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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2006-06-14

[BOJ]村上ファンドに拠出した福井総裁の何が悪いの?

日銀の福井俊彦総裁は13日の参院財政金融委員会で、インサイダー取引事件で逮捕された村上世彰容疑者が率いた「村上ファンド」との関係について「(富士通総研理事長だった1999年秋に)有志数人で私も入り、1人1000万円を拠出した」と述べ、同ファンドに個人資金を拠出していたことを明らかにした。

福井総裁は99年に村上容疑者がファンドを立ち上げた際、「具体的な投資活動のアドバイスをしないとの約束の下、(アドバイザーを)引き受けた。報酬もない」と強調。「総裁就任時にアドバイザーは辞めた」とした。その上で「拠出もやめるというのも一つの考え方だったが、私だけが抜けるというのが適当かどうかという仲間内の意識もあった」と述べた。

拠出金から得た利益に関しては「キャッシュアウト(現金化)したことはない」とし、「帳簿上の利益は確定申告して納税している。もうかっているという感じではない」と表明。拠出金は「数カ月前に解約の申し入れをしている。今月末に清算される」と述べた。

日経「日銀総裁、村上ファンドに1000万円」

木走さんやBaatarismさんはアドヴァイザーを総裁就任後も継続したという前提で次のように批判されていますが、上記引用のとおり総裁就任時には辞めたとのことですので、責められるいわれはないでしょう。

そのような特別な役割を有する日本の中央銀行の最高責任者である福井俊彦日銀総裁が、設立に深く関与した一民間企業の出資者兼アドバイザーという関係を、出資時点では民間人であったかも知れませんが、日銀総裁就任以降も3年以上も継続していたということは、どう説明なさるのでしょうか。

「株価暴落まで招いた日銀総裁と村上ファンドの関係〜揺らぐ「日本銀行の独立性と透明性」」(@木走日記6/13付)

この件については「木走日記」さん(id:kibashiriさん)が詳しく説明してます。この記事によると、福井氏は日銀総裁就任後も資金を回しなかったばかりでなく、村上ファンドのアドバイザリー活動を続けていたようです。6/6の記事で紹介したlivedoor ニュースの記事は、このことを指していたのでしょう。

「福井日銀総裁のいろんな疑惑」(@Baatarismの溜息通信6/13付)

ついでに申し上げるなら、日銀法の規定は次のとおりですから、仮にアドヴァイザーを続けていたとしても、証言どおり無報酬であったのなら、法的には何の問題もありません。批判するなら福井総裁個人ではなく法の不備を対象とすべきでしょう。

(役員の行為制限)

第26条 日本銀行の役員(参与を除く。以下この条、第31条及び第32条において同じ。)は、在任中、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 国会又は地方公共団体の議会の議員その他公選による公職の候補者となること。
 二 政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をすること。
 三 報酬のある他の職務(役員としての職務の適切な執行に支障がない職務の基準として第32条に規定する服務に関する準則で定めたものを満たすものと委員会において認めたものを除く。)に従事すること。
 四 営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。

2 日本銀行の役員が国会又は地方公共団体の議会の議員その他公選による公職の候補者となったときは、当該役員は、その役員たる職を辞したものとみなす。

さらに木走さんは次のようにも指摘されています。

また「ガバナンス(企業統治)に関し大所高所からアドバイスしたことはあるが、役員としての契約はせず報酬も受けていない」としましたが、いくらご本人が資金拠出の目的を「応援の意味で」と述べ、自身の金儲けではないことを強調しても、記事結語にあるように「結果的にはファンドから利益を得たうえ、村上容疑者の活動を側面支援した形になる」と指摘されても仕方ないでしょう。

「株価暴落まで招いた日銀総裁と村上ファンドの関係〜揺らぐ「日本銀行の独立性と透明性」」(@木走日記6/13付)

福井総裁が自身の金儲けのためでなかったとすること自体、世間的プレッシャーを感じさせるわけですが、既述のアドヴァイザリー契約から切り離せば、ファンドへの拠出は単なる投資行為です。次のように完全な一任運用とのことですから、拠出の性格もいわゆるGP(General Partner)的なもの=株主的なものではなく、LP(Limited Partner)的なもの=純投資的なものだったと解せられます。

日銀総裁就任時に解消すべきではなかったかとの指摘に対しては「就任時にアドバイザーは辞めた。ファンドへの拠出を止めることもひとつの考え方だったと思う」としながらも、「私だけが、あの時点で抜け出すことが適当かは、富士通総研の仲間うち意識があった。また、このファンドは一切投資家の指図で動くわけではない、完全な一任勘定。他の投資信託と同じように、このまま置いた。利殖の対象として操作可能なものではないという認識だ」と解約せずに継続した理由を説明した。

朝日(ロイター)「福井日銀総裁の村上F資金拠出で波紋、ゼロ金利解除観測の後退も」

例えばある銀行に預金していて、偶々その銀行が違法行為をしたら、「結果的には銀行から利益を得たうえ、銀行の活動を側面支援した形になる」とでも言うのでしょうか? そんな締め付けをするなら、まるまるタンス預金にするぐらいしか資産管理のすべはなくなってしまいますが、そのような行為制限が合理的であるとはwebmasterには思えません。

同様に、本件は日本銀行員の心得7.(2)の「現担当職務と個人的利殖行為との間に直接的な関係がなくとも、過去の職歴や現在の職務上の立場等に照らし、世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。」に違反しているのではと田中秀臣先生がご指摘ですが、ここで言う「疑念」とは7.(1)の「職務上知ることができた秘密を利用した個人的利殖行為は、厳に行ってはならない。」に反しているとの疑念であると解すべきでしょう。であるなら考査権の及ぶ日銀当座預金開設金融機関への預金口座等の開設の方がよほど問題であるとしなければ論理的に整合しません。銀行口座すら持つなという話であればともかく、そうでないなら矛盾するのではないかと思うのですが、いかがでしょう?

