archives of BI@K

CSS: default alternative
(要cookie)

toppage memoranda

(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|

2006-08-01

[economy][government]地方公務員の給与引下げは民間給与の引下げにつながるのか?

という議論がいちご経済板の「【上流】 格差社会 【下流】」スレ・レス477から始まっているのですが、これがなかなか面白い議論です。議論の構造は、

  1. 少なからぬ民間企業が(地方)公務員給与に準拠して給与を決定しているので、仮に公務員給与が引下げられれば、それに引き摺られて少なからぬ民間企業の給与が下がり、そして公務員給与は民間給与を参照して決定されるので民間給与の引下げが公務員給与の引下げにつながり、というスパイラルに落ち込んでしまう。
  2. 民間企業の給与は労働市場の需給均衡で決まり、公務員給与はそれを参照しているだけなので、あくまで因果関係は民間→公務員であってその逆ではない。

となっています。理屈で言えば2番のとおりなのですが、それで終わってしまってはせっかくの面白さが途切れてしまいますので(笑)、少しばかり1番が成り立つような状況があり得ないのかどうか考えてみましょう。

もっとも簡単な仮説としては、役所はプライスメイカーとして振る舞うことができるけれども、民間企業はプライステイカーとしてしか振る舞えない、というものが考えられます。生産性と賃金が比例するとして、公務員が労働市場の需要の34%を占め、公務員よりも高い生産性を必要とする(ので公務員より高い賃金を払う)民間企業(a)が16%、公務員と同程度の生産性を必要とする民間企業(b)が34%、公務員より低い生産性でかまわない民間企業(c)が16%をそれぞれ占めるという仮設例を検討してみましょう。

言い換えますと、労働者の生産性を偏差値で表すとして、(a)群の企業は偏差値60〜、役所と(b)群の企業は偏差値40〜60、(c)群の企業は偏差値〜40の労働者を採用していることになります。この状態から公務員賃金が下がったとしたらどうなるでしょうか。

とりあえず引下げ前の公務員賃金は、その公務員の平均的能力に釣り合うものとして、100%需要が民間企業で満たされていれば偏差値50の労働者に与えられる水準であると仮定します。公務員は単一賃金であるとして、この民間・公務員労働市場では、最初の「生産性と賃金が比例するとして」という部分が、偏差値40〜60の水準では満たされなくなります。偏差値〜40の労働者と偏差値60〜の労働者については引き続き生産性と賃金が比例するので、X軸に賃金、Y軸に生産性(偏差値)をとったグラフを書く場合、偏差値50に見合った賃金をX=p1とすると、Y=40からY=60までの間はグラフが垂直になり、その余の部分はX=Yの関係が成り立つことになります。

この場合、例えば賃金が偏差値48に見合った水準X=p2に下がったとしても、(a)群の企業と(c)群の企業はやはり偏差値〜40、60〜に見合ったX=Y上の賃金を支払うので影響は受けません。では(b)群はと考えると、公務員賃金の引下げに追随せずX=p1の賃金を支払い続ければ、偏差値48超の労働者を全て雇うことができるので、やはり追随することはないでしょう。

・・・あれっ? やっぱり2番が正しいですねぇ。

考えてみれば、問題は当初において公務員賃金がX=p1の水準にあると仮定したところにあります。(b)群の企業は、その時点においてX=p1よりも高い賃金を支払うことで、必要とする偏差値40〜60のうち偏差値50〜60のみを選択的に採用することができます。となると、そもそもグラフが垂直になる部分の区間は、だいたいY=40からY=50ぐらいまでということになるわけです。

この含意は何かと考えれば、公務員単一賃金の下では、役所は公務員賃金として、欲する生産性偏差値の範囲の中で上限に見合う水準を設定しないと、採用したいと考える労働者が採用できないということになります。つまり、初期値として役所が偏差値40〜60の労働者を採用していたとするなら、その賃金水準は偏差値60に見合うものでなければならないのです。

その水準をX=p3とするなら、(b)群の企業は、仮に欲する生産性偏差値が60未満であっても、公務員賃金に付き合って偏差値60に見合うp3の賃金を支払わなければ、偏差値50〜60の部分を役所にいわば買い占められてしまいますので、そうせざるを得ません。かくて、(b)群の企業が支払う賃金は公務員賃金に等しいp3に一本化されるという初期状態が成立します。

ここで公務員賃金がp4(偏差値55に見合う水準)に引下げられたとすればどうなるでしょうか。労働者の量に需要がとりあえず比例すると仮定して、偏差値55〜60に分布する労働者数=全体の15%の供給は、ちょうどその水準の労働者を欲する企業(b1)によりX=Yの賃金で採用され、他方で40〜55(全体の53%)を欲する企業(b2)は、引下げ前と同じ理由によりX=p4を支払うことになります。となれば、(b1)のうちちょうどX=p3を支払う以外の企業(=生産性が55超60未満を欲する企業)及び(b2)の企業は、公務員賃金の引下げに伴って何らかの賃金引下げを行うこととなるでしょう。

ただし、影響はそれだけだとは限りません。上記の場合において、賃金の下落にかかわらず労働需要は増加しないと仮定すると、(b1)は供給が全体の15%である一方で需要は全体の10%にとどまるので、超過供給5%が生じます。これが外部(東京など)に流出しなければ、結局は切り下げられた賃金X=p4で役所なり(b2)で働かざるを得なくなります。

しかし、賃金の下落により((b1)にせよ(b2)にせよ)労働需要が増加したり、超過供給の労働者が外部に流出するなら、X=p4の賃金では役所は34%の数の公務員を確保できなくなってしまいます。にもかかわらず公務員の採用を減らさないとすれば、偏差値〜40の労働者の一部がX=p4で採用されるグループに繰り上がってきます。

この結果、(c)群の企業の中から、X=p4の賃金を支払って生産性の高い労働者を確保する動きが出てくることでしょう。つまり、以上のような条件が整いさえすれば、公務員賃金の引下げが部分的には民間賃金を引上げることもあり得るのです。

本日のツッコミ(全15件) [ツッコミを入れる]

Before...

エアジョーダン レトロ [happy: 11, Ice cold day cursed: claim that adore is usuall..]

サマンサタバサ ディズニー [of the prosperous infant's college. that attic entrance ca..]

インクカートリッジ 通販 [archives of bewaad institute@kasumigaseki(2006-08-01) HP 【..]


2006-08-02

[media][economy]供給が増えて価格高騰、ってやめましょうよ。

14年ぶりの路線価上昇を受けてバブルといった文字もちらほらしていますが。

国税庁が一日公表した路線価で二年連続の上昇を示した東京都。背景には活発な土地取引があるが、地価の上昇を見込んで法人や個人が所有不動産を抱え込み始めたともいわれる。その中で、不動産開発業者や投資会社が注目しているのが、数年後から始まる東京二十三区内の公務員宿舎の売却や、東京地裁で行われている不動産の競売入札物件だ。だが、こうした物件取引がバブルを招くのでは、と懸念する声も上がっている。

港区南青山の一等地に立つ公務員宿舎。地下鉄表参道駅に近く、表参道ヒルズに歩いて十分という立地だ。3LDKで家賃八万円弱。庶民感覚とのズレから批判が起き、同宿舎は二〇〇八年度に廃止され、数年後に売却されることが決まった。同宿舎周辺の路線価は約22%の上昇率で、宿舎前では約28%の上昇ぶり。こうした物件が売却されることに、不動産経済研究所の福田秋生企画調査部長は「希少性のある土地はみんな欲しがる」と話す。

財務省は今年六月、南青山の宿舎や、千代田区三番町の宿舎など、立地の良い宿舎を含め、東京二十三区内で、二百十八の宿舎、総面積約五十五ヘクタールの土地を今後十年間で売却することを決めた。

「大量に捻出(ねんしゅつ)される跡地を単純に売却した場合、土地価格の高騰、土地バブルの発生を招く懸念も存在する」。財務省の「宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議」がまとめた報告書には、バブル懸念が記されている。

同省関係者は「土地転がしではなく、実際に建物を建てる実需に基づくなど、条件を付ければ、バブルをあおることはない」と冷静にとらえるが、福田氏は「開発業者は用地取得合戦になっている。開発業者は立地に恵まれた土地については、のどから手が出るほど欲しい。高値入札があってもおかしくない」と予想する。

東京「『官舎』跡地バブル?」

バブルを煽るといって売却を差し止められた国有地といえば旧国鉄保有地ですが、この差し止めについては、バブル抑制に効果があったわけでもなく、他方で地価が下がるまで売却を中断した結果、国鉄長期債務の縮減が思ったようにいかなかったわけで、地価が上昇するような局面においては売り惜しみすべからず、という教訓をこそ得たはずだったのではないでしょうか。幸いにして今回は売却をやめようという方向に話が進んでいるわけではなく、教訓は生かされているわけですが、そもそもこの「懸念」って誰が喧伝しているんでしょうかねぇ?

本日のツッコミ(全13件) [ツッコミを入れる]

Before...

kumakuma1967 [ 「周りが建て込んでる100平米の土地」が坪200万で売れるなら、同じ路線に面した「一人で地区計画かけられる規模の道..]

bewaad [>kumakuma1967さん 路線価(なり公示地価なり)がファンダメンタルズから乖離しているとしても、それを参照し..]

ティンバーランド スニーカー [and they often while in front of someone perched with a pe..]


2006-08-03

[media]メディアのオメルタ(沈黙の掟)?

亀田戦ですが、試合結果は期待を裏切り予想を裏切らないものでしたが、逆に予想を裏切り期待を裏切らなかったのがその報道っぷりです。見事なまでの掌返しですが、気になるのはなぜこの試合からか、ということです。今まででもマッチメイクやらローブローやら何やらで雑誌系メディア、そして何よりネットではさんざん批判がなされてきたものの、これまではテレビ・新聞では提灯報道が続いていました。それがなぜ、今になって?

#ちなみに八百長との呼称もネットでは見られますが、八百長というのは相手がわざと負ける場合、例えばランダエタがわざとKOされるようなものをいうような気が。今回の試合は、ホームタウンディシジョンでしょう。ホームタウンに加えてディシジョンを左右したものの存在を想定するなら、ホームタウン・アンド・(ry

メディアを好意的に捉えるなら、神聖なる世界チャンプが穢された(それも無名団体の認定ではなくWBAで)から腹に据えかねて、ということになるのでしょうけれど、書いている本人ですらうそ臭いと思うわけで(笑)。そんな殊勝な心がけがあったら、試合前の報道ももう少し違ったものになっていたことでしょう。

この一夜にしてすべての大手マスコミの態度を豹変させた原因の手がかりは、切込隊長さんのエントリ、とりわけ次の部分にあるのではないでしょうか。

それも、そんな重要な人物が、見る人が見れば明らかにそれと分かる形で、最前列の、しかもその一角にひしめくように、さらに公共の電波の一部にはっきりと映し出されている姿は、私たちが取り組まなければならない市場の透明化や放送(と通信)業界の秩序を守るという活動そのものに冷や水を浴びせるものだ、と感じずにはいられません。

「19歳の亀田興毅さんが、その人生を賭けて、私たちに教えてくれたこと」(@切込隊長BLOG(ブログ)〜俺様キングダム〜8/3付)

この手の興行モノに暴力団が得てして関与している、なんてことは公然の秘密ですけれども、今回はそれを公共の電波に乗せてしまった点が鍵ではないでしょうか。CXがPRIDEを斬ったときも、イノキボンバイエ裁判及びそれを受けての雑誌報道で、本来秘すべき部分が暴露してしまったことが大きかったのではないかと察せられるわけですが、本件にしても、せめて画面に出さなければ提灯報道が続いていたのではないかと。オメルタ破りには制裁を!

この仮説が正しければ、その手の業界人が映ってしまったことは、あくまで放送事故であるはずです。TBSとて新規参入企業ではないわけで、オメルタ及びオメルタ破りの制裁が存在するなら、それを知らないはずもありません。オメルタを守っていれば今後もつつがなく提灯報道を続けてもらえるなら、わざわざ破ろうとするはずもないでしょう。おかげで亀田兄弟の商品価値が下がれば、世界チャンプになってこれからいよいよかき入れ時とのもくろみも水の泡。ディレクターかスイッチャーかカメラマンか、誰かがミスした結果、映すつもりなどなかったものが映ってしまったのではと疑われます。

本当にそうかどうかは、TBSがけじめをつけるかどうかで判断可能でしょう。いまさら大晦日の放送を取りやめることもできないでしょうから、けじめをつけるとすれば局長なりプロデューサーなりの左遷ということではないかと。もちろん更迭と知れては問題が露見してしまいますから、通常の人事異動の一環として行うのでしょうけれど、見る人が見ればわかるはずです。

というわけで、もしそのようなことがあったらご教示いただければ>業界の中の人。

本日のツッコミ(全48件) [ツッコミを入れる]

Before...

ニューバランス 996 レディース [get rid of palms as soon as the buddies item.<br> for we..]

サマンサタバサ バッグ [has got certain tacit knowing somewhere between the other,..]

&#12521;&#12531;&#12473;&#12288;&#12501;&#12524;&#12540; [<a href="http://www.trendzny.com/wp-wank.php?do6=2182">)棚 ..]


2006-08-04

[law]「法律のヒト」の弁明

少し前に「個人情報保護法セミナー」みたいな感じのものを聴きにいった。大学における個人情報の取り扱いについてのもので、聴衆は皆大学の教職員、講師は別の大学の法律の教員。この人はいってみれば「中の人」で、この法の解釈に関してはほぼ「完璧」な回答が期待できるはずだ。

わけなんだけど、ね。

私はこの問題について素人だから、これで正しいのかどうか確信はないが、講演の中にこんなくだりがあったように記憶している。法に対する「過剰反応」が目立つと。個人情報に配慮して大学のウェブサイトに学生の映った写真は出さないようにしました、という学校があるが、それは過剰反応であると。法にいう「個人情報」とは個人が特定できるようなもの、整理されたものであるから、たまたま誰かの姿が写真の中に映っていたからといって、個人情報保護法に違反するわけではない、だから安心して写真を出していいのです、と。

私を含め、聴衆みんながうんうんとうなずきメモをとる。なるほどそうなのか。目からウロコが落ちるようだねぇ、と。

しかし、だ。

いやぁ勉強になったななどと思いながら帰って数日たった後に気づいた(数日かかるところが私のだめなところ)。あれちょっと待てよ。

個人情報保護法ではOKだとしても、肖像権みたいなものがあるだろう。そっちの方では本人の同意は必要ではないのか。とりあえず著作権情報センターのサイトにあるQ&Aをみてみたら、ちゃんと「人物の肖像権は、その人物に属します(中略)。したがって、(中略)肖像権者(中略)に対して、使用についての許諾を得ることが必要です」と書いてあるではないか。

これだ。だぁから法律のヒトってのはヤなんだよね。

ご講演いただいた先生は、もちろんまちがったことは言ってない、のだろう。学生の写真を大学のウェブサイトに載せても個人情報保護法には抵触しない。それはわかった。しかし個人情報保護法と関係なく、肖像権の問題で、やはり写された学生の許諾は必要なのだから、それは私たちの求める「正解」ではない。私たち制度の利用者が知りたいのは、「○○が△△法に触れないか」ではなく、「○○をやって何らかの法に触れないか」だ。たとえ個人情報保護法に触れなくても、肖像権の点で許諾が必要なら、「本人の許諾が必要」が求められる答えのはず。どうせ肖像権で許諾が必要なんだから、そのときに必要なら別の許諾だって取れるわけで、本来なら「本人の許諾が必要か」という問題設定が適切だろう。「プロ」なら講演の依頼を受けたときにそうアドバイスしてくれてもいいではないか。これってある種「典型的」な態度、だと思う。まったくもう。

「だから法律のヒトってヤなんだよね」(@H-Yamaguchi.net8/2付)

そのように山口さんがお考えになるのはわからないでもないですが、「何らかの法」の専門家はいないわけで、研究者の先生方は皆A法なりB法なりの専門家なわけです。基礎法学といわれるような、法律(慣習等を含む)全般にわたる性質などを研究対象とされている先生方もいらっしゃいまして、そうした方々は個別の成文法を専門にしているわけではありませんが、逆に言えば個人情報保護法そのものが専門外ということであるわけです。

まして裏事情としては、大屋先生が以前お書きになられた次のような状況もあります。

まあ名大は良い。旧帝大最小とはいえ一応フルラインナップの法学部を自前で持っているので、それを駆使すれば(いや駆使される方の心理的肉体的な健康状態はさておいて)きちんと「法化」を進めることはできそうだ。しかし目の前で進んでいる事態を見るにつけ、いったい法学部のない大学はどうしてるんだろうという疑問は募る。うそかまことか、某国立大学に就職した先輩は「県内唯一の行政法学者」だという(しかも先輩ほんとうは環境法学者じゃないすか)。「地方分権」とか「民営化」「法人化」という言葉は美しいが、本当にそれを実現できる人的リソースがあるのか、それを整備するためのコストを社会的に負担する覚悟があるのか、とは問いたいところなのである。

「フォロー特集」(@おおやにき2005/1/20付)

個人情報保護法にしても、法学の分類としてはここで言う行政法(学)に属することになりますが、それ(not個人情報保護法but行政法)を専門とする学者の絶対数が少ないのです。何故かといえば多分に経緯的な話で、いわゆる六法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)の専門家が数多く育てられてきていて、行政法は傍流扱いだったからです。

加えて行政法に分類される法律の数は、正確な数はwebmasterも知りませんが、おそらく2,000は下りません。個人情報保護法のほか、情報公開法も行政事件訴訟法も各種業界監督法も各種税法も各種組織根拠法も・・・全部行政法です。少ない数の学者で多くの数の法律が含まれる分野をカヴァーするとなれば、広く薄くになることは不可避でしょう。

もちろん「プロ」として講演の依頼を受けた以上、専門外であってもあれこれ調べてプロとして恥ずかしくないよう心がけていらっしゃるかと思いますが、逆に言えばプロとして恥ずかしくないだけの準備が整えられる範囲は限られます。今回の例で言えば個人情報保護法についてわかりやすく紹介してくれ、といったものでしょうから、個人情報保護法についてこそきちんと準備はされたのでしょうけれど、それ以外まで全部きちんと準備しろと言っても無理な話です。

山口さんが問題視されている例であるなら、写真の話は講師の側から切り出した話ですから、そういう話をするなら関連する話題は押さえておくべきだったとは言えるかもしれません。しかしそれとても、無味乾燥な話ばかりでは聴衆もつまらんだろうと具体例を持ち出そうとしたと好意的にwebmasterは解釈したいところです。そうした話を一切せずジャーゴンで固めれば今回のようなミスは回避可能ですが、そのような萎縮は決して好ましくないわけですし。

では、山口さんのおっしゃることは無理な話とあきらめるべきなのでしょうか? そのような需要に応えられる「法律のヒト」はいないのかといえば、そうではありません。「そのような需要」といってもあやふやですが、山口さんの一般化をお借りすれば次のような話になります。

一般化すれば、顧客が求めるのはツールではなくソリューション、ということになる。ソリューションを求める顧客に対してツールをぽんと渡してはいどうぞ、とすましているなんて、企業なら顧客のニーズを省みないダメダメ企業といわざるを得ないのではないか。困ったもんだ。

「だから法律のヒトってヤなんだよね」(@H-Yamaguchi.net8/2付)

ここでの言葉で言うなら、顧客にソリューションを提供する「法律のヒト」は、研究者ではなく弁護士、ということになります。歴史的経緯もあり、法律関係ではかなりの昔から研究者と弁護士の分業が進んでいるので、ソリューション指向の人は弁護士となり、業務を通じて経験を蓄えていきますから、今回の例のような一つの事象が複数の法的論点を含むような話についても、かなりの程度何らかの答えを持っているわけです。そうでなければ企業の顧問弁護士など務まりませんし(笑)。

ただし、弁護士にソリューションを求めるのであれば、以下の2点に留意しなければなりません。

プロブレムの具体性
一般的な経営に関するコンサルティングにせよ、システム開発にせよ、ソリューションを提供するサービスにおいては、何をどうしたいのかがわかればゴールは見えたようなものです(見えてからがまた一苦労ではありますが)。今回の例で言えば、写真をサイト(でもパンフレットでも何でもいいのですが)で使いたいけれども、リーガルリスクにはどのようなものがあり、それにどう対処すればよいのか、とプロブレムを設定するなら、個人情報保護にせよ肖像権にせよあり得る問題を列挙した上で、訴訟等の紛争になった場合の手続までフォローしてくれるでしょう。しかし、個人情報保護法制について概要を教えてくれということであれば、大差ないことになってしまうでしょう。もちろんクライアントが全てをわかっている必要はなく、弁護士と相談しながら固めていくことではあるでしょうけれど、プロにお願いしたのだから後はお任せ、といったことにはなり得ません。
コスト
弁護士に相談を持ちかけると、研究者に講演を頼むよりはるかにお金がかかります(笑)。真面目な話、関連する可能性のある問題のすべてをとなると、おそらく個人弁護士ではいかんともしがたいでしょう(時間がかかってもいいなら話は別ですが)。大手ローファームに依頼して、複数の弁護士からなるチームを結成してもらい、となると、当然ながらコストはどんどん膨れ上がっていくわけで。
本日のツッコミ(全27件) [ツッコミを入れる]

Before...

