、そうも言っていられないので解釈してみましょう。

#以下、法学的な論考が続きますので、そんなのにつきあってらんないという方々は、田中先生の昨日紹介のエントリでの田中先生vs山形さんのコメントの応酬をご覧下さい。webmasterの議論の法学的検討を脇においての枠組みは、そこでの山形さんのご主張と同じものです。なお、田中先生と山形さんの議論が行き違っている最大のポイントは、山形さんが「心得」違反であるとは限らないのではないかという意味で「クロ」という言葉をお使いの一方で、田中先生は実際にインサイダー的な取引であったかどうかの意味で「クロ」という言葉をお使いで、山形さんの「クロ」とは限らない=「心得」違反であるとは限らないのではとのご主張を、「クロ」とは限らない=インサイダー的な取引であるとは限らないというものと受け止め、「心得」違反であるかどうかについての異論とは認識されていらっしゃらないところであるとwebmasterは思います。

まずどのような行為に関する「疑念」であるかですが、(1)(2)の位置関係からして「『職務上知ることができた秘密を利用した個人的利殖行為』を行っているのではという世間の『疑念』」であるとしか考えられません。具体例を考えるなら、日銀のプルーデンス担当職員がたまたま家を買おうとしていて、ある銀行の定期預金を解約して頭金に充てようと銀行の窓口で昼休みに手続をしていたら、携帯にその銀行が夕方に破綻を発表するとの情報が入ったら、テラーに「やっぱり解約はやめます」と言って帰れといったものでしょう。解約自体は職務上知ることができた秘密とは無関係に判断していても、業務の公正性が疑われるので泣き寝入りしろ、そういうことです。

次に「疑念」の性質は何でもよいかですが、やはりそれなりの合理性・論理性が必要でしょう。そうでなければ、めちゃくちゃな言いがかりであっても規則に抵触ということになってしまいます。後の議論のために、合理性・論理性があるかどうかをどう判定するかを次のように分類してみます。

職務上した行為の正当な理由の有無
金融引締めがなされる際に、それは総裁が保有する銀行預金の利子収入を増やすために行うものではないか、といった疑念です。この場合、職務上の行為が正当であるかどうかによって疑念が「心得」上の「疑念」であるかどうかが判断されるでしょう。インフレ懸念があるとの判断に合理性・論理性が認められれば言いがかりでしょうし、さもなくば「疑念」である可能性は高くなります。
職務上した行為と個人的利殖行為の因果関係の有無
考査の結果銀行の破綻が明らかになった際に、その前に総裁が外貨資産を買っていた場合、金融不安から円安になると見込んでのインサイダー取引だ、といった疑念です。1998年の日本のような情勢においてメガバンクが破綻、といったような場合であれば合理性・論理性が認められやすいでしょうし、全体の健全性に係る懸念がない状況下での小銀行の破綻であれば、まず言いがかりと考えて差し支えないでしょう。

本件において前者、つまり本来は量的緩和を解除すべきでないと考えていたにもかかわらず、村上ファンドとの投資契約の終了によって利益を得るために判断を枉げて解除した、ということを指摘する方はいらっしゃらないでしょうから、本件の疑念が合理性・論理性のある「心得」上の「疑念」に該当するかどうかは後者に絞って検討してみましょう。

量的緩和解除がなされることを与件とし、それならば投資契約を終了した方が得だと見込むのであれば、量的緩和解除により村上ファンドの時価総額が下がることを予想しなければなりません。村上ファンドの値動き特性がどうなっているかはwebmasterにはよくわからないので、とりあえず日本の株式市場全体に連動するものと仮定します。

日本の株式市場の時価総額が量的緩和解除により下がると予想していたのではとの疑念について、予想時点においてその合理性・論理性が認められるには、次の2つの場合が考えられます。

  1. 多くの者が量的緩和が解除されれば日本の株式市場の時価総額が下がると考えていて、福井総裁もそれに同調していたように見える場合。
  2. 多くの者は量的緩和が解除されても日本の株式市場の時価総額が下がるとは考えていなかったけれども、下がると予想する合理性・論理性のある主張が存在した場合。

なぜわざわざ2種類挙げたかといいますと、前者であればどのようなロジックで下がると考えていたかは無視できるからです。仮に誤ったロジックで下がると考えていた(=ファンダメンタルズは上がるべき状況にあった)ところで、一般の下がるとの見込みを首肯していたのですから、疑念を抱かせたことについて責任を観念することが可能です。

現実は後者でしたので、今年の2月の時点で金融政策の動向に基づき時価総額の推移を見通す主張の合理性・論理性が問題となります。あり得る主張を列挙するなら、次のようなものでしょう。

量的緩和の解除による長期金利上昇の効果で時価総額が下がる
一般に金融政策が効果を現すにはタイムラグがあるので、当面は下がらないと見込むべき、つまり合理性・論理性ある主張とは認められません。
量的緩和の解除が持つレジーム転換の効果で時価総額が下がる
合理性・論理性ある主張ですが、レジーム転換の効果はいわゆる地均しの段階で生じていてインサイダー情報に基づくものではないので、そもそもインサイダー疑惑を構成しません。
2004年前半に為替介入との協調緩和が終了した効果がタイムラグを伴って現れて時価総額が下がる
合理性・論理性ある主張ですが、インサイダー情報に基づくものではないので、そもそもインサイダー疑惑を構成しません。

つまり、いずれもインサイダー疑惑であると責任追及するには適切でないものばかりです。言い換えるなら、インサイダー疑惑を追及するには、量的緩和解除には2、3ヶ月の間に時価総額を引下げる効果があると量的緩和解除の時点で予想する合理性・論理性を認定する必要があることになります。そうでない限り、量的緩和解除の後に時価総額の下落があったという時間的前後関係から逆算して量的緩和解除時のインサイダー疑惑を認定していることになってしまうとwebmasterは考えます。

最後に田中先生のご所論ですが、先に紹介のコメントもあわせ考えますと、「心得」違反であるかどうかはさておき、中央銀行がよって立つ信認を傷つけた結果責任を追及されているのではないかとwebmasterは思います(当該規定は「慎まなければならない」なので、結果責任は読めませんが、されはさておき)。それはそれで一つのお立場ですが、次のような事例においても結果責任を追及するものでない限り、ご都合主義ということになってしまうのではないかと思います。で、そうした事例では結果責任を追及するのは不適当だとwebmasterは考えますので、賛成できません。

デフレ下においてリフレ政策を採用しようとした日銀総裁に対して、政治家・メディアから通貨の信用を傷つけハイパーインフレを招こうとする愚策だとの批判が高まり、さらには外貨資産の保有が明らかとなり円安によるキャピタルゲイン狙いとの声もあります(当該外貨資産の保有における法律違反はないものと仮定します)。そうした中で日銀がリフレ政策の採用を強行した結果、市場は混乱に陥り株価も下落しました。さて、この場合における日銀総裁は辞任すべきでしょうか、それとも辞任すべきでない?

蛇足ながら(「最後に」と書いた後でなんですが)、以下まとまらない雑感を。

  • 民主党の本件をきっかけとした政局狙いの言動は、統帥権干犯問題における犬養毅率いる政友会のそれになんとなくイメージが重なります。ヴェクトルは逆ながら、どちらも「独立性」を巡る問題ですし・・・。
  • 昨日のエントリへのコメントで田中先生がご紹介のぐっちーさんのエントリ、神父や教師のような道徳が求められるって、じゃあそれらの有資格者であることを日銀総裁任命の必要条件にでもしますか(笑)?
  • 当サイトのコメントでは幸いにして見かけませんでしたが、「瓜田に履を納れず李下に冠を正さず」に反しているから問題だなんて意見も見ます。これは人生訓ではあっても責任追及の理屈にしてはダメでしょう。疑われるようなことをする方が悪いというのでは、冤罪大歓迎ってことになってしまいます。
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2006-06-16

[economy][politics][government]農家の経済学・appendix:農政も見ておきましょう

これまで次のように農家の経済構造を論じてきましたが、そのキーワードとなったのが政府による農産物価格維持政策でしたので、最後にその点を取り上げます。

  1. 農家の経済学・前編:フリードマンは農家はケチであると語りき
  2. 農家の経済学・中編:兼業農家への道‐所得変動リスク・流動性リスクをヘッジせよ(上)
  3. 農家の経済学・後編:企業経営への道‐所得変動リスク・流動性リスクをヘッジせよ(下)

なぜ価格維持政策を日本は講じてきたのか、直接の理由は以前にも触れたドメスティック・バイアスでしょう。古くはウルグァイ・ラウンドにおける米輸入解禁の際、新しくはBSEに関連した米国産牛肉輸入問題に当たって、国産農作物こそが信頼できるといった言説が各メディアに多く見られました。

#前者においては田園風景は伝統を保存する貴重な文化遺産だなんてのもありましたが、今の田園風景なんて戦後の産物なんですけれどもねぇ(笑)。

もう少し理屈っぽい話としては食糧安保論なんて議論がなされ、食料自給率を引き上げないといけないなんて議論もあります。JSFさんが歴史上の他国の例を引いて食料自給率が低くたって安全保障を達成する方策を論じていらっしゃるように、食料自給率自体は絶対的に引き上げなければならないものではなく、他の選択肢とメリット・デメリットを比較して検討されるべきものですが、とまれ、食料自給率が低いことは問題視されてきたのが実情です。

#仮に食料自給率を引き上げたところで、石油が輸入できない状態の仮定計算をすればガタ落ちするに決まっていますし、そうなればなんとか頑張って生産は出来たところで消費地に持ってくることもできないわけで、メリット・デメリットを比較すればデメリットが大きいに決まっていますが。えっ、食料は輸入できないけど石油は輸入できる事態においては意義がある? どういう事態か想像もつきません(笑。特定国との関係悪化をいうなら、輸入先を開拓すれば足ります)。

農産物価格維持政策がドメスティック・バイアスに基づくものであることは、例えば稲作の生産調整を見ればわかります。価格を高く維持しておきながら生産量の減少を図るなんてことはナンセンスそのものです。価格を自由化とは言わずとも低下させれば、おのずと生産量は減少するに決まっています。にもかかわらず、並存し得たのはなぜでしょう? 他の品目でよいから何らかの農業生産を続けさせたかったと考えれば双方のピースがうまく嵌ります。

webmasterの考えでは、価格を下げて生産量を調整した場合、稲作が行われなくなった農地が他の作物に転用されるとは限りません。農地には転用制限が課せられているので直接他用途に転用されることは少ないかもしれませんが、耕作放棄されてしまえば生産量はすぐにでも落ちますし、将来的には転用の防止も難しいでしょう。単に価格を下げて米の生産量を減らそうとすれば、農産物全体の生産量が減る可能性は高かったでしょう。

もともと農業は単位面積あたりの生産量には限界がありますから、多大な資本を投入できる環境が整えば、農地を第二次産業や第三次産業のための施設、つまり工場なりオフィスビルなり商業施設なりに転用してしまった方が土地の生産性は向上します。これらの施設であれば、投下する資本量の増加(工業機械の高品質化)や高層化により単位面積あたりの収益を数倍、数十倍に増やすことが可能ですが、農業はそうはいきません。消費地=都市部に近く、物理的にも平坦で、水や道路の便も確保されているという優良農地からどんどん転用されていくのが自然なのです。

価格が下がれば米の生産量が下がるし、だからといって他の産品の生産量は増えるとは限らない、という経済合理性を受け入れることができず、農地転用の規制というムチと転作への補助金というアメで農地面積・農業生産量の維持を図ったのが稲作の生産調整の実情でしょう。

もちろんこのような政策がとられてきた背景には農業関係者の強い政治力があり、その源流は・・・と考えると、「押し付け憲法」以上に「押し付け農地改革」を批判したくなってきますね(笑)。農地改革は寄生地主制を破壊し実際に農業を行う者の地位を向上させたものですが、労働者保護法制と同様に小作人保護を図れば、わざわざ寄生地主制を破壊しなくとも同様の効果をもたらすことは可能でした。農地改革でしか達成できなかった効果は何かと考えれば、戦前は社会主義運動の強固な支持基盤だった小作人層を自民党(及びその前身諸政党)の支持基盤に変えたことということになります。

まあそれはそれで戦後政治の安定化をもたらしたわけですが、戦前の寄生地主が軽工業等にも積極的に進出し、土地や資本の効率的使用に努めていたことを考えると、農地改革なかりせば、上記のドメスティック・バイアスと結託した小規模自営農の一所懸命的メンタリティの広がりもなく、企業的農業経営はおのずともたらされていたようにwebmasterは思います。その場合、食料自給率は今よりもっと低くなっていたでしょうけれど。

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2006-06-17

[BOJ]福井総裁に関する15日のエントリにいただいたコメントについて

コメント欄で後で別途とお断りいたしましたが、ここでお返しさせていただきます(webmasterの書き込み以前のものを取り上げます)。

田中秀臣先生のコメントについて

先生のエントリの更新チェックをせずに最新のコメントを反映していなかったのは完全にwebmasterの手落ちでした。申し訳ないです。以下、その余の点について。

中央銀行の信認について

<量的緩和解除との関係でインサイダー取引類似の問題があるのではというものを取り上げてみたいと思います。田中先生の、中央銀行の信認との関係で問題があるのでは、というご指摘もその延長線上にあるものだと>

これはいいとして、この認識を

<央銀行総裁の辞任が求められるのは、何よりも金融政策の失敗、それに違法行為であって、倫理的・道義的に問題があるといって辞任につながるようでは中央銀行の独立性も何もなくなってしまいます>

の倫理的・道義的問題にすりかえられてもなあ。bewaadさんの中では中央銀行の信認は、倫理的・道義的問題なのかしら?

http://bewaad.com/20060615.html#c01

あと昨日も反省したことですが、山形さんとの論争も一部分は、服務規程論争みたいになってますが、問題は中銀の信頼性という問題なんですよね。これbewaadさんは倫理的・道義的問題と解釈されてて面食らうのですが、もしこれを倫理的・道義的問題にするとインタゲもそうなっちゃいますよね。

http://bewaad.com/20060615.html#c04

田中先生ご自身によるご主張のまとめには次のようにあります(強調はwebmasterによります)。

6. 根拠レスかどうかは別問題(クロかシロか問題)。風説ではなく総裁の発言から生じた疑念が起きたこと自体がまずいからやめろ=服務規程違反。重要なのは市場への影響だけなのだ。(韓流)

7. えー、根拠なくていいのぉ??(1 に戻る/次へ)
でもそれだと後でシロだと判定されたときに市場への影響がゲロッぴにまずくない?(山形)

服務規程違反には総裁の発言という事実とそれからの疑念だけで十分。循環せず。たとえシロでも、疑念の発生とその責任を帳消しにはできない(関係ない)ので、この意味で市場は総裁のシロクロに責任もないしそれを問われる場所でもないずら(韓流)。

それと最後の
<でも疑念なんて風説でだって起こせるしシロであるという解釈>
だからあの服務規程の遵守が重要なんすよ。

「福井総裁は辞任せよ論争(小まとめ)」(@Economics Lovers Live6/15付)

強調部分から、服務規程違反であることが辞任を主張される前提であるとwebmasterは理解していました。よって服務規程の解釈上違反は導けないのではないか、という議論をさせていただきました(倫理的・同義的というのは法令等違反行為でないというとが本意ですので、すりかえだとおっしゃるのであれば法令等以外の要因による、とでも呼び方を改めるにやぶさかではありません)。服務規程論争と化しているのが不本意であるのでしたら、服務規程に違反していなくても市場の信認を失ったら辞任せよ、というご主張であると理解してよろしいのでしょうか?