村上容疑者が法に触れる行為をしたというなら相応の対応がなされるべきでしょうし(といってもメディアの「推定無罪」という語を知らぬかのごとき報道姿勢には、彼に限らずいかがなものかと思いますが)、当サイトの読者であればwebmasterの福井総裁へのしつこい批判(笑)はよくご承知かとは存じますが、このような福井総裁批判は筋が通らないのではないでしょうか。これでは、先に引用の朝日(ロイター)記事の表題のごとくゼロ金利解除がくじかれたとしても、少なくともwebmasterにとっては、素直には喜べる話ではないですねぇ・・・。

本日のツッコミ(全71件) [ツッコミを入れる]
BUNTEN (2006-06-14 06:16)

Baatarism氏の後ろの方の

>もし解約の申し入れをしたのが量的緩和解除の直前であれば、インサイダー疑惑すら浮上しかねないタイミング

こっちの方がキツい気がします。

cloudy (2006-06-14 06:20)

私も一瞬そう考えましたが、しかし
「解約を申しこんでからおもむろに量的緩和解除→株安になりますた」
というのはさすがにまずくないですか?

もっとも、歩く日銀理論の福井総裁なら「量的緩和解除から株価下落するとは思わなかったし、そんな予測をしていたらそもそも解除などしない」と弁解するのかな。

cloudy (2006-06-14 06:24)

モタモタ書いてたらBUNTENさんとかぶってしまいました。スマソ。

⊂(゜Д゜⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡ (2006-06-14 07:36)

ニュースを見てると、庶民には0金利を強いておきながら高利回りなファンドで利益を得るのはけしからんという論調があるので、むしろ0金利解除に前のめりになってしまうおそれがあるのが心配ですね。あと表向きアドバイザーを辞めていたとしても出資を続けていたなら、村上に情報流してたんじゃないかと疑われても仕方がないと思います。

すなふきん (2006-06-14 07:39)

さすがにまずい状況じゃないですか。相場。
このところ悪材料が重なりすぎで市場心理を冷やしまくってることは確かですね。インドの崩落とかアメリカの利上げ継続とかも。そういえば今日どこかのコメンテーターが「国民に不人気のゼロ金利」の解除が遠のくから困ったとかピント外れの批判してましたがwやれやれ・・・。

西麻布 夢彦 (2006-06-14 08:03)

「福井総裁の件」
あえて、申し上げますと、福井総裁は「将来の日銀総裁」という「予定」の下、F社が身の回りのお世話をしていただけで、法的には公務員でなくても、「実質的」には「高級官僚」であったわけです。それも金融に関わる。
そういう人が、特定のファンドに関わりを持つというのは、残念ながら公私混同以外のなのものでもありません。
後に、予定通り日銀総裁に返り咲いた場合には、村上ファンドに「特別の配慮」をするのは目に見えているし、返り咲かないでも、日銀への隠然たる影響力を行使できる立場にあるからです。
いわば、ファンドへの出資は、形を変えた収賄に等しいのです。
("刑法上は"構成要件に該当しないでしょうが、これこそホリエモンやMAC村上お得意の"グレーゾーンでの脱法行為"です)
こういう「だらしない」ことをしたのなら、道義的な非難は当然といえるでしょう。

tanakahidetomi (2006-06-14 08:04)

bewaadさんの今回の立論は意味をなさないですね。bewaadさんの今回の指摘は、baatarismさんやbuntenさん、cloudyさん、あと絵文字さん(すまんですが絵文字コピペしようかと思ったんですが控えました、ごめんなさい)、すなふきんさんの疑念が正当性をもつかもたないか、あるいは(かつ)事実か否かの論証にはなっても、疑念自体の否定にはぜんぜんなりませんから。

それとこれは違う論点と理解してますが、法やルールが不備(た問えば個人資産公開の欠如など)であるというのはそうでしょうね。しかしだとしたらその法やルールの不備を利用して総裁が彼の知りえた秘密で個人的金融資産を増やした可能性があるという疑念を私たちがもってしまうこともまた事実(いいかたをかえるとbewaadさんの今回のエントリーさも福井総裁への疑念を発生させる結果になるわけです)でして、これは法やルールが不備なんだからそんな疑念は正当性をもたないor/and正しくない、という論証をされても、それは問題のすりかえだと思うんですよ。

簡単にいうと世論やマスコミ、それに市場をまきこんで個人的な利殖行動がらみで混乱・疑念生じさせて政治問題化(実際には個人資産公開という動きにすらなっているわけで、これも個人的に知りえた秘密で云々の疑念が存在しなければマスコミや政治的な動きにすらならないわけですけども?)するだけでも中銀総裁としてはアウトだと僕は思いますよ。そんな中銀総裁聞いたことない(でもいるかもいま調査中w

tanakahidetomi (2006-06-14 08:27)

無知を恥じますがw 簡単に調査したら直近では昨年のイタリアなど類似の事例がありますね。

通りすがり (2006-06-14 08:55)

前総裁が再建して影響力を維持している商社のCPを大量に買いオペしていたなんて話もありましたね。
利害関係者が利害関係を持ったまま公的立場につくというのは、仮に法的に禁止されていないという言い逃れが通用するとしても、人選する側は相当に注意しなければならない事柄だと思います。本当は禁止すべきです。
そういえば、経済財政諮問会議なる「私的」な会議にも利害関係者ばかり参加されているようですし、某氏なんぞは不良債権処理タスクフォースに任命されたら、金融コンサル業務を拡大して不良債権処理コンサルタント業務なんてのを始めたりしましたね。
こういうのを、ガバナンスの欠如、コンプライアンスの危機と言い、個人のプライバシーと居直るのをアカウンタビリティーの喪失というのではないかと思います。
日銀総裁もそうですが、私的とはいえ国の政策にダイレクトに直結する諮問会議その他に参画する人の方が、一部上場企業の経営者よりずっとずっと公的な責任を負う立場だと思うのですが、最近は逆転しちゃっていますよね。