サマンサタバサ 財布 [cut back feet kicked this arm. A lot of and the second low..]

ニューバランス 996 [and from now on has become ' reddish colored agate diner '..]

コーチ [コーチ http://www.recordchina.co.jp/ are cute if you like a m..]


2006-08-05

[government]霞が関の平均残業時間は約40時間/月?

どこかに書かれる前に書いてしまえ

霞が関の平均残業時間はこんなもんだそうです

うーん、私は月70時間が最低ラインだったことを考えると、厚生労働省並に働いていたってことですね。しかしどこからどうやって計算したら平均39時間なんて数字が出てくるのやら。

別に私のいた省庁や課が特別忙しいというわけではないと思うし、私のいた課の下っ端から課長クラスまでを平均すると、私よりちょっと少ないくらいが平均のような気がするのですが。

ああ、当然不払い残業は発生していましたが。

めんどうくさい愚痴日記(8/3付)

からくりは、ソースである新聞記事を見ればわかります。

東京・霞が関の官庁で働く職員の不払い残業は推計で129億円に上ることが、国家公務員の労働組合でつくる「霞が関国家公務員労働組合共闘会議」の残業実態アンケートで分かった。省庁別の月平均残業時間では、労働政策を担当する厚生労働省の旧厚生省が91・6時間、旧労働省が79・2時間でワースト1、2位と皮肉な結果となった。

同会議に参加する22組合(加入約1万人)のうち、厚労省、経済産業省などの11組合が参加、4578人から回答を得た。月平均の残業時間は39時間(前年42・9時間)。超過勤務手当は、人事院の指針で1カ月30時間と決められていることから、同地区の公務員約4万5000人の不払い賃金を推計した。

毎日「不払い残業:指導するのが仕事なのに…厚労省、ワースト−−公務員労組の残業時間調査」

つまりは組合のアンケートが元になっているからです。組合員の勤務実態については、

  • 残業が少ない部署(幹部の付(秘書)など)に配属される職員が含まれていること、
  • 組合が強い部局(現業部門など)では組織的な残業時間削減の取組み(毎週水曜日の全省庁一斉定時退庁の遵守など)が比較的きちんとしていること、

があり、(幹部職員を除く)全体平均よりは短めの数字が出るのは否めません。

ではどのぐらいが実態なのか、webmasterもそれを知る立場にはないのですが、webmaster自身の霞が関勤務を平均すれば、多分100時間/月を超えていることは間違いないと思います(記録をとっているわけではないので、記憶に頼った印象論ですが)。一番ひどいとき‐典型的には、国会開会中に、連日新聞の一面を飾るような案件を担当したとき‐ですと、100時間/週を超えることもありますが、そんなときは大体次のような勤務になっています。

8時ごろ〜
当日の国会対応のため、大臣等の答弁者に想定問答をレク。
9時ごろ〜(国会審議中)
担当の質疑があるときには国会に随行。そうでないときは、案件そのものへの対応、メディア応接、個別議員へのレク、翌日以降の質疑のための質問取り、たまっている雑件の処理等々。
17時ごろ(国会審議終了後)〜
幹部が国会から帰ってきた後、幹部の判断を仰ぐ必要のある案件の幹部説明等。
幹部説明等終了後〜翌朝
翌日の国会対応の準備(想定問答作成(関係部局との調整等を含む)、携行資料の作成、理事会等への対応の調整など)

仮に8:00〜翌朝7:00までの勤務とすると、うち9:30から18:15までは定時ですから、23時間−8時間45分=14時間15分が平日の残業(正確には時間外勤務)ということになります。これに5をかければウィークディの合計残業時間は71時間15分、土日(ご覧いただければお察しいただけるかと存じますが、ウィークディは国会対応でほとんどが費やされるので、「連日新聞の一面を飾るような案件」そのものへの本格的な対応は、土日に行わざるを得ません)に15時間ずつ出勤すれば、めでたく100時間/週を突破(泣)。

#もちろんこの間ずっと仕事をしているわけではなく、特にウィークディの場合は細切れに居眠りをして2〜5時間ぐらいは睡眠時間を確保しているわけですが。

本日のツッコミ(全26件) [ツッコミを入れる]

Before...

ケイトスペードまざーずバッグ [incorporate everyone. madman 6th consecutive unsuccessful,..]

ケイトスペード 財布 [Could also be used to make sure you redecorate several bas..]

レッドウイング アイリッシュセ [watchful remark with Chloe billfolds with regard to guys, ..]


2006-08-06

[WWW]Political Science and Public Administration Baton

Koukyoさん作成の政治学・行政学バトン興味を持たれた方は是非続けてくださればとのことですので、回答してみます。明らかに研究者向けであってwebmasterが適格であるとも思えないのですが(笑)、あまり行政学とかを専攻している学生のブログとかも知らないしなぁ。官僚の方々しかいないのだろうかとは、官僚も有資格者であるとの思し召しと勝手に解釈いたしまして。

Q1 政治学・行政学を専攻するに至った理由(あるいは影響の大きかった人物・書籍)
以前書いたように恩師である故佐藤誠三郎先生です。といってもwebmasterは政治学・行政学を専攻などしていないのですが(笑)、大学の面白さと厳しさを高校気分が抜けない学生に叩き込んでくれた方です。例えばゼミではセレクションを行わず、多くの応募が集まっても、うちは負担が大きいからそのうち適正人数まで減るでしょ、と嘯くような方でして。予想に反して減り方が小さければアサインメントを増やすような(笑)。
Q2 現在注目している政治学・行政学者
西尾勝先生です。何をいまさらという大御所ですが、夕張市の財政危機表面化といった事態に際して、いわゆる西尾私案において提示された、基礎的自治体(市町村)の中に事務を縮小するものも認めるべき、というご提案は再評価されるべきです。新政権で再び登用されて欲しいとの期待も込めまして。ちなみに、これからどんな与太を飛ばしてくれるんだろう、と悪い意味で注目しているのは佐々木毅先生とか、新藤宗幸先生とか・・・。
Q3 最近購入した政治学・行政学本(雑誌含)(*特に面白かったもの)
今村都南雄「官庁セクショナリズム」ですけれど、問題は最近購入した本ではあっても、まだ読んでいない点(笑。今読んでいる「コルナイ・ヤーノシュ自伝」の次に読む予定ですが、コルナイ本の分量を考えるといつになることやら・・・)。本屋であたりをつけた際の印象では、まずハズレということはなさそうでしたが。実際に読了したものの中からとなりますと、読んだのは昨年なので最近購入とは言い難いのですが、アレンド・レイプハルト「民主主義対民主主義」でしょうか。
Q4 これから政治学・行政学を学ぶ学生に対して是非勧めたい本
二冊挙げます。ディキシット本は、現代において決定される政策のほとんどは経済政策であるというのに、経済に関する理解の水準があまりに低い日本の政治学・行政学界の状況において、一人でも多くの人に目を通して欲しい本です。柳田本は、行政学の研究対象の一つである霞が関について、褒めるでなく貶すでなく、中の人としてお薦めできる客観性ある記述が優れています。題材が石油ショックと古いですが、霞が関の描写として、webmasterは本書を越えるものを知りません。
Q5 バトンを渡す人
あくまでも勝手な要望ですが、同業者の誰かや、かみぽこさんに拾っていただけるとうれしいです。
本日のツッコミ(全14件) [ツッコミを入れる]

Before...

レッドウィング 財布 [Stringent stated: person in charge, ended up being I JUST ..]

ダナー マウンテンライト [the actual outcome have already been expecting fart releas..]

コーチ [コーチ http://www.recordchina.co.jp/ Chose conforme a la port..]


2006-08-07

[WWW]pogemutaさんのサイト閉鎖

あれこれ書こうかと思いもしたのですが、匿名性において差があるwebmasterがあれこれ申し上げるのも余計なことでもあるような気がします。というわけで絞り込んで。

  • お疲れさまでした。
  • どこかで別名でサイトを再開してくれるとうれしく思いますが、その際にはメールでこっそりご教示ください。
  • 当サイトに別名でコメントをいただけるのもうれしく思いますが、s(ry

[comic]現在官僚系もふ・第62話

若手の打ち上げが焼肉というのはリアリティがありますね、珍しく(笑)。

しかし官房長も、人格はともかく頭はいいという設定だったはずが、証拠をつかんでいても手をこまねいていたり、そもそも人事権を行使して手を打つこともしなかったり、何をやっているのだか。葛西局長ともども、あまりに敵役の無能さに依存して主人公が成功するというのは興ざめですね。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

Before...

サマンサタバサ キーケース [displayed in the wall membrane of this subsequently bare f..]

ゴヤール [so many folks synergy to fight a number of number of indiv..]

レッドウィング 激安 [hands and fingers swiftly with the chest muscles Chloe han..]


2006-08-08

[government]縦割りと調整の背後にあるもの

今村都南雄「官庁セクショナリズム」を題材に、Koukyoさんが省庁間調整を論じていらっしゃいます。題材としては環境庁創設の経緯が取り上げられていまして、それ自体非常に興味深くありますが、しかしなぜそのようなことが起こるのかについては、当事者として若干申し上げたい点があります。

ここでは、本書全体のまとめというよりも、少し調整メカニズムについて記述された箇所をまとめておく。著者が調整メカニズムについて論じる際に引用しているのが1964年の第一次臨時行政調査会答申だ。それによれば、「共管競合による不都合の発生には、多くのケースに共通した次のような一般的原因が認められる」とし、以下の3点を指摘している 。

(1)各行政機関において、他機関と関連する業務についての相互間の連絡・調整の仕組みが欠けているか、ないしはその運用が未熟であること。

(2)各行政機関の事務当局は、いずれも当事者段階で調整しがたい事案をそれぞれの上位段階に持ち上げて解決を図ることに消極的または不慣れであること。

(3)各行政機関がセクショナリズムや権限意識にとらわれて、国民の利便増進や行政効果発揮のための相互の連絡調整に十分な考慮を払おうとしないこと。

これは40年以上も前の答申だけれども、今でも十分通用する指摘にも思える・・・・。

「【本】官庁セクショナリズム(まとめ)」(@Koukyo政策大学院生の蹇蹇録8/7付)(webmaster注:強調は原文によります)

この3点は、いわば「共管競合による不都合の発生」を前提にして、そこから議論を始めるからこそ原因として遡って認識されるものだとwebmasterは思います。例えば例示される公害への対応については、当時の対応では不足があったということが前提であり、満足な対応が行われなかったのはなぜかという立論でしょう。

若干詳しく敷衍するなら、

  1. (1)については、相互間の連絡・調整の仕組みが機能していればより積極的な対応が可能であったろうにということでしょうけれど、当時の程度の対応が当時の判断としては適切であったというのが相互間の連絡・調整の仕組みの導き出した結論であるなら、思うような結論がでないことの責任を連絡・調整の仕組みの押し付けているに過ぎません。
  2. (2)については、省庁間の調整事項がこじれた場合の決着は、多くの場合において与党を巻き込んだ政治決断に持ち込まれますが、これこそ上位段階ではないでしょうか。にもかかわらず上位段階で解決されていないとは、政治決断の前に(下から順に)課長・審議官(次長)・局長・事務次官レヴェルで解決できないのか、ということなのでしょうけれど、それらのレヴェルでは基本的に技術的な問題の解決に終始し、国論を二分するような問題は政治に上げることが望ましいはずです。例えば閣議では実質的な議論が行われておらずけしからん、何て議論は、役所で勝手な調整をするべきでない、ということですよね?
  3. (3)については、でてきた結論に対する「セクショナリズムや権限意識にとらわれ」たもので、本来あるべき「国民の利便増進や行政効果発揮」からは外れているという評価の言い替えでしかありません。

例えば「足して二で割る」とは縦割りという言葉と連れ立ってよく使われる、調整問題への悪評の典型的な言い方です。別の言葉で言うなら妥協ですが、これを悪と断ずる前提は、いずれか一方が勝者総取りであるべきという価値観で、しかもその「一方」とは多くの場合においてアプリオリに決定されています。昨今の改革論にしても、あるべき改革が先に語られ、結論がそのすべてを取り入れたものでなければ、即抵抗勢力への妥協である、真の改革には程遠い、といった評価になってしまうわけです。

しかし、先に「国論を二分する」という言い方をしましたが、そのような議論において一方にのみ軍配を上げ、逆側の主張には一顧だにしないというのが、果たして本当に正しいことなのでしょうか。俗に盗人にも三分の理あり、といいますが、神ならぬ人の為す議論において一方がまったく聞く耳を持つ意味のないほど全面的に間違っているなんてことはないのでは、というのは抵抗勢力の繰言なのでしょう(笑)。

もう少しもっともらしいことを申し上げるなら、その手の対立はいわば価値観の対立があるからこそ調整がつけづらいのであって、縦割りやらセクショナリズムやらの影響ははるかに小さいものにとどまるでしょう。公害問題の例で言うなら、公害対策を最優先にすべきという価値観と、企業の経済活動の自由を殺いではならないという両極の価値観があったからこそなかなか調整がつかなかったわけで、そこから目を逸らせてセクショナリズムを悪役にしたところでどうなるものでもないでしょう。

ちなみに。

以上簡単にですが、まとめてみました。新しい省庁を創設せよというのはよくある話で最近では「情報通信省」なんかが話題になっていたことが思い出されます。このニュースに対する指摘として参考となるのは、bewaadさんの「中央省庁再々編」や、池田信夫氏の「「情報通信省」はよみがえるか」などの指摘でしょうか。

bewaadさんは、

これまた共管なんてものは霞が関にいくらでも類例が見つけられる話なので、どこをどのように切り取ったところで重複などなくせるはずはないのですがどうするのでしょう(仮に一時的に重複をなくすことが可能だとしても、時間の経過とともに復活することは避けられません)。数えるのもばかばかしいのでカウントはしませんが、膨大な数の「関係省庁(等)連絡会議」(協議会その他別名称の同種の合議体を含む)があるわけで、先が思いやられます(笑)。

と述べておられますように、例えば環境庁設立時にも各省庁連絡会議のような会議(公害対策本部)があるからそれで十分対応可能というのが当時の多数の意見だったとのことですし、ここから次の一歩までの過程(各省庁連絡会議から省庁設置)は果てしなく遠いのだと思います。環境庁の時は「公害国会」ということもあってなんとか設立されたようですが。

「【本】官庁セクショナリズム(まとめ)」(@Koukyo政策大学院生の蹇蹇録8/7付)

それは新たな省庁を作れば省庁間調整が不要になるかのような情報通信省を揶揄したものでありまして、連絡会議があれば対応可能と言いたいわけではなく、大くくり再編をしたはずの12府省体制においてもそれだけの調整事項(しかも全てではありません)があるのであって、なんなら1省体制にしますか(笑)、という趣旨でございます。連絡会議がどの程度機能しているか、同業者ならそれに期待すべくもないことはよくご理解たいだけるでしょうといいますか、総理なり官房長官なりが本気になればそんな器はなくても調整は可能ですし(価値観の対立をどう捌くかの問題ですから)、そうでなければいくら器を作っても無駄といいますか。

[media][government]いじめられっこの巣窟=霞が関

いつも朝、テレビでズームインとかめざましとか思いっきりとかを見かけると、「あ〜あ」とげんなりすることが多い。

(略)

わかりやすく「悪い奴」とか、行政の不行き届きとか警察のミスとか、そういうのをこきおろすのはたいへんキモチイイことなので、じゃあみんなでこきおろそうぜってテレビ主導の「公開いじめショー」を行ってるように見える。いじめる対象は「普通」から外れてれば外れてるほどいい。

いじめショーの獲物として好都合なのは、

(略)

  • 行政、公的機関:みんなが「絶対に間違えてはいけない」となぜか厳しい目で見ている対象なので凡ミスでも思いっきり叩けてキモチイイ。そして報復を受けにくいので好都合

(後略)

「公開いじめショー」(@とっくりばー8/7付)

これで当事者が主観で被害者妄想にかられているわけでなく、客観的に見てもそうだということが証明されましたね!

で、どうすればよいかですが、そうか、報復すればいいんだ!(違います) でも魔太郎は報復しても次々と新たないじめっ子にいじめられてたなぁ(年齢がばれます)。

本日のツッコミ(全11件) [ツッコミを入れる]

Before...

mcm バッグ [glide leatherette area. Current trainer carriers possesses..]

ケイトスペード バッグ [{at first|at the beginning|originally|at the start|in the ..]

レッドウィング ポストマン [MOTHER Dong- for instance position in your brightness nigh..]