そうであるなら、結果責任の問題ということで、後で取り上げさせていただきます。

#インフレターゲティングとの関係は、いかにして本件と同列に論じることが可能なのかがよくわかりません。

服務規程の解釈について

<具体例を考えるなら、日銀のプルーデンス担当職員がたまたま家を買おうとしていて、ある銀行の定期預金を解約して頭金に充てようと銀行の窓口で昼休みに手続をしていたら、携帯にその銀行が夕方に破綻を発表するとの情報が入ったら、テラーに「やっぱり解約はやめます」と言って帰れといったものでしょう。解約自体は職務上知ることができた秘密とは無関係に判断していても、業務の公正性が疑われるので泣き寝入りしろ、そういうことです。>

こんな例を私を含めて誰も考えてません。bewaadさんいわく<「疑念」の性質は何でもよいかですが、やはりそれなりの合理性・論理性が必要でしょう。そうでなければ、めちゃくちゃな言いがかりであっても規則に抵触ということになってしまいます>を踏まえて疑念を抱いているのです。

例えば昨日のドラめもんさんの発言http://www.fpeye.co.jp/fpeye/fpeye.php?fid=7を参照してください(bewaadさんはそこでドラめもんさんがあげた疑念の片方だけしか論じてませんが)。で、そのbewaadさんのドラめもん・田中的「疑念」への疑念についてですが(以下、田中はブログで疑念の中味についてはドラめもんさんんほかに○投げしてるので、申し訳ないですがドラめもんさんをご本人の意図とは違うかもしれないですが、利用させてください)。

http://bewaad.com/20060615.html#c03

「こんな例」って、服務規程上の疑念がどういうものかの例示だということがご理解いただけませんでしたでしょうか。表現が拙くて恐縮です。

ドラめもんさんの記事は拝読していますが、残る片方は検察・警察の捜査情報についてです。それが職務上知ることができた秘密なのですか? いつから日銀はその業務に犯罪捜査を加えたのでしょうか?

<量的緩和の解除による長期金利上昇の効果で時価総額が下がる
一般に金融政策が効果を現すにはタイムラグがあるので、当面は下がらないと見込むべき、つまり合理性・論理性ある主張とは認められません。 >

すみません。これはそう断言はできません。日銀の判断はフィッシャー公式のリフレ派的読解ではありません。例えばインタゲ批判の根拠で、インフレ期待が発生すると長期名目金利は期待インフレ率だけすぐ上昇するので期待実質金利は変わらないという理解が、日銀なるものではないですか? 総裁がリフレ派的見解をお持ちならいざしりませんが。

http://bewaad.com/20060615.html#c03

ここでは疑念の側の合理性・論理性を問題にしているのであって、つまりは市場関係者その他による福井総裁の行動に対する疑念のあり得べき内容を俎上に上げているので、福井総裁がどう考えていたかはこの文脈ではどうでもいい話です。市場において持たれている疑念が合理的・論理的である場合に、はじめて疑念を持たれたことが問題になるとした上で、その合理性・論理性を検証したものです。

<量的緩和の解除が持つレジーム転換の効果で時価総額が下がる
合理性・論理性ある主張ですが、レジーム転換の効果はいわゆる地均しの段階で生じていてインサイダー情報に基づくものではないので、そもそもインサイダー疑惑を構成しません。 >

日銀自体は「レジーム転換」ではない(=以前、設定した解除ルールにしたがっているだけ)と明言してますので「レジーム転換」の認識もないし、関係ないかもしれませんが私(あるいは安達さんとかも)も自分たちの用語で「レジーム転換」ではないと理解してますが? この場合、過去に定められた解除条件をみたした、みたさないという判断が内部情報になりえます。

http://bewaad.com/20060615.html#c03

日銀の解釈はどうでもいいというのは既述のとおりです。金融政策の変更が即時に影響を及ぼすとすれば、それは市場がレジーム転換があったと認識する場合でしょうし、地均しがあってはじめて「解除条件はそう解すべきだったのか」と認識する者が相当数いれば、まあレジーム転換ではないにせよ、レジーム転換と類似の影響を及ぼすことになるでしょう。その場合における重要な時点は地均しがなされた時点であって、日銀の内部での観察・判断の時点ではありません。

結果責任について

<問

デフレ下においてリフレ政策を採用しようとした日銀総裁に対して、政治家・メディアから通貨の信用を傷つけハイパーインフレを招こうとする愚策だとの批判が高まり、さらには外貨資産の保有が明らかとなり円安によるキャピタルゲイン狙いとの声もあります(当該外貨資産の保有における法律違反はないものと仮定します)。そうした中で日銀がリフレ政策の採用を強行した結果、市場は混乱に陥り株価も下落しました。さて、この場合における日銀総裁は辞任すべきでしょうか、それとも辞任すべきでない? >

ハイパーもキャピタルフライトも起きないし、市場が混乱・株価も下落もリフレ政策では起きないのでなんと答えたものか??  とりあえず日本経済が金融政策の稚拙な失敗から大混乱に陥れば、総裁の辞任は選択としてありでしょう。それが総裁の個人的な快楽ゆえの「疑念」(例えば総裁がしねしね団の団員であったとバクロされた場合など)と合わせ業になれば辞任したほうがいいでしょうか。そうしないとレインボーマンにたのまないとorz

http://bewaad.com/20060615.html#c03

リフレ政策によりハイパーインフレ/キャピタルフライトが起きた場合の責任についての質問ではまったくないのですが、そんなにわかりづらい表現でしたか。ごめんなさい。わかりやすく(なっていればいいなぁ)書き直してみます。

  1. 世間的にリフレ政策はハイパーインフレなりキャピタルフライトなりを引き起こす政策であると認知されている状況にあると仮定します。
  2. そうした状況において、デフレ脱却のためリフレ政策が実施されたと仮定します。
  3. その結果、世論に反する政策を強行したことが不安材料視され、株価の下落などの市場の混乱が引き起こされ、そのような混乱を引き起こした総裁は信頼できないという声が多々上がったと仮定します(本件に似せるなら、加えて外貨資産を持っていてその円価換算価値を増やすためにそうした判断を行ったのだとの指摘があるという状況にあるとしようというのが先に書いた趣旨ですが、もっと近似させるなら株式投信を手放していたということでもかまいません)。

この例題では、リフレ政策の実施と株価の下落等には金融政策の効果としては直接の因果関係はありませんが、結果において金融政策と個人的資産運用との関係に批判がなされ、市場の混乱を引き起こしたのは事実です。このような場合でも辞任すべきとおっしゃるのであれば本件において辞任すべきとおっしゃることに賛否は別として一貫性があると思いますが、そうでないなら現在の福井総裁を責めんがための議論ではないかとwebmasterは思うのです。

蛇足ながら、金融政策の失敗による辞任要求の妥当性はwebmasterも否定していませんので。

如何様さんのコメントについて

某板より情報

この事件は単に日銀のみならず政界を巻き込んだ大型インサイダー事件の可能性大

量的緩和は株価操縦のために行われた?

(以下コピペ略)

http://bewaad.com/20060615.html#c05

当サイトでは基本的に陰謀論はまともに取り合う気はないのでご承知おきください。

前に書き込んだ人ですさんのコメントについて

個人的にはBewaadさんと同じ見解です。

「疑念」に関しての程度はそれぞれに温度差があると思いますが、それだけで「責任」を問うべきではなくて、やはり事実関係が明るみになった上で対処をしていけば良いだけではないでしょうか。

逆にもし福井総裁が「冤罪」であった、そうなった場合、誰がその「責任」を取るのでしょうか。

Bewaadさんは統帥権干犯の問題を挙げていますが、日本の近代史を振り返れば、これと似たような事例はありますよね。「疑惑」は単なる「言い掛かり」だったというだけのものが。

個人的利殖行為に関しては、福井総裁が「職務上知ることができた秘密を利用」して不当にカネを稼いだという「疑惑」があるのであれば、福井総裁は自らの潔白性を証明するために、その分のカネを国庫なりなんなりに納付すれば良いだけのように思います。「地位を利用してカネを稼いだわけではない」と自らの行動によって示せば良いだけではないでしょうか。

http://bewaad.com/20060615.html#c07

すみません、「冤罪」は言葉が強いですね(苦笑)。福井総裁の行為が違法行為に含まれない場合、と置き換えて読んで下さい。道義的、倫理的に彼を問質す、印象論、感情論はさて置きの話です。

それから、確かに「拠出したこと」よりも「2月にこっそり解約したこと」が問題ではあるのですが、「こっそり」という言葉は明確に何かを意図するものではありません。いかなる事実や事情が「こっそり」に含まれるか、いかようにも取りうる点において、印象論の域を越えないのではないでしょうか。従って、福井総裁を擁護する意図はありませんが、それらはやはり一つの観点からのものの見方でしかないように思います。2月に解約したという事実が、どのような因果関係を持つかを見定めてから「責任」を問質す事で十分なのではないでしょうか。

http://bewaad.com/20060615.html#c08

後ろから弾を撃つようで恐縮ですが(笑)、まっとうな疑いを招いてはいけないのは考えています。結果において「言いがかり」「冤罪」であっても、根拠のある疑わしさを招いたことは責められてしかるべきではないかと。

となるとどのような「疑念」かというのが問題となり、拙稿はそれについて検討してみたものです。さらに掘り下げて考えるには、例えば刑法上の名誉毀損罪に係る「真実と信すべき相当の理由」についてのこれまでの学説・判例の蓄積などが参考になるのかもしれません。

稼ぎの使い方については、ばれなければ懐にし、ばれたら国庫納付や寄付といった対応が考えられますので、国庫納付等をしたからといって当初において意図がなかったと推定なりみなしてしまうのは問題ではないでしょうか。

イギーさんのコメントについて

Webmasterさんを応援するわけでもないのですが。

量的緩和が実際に行われた時期を問題にするのは、なぜなんでしょうか? 実際に行われた時期と、ファンドの解約時期を比較するのは、あまりに形式的な議論であって、なんとしても福井氏を貶めたいという恣意性すら感じます。

もちろん解約時期と比較すべきは、量的緩和がほぼ決定的となった時期でしょう。それは、昨年末〜年明けであって、実際のその頃の債券市場の動きを見ても、与党の一部に抵抗はあるけれど、ほぼ量的緩和は解除されるだろうというふうに金利上昇を織り込んでいるし、株式市場も、量的緩和解除での円資金の引き揚げを察知したのか、年末から年明けが天井となってます。

つまり、福井氏が昨年の秋頃にでもファンドの解約をしていたのならば、その関連も議論となる、ということになります。

ファンドの違法性と解除の関連についてですが、ライブドア事件以降、村上氏についても様々な言われ方をされるようになってきたのは、これは周知の所。しかも、阪神問題でも、世論はほとんど敵に回りました。このような状況で、「なんかあまりに大きく影響のある存在になっちゃったな、これ以上持っていると間接的に自分が関与していると思われてしまう」というふうに考え、解約するのも理解できなくはないでしょう。それこそ、谷垣氏の「李下に冠を・・」を実践したわけで。

また捜査の状況についても、日銀総裁が職務上知りえる事項とも思えないし、むしろ、ホントに知らなかったからこそ、そっと、こっそり解約したのでしょう。後に逮捕にまで至る可能性が充分にあると思って解約するのであれば、それを世間に知らせずに行えば、その自分だけ沈む船から先に逃げた行為が、後々問題になることは充分予想できること。また、公的な人間が、公的なアナウンスのもとに解約でもすれば、あのファンドには問題があると検察より先に決めてしまうような行いであって、2月の段階でそんなことができるはずもありません。

つまりは、まず問題は無いだろうけれど、これ以上は・・、というふうに考えていたからこそ、こっそり解約したわけで、違法性の認識、捜査情報の漏洩などまずありえない話です。

総裁就任前に解約するのがベストな選択だったでしょうが、法的な問題ではないのですから、それについては陳謝するしかなく、それは実際にしているみたいですので、冷静に考えれば、今回の件は、まず問題ではないという結論になります。

http://bewaad.com/20060615.html#c09

地均しをやる前に解約していた方が問題ではなかったかとのご指摘、もっともだと思います。賢愚で言うなら今回の解約は愚かだと思いますが(多くの指摘がありますが、総裁就任時に解約しなかったのなら退任まで解約すべきでなかったでしょう)、さらには愚かだからといってまったく免責されるべきではなくなんらかの責めは負うべきだとは思いますが、それが辞任とは行き過ぎでしょう。

lukeさんのコメントについて

既にtanakahidetomiさまは服務規程の字義的な解釈にはそれほどこだわらず、「法的解釈だと真っ白」でありうることも織り込んでおられるんですね。「倫理的・道義的問題と解釈されてて面食らう」と書いておられますが、昨日来のフローチャートにある「風説ではなく総裁の発言から生じた疑念が起きたこと自体がまずいからやめろ=服務規程違反」というのは、”(法的には)服務規程違反でなく真っ白でも(道義的には?)服務規程違反だからやめろ”と読めるので、法律に詳しい方ほど反発を感じるだろうなと思いました。まさに法治主義に反する考え方ですから。”市場の信認を損なったので、日銀の総裁としての職務上での大失策である。だからやめろ”ということでよろしいでしょうか?