弥次郎兵衛 (2006-06-14 09:06)

村上ファンドの運用方針は金利やマクロ経済に無縁で、ほとんど株式市場の構造だけに依存しているので、他のどんな金融商品、あるいは実物投資と比べても、村上への出資は日銀総裁にとって適正な資産運用であるとも考えられます。服務規定以前に道義的にも全く問題が無い、という主張が聞かれないのはちょっと不可解です。
まずいとすれば、村上が「日銀総裁が顧客である」という情報を宣伝目的で利用していた場合くらいでしょう。

tanakahidetomi (2006-06-14 09:22)

道義的問題はあくまでもそれを主張する人たちの価値判断だから問題がないとはいいえないでしょう。神々の争いでは、最後は力の強いほうが勝つケースが多いでしょうねえ。

株式市場の構造だけに依存、という意味がとれないんですが? 

koge (2006-06-14 11:59)

村上ファンドは通常10億円単位以上でないと相手にしないと言われていますから、1000万円の投資が受け入れられたと言う時点で日本銀行員の心得の
>>5.職務上の関係者からの利益享受
>>(1) 次に掲げる行為を行ってはならない。また、職務上の関係者に要求し、第三者に対してこれらの行為を行わせてはならない。
>>ト、その他、日本銀行における地位や職務を利用して、職務上の関係者から、一般の顧客に比べて有利な条件での取扱いを受けること。
に引っかかるんじゃないですか?「民間人時代」としてもグレーゾーンでしょう。
あと、今の証取法では直接株の売買をせずファンドを通じて投資した(がファンドとの共謀は立証できなかった)場合、インサイダー取引になるんでしょうか?

nobi (2006-06-14 12:00)

福井総裁は規定上も、道義上も問題はないと思いますよ。Webmasterさんも指摘しているとおり、「一任勘定」であれば運用に影響を及ぼせるわけではないのですから。「それでも影響を及ぼせたかもしれないからダメ」と言うのはまさしく推定有罪w。
例えば米国の連銀議長や財務長官の場合、信託などの一任勘定であれば株式を保有していても問題なし。グリーンスパンは全額をT-billで保有していたと聞いたことがありますけど。しかし、日本の世論であればグリーンスパンに対しても非難が起きるでしょうね。金利を上げれば、T-billの金利も上がるわけですからw。

日本の世論の論理性のなさ、極端に走る性向は危うさや胡散臭さを感じます。今回の件を非難する人を含めて、例えば天下りや談合、交際費の指摘流用、裏金作りに関わらなかった、あるいは見てこなかった、そういう組織に属したことはない、と言える人はほとんどいないのではないでしょうか。だからこそ、こういう非難が起きるんじゃないかと思いますよ。無いものねだり。

Baatarism (2006-06-14 12:50)

今日の日経新聞の5面左上の記事を読む限りでは、福井総裁は村上ファンドへの出資金を信託銀行に預けていなかったようですね。
速水執行部時代はきちんと信託銀行に預けていたようですが、何故福井総裁はしなかったのでしょうか?

koge (2006-06-14 12:56)

>>nobiさん
グリーンスパンの場合、退任するまで動かさなかったんじゃないですか?で、日本の場合「量的緩和の直前」に「動かした」ことでインサイダー疑惑がおきているんですが。もっとも、日本なら動かさなくても批判されたことは確かでしょうね。

>>今回の件を非難する人を含めて、例えば天下りや談合、交際費の指摘流用、裏金作りに関わらなかった、あるいは見てこなかった、そういう組織に属したことはない、と言える人はほとんどいないのではないでしょうか
かつてそういうのが今よりもっと盛んだった頃を考えても、若いうちは下積みで40代くらいになってやっとそのうまみが手に入るものだったと思います。そして今の20〜30代は、これから先少なくほど前ほどはそういううまみを得られないことは世論からも経済状況からも確実なわけで。少なくとも「ネット世論」は、主流を占める世代を考えればそういう年寄りに対するやっかみと考えたほうがまだ合うんじゃないでしょうか。

nobi (2006-06-14 17:39)

>>kogeさん、
なるほど、動かしたことが問題ですか。そりゃそうかもしれませんね。金融政策変更の前に株式投信を売却したようなもんですか。ご指摘、納得です。しかし、「インサイダー疑惑」とまで言うのは過剰反応ではないですかね。

保有し続けるべきであったとおっしゃるw

ところで、日本の政治家は保有株式の額自体は公表されますが、その保有形態(一任や信託などの、投資の意思決定への関与)に対する規制は存在するんでしょうか。そのような規制はないのではないかと思うのですが、その場合、今回の日銀総裁とのバランスが取れないのではないでしょうかね。

tanakahidetomi (2006-06-14 17:45)

インサイダー疑惑」とまで言うのは過剰反応ではないですかね>

いいえ、違います。この種の問題がまさに「疑惑」として成立するためにFRBなどは徹底的な開示を求めています。まさにことは最後の貸し手あるいは金融の番人の究極の権限にかかわる重大事だと私は認識してますね。

いち公務員 (2006-06-14 17:56)

はじめての投稿であり、勝手も判らず失礼を申すかもしれませんが宜敷くお願いします。
tanakahidetomiさん(田中秀臣先生)に、なのですが・・・

おっしゃるところの疑惑とは、田中秀臣のブログの記述から「日銀の服務ルール・服務規程の7(2)に完全に抵触しているように思える」ということであり、どのような事実がそれに該当するか、というと、ドラめもんさん曰くの「拠出したことよりも2月にこっそり解約したことの方」なのだろうと思えるのですが、この場合、当該「解約」は日銀の服務規程にいう(更には一般用語たる)「利殖行為」に該当する、ということでしょうか。因みに、法令上の用語としての「利殖」であれば、このようなものが含まれているとは解し辛かったのですが(ぼくの読み・解釈が甘いだけでしょうか。)。