2006-08-09

[economy]非正規雇用(偽装請負)問題について:確実なるデフレと日本的雇用慣行

「フリーターが語る渡り奉公人事情」からトラックバックを頂いた。その趣旨は、よく理解できなかったのだが、気になったのは、

  • 高原基彰氏が、フリーター問題について、問われているのは日本国内の開発主義とその既得権益層だとの議論を提出しているが、これは重要な着眼点。日本では、「団塊の世代」が既得権益層にあたる。
  • 本来、オイルショックのころに、全員が正規雇用なんてありえない、みなが安定した中産階級にはなれないと認識するべきだったが、それができなかった。バブル、派遣法改正等を経て、それが是正されぬまま今日に来たことが、偽装請負の背景にある。

という議論の仕方である。

無論、偽装請負の様な法の主旨に反する働き方は、取締まる(或いは、取締まることが可能になるよう制度を変更する)ことが望まれるが、「偽装請負の背景には日本型雇用慣行があり、偽装請負を防ぐために日本型雇用慣行を改めるべき」との議論の展開には、論理の飛躍があるように思われるのだ。

何故、派遣や請負が増えているのか、と考えた場合、(人口構成の変化による必然的な部分を除けば、)将来の不確実性が高まったからであると考えることができる。不確実性の高まりの主因はデフレであるが、その背景としては、経済のグローバル化等の構造要因と長期不況という循環要因を挙げることが可能である。上記のような日本的雇用慣行に対する批判の背景には、不確実性の高まりをあくまで「所与」とした上で、「正規雇用者の雇用と処遇を長期に保障する仕組みによって、企業経営者は、正規雇用の採用に消極的になり、その結果、請負や派遣など不安定な働き方が増えている」という考えがあるのだろう。しかし、だとしても、まずやるべきは後段の日本的雇用慣行の見直しではなく、(「所与」とされている)不確実性の要因を取り除くこと(適宜・適切な金融政策等によるデフレの克服)ではないかと思う。

「偽装請負と日本的雇用慣行」(@ラスカルの備忘録8/7付)

基本的な認識においては、webmasterはkuma_assetさんと同じ立場にいます。パイが小さくなり、分け前が減りにくい者と減りやすい者がいた場合に、減りにくい者の分け前をもっと減らして減りやすい者に移転すべきという処方を選択するのは、ジリ貧(というよりむしろドカ貧?)なのでできるだけ避けるべきです。それよりもパイを大きくする事を考えましょうということで、移転を考えるにも大きくなったパイの分け方を変えていく方が抵抗が少なくなりますし、望ましい方向付けもしやすいでしょう。

若干異論を述べるとするなら、表題にあるとおりデフレは不確実性を増したのかということです。不確実性があれば、ある意味で日本的雇用慣行‐それが日本国内においてどの程度妥当していたのか、という議論はとりあえず脇に置いておきます‐が衰えるのは必然ですが、確実なるデフレであっても同様の意味で衰えることになりますし、そのいずれが昨今の状況に当てはまるかといえば、後者である蓋然性が高いでしょう。

ここでの「ある意味」とはいかなる意味かですが、固定費を変動費にできるだけ振り替えるということです。固定費が多ければレヴァレッジが利いてハイリスク・ハイリターンを求めることになり、逆もまた真なりです。不確実性が増大している環境下で生き残りを図るのであれば、売り上げの変動に応じて費用もまた変動させられるようにし、いかなる状況においても利益を確保できるようにすることには十分な理があります。

同様に確実にデフレが見込まれる状況においても、固定費を変動費に振り替えていくことは大きな意味を持ちます。デフレとは平均的には(名目値での)売り上げが継続的に下落してい状況のことですから、にもかかわらず費用が減らなければ苦しくなっていくのは当然のことです。現下の景気回復に当たって三つの過剰(設備、負債、雇用)が解消されたとか、リストラが進んで筋肉質になったとかいったような語りがありますが、要すれば固定費を変動費に振り替えたということなのです。

日本的雇用慣行とは、その特徴とされるのが終身雇用・年功序列であることからもわかるように、費用を固定化する傾向の強いものです。ベアによる上ぶれがあったにせよ、その程度は不況期において雇用を維持することとのバランス上抑制されてきたわけです。このように費用を固定化することは、インフレ下においてはその実質価値が目減りすることから、従来の日本においては、経営の合理的判断の帰結として平均的には普及してきたものと考えられます。

逆に、デフレ脱却が完全に成し遂げられ、マイルドインフレが安定的に見込まれる環境となれば、逆に変動費を固定費に振り替える動きが自主的な経営判断として多く採用されるようになって来るでしょう。労働市場におけるその変化は、従来語られてきた日本的雇用慣行そのものではないにせよ、正規雇用の拡大をはじめとし、現在何らかの対応が必要と考えられているものの多くを含む形で現れてくるはずなのです。

#変動であっても正規派遣でなく偽装請負である点については、インフレ期待が直接効果を及ぼすことは期待しづらいですが、十分に需要が喚起されいわゆる売り手市場となれば、買い手が競って条件を吊り上げますから、それによって解消されるでしょう。言い直せば、偽装請負程度の条件提示では誰も応募しなくなれば、自然にそのような条件を出す雇い主はいなくなるはずです。

最後に本題からは外れますが、「経済のグローバル化等の構造要因」について触れますと、一人当たりGDPが増加するときには一人当たり人件費も増加しているわけで、貿易財を産出する労働集約産業は競争力を失っていきます。そうした産業から非貿易財(・サービス)を産出する労働集約産業や、貿易財を産出する資本集約産業へと労働力がシフトしていくことが構造要因であるといえます。

ところが近時においては、モノつくりを重視する結果として、こうした流れに逆らって貿易財を産出する労働集約産業に固執すべきという風潮が見られます。そうした産業に固執するなら、低廉な労働力を抱える発展途上国での産業との競争に当たっては、同様に労働力を低廉化せざるを得ません。偽装請負が製造業において多く見られるのは、決して偶然ではないのです。

いまどき農業振興に国の命運をかけるべしという意見は見ることが少なくなりましたが、労働集約型の製造業にこだわるのは本質的には同じことです。もちろん個別の企業で生産性が高い企業が引き続き労働集約型であり続けることはまことに結構なことですけれども、国全体で考えて産業空洞化を押し止めようというのは、それこそ農業に関してよく言われるような抵抗勢力そのものであるというのに、それらの評価の間に存する差といったら・・・。

[WWW]10年前のあるwebと死についての考察

ブログやSNSのような、最近のネットサービスには無料のものが多い。たいへんけっこうなんだが、ちょっと気になることがある。

(略)

(略)今回気になったのは、ユーザーが亡くなった場合だ。この種のサービスはたいていパスワードで保護されてるし、そもそも存在すら知られてないケースも多いだろうから、他人が勝手に「遺品」を整理することはあまり期待できない。となると、ユーザーの死後、ブログやらSNSのページやらは、そのまま残されることになるのではないか。それどころか、ブログペットみたいな自動書き込み機能がついたツールが導入されていた場合には、主なきまま更新され続ける、なんてことも充分考えられる。

このあたりから、妄想が広がった。イメージしたのは、墓地。もし死んだ人の数だけ墓を作っていったら土地がなくなる、なんて冗談がある。実際には一定期間たつと墓は整理され、新たな墓地として利用されるのだろうが、ネットの世界ではそういったことは行われない。とすると、ネットの世界において、生きている人のサイトの数に比べて死んだ人のサイトの数が増えていき、やがて後者が大多数を占めるようになる日がくるのではないか、という妄想だ。

「死者の街」(@H-Yamaguchi.net8/8付)

考えてみてほしい。死んだ人のホームページはどう処理されるのだろうか。あるいは、これまで精力的にウェッブページをつくり、更新を行ってきた知人がいるとする。その人が死んでからそのページを見たとき、あなたは何を感じるだろうか。そこには単純には割り切れない感情のわだかまりが必ずあるはずだ。

そうしたページ群は、しばらくは、あまり気にとめられることもなく放置されるだろう。一部は公共的なサーバー上に置かれていて、そのままずっと残り続ける。有料の商業サーバー上のものはどうだろうか。最初のうちは、あっさり消されてしまうだろう。が、どこかでそれを惜しむような何らかの動きがあらわれてくるはずだ。それはたとえば、この世界での有名人が逝去した場合などに生じるだろう。消すに消せないページが増え、その一方でそれらのページは、それ自体は古びることもなく生前と同じ姿を永遠に保ち続けるものの、そこへのリンクは失われ、そこからのリンク先もだんだん消え、やがて無縁仏ならぬ無縁ページと化す。われわれは、たまにそれを悼むようにして訪れることとなろう。

本人の死後も、公の場所で残り続け、個人の情報を発信し続けるホームページ。それはいわば墓のような存在である。「インターネットこそは、ぼくたちの天国となるのかもしれない」とMacWorldの文は電子メールを念頭にしつつ述べている。だが天国なのだろうか。ぼくに言わせれば、インターネット(の一部)はわれわれにとっての新たな墓地となるだろう。われわれは墓参りをするように故人のページをブラウズするだろう。それは今の墓参りよりはるかにビビッドでリアルな、そして個人的でひめやかな体験であるはずだ。電子メールのアドレスと同じように、そこには死者と生者の感情がからみつき、独特の世界をつくりあげるだろう。それを温床とした宗教も、どのような形でかはわからないながら確実に誕生する。ページをまとめて供養するような商売も生まれるだろう。これこれのお布施を払えば、ページのメンテナンスをしてあげるし、リンクのアップデートもしますよ、というようなサービス。「おれが死んだら、あいつのページにリンクを張ってくれ」というような遺言サービス。ぼくには見える。今から七年くらいして、ネットスケープ社あたりから新商品の発表が行われるのだ。名付けてネットスケープ墓守サーバー。「ネットスケープ社はバチカンと提携し云々」である。

(略)

しかし人類がこれまでつくりあげてきたものは常に、生の世界とは切り離されたものでしかなかった。それはいずれもやがて風化し、忘れられてゆく。そうやって生者は生の世界に立ち戻り、死者は死の世界に送り返されてきた。だが、こんどはちがう。人類が生まれてこのかた試みてきたことが、ついに実現されつつあるのだ。この死者たちの世界は、まったく風化することなく、生前とまったく同じ状態で生者たちの世界と入り交じる。あまつさえ、各種のリンクを通じて生の世界と親しく交流をいつまでも続けてしまう。死の世界に対してわれわれが抱く距離感は、大きく揺らぐだろう(余談ながら、思えばこの点でも、ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』と『カウント・ゼロ』は驚くべき先見性をもった小説であった)。これは人類の想像力に対し、ある決定的なインパクトを持つはずである。その衝撃力は、十年以内にサイバービジネスだの電子マネーだのといったくだらない算盤勘定をはるかに凌駕するであろう。われわれが立っているのは、そういう時代の入り口なのである。

「メディアと怪談とインターネット」(初出:別冊宝島268「怖い話の本」1996 年7月号, pp.162-170, 掲載タイトル「インターネット電脳怪異譚」)

やっぱり山形浩生さんってすごいや。

本日のツッコミ(全11件) [ツッコミを入れる]

Before...

rayban サングラス [are being used on the finest. Substantial Eastern side tha..]

クロムハーツ リング [solving skill level tavern!|still|yet|however|though|and y..]

コーチ [I'm a Eighteen year-old living in Miami, H.M... all these ..]


2006-08-10

[economy]続・非正規雇用(偽装請負)問題について:「ワーキングプア」と総需要

昨日は日本的雇用慣行について否定的な意見をご紹介いたしましたが、逆のものもあります。ちょっと前にはてなブックマークで話題になっていたNHKスペシャル「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」(7/23放送)のまとめページにおいても、偽装請負問題が取り上げられていますが、その好例でしょう。

(略)現在の「マーケットで活躍している人々、強い人々、お金持ちの人々」の富の源泉は、たとえば非正規雇用の大規模な活用によって所得を移転している、早い話収奪していることによって成立しているということなのだ。

従来、正社員や終身雇用として雇用に対する責任を果たしていた大企業はそれを切り離し、その分を利益としてためこんでいる。右の逆相関グラフをみれば、まさにこの番組のナレーションがのべた「10年前」あたりからこの逆相関が始まっているのがわかる。大企業は従業員とともに栄えるのではなく、従業員の所得を食いものにして生きているのだ。

しかし、現実には、おそらくその人の責任だと見てしまうような「手落ち」がいくらかでも含まれているケースが大半だろう。どこかに「自己責任」の瑕疵を見いだそうとすれば、見出せるものである。

しかし、だれもが多少の失点がありながら、社会がそれをカヴァーする。「自己責任」だと責めらている「負け組」の人々の少なくない部分は、社会の構造や流れが違っていればそれは救われたはずのものではないか。

さっき述べたように、ぼくは高度成長期の若者と今の若者が責任感においてそう違うとは思えない。むしろ、安定したレールをもたない分だけ、たとえば大学では資格取得などに目の色を変えている学生は今の時代の方がはるかに多い。

(略)

非正規雇用の増大と終身雇用の解体は、若者を育てる社会装置の解体でもある(むろん、その装置は単純に自立した市民を育成するのではなく、利潤追及体に奉仕する人間への変化を伴っていたのであり、手放しで賞賛できるものではなかったのだが)。

それなのに、大資本はそのことをすっかり忘却して、いまの若いやつらはダメになったから「人間力」をつけさせるなどという傲慢な言い分でのとりくみも行われたりするのである。

NHKスペシャル「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」(7/23放送)のまとめページ

人間力を誉めそやし推進しようとする動きへの批判においては遅れをとるwebmasterではありませんが、しかしこれでは日本的雇用慣行を「すっかり忘却し」た「大資本」の「自己責任」「収奪」を責めているだけで、その「少なくない部分は、社会の構造や流れが違っていれば」責められるまでもなく勝手に企業が取り組む話だ、ということは昨日述べたとおりです。「負け組」へのいわれなき批判に反論しようとして、同じ穴の狢になってしまってはいただけないでしょう。

この番組では偽装請負を含む非正規雇用問題のほか、生活を賄うに足りない最低賃金といった問題も取り上げられているようですが、番組にせよそれを受けての議論にせよ、企業の行動の是正や職業訓練といったミクロ政策対応、それに所得再分配政策に触れられるのみで、そもそも総需要が足りないのでは、といった話は(はてなブックマークでのコメントを含め)存在しません。それらの政策が有効である局面はあるでしょうけれど、それだけで事足りる話ではないでしょう。

構造改革原理主義にせよ、それに対するこのような反論にせよ、もはや日本は高い経済成長を望むべくもない、という認識は得てして共有しているのが不思議なところです。経済成長という対処は、双方から相手にされなかったりするのが実態でしょう。というより、同じ問題意識に対して違う対処を考える者同士、ということなのかな?

[comic]「パーフェクトだどろっぷ」に続くものとの想定でしょうけれど・・・

下らないエントリをわざわざ引用してくださり感謝の極み!!(突如としてヘルシングを思い出したので)

めんどうくさい愚痴日記(8/7付)

どっちかと言うと「Welcome to this crazy time♪♪このイカレた時代へ♪♪ようこそ/君は確実に恐るべき天才だよ大博士(グランドプロフェッツオル)」でしょう。やっぱり"crazy time"を過ごされたのですから(時制がずれるのが残念です)。

#アーカードより少佐がいい、というのが本音だったりして(笑)。

ただまあどちらかと言うと、「用が済んだらちゃっちゃとおッ死ね英国野郎(ライミー)!」って言ってほしかったなぁ(笑。8巻でのリップ・ヴァーン・ウィンクル再登場を祝して)。もちろんwebmasterはイギリス人じゃないのですけれども。

[politics]公約を守って靖国参拝というなら、私人の立場ではないんじゃない?(T/O)

本日のツッコミ(全94件) [ツッコミを入れる]

Before...

モンクレール [http://campos7oficio.com.br/js/O66/omega-index.html モンクレール..]

モンクレール [http://danielasaldivia.com.ar/data/DMM/omega-index.html モン..]

モンクレール [http://heelsonmove.com/html/1ZJ/omega-index.html モンクレール モ..]


2006-08-11

[book]読書法私論

Dainさんの「本ばかり読んでるとバカになる」にははてなブックマークでのコメントをはじめ多くの反響が寄せられていますが、その中でまさしくwebmasterもそうだなぁ、と共感したのがnonomachonさんの「本を読むことは他人の脳の間借りなんかじゃない!絶対にない!」。とりわけ次の部分には、大いに思い当たる節があります。

自分が読んだ内容をまとめようとするな。覚えてますか?マインドマップを。あんな欠陥メソッドはめずらしい。あれで効果上げてる奴がいたら教えて欲しい。あんなの三歳児が画用紙に線引っ張って遊んでるのと変わらん。マップ書き終えてのちのちに思い出そうとしても線しか浮かんでこない。要約や整理という作業は一般に、未だその要約の原典に触れたことのない人たちに対して事前準備あるいは概略として有用な情報を提供するメリットよりも、その要約作業を行う人自身に寄与する部分が非常に大きいという迷信にだまされるな!要約はそれを読む人たちにも大して役にたたないが、要約する人にこそ最も不要だ。まとめてしまったらほっとするだろ?もうその本いちいち引っ張り出さないだろ?要約読んで済ましちゃうでしょ?まとめるくらいなら常に原典に当たれ。何度もその本を読むうちにあなたの頭の中に自動的に要約なんて出来てる。それは言葉に換言できないかもしれないが、その本を完膚なきまでに理解するためには十分な指針だ。整理するということは自分の外部に物を作り出すということだ。ノートなりブログの記事なり画用紙なりに。脳内という無限のリソースの世界から、物質世界という有限でせまっ苦しい世界に物を移すということほど愚かなことはない。あなたがまとめた資料は、その数を再帰的に増やし、そのうちスタックオーバーフローしちゃうよ。考えてごらんよ。そうやってためていった膨大な資料にどうやってアクセスするの?もし紙にまとめてしまえば線形にしかたどることができなくなる。たとえPCの中に保存してgoogleデスクトップサーチやnamazuしたって、そのうちキーワードの多さから結局線形アクセスだ。

「本を読むことは他人の脳の間借りなんかじゃない!絶対にない!」(@nonomachonの日記8/9付)(webmaster注:強調はwebmasterによります)

とりわけなじみのない分野に切り込もう、というときには、一冊(とは限りませんが、特定の少数の本)を中身を覚えてしまうぐらい繰り返し読むことが有効であろう、とwebmasterは思います。というのも、

  • ある程度巨人の肩に立たないと分野全体を見通したり、採るべき考えの取捨選択もできませんが、批判的に読むのはそれからでも十分で、まずは鵜呑みにしてかかってもデメリットよりメリットが大きい、
  • よくわかっていない段階で作る要約は間違うおそれが大きく、また、作った要約から逆に書いてあったことを限定して理解してしまうこともある一方、「頭の中に自動的に要約」されるものは、何度も読んでいるのでエラー訂正もかかりやすいですし、応用が利く、
  • そのためにはあれこれ浮気するよりも、読んで楽しいと思える本を、学ぼうとするより楽しもうと何度も読む方が効率が良い、

からです。お金がなく同じ本を繰り返し読まざるを得なかった高校時代や、繰り返し読む時間は豊富にあった大学時代の経験を今から振り返れば、というメソッドではありますが、若かりし頃にこのように培ってきた頭の中の網の目が、今でも有効に機能しています。そうした網が張られていなければ、本を読んでいて引っかかる(新たに覚える、おかしいのではと検討してみる、等)こともありません。

この方法の実践に当たっては、何より楽しく手軽に読める本を選ぶことが重要です。古典も最先端も、そうした観点からはふさわしくありません。得てして難渋ですし、物理的にも手軽とは言いがたいことが多々あります。それよりもよくできた啓蒙書がお薦めです。古典や最先端は、それでは物足りないと思えるようになってから読むべきでしょう。

そんな視座から、当サイトでよく取り上げるようなテーマについてお薦め本を選ぶなら次のようなものになります。もしよろしければご参考にしていただければ。

  • 経済
    小室直樹「ソビエト帝国の崩壊」
    webmaster自身がかく読んだなぁ、という本から一冊ぐらいは(笑)。かなり古くなりましたが、政治的な話を含めて社会科学による将来予測の面白さが詰まっていると思います。小室直樹先生の書く本は、時代が後になるほどいろいろな意味でお薦めするのがつらくなります(笑)ので、処女作出世作(finalventさんのご指摘を受けて訂正いたしました。8/12追記)を。
    若田部昌澄「経済学者たちの闘い」
    当サイトをご覧の方々には改めて紹介の必要もないでしょうけれど、できのよい歴史小説を読みながら経済学の基礎に触れることができるような逸品です。
  • 法律
    立花隆「ロッキード裁判批判を斬る」(1)(2)(3)
    分厚い三冊ということでお手軽さに難はありますが、タイトルからも明らかなように論点が具体的で、かつ反対者との応酬の形式ですので、非常にテクニカルな話を扱っているにもかかわらず、その趣旨、さらには背後にある法的な考え方に至るまで、わかりやすい解説が徹底しています。これを絶版にしている朝日は本当に許し難い!
    長谷部恭男「憲法と平和を問いなおす」
    題材が憲法第9条を巡るものですから、読む前から一定の方向を持っている方がほとんどということになってしまうでしょうけれど、結論は違っていたとしても、それを導き出すプロセスをよくご覧いただければと思います。法学者というものはどのような議論の立て方をするのか、また、それが他の手法においてどのように裏付けられるかを味わえることでしょう。
  • 政治
    伊勢崎賢治「武装解除」
    類まれなる政治の実践の記録です。奇麗事だけでもなければ、現実に妥協するだけでもない、あるべき政治に向けた苦闘とは何かが克明に刻まれていて、世の政治論評の多くがいかに浅薄であるかがよくわかるようになるでしょう。
    北村賢志「虚構戦記研究読本 兵器・戦略篇」
    「他の手段をもってする政治の延長」である戦争(byクラウゼヴィッツ)を題材(第二次世界大戦中の日本)として、それが如何に問題あるものであったかを論じる書は多いのですが、こうすればよかったのに、という安直な提案を徹底的に分析・論破することにおいて、本書の右に出るものはなかなかないでしょう。政府批判の代替案を構築する難しさを知っていただきたい、というのはwebmasterの職業バイアスでしょうけれど(笑)。
本日のツッコミ(全368件) [ツッコミを入れる]

Before...

モンクレール ウール [ハウディ率い、あなたが数を知らせる|正しくロードされていない画像を写真はちょうどあなたに与えたいと思った。私はよく分..]