さて本当に「法的解釈だと真っ白」かどうかですが、私も法律には詳しくないので、「疑念」について法律用語として私の知らない特別な意味があるのかなとも思っていました。bewaadさんの本日のエントリを見ると、そういうわけでもないようですね。bewaadさんは「疑念」の解釈としていわゆる「合理的な疑い」(通常の理性を備えた人が、根拠があると思える程度の疑い)をあてていらっしゃるようですが、これはどうなんでしょう。通常は”合理的な疑いを容れない程度に犯罪事実を立証できなければ無罪が推定される”=”合理的な疑いの余地があれば無罪”という文脈で使う言葉であるのに対して、今回の「疑念」は「世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される」ならばダメであるというものですよね。

「世間から」「些かなりとも」という表現と、「合理的な疑い」の間にはかなりギャップがある気がするのですが、とりあえず「疑念」=「合理的な疑い」のことだと仮定したとして、今回の場合は”合理的な疑いの余地があれば有罪”=”合理的な疑いを容れない程度に無罪である事実を立証できなければ有罪が推定される”ということになろうかと思います。

bewaadさんはこの立証として、合理的な疑いでありうる根拠をすべて列挙して、それらが根拠として成り立たないことを示そうとなさったのだと思いますが、必ずしもすべての場合を尽くしていないように思います。そして、”これ以外に合理的な疑いというものは存在し得ない”ということが明らかに言えない限りは、有罪が推定されるのではないでしょうか。すべての場合を尽くしていないというのは、たとえば「インサイダー疑惑を追及するには、量的緩和解除には2、3ヶ月の間に時価総額を引下げる効果があると量的緩和解除の時点で予想する合理性・論理性を認定する必要がある」とのご主張ですが、「2、3ヶ月」である必要は全く無いでしょう。実際に予想が当たったかどうか、総裁個人が利益を得たかどうかは関係ないわけですから。”すぐ下がる”という主張、”1年程度で下がる”という主張、あるいは”すぐかもしれないし1年後かもしれないが、いずれ下がる”と予想する合理性のある主張のいずれが存在しても有罪でしょう。他にも”尽くしていない”例がありうるのではと思います。

じゃあ総裁はどうすればよかったのかといえば、やはり”任期中は投資判断を変えないこと・それができるような投資しかしないこと”しかなかったんじゃないかな、と思います。

http://bewaad.com/20060615.html#c10

「疑念」が「合理的な疑い」でなければならないのは、例の服務規程が日銀役職員に課す規範は、俗っぽく言えば「疑われるようなことをするな」なわけですが、「疑われるようなこと」が何かがあやふやでは、どういう行為を「するな」としているのかがわからず、したがって規範の実効性が失われるからです。事後的に疑われたからというのでは、疑われたことを罰したいというならさておき、疑われるような行為を抑止する観点からは、行為をするかどうかの判断に当たっては、その規範の存在は何ら意味がないということになってしまいます。

一般論としては、辞任すべきという主張をする者に挙証責任があり、先のエントリでの論考はかといってそうとだけ指摘しては議論が進みませんから、いくつか思いついたものを検討したものです。それ以外に理屈があり得ないということはないでしょうけれど(後のBUNTENさんのコメントなど)、尽くしていないからといって有罪が推定されるべきではなく、きちんとした根拠が示されない限り無罪を推定すべきだと考えています。

西麻布夢彦さんのコメントについて

糸山英太郎先生は、福井総裁辞めるべし、とのご意見のようですね。

経済・金融の中枢機関である中央銀行トップには、高い水準の中立性、公平性が求められるのだ。

更に言えば、村上ファンドどころかすべての有価証券を売却するべきであった。

まったく、公務員になるなら、剃髪して去勢するのは当然ですね!>糸山先生

>前に書き込んだ人です様

私は、「冤罪」であっても、いえ、むしろ「冤罪」であるほど、辞めるべきだと考えます。それは、日本という国のためです。

福井総裁が、潔く腹を切れば、「冤罪」と知る庶民は、「あっぱれ、もののふよ」と称えます。官への信頼が回復します。

一方、それを見た官は、「人の上に立つものの出処進退の有るべき姿。拙者しかと心得た」と感銘を受け、居住まいを正すのです。

心配有りません。もののふの道を示した福井さんは、大店や他の諸藩から是非にとお声がかかるので、収入も世間への影響も鰻登りです。

今の時代、エリートがエリートの責務を果たさないから、官僚バッシングが起こるのです。

http://bewaad.com/20060615.html#c13

糸山先生もお甘いですね。すべての有価証券を売却して得た現金はデフレにより実質価値を増しますから、わざとデフレにするかもしれません。資産は身ぐるみ剥いで没収すべきです。

また、辞任により「収入も世間への影響も鰻登り」なら、まさしく職務権限の行使による私的利益の追求ですから、辞任させてはなりません。切腹でも申し付けるべきですね。そうでなければ官への信頼は回復しませんし、官も居住まいを正さないでしょう。だって、わざと不祥事を起こして辞任すれば儲かるのですから。

#マジレスは、前に書いた人ですさん(http://bewaad.com/20060615.html#c19)やkさん(http://bewaad.com/20060615.html#c20)、鈴木さん(http://bewaad.com/20060615.html#c24)にお任せします。

通りすがりさんのコメントについて

インサイダー情報による市場の不公平をなくすのが法律の存在目的である。つまり、法律とはその目的を達成するための手段なのだ。

にもかかわらず、インサイダー要件に該当しても、「法律に書いていないからかまわない」という事を平然と書く。これは良くない。

日銀総裁は任期中に解任される事はない。罪に問われる事もない。通貨の番人の総元締めとして、何かあったらその身を賭してでも円の信任を守る事を期待されている存在だ。それだけの存在なのだから、手段の目的化などというアホな事を真顔で主張して欲しくはない。

グリーンスパン議長が何故あれほど信頼されていたのか。エンロン事件の時の半ば超法規的措置についても批判が無いのはなぜか。総裁の存在目的、インサイダー違反の存在目的に立ち返って考えてみてもらいたい。

官僚という存在は、目的は国会や内閣が設定し自らは手段となることで無謬性を確保している。その発想の延長で福井氏を擁護しているように見えて仕方がない。

http://bewaad.com/20060615.html#c14

「インサイダー要件に該当」しないのでは、ということを論じています。該当しているとおっしゃりたいのであれば、まず「インサイダー要件」を定義した上、本件がその要件に該当することを論証していただきたいと存じます。

ちなみに、インサイダー取引規制の存在目的に立ち返るなら、本件はそもそも問題になりません。後で触れる学部生さんのコメントにあるように、清算が実際に行われるのは6月末であり、量的緩和解除が実現してから行動する場合と利害得失は変わらないのですから。

BUNTENさんのコメントについて

>あり得る主張を列挙するなら、次のようなもの

もういっこ挙げておきます。

「デフレは終わるのか」安達誠司P.88「早すぎた出口政策」世界恐慌時のFRBの対応に関して。

このような金融政策の「平時」への転換は、転換当初は、景気回復の一種の「慣性」からそれほど大きな影響を与えなかったが、半年から一年程度のラグを持って、株価や生産に悪影響を及ぼし始めた。

つまり、レジーム転換なき量的緩和解除から最短半年程度のラグをもって時価総額が下落すると予想するに十分であろう歴史的な前例があったわけです。

今回の場合前例より早く株価が落ちているようですが、伝えられている清算終了のタイミングは、株価のピークアウト寸前(というか、慣性でまだ上昇中のうちに売り抜ける)を狙ったものであるとの疑いを免れ得ないものと感じます。

なお、福井氏が安達本に紹介されていることを知っていた場合は(職務上当然に知っておくべきだと考えますが)、レジーム転換なき量的緩和解除が日本経済の再沈没に繋がる危険が大きいことを知った上であえて解除したということになろうかと思われます。村上捜査等による株価の変調が日本沈没、じゃない日本経済再沈没の序章にならないことを真剣に祈ります。(-人-)

http://bewaad.com/20060615.html#c16

ご指摘の立論が成立するならwebmasterの指摘を取り下げるにやぶさかではないのですが、量的緩和解除がFRBの出口政策の何に該当するかについてはどうお考えでしょうか? とりあえずその前例を用いて疑念を抱くとして、超過準備や金利の動向等に照らせば、36年8月の最初の準備率引上げに相当するのではないか、とwebmasterは思います。であるなら1年以上のラグがあるわけで、6月末の清算よりは12月末の清算にフィットするように見えます。

先ほどのNHKラジオでは、任期中の解約だから(解約の理由によらず)アウト、のような話が出ていました。

http://bewaad.com/20060615.html#c17

ファンドについての規定は見当たりませんでしたので、とりあえず株と同じだと仮定すると、次のような規定があります。

局長級の職員(局室研究所長、秘書役および審議役をいう。以下同じ。)は、前年において、株券等(株券、新株引受権証書、新株予約権証券または新株予約権付社債券をいい、これらが発行されていない場合にあっては、発行されていたとすればこれらに表示されるべき権利をいう。以下同じ。)の取得または譲渡(局長級の職員である間に行ったものに限る。以下「株取引等」という。)を行った場合は、(2)に定める必要事項を記載した報告書(以下「株取引等報告書」という。)を、毎年、3月1日から3月31日までの間に、所属長(所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者)に提出しなければならない。

贈与等、株取引等および所得等に関する報告要領

上記によれば譲渡したら報告せよということですから、すなわち譲渡は禁じられていないので、内規に反するということはないように思います。

学部生さんのコメントについて

村上ファンドというか所謂ヘッジファンドが一般的にどのような規約のもと成り立っているのか分からないのですが。2月に申し出て6月に解約というのは、自分の持分に関して2月時点で運用を中止し、6月時点で清算ということなのか、6月まで運用は続けられるということなのか。どちらなのでしょうか。どうも2月に運用を中止したということを前提で話が進んでいるようなので、やはり、前者でしょうか。

もし後者なら、3月時点の申し出では6月の解約が不可能であるとならないと、インサイダーもクソも(失敬)無いように思えてならないのですが。

http://bewaad.com/20060615.html#c18

「あーあ、これだから法律屋は」って言われたくないからあえて触れなかったことを(笑)。村上ファンドの約款を知りませんので常識論でいえば量的緩和解除後でも6月末解約は可能でしょうし、その意味でインサイダー情報の活用により得られる超過利潤(損失回避を含む)はないでしょう。

ただそれでは議論が深まらないので、若干そこは拡張してあれこれ論じている次第です。

傍観者さんのコメントについて

今回はbewaadマスター、山形さんと韓リフ先生のご意見が割れているご様子を興味深く眺めておりました。

どなたかおっしゃられているように、福井さんが辞任されたところで日銀の政策が変わる保障はありませんよね。

それとは別に対立軸は将来のインフレターゲット導入をにらんだときの中央銀行(総裁)への信認はどうあるべきか、というお話なのかなあと愚考致しました。今回程度の件でクビをとばすのは市場の信頼を得るべき中銀総裁の椅子を軽んじることになるっていうのがマスターで、総裁が利殖に対する態度を潔白にして信認を勝ち得るべし、ってのが田中先生のお立場なのかなあと。全然的を外してましたらすみません。

http://bewaad.com/20060615.html#c22

将来をにらんでというより、インフレターゲティング導入云々の遥か手前の議論として、ということかと思います。仮にインサイダー関連の立論がきちんとできて辞任が適当ということになったとしても、その際には大いに儲けたからとか、世間的に怪しいと見られたファンドとかかわっていたからとか、そういう理由ではないということは明確にすべきではないかと。そうでないと、それこそ今後どのような理由にまで拡張されるかわかったものではありません。

通りすがりさんのコメントについて

インフレターゲットとかの話はこの件では関係ないですね。そういう政治的対立の話は、どこか別のもっと政治的意図で活動されているブログなどでやってもらえば良いかなと思います。

公職にある人のあるべき姿論と一般論にして問題を希釈する事もできますが、通貨制度と中央銀行の信任の低下が起きてしまったという厳然たる事実の前に、現在日銀のトップにある福井総裁がどのような次の一手を持って回復しようとするのかについては注目したいですね。

あくまで無罪として突っぱねてほとぼりを冷ます方向に行くのか、これを機に政策委員の資産公開と自主規制ルールの策定まで踏み込んで改善への糸口をつけるのか、任期途中でほっぽり出して逃げるのか。