あと、「bewaadさんの今回の立論は意味をなさないですね。bewaadさんの今回の指摘は、・・・の疑念が正当性をもつかもたないか、あるいは(かつ)事実か否かの論証にはなっても、疑念自体の否定にはぜんぜんなりませんから。」というのは如何でしょうか。ぼくは、今回の立論を、まさしく「疑念の非正当性の論証」だと思った、その意味で一定の成果をおさめていると思った、のですが。

tanakahidetomi (2006-06-14 18:34)

すみません僕は法令解釈の下地がないのでおっしゃることがよくわからないのですが、僕の意見は単純に金融政策の権限と信頼性、これは最後の貸し手である中央銀行の首長たる総裁の責任と権限の由来そのものですが、それに政治問題化するような個人的な金銭問題の「疑惑」が生じることは重大すぎて言葉もない(弁解の余地がない)、ということです。

「利殖」が法解釈上どんな意味をもつかは私はわかりません。そのあとのbewaadさんへの私の意見への再反論もすみませんが難しくてわからないので、僕が誤解しているかもしれませんが、疑念の正当性や非正当性はこれから争われることでして(場合によれば法廷で法解釈論争もあるかもしれないでしょうね)、僕のいいたいのは疑念が今回のようなケースで「些かでも」生じればアウトだということです。

(個人的利得への)疑念の発生原因はさまざまなものがあるでしょうね<ルールの不備やうっかりミス、人間的弱さなどなど>。それが発生原因を問わず生じるだけでアウトだということを日銀の服務規程は書いているのです。疑念に正当性を求めることや、その疑念が真実に立脚したものであるか、ということまでもその服務規程は要求しているのでしょうか?

最後の貸し手の役割を思い出してほしいのですが、銀行取付があったときにそれが真の金融危機に発展するときにこれを防ぐことができるのは中銀の公的行為への信頼性が決定的なものです。真の金融危機(銀行システムの全般的危機)はたんに流動性の供給(取り付けにあっている銀行に個別にお金を積み上げていくなど)だけでは防ぐことは困難です。システムの破綻を最終的に食い止めることができるのは、それ自体はまったく実体をともなわない日銀への信頼性だけです。今回はこれにかかわる深刻な事例です。あとは上に書いたことの繰り返しです。
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/7851fba0a7473168c2d75c6101e16402

の書かれたことはそれをわかりやすくしたものと理解してます

証券会社元社員 (2006-06-14 19:03)

違法ではないが、日銀総裁は先見の明がないと内外の投資家が思っていることが大問題じゃないでしょうか?バーナンキ議長がオフレコ発言をすっぱ抜かれて生じた混乱の責任を問われており、それを見た日本の市場関係者に「それみたことかw 所詮は学者。脇が甘い。実務をなめるな(プゲラ。日本株の暴落ももとをただせば馬鹿南紀のせいだ(怒」などと言わんばかりの反応がありますが、こんどの件は全く違法ではないにしても、市場との対話と言う点ではバーナンキ氏のある意味被害者であるトラブルとは比較にならない破滅的な失敗なのでは?問うべきはこの点だと思います。

ちなみに、ウォール街で経済予測コンサルタント会社を経営していたグリーンスパン前議長は、議長就任後は一時は長期国債すら保有を自粛していたそうです 。結果的とはいえ、グリーンメラーもどきに転落してしまったMファンドに出資していたわけですから、国債保有自粛とは天地の差です。

いち公務員 (2006-06-14 19:38)

親切丁寧なレスありがとうございます>tanakahidetomi

よくわからん、ということでしたので、(それを馬鹿正直にも真に受けて、前段の話についてのみ)一応補足します。

田中秀臣のブログを読んだとき、ぼくは「日銀総裁の行為が『日銀の服務ルールで禁止されている事項に該当し、だからこそ』当該ルールの重みを身をもってしらしめなければならない」ということが書かれているのだと思いました。そう思ったからこそ、日銀総裁の行為が服務ルールでの禁止事項に該当しないのではないか、という旨の疑問を呈した次第です。
ご返答いただいたような内容、就中「僕の意見は単純に」以下のような話であるとすれば、ぼくの疑問は単なる言い掛かりに過ぎません。
ただ、もしそうであるとすれば、田中秀臣のブログであえて日銀の服務ルールを引いたり、それに「完全に抵触」云々などと書くべきではないのではないか、という気がしますが、これは一部外者の素朴の感想です。

無業者 (2006-06-14 20:09)

>kogeさん (2006-06-14 11:59)
>村上ファンドは通常10億円単位以上でないと相手にしないと言われていますから
http://bewaad.com/20060614.html#c14

初期は一口1000万円で募集していたらしいです。
http://plaza.rakuten.co.jp/dsan2000/diary/200606140000/
オリックス証券で当時の最低出資額までは確認できませんでしたが、一般投資家向けの説明会が告知されていました。このことから、一口10億円よりはずっと低かったものと思われます。
http://www.orix-sec.co.jp/campaign/2002/index.html
福井総裁の弁でも、お金がなかなか集まらないと村上氏が相談に来たため出資したそうですから、福井総裁が出資した99年時点は1000万円で出資できたのでしょう。

出資の件、任期満了まで放っておけばこんな問題にはならなかったのでしょうね。任期中に解約したことは、脇が甘いと言わざるをえません。
けれども、出資していたこと自体は非難されるものではないと思いますし、解約したことはインサイダー取引ではないか等の疑念に関しても現状では推定無罪とすべきでしょう。透明性を上げるために資産を開示したり信託したりという努力をしなかったことは落ち度があったといえるでしょうが。

BUNTEN (2006-06-14 21:05)

◆ tanakahidetomi (2006-06-14 08:04)さん
http://bewaad.com/20060614.html#c07

いや、bewaad氏は他の人の論点は十分理解し、あるいは共感した上でなお、法的にはこのようになるのではないか(だから法改正(略))、と問題を提起しているのだと理解しています。

ところで、法的にはともかく、量的緩和解除寸前に株式市場から資金を引き揚げるという福井氏の行為が究極の自作自演に見えるのは俺だけか? (^_^;)

nobi (2006-06-14 21:25)

みなさんのブログ・コメントを読み直し、自分の認識の甘さを再認識しました。服務ルールの解釈や抵触うんぬん以前に、中銀の信認の問題であると理解しました。厳しい姿勢です。が、そうであらねばならない。

中銀の信認を保つためには、どのようなルールでなければならないのかと、そういう視点が必要なのでしょう。甘い考えに毒されていたのは自分であったという落ちorz...