モンクレール ダウンベスト レディース [グレートブログあなたはここにあるが、私はした、任意のここ|この記事にで議論|同じトピックをカバーフォーラムは}{の話..]

TourChamp Black Forged??????併????????冦???偐????夛級?樺??恒儔?┿????樸????????Rombax Type S65????? [「レギュラーとしての彼の能力に対する疑問からマーケットは限定されていた」 海外FA権の行使を宣言しながら、最終的に阪..]


2006-08-12

[WWW]夏休みの宿題

当サイトの読者にどれほど小・中学生のお子さんをお持ちの方々がいらっしゃるかはわかりませんが、そうした方々が読まれると得るものが多いのではないでしょうか。

理科よりも社会の自由研究が実はやりやすいのではないかとのことですが、それこそ霞が関紹介なんてどうでしょう(笑)。各府省庁の1ページずつ、入口を写真にとって貼り付け、その他諸々をネットから採集し、冒頭に全体の概観をまとめれば、あっという間にできるでしょう。公的機関はネット情報が豊富ですから、使わない手はありません。

[book]読書法私論補遺・歴史に興味を持つため暗記するほど読むことをお薦めする本

昨日のエントリにいただいたkagamiさんのコメントを受け、標記について。

フィクションもろもろ
まずは好きになること、と考えるとフィクションが最適であるようにも思います。昨日紹介の三分野と違って良質なものも多いですし(笑)。司馬遼太郎その他の歴史小説でも(webmasterの好みで言えば最近お亡くなりになった吉村昭)、いっそのことマンガでも(同じく好みでは、最近はセンゴクを毎週楽しみにしています)、お好みに応じて。
歴史地図
学校の歴史の授業で副読本に使われているアレです。歴史に興味を持つとすれば、様々な興亡が手がかりとなることも多いと思いますが、地図を見てそれをイメージできる人であれば何度読んでもあれこれ想像(あるいは妄想(笑))をたくましくし、時間が過ぎるのも忘れてしまうでしょう。メジャーどころでは吉川弘文館の世界史日本史だとは思いますが、検索してみたら「世界史アトラス」が非常に面白そうです。少々高いですが、衝動買いしたくなってきました。

#後者については、コンピュータソフトで置き換えが可能なのかもしれませんが。といいますか、Google Earthのようなlook and feelで、紀元前3000年ぐらいから1年刻みで見ることができるものがあったら、絶対買いたいなぁ。

本日のツッコミ(全451件) [ツッコミを入れる]

Before...

????? AQUOS ????LC-42XJ1-B [42V????笂?BS?110搴?S????儷??????с?娑叉?????? ??????夊?澹? [しかし、しかし私は知りたいし大ポストにこの対象?あなたは少し手の込んだことができれば| 感謝感謝詳細私は非常にあるこ..]

LG49V型 地上・BS・110度CSチューナー内蔵 フルハイビジョン液晶テレビ49LF6300 [私の配偶者と私は、絶対にあなたのブログを愛し、見つける多くのあなたのポストのがするただ何|まさに。 あなたができる ..]

??儕ぐ膏?冦? PANASONIC VIERA ?????H-L20R1-N [20V????笂?BS?110搴?S????儷??????с?娑叉??????HDD250GB?呰數 ??????????儷?塢 [私と海辺の浜今日はに行ってきました。私は貝殻を見つけて、私の4歳の娘にそれを与えたと言った"あなたはあなたの耳にこれ..]


2006-08-13

[government][economy]改革利権って何よ?

政府の規制改革・民間開放推進会議が中間答申を出した7月31日。宮内義彦議長らとともに記者会見に臨んだ八代尚弘・国際基督教大教授が声を荒げる場面があった。オリックス会長の宮内氏に「改革利権」を手にしているのではという趣旨の質問が出たときだ。「利権は規制や保護政策で生まれる。それを改革して誰が利権を得るのですか。(改革利権という)不正確な言葉を定義もせずに使っていいのでしょうか」

日経「規制改革 失速の恐れ」

ここでの八代先生の意見に対して、平家さんが概要次のような「利権」の可能性を指摘していらっしゃいます

  • 規制改革後の新たな規制体系を自らに有利なものとする。
  • 規制改革のタイミングについての「インサイダー情報」を活用し、予め準備を進めることで先行者利益を得る。

厳密な議論をするなら、そのようなものが「利権」足り得るのでしょう。しかし一般に言われる場合、もっといいかげんな意味で用いられているような気がwebmasterにはします。つまり、従来の規制にはそれなりの意味があったかもしれないのに、それがあると儲からないといって邪魔者扱いして撤廃した、と。

確かに利権が規制や保護政策で生まれるのは事実ですが、だからといって全ての規制や保護政策を撤廃すればよいというものではありません。八代先生その他のあたかも全ての規制や保護政策を撤廃した方がいいといわんがばかりの態度への不信表明を象徴するのが、この「改革利権」という言葉なのではないでしょうか。

#八代先生も、情報の非対称性等を理由とした規制等の存在意義はお認めです(ただし、小さな声で(笑))。

ちなみに規制等をすべて撤廃すればいかなるパラダイスが待っているか、実は前例があります。

いかなる国家の権力も及ばず、法律というものに束縛されない場所があったら、パラダイスじゃなかろうか。だって何をしても自由のはずなんだから・・・。でもそんな場所は一体どこにあるのといえば、南極。確かに南極は南極条約で、どこの国の主権も及ばないことになっているのだが、「何をしても自由」以前に、寒すぎて何もできないですね・・・。

そしてもう1ヵ所、日本からそんなに遠くない大都市のど真ん中にもそういう場所があった。○○○がそれ。

(略)

あらゆる国家の権力が及ばない「自由のパラダイス」というものは、治安がどうこう言う以前に、とても臭くてタマラナイいうのが身に染みてよくわかりました。。。ちなみに治安の方は、その頃すでに○○○が「違法パトロール」を始めていたのでかなり良かったようです(違法工場は摘発しないが、泥棒や不法入境者は捕まえるという状態)。

やがて留学を終え、日本の大学に復学しサークルにも復部したら、アナキズム(無政府主義)を信奉する後輩がいました。だから彼に言ったんですよ、「アナキズムな社会なんか実現したら、町中臭くて大変だぞ!」って。彼がその意味を理解したかどうかは知りませんが。。。とりあえず、噂によれば現在はまじめなサラリーマンとして働いているようです。

うんこ飛地

場所が特定可能な部分はわざと伏字にしてあります。何故町中臭いかは省略部分に記載されています。ぜひリンク先をご覧いただければ。

[politics][government][misc]議員と青少年の交わり

昨日のエントリを受け、gachapinfanさんからアメリカでのオバマ議員の学生向けセミナー(シンクタンク主催)の紹介をいただきました。自民党や民主党にも青年局・学生部といった組織があり、インターンを募集していたり、また、当然就職活動における採用側(=官庁)のPRなどもあるわけですが、そのような当事者としてではなく第三者としての活動は、確かに日本ではあまり耳にしません。この主催者について、gachapinfanさんは、

こういう団体があることについて、「さすがアメリカはすばらしい!」と言うべきか、それとも「よほど人材難なんですねえ(藁」と言うべきなのか・・・。

「オバマ上院議員の夏休み」(@gachapinfanのスクラップブック8/12付)

とおっしゃっていらっしゃいますが、このまま公務員への蔑みが高じれば、思いのほか近い将来同じような試みが・・・。

若干無理やり昨日の話題につなげるなら、社会の自由研究の題材として霞が関紹介を提案しましたが、やはり東京近郊でないと困難でしょうし、何よりお仕着せ感が強いという難があります。とりわけ小中学生ぐらいであれば、むしろ地元の議員、それも市町村議会議員にアンケートというのがよいように思いつきました。あまり生臭いテーマだと市民運動の手先かと警戒もされるでしょうから(笑)、議員の仕事はどのようなものでしょうか、といったぐらいの軽い話題で、「選挙のときに車に乗って名前を連呼しているぐらいしか見かけず、普段は何をしているのかわかりません。そこで・・・」ってな枕ではじめるなど。

本日のツッコミ(全342件) [ツッコミを入れる]

Before...

?パナソニック(Panasonic)42V型 地上・BS・110度CSチューナー内蔵 フルハイビジョン液晶テレビ VIERA TH-42C300 [これはです素晴らしいウェブサイト、だろうあなたがあること関与そうすることでインタビュー約|あなたはどれだけどのように..]

ATOMOS??????も5 Ninja Star [おかげあなたの個人のために素晴らしい投稿! I 本当に楽しんだそれを読むこと、 には、あなたのブログをブックマークあ..]

TOTO ?╂按???渚?? ???え??ャ??冦? KM???????TCF712C#SR2 TCF712CSR2 5000??互涓???枡?℃枡???????冦?????K [こんにちは! ウェブサイトあなたがこのために使用しているオフトピック が、私はどのブログのプラットフォームを思ってい..]


2006-08-14

[WWW]BUNTENさんの新blog

BUNTENさんご自身について、客観的には非常に深刻な話をされているのですが、軽妙な語り口と、着眼点の鋭さゆえにさわやかな読後感を読み手にもたらしてくれるすばらしいテキストだと思います(日本でのウェブ黎明期に人気を集めた会社潰れてしもたがな!に匹敵すると思います、と言えば雰囲気をお察しいただけるでしょうか)。BUNTENさんより紹介することのご了解をいただいたので、おおっぴらに。

絶対読んで損はしません!!!

ただし一つだけ重大な問題があって、BUNTENさんが個人としてお幸せになると、連載が終わってしまいます。もちろんそうなってほしいのですが、それを残念に思いそうな人でなしの部分がwebmasterの頭の中にはあるわけでして・・・。

[economy]世の中には「ITデフレ」なんて言葉があるようで。

山口浩さんのエントリで知りましたが、ご指摘のとおり妙な用語です。このような言葉を使う人には、次の山口さんのご指摘を噛み締めていただきたいものです。

経済全体がデフレであってもインフレであっても、細部をみれば価格が上がっているところ下がっているところ、両方があって当たり前だ。それをいちいち「デフレ」とか「インフレ」とか呼んでいたらきりがない。だったら今は「不動産インフレ」で「タクシーデフレ」だし、「セブンイレブンのペットボトル飲料価格デフレ」で「東京都の公衆浴場入浴料金インフレ」だ。多くの家庭のそれぞれで、「○○家における子供の教育費インフレ」やら「△△家におけるだんなのこづかいデフレ」やらが生じているだろう。

「「ITデフレ」って何?」(@H-Yamaguchi.net8/12付)

ちなみに。

いや、それはわかるんです。「ITデフレ」だけ独立して出てくるのであれば混同はしません。ここでの問題は、本来の意味のデフレに関する記事に対するコメントとして「ITデフレ」が出てきていることで、だから編集側に問題があるのではないか、と書いたわけです。これは「悪質」な印象の誘導ではないか、と。

「「ITデフレ」って何?」中の山口さんのコメント(Aug 13, 2006 2:51:46 AM)(@H-Yamaguchi.net8/12付)

いや、誘導ではなく本当に間違えているのではないかと・・・。

#意図的な誘導と本当の間違いと、どちらが悪質かは判断に悩みますが(笑)。

本日のツッコミ(全203件) [ツッコミを入れる]

Before...

??????????????????????併仭??? [メーカーARENA アリーナ(株式会社デサント) 型番DIS 4357W 商品名アリーナDISNEY(ディズニー) ..]

???? ???????冦? [腕時計型デバイス「Android Wear」は、Androidケータイの通知を腕時計で確認でき、音声入力を使って操作..]

???????? [○発酵乳、全粉乳、生クリームを使用し、素材本来の味を大切にしたコクのあるまろやか風味のマーガリンです。 ????..]


2006-08-15

[government][computer]電子政府、ただいま失敗中!(前編)

branchさん経由で次の記事を知りました。

  1. 崖っぷち!電子政府〜迷走する4500億円プロジェクトの行方・第1回:鳴り物入りでスタートした電子政府だが…
  2. 崖っぷち!電子政府〜迷走する4500億円プロジェクトの行方・第2回:浮き彫りになったEA導入の功罪

まだまだ連載は続きそうで今後が楽しみですが、これまででも十分失敗の状況、そしてその原因は描かれています。まずは状況。

人事院――。文字通り国家公務員33万人の人事管理を行う、省庁独立の行政機関だ。5月17日、この役所を一団の男たちが訪れた。彼らはいずれも、内閣官房に新設された「電子政府推進管理室」(GPMO=ガバメント・プログラム・マネジメント・オフィス)の室員。訪問の目的は、人事院が40億円近くを投じて開発してきた「人事・給与業務システム」の試作版の検証である。

(略)人事院の担当者はまるで意に介さない。ログインしても、住所登録や通勤手当、人事決済など各プログラムのデータがまったく連動しないのだ。その度に担当者の口からは「おかしいなあ」「今日は調子悪いなあ」と、他人事のような台詞が洩れる。堪りかねたシステムエンジニアのGPMO室員が、持参したノートパソコンを取り出し、試作版のディレクトリを確認し始めた。そして……。

「こりゃ、くずファイルばかりだ」

11メガステップスのプログラムの中には、データを出力しない無意味なファイルが1万個単位で集まったディレクトリがいくつも見つかった。成果物のファイルも無秩序に積み上げられており、それぞれの関連を記録したドキュメントも用意されていない。人事院とベンダーの間に基本設計の明確な合意がなく、しかも、プログラム実装は複数の下請けソフトハウスが場当たり的に行ったことは容易に想像できた。

しかし、人事・給与業務システムは人事院が開発した後、各省庁へ導入する共通システムの第一弾なのだ。このまま導入すれば、大混乱が起こるのは必至。だいたいメンテナンスは可能なのか……。この日、夕刻になって元請け開発会社の担当者がやってきた。杜撰なシステムをなじるGPMO室員に、彼らは本音を洩らした。

「納品するだけで手一杯で、メンテナンスのことまで考えていませんでした。我々もできるかどうか……」

投入された40億円近い税金が無駄ガネと分かった瞬間だった。

崖っぷち!電子政府〜迷走する4500億円プロジェクトの行方・第1回:鳴り物入りでスタートした電子政府だが…(1/2)

なぜこのようなことになったのか、整理された指摘は未登場ですが、十分に察することができる材料となるのが次の部分です。

いや、既に開発されてしまったのが、前述の人事・給与業務システムである。これは府省共通の中核システムの1つ。しかし、開発を担当する人事院には初めからそんな認識はなかった。

「なぜ、我々がやらなければならないんだ」

人事院の開発担当者の間からは、こんな愚痴が聞こえて来る。人事院は長年、沖電気工業のパッケージソフトを使って給与計算をしており、人事・給与業務システムは、これをベースにあくまで自庁向けに開発していたのである。ところが2003年7月、電子政府構築計画が決まり、急きょ府省共通システムの第一弾に仕立てられてしまった。

この時点で、各省庁の給与体系、職位・職級制度をヒアリングすべきだったのだ。それを人事院は怠った。というより、「毎年、人事院勧告(国家公務員の給与)を一方的に押し付けるだけの役所に、そんなインセンティブが働くわけがない」(内閣府幹部)。職員700人の人事院に、国税庁や社会保険庁など2万人を超える大規模官庁にも通用する共通システムをつくらせること自体、無理だったと言える。

崖っぷち!電子政府〜迷走する4500億円プロジェクトの行方・第2回:浮き彫りになったEA導入の功罪(1/2)

この部分を素材にwebmasterなりに分析するなら、失敗の原因として次の2点が挙げられるでしょう。

おそらく早く結果を出せと急かされてのことでしょうけれど、700人程度の規模を想定した人事・給与業務システム開発を、途中から方針変更して万人単位を扱えるようなシステム開発へと切替えたこと
常識的にはスクラッチで開発した方が早いとわかりそうなものですが、スクラッチからの開発見積りを見た誰かお偉いさんが、「これでは遅すぎる。開発中のシステムを機能強化すればもっと早くできるのではないか」とかなんとか言い出して、それなら人事院がちょうどやっていますとかいう追従者が出てきたんじゃないでしょうかねぇ。
そのような始まり方をしたため、開発担当が人事院になったこと
インセンティヴが働かないという内閣府幹部や、職員が700人だという地の文の指摘は的外れでしょう。インセンティヴは付与すればいいだけのことですし、人事院職員がコーディングするわけでもないので職員数は700人も不要でしょう。ヒアリングすらしなかった人事院は問題ではありますが、ヒアリング結果を踏まえ業務フローを総ざらいし、現状を維持してシステム化すべき部分、やり方を改めた上でシステム化すべき部分、システム化せずに人間側で対応すべき部分を仕分け、必要であれば各省庁に業務フローを変更させ、といった権限がない以上、ヒアリングしたところでそれだけで終わりになってしまった可能性が極めて高く、そうであれば現状と大差ない惨状であったことでしょう。例えば体育祭なり文化祭なりの実行委員のなり手がないとき、おとなしくて断れない子に無理やり押し付けたところでうまくいくはずもなく、そのうまくいかなかったことの責任は、押し付けられた子が皆無ではないにせよ、きちんとした実行委員を選任しなかった側にはるかに多くあるわけです。

失敗は取り返せないにせよ、ではこれからどうすればよいのか、webmasterなりの考えを次回に示したいと思います。

[government][misc]夏休み子ども見学デー@kasumigaseki

8/12に自由研究に霞が関レポってどうよ、という話を書いたわけですが、それ用の企画があるじゃないですか! というご紹介です。しかし、webmasterの所属府省庁等も「参加府省庁等」に含まれているわけですが、こんな企画があるとは知りませんでした(笑)。まして一般の方々の知名度についてはいかほどかとは思うわけですが、とまれ、ご興味のある方は是非。

本日のツッコミ(全692件) [ツッコミを入れる]

Before...

液晶テレビ 32型 比較 [あなたウェブページない正しく に私のiphone - もししようと修理という 液晶テレビ 32型 比較 http:..]

液晶テレビ 壁寄せスタンド [それはだかどうか|皆遭遇経験 の問題をあなたのブログ。 かのような状態になりますこれは、としても表示されますの一部書..]

&#12463;&#215;&#12452;&#12456;&#12525;&#12540;&#12464;&#12522;&#12540;&#12531; [<a href="http://electronic.si/">(04)ソファー?チェア</a> &#12463;..]