ちなみに、現行法の範囲では日銀総裁の首を飛ばすことができるのは「病気」だけです。今回の件で、総理大臣は何にもできません。国会の会期を延長して緊急で日銀法改正をしちゃうとかできるかも知れませんが。

http://bewaad.com/20060615.html#c23

さすがに何もしないことはあり得ないでしょうから、何らかの再発防止措置は講じられるでしょう。関係ないとおっしゃられますが、解任規定云々はインフレターゲティングをにらんで導入を検討する価値は大いにあると思いますが、仮に導入するのであれば、どのような際に解任ができるのかの要件は厳密に定義すべきでしょう。

本日のツッコミ(全28件) [ツッコミを入れる]

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2006-06-18

[BOJ]福井総裁に関していただいたコメントについて・その1(現時点のスタンス)

15日及び17日のエントリに多数のコメントをいただき、大変ありがたいことですが、同時並行で議論していくことを能力が許さなくなりつつあり、webmasterの側でいただいたコメントを踏まえ考えたことを書かせていただきたいと思います。結果的に、直接の言及なしでのお答えとなってしまいますが、ご容赦いただければ幸いです(論考に含まれない個別のご質問等については、最後に「そのX」(今のところX=4を予定)でお答えさせていただこうと考えています)。

最初に現時点でのスタンスですが、「webmaster自身は辞任する必要はないと考えているが、1936年のFRBの事例を参照して量的緩和解除決定前のファンド解約を理由に辞任せよとする意見には反対しない」というものです。

今なお辞任する必要はないと考える理由は、かつて書いたように辞任すべき事情があるとすれば、

  • 日銀のなすべきミッションにおいて失敗した
  • 法令違反等の行為があった

のいずれかだと考えているからです(以前は前者を単に金融政策の失敗と書いていましたが、プルーデンスの失敗を除くべきとの趣旨ではないので改めました)。本件は、内規(日本銀行員の心得)を法令の一種と考えても後者には該当しないと解しているので、辞任すべき状態にはないと判断しています。

なぜ該当しないか、内規の解釈上最大のポイントは「職務上知ることができた秘密を利用した個人的利殖行為」に本件がなり得ないからです。というのも、量的緩和解除決定前の2月に解約しても清算が6月末で、それは量的緩和解除決定後の3月に解約を行った場合と結論は変わりません。「職務上・・・」は、職務上知ることができた秘密を利用しなかった場合と結果が違う(と事前に合理的に予想されること。そのような予想が成立するなら、結果的にたまたま違いが出なかった場合でもアウト)ことに意味があります。

しかしながら、量的緩和解除が3月に行われたというのは、よくよく考えればこれもまた事後の結果論で、2月の時点では3月に解除が決定されるかどうかは未確定の状態にありました。いみじくも福井総裁自身が本件に関連して政策決定会合は合議制で云々と言っていますが、2月時点では解除に向けた地均しこそ行われていたものの、当該時点では(実際に内部でどのような見通しだったかはさておき)解除がなされるかどうか、なされる場合にそれがいつからかなのは、外部においてはさまざまな考えがあり得る状態にありました。

#「地均し」の用語について、今後の混乱防止のために例外的に掲名で触れておきますと、田中先生は解除決定後の当預残高の減少を「地均し」の意味と解されているようですが、先生ご自身がお使いのものと同じく、「量的緩和解除決定に先立って行われた、解除が妥当であるとの印象操作的諸発言」を指して用いてきましたし、上記、そして以下もそのように用います。

したがって、2月に解約してから3月に解除決定が行われるまでの間は、解除決定が行われてからの解約では遅すぎるという事態を想定することが論理的には可能でした。上記FRBの事例では半年ほどで株価下落とのことですので、それを援用すれば、「世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合」の「予想」ができなかったことについて責任が認められるとの判断もあり得るのではないかと考えます。個人的には地均しが行き届いていたのでそのようなことはないと思いますが、あり得ると考えるので反対はしない、ということです。

(続く)

本日のツッコミ(全12件) [ツッコミを入れる]

Before...

 [内容が理解できなくなると説教はじめるひとがでてくるよね。]

ss [後ろから銃で撃たれました(爆)。 それはともかく、僕が基本的に「信認」の議論を避けて主張していたので、それは已む無し..]

ss [連続投稿で済みません(苦笑) >ばれなければ懐にし、ばれたら国庫納付や寄付といった対応が考えられますので、国庫納付..]


2006-06-19

[government][WWW]財務省の奇妙なマークアップ‐最近のbranchさんに触発されて・その1

福井総裁問題にからんだ谷垣財務大臣の記者会見について、branchさんが次のようなご指摘を。

…谷垣大臣、ちょっとむかつき気味ってかんじでしょうか(笑)。

ところで、この会見録、元のページでは次のように表示されている。

問) 具体的にはどういうふうに…。

答) 辞書を引いてお考え下さい。

問) その意味は額面通り受け取っていいんですね。

答) 額面通りお受け取り下さい。

、、、、このよくわからない強調はいったいどういう意味があるんでしょうか。まさか声の大きさをポイントの大きさで表した、というわけでもないでしょうが。不審に思って過去ログを見てみると、こういうポイント数が一定しないものが少なからず見受けられた。読みようによっては重要な部分を広報サイドが強調したようにも思えるが、ちょっと微妙…。ワープロ(MOFってWordだっけ?)のファイルをHTML変換するときにコケてしまったのが原因、といったあたりだろうか。(んで、Internet Explorerで文字のサイズを中にしていると画面上はこのポイント数の差は表現されないので気付いてないとか?)

続・航海日誌(6/16付)(webmaster注:原文では応答部分は画像で、そこでは2つ目の問「その意味は額面通り受け取っていいんですね。」が他に比べて大きめのフォントで表示されています)

というわけですので、実際にどうなっているかソースを見てみると次のようになっていました。

<tr>
<td valign="top" style="line-height: 150%"><font face="MS ゴシック">問)
</font>
<td valign="top" style="line-height: 150%">
<font face="MS ゴシック"> 具体的にはどういうふうに…。</font></td>
</tr>
<tr>
<td valign="top" style="line-height: 150%"><font face="MS ゴシック">答)</font></td>
<td valign="top" style="line-height: 150%">
<font face="MS ゴシック"> 辞書を引いてお考え下さい。</font></td>
</tr>
<tr>
<td valign="top" style="line-height: 150%"><font face="MS ゴシック">問)
</font>
<td valign="top" style="line-height: 150%">
<span style="font-size: 12.0pt; font-family: MS ゴシック"> その意味は額面通り受け取っていいんですね。</span></td>
</tr>
<tr>
<td valign="top" style="line-height: 150%" height="27"><font face="MS ゴシック">答)</font></td>
<td valign="top" style="line-height: 150%" height="27">
<font face="MS ゴシック"> 額面通りお受け取り下さい。</font></td>
</tr>

というわけで、わざわざspan要素を使ってまでフォントサイズを指定していたのが原因です。強調とbranchさんはおっしゃっていますが、フォントサイズ固定なので文字サイズを大きくすればかえって他よりも小さくなるようになっています。オーサリングツールのくせですかねぇ?

ちなみにmeta要素にはgenerator情報が含まれていないのでどのオーサリングツールかはわかりませんでした。自分でオーサリングツールを使ったことがないので憶測すらできませんが、見る人が見ればマークアップの傾向などでわかるのではないかと。

[comic]現在官僚系もふ・第56話

決算委員会なら各省庁に配信されているケーブルテレビでの委員会中継で見ればいいわけで、有給とってというのはおかしなものです。警告決議ではありませんが、措置要求決議ならODA不正が先ごろ槍玉に挙げられました。さて、歴史に残る名場面でしたでしょうか(笑)。

ちなみに地下通路、方向が狂ってますね。もしかして云々ともふがしゃべっているコマは「第二議会会館」とかいう不思議なところから歩いてきたと思しき場面(現にあるのは「衆議院第二議員会館」)で、参議院議員会館に行っていたんじゃないのということになりますが、地下通路の最初のコマだと参議院議員会館から歩いてきたようにも見えます。ただその場合、「とりあえず委員会室に向か」うはずが、そこへの分かれ道を一度通過してしまったことになってしまうわけですが(笑)。

本日のツッコミ(全8件) [ツッコミを入れる]

Before...

koge [もしかして財務省内では財務相や首相以上の影響力が…]

bewaad [>branchさん 「その1」とか書いておきながら続かず失礼してます。 で、確かに修正されてますね。私ごときではな..]

bewaad [>kogeさん そんな影響力を財務省に対して持っているのなら、真っ先にマクロ政策を変更させますよぉ(泣)。]


2006-06-20

[BOJ]福井総裁に関していただいたコメントについて・その2(「疑念」概念と規範の意義)

内規(日本銀行員の心得)上の「疑念」についてはいろいろな議論をさせていただきましたが、もうちょっと前提から丁寧に説を展開する必要があるように思われますので、今回はそのあたりから。

一般用語として「責任追及」とはよく用いられますが、何らかの問題ある結果が生じた際にその中の何の責任を追及するのか、抽象的に考えると2種類に分類できます。

  1. 生じた問題ある結果に責任を認める
  2. 問題ある結果につながる作為/不作為を行ったことに責任を認める

1がいわゆる結果責任で、2は刑法学における有責性の概念に相当するものです。

刑法学における有責性って何よということですが、何らかの作為なり不作為なりが刑法上罪と認められるためには、次の3つのハードルをクリアする必要があります。

  1. 構成要件に該当する
  2. 違法性阻却事由が存在しない
  3. 責任阻却事由が存在しない

構成要件というのは作為・不作為の要件定義で、例えば殺人罪なら故意に人を殺せば構成要件に該当することになります。同じく人を殺したという結果があっても、故意に傷つけたら結果的に死んでしまったのなら傷害致死、傷つけるつもりすらなかったけれど何らかのミスでうっかりというなら過失致死、というような違いが出てきますが、いずれにせよ人が死んでいなければこれらのいずれの罪にも該当しません。

違法性阻却事由とは、代表的には正当防衛で、外形的には構成要件に該当していても、構成要件が前提とする作為/不作為は悪いというものが成立しないことを意味します。殺人罪が悪いのは人の命は尊重されるべきだからですが、であるなら自分の命が尊重されない状態における反撃は悪いとはいえない(=違法であると非難できない)ということになります。

責任阻却事由とは、評判が悪い心身喪失なら無罪という類のものです。なぜ心神喪失状態で人を殺しても殺人罪ではないのかというのは、人を殺さないことが期待できないから。人殺しを避けることが一般に期待されてしかるべきで、それが可能であるにもかかわらず、そうした回避をしなかったというのが問題だという考えに基づきます。逆に言えば、そのような回避をすべきとの判断ができないような状態こそが心神喪失と認められるべき状態です。

さて、狭義には有責性とは責任阻却事由がないこと、つまり責任阻却とは責任が(認められ)ないわけですから、阻却されなければ責任がある=有責(性が認められる状態)であるということになります。しかし広義に考えるなら、構成要件も違法性阻却事由も同様になさざるべきことをなした/なすべきことをなさなかったという判断に問題を認めているわけで、いずれも有責性に根拠を持つものといえます。

構成要件で言うなら、故意犯はむろんそのような故意を抱い(たことに起因して結果をもたらし)たことを問題としていますし、過失犯であっても注意義務違反、つまりそのようなうっかりミスを避けるべく注意を払うべきだったのにそれを払わなかっ(たことに起因して結果をもたらし)たことを問題としています。

違法性阻却事由にしても、なぜ一般用語としての正当防衛行為であっても過剰防衛と法的には判断される場合があるのかを考えれば、そこまでしなくても自己防衛を図ることができたにもかかわらず、それにとどまらなかったことが問題という認識があります。

以上を模式的に書くなら、ある状況下においてAとBという2つの選択肢があった際に、AではなくBを積極的に選んだ、ないしはBを選んではならないということを合理的に判断できたはずなのにそうした判断にいたらなかったからこそ、罪たる行為は非難に値するということになります。対偶をとるなら、非難すべきでない行為があるとすれば、それは選択の余地がなかったということ。

もちろん内規は刑法その他の刑事罰規範ではなく、この考え方が直接援用できるわけではありませんが、不利益処分を求めるのであれば少なくともこれに反するような解釈は好ましくはないでしょう。まして今回の内規はそれらしき規定を含んできます。改めて掲げてみましょう。

7.個人的利殖行為

(1) 職務上知ることができた秘密を利用した個人的利殖行為は、厳に行ってはならない。

(2) 現担当職務と個人的利殖行為との間に直接的な関係がなくとも、過去の職歴や現在の職務上の立場等に照らし、世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。

また、疑念を抱かれる利殖行為に該当するか否か判断し得ない場合は、あらかじめ所属長(所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者)に相談するものとする。

日本銀行員の心得

ここでは、(1)と(2)の命ずる規範の種類が違うことがポイントではないかとwebmasterは考えています。(2)が(1)と同種の規範であれば、「・・・世間から些かなりとも疑念を抱かれる個人的利殖行為は(厳に)行ってはならない。」となるはずです。「行ってはならない」と「慎まなければならない」の違いは、書き分けてある以上は何らかの違いがあると解すべきでしょうけれども、「慎む」には行わないとの含意もあるので、とりあえずここでは違いがないとして議論を進めます。

残る違いは、(2)にある「予想される場合には・・・慎まなければならない」という条件節です。最後の部分を書き換えるとしても、「予想される場合には・・・(厳に)行ってはならない」ということで、予想されなければ行っても内規違反ではないということになります。他方で(1)には条件節がないので、行ってしまえばプロセスの如何を問わずアウト。