西麻布夢彦 (2006-06-14 21:31)

>nobi様
> 福井総裁は規定上も、道義上も問題はないと思いますよ。

昔、証券会社への「一任勘定」(「売買一任勘定」とか「取引一任勘定」のことでしょうけど)が何を生んだのか、「損失補填」でググッて見てくださいな。

もし、「偉大なる公務員様のやることに文句を言うな」と言っているのでないなら、かなりナイーブな認識だと思いますよ。

> 日本の世論の論理性のなさ、極端に走る性向は危うさや胡散臭さを感じます。
> 今回の件を非難する人を含めて、例えば天下りや談合、交際費の指摘流用、
> 裏金作りに関わらなかった、あるいは見てこなかった、そういう組織に属した
> ことはない、と言える人はほとんどいないのではないでしょうか。

世論というのは、人間が、そういう「どうしようもない非合理な」生き物だと知っているので、論理性などお構いなしに、直感的に不正を嗅ぎ分けるのです。

村上氏が福井さんを「父のように慕って」出資をお願いしたのでもなければ、福井さんが村上氏を「子のように愛して」出資したわけでもないことは、常識として分かるのです。
その意味では、私は、何でも「理屈」で割り切ろうとする人の方が胡散臭いと思います。

あと「天下りや…そういう組織に属したことはない」人は皆無でしょうけど、そういう人を断罪できないでしょう。
日本という「団体」に属する人が、日本で起こる犯罪に、無条件に責任がないのと同じです。

とはいえ、村上ファンド福井ルートは、政官財の癒着の根幹に関わる話なので、あまり事が大っぴらになって貰いたくはないですね。
日銀と金融庁と通産省あたりから、数人の首を飛ばすくらいで手仕舞いして貰いたいものです。
長引くと「損失補填」事件の時のように……
ブンブン(>_< )( >_<)ブンブン

危険な事件です。

maxi (2006-06-14 21:51)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060614-00000018-mai-pol

毎日の記事は秀逸ですよ。

[姪緩和→金余り→村上ファンドに資金調達を助けた
⊆民党執行部の総裁擁護はゼロ金利解除延期交渉への複線

毎日らしい記事ですよね。

西麻布夢彦 (2006-06-14 22:00)

>nobi様
総括されていたようですね。
済みません。

nobi (2006-06-14 22:17)

>>西麻布夢彦さん、
「一任勘定」という言葉は福井総裁のコメントに従っているだけです。投資顧問の一任運用あるいは、ラップ口座・SMAなどを想定してます。損失補てんなど論外w。米国でも信託使ってますでしょ。政策決定者や政府高官自身が運用の意思決定に関わらないことが大事でしょうが、どういう「利殖行為」が許容されるかなどの具体的規定、あるいは実効性の確保について今後、議論が深まればとは思います。省庁も含めて。

今回の件について、私自身の認識の甘さは上で認める通りです。ただし、世論が直感で不正を嗅ぎ分けるのは、その通りかもしれませんが、論理的に何が問題なのかを詰めていくべきでしょう。再発を防止し、中銀の信認を更に高めるためにも。
バッシングして、あーすっきりした、では進歩がw

nobi (2006-06-14 22:20)

>>西麻布夢彦さん、
あ、私こそ入れ違いでした。

それにしても、武藤副総裁はMOFで不祥事の嵐を生き残り、BOJでも不祥事?を生き残り、最後は・・・
案外、黒幕はw

西麻布夢彦 (2006-06-14 22:31)

>nobi様
お返事ありがとうございます。

> どういう「利殖行為」が許容されるかなどの具体的規定、
> あるいは実効性の確保について今後、議論が深まればと
> は思います
私もそう思います。
カネカネという、世の中の風潮は、あまり好きになれませんが(^_^;

ただ、村上ファンドを設立したのは村上氏ではない、という裏話もあって、今回の事件の闇は、そうとう深いと考えています。
ナイーブという表現は、そういうこともあって使っていますが、不快に感じられましたらすみません。

私自身は、バッシングしてすっきりと言うことには関心はなくて、「悪は芽の内に摘め」、「法で裁けないなら世論で裁け」と考えています。
現代日本のメジャーな思想ではないので、共感は頂けないと思います。

tanakahidetomi (2006-06-14 22:43)

 僕の最初のマイ・ブログでの記述は、あまりに服務ルール解釈だけにかかわるものだという印象を与えたのは確かにまずかったですね。nobiさん、いち公務員さん、BUNTENさんたちの指摘に教えられました。ありがとうございます。

 その後、マイブログのコメント欄では山形さんとこの問題(中銀の信認問題)を深める形で議論してます。だいぶ改善されたと思いますがいかがでしょうか。ご存知かと思いますがご参考までに。http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/

nobi (2006-06-14 23:01)

>>西麻布夢彦さん、
私自身がナイーブだなぁ、といつも思っていますので。ただ、それに気づくのがずーと後なのが痛いとこですw。

個人的には、法で裁けないならテロで裁くのもOKかも。。。

お気持ち、わかる気がします。

(2006-06-14 23:41)