2006-08-16

[government][computer]電子政府、ただいま失敗中!(後編)

昨日の続きですが、これまでの失敗を糧にし、以後できるだけ無駄をなくしていくためにはどうしたらよいのでしょうか。webmasterは素人ですから関係業界の方々に批判的検討をいただきたいのですが、原則は次のようなものと考えられます。

  1. きちんとした司令塔を確立し、必要な権限(及びそれを支えるトップの信認)を与えるべきです。
  2. 出来上がった失敗作は廃棄し、新たなシステム開発プロジェクトを立ち上げるべきです。
  3. 新たなプロジェクトにおいては、司令塔は各省庁からの要望をヴェンダーにつなぐだけといった業務運営を行うことなく、各省庁のやり方の是非の判断にも踏み込んだ業務フローの確定、それに基づく要件定義を主体的に行うべきです。

以上を具体的なスキームに落とし込んでみましょう。

  1. 総理による、自らが政府のCEOであることを自覚した、推進に向けた決意の明確化
  2. CIOとして実務を取り仕切る責任者たる専任大臣の任命
  3. 選任大臣の手足となる事務局の設置
    1. 現実問題として、引用部にもある電子政府推進管理室を活用する形になるでしょうけれど、現状の室員10人・補佐官4人体制では記事にあるようなチェックがせいぜいでしょうから、大幅な拡充が必要です。
    2. どのような拡充を行うかを考えれば、まず実働部隊として各省庁の業務フローの把握・仕分け等に、各省庁から人事・給与事務担当やシステム担当を企画官・室長クラス〜係員クラスで少なくとも2人ずつとして、40人以上は出向させる必要があるでしょう。
    3. それをシステム開発とリンクさせるため、大規模システム開発の経験のあるプロマネなりコンサルなりを若干名、これは民間からお招きするしかないでしょう。
    4. 関連する法令の精査や予算等に関連する事務の処理、諸々の雑務などを担当する職員を、これも各省庁からかき集めて20人程度といったところでしょうか。
    5. 以上の管理職を、現在の室長(内閣官房副長官補)のランクにあわせるならトップは次官級、それに局長級2人、課長級5人ぐらいをくっつけて、これらは人事院や総務省行政管理局など関係する制度官庁から引っ張ってきます。
  4. 事務局による開発着手に必要な準備
    1. 各省庁から現在の人事・給与体系等、及びその管理体制のヒアリングを行い、現状を把握します。
    2. 各省庁からシステムに対する要望を聴取します。
    3. システム開発に費やせる予算見込みを念頭に置きつつ、業務フローの仕分け・盛り込むべき要望を取捨選択、たたき台を作成します。
    4. たたき台を各省庁やヴェンダーとすり合わせ(必要に応じてトップの決断を仰ぐ)、要求定義・基本設計を詰めます。
  5. 開発途中におけるヴェンダーとの密接な情報共有・意見交換
  6. 各省庁の受け入れ態勢整備のチェック

#要すれば、郵政民営化に当たってやったようなことをやればよい、ということです。あれだけの労力を費やすなら他にもっと使い道があったでしょうに・・・。

さらに問題の根を探るなら、今回の問題を機に、それをどう検証し、いかに改善していくかという試みができるかどうかが重要であるといえましょう。「問題」とは昨日引用の記事が正しい前提ではありますが、実態がそのとおりであるかを含め、当サイトのようなチラシの裏ではなく、プロによるまっとうな分析(及び必要に応じたそこからのフィードバック)がなされなければなりません。

わが国では一般に,システム障害が発生するとまず責任問題が取り上げられ,ベンダー側が責任を取れば一件落着のような風潮がある。ベンダー側も,責任の所在をめぐってユーザー企業と対立するよりも,長期的な付き合いを大事にした方がビジネス上有利であるとの判断からか,今後トラブルが発生しないと断言することはできないにもかかわらず,再発防止を約束して謝ることによって丸く収めようと傾向があるのではないだろうか。その結果,ユーザー企業側の問題が顕在化しないだけではなく,ベンダー側の再発防止策も中途半端になっていると言わざるを得ない。

このようなシステム障害が発生した場合には,できるだけ情報を開示して,広く建設的な議論を巻き起こし,できるだけ,再発防止のためのノウハウが社会的に蓄積することが必要であろう。「失敗」から学ぶためには,障害発生を次の失敗を起こさないための契機として捉えることが必要である。発注側と受注側の責任の押し付け合いになることもあるので,航空機事故における調査機関のような,第三者機関による公正な分析や判断ができるような仕組みがあるとよいと思われる。

一連の『東証』の問題に対する見解(by経営情報学会・『システム統合』特設研究部会)

この引用は東証のシステム障害についてのもので、本件のような運用前に問題が指摘されるような状況に対するものではありませんが、ここでの指摘は十分に応用可能であるはずです。経営情報学会から本件について同じような総括がなされるかどうかはわかりませんが、政府のイニシアティヴが望まれることは間違いないでしょう。

本日のツッコミ(全2510件) [ツッコミを入れる]

Before...

FUJIFILM?????い穡??級 X-E2 + XF35mm F1.4 R????????冦? [こんにちは!オフトピック完全に完全にだ簡単な質問。あなたのサイトがモバイルフレンドリーにする方法を知っていますか? ..]

??儕ぐ膏?冦? PANASONIC VIERA ?????MP-HV100-T [10.1??????????涓?????????? ?????] [|あなたは使用して作業しているどのブログのプラットフォームには、心共有する旨でしょうか?私は今が、私はタフ抱えている..]

????? ??數搴????す瑛??ぶ???鍔?? [スウィートブログ!ヤフーニュースで検索間、私はそれを見つけました。ヤフーニュースに記載されて取得する方法について| ..]


2006-08-17

[law]カッコ書きと句点の処理

タイトルを見ても何のことか不明確かと思いますが、カッコ書きの中の部分が文として完結している場合、句点を付してカッコを閉じるか、それとも付さずに閉じるか、という話です。例示をすれば次のようなもの。

内型(句点を付す)
この文は内型で書いてあります(すなわち、カッコ内の最後は句点です。)。
外型(句点を付さない)
この文は外型で書いてあります(すなわち、カッコ内の最後は句点ではありません)。

内型、外型という呼称は後述のとおり一般的なものというわけではありませんが、とまれ、当サイトでの記法は外型になっています。なぜわざわざこのようなことを書くかと申しますと、当サイトの記法はwebmasterのこだわりがない限りは基本的に法令の書き方に沿っているのですが(その方が雰囲気が出ますよね(笑))、そのこだわりに基づく例外の1つがこの処理だからです。

法令の書き方においては、次のように内型となっています。

括弧内の字句の場合、次の例一に示すように、その字句が名詞形で終わるときには、原則として句点を付けない。しかし、その字句が名詞形で終わっても、その括弧内にさらに字句が続くときには、例二に示すように、句点を付ける。また、括弧内の字句が動詞形で終わるときにも、例三に示すように、句点を付ける。

前田正道「ワークブック法制執務」, p566

この方式をとらないwebmasterのこだわりについて、非常に共感したのが次のテキストです。

ところで、お気づきのように私は外型を採用しています。一時折衷型によっていたこともあったのですが、先日発表した論文では完全に外型で統一しました。理由はいくつかありますが、最大の理由は、文章がまだ続いていくのに途中で句点が挟まるのは読みにくく、また、カギカッコの最後の句点が引用文のみを切る句点なのか、地の文をも一緒に切る句点なのかわかりくいと私自身が感じるからです。これが著者の言う「審美性」に解消される感覚なのかどうかはわかりませんが、そうすることで必ずしも正確性が犠牲にされているとも感じません。

「「…である。」か、「…である」。か」(@フランス公法学研究日誌8/13付)

#先の内型、外型との呼称は、このdpiさんのエントリ(で取り上げられている萩原金美「法律論文(文書)における引用文末尾の句点の取扱いについて」判例タイムズ1133号(2003年)pp77-82)によります。

ここでdpiさんは引用を念頭においていらっしゃいますが、通常のカッコ書きにおいても同じことが当てはまるでしょう。さらに付け加えるなら、先の例示で用いたように文末に来る場合、dpiさんのご指摘のように文の区切りかどうかについては紛れはないものの、句点、閉じカッコ、句点と続くのはいかにも美しくなく、まさに「審美性」の観点から好ましくないと言えるのではないでしょうか。

本日のツッコミ(全176件) [ツッコミを入れる]

Before...

偽物ブランドコピーN級品激安 [<a href="http://www.springcanvas.com ">業界最高級品質のスーパーコピーブランド..]

ダイワ (DAIWA) ファントムNT (PHANTOM NT) 54UL / 本格的ネイティブトラウト専用モデル [OT] [米ラスベガスで9日まで開かれた世界最大の家電見本市「国際家電ショー(CES)」では、ベンチャー企業の存在感が高まった..]

??013???????MP-R4 ???冦?????儉い穡???????儷??ぶ???儷???????http://www.iaiha.com/olfclub-mizuno-05-441.html [政府は11日、2015年度予算編成で焦点となっていた幼児教育への支援策について、幼稚園に通う3〜5歳児を持つ低所得世..]


2006-08-18

[notice]新カテゴリ"index"開始

関連記事が多い特定の話題について、これまでも人権擁護法反対論批判index村上ファンド問題関連エントリindexをエントリとして立ててきましたが、この種のエントリを示すカテゴリとして"index"を作成いたしました。必要に応じてご活用ください。

[economy]吉野教授の消費者金融観

が学士会報にて記されているとのことです。以下、47thさんのところから孫引きします。

吉野座長はそもそも消費者金融の借手を、大きく分けて(1)「病気になったとか、急に勤め先が倒産したなどの理由で生活費が足りなくなり、消費者金融から借入、高い金利のために借金が雪だるまになり、返済ができずに多重債務に陥る人」、(2)「自分の財布の中身以上に浪費したり、ギャンブルなどにお金を注ぎ込んで、生活費に困り消費者金融から借入をする人」、(3)「例えば脱サラで新たに事業を始めようとしても銀行からは資金が借りられず、ノンバンクから事業資金を借入・・・事業が上手く軌道にのり、高い金利でも返済ができ、よい顧客と認定されると徐々に金利も下がり銀行借入も可能となる借手、短期に必要な資金を銀行から借りいれようとしても、審査などに時間がかかるため、短期の資金をノンバンクから借り入れる利用者」などに分類されるとした上で、(1)は生活扶助で対処すべき、(2)はノンバンクを利用していること自体が問題であって「本来、消費者金融に向かうべき人達ではない」という認識をされているようです。

この分類からは、必要なのは「事業者向け」の短期融資、あるいは、スタートアップ資金の融資であって、そもそも「消費者」金融自体に存在意義はないと考えているようにも見えるところです。

「「平等社会=上限金利引下げ?」(@ふぉーりん・あとにーの憂鬱8/14付)(webmaster注:カッコ付数字は、原文では丸付数字です)

正直なところ、これを驚きといわずして何を驚くべきなのか、と評しても過言ではないでしょう。吉野先生も経済学者のくせに(とは偉そうで恐縮ですが)、借金の存在意義をご存じない(か、その他の考慮すべき事項に比して後回しにしてかまわないとお考え)なのでしょうか?

webmasterごときが今更申し上げるまでもありませんが、借金の存在意義とは異時点間の消費を最適化することにあります。現時点で手持ちの現金でまかなえない消費をしたければ、選択肢は2つしかありません。

  1. お金をためて将来に消費する。
  2. お金を借りて今消費する。

もともと1番を選ぶ人にとっては、借金が可能であっても不可能であっても損得なしですが、2番を選ぶ人にとっては、借金が可能である方が不可能である方よりも望ましいことになるのは自明でしょう。であるなら、借金は不可能であるより可能である方が、社会全体としては好ましいということになります。ありふれた例をひくなら、世にボーナス払いで物品を購入する例は多いと思いますが、ボーナスを受け取ってから買う(=1番)より、金利を負担してでも早く買うことができる(=2番)方が、ボーナス払いを使う人にとってはよりお得だというわけです。

こうした最も基本的な借り手の行動を、借り手を大別して列挙する際に無視する経済学者が、グレーゾーン金利問題を取り扱ってきた貸金業制度等に関する懇談会の座長として議論をリードしてきたかと思うと、暗澹たる気持ちになるのはwebmasterだけではないでしょう。といいますか、そういう人間を座長として選んだ時点で金融庁の狙いははっきりしていたのでしょう。

百歩譲ってそうした効用があるにせよ、困っている人が多く副作用が大きいから、という理由で吉野先生の見解を正当化できる可能性がないわけではありません。しかしそれであれば、吉野先生がいう(1)の借り手に対する生活扶助が整備されてから上限金利を引き下げよ、とすべきでしょう。自分たちは生活扶助の必要性は認識しています、その整備は政府の責任であって自分たちの責任ではありません、というのでは、(1)の借り手を苦しませるだけで、その責任を都合よく言い訳して良心の呵責から逃れているだけだと難ぜざるを得ないでしょう。

本日のツッコミ(全45件) [ツッコミを入れる]

Before...

クロムハーツ リング [Life thus egotistic.<br> It does not take plan connected..]

パタゴニア セール [Goof learn: Fossil fuel nation offers built an important g..]

パタゴニア キッズ [I need towards re- evaluate wonder originated still. That ..]


2006-08-19

[science][misc]ホルスト・組曲「惑星」と冥王星、その他

太陽系の惑星は9つであるとの従来の見方が覆されるかも、という話はすでにご存知の方も多いと思います。

太陽系の惑星がこれまでの9個から一気に3個増え、12個になる可能性がでてきた。チェコ・プラハで開催中の国際天文学連合(IAU)総会で16日、惑星の新定義が提案されたためだ。太陽系で惑星と認定されたのは1930年発見の冥王星までの9個だが、近年、新天体の発見が相次ぐなどしたため、定義の見直しを迫られていた。新定義の採決は現地時間24日午後の予定で、承認されれば、世界中の教科書が書き換えられることになる。

これまで太陽系の惑星は、歴史的経緯から地球や金星、土星、冥王星などの9個とされてきた。

IAU総会に提案された惑星の新定義は(1)天体が自ら球状の形を維持できる重力をもつ(2)太陽のような恒星を周回している天体で、恒星や、惑星の衛星ではない――の2条件を満たす天体。これには、質量が月の約150分の1、直径では月の約4分の1にあたる800キロの天体まで含まれる可能性がある。

新定義が承認された場合、米観測チームが昨夏に冥王星よりも大きく、「第10惑星」として発表した「2003UB313」のほか、火星と木星の間にある小惑星の中では最大の「セレス(ケレス)」、冥王星の衛星とされていた「カロン」の三つが加わる。冥王星とカロンは、惑星と衛星の関係ではなく、二つの惑星が互いを周回しあう「二重惑星」とみなすことになる。

朝日「太陽系の惑星、一気に3個増か 国際天文学連合が新定義」

しかし、ここでいう惑星とは、英語で言うa planetだけではなく、つまりはIAU総会で今般の提案が承認されても、だからといって太陽系には12 planetsが属することになるわけではありません。

そこで国際天文学連合では、惑星の定義を天文学的に定めるべく、これまで慎重に議論をすすめてきました。そして、8月16日、総会参加の天文学者に「惑星」の定義の原案が下記のように示されました(一部、日本語訳が定まっていないため、英語表記としています)。

(1)惑星とは、(a)十分な質量を持つために自己重力が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡(ほとんど球状)の形を持ち、(b)恒星の周りを回る天体で、恒星でも、また衛星でもないものとする。

(2)黄道面上で、ほぼ円軌道を持つ、1900年以前に発見された8つのClassical Planetsと、それ以外の太陽系の天体を区別する。後者は、すべて水星より小さい。また、セレスは上記(1)の定義から惑星であるが、歴史的理由により、他のClassical Planetsと区別するため、Dwarf Planetと呼ぶことを推奨する。

(3)冥王星や、最近発見された1つまたは複数のトランス・ネプチュニアン天体は、上記(1)の定義から、惑星である。Classical Planetsと対比して、これらは典型的に大きく傾いた軌道傾斜と歪んだ楕円軌道を持ち、軌道周期は200年を超えている。われわれは、冥王星が典型例となるこれらの天体群を、新しいカテゴリーとして、Plutonsと呼ぶ。

AstroArts「「惑星」の定義の原案、公開へ」

以下、冥王星その他のPlutonsが惑星(Planets)に含まれないとの誤解に基づきあれこれ書いております。少々の手直しで文意が通るようになるような代物ではございませんので、当初に書いたそのままで放置いたしますが、根本的な知識の欠如を含む妄言としてご笑覧いただきますようお願いいたします。(8/20追記)

整理すれば次のとおりです。

惑星
Planets
Classical Planets
水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星
Dwarf Planets
セレス
(その他)
(太陽系以外の恒星系に属するもの)
Plutons
冥王星、2003UB313、カロン

さて、以上は長い前振りでようやく本題ですが、クラシック音楽の世界で惑星といえばホルストの組曲「惑星」です。原題は"The Planets"ですから一般名詞としての惑星ではなく太陽系の惑星が題材なのですが、構成する各曲は火星、金星、水星、木星、土星、天王星、海王星(順序は地球に近い順)の7つで、冥王星は含まれていません。

といっても今回の件を予言していた、なんてことがあるはずもなく、1910年代に作曲(1920年初演)された「惑星」に1930年発見の冥王星が含まれようもない、というのが見もふたもない事実であります。たいがいのライナーノートではこれに触れられてはいるのですが、いかにも言い訳がましいとの感なしともできず、あたかものどの奥に刺さった魚の小骨のように、クラシックファンに落ち着かない思いをさせてもきました。

コリン・マシューズ[1946− ]がケント・ナガノに委嘱されてホルストの《惑星》につけ加えた《冥王星》は、2000年のナガノによる初演後、同年のプロムスで大評判となり、昨年、日本初演も行われたのは記憶に新しいところです。ありがちなトンデモ作品で終わることなく、今後、《惑星》と不可分の存在になることすら予感させる成功作との評価がすでに確立しつつあり、その最初の録音であるエルダー指揮ハレ管のレコーディングも話題になりましたが、今回は、2度目の録音として、NAXOSからデイヴィッド・ロイド=ジョーンズ指揮スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の演奏が登場。

(略)

20世紀最後の年に近づいてから、ホルストの息女イモージェンと共にホルストの忘れられた作品の整理をしたことがあるマシューズが、ケント・ナガノの依頼でホルストの《惑星》につけ加えるため、《冥王星》を作曲したことは、当初無謀な挑戦と受け取られましたが、ナガノの後、サカリ・オラモ、オスモ・ヴァンスカ、大友直人といった指揮者が取り上げ、クラシックの《続編もの》としては最も成功した作品の一つとなりました。マシューズが自信を持って故イモージェンに捧げたのも納得できる出来栄えです。

「『惑星』(マシューズ作曲『冥王星』付き) ロイド=ジョーンズ&ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管」のHMVサイトでの紹介

それがためにこのような試みもなされてきたわけですが、しかし今回の提案はクラシックファンにとってなんたる福音でしょうか。冥王星がPlutonsであってPlanetsではないというのであれば、"The Planets"には冥王星は入らなくて正解ということになるからです。わざわざ作曲をしたコリン・マシューズがどのように受け止めるかをあれこれ勘繰るのも、また楽しくもあり。

・・・で、セレスはどうしましょう(笑)。

#「惑星」は各星の占星術のイメージから着想を得ているので、作曲をしようにも、セレスの占星術上のイメージがはっきりしない間はどうしようもないのですが。

本日のツッコミ(全17件) [ツッコミを入れる]

Before...

レッドウィング ポストマン [phase. next looked over the particular catalogs of their f..]

パタゴニア レトロx [Style holy purchase some of those military {which|that|who..]

エアジョーダン レトロ [the country's support beams can be used Phoebe. mainly gre..]