もちろん、不注意にも予想せずに個人的利殖行為を行った者が十分に注意をしたがゆえに個人的利殖行為を慎んだ者よりも有利になるのは公正さを欠きますから、「予想される場合」とは個人的利殖行為を行う者が主観的に予想する場合ではなく、一般にその地位についている者に求められる資質に照らしてなすべき予想が存在する場合と解すべきでしょう。一定の客観性ある基準で主観的な行動を判断するという意味では、善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)や受託者責任、プルーデントマンルールのようなものといえます。

webmasterが「疑念」の内容がいかなるものかにこだわったのは、以上が前提となっています。個人的利殖行為に関する判断を迫られた際、適法行為と違法行為の両者から適法行為を選ばせるようにするのが規範の第一の存在意義で、したがって適法行為が期待できないような場合は非難すべき状態にはないということになります。

本件に関して当てはめるなら、「疑念」が合理的・論理的なものでない限り、不適切な個人的利殖行為を慎む前提となる「疑念」の予想が期待できません。先のエントリでは「言いがかり」という言葉を用いましたが、つまりは事前に予想すべきとされない「疑念」をいくら抱かれてもこの規定の違反にはなりませんし、逆に実際に「疑念」を抱く人がいなかったとしても、事前に予想すべき「疑念」を予想せずに個人的利殖行為を慎まなければ、それは違反となるのです。

この場合、規範の存在意義は個人的利殖行為に関する判断に影響を与えることです。判断に当たって明らかに問題となるべき選択を行わないようにすることがその趣旨ということになります。問題は「疑念」が生じるかどうかではなく、「疑念」を生じさせないよう事前に行動を選択したかどうかで、だからこそ結果責任ではなく(結果は事前にわからないので)、ある種の注意義務違反に対する責任を追及すべきであるとwebmasterは考えています。

なお関連で、刑法上は刑法上でも不能犯の概念(例えば呪殺は起こり得ないので、人を殺そうとして呪うことは殺人の未遂犯ではなくそもそも殺人罪(の前置行為)を構成しないとするもの)を応用して本件をwebmasterは検討しているのではないかとのご指摘がありましたので、それについて少しだけ。合理性・論理性とは、ここまでも書いてきたように予想の期待可能性に源を発し、いかなる予想(に基づく行動選択)をなすべきかの判断材料として用いています。

したがって、実は内容においてはほぼ重なるとは言え、違う道筋から議論をしているのであって、不能犯類似の問題ではないとwebmasterは考えています。ほぼ重なるとは、不能犯において何が不能かを判断するのは結局専門的知見等に委ねざるを得ず、それは合理性・論理性ということになるからです。他方で違う道筋とは何か。

こんな問題、法律関係者しか関心がないと割り切って(笑)専門用語を安易に使えば、不能犯は保護法益侵害のおそれがまったくないのでそもそも構成要件に該当しないという整理でしょう(刑法総論はあまり真面目に受講していなかったので怪しいなぁ(笑))。他方で本件は、保護法益侵害のおそれがあるかどうかは問題ではなく(更に言えば、結果において保護法益が侵害されてもそこに着目して結論が覆ることなく)、注意義務として何を課すべきか、裏返せば何を注意義務違反とすべきかという観点から構成要件を整理したものということになります。

(続く)

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k [>通りすがりさん >こういう公というもののあまりに軽んじる体質に頭に来たり、白けたりしている人もいるという事実をお..]

西麻布夢彦 [>k様 > ホリエモンや・村上ファンドを応援していたのは、 > 現体制を何らかの形でかき乱してくれることを望んでいた..]

 [(横レス失礼します) 私利私欲に使わず、慈善事業団体に寄付せよと?私利私欲に使わず、世界の紛争を止めるために社会貢..]


2006-06-21

[BOJ]福井総裁に関していただいたコメントについて・その3(中央銀行の信認と個人的利殖行為(1))

#これまでの関連エントリにどのようなものがあるかについては、福井総裁村上ファンド問題関連エントリindexをご覧下さい。

以下の議論は福井総裁の問題とは直接関係しませんが、面白い論点であるとのwebmaster自身の思いにより取り上げます。

中央銀行の信認と一口に言っても人によってイメージは様々なのでしょうけれど、金融政策の執行者としての中央銀行にとってもっとも大切なのは、金融政策の内容にかかわる信認です。端的には、デフレを脱却するのだといって金融政策を講じているなら本当にデフレを脱却するつもりなのだと、インフレの場合でもそうですが、そのように信じてもらうことです。

世間的評価は違うのかもしれませんが、福井日銀にとって最大の信認問題とは、これまでの金融政策がデフレ脱却を旗印にしておきながら、衣の合わせ目からなんとやらといいますか、こいつら本当はデフレを続けたいんだろうというような言動が少なからず見られたことです。この場合、仮に額面どおりデフレ脱却を本心から狙っていたとしても、経済主体がそれを信じずデフレ継続を前提とした行動を変えないのであれば、金融緩和の効果は著しく減殺されてしまうわけです。

金融政策の狙いが逆向きでも同じことで、インフレ昂進に苦しんでいる国において、引き締めてもなかなかインフレが止まらないのは、得てして引き締めが徹底せず(その理由は失業率を気にしたりとか、赤字財政補填のためのシニョレッジ活用だったりとかしますが)、それを見越して各経済主体が行動を変えないからという場合がよくあります。これもまた、結局は中央銀行の姿勢に信認が得られていないからです。

本件の再発防止策としては、おそらく総裁らの資産公開に加えて、資産の信託and/or凍結といったものが講じられるような風向きではありますが、この組み合わせは実は上記の意味での中央銀行の信認を損なう危険があります。このアイデアの素は47thさんの次のご指摘でした。

機密情報を不正流用したという話があれば、そのこと自体が厳重に罰せられるべきですが、単に出資をしたというだけでは、円を掌る日銀の活動と利害相反のおそれのない運用先など、およそ考えられないのですから(定期預金こそ一番ダイレクトに利益相反が起きてしまいますし(笑))、こんなことを言い出したらbewaadさんが指摘しているように中銀総裁はタンス預金ぐらいしかできなくなります・・・というか、タンス預金ですら、その価値の目減りを防ぐためには金利上昇を抑えるインセンティブが働いてしまうという意味で利益相反の呪縛からは自由にはなれません。

「「脇の甘さ」ということで・・・」(@ふぉーりん・あとにーの憂鬱6/14付)

信託の際に受託者がどのような運用を行うかによって議論は変わってきますが、とりあえず管理のみを行いアロケーション割合の変更は行わない(=本人の資産売買の禁止とほぼ同様)ものとします。その内容が公開されている場合、それを見た者が金融政策について次のように予測するのは極めて自然なことです。

現預金など、インフレ率が低ければ低いほど相対的に有利となる資産の比率が高いとき
できるだけインフレ率を低くしようとするだろう(金融政策を引き締め気味に運用するだろう)
株や不動産、外貨建て資産など、インフレ率が高ければ高いほど相対的に有利となる資産の比率が高いとき
できるだけインフレ率を高くしようとするだろう(金融政策を緩和気味に運用するだろう)

資産の売買が(事実上)行い得ないからこそ、既存の資産をできるだけ有利に運用しようとしているのではと勘繰られるのを止めるのは困難です。前者のようなボードメンバーや執行部が存する中央銀行であれば、緩和政策に対する信認は損なわれるおそれがありますし、後者であれば逆に引き締め政策に対する信認が損なわれるおそれがあります。仮にこの資産公開と資産の信託等という再発防止策が実施に移されるなら、この副作用をなんとかしなければなりません。

#既存資産のみならず、給与(一般には銀行振り込み=銀行預金の増加、手渡しでも現金の増加)をどうするかという問題がありますが、とりあえず給与は既存のアロケーション割合にしたがって各資産に配分されると仮定すれば同じ議論が妥当します。

正攻法ならばインフレターゲティングでしょう。目標インフレ率(中央値・レンジ)の設定は中央銀行外で行われますから、自らの資産を有利に運用するために目標を操作しようとしても不可能です。金融政策の執行に当たって「できませんでしたぁ」という言い訳を許さないペナルティを講じてこそのインフレターゲティング政策ですから、目標から乖離させるという形での私益追及も防止できます。

変り種ですと、中央銀行のボードメンバーや執行部(別に一般職員を含めてもかまいませんが)専用の運用方針がレディーメイドでくっついている信託の開発というのはどうでしょうか。インフレ率が高くなればなるほど現預金比率を上げ、逆の場合には株や不動産、外貨建て資産比率を上げるという方針で運用する信託(ニュートラルポジションは、インフレターゲット設定国であれば目標インフレ率、そうでない国であればNAIRUにおいて実現)にこぞってそれらの者が財産を委託するなら、資産運用が信認を害さないどころか、かえって信認が強化されることになります。記者会見等の場で信認が揺らいでいると実感したなら、「俺のポートフォリオを見てみろ!」と一喝(笑)。

・・・というわけで、どこかの信託銀行・信託会社関係者の方がいらっしゃいましたら、開発してみませんか? G7会合やバーゼル委員会で売込みを図れば、結構な売り上げが見込めると思うのですが(笑)。

(続く)

[economy]国民生活白書・平成18年度版

まだ目次をざっと眺めただけですが、景気との関係や、若年失業率上昇の少子化への影響などにも紙幅を割いているようで、備忘として。

ところでこの白書、担当大臣は猪口大臣のようですが、ここに書いてあることと昨日決定の「新しい少子化対策について」の関係を考えるとなかなか面白そうです。マクロ経済政策について何ら触れていない一方、家族の絆とか地域の絆とかがやたらと強調されているとこなど、なんだかなぁという内容の「対策」ですが、大臣は白書の内容を踏まえているものとのご認識なのか、それともまともに読んですらいなかったのか(笑)。

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如何様 [管理者は私の発言を陰謀論と一蹴されていますが、 これでもまだ陰謀論と言い張るのでしょうか? 状況証拠は既に揃っていま..]

名無し [>なぜ量的緩和といった異常な政策が採用されたのか? 金利はマイナスにできないから。]

うみゅ [しかし、福井総裁・・・あまりにも突発事態に対する対応がなってなさすぎます。 緊急時の対応に確信が持てないという意味で..]


2006-06-22

[BOJ]福井総裁辞任論への批判的検討は立身出世主義者による「エリート秘密クラブ」への媚態だそうで。

#これまでの関連エントリにどのようなものがあるかについては、福井総裁村上ファンド問題関連エントリindexをご覧下さい。

稲葉先生のエントリ経由ですが、次のような主張を田島先生がなされています(適宜要約。ご関心の向きは原文をご覧いただければと思います)。

  • 福井総裁の利殖はエリート間で共有される秘密情報に基づく不当な利潤追求である。
  • 法学のジャーゴン等を用いて福井総裁を擁護するのは、そうした問題の真相から注意を逸らすごまかしであり、その議論の土俵に乗っては相手の思う壺だ。左翼の言説は、むしろそのような擁護の趣旨=エリートの既得権の隠蔽を暴露しなければならない。
  • 一般の人々の不正感覚に基づき日銀総裁を辞任に追い込むことは、そうした既得権への批判であり、日銀の権威の維持に不可欠である。裁判に対する公衆の批判が裁判の権威の源泉であるのと同じく。

一応思うところを。

  • きっと罪刑法定主義やデュープロセス等の人権思想も「エリート秘密クラブ」の既得権を保護するための装置で、そのようなものを捨て去った人民裁判こそが左翼の理想ということですね。まぁ文化大革命やらクメールルージュやら前例は多々ありますから、いまさら驚くような話でもありませんが。
  • といっても一般の人々には必要だと言うダブルスタンダードですかねぇ。支配層には法律などどうでもいいというと、webmasterは「刑は士大夫に上らず」(刑法は支配層には適用されない=支配層は縄目の汚辱を潔しとせず、嫌疑を受けたら自裁しなければならない)を思い出したりもするのですが、左翼と儒教の思想的つながりの可能性に今まで思いが至らなかったのは未熟です。
  • お伺いするだけ野暮かもしれませんが、「エリート秘密クラブ」なるものの存在を示す証拠はあるのでしょうか? 「日本の賢者の議定書」とか「福井上奏文」なんてものが出てくるなら、とっても楽しそうでわくわくするのですが。
  • 「米帝」や「金融独占資本」が説得力を失うと「エリート秘密クラブ」ですか。「抵抗勢力」が人口に膾炙しているのですから、その路線に乗れば説得力が出てくるかもしれませんが・・・って、小泉総理も左翼? webmasterはある意味共通する部分があると思ってはいますが。
  • しかし左翼というのも、「人民の敵」を時代の流れに即してリニューアルし続けなければいけないとは難儀な思想ですね。「人民の敵」を打倒すべしとしつつも、本当に打倒してしまったら存在意義がなくなってしまうのですから致し方ないのでしょうけれど、「人民の敵」をこの世で一番必要とするのが反「人民の敵」の立場という自家中毒的構造には自覚的なのでしょうか。
  • 論旨には関係ありませんが、言いたいことがあるなら陰でこそこそやらずにtrackbackするなりなさればどうですか? 当サイトの議論を対象としていないとはどう見ても想像できませんが、このように取り上げられた場合に備えた、どこにそう書いてある、下衆の勘繰りだとでもいうための逃げ道ですか? それでは不可避に人格攻撃につながるし、つながるべきであるとのご主張が実現できないじゃないですか(笑)。どうぞ遠慮なくなさってください、人格攻撃。

[WWW]cloudyさんの告白

うわーっ、本当ですか。信頼できるbloggersが1人減って損したような気分になってしまうのは、webmasterだけ?

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 [>「秘密クラブ」 金融三田会?(爆]

bewaad [>村さん 育ちのよいそっち方面の方々の秘密結社のことはわかりません(笑)。]

流しクラバー [秘密クラブドゾー http://column.chbox.jp/home/kiri/archives/blog/ma..]