>で、どう見てもマズイのはその「数ヶ月前の解約」ですわな。

>1.投資判断(相場が下がる)として解約したのであれば
>金融政策運営の責任者である日銀総裁という立場を勘案すると
>日銀の行動倫理の内規に抵触しそうな気が思いっきりします。
>しかも2月に申し出との事ですからその直後の3月に
>量的緩和解除してるのはまさにタイミングが
>アヒャヒャヒャヒャヒャですな。

>2.村上ファンドを保有しててマズイと思って解約したので
>あればこれまた問題。何故この時点で急にマズイという認識に
>なったかという点で突かれだすと、あーたファンドの違法性への
>認識があったのか捜査ターゲットになってるという認識が
>あったのかなどと突かれ放題。
http://www.fpeye.co.jp/fpeye/fpeye.php?fid=7

シェフチェンコ不発・・・ (2006-06-15 00:02)

>批判するなら福井総裁個人ではなく法の不備を対象とすべきでしょう。

このロジックって金融政策そのものにも当てはまってしまうのでは・・・。どんなお馬鹿な金融政策を打ち出しても、総裁(や各審議委員)個人ではなく、そうしたお馬鹿を許容してしまう法の不備が問題だということになれば、バブル崩壊後の不況について三重野、速水といった歴代の日銀総裁には何ら罪はなく、インタゲとかテーラールールをきちんと法制化しなかった国会の問題という見方も成り立ちますね。

>例えばある銀行に預金していて、偶々その銀行が違法行為をしたら、
>「結果的には銀行から利益を得たうえ、銀行の活動を側面支援した
>形になる」とでも言うのでしょうか?

誰でも預金できる銀行と、日銀総裁になっても抜けるのが躊躇われるような「仲間うち意識」で参加したファンドを比較するのは無理があるというのはともかく、銀行だったら本当にどこでも良いのか、というのは面白い論点かもしれませんね。
たとえばかつてのBCCIみたいな銀行だったらそれはやはり問題になりそうですね。
そこまでいかなくても、80年代に問題を起こした米国のS&Lや、金融の専門家を売りに政府に食い込んでスピード設立したはよいが、融資実績が足りずに親族名義のダミー会社に低利融資させ、しかもその際に自身が売却した未公開の自行株を担保にするような銀行だったらやはり問題になるような気がします。(注:後者の銀行はあくまでも例で、実在の銀行とは何ら関係ありません)
・・・まあ、その場合の問題点は、道義的とか法的という以前に判断力に対する疑問符になるのかもしれませんが。

通りすがり (2006-06-15 00:11)

ここにいる皆さんに聞いてみたいのは、「日銀総裁が、マルチ商法をやってる怪しげな団体に手を貸し、自らも参加していた」としたら、それは同義的に問題になるのか?という点です。
村上ファンドは結果的には逮捕起訴される存在です。程度の差こそあれ、違法行為を行っていたあるいは公務員時代に立案に関与した法の抜け道を利用してインチキ商売をしていたわけですから。

通りすがり (2006-06-15 00:15)

続いてもう1点。
法的に問題無いとはいえ、任期中の日銀総裁が、個人の利殖のために金融政策を決めている可能性について疑念を持たれてしまった事、あるいは本人が知りうる政策決定の内部情報を元に契約の続行・解除を行った事をどう思いますか?
もちろん、証券取引法のインサイダー取引に関する規定には、マクロ経済政策の情報は市場参加者に平等に衆知される情報である事からあえて記載されていません。法的にはOKでも、一般的に言うところのインサイダーの要件は満たしていると思います。

山形 (2006-06-15 02:46)

とおりすがり殿:そういう比較できるかどうかもわからない、明らかに悪いイメージを持って魂胆が明らかな仮想やたとえ話を持ち出すのは、話をゆがめてややこしくするだけですので、おやめになったほうがよいかと。
 もし村上ファンドへの関与が悪いのであれば、それは村上ファンドが有罪だろうと無罪だろうと関係なく悪いことであるはずです。したがって、それはここでの問題とまったく関係がありません。

bewaad (2006-06-15 05:08)

>皆様
多くのコメントをいただきありがとうございます。本日(6/15)のエントリで取り上げた話題はこちらではお返しせず、その余の話についてとさせていただきますが、よろしくお汲み取りいただければ幸いです。

bewaad (2006-06-15 05:13)

>⊂(゜Д゜⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡さん
maxiさんがご紹介の毎日の記事など、ご懸念の萌芽があるような気がします。

アドバイザリー契約については、ではある銀行の社外取締役をやっていたような人間が任命された際、社外取締役を辞任するだけでなく口座も解約しなければいけないんでしょうか? そこまでやるという整理もあるでしょうが、私はやりすぎではないかと思います。

bewaad (2006-06-15 05:18)

>すなふきんさん
相場がまずい状況である根本原因は外国の景気停滞懸念→外需の不透明感だと思うので(内需に不安がないということでなく、内需の不安を補ってきた要因の消滅、ということで)、相場の動きに一喜一憂せずファンダメンタルズをきちんとしてくれ、ということではないでしょうか。

bewaad (2006-06-15 05:28)

>西麻布 夢彦さん
十分ご承知かと存じますので(笑)詳しい言及は避けますが、特定のファンドがダメなら特定の銀行や証券会社(いずれも日銀と直接取引あり)もダメということになりますし、世論で裁けというなら人民裁判ですなぁ、ということで私は反対です。

bewaad (2006-06-15 05:36)

>通りすがりさん(http://bewaad.com/20060614.html#c09
利益相反関係が好ましくないのは一般論としてはそのとおりですが、じゃあ一切を禁止しろというなら、日銀総裁になれる人なんていなくなってしまいます(現預金が多ければ引締めにより利益を得ますし、不動産等のインフレ連動資産を持っているなら緩和により以下同じです)。そこは程度問題で、LP的投資なら問題とはいえないのでは、ということを申し上げたわけです。

bewaad (2006-06-15 05:38)

>弥次郎兵衛さん
「株式市場の構造だけに依存」とは、資本効率の悪い企業の株を買い占めて配当や自社株買いを求めるもの、という理解でよろしいでしょうか?