2006-08-20

[politics][law]靖国参拝の公私論概観

先日、公約を守って靖国参拝というなら、私人の立場ではないんじゃない? と書いたことについて、徳保さんから次のようなご指摘をいただきました。

「もう浮気はしません」といって再選されたアメリカのクリントン前大統領が「家族を愛するよき父親であろうと努力する」のは公的な行為なのだろうか。「クリーンな政治家」を標榜して当選する人は多いが、「公約」とは職務として行う何事かだけではなくて、私的な言動をも対象として用いられることがあると思う。

つまり、「私は終戦記念日に靖国参拝するような人間です」といって自民党総裁になったのは事実だとしても、「政策として靖国参拝を実行します」とはいっていない。それでも靖国参拝は公約たりうるのでは? 公人・私人とは、そのような区別が可能であるという前提に立った言葉なのだけれど、その境界はよくわからない。職務として参拝したのではないとする小泉さんの説明は、なかなかうまいと思う。

もちろん靖国参拝は現に政治問題化しているので、「私的行為だから自由だ」といって突っぱね続けられるのか疑問はある。しかし気に入らない言動を封じ込めるために「政治問題化する」ことが可能である以上、「政治問題になった」からといって問答無用で個人的信条が曲げられていいとは全く思わない。

「靖国神社と国立追悼施設 雑感」(@趣味のWebデザイン8/19付)

まず事実関係ですが、「『私は終戦記念日に靖国参拝するような人間です』といって自民党総裁になったのは事実」ではありません。

問 いま会員のほうから追加質問をどうしてもということでありましたので、一つ簡単に最後にお聞きしたいと思います。総理総裁になられた場合、8月15日に靖国神社へ公式参拝されますかどうかというご質問ですが、麻生さんから今度。

(略)

問 じゃあ、最後に小泉さんお願いします。

小泉純一郎 8月15日に参拝するかどうかでいつも批判の対象になる、総理大臣は。私は戦後日本政治の出発点は、尊い命を犠牲に日本のために戦ったあの戦没者たちに、敬意と感謝の誠を捧げるのが政治家として当然だと思います。まして総理大臣に就任したら、8月15日、戦没慰霊祭が行なわれるその日に、いかなる批判があろうとも必ず参拝します。

日本記者クラブ主催公開討論会(平成13(2001)年4月18日)・第二部

ここで小泉自民党総裁候補(当時)が述べているのは、政治家(まして総理大臣)であれば靖国に参拝すべき、つまりは肩書きによって参拝すべきかどうかが変わるわけですから、「『政策として靖国参拝を実行します』とはいっていな」くとも、私人であるとは言いがたいでしょう。徳保さんのご指摘にもっとも沿うのは、その際の候補で言えば亀井候補のものだとwebmasterは思います。

問 ありがとうございました。亀井さんはいかがでしょうか。

亀井静香 もうこれは内心の自由と言いますか、心の問題ですから、それを政治的に取り上げたり、外交上の攪乱要因だとか、そういう次元で判断するのは私ほんとに間違ってると思います。私は素直にお参りをいたします。

日本記者クラブ主催公開討論会(平成13(2001)年4月18日)・第二部

徳保さんの例示したクリントン前大統領であれば、大統領になったらもう浮気はしません、というものではなく、大統領になろうとなるまいともう浮気はしません(まあ本音はともかく(笑))というものでしょうから、純粋に私的な問題についての言及と言えるでしょう。クリントン前大統領の例と小泉総理の靖国参拝との間には、webmasterは明らかな違いがあると考えます。

ただし、通常であれば、そういった区別をわざわざする実益はありません。クリントン前大統領の例で言えば、再選後に浮気をしたとして、あれは公約ではないから公約違反ではない、と言い訳した場合をお考えいただければと思います。理屈はそのとおりであっても支持率低下などの政治的責任につながり得るわけです。逆に公約を守らなかった場合の責任もまた同じく政治的責任に過ぎず、公約を破っても支持率が低下しないなら、それで事実上免責ということになります。

靖国参拝についてこのような一般論が通用しないのは、法的判断を伴うものだからです。政治的責任を免責されても違法ということもあれば、政治的責任を追及されても合法ということもあり得ます。公人の宗教的儀礼への参加について、本件との関係で重要な判例は2つです(いずれも最高裁のもの)。

津地鎮祭訴訟
公人が宗教的儀礼に参加したとき、それを政教分離に照らして判断するなら、合憲の場合もあれば違憲の場合もある。
愛媛玉串料訴訟
公費による(靖国神社の)玉串料負担は政教分離に照らして違憲。

津地鎮祭訴訟で合憲と認められた理由は宗教的色彩の濃淡でしたから、私的なものであれば合憲だということに直ちに結びつくものではありませんが、学説やその他判例の傾向から察するに、純粋な私的参拝は限りなく白に近い灰色でしょう。他方で公費による玉串料負担、ないしそれを超える公的コミットメントは愛媛玉串料訴訟により真っ黒とされたわけですが、そこからどの程度公的コミットメントを弱めてもなお黒であるかは未確定なままです。

これを延長すれば、総理大臣の靖国参拝については、理念的には純粋に私的なものと純粋に公的なものの両極があり、その半ばのどこかに合憲と意見の境があるということが言えます。この境は公費による玉串料負担よりも私的の極に近いところにあることになりますが、どこにあるかは定かではありません。公式参拝だから違憲であるとか、私人としての参拝だから合憲だなどと判断できるものではなく、個々の要素を総合的に勘案して判断されることになります。

#「公式参拝だから違憲であるとか、私人としての参拝だから合憲だなどと判断」してもよいのですが、その場合には結局定義問題になるので、実態としては同じことではあります。現に中曽根元総理は公式参拝であると正式に表明しましたが、司法判断はないものの、政府見解は合憲だとしています。

先に触れた総理の座にあるからこそ参拝すべきなのだ、という主張は、これまでの経緯上確立されてきた私的を強調する安全圏から、グレイゾーンに大きく踏み出すものであることは事実でしょう。「『私的行為だから自由だ』といって突っぱね」るのはやり方の問題ですが、信教の自由という私人としての人権に依拠することとそうした強い政治性との整合性の観点から、かく突っぱねることの妥当性に疑義を生じさせていることは否めないでしょう。

なお、より根本的な問題として、違憲で何が悪いのか、という問題を立てることは可能です。本来公的に強いコミットメントを伴った参拝は行われるべきであり、それを許容しない憲法であれば変えてしまえ、という形で靖国問題を解決することもできるわけです。

#テクニカルには、靖国神社を「宗教上の組織」でないとする、政教分離に例外を設けて公的コミットメントの強い靖国参拝をそれに該当するとする、政教分離そのものをやめる、といったやり方があるでしょう。

日本国憲法の硬性憲法性から考えて成文でそのように規定することは事実上困難でしょうけれど、最高裁が違憲判決を出しても無視して続けることにより、事実上憲法規範を変更してしまうことはあり得ます。憲法学者は憲法規範に公然と反する総理は、総理の座そのものが憲法に由来する以上、自ら総理たることを否定しておりもはや総理ではない、などと言うのでしょうけれど、そんな主張は机上の空論の極みです。憲法違反を理由に拘束し自由を奪うことができない以上、負け犬の遠吠えに過ぎません。

その意味で、先に政治的責任と法的判断という2つの基準を示しましたが、後者も前者に究極的には従属するものであると言えます。もちろんこのようなことが行われれば最高裁に代表される司法府の権威は地に堕ちるわけで、だからこそそうした危険性がある話題については、これまでは統治行為論などで判断を避けてきました。しかしながらこれまでに出してきた判例がある以上、訴訟物がないといった逃げ道がなく判断が迫られてもなおそれを避けたなら、事実上負けを認めたに等しいことが明らかになるので、そうもできないでしょう。そんな場合に裁判所が真正面から玉砕する道を選ぶのか、被害を最小化するため形式はなお取り繕おうとするのか、法学をかじった身としては一度見てみたい気もしないではありません。できれば他国で(笑)。

本日のツッコミ(全461件) [ツッコミを入れる]

Before...

液晶テレビ 東芝 [それは、残念だ、ボタンを寄付していない!私は、間違いなくたいブログこの優れた優れた素晴らしいに寄付!私は、としますと..]

東芝 ドラム式洗濯乾燥機(9.0kg-右開き) TW-Z96X2MR [こんにちは!ハッカーに対する|セーフガード保護、彼らはへのプラグインを作る場合は、知っていますか?私が上で一生懸命働..]

JAY TSUJIMURA Mr.MホットシューカバーLeica X2用 マットグレー [ハウディ!私は、これは知っているオフトピック が、あなたは私ができる場所を知っていたかと思いまして、見つける私のコメ..]


2006-08-21

[economy]逆選択の実例?

かつて逆選択の話を取り上げた際、そうはいっても実際にはなかなか見られないというコメントがありました。でもこれは実例の1つであるようにwebmasterには見える話が天漢日乗で紹介されています。題材は産科医。

2ちゃんスレの紹介なので引用ではなく要約で内容をお示しするなら、次のようなものです。

  1. 死産は警察に届け出る必要があります。
  2. その届出をした場合、業務上過失致死の嫌疑をかけられるような例が出てくるようになりました。
  3. その結果、
    1. 産科を選択する新任医師が減っています。
    2. 廃業を考える医師が出てくるようになりました。
    3. 死産を届け出ない等の違法・闇診療が増加するおそれがあります。

あらためて逆選択というものを簡単に振り返るなら(詳細は上記リンクから過去エントリをご覧ください)、

  • 質にばらつきがあるものが取引されるときに、
  • そのばらつきが取引相手からは判断しづらい(=情報の非対称性が存在する)場合には、
  • 取引相手は市場全体から確率論的に期待できる質に見合った価値評価をするので、
  • それよりも質の高いものを提供できる者は過小評価を嫌い市場から退出し、
  • 質の悪いものだけが市場で選択(=逆選択)されて残る(と平均が下がるので、以下同じことの繰り返しで事態はますます悪化)。

というものです。医療は質にばらつきがありますし、それを患者が見抜くことには困難が伴うでしょうから、まさしく逆選択が起こりやすいサービスと言えます。産科の質が平均として業務上過失致死を疑うべきものであるなら、疑われるのが心外である質の高い医師から廃業するのは、この理屈から言えば必然ということになるわけです。

ただし、そのまま受け入れるには抵抗がある点が2つあります。

なぜ最近になってからなの?
医療において情報の非対称性が存在するのは今に始まった話ではありません。であるなら、昔から逆選択が起こり、医療というサービスそのものが存立不能になっていてもおかしくありません。にもかかわらず、こうした問題が最近になって生じてきているのはなぜでしょうか。
なぜ産科なの?
産科と同様の問題は小児科にも生じているといいますが、にしても医療全般ではなく、これらにおいて特に深刻なのはなぜでしょうか。これらにおいて特に情報の非対称性が深刻であるとは、少なくとも素人目には明らかではありません。

これら両者をあわせ考えるなら、この流れに影響を及ぼしているであろうと思いつくものは少子化です。昨今の少子化は非婚化・晩婚化の影響であり、夫婦当たりの子どもの数はそれほど減っていないといわれますが、それにしても、

  • 高齢出産はリスクが高いので、求める質が高くなる、
  • 高齢出産は死産ないし子どもの死亡の際に再度出産することが困難なので、子どもの親にとっての価値が相対的に高まる、

ことは多いにあり得ることです。これらの影響により、「市場全体から確率論的に期待できる質に見合った価値評価」が下がることにより、これまでは顕在化しなかった逆選択が、鉱山のカナリアたる産科・小児科に現れだしているのではないでしょうか。

何ら実証分析を伴っていないので、このwebmasterの推論が誤りである可能性は多分にあるわけですが(例えば、仮に少子化が原因である点は正しかったとしても、市場全体の規模縮小により供給過剰となり、その調整が始まったとも考えられます。であるなら質の悪いものから退出すると考えられるので、上記に分があると判断できる理由がないわけではありません)、もし推論が正しかった場合、今後の見通しはさらに暗いものとなります。

というのも、逆選択が進み出すと事態がますます悪化するとは先に書いたことですが、それに加えて、夫婦当たりの子どもの数も減少を始めている兆しがあるからです。今も昔も親心は変わらず子ども一人当たりの限界効用は同じであるとしても、子どもの数が減れば平均効用は増えます。であるならば医療に求める水準はより高くなり、相対的に現に存する質の評価は下がらざるを得ない、ということになってしまいます。

#平均余命の延長や一人当たりGDPの増加は、程度は少なくとも同じ影響をもたらすので、産科・小児科は既述のようにあくまで鉱山のカナリアであり、その他の医療サービスも安泰であるとは限りません。

もしwebmasterの懸念が当たっているなら、規制等による保護が医療問題の一因であり、各種の競争強化策を講ずべきとの昨今の風潮では事態を悪化させてしまうわけですが、はたしてどうなるやら・・・。

#もちろん、そうだったとしても、従前規制等による保護に改善の余地がないということにはならず、状況の変化に即した対応の必要性を否定するものではありません。

本日のツッコミ(全31件) [ツッコミを入れる]

Before...

BUNTEN [↑一票。 吉牛食いたい…。]

bewaad [>BUNTENさん 霞が関近辺でもっとも官庁街に近いのが吉牛だったのに(笑)。 あと、牛タンの値段高騰も勘弁して欲..]

コーチ [These had been my second [url=http://www.recordchina.co.j..]


2006-08-22

[movie]The Sun(ネタバレあり)

なかなか評価の難しい映画です。昭和天皇役のイッセー尾形の演技はすばらしいというより他ありませんし、香淳皇后役の桃井かおりや侍従長役の佐野史郎をはじめとする脇役陣も、イッセー尾形に比べればひけをとるのは否めないにせよ、いずれも好演しています。それらがために、人間宣言へと進んでいく昭和天皇の描き方‐どこまでがフィクションであるか判然としませんが、相当程度フィクションであったとしても(例えば作中の御前会議については、戦前のもの(昭和16(1941)年9月6日開催)のエピソードを借りています)‐は、実際にそうだったかもしれないと思わせる説得力にあふれています。

#イッセー尾形の演技がすばらしすぎて、昭和天皇のあのしゃべり方(といっても大学生以下の世代のほとんどにとってはわからないんですよねぇ)に耳が慣れるまでは、台詞が聞き取りにくかったりもします。

他方で、戦時下にもかかわらず、スケジュールを消化するがごとく進められる昭和天皇の生活描写は、それが既述のようによくできた描写であるがゆえに、映画としては少々間延びしたものであるのも事実です。私生活を含め天皇という鋳型に自らをはめ込むことの、その必然性を共有しない者にとっての空虚さを観客に心底感じさせるものとして、メタ的には監督の狙いどおりなのかもしれませんが、特に映画の前半は、webmasterには時間が長く感じられました(娯楽映画に毒されすぎなのでしょうけれど)。

となると、webmasterが次のように評した「ヒトラー〜最期の12日間〜」以上に見る人を選ぶ映画であるように思います。

ことは第三帝国の終焉を描いているわけで、安直な総括は避けたいと思いますが、通常文字で読むことしかできない状況を質の高い映像で体験できることには十分価値があります。当時に関心を持つ人間には必見といえましょう(逆にそうでないと、わからない部分が多くなり、上映時間の長さと相俟ってしんどいかもしれません)。

話としては山あり谷ありの「ヒトラー」以上に、関心を持たない人にとっては退屈と感じられて仕方がないのではないでしょうか。

そんな本作ではありますが、残念でならない点が1つだけあります。作中では、昭和天皇とマッカーサー元帥の会談が2回描かれ、いずれにおいても昭和天皇が英語で受け答えをする部分があるのですが、そこの日本語の字幕がそれです。

  • 第一回目の会談において、マッカーサーが天皇の私生活について訊ねた際に、昭和天皇は"The emperor"を主語として答えますが、それへの字幕は「私」となっていました。
  • 第二回目の会談において、マッカーサーが家族について訊ねた際に、昭和天皇は"My wife"等を主語として答えますが、それへの字幕は「皇后」等となっていました。

第一回目の会談の際にそこまで気が回っていなかったので、すべての台詞がそうであったかどうかはわからないのですが、その場面では、マッカーサーの副官が英語での受け答えについて「陛下、お願いです。日本語でお話ください。彼と英語で話すことはご身分が同等になります・・・」(プログラムに採録されたシナリオより抜粋)と申し出たことも手伝ってか、昭和天皇は意図的に人間である自らから切り離した「天皇」なるものについて話した、という演出であったように思われます。

一方、第二回目の会談でも"The emperor"という主語は一度だけ使われてい(たように記憶してい)ますが、それはまさしく一般論としての天皇についてのもので、この場面では生身の人間としての天皇の言葉を発している、という演出であったように思われます。

にもかかわらず、なぜこのような逆の訳し方をしてしまったのかなぁ、とwebmasterはつくづく思います。まさしく人間宣言へと昭和天皇が意志を固めていく過程における、重要な言葉遣いの変化であるはずなのですが・・・。

本日のツッコミ(全11件) [ツッコミを入れる]

Before...

オロビアンコ [assembled within couch of an tremendous polar keep america..]

supra スニーカー 激安 [Eventhough it might be unknown Tang avoid what direction t..]

コーチ [Absolutely adore, Like, Affection these kind of コーチ http:/..]


2006-08-23

[WWW]はてなブックマークの衆愚化とロングテイル

はてなブックマークが衆愚化しているという議論があるようで、「はてなブックマーク 衆愚」でぐぐるといろいろなテキストが見つかります。多くはそれを憂慮しているようですが、それはなぜか、確たる根拠のない思いつきですけれど、ロングテイルへの強い思いがあるからではないかな、というような気がwebmasterはします。

何をいまさら、という話ではありますが、ロングテイルとは一言で表せばアンチ2:8の法則です。2:8の法則は広く知られた経験則で、いろんな財やサービスは売上げの上位20%を占めるものが、売上げ全体の80%を稼ぎ出すというもの。ひっくり返せば売上げ下位80%の財・サービスは売上げの20%しか占めていないということですが、ロングテイルはそのアンチということで、売上げ下位80%でも20%を超える売上げをたたき出すことができるということになります。amazonの売上げがよく引き合いに出されますが、自分にとって最適な財・サービスを探し出すコストが下がったことにより、手軽に見つけられる必ずしも最適でないもので我慢する必要がなくなったから、と。

はてなブックマークの議論に戻るなら、Web2.0ならばロングテイルが生じてしかるべきであるのに、なぜ特定のエントリやページに注目が集中し、相変わらず2:8の法則に支配されているのだ、というもどかしさがその背景にあるようにwebmasterには見えます。自らの読みたいものが見つけづらいというより、衆愚という言葉が示すように、ブックマークするユーザの数が多いことを問題視しているようであり、そうした集中をもたらす行動様式に憤っているようです。

この憶測が正しいのであれば、はてなブックマークの衆愚化を憂う意見とは、すなわちWeb1.0の行動様式をWeb2.0の時代において引き摺っている者が多いことを憂う意見であり、そうした者に対してWeb2.0に即した行動様式への覚醒を求める意見でもあります。さらに言い換えるなら、はてなブックマークはWeb2.0の実現したものの1つであり、そこにおいてはロングテイルが実現してしかるべきである、ということを前提にしているのではないでしょうか。

しかし、この前提が必ずしも正しくないのであれば、はてなブックマークの衆愚化は、仮にそう称されるにふさわしい事態が生じているにせよ、起こるべくして起こったことであり憂いても詮無いことということになります。その手の研究をまともに渉猟しているわけではないので眉にたっぷり唾をつけて読んでいただきたくはありますが、本当にロングテイルはあり得るのか、という疑問をwebmasterはもっているのです。

例えば、amazonでは仮にロングテイルが生じていたとして、それはWeb2.0の特質ではなく、単にアーリーアダプター(Web2.0は、"Web2.0"というネイミングも含め、この手のbuzzwordsが多いのがwebmasterが懐疑的である理由の1つではあります)が多く利用しているだけということの表れであるかもしれません。仮にWeb2.0登場以前の、それこそ既存書店の売上げについても、アーリーアダプターのみを取り出して集計していれば、そこにロングテイルは観察されていたことでしょう。

このwebmasterの仮説が正しかったとして、amazonのような書店であれば、既存書店との棲み分けが成り立つので、ロングテイルは安定的現象足り得るでしょう。しかし、ソーシャルブックマークのようにネットでしか存在し得ないものであるなら、ロングテイルが見られるのは、使用者に占めるアーリーアダプターの比率が高い初期に限られることでしょう。その他の者の参加が増えていくにつれ、ロングテイルは次第にショートテイル化し、2:8へと収斂していくはずです。

以上、あくまで素人の思い付きですので、諸賢のご高見をいただければ幸いです。

本日のツッコミ(全11件) [ツッコミを入れる]

Before...

鍋象 [>>bewaadさん 2:8の法則というのは、「上位2割が実は8割の重みを持っている事例が多く見当たる。」というもの..]

鍋象 [ところで、「豚の尻尾」ではないかなと(謎]

bewaad [>鍋象さん いろいろ脱線してしまいましたが、エントリに立ち戻れば、はてなブックマークが衆愚化(当然ながらネガティヴな..]


2006-08-24

[science]天王星(the Magician)のお導き?

事実誤認に基づく恥ずかしいエントリを書いてから数日、事実誤認が治癒されるはずもありませんが、ホルストの組曲「惑星」に現実が近づくのでは、とのその趣旨に現実が近づいてきた模様です。

惑星の新しい定義を議論している国際天文学連合(IAU)は23日、プラハで開会中の総会で、太陽系の惑星を現在の9個から12個に増やす16日発表の案を修正し、冥王星を外して8個とする案をまとめた。ほかの惑星と比べて小さく、公転軌道が傾いている冥王星を惑星として扱うことなどに反対意見が続出したため。IAUは新提案への意見も参考に、24日に最終案をまとめて採決する方針だが、新提案に対しても反発が出ることが予想され、議論の行方は不透明になっている。

朝日「惑星数、一転8個へ 冥王星「格下げ」 IAUが修正案」

webmasterにとっては神のお導きとしか思えないわけですが(笑)、このような話にふさわしく思えるのは、きっとその神は魔術師である天王星でしょう。

これが実現するかどうかは、かねてから本件への影響が語られていましたが、アメリカの意向にかかっているとのことです。

一方で、冥王星の発見者が米国人だったことから、米国では冥王星を惑星から外すことへの反対は大きい。IAU総会の参加者の中には「もっと議論をすべきだ」と、採決の先送りを求める意見も出ている。

朝日「惑星数、一転8個へ 冥王星「格下げ」 IAUが修正案」

アメリカのユニラテラリズムに反対(笑)!