2006-06-23

[government][economy]財政再建団体の指定≠デフォルト(債務不履行、支払停止)

はてなブックマークでも注目を集めているぐっちーさんの「東京都も倒産する・・・・」ですが、はなはだしい誤解を招きかねない記述があるので、その影響力にも鑑み誤りをしてきさせていただきます。といっても正すべきは1点だけで、その余については概ね妥当、例えば国は地方公共団体の債務を保証していないという指摘はまったくそのとおりです(手前味噌ではありますが、当サイトでも昨年の9月に言及しております)。

ではその画竜点睛を欠く点は何かといえば、エントリタイトルのとおり財政再建団体の位置づけについての記述です。以下、抜粋してみます。

従って、夕張さんはこちらから手を上げて助けてください、と国に頼る訳ですが、これはあくまで財政再建団体という扱いになっている点に注目。つまり、夕張市の財政再建については国がコミットするけれど、その債権、つまり銀行が融資しているローンや夕張市が発行している債券について、国が元本を保証している行為とはまるで異なると言う点に注目してください。

つまり財政再建にコミットしている国はその再建のために夕張市の債権の減額を求める可能性があるということです。

ともかくもこのCDSという代物。
危険なのは何かが起きてしまった時、例えば北海道や大阪府が今回のようにこりゃ、もうだめだ、とバンザイをした瞬間(再建団体でお願いしますわ、と言った瞬間)、政府保証が無い訳ですから、このデフォルトオプションを保有している金融機関(大部分は外資系でしょう)はルールどおり EVENT OF DEFAULT を宣言してトリガーを引くと言う点。

(略)

しかしCDSの世界は完全に国際ルールですから、何をいっても待ったなし。
誰かがデフォルトオプションを行使した時点で世界最大の地方自治体不良債権が発生します。

「東京都も倒産する・・・・」(@債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら6/22付)

最初の引用部、夕張市が財政再建団体になることで国が財政再建にコミットし、方や保証するわけではないのはそのとおりですが、「つまり」の三文字が強引です。「減額を求めることになります」ではなくあくまで可能性の指摘にとどまっており、可能性がゼロでないかといえばゼロでないのは事実でしょうけれど、それは優良な金鉱や油井が見つかって財政状態が一気に好転する可能性がゼロではないのと同じような話で、合理的に予測される事態ではありません。端的にはこれまで財政再建団体となった地方公共団体はあまたあれど、国が減額を求めた事例は存在しません。

おそらくは、報道等で財政再建団体となることは企業で言えば倒産のようなものだといった形容がなされることからの連想ではないかと察せられますが、かつて論じたように企業の倒産から地方公共団体の「破綻」を想像するのは乱暴な話で、倒産に例えられるから倒産と同じ性質だというのは本末転倒です。むしろ、

  • 一定の定量的基準への抵触がトリガーとなり、
  • 国の介入により対象者の行動に制約が生じ、
  • 制度趣旨が実際にデフォルトが生じる前にテコ入れを図るというものである、

といった点に着目するなら、銀行の早期是正措置に類するものと考えた方が得るものが多いでしょう。先に国が減額を求めた事例は存在しないと書きましたが、同様に財政再建団体になったからといって全部または一部の債権放棄を求めた地方公共団体も存在せず、元利払いにおいてデフォルトが生じたこともありません。したがって、財政再建団体になったとしてもそれがデフォルトと同じ効果と考えるのは不適切です。支払停止そのものではないのは無論、モラトリアム宣言やリスケジュールの要請といった将来の支払停止を予告する諸行為とも性質が異なります。

以上から、二番目の引用部にあるように、財政再建団体になったからと言ってデフォルト扱いされるという予測は不合理であるということができます。世の中にはソヴリン債券(ってJGBですが)の自国通貨建ての格付けを外貨建ての格付けより下げるという、それもインフレリスクに着目したのではなくクレジットリスクに着目しての判断だというたわけた格付け機関があるぐらいですから、それをもって事実上のデフォルト(ISDAの用語法に従うならrestructuring)だと主張し代位支払いを求める者がいないとは限らないでしょう。

しかし、財政再建団体になったといっても、リスケジュールもなければ金利が減免されるわけでもなく、当然ながら元本の放棄も求められるわけではないのは既述のとおりです。webmasterの知る「国際ルール」では、そのような債務者はrestructuringをしたとは認定されないように思うのですが。

#実は地方公共団体ではなく日本国政府がrestructuringの実施を決定してるんですよ、という話はご案内のとおりです。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

田中誠 [江戸時代末期に近づいてきたようですね。 鎖国下の日本とグローバル経済下の日本とでは、いろいろと違うのでしょうが。]

bewaad [>田中誠さん 調所笑左衛門が再臨して500年賦払いの債務整理案をとりまとめるのも近いかもしれませんね(笑)。]

ko-ji [「東京都も倒産...」とか「CDSが...」は吹かしだと思いますが、「夕張市の財政再建団体指定」→デフォルト、は有り..]


2006-06-24

[sports]FIFA 2006 World Cup・グループリーグ終了:#1 Batonの中間点

5/18の予想について、これまでの答えあわせを(下線付きの強調は順位も正解のもの、太字のみの強調はトーナメント進出としては正解でも順位は外したもの)。

webmasterの予想(1位、2位)結果(同)
A組ドイツ、ポーランドドイツ、エクアドル
B組イングランドスウェーデンイングランドスウェーデン
C組セルビア・モンテネグロ、アルゼンチンアルゼンチン、オランダ
D組ポルトガルメキシコポルトガルメキシコ
E組イタリア、チェコイタリア、ガーナ
F組ブラジル、クロアチアブラジル、オーストラリア
G組フランススイススイスフランス
H組ウクライナスペインスペインウクライナ

決勝トーナメント進出国としては12ヶ国、順位まで当たったものとハードルを高くしても7ヶ国が正解と、webmasterのこの手の予想にしてはめずらしくよく当たっています(笑)。それだけ波乱が今のところ少ない大会ということですが、波乱要因だとwebmasterが目をつけたセルビア・モンテネグロがあっけなく敗退し、ガーナの台頭が波乱を巻き起こす可能性を秘めている、といったところでしょうか。案外ブラジルが負けたりして。

もう1点注目するとすれば、オランダ人監督の活躍でしょうか。トーナメントに勝ちあがった国としては母国オランダを率いるファン・バステン監督、下馬評を覆したオーストラリアのヒディンク監督、グループリーグで敗退した国としても開幕早々スウェーデンの怒涛の攻撃を凌ぎきって注目を集めたトリニダード・トバゴのベーンハッカー監督、今大会アジア勢唯一の勝ち点3をもぎとった韓国のアドフォカート監督と、皆それなりの結果をここまで出してきています。

そんなオランダのコーチングがどのようなものか、オランダサッカー、5つのエッセンスを読まれることをお薦めいたします。いや、本当に面白いですから。

[sports]FIFA 2006 World Cup・グループリーグ終了:#2 最も印象に残ったテキスト

2006.6.19

昨晩のワールドカップ日本−クロアチア戦は実況中継がアサヒということもあり、大本営発表民間版という感じの放送でしたね(朝日が戦時中にどういう報道してたかは調べればすぐに出てきます)
 ハーフタイムではやけに盛り上げすぎてて、反対にかなり寒かったですし。

試合の結果自体はともかくとして、試合終了後のコメンテーターたちの「現実を見ない」明るすぎすぎるコメントに思わず大笑い。
 「次のワールドカップに勝たなければいけなくなりました!」「ワールドカップは何が起こるか判らない!」とか雰囲気は暗いのに、ひたすら明るく言わないでくださいw
 太平洋戦争末期にマリアナでもレイテでも負けたのに、「沖縄で敵機動部隊を特攻で撃破すれば!!」なんて喚いていたのと同じじゃないですか。
 「勝つしかない」「技術云々ではない」などの台詞も、まさに太平洋戦争末期に日本軍が叫んでいた台詞そのまんまです。
 その沖縄戦ではカミカゼで数百隻単位の艦船を撃破して、アメリカ軍に史上最高の損害を与えたにも関わらず、劣勢はひっくり返せませんでしたけど。
 あと、今日のワイドショーとかのサッカーニュースも凄いことになってそうです。

この試合について、まるで台湾沖航空戦の結果を知っててレイテ沖海戦関連の報道を見るような(大意)という方がいましたけれど、ということは次のブラジル戦は戦艦大和特攻でしょうか?
 まあ負けても、ブラジルを苦戦させた上ならば「伝説」にはなりそうなのは同じですね。

MURAJIの戯れ言(2006年6月分)

[sports]FIFA 2006 World Cup・グループリーグ終了:#3 今後の日本代表

個々の能力を最大限発揮させるといっても、その能力がそもそも世界の第一級にはないということから目を逸らさず、そこからすべてを組み立てていく必要があるでしょう。それができないのなら、この4年間は本当に無駄だったということになってしまいます。

[sports]FIFA 2006 World Cup・グループリーグ終了:#4 最も印象に残ったコピペ

オリジナルがどこかはわかりませんが。

114 名前:通行人さん@自治スレでローカルルール議論中[] 投稿日:2006/06/20(火) 22:28:45 ID:mXiaqSo0

ボールを持てば私が主役だ。決定するのは私で、だから創造するのは私だ
〜ヨハン・クライフ〜

サッカーに人種はない。
〜プラティニ〜

私はありとあらゆる悪いことを行った、しかし、フットボールを汚したことは、一度も無い
〜マラドーナ〜

フィールドプレイヤーを全員ぶっちぎってから、相手キーパーのまわりをドリブルして周り、ヒールキックでゴールを決めるのが理想のシュート
〜ピエール・リトバルスキー〜

いつまでも試合が終わらず、このままプレーしたいと思うときがある
〜ジネディーヌ・ジダン〜

強いものが勝つのではない・・・勝ったものが強いのだ
〜フランツ・ベッケンバウアー〜

今日の試合が雨上がりのピッチならば僕の左足で、虹を描いてみせるよ
〜レコバ〜

今を戦えない者に次とか来年とかを言う資格はない
〜バッジョ〜

チャンスは最大限に生かす。それが私の主義だ!
〜シャア・アズナブル〜

急にボールが\(^o^)/キタノデ
〜柳沢敦〜

#正直なところ、シャアの部分は余計ですよねぇ。

[sports]FIFA 2006 World Cup・グループリーグ終了:#5 ネ申

58: 名無しさんの冒険   2006/06/22(Thu) 22:54

今度のブラジル戦は、1−4で惨敗と見た。
最初の10分であっさりと2点取られて戦意喪失、
視聴率もこれ以後右肩下がりで激減、てな事態を予想。

「W杯大不況」スレ・レス58@いちご経済板

[sports]FIFA 2006 World Cup・グループリーグ終了:#6 恥ずかしい間違い

昨日まで、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(Juninho Pernambucano)のことをジュニーニョ・「ベルカンプナーノ」だと間違えて覚えていたのですが、他にそんな人はいませんでしょうか? 明らかにカタカナの字面の印象でベルカンプ(Bergkamp, Dennis)に引っ張られたがゆえの誤りでしたが、オランダ語とポルトガル語なんてそれほど近い言語でもないというのに・・・。

[sports][book]西部謙司「1974フットボールオデッセイ」

というわけで本日はサッカー尽くしですが、前回のドイツ大会、1974年西ドイツでのワールドカップ決勝西ドイツ対オランダ戦をテーマにすえた、筆者曰く限りなくノンフィクションに近いフィクション(p231)という一冊。このカードを目にしただけで心躍る人間にはその意味を語る必要などないでしょうけれど、数あるワールドカップ企画本の中でも、企画してくれてありがとうという気になる本はそう多くはないでしょう。

サッカー史を変えた名プレイヤーたちの列伝に間違いなくリストアップされる2人、ヨハン・クライフとフランツ・ベッケンバウアーが同時代に並び立っていたというのも稀なら、そうした両雄がしかもその全盛期にワールドカップ決勝という舞台で対決したというのは、空前にしておそらく絶後でしょう。1954年スイス大会にアルゼンチンないしコロンビアが出場していてディ・ステファノとプスカシュ@マジックマジャールが対決していたとしたら、とifを考えてもそのぐらいでしょうか、凌駕し得るのは。1986年メキシコ大会でブラジルが決勝に進出してマラドーナ対ジーコとなっていたとしても、劣るとも優らなかったと考えざるを得ません。

そんな試合をめぐり、クライフとベッケンバウアーをはじめとする多くの強烈な個性がぶつかりあう様をより臨場感ある形で描くためにあえてフィクションを交えているのですから、面白くないはずがありません。試合そのものの描写はあっさりとしたものですが、それにいたる人間模様を丁寧に記していますので、かえって想像力をかき立てます。

ちなみに本書、そうした物語としての楽しみに加え、別の読み方ができます‐それは、サッカーの戦術の入門書として。当時のオランダ代表チームのプレイスタイルは「トータルフットボール」と呼ばれ、現代サッカーの源流になったと誰もが認めるものですが、それが何を狙いとし、どのような先行例を範とし、そして今にどのような影響を与えているかがコンパクトにまとめられ、結果として現代サッカー戦術の手軽な見取り図となっています。読後には、少なからずテレビの画面が違って見えることでしょう。

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bewaad [>宮嶋陽人さん それを見て間違えて覚えてしまった読者はご愁傷様です。言い訳になりますが、コンピュータ上では濁音と半濁..]

小僧 [一次ラウンドが終わって封印してたものを出してきてますね :-) Juninho Paulista の類推から見るに..]

bewaad [>小僧さん 毎日気になったことを書いていてはフットボールblogになってしまいますので(笑)。 情報ありがとうござ..]