bewaad (2006-06-15 05:44)

>nobiさん
はしごを外された気分ですが(笑)、道義的・倫理的非難を許すなら、そのうち不倫したらダメだとか敬語の使い方がなっていないからダメだとか、いくらでも拡大解釈の余地があり大いに問題だと思います。事実上、事後法による不利益処分ですし。

bewaad (2006-06-15 05:47)

>Baatarismさん
47thさんがご自身のblogで言及済みですが、信託=具体的な運用指図をせず受託者が投資判断をする、ということであれば同じことだからでしょう。

bewaad (2006-06-15 05:52)

>いち公務員さん
利殖行為にはその解約も含まれると解すべきでしょう。そうでないと本日(6/15)のエントリで例示したような、破綻をインサイダー情報で察知した場合の預金引出しが対象外なんていうおかしなことになりますから。

より形式論理的には、利殖行為と裸で書いた場合には、利殖行為の開始・終了といったその態様の変更もまた含む(明示的に除かない限り)、ということで大丈夫かと。

bewaad (2006-06-15 06:01)

>証券会社元社員さん
田中先生のエントリにおける山形さんのコメントにもありますが、これまで金融政策の責任者として市場との対話どころか金融政策そのもので批判されるべきことをしておきながら、本件でそれ以上に中央銀行総裁としての資質が問われているとは私には思えないのです。

bewaad (2006-06-15 06:04)

>無業者さん
情報提供ありがとうございます。おおむねそんなことではないか(立ち上げ期は資金が集めづらいのでより投資家に有利な条件だったのではないか)と思っていたのですが、探す手間が省けました(笑)。

bewaad (2006-06-15 06:06)

>maxiさん
とっても毎日らしいですね(笑)。金余りって、マネーサプライの動向を見れば(ry

bewaad (2006-06-15 06:16)

>シェフチェンコ不発・・・さん
物価の安定は日銀の使命ですから、それが達成できないのはそれだけで当然に批判されるべきです。法の不備はもちろん正されるべきですが、不備があるからといって免責されるものではないでしょう。他方で道徳的模範であることは日銀の使命ではないので、違法でなければ好ましくはなくとも辞任を求める原因にはつながらないかと思います。

銀行とのつながりの適否については、ファンドを問題視するならむしろ銀行がよほど問題視すべき、という話です。考査権限があり、資金繰りも把握しているわけですから。銀行を問題視しないのにファンドを問題視するのはおかしい、ということです。銀行を問題視するなら、そのことの適否はさておき、ファンドを問題視する前提は満たしていると思います。

ところで脱線ですが、今回大会は本当に番狂わせが少ないですねぇ。唯一、スウェーデンがトリニダード・トバゴに勝てなかったぐらいでしょうか。ウクライナも横綱相手に相撲をさせてもらえなかった、という感があります。

bewaad (2006-06-15 06:25)

>通りすがりさん(http://bewaad.com/20060614.html#c38http://bewaad.com/20060614.html#c39
山形さんがおっしゃるとおり建設的な議論にはならないと思いますので、以下について質問を受けても回答は控えます、とお断りした上で一応。

○1問め
道義的に批判されるかどうかは各個人の価値観の問題で、日本は良心の自由が憲法上保障されていますので、予測は不可能です。

なお、村上容疑者が違法行為を行ったかどうかを判断するのが裁判所ですので、違法行為を行ったと決め付けるのはいかがなものでしょうか。

○2問め
「任期中の日銀総裁が、個人の利殖のために金融政策を決めている可能性について疑念を持たれてしまった事、あるいは本人が知りうる政策決定の内部情報を元に契約の続行・解除を行った事をどう思いますか?」という設問自体が事実誤認があるように思われますので、回答不能でしょう。前者の疑念は見たことがありませんし、後者は「行った事」との確認はされていません。為念。

bewaad (2006-06-15 06:27)

>山形さん
村上ファンドが有罪だから問題だ、というたぐいの主張がほとんどを占める日本のメディアというのも、今さらながらですが、脱力ものです。

通りすがり (2006-06-15 09:25)

設問が良くなかったようですね。
法律の解釈の問題で、セーフかアウトか判断される方がとても多いようですが、そこから出てこようという方はとても少ないようですね。残念です。
僕は、この一件は、一有権者として、許しがたい失策だと考えています。マスコミがどうこうなんて関係ありません。

元役人 (2006-06-15 14:32)

bewaadさんの
> 日銀のプルーデンス担当職員がたまたま家を買おうとしていて、ある銀行の定期預金を解約して頭金に充てようと銀行の窓口で昼休みに手続をしていたら、携帯にその銀行が夕方に破綻を発表するとの情報が入ったら、テラーに「やっぱり解約はやめます」と言って帰れといったものでしょう。解約自体は職務上知ることができた秘密とは無関係に判断していても、業務の公正性が疑われるので泣き寝入りしろ、そういうことです。

この例は、辞任論者なら、つぎのようになるのかなあ。

具体例を考えるなら、量的緩和解除を思っている日銀総裁が、家を買おうとしているのでもなく、村上氏が気にくわなくなったので、村上ファンドを解約してようと手続をしていたら、携帯に部下から「総裁の思いどおりに量的緩和が決まりましたとの情報が入ったら、「やっぱり解約はやめます」と言うべきでしょう。総裁という立場上、解約自体を職務上知ることができた秘密とは無関係に判断したとはいえないでしょう。

bewaadさんの論法をみていると、所詮結論があれば後から理屈はついてくるという言葉を思い出します。

bewaad (2006-06-16 07:45)

>元役人さん
後付の理屈とお考えの部分があるなら、具体的にご指摘ください。なお、お示しの辞任論者の立論は、量的緩和解除と株価の因果関係を当時どのように見ることができたか、私が示した例とは違いがあるのではとは既に論じたところです。

シェフチェンコ不発・・・ (2006-06-17 00:15)