#そもそもの当初案からして紛糾を巻き起こすものであったのですから、天王星ではなく火星(the Bringer of War)のお導き?

本日のツッコミ(全371件) [ツッコミを入れる]

Before...

パナソニック 47V型 液晶テレビ 3D対応 ビエラ AS650 TH-47AS650 [私はよく分からない理由が、この私のために遅いウェブサイト信じられないほど非常に極端ロードしています。 問題の問題か、..]

???ц???????????????°???純 [すごい迫力! このテンプレート/テーマを私は本当に です。それは、シンプルでありながら効果的です。それはです多くの..]

mac dazzle lipstick Top Quality For New Beats By k01RxvYepc [<a href="http://sanshin.hk/?p=6625">mac makeup 2015 collec..]


2006-08-25

[notice]いただいたコメントへの返答は明日に先送りさせていただきます。

諸事情あって失礼致します。大変申し訳なく、恐縮です。

[economy]金融庁は良心的か否か?

#これまでの関係エントリについては、グレーゾーン金利撤廃(出資法上限金利引下げ)問題indexをご覧ください。

金融庁は24日、消費者金融など貸金業制度の見直しを議論する「貸金業に関する有識者懇談会」を開き、上限金利引き下げ後、少額・短期の貸し付けについては特例として、より高い金利を認める扱いに対しては反対論が続出した。

懇談会では、これまでの議論を踏まえ、同庁が残る検討課題を整理した資料を提出。この中で、少額・短期貸し付けの特例が盛り込まれた。

それによると、個人向け貸し出しで返済期間1年以内、50万円以下、事業者向けでは返済期間1カ月を軸に、利息制限法(15〜20%)以上の金利を認める特例をあげた。

しかし、委員からは特例を認めた場合、少額・短期貸し付けを何度も繰り返したり、少額を複数の業者から繰り返すなどの事態も想定され、現在の出資法の上限金利(29・2%)との灰色金利を「事実上認めることと同じ」といった反対意見が相次いだ。

賛成意見は消費者金融業界のみで、反対意見は弁護士や消費者団体の委員を中心に「圧倒的多数」(金融庁首脳)という状況だ。

FujiSankei Business i.「高金利特例に反対論相次ぐ 貸金業懇談会」

この部分を見る限り、金融庁の事務方に残った最後の良心をバカな委員たちが圧殺しているようにも見えます。しかしながら・・・

金融庁は一貫して、灰色金利の撤廃を掲げ、“抜け穴”につながる可能性の高い「特例」についても反対の姿勢をとっていた。それだけに、24日の懇談会で特例を検討課題とする案を提出してきたことに、ある委員は「これまでの議論は何だったのか」と、不信感を示す。

だが、ある金融庁首脳は、「ある方向に議論を持っていくためのアドバルーンも多いが、その反対の意見を強調することによって意見をまとめることもある」と話す。

つまり、反対意見が集中することを想定したうえで、あえて特例を議論の課題に盛り込んだというわけだ。

上限金利問題では、最終的には与党サイドの“政治判断”が優先される。その与党内の一部には、消費者金融業界からの要請に対し、特例を認めようという意見もあるとされる。

金融庁はこうした情勢を考慮し、ここで特例反対という意見を噴出させることで、政府内の意見を集約していこうとの狙いが透けてみえる。

FujiSankei Business i.「高金利特例に反対論相次ぐ 貸金業懇談会」

「ある金融庁首脳」というのが大臣政務官以上でな(く、報道が誤報でな)い限り、金融庁の事務方に良心などないようです。

[science]正式に冥王星が惑星から外れる?

既にご案内の向きも多いと思いますが、これまでの経緯に鑑みてけじめとして。

国際天文学連合:太陽系における惑星の定義

現代の観測によって惑星系に関する我々の理解は変わりつつあり、我々が用いている天体の名称に新しい理解を反映することが重要となってきた。このことは特に「惑星」に当てはまる。「惑星」という名前は、もともとは天球上をさまようように動く光の点という特徴だけから「惑う星」を意味して使われた。近年相次ぐ発見により、我々は、現在までに得られた科学的な情報に基づいて惑星の新しい定義をすることとした。

決議

国際天文学連合はここに、我々の太陽系に属する惑星およびその他の天体に対して、衛星を除き、以下の3つの明確な種別を定義する:

  1. 太陽系の惑星(注1)とは、(a)太陽の周りを回り、(b)じゅうぶん大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、(c)その軌道の近くでは他の天体を掃き散らしてしまいそれだけが際だって目立つようになった天体である。
  2. 太陽系のdwarf planetとは、(a)太陽の周りを回り、(b)じゅうぶん大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し(注2)、(c)その軌道の近くで他の天体を掃き散らしていない天体であり、(d)衛星でない天体である。
  3. 太陽の周りを公転する、衛星を除く、上記以外の他のすべての天体(注3)は、Small Solar System Bodiesと総称する。

(webmaster注:注記以下略)

国際天文学連合決議(AstroArts「【速報】太陽系の惑星の定義確定」より抜粋)

しかし、a dwarf planetは惑星でないとしていいのか、一抹の不安は残ります。英単語を見る限り、planetsの細目の一に他なりませんので・・・。小惑星(minor planets)は惑星にあらず、と同じと考えればいいのかって、小惑星もSmall Solar System Bodiesに包摂されるようで、minor planetsという言い方は正式名称としては消えてしまうようですが。

本日のツッコミ(全45件) [ツッコミを入れる]

Before...

スープラ スニーカー [nuts driven in the direction of that get out of. Some othe..]

レッドウイング ベックマン [I have to get underground entire Lava Longsi many people! ..]

オロビアンコ バッグ [and is just not thus striking as opposed, simply because P..]


2006-08-26

[economy]経済学と経営学の違い

溜池通信のかんべえさんが気になることを書かれていたので、とりあえず反論をば。当サイトを今でもご覧いただいているかはわからないのですけれども。

〇今日聞いた話で、これが面白かったな。「経済学と経営学はどこが違うか?」

「経済学者は競争を善であると考える。従って利益がゼロの状態をもって理想とする。これに対し、経営学者は利益の極大化を理想とする」

〇実際問題として、個人や企業としては利益がゼロでは困るのであって、それを理想だと思っている時点で理屈倒れになってしまう。だから、「経済学は使えない学問だ」とか、「経済学者は現実を理論に近づけようとする」といった批判が出る。他方、利益の極大化を目指す学問というのもいささか胡散臭いので、「経営学なんて科学じゃない」「言ってることがしょっちゅう変わる」といった悪口が付きまとう。

〇というわけで、ふたつのサイエンスにはあまり接点がないらしい。たとえば「高付加価値、なんて概念は経済学では定義できません」といわれて、ああそうかと変に感心してしまうのだが、企業の立場としては「使えねええええ」と悲鳴が上がるところである。逆に国際競争力あたりをテーマに、竹内弘高先生あたりの講演を聞いたら、これはもう抱腹絶倒間違いなしなのだけれども、終わってから「今日の話のどこが業務に使えるのか」と考えると、これまた途方に暮れてしまったりするのである。

かんべえの不規則発言(8/23付。来月には2006年8月のアーカイヴに収録されることとなると思います)

まず、経済学者にしても企業の利益の最大化を理想としています。企業の利益は限界収入=限界費用、つまりアウトプットを1単位増やした場合の収入と費用の増分が等しくなる数量・価格で最大化されることになります(限界収入>限界費用ならアウトプットを増やすことにより、逆なら減らすことにより、利潤をより多くできます)が、経済学の一般に用いられるモデルにおいても、「善である」完全競争市場での企業はそうした利潤最大化原理に基づき行動することを想定しているわけです。言い換えれば、経済学は企業に対して、利潤を最大化したければ、限界収入=限界費用となるよう生産等の活動を行いなさいと説いていることになります。

さらに経済学は、外部性や情報の非対称性等がない前提において、限界収入の決定方法について両極を示します。一方の極である完全競争市場においては、価格は市場の需給で決定され、どの企業にとっても価格は所与のものとなります。価格=限界収入ですから、価格の水準まで限界費用を引き下げられる企業が生き残っていく(生産性に劣り限界費用を価格と同じ水準まで引き下げられない企業は退出していく)わけです。

他方の極である独占市場においては、独占企業は需要を動かすことはできませんが、需要曲線上のどの点に数量・価格を設定するかは選ぶことができます。完全競争市場では個別の企業が多く供給しようが少なく供給しようが価格は変わりませんが、独占市場では独占企業が多く供給すれば価格は下がり、少なく供給すれば価格は上がるわけです。収入は価格と数量を乗じたものですから、需要曲線上の価格と数量の組み合わせのうち収入を最大にする数量の水準で限界収入はゼロとなり、それより数量が多い部分がマイナス、少ない部分がプラスというのが限界収入曲線の形状となります。それと限界費用曲線の交点で限界収入=限界費用となるので独占企業はそれだけの数量を供給するわけですが、これは完全競争市場での供給に比べ高価格・少供給の組合せとなります。

おそらく「経営学者は利益の極大化を理想とする」とは、この独占市場での供給を念頭においているわけですが、独占市場においていかなる供給活動を行えば利潤が最大化されるかは、まさしく経済学が教えるものだということになります。「利益がゼロの状態をもって理想とする」とは、企業に超過利潤(例えばこうした独占市場によるもの)がなく消費者にも低価格の利益がもたらされる場合に、社会全体にとってもっとも良い状態が実現されるということであって、逆に言えば独占状態を形成し限界費用=限界利潤となる供給を行うなら、社会全体にとってより好ましくない状態にはなるけれども、企業にとっては最大の利潤が得られるということを教えることでもあるわけです。

#ちなみに完全競争市場における経済学上の「利益がゼロ」とは、費用に機会費用を含むので、会計上の利益は出ます。

こうした経済学の知見を踏まえ、いかに独占的な状態を作り出すかというのが、経営学(の中でも経営戦略やマーケティングに関するもの)であるわけです。「ふたつのサイエンスにはあまり接点がない」なんてことではなく、同一の知見に立脚しつつ観点を異にするものだ、ということでしょう。以上だけではあまりに断片的でしょうけれど、例えばミルグロム&ロバーツ「組織の経済学」を紐解けば、これ以外の部分における多くの接点が論じられているわけです。

[WWW]「はてなブックマークの衆愚化とロングテイル」の定量分析

先日、標記のエントリを書きましたが、定性的な考察にとどまっていました。

ブログ作者はロングテールの夢を見るか?〜GIGAZINEの場合〜」と言う記事を書いたところ、「母集団が少ないのでは?」と言う指摘をもらいました。その指摘は、全くもってその通りだと思うので、はてブに登録されている、d.hatena.ne.jp ドメインの記事、全194,986記事のブックマーク数(8月23日現在)について調査を行ってみました。

(略)

上のグラフは、各記事が集めたブックマーク数を、月ごとに統計を取ったものです。図1、図2とも、青は上位4%の記事が集めたブックマーク数、黄色は上位4〜20%の記事が集めたブックマーク数、緑は下位80%の記事が集めたブックマーク数です。いわゆる20対80の法則(パレートの法則)では、「青と黄色の合計が、全体の80%のブックマーク数を集める」となります。

図2を見ていただければ、お分かりいただけると思いますが、はてなブックマークが出来た当初、2005年3月〜7月くらいまでは、上位20%でも 50数%〜60%しか集めておらず、「下位80%の商品が、全体の売り上げの50%を叩き出す」というロングテールに近い状態です。しかし、それがだんだんと「ブックマークの寡占化」が進んできて、現在では、20対80の法則に近くなってきています。最近、「ブックマークの衆愚化」が言われていますが、根は同じ現象では無いでしょうか?

「ロングテールが終わり、WEB2.0の終わりが始まった 〜データに見る「はてぶ衆愚化」〜」(@悪徳商法?マニアックス ココログ支店8/24付)

webmasterの仮説が定量的にもサポートを得られたうれしさが半分と、たった1日とはいえ先立つことができほっとしている気持ちが半分と(笑)。

本日のツッコミ(全301件) [ツッコミを入れる]

Before...

ima trout???い稷 ??????????????0SR??F90SR-007??????冦???????┿???????儷?????????鏈?????2P13Dec14??http://fodofodo.com/uugetu-b2-001826.html [2014-2015年次日本自動車殿堂カーオブザイヤー、2015年次RJCカーオブザイヤー、二つの栄冠を手にした車。さ..]

??????ぃ???儷?慣OURSTAGE(??????????PHYZ[??杉い?] ?徐??????6鏈????Z-501I ??????S05P03mar13 [http://www.iaiha.com/nepoint-10059442.html????┿??°??SLDR ..]

TENRYU?堝ぉ??級/????橈焦?????? BG86MH-R???枡?℃枡??????冦儔???????鏈?????2P13Dec14??http://ferry-crossings.com/uugetu-a1-002701-jh.html [http://cesiss.com/eeolive-nicvgdfjrox.html???枡?℃枡??儕い???..]


2006-08-27

[government]省庁間調整の定量分析

Koukyoさんのご紹介で、長野綾子&矢野正晴「行政官庁間の権限争議の定量的分析の試み」を読んだのですが、これがなかなか面白い論文です。論文においても、

以上のような行政学側の議論は,そのほとんどが定性的な議論にとどまっており,定量的な分析を行ったものは見あたらない.そこで,本稿では,各省庁間の権限争議の際に合意文書として作成される覚書に着目し,それに多変量解析をほどこして定量的な分析を試みる.合わせて,今回行われた中央省庁等の改革における省庁統合の是非についても若干の考察を行う.

長野綾子&矢野正晴「行政官庁間の権限争議の定量的分析の試み」

と語られていますが、確かにwebmasterがあれこれ述べるのも定性的な話であり、定量分析を見たのは初めてです。

後続研究に期待するなら、覚書は近年は作成されなくなってきているので、それ以外の材料を用いて同様の分析を行ったものを見てみたい、とwebmasterは思います。なぜ覚書が近年作成されなくなってきているのかといえば、Koukyoさんが別途紹介されている住専問題処理に当たっての覚書が、なぜ官僚が勝手に判断するのだとの批判を招いたので、かつてであれば覚書を結んでいたような事例であっても、なるべく作成しないようにする風潮が霞が関内で広がっているからです。その風潮に敏感であるか鈍感であるかで省庁別の覚書の数は変わってくるバイアスを除去しないと、覚書の数=権限争議の数、とはいえません。

しかしながら、「それ以外の材料」として何が適当か、というのはなかなかの難問です。少なくともwebmasterには、これといってよい代替案が思いつきません。担当課長や補佐同士の交渉時間というのが理想でしょうけれど、そんなデータはとれないでしょうし・・・。

[media][politics]今年の24時間テレビのサブタイトルは「絆」ということで、NTVは谷垣財務大臣を総理候補として支援している、なんて陰謀論が出たりして(T/O)

本日のツッコミ(全8件) [ツッコミを入れる]

Before...

アイフォン5 ケース 人気 [????冦????????按??????????┿???浣跨??????????傘???????鍔????ず..]

HaroldSi [女たちも心配や、仙児よりも心を割れた、とボトルは二重になっている、上に小さな鋼箱<a href=http://www..]

HaroldSi [ど、誰が大胆にかんで、これらの日はずっと、まさかこの度の行動、雷正陽驚いた韻月執<a href=http://bor..]


2006-08-28

[economy][book]コルナイ・ヤーノシュ「コルナイ・ヤーノシュ自伝」

諸所で評判の高い本書ですが、噂にたがわぬ面白さです。ハードカバー、2段組、400ページ超、と手に取るのをたじろがせること請け合いの本書ではありますが、多くの人が推薦するのも納得です。

コルナイはハンガリー生まれの経済学者ですが、ハンガリーという社会主義国において(いわゆる近代)経済学を修め、その手法を用いて社会主義が理想状態においては完全競争市場に匹敵し得ることを示し、しかしながら理想状態への埋めがたい距離をもまた見出したという稀有な業績を残しています。社会主義体制崩壊後には中央銀行での金融政策運営にも携わるなどしたわけですが、その点は日本よりも進んでいr(ry

本書を魅力的足らしめている大きな要因としては、ハンガリーの社会主義体制、さらにはマルクス主義全般に対する極めて根源的な批判をなす著者にして、感情的な非難はほとんどなされていないという点でしょう。とりわけ秘密警察の活動については、社会主義体制下においていかなる監視が行われていたかがわかる時点において書かれただけに、嫌悪感に基づく否定的評価が自然であるはずです。にもかかわらず、それもまた人の性として、あるいはそれもまた愛すべき祖国の一面であると認識してか、抑制した筆致で描かれているため、批判の持つ説得力が増さざるを得ません。

コルナイの業績の一つにして本書においてもかなりの紙幅を割かれているものとしてソフトな予算制約がありますが、webmasterの仕事柄、また、特殊法人等をめぐる議論においてよく見られることもあり、本書の中でもっとも注目を浴びる部分のように思われます。多くの人においては、なるほどソフトな予算制約は問題だ、特殊法人等は廃止すべき、というように受け止められるのかもしれません。webmasterは逆に、

  • ソフトな予算制約が問題であるのはマーケットメカニズムの機能を減殺する点にあり、政府がソフトな予算制約に服するのが問題なのではなく(それは不可避なので)、ソフトな予算制約に服するセクターの国民経済に対するシェアが問題視されるべきであること、
  • 予算制約がソフトであるのかハードであるのかは程度の問題であって、オールオアナッシングで考えるべきではないこと(そもそもソフト・ハードの対であって、有無の対ではないこと)、

からすれば、今の日本でのソフトな予算制約の語られようは、少し乱暴に過ぎるように受け止めました。

この他、余談的な部分ではありますが、webmasterにとって印象深かったのは次のような点です。

  • ミクロ的基礎付けの「窮屈さ」(p237)
  • 中国に対する好意的評価(p388など)

前者については、リフレ政策について時折なされるミクロ的基礎付けのなさとの批判に、一理も二理も認めつつもそれで全否定というのは、という気分が、webmasterのような素人だけの思いではないのね(笑)、とほっとした部分です。後者については、中国が社会主義国であるというだけで全否定するかの評価は乱暴だなと、そのマクロ政策を(日本のそれよりも(笑))評価する身としては、これまたほっとした部分です(コルナイはマクロ政策よりも制度的な対応を評価していますが、にしても指導部の経済学に対する造詣を見て取る点においては類似しているように思います)。

理論的な話については丁寧な説明がなされているので、経済学者としてのコルナイに興味がなくとも、ハンガリー現代史の一資料として、あるいは社会主義体制下における学問研究のあり方についての証言としても楽しく読める一冊です。経済学に関する本だからといって手に取るのをためらっていらっしゃる方がいるなら、騙されたと思って是非。

本日のツッコミ(全183件) [ツッコミを入れる]

Before...

lenovo B40:Corei3プロセッサー搭載モデル(14.0型/4GBメモリー/500GB HDD/Officeなし) [限り、私はあなたに戻って信用と情報源を提供するように|記事投稿ブログあなたの|私はいくつかのカップルを引用してもいい..]

東芝テレビ録画できない [ブログサイトあなたのテーマ/デザイン|本当に楽しんで愛する|私は私は。互換性の問題の問題あなたは今までどんなインター..]

Kenko Pro1D 液晶保護ガラス OLYMPUS OM-D E-M1用 [私はよく分からない理由が、この私のために遅いブログロードしています。 問題の問題か、ある他の誰がこのをしている問題は..]