2006-06-25

[sports]オシム監督誕生?

オシム・ジェフ監督の采配やマネジメント、とりわけ語録(笑)にかねてから注目していたwebmasterとしては、本来喜ぶべきニュースではあります。しかし、今回のような形で表になってしまったのでは、協会を信頼できないとして破談になりかねないわけで(ジェフファンにはその方がうれしいかもしれませんが(笑))、川淵キャプテンには猛省を促したいところです。仮に受けたとしても協会への不信感は残るでしょうし(せめて川淵キャプテン個人への不信感ならまだましですが)、今後の運営の妨げにならぬよう祈るばかりです。

ご存知の方も多いとは思いますが、オシム監督はJ1の中で相対的に個々の能力で劣るジェフを率いて常に上位に食い込んでいますので、昨日申し上げたように個々の能力では世界トップクラスに劣るとの現実からスタートすべき現在の日本代表にとっては、ベストに近い選択でしょう。もちろん監督としての能力は一般的に見て非常に高いのですが、とりわけ今の日本に必要とされる人材でしょう。

もし就任されるのであれば、何分ご高齢ですから、次回大会までご健勝でありますように。

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Before...

ITOK [ご参考までに 長束さんによるクロアチア誌に載ったオシム監督のインタビューの翻訳です。 クロアチア・サッカーニュー..]

bewaad [>ITOKさん 拝読しました。やっぱりこの人に不義理をするようなことのないよう、協会には節度を求めたいですね。ジェフ..]

QBK [とうとう大規模な川淵解任デモが実行されます。 代表戦後ということもあって多数の参加が見込まれ、200人以上の規模との..]


2006-06-26

[economy]more bowling alone

Robert D. Putnam "Bowling Alone: The Collapse and Revival of American Community"が世に問われて5年あまりが経過しましたが、その傾向はますます進んでいるようで。

米国人の4人に1人が「大切なことを話せる親友などは1人もいない」と感じていることが23日、アメリカン・ソシオロジカル・レビュー誌(電子版)に掲載されたデューク大などの調査で分かった。{{'</p><p>1985年と比較して、この割合は約2.5倍に増えており、研究者は核家族化や少子化が進み社会とのきずなが薄れたことが「寂しい米国人」急増の要因と分析している。

ZAKZAK(共同)「「寂しい米国人」が急増…4人に1人「親友いない」」

ソーシャルキャピタルの劣化が進んでいるとして、それが社会の効率性を損なうのであれば、これまでのアメリカ経済の好調さとの関係はどのように整理可能なのでしょうか。

  • 高い成長率は他の要因に基づくもので、ソーシャルキャピタルの劣化がなければもっと成長率は高かった。
  • ソーシャルキャピタルの劣化に伴い代替財の消費(カウンセリング等)が伸びるので、見かけ上成長率は高めに出る。
  • ソーシャルキャピタルは非効率も同時に伴う(社会的繋がりの強い者から優先的に財・サービスを購入する傾向にある、等)ので、その劣化が功罪をネットアウトした後で成長率にプラスと出るかマイナスと出るかは、それぞれの社会やソーシャルキャピタルのあり方による。

といったあたりがwebmasterが考え付くものなのですが・・・。

[sports]FIFA 2006 World Cup・グループリーグ終了:#7 奇跡なんか信じてなかった人々

一昨日の忘れ物です。

ブラジル戦の前に多くの芸能人が日本勝利の暁には、と好き放題しゃべっていた内容をkoiti_yanoさんがまとめていらっしゃいますが、宇多田ヒカルとほしのあきは本気で勝利を願っていたようです。他方で、平原綾香と眞鍋かをりの2人は、絶対に日本が勝つことなんてあり得ないと思っていたんでしょうねぇ(笑)。微妙なのは松任谷由美。後者に同じだったならよいのですが、もし前者だというなら・・・できれば想像すら遠慮したいので、後者だということにしておきましょう(笑)。

[WWW]COMMON SENSE

branchさんpogemutaさんkanryoさんt9930211さんの同業者揃い踏みとあっては、やらないことは許されそうにありません(笑)。

あなたの一般常識の総合正解率は88.0 %です

たいへん優秀な成績です。就職試験などで課せられる一般常識テストでは良い結果を得られると思います。

あなたのジャンル別の成績

ジャンル 正解率
政治 90.0%
経済 90.0%
法律 90.0%
歴史 80.0%
国語 90.0%

COMMON SENSE(results)

満点の科目がないのがwebmasterの粗忽さを表していて微笑ましいですが、巡回先を見てもAKITさんに次ぎbranchさんと同点ですから、まんざら捨てたものではないということで一安心。

#ちなみに間違えたのは、政治の10問目、経済の10問目、法律の9問目、歴史の1問目・4問目、国語の5問目後半です。

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [>Koiti Yanoさん 違う解釈をするなら、罰ゲームとしてではなく、みんな応援してね、応援してくれたらみんなにプ..]

bewaad [>梶ピエールさん 相対的富裕層にとってはそうなのでしょうけれど、相対的貧困層だと教会ってことかな、とは思います。この..]

bewaad [>宮嶋陽人さん 同業者も触れていましたが、細かい数字って忘れちゃうもんで、そのあたりが質問に少なからず含まれているの..]


2006-06-27

[BOJ]福井総裁に関していただいたコメントについて・その4(中央銀行の信認と個人的利殖行為(2))

#これまでの関連エントリにどのようなものがあるかについては、福井総裁村上ファンド問題関連エントリindexをご覧下さい。

さて、「その3」とは変わって本件に関する議論です。本件について信認が問題となるとすれば、職務に関して個人的利殖行為をするようでは信認を得ることはできないというものでしょうけれど、どういった意味での信認かについて厳密に考えるなら、2種類に区分できます。

  1. 個人的利殖行為のために金融政策を枉げていると見られることにより害される信認
  2. 金融政策は枉げられていないものの、それに関する秘密情報を個人的利殖行為に流用していると見られることにより害される信認

#実際にはこの両者が渾然一体となって現出することがほとんどでしょうけれど、理屈を整理するに当たっては、これら二極をまず検討することが有益でしょう。ちなみに、この他にも想像力豊かに考えるなら、虫のいい話にひっかかって、そんなものに簡単に騙されるようでは能力が疑われる、なんてものもあるのでしょうけれど(笑)。

「その3」で論じたように、金融政策の担い手としての中央銀行にとって致命的に重要な信認とは、金融政策の内容についてのものです。簡単に振り返れば、インフレにせよデフレにせよ、それを断固として防止するのだという姿勢に対する信認が得られなければ、各経済主体はそれが覆されることを念頭に振る舞うので、金融政策の効果が著しく減殺されてしまいます。

この意味で重要な信認の喪失とは、先の2つでいえば前者であって後者ではありません。例えば本来インフレを警戒すべき状況において、インフレ率に連動してリターンが上昇する傾向にある資産の価値増大を図るため、今はインフレを警戒すべき状態にはないなどといいながら引き締めをしない/緩和をするような事態があったならば、金融政策の運営に疑惑が付きまとうのも当然です。

他方で後者は、世間からは金融政策は適切に行われている(不適切だとしても個人的利殖行為に利するよう枉げられてはいない)と見られつつも、その関連情報を私利私欲のために用いることが問題であるという職業倫理上の信認、言い換えれば個人の資質に関するものです。理念的には、金融政策にとって重要な信認は傷つけられているわけではありません。

webmasterが目にするものにおいては、という限定付きではありますが、本件に関して中央銀行の信認が害されたとする議論においては、上記の2分法でいえば2の信認が問題になっているのではないでしょうか。そのような信認の毀損を問題として辞任すべしとする議論があり得ないと主張する気はwebmasterにはありませんが、その理屈付けとして金融政策の効力に関する中央銀行の信認を持ち出すのは、一貫性に欠けるように見えるといわざるを得ません。言い換えれば、複数の意味を含意し得る「信認」の語の取扱いに当たっては、より慎重さをもって対する方が無難でしょう。

#どうやら皮肉なことに、本件によってもインフレファイターとしての日銀の信認は揺らいでいないようですし。

以下は半ば余談ですが、信認の有無の判定とはどのように行うべきかというのは、本件とは独立して精緻化するに値する問題であるように思われます。まさか国民投票というわけにもいかないでしょうから(笑)、既存の制度においては、信認を損なうような行為を行ったことをもってアウトとしています。信認の計測が困難であるがゆえに信認が失われても責任を追及できないという事態を想定すれば、問題がより起こりづらいよう安全を担保するため、損なわれ得る行為が行われたならば実際に損なわれなくとも非難可能性を認めるとの判断は合理的でしょう。

例えば判例において公務員の職務の公正の確保及びそれ(=公正の確保)に対する一般の信頼が保護法益とされている涜職罪(賄賂罪)においては、収賄した公務員が実際に法の運用等を枉げたかどうかは、罰の加重要件でしかありません(刑法第197条の3第1項・第2項)。実際に法の運用等を枉げるという不公正な運用がなされていない段階であっても、収賄は一般の信頼を害することに容易につながるものであり、罪となるべき行為とされています(同法第197条等)。

#刑事法上の問題でない本件に刑法学の議論を援用することにご異見があることは承知しておりますが、それについては別途エントリを立てて議論させていただきます。ちなみに、例の「日本銀行員の心得」で言うなら、7.(1)が行為に理由の如何を問わず、また利益が出る出ないにかかわらず直接禁止をかけているのは、これと同様の考え方に基づくものといえます。7.(2)についても趣旨は同じでしょう。定義が曖昧であるため当てはめにおいて頭を抱えるだけで(笑)。

こうしたやり方以外にどのような手段があるのか、webmasterは現時点では腹案を持ち合わせていませんが、金融政策の実効性の文脈における中央銀行の信認が重要であることは疑いないわけで、それが真に損なわれたのであれば何らかの責任追及をする枠組みというのは大いに存在意義があるでしょう。類例として、日銀法改正の際には、中央銀行の独立性を指標化し、独立性が高ければ高いほどインフレ率が低くなる傾向にあるとの実証研究が紹介され、法改正の議論に大いに影響を与えました。

#具体的な論文は失念しております。ごめんなさい。

同様に信認の程度を指標化し、それによる金融政策の実効性の変化を定性的でなく定量的に示すことができれば、制度に信認を強化する枠組みを導入することにつながるかもしれません。一つの方向性としては、「世界デフレは三度来る」でグリーンスパンの神業の証拠として示された政策金利の感応度(インフレ率の上下動に対する政策金利の上下動の割合)や政策金利の変動性(pp246, 247)への着目があるのかな、とwebmasterは思います。

それらに期待インフレ率の変化やその寄与度をかみ合わせれば、実際のインフレ率の変化とは別に、どの程度中央銀行の行動が期待インフレ率を左右するかは計測可能でしょう。その結果、あれこれ金融政策を講じても無力であれば外部ショック等により偶然にインフレ率が安定していても改善を促す、という仕組みは検討するだけの価値があるのではないでしょうか。

まあ、インフレターゲティングでさえ導入に難儀しているこの国においては、そうした仕組みの導入など絵空事以外の何物でもありませんが(笑)。

(続く)

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

Before...

イギー [信認が損なわれるような行為かどうかを議論する主体と、じっさいに信認する主体が同一なのは、あまり健全ではない気がする。..]

西麻布夢彦 [>イギー様 よくご存じのことと思いますが、株券というのは「政治献金」に使われることが多いので、「誤解だ」と言っても理..]

政治学者の卵 [>類例として、日銀法改正の際には、中央銀行の独立性を指標化し、独立性が高ければ高いほどインフレ率が低くなる傾向にある..]


2006-06-28

[economy][pseudos]トンデモ#14:小泉総理を超える「小泉主義」者

自民党が歳出削減案をまとめたことを受けての各紙社説ですが、白眉は朝日のものでした。

元寇で押し寄せてきた敵の船団を一夜で壊滅させた「神風」の故事は、いつしか、都合よく吹いてくれるのを期待する神風待ちの発想も生んだ。

政府と自民党がまとめようとしている歳出と歳入の一体改革は、神風頼りそのものである。名目で年平均3%の経済成長という追い風を前提に税収を見込み、痛みを伴う部分は先送りしているからだ。

この国の経済は01年度以降、マイナス成長が2年間続き、その後も3%を超えたことなどない。無理な設定というほかない。

朝日「歳出入改革 神風頼みの危うさ」(6/27社説)

とりあえず主張について真面目に反論をします。

  • 2001年度以降といえば、政府・日銀の拙劣なマクロ経済運営が原因でデフレ下の低成長がこれまで続いてきた期間です。それがまともに戻るとの前提(本当は名目年3%ではまともとは言いがたいですが)で「神風」とは、いったい潜在成長率や適正なインフレ率をどの程度と見込んでいるのやら。デフレ継続を前提に財政再建を考える方が、よほど現実離れしています。
  • 朝日の主張を敷衍するなら、名目3%未満の「現実的」な成長率の下で大幅増税・歳出減という「痛み」を実施せよということになりますが、その際にGDPがどうなるかはまったく顧慮されていないようです。宿主が弱ったときに寄生虫が養分を好き放題吸い取ればどのようなことになるか、ちょっと考えればわかりそうなものですが。

興味深いのは、このような認識の背後にある考えがどのようなものかです。かつてwebmasterは、苦労した先人に対して、清算主義者はバブルのような栄耀栄華を謳歌したことを後ろめたく思っているのではといった趣旨のことを書いたことがありますが(どのページかは失念しました)、かくも自傷行為を求めるさまは、中世ヨーロッパにおけるペストの流行に際しての人々の反応を想起させます。