>他方で道徳的模範であることは日銀の使命ではないので

私も道徳云々自体はそれほど問題視していません。金融政策がかなりの部分コンピュータのプログラム等で機械的に決定され、日銀総裁が単にそれを遂行するオペレータに過ぎないような世界であれば、今回の件もそれほど問題にはならないでしょう。ただ、幸か不幸か現在の金融政策技術はそこまで発展しておらず、未だに日銀総裁の属人的性格を拭い去ることができない世界に我々は住んでいます。そうした世界では、日銀総裁の個人的行動そのものが適法かand/or道徳的か云々よりも、その個人的行動を市場がどう受け止めるかが問題になるように思われます。実際、今回の件が経済に与えた(および、引き続き与える)影響は、金融政策のちょっとした失敗を上回っている可能性があるように思われます。
その意味で、私は
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/ota/index.html
の「総裁の進退は中央銀行の信用が保てるかどうかを基準に考えるべきだ。」という意見に賛成です。

shousiminjjp (2006-06-17 01:13)

ということは、1)次の総裁が早期ゼロ金利解除できるなら
総裁は早期退陣、2)政府に押し込まれてなかなかゼロ金利
解除できない状況ならせめて留任で面子を保つという展開に
なるわけですか・・・

通りすがり (2006-06-17 01:41)

なんでそこまでして政治的なお話しにしたがるのか、正直理解できないなぁ。日銀の独立性って、そういうものじゃないでしょ?

ダニアン (2006-06-17 10:23)

中原さんは、株取引がきたないので総裁の資格がないと裏で言い続けた日経が、今回はだんまりというのも面白い。

bewaad (2006-06-17 14:18)

>シェフチェンコ不発・・・さん
信用が失われた(とりあえず信用が失われたかどうかは議論しないとして)理由を問うか問わないかということではないでしょうか。

bewaad (2006-06-17 14:28)

>shousiminjjpさん
といいますか、総裁人事の如何にかかわらず、政府から恩を着せられたからゼロ金利解除できないというように見られてはかなわんということで、ゼロ金利解除をしなければというバイアスがかかるような。

bewaad (2006-06-17 14:35)

>通りすがりさん
政治的な話に現になっていますね、残念ながら。そうした政治的思惑に左右されないがための独立性ではあり、だからこそ政局に巻き込む民主党には批判的なわけですが。

bewaad (2006-06-17 14:36)

>ダニアンさん
日経はそんなことをしていたのですか。知りませんでした。

じじい (2006-06-21 05:15)

 よく分からないのは、日銀総裁が利殖を依頼して、利殖した者がインサイダーをしたと疑われるから、利殖を依頼した者が責められるのですか?私には、福井さんをどうやってもやめさせたいか、お金を持っていないから嫉妬しているからとしか思えない。公の立場ででやっていけないことなら、規定をしっかり作って、できないようにするしかないと思う。

おっさん (2006-06-29 14:22)

疑わしき行為をするような日銀総裁は信用できないということだ。
金儲けをしたければインサイダーと疑われない方法で利殖すればよい。
規定や法律が無ければ倫理的にいかがなものでも行ってよいというようなそんな人間が金融のさじ加減をするところにいる。信用できるか?

(2006-07-26 17:57)

じゃあどんな方法で金儲けしろって?と問いたいですね・・・。

個人の価値観に依存する倫理に従って行動された方がよっぽど厄介でしょうし、
法律違反ではないのに倫理で総裁を辞めさせられたらもっと厄介なことになるでしょうね。

通りすがり (2006-07-26 21:27)

あれ?法律違反では?

ところで、人は何のためにお金を稼ぐのですかね。

bewaad (2006-07-27 08:54)

あっ、コメントが漏れてました・・・失礼しました。
>皆様
法に触れていないという点では、議論はないと思います。せいぜいが内規に違反するかどうかで、私は違反という解釈は難しいと思いますが、私が間違っていたところで、法律違反にはなりません。

金融政策があらゆる資産価格に影響を及ぼし得る以上は、どのような資産を保有していたところで、インサイダー、さらに一般化すれば利益相反の危険はつきまといます。となるとまずはルール化が求められるでしょうし、そのルールもできるだけ金融政策の選択に当たって中立的であるようなものとすべきでしょう。

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 なんとも残念な負け方でしたなぁ。
 体力と体格の差というか、燃料切れですよ。
ランキングなんか関係ありません。チェコのゲームを見ればわかるように、スピードも体力も段違い

6/6のエントリで「日銀総裁とあろう者がそこまで脇の甘い行動を取るものだろうか」と言ったのですが、どうやら福井総裁は本当に脇が甘かったようです。w 参院財政金融委員会で福井総裁は、村上ファンドに1000万円を拠出していることを明らかにしました。 Sankei Web 経済 

堀江被告を参考人聴取 村上ファンド事件で東京地検方針≪出頭拒否なら証人尋問視野≫

この期に及ぶまで黙っていたのは重過失ではないでしょうか。黙ってればばれないと考えていたとまでは思われないかもしれませんが、叩けば埃が出るんじゃないかと思われるのはもはや避けられないでしょう。事後の対応が遅すぎかつ悪すぎです*1。 それから、日銀法で規定され

数日来、日銀総裁が村上ファンドへ投資していたことが批判されている。 しかし、なんだか釈然としないところがあるので少し触れてみよう。 ※今回のエントリは次の2つの記事を参考にさせていただきました。 「村上ファンドに拠出した福井総裁の何が悪いの?」bewaad institu

Hardcoded:何が悪いのか (2006-06-16 12:54)

民主、村上氏に出資の日銀総裁を追及へ - nikkansports.com 民主党の鳩山由紀夫幹事長は13日、日銀の福井俊彦総裁が総裁就任前に村上ファンドに1000万円を出資していたことについて、記者団に「総裁になる時に当然クリアにしておくべきで、モラルの欠如と言われて..


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