2006-08-29

[economy][book]ペリー・メーリング「金融工学者 フィッシャー・ブラック」

結構前に読み終わっていたのですが触れる機会を逸していた本です。昨日取り上げたコルナイとある意味好対照をなしているので、改めまして。何が好対照かといえば、社会主義国ハンガリーに生まれながら、経済学という「共通言語」を習得したがゆえに西側で認められたコルナイに対して、経済学の総本山ともいえるアメリカに生まれ、ノーベル経済学賞に値する業績を上げながら(1997年まで生きていればショールズと共同受賞できたのですが、1995年に亡くなっています)、多くの経済学者から異端視されたブラックが、です。

なぜこのような違いが生じたのか、考え付くものとしてもっとも簡単な理由は、ブラックの異端視されるに至った主張が誤りだったからというものですが、そう片付けるのも面白くない話です。何の根拠もない思いつきですが、本書で描かれたブラックの生涯を費やした主張は、とある別のノーベル賞受賞者に通じるものがあるようにwebmasterには見えます。

その名はポール・ディラック、陽電子の存在を予言した功績により1933年にノーベル物理学賞を受賞した物理学者です。量子力学の発展に貢献した前世紀の大物理学者の一人ですが、その彼にしてトンデモ扱いを受け、学界においてほとんど相手にされなかった主張をなしました‐大数仮説

基礎的な定数の奇妙な一致に着目して世界(宇宙)のあり方を統一的に記述し、ビッグバン仮説によらずして赤方偏移などを説明する主張ですが、検証不能ゆえに物理学の主流からは見向きもされなかった仮説です。しかしながら、その予言するところでは、単位時間・距離が過去・現在・未来で変化していくという、聞いた人の心に不思議な印象を残す奇説というべきでしょう。

さて本書において陽電子に相当するのが、オプションの価格計算に関するブラック=ショールズ方程式ということになります。ブラックと聞けばブラック=ショールズ方程式の考案者として想起する人がほとんどでしょうから、本書の題名を見れば、それに関するエピソードが満載だろうと想像するのは自然でしょう‐webmasterがそうであったがために、「自然」ということにはバイアスがかっていますが(笑)。実際には、その話はほとんど出てきません。

代わって頻繁に出てくるキーワードがCAPM(Capital Asset Pricing Model、キャップエム)。それが何かについて不案内な方がいらっしゃいましたら山形浩生さんの解説をお薦めいたしますが、ラフに言えば個別の株式のリスク・リターンはマーケット全体のリスク・リターンに対する関係で把握することができるというものです。

株式だのマーケットだのという言葉が出てくることからもお察しいただけるように、CAPMはもともとはファイナンス(金融工学)分野の概念ですが、ブラックの研究人生の過半は、それを一般経済に拡張することに費やされたのだ、というのが本書の描くところです。単にノーベル賞受賞者が唱えた世間から受け入れられぬ仮説というだけでなく、その大風呂敷な雰囲気も、大数仮説に似通っています‐金融政策は無効である、とか。この思いもよらぬ世界観を垣間見せてくれる部分こそが、本書の最も読み応えある部分でしょう。

そのような説を唱えるブラックを、フリードマンやルーカスといった錚々たる学者ですら扱いかね、最終的にはブラックは実業界でその人生を閉じます。ブラック自身は業績への評価と受け止めて満足を得ていたようですが、理解の程度が高かったゆえに扱いかね、低い方がむしろ結果のみを丸呑みできたのでは、と考えられないではありません。そうした面に猜疑心を持たなかった性格というのも、彼の才能の一段面ではあるのでしょうけれども。

[comic]現在官僚系もふ・第63話

係員時代に地方公共団体に出向というのは、旧自治省以外では聞いたことがないのですが。フィクションですからあり得ないことを書くなという気はありませんが、せめてもっともらしい理屈をつけて欲しいものです。ちなみに県庁の部長職は、霞が関のポストでいえば課長〜室長・企画官に相当しますので、年齢に直すと40代前半といったところです。新登場人物はとてもそのような年齢には見えないのですが、これまた取材不足なのか、それとも、前々からではありますが、中年以上の男性をあまり年相応に描けない画力不足なのでしょうか。

本日のツッコミ(全598件) [ツッコミを入れる]

Before...

フォルスタージャパン 《基本設置料金セット》 ワインセラー 「CASUAL」(26本) FJC-85G-BK ブラック [ちょっと私は、これはオフトピックです知っていますが、私は自動的に私の最新のTwitterの更新をツイートし、私のブロ..]

olympus air [こんにちは!ハッカーに対する|セーフガード保護、彼らはへのプラグインを作る場合は、知っていますか?私が上で一生懸命働..]

&#77;&#45;&#49;&#52;&#12502;&#12523;&#12540; [<a href="http://defactual.com/">()プラス(1</a> &#77;&#45;&#4..]


2006-08-30

[BOJ][economy]CPI基準改定についての日銀の言い訳

タイミングを失してCPI基準改定そのものは取り上げられなかったのですが、cloudyさんのエントリにおいて丁寧に説明されているので、まずはそちらをご覧いただければと思います。

cloudyさんが告発されているように、日銀はデフレ下で金融引締めに転ずるという暴挙をしたわけですが(基準改定がなくてもそのような批判をwebmasterはしていましたが、より犯罪性が明らかになったということで)、それについての弁明が掲載されている記事が昨日(29日)ありました。

量的緩和政策の解除もゼロ金利政策の解除も間違いだったのではないか――。消費者物価指数(CPI)の基準改定を受け、政府・与党内からこんな批判の声が上がるのではないかと、日銀が警戒を強めている。基準改定がCPIを予想以上に押し下げたからだ。

(略)

三月に量的緩和を解除した際、日銀はCPIが一月まで三ヵ月連続でプラスになったことを最大の根拠に挙げた。その後CPIのプラス幅が拡大したことが、七月のゼロ金利解除を後押ししたのも間違いない。だが、CPIの下方修正は、政策変更の前提が「誤りだった」という批判を呼び起こしかねない。

日銀側は強く反論する。ある幹部は、「金融政策は皆で共有している経済指標を使って判断するしかない。将来の改定後にこのくらい変わると予想しながら政策を決めることは不可能だ」と強調する。

日経金融「BOJウオッチャー/日銀批判の再燃懸念/CPIショック、余波続く」

とりあえずガセではないとの前提で、ふざけるのもたいがいにしやがれ! おっと下品な口ぶりで失礼。

まず、デフレかどうかは一般物価の動向で決まるわけですが、CPI=一般物価というわけではありません。理念的な一般物価をそのまま観測することは不可能であるので、代替的に用いられる指標に過ぎないわけです。CPIがプラスになったけれども、それがデフレ脱却を意味するのかどうかをきちんと検証すべきであるにもかかわらず、CPI=一般物価であるかのように印象操作を行ったのは日銀自身に他なりません。「皆で共有している経済指標」の1つであるGDPデフレータが依然としてデフレを示唆しているのを無視したくせに、どの面下げてこのような責任感ゼロの言葉を吐けるというのでしょう。

加えて日銀が罪深さを重大なものにしているのは、実際には「将来の改定後にこのくらい変わると予想」し、それが小幅にとどまるであろうという印象操作を行った点です。具体的には昨年11月(ちょうど「地均し」が盛んだった時期です)に発表された、白塚重典「わが国の消費者物価指数の計測誤差:いわゆる上方バイアスの現状」がそれです。

#白塚さんは、この論文発表時には日本銀行企画局企画役でした(企画局は金融政策に関する企画立案担当部署)。現在は金融機構局企画役です。

最後に、来年夏に予定されている2005年基準改定の影響について、現時点で公表されている情報をもとに展望しておきたい。具体的には、総務省統計局は、基準改定に向けてパブリック・コメントを求め、そこで寄せられた要望に対し、対応の基本的な考え方を公表しており、これが一つの手掛かりとなる。

(略)

総合すると、前年比押し下げ効果は、2000年基準改定時(−0.26%ポイント)ほど大きくならないと見込まれる。

白塚重典「わが国の消費者物価指数の計測誤差:いわゆる上方バイアスの現状」

CPIにはボスキンバイアスとして知られる上方バイアスがあり、つまりは計測されるCPIは本来あるべき数値よりも高めの値をとります。CPIでデフレか否かを判断することの問題として指摘される点の1つがこれですが、白塚さんは、かつて(1998年)日本におけるボスキンバイアスは0.9パーセントポイントとの試算を発表された方です(1990年基準CPI)。推計を誤ったのが故意か過失かはwebmasterの知るところではありませんが、ボスキンバイアス試算者としての白塚さんの令名が結果として悪用されたのは事実でしょう。あの白塚さんがそう予測しているのだから、インパクトはそんなものだろう、と。

百ペタ歩譲って神ならぬ身には予測は不可能だったとの言い訳を受け入れるにせよ、であるなら自らのミスが基準改定により明らかになったことを喜び、引締め政策を即刻中止すべきでしょう。ところが日銀の実態といえば・・・

さらに、1月や4月の物価上昇率は今回の基準改定でマイナスとなった。安定的にプラスになることを前提としていた3月の量的緩和解除の判断にも疑問符がつきかねず、「この数字が出ていたらまずかった」との声も日銀内から漏れる。

朝日「消費者物価、新基準で伸び鈍化 脱デフレ宣言に逆風」

「この数字が出ていたら間違えずに済んだのに」って悔しがれよ、アホンダラ。

[economy]「真の失業率」推計最新版(2006-07現在)

先月書いた高齢化等補正に修正(考え方を変えたわけではなく、算式のミスです)がありますので、ご関心の向きはご覧いただければ幸いです。

年月   完全  真の  高齢化等 15歳以上 就業者数 完全   真の   高齢化等
     失業率 失業率 補正後  人口        失業者数 失業者数 補正後

1990   2.1%  3.2%       10,089   6,249   134   204
1991   2.1%  2.4%       10,199   6,369   136   155
1992   2.2%  2.2%       10,283   6,436   142   142
1993   2.5%  2.8%       10,370   6,450   166   183
1994   2.9%  3.4%       10,444   6,453   192   228
1995   3.2%  4.0%       10,510   6,457   210   266
1996   3.4%  4.1%       10,571   6,486   225   276
1997   3.4%  3.8%       10,661   6,557   230   262
1998   4.1%  5.1%       10,728   6,514   279   348
1999   4.7%  6.3%       10,783   6,462   317   435
2000   4.7%  7.0%       10,836   6,446   320   485
2001   5.0%  7.9%       10,886   6,412   340   551
2002   5.4%  9.4%       10,927   6,330   359   660
2003   5.3%  10.0%       10,962   6,316   350   700
2004   4.7%  10.0%       10,990   6,329   313   705
2005   4.4%  9.8%       11,007   6,356   294   688

2005/Q2  4.5%  9.1%       11,002   6,402   299   639
2005/Q3  4.3%  8.9%       11,008   6,417   286   628
2005/Q4  4.3%  9.8%       11,015   6,356   287   694
2006/Q1  4.4%  10.9%       11,014   6,283   286   766
2006/Q2  4.2%  9.0%       11,014   6,418   280   631

年月   完全  真の  高齢化等 15歳以上 就業者数 完全   真の   高齢化等
     失業率 失業率 補正後  人口        失業者数 失業者数 補正後

2005/8  4.2%  9.1%       11,006   6,405   284   639
2005/9  4.2%  8.7%       11,014   6,437   285   612
2005/10  4.5%  9.1%       11,016   6,409   304   641
2005/11  4.4%  10.0%       11,016   6,344   292   706
2005/12  4.0%  10.4%       11,012   6,315   265   733
2006/1  4.5%  11.1%       11,013   6,269   292   779
2006/2  4.2%  11.0%       11,006   6,272   277   772
2006/3  4.4%  10.6%       11,021   6,308   289   745
2006/4  4.3%  9.6%       11,002   6,368   284   673
2006/5  4.1%  8.5%       11,015   6,448   277   602
2006/6  4.1%  8.8%  6.5%   11,025   6,438   278   618   449
2006/7  4.0%  9.0%  6.6%   11,020   6,421   288   632   454

2005/7  4.3%  9.0%       11,005   6,410   289   633
2004/7  4.8%  9.3%       10,984   6,373   318   657
2003/7  5.1%  9.1%       10,968   6,381   342   639
2002/7  5.2%  8.8%       10,924   6,374   352   617
2001/7  4.9%  7.4%       10,884   6,452   330   514
2000/7  4.5%  6.4%       10,829   6,489   307   442

    C/(B+C) D/(B+D)       A     B     C  D=Ax0.64-B

(直近月次ボトム)
     5.8%  11.6%        --    6,193   385   818
    (03/3,4)(04/2,05/2)           (03/2)  (03/4)  (05/2)

(注)
・ソースは総務省統計局の「労働力調査」(http://www.stat.go.jp/data/roudou/2.htm)。
・月次データは原数値を用いている(季節未調整)。
・「真の」値は労働力人口比率が0.64(直近ピーク(1992年))であると仮定した場合の値。
・「高齢化等補正」についてはhttp://bewaad.com/20060729.html#p02を参照のこと。

#過去の計数は以下のとおりです。

2005
03040506070809101112
2006
010203040506

[media]NTVの"NEWS ZERO"のキャスター

民放最長寿番組でもあるニュース番組「NNNきょうの出来事」(日本テレビ系)の後番組として10月2日にスタートする「NEWS ZERO」(月−木曜午後10時54分、金曜午後11時30分)で、タレントの小林麻央(24)がニュースキャスターに初挑戦することが29日、分かった。

ZAKZAK「小林麻央、ニュースキャスター初挑戦「夜の顔」へ」

ほとんどの人はこちらに反応するのでしょうけれど、そんなことよりwebmasterにとっては、

「NEWS ZERO」では、メーンキャスターに元大蔵官僚で関西学院大教授の村尾信尚氏(50)を起用。プロ野球・阪神のオーナー付シニアディレクターの星野仙一氏(59)もコメンテーターとして月2回程度出演する予定だ。

ZAKZAK「小林麻央、ニュースキャスター初挑戦「夜の顔」へ」

ついに構造改革原理主義者がこんなところにまで進出か、と憂鬱だなぁ。

本日のツッコミ(全25件) [ツッコミを入れる]

Before...

bewaad [>kogeさん 強制的に見させることはできないというのはおっしゃるとおりかと思いますが、見たくなったら見ることができ..]

bewaad [>生ける屍さん 総合編成基準については、ヴァラエティ化したものは報道番組とは認めない、なんて形では運用されていません..]

JefferyDymn [eqixtfqeaoy1588 <a href=http://www.zepetra.fr/?longchamp..]


2006-08-31

[economy][book]バーバラ・エーレンライク「ニッケル・アンド・ダイムド」

非常に不幸な本です。それなりに豊かな文人が正体を隠して低賃金労働に従事し、衣食住もその範囲内で賄い、でも実際には蓄えに頼ってしまいましたという枠組みは、昨年出版されたポリー・トインビー「ハードワーク」に極めて似通っていて、どうしても二番煎じの印象を持ってしまいます。原書は本書が2001年、「ハードワーク」が2003年出版ですから、本来は逆だというのに。

#なお、Granta Books社によるイギリス版にはポリー・トインビーがintroductionを寄せているとのことで、そちらも訳してもらえればうれしかったのですが。

その内容についても、「すべて幸福な家庭は互に似かよっているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸の趣きを異にしているものである」とのトルストイの名言に反し、低賃金労働者の不幸は互いに似通っているがため、新鮮味に欠ける(というのも傲慢ではありますが)のは否めません。いわく、現状維持が精一杯の暮らし向きで、劣悪な労働環境・住環境のため疾病等のリスクが高く、とはいってもそれがために働かなければ現状維持すら覚束なくなるためつらくても働き続けざるを得ない‐本書・「ハードワーク」のいずれも、要するにそうした現状の記録です。

あえて違いを見出すなら、アメリカとイギリスという両書の舞台の違いに関係する部分となります。webmasterの印象に残ったのは、1つには住環境で、同じように劣悪であっても公団住宅という公的支援のあるイギリスに対して、モーテルなどに頼ることとなるアメリカというもの。もう1つは自動車の果たす役割です。著者は「終章」において、労働市場が買い手優位であることについての考察として、次のように書いています。

初めのうち私は、同僚の労働者たちの、「気力のなさ」とも思えるものに、困惑したものだ。なぜ彼らは、私がハースサイドからジェリーズに移ったように、さっさと割のいい仕事に鞍替えしないのかと。一つには、生身の人間はビー玉より少しばかり「摩擦」が多く、ふつう貧しければ貧しいほど、流動性に制約を受けるからだ。車を持たない低賃金労働者は、毎日の職場への行き帰りを、快く自分の車に同乗させてくれる親戚に頼ることが多い。ときには、そのルートにベビーシッターの家や保育園が含まれる。職場を変えれば、たちまち解決のむずかしい地理的な問題が起こってくるだろう。しぶるドライバーを説得しなければならないかもしれない。ミネアポリスでもキーウエストでも、自転車で通ってくる同僚たちがいたが、これでは移動できる範囲は限られる。車を持っている連中にも、ガソリン代の心配がある。就職願書を書いたり、面接や薬物検査を受けたりするために出歩かなくてはならない煩わしさは、言うまでもない。もちろん、車のない連中にはもっとずっと厄介な問題となる。(後略)

p271

これを受け、訳者も「訳者あとがき」にて広大な国土を持ちながら公共交通網の発達していないアメリカでは、一部の都市を除いて、自動車は生活必需品(p293)と書いているわけですが、これは本当にアメリカ(やカナダ、オーストラリア等)に特有の問題なのでしょうか。さらに直截に言うなら、日本においても同様の問題はあるのではないでしょうか。

さらにえらいことになったのは午後3時からの面接となった食品工場。最寄りバス停から5分の触れ込みであり、実際にバス停はあるのだが、肝心のバスの便がない。国道沿いだからたくさん便があるだろうと多寡をくっていたのが間違いで、通勤時間帯に走っていないのはもちろん、面接の前一時間以上便がないのだ。\(^o^;)/

ここは午前の部よりも多少時給はいいのだが、面接に行けなければ話にならない。かといって結果の見込めそうにない面接にタクシーを使うような余裕の持ち合わせはない。考えた末、片道約7km・40分ほどの行程を、炎天下自転車でこなすことにした。

(略)

道中汗をふきふき、倒れずにたどり着けたとは言っても既に頭はボケボケである。しかし、通勤はどうするのかという予想されたツッコミはなく、「車で15分くらいですね。」と、車以外の手段で来ていることなどあり得ないと言わんばかりの応対(ごもっとも。orz)に、思わず「いえ、車はないので自転車で来ました。」と言わずもがなの返答をかましてしまう。直後に「採用していただけたらバイクを買って通わせていただこうと思っています。」という、事前に考えていた想定問答通りのフォローができていなかったら即刻面接打ち切りなパターンであった。

「我慢大会」(@BUNTENのヘタレ日記8/6付)

あくまでwebmasterの思い込みですが、自動車がなくても全く困らない(維持費等を考えればむしろ持たないほうがよい)といえるのは国内では東京・山手線圏内のみ、自動車がないことがそれほど不利にはならないとしてもせいぜいが政令指定都市までで、それ以外においては自動車がないと就職活動に限らず日常生活にも大いに支障が出てくるのではないでしょうか。本当のところ日本は、地図でみるとロシアや中国、それに太平洋を挟んでカナダ、アメリカといった国々に囲まれているので小さく見えますが(メルカトル図法ならなおさら)、結構大きな国ですから・・・。

本日のツッコミ(全458件) [ツッコミを入れる]

Before...

?????偖????????????????????BCO410J-B????冦? [素晴らしいブログ!作家志望のための 何かありますか?私自身の起動に|私は望んで計画してよすぐに が、私はすべてで失わ..]

三菱 40V型フルハイビジョン液晶テレビ【HDD/ブルーレイ内蔵】 REAL LCD-A40BHR7 [LCDA40BHR7] [I 愛あなたのブログ..とても素敵な色&テーマです。このウェブサイト自身や誰かがあなたのためにそれを行うために雇った..]

OLYMPUS???????????PEN E-P5 ???BCL-1580?????穡功い? [私は絶対にあなたのブログを愛し、見つけるほぼすべてののあなたのポストのがする丁度|まさに。 1するあなたのために利用..]


トップ 最新 追記