ペストは堕落に対する神罰であると考えた人々の中には、互いを鞭打つことで反省の意を示し、神の赦しを請う者がいたといいます。もちろん鞭打ちは、体力を削り衛生状態を悪化させる行為であり、それがためにペストからまぬかれるどころか事態を悪化させる方に効果があったわけですが、バブルを堕落、「失われた十〜十五年」をペスト、増税・歳出削減を鞭打ちに当てはめると、さらに痛みを求める心情の構造が見えてくるように、webmasterは思います。

首相は「改革なくして成長なし」と言い切り、「処方箋(せん)は分かっている。必要なのは決断と実行だ」といってきた。今こそ、自ら風を起こす迫力で、子孫たちのために持論を貫いてほしい。

朝日「歳出入改革 神風頼みの危うさ」(6/27社説)

そう考えると、このような小泉総理の「軟化」を難ずる姿勢というのもよく理解できます。低成長がペストであり、改革という鞭打ちなくしてはそこから逃れることはできないというスローガン=「改革なくして成長なし」を小泉総理以上に信じ、もっと鞭打たねばならない、鞭打ちの手を抜けばいつまでもペストの脅威は去らぬと訴えているわけです。

・・・そういうことは信者同士でやってくれないかなぁ。

以下、余談を2つ。

エネルギー需給が窮迫したり、米経済が混乱したりすれば、「3%成長」など吹き飛ぶ。国債の利払いに直結する長期金利が上がったなら、11年度の16兆円の不足も甘い計算になってしまう。

朝日「歳出入改革 神風頼みの危うさ」(6/27社説)

2011年度の16兆円というのはプライマリーバランス均衡に必要な額、つまりは国債の利払いは含まれていないので、長期金利が上昇しても「甘い計算」にはならないのですが。議論の対象ぐらいちゃんと理解しましょうよ。

そうしたなかで自民党の歳出削減案の骨子が固まった。大どころの公共事業費は「毎年3%削減を基本」としたのはいいが、「資材価格や賃金などのコスト増が生じうることを考慮する」と逃げ道を用意している。

朝日「歳出入改革 神風頼みの危うさ」(6/27社説)

新緑の山肌に土砂崩れの爪跡(つめあと)が残る。新潟県中越地震の被災地は全国有数のコメどころだ。春の田植えの後は天候にめぐまれ、稲が順調に育っている。

(略)

農機具も作業小屋も傷み、農業への意欲がなえそうになった。そこに制度改革が重なった。これまではコメの価格が下落すると、国が補助金を出して農家を一律に守ってきた。07年度からは、一定規模の農地面積をもつ農家や組織以外は補助金の対象にならない。

やる気と能力のある担い手に限定し、経営の安定をはかる。それが新たな制度のねらいだが、被災地では山を切り開いてつくった棚田が中心で、要件にかなう面積の田んぼをもつ農家は少ない。

涌井さんが呼びかけてファーム田麦山をつくった。組合員23人の田んぼを合わせると、耕作面積は13ヘクタールになった。法人として新制度の要件がクリアできた。

しかし、共同で使える大きな農機具がほしいのに、資金繰りがつかない。復旧のための県の補助事業の条件を満たせないからだ。壊れなかった農機具を持ち寄ってしのいでいるが、効率が悪い。

被災地の人々は知恵を絞って立ち上がろうとしている。自立をあと押しするためにも、県には補助事業の条件を緩和するなど柔軟な対応をしてもらいたい。

朝日「中越被災地 コメ作りを支えたい」(6/27社説)

紙面で並んでいるもう一つの同日付社説ですが、「補助事業の条件を緩和するなど柔軟な対応」というのは「逃げ道」に他なりません。矛盾する主張が並んでいることを自覚しつつ目をそむけているのか、それとも矛盾することに気付いていないのか、どちらなんでしょうかねぇ?

本日のツッコミ(全17件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [>皆様 よくある予算制約式を思い出していただきたいのですが、第一象限においてX軸・Y軸と交わる右下がりの直線が予算制..]

たけ [みなさま、コメントありがとうございます。 ○さま >そもそも社会保障=必要、公共投資=無駄という前提が乱暴すぎる>..]

bewaad [>たけさん 公共投資には雇用維持の側面があるのは事実ですが、最近の流れとしては、整備すべきインフラがあればやるべきだ..]


2006-06-29

[BOJ][pension]福井総裁は公務員として高額年金を受け取っているわけではありません。

書きたいことはタイトルで尽きているわけですが(笑)、福井総裁が年800万円近い年金を受け取っているとの公表に対する反響として、公務員の厚遇けしからん、といったものが散見されますので、その点について。前提として、日銀職員が属する年金は(国家公務員)共済年金ではなく、一般の企業の職員と同じ厚生年金です・・・ただ、これはwebmasterの記憶に頼った記述で、ぐぐっても裏が取れなかったので、万が一間違いあったらこのエントリの記述は取り下げます。

#コメントで提供いただいた情報で、日銀職員が属しているのは厚生年金であることの裏が取れました。(6/30追記)

さて、ではなぜこれほど高額の年金を受け取っているのか、主な原因としては3つ考えられます。

  • 個人年金の存在
  • 年金額の報酬比例性
  • 「3階」の存在

1つめですが、公表資料では単に個人年金保険を含むとの注記があるのみで内訳は定かでないので、これがどの程度寄与しているかはわかりませんが、厚生年金以外に年金を受け取っていることに変わりはないわけで、そうした個人年金の受取りがない人に比べれば、その分だけ多く年金を受け取っていることになります。一般論として言えば、個人年金は富裕層が利用している傾向にありますので(収入から年金保険料を捻出する余裕のある者でないと加入しないでしょう。平成15年のデータでは加入率は3割未満とのこと)、そうでない人からは多めに見えるのも無理ありません。

#コメントで提供いただいた情報によると、個人年金は121万円とのことです。(6/30追記)

2つめですが、厚生年金は基礎部分と報酬比例部分からなります(これは被用者年金に共通するので、共済年金でも同じことです)。基礎部分は一定の生活水準を確保するため必要な額ということで、基本的には国民年金と同様の給付体系になっています(俗に「1階」といいます)。報酬比例部分は読んで字のごとく、現役時代の報酬に比例して給付額が増える部分で、報酬に比例して保険料を多く納めていることに対応します(こちらは俗に「2階」といいます)。

ではその報酬がどうだったのかという話ですが、バブル崩壊後は不祥事などもあり引き下げられているとも聞くものの、日銀職員の給与は都銀(上位行)職員のそれと似たような水準であると言われていました。まして福井総裁の職員時代は不良債権問題もなく都銀の給与水準は他産業に比べ高いとされていた時代、加えて彼は若かりし頃から総裁候補と認められエリートコース一直線でしたから、おそらくは給与所得者の中でもかなり上位の層に属していたものと思われます。したがって、報酬比例で受け取る年金の額も、これまたかなり上位の層であるはずです。

#コメントで提供いただいた情報によると、「1階」「2階」合計で309万円とのことです。(6/30追記)

3つめですが、厚生年金においては、公的年金として制度的に保障されている「1階」「2階」に加え、各事業者の判断で「3階」を建て増すことができます。保険料負担は労使折半ですので事業者の財務に余裕がないと「3階」は作られないことになりますが、当然ながら「2階」までしかない年金に比べれば、「3階」がある年金の方が給付額は多くなります。

「3階」を設けている事業者は基金(一般に名称は「組織名称」+「厚生年金基金」といったもの。例:日本赤十字社(日本赤十字社は日銀と同じく認可法人です))があるはずで、しかしながら「日本銀行厚生年金基金」等はぐぐっても見つからなかったので、ひょっとしたら「3階」がないということも否定できませんが、これまたwebmasterが記憶する限りにおいてはあったはずです。「3階」も報酬比例なので、存在するなら大きく効いてくるでしょう。

#コメントで提供いただいた情報によると、「3階」は333万円とのことです。なお、基金を積みたてる形ではなく日銀自身が直接支払っているようです。(6/30追記)

#昔の雑誌記事で、日銀にはエリート向けの「4階」がある、なんてものも読んだような記憶がありますが、裏の取りようがないのでご紹介のみ。

というわけですので、本件が公務員の特権の証拠であるかのようなご批判は、霞が関の住人としては避けていただけると大変ありがたいので、ご配慮いただきますようお願い申し上げます。

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Before...

bewaad [>葉山の光と影さん 一般企業において労使折半の保険料のうち使用者負担分は人件費計上ですから、当期の費用として直接支出..]

koge [Baatarismさんとこでも同じこと書きましたが、これってよその中銀も似たようなことやってるんですかね? もし違う..]

bewaad [>kogeさん 個人的にはキリスト教文化と日本文化の差にあれこれ還元するのはいかがなものかと思うのですが、本件に限ら..]


2006-06-30

[politics][book]P.W.シンガー「子ども兵の戦争」

あの「戦争請負会社」の著者による新作ですが、前作と同じく好著といえましょう。といっても若干性格は異なり、前作はPMF(Privatized Military Firms)の分析として読み応えがあったのですが、本書は世界中の子ども兵とそれを生み出す環境の丁寧な描写に価値があります(著者によると、子どもの兵士の問題についてはほとんどわかっていなかった(p8)とのことで、これだけ知られていながらまともな調査がなされていなかったというのは、ある意味驚きです)。結果として、著者が意図してのことかどうかはわかりませんが、子ども兵がなぜ広がってきているのかという問いに対する冷たい解答を突きつけてきます‐それが効率的だから。

効率的とは何か、つまりは低いコストで高いパフォーマンスが期待できるということです。具体的には本書を紐解いていただきたいと思いますが、戦争(内戦その他の武力紛争を含む)するなら子ども兵を使った方が勝ちにつながることになります。従来の常識を覆す軍事思想という意味では、子ども兵の使用はアメリカ軍が進めている電子機器使用に基づく兵力運用の高度なシステム化‐いわゆるRMA(Revolution in Military Affairs)‐とは逆向きのヴェクトルを持つ、もう1つのRMAといってよいのかもしれません。30、31頁の地図で示される「子ども兵を使う慣行の中心地」とは、アメリカの対極に位置する最先端の地でもあるのです。

となると、子ども兵の使用を抑止することは極めて困難といわざるを得ません。本書で示された対策は、ネタバレ防止に抽象的に書くなら、失うものがある指導者に対して、子ども兵を使用すればそれが失われるとして、いわば子ども兵の使用コストを上昇させるものです。本書で紹介される人道団体が進めるような道徳的訴えに比べればはるかに実効性は高いでしょうが、にしても失うものがある場合にしか効果はありません。失うものがない状況‐このままでは敗北は不可避だが、子ども兵を使えば勝てるかもしれないといったような状況‐における効果は期待できないでしょう。

#「子ども兵士の従軍禁止を求める連合」は、アメリカ・イギリスの軍隊にごく一部存在する子ども兵を問題視して両国の支持を得られず、より早急な改善が求められる地域の子ども兵への対策において、結果的に著しく進捗を妨げたという例が書かれていますが(pp210, 211)、洋の東西を問わずそうした運動に携わる人は・・・という気についついなってしまいます。

じゃあどうすればいいのか、というのはなかなか悩ましい問題です。実現可能性を無視するなら、

  • 子ども兵を使う勢力に対しては武力制裁を行い、子ども兵を使うとかえって負ける確率が高くなるようにする、
  • 経済水準を上げて子ども兵の調達コストを上げる、

といった手法は有効でしょうけれど、前者は例えばそのようなことが正当化される国際的コンセンサスは遠い将来でないと形成されないでしょうし、後者はそんなことができるならそもそも紛争の多くは発生しないわけで、それができないからこその現状であるわけです。結局は筆者の提案などを欠点があるとしても何もしないよりははるかによいと割り切り、少しずつでも改善を進めていくしかないのでしょう。

ちなみに訳についてですが、訳そのものには特段の問題は感じませんでしたが、2点関連で気になります。1つめは注や参照文献がついていないことで、原書を見ていないので推測ではありますが、「戦争請負会社」と同じく訳書において割愛されたのではないでしょうか。このような割愛は、日本の翻訳文化において直ちに改めていただきたい風習だとwebmasterは思います。

2つめは訳者あとがきの次の部分。

事実、本書で紹介されている子ども兵の実態や傷ついた子どもたちの本音には、幼児虐待や少年犯罪の凶暴化など、どこか歪んでしまった今日の日本社会を思い、考えさせられる部分も少なくない。子どもの兵士の徴集や使用に終止符を打つための闘いにおいて最大の障害となるのは、児童虐待の場合と同じく、この問題に対する人びとの無知・無関心かもしれない。

p314

少年犯罪が凶暴化しているといったありがちな思い込みもさることながら、上記のように冷徹なそろばん勘定に基づく子ども兵の使用を児童虐待と同種の問題と捉えるのはいかがなものでしょうか? 本書を訳していて、何か思うところはなかったのでしょうかねぇ・・・。

[economy]ワールドカップ開催中ならではの諮問会議の風景

(牛尾議員)大変に立派なものを作っていただき、感謝している。サッカーでもそうであるように、世界の競争は厳しい、とあらゆる局面で我々は痛感することがある。日本人は、ともすれば仲間内で褒め合って、この程度だろうと思う国民性があるが、国際競争というのは、3年先、5年先を考えると、一刻たりとも油断できないし、また人口減、人口増、色々な国があって、特に日本に学ぶということが非常に大きな焦点になるから、我々は相当な努力をしないといけないので、この戦略が国民一人一人のインセンティブになるような広げ方をぜひお願いしたい。

平成18年第17回経済財政諮問会議議事要旨

サッカーに擬えて国際競争力を説くとは、牛尾議員も時流に敏感で結構なことで。日本がグループリーグで敗退したおかげで、お説教のありがたみが一段と増してよかったですね(笑)。

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