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2006-08-08

[government]縦割りと調整の背後にあるもの

今村都南雄「官庁セクショナリズム」を題材に、Koukyoさんが省庁間調整を論じていらっしゃいます。題材としては環境庁創設の経緯が取り上げられていまして、それ自体非常に興味深くありますが、しかしなぜそのようなことが起こるのかについては、当事者として若干申し上げたい点があります。

ここでは、本書全体のまとめというよりも、少し調整メカニズムについて記述された箇所をまとめておく。著者が調整メカニズムについて論じる際に引用しているのが1964年の第一次臨時行政調査会答申だ。それによれば、「共管競合による不都合の発生には、多くのケースに共通した次のような一般的原因が認められる」とし、以下の3点を指摘している 。

(1)各行政機関において、他機関と関連する業務についての相互間の連絡・調整の仕組みが欠けているか、ないしはその運用が未熟であること。

(2)各行政機関の事務当局は、いずれも当事者段階で調整しがたい事案をそれぞれの上位段階に持ち上げて解決を図ることに消極的または不慣れであること。

(3)各行政機関がセクショナリズムや権限意識にとらわれて、国民の利便増進や行政効果発揮のための相互の連絡調整に十分な考慮を払おうとしないこと。

これは40年以上も前の答申だけれども、今でも十分通用する指摘にも思える・・・・。

「【本】官庁セクショナリズム(まとめ)」(@Koukyo政策大学院生の蹇蹇録8/7付)(webmaster注:強調は原文によります)

この3点は、いわば「共管競合による不都合の発生」を前提にして、そこから議論を始めるからこそ原因として遡って認識されるものだとwebmasterは思います。例えば例示される公害への対応については、当時の対応では不足があったということが前提であり、満足な対応が行われなかったのはなぜかという立論でしょう。

若干詳しく敷衍するなら、

  1. (1)については、相互間の連絡・調整の仕組みが機能していればより積極的な対応が可能であったろうにということでしょうけれど、当時の程度の対応が当時の判断としては適切であったというのが相互間の連絡・調整の仕組みの導き出した結論であるなら、思うような結論がでないことの責任を連絡・調整の仕組みの押し付けているに過ぎません。
  2. (2)については、省庁間の調整事項がこじれた場合の決着は、多くの場合において与党を巻き込んだ政治決断に持ち込まれますが、これこそ上位段階ではないでしょうか。にもかかわらず上位段階で解決されていないとは、政治決断の前に(下から順に)課長・審議官(次長)・局長・事務次官レヴェルで解決できないのか、ということなのでしょうけれど、それらのレヴェルでは基本的に技術的な問題の解決に終始し、国論を二分するような問題は政治に上げることが望ましいはずです。例えば閣議では実質的な議論が行われておらずけしからん、何て議論は、役所で勝手な調整をするべきでない、ということですよね?
  3. (3)については、でてきた結論に対する「セクショナリズムや権限意識にとらわれ」たもので、本来あるべき「国民の利便増進や行政効果発揮」からは外れているという評価の言い替えでしかありません。

例えば「足して二で割る」とは縦割りという言葉と連れ立ってよく使われる、調整問題への悪評の典型的な言い方です。別の言葉で言うなら妥協ですが、これを悪と断ずる前提は、いずれか一方が勝者総取りであるべきという価値観で、しかもその「一方」とは多くの場合においてアプリオリに決定されています。昨今の改革論にしても、あるべき改革が先に語られ、結論がそのすべてを取り入れたものでなければ、即抵抗勢力への妥協である、真の改革には程遠い、といった評価になってしまうわけです。

しかし、先に「国論を二分する」という言い方をしましたが、そのような議論において一方にのみ軍配を上げ、逆側の主張には一顧だにしないというのが、果たして本当に正しいことなのでしょうか。俗に盗人にも三分の理あり、といいますが、神ならぬ人の為す議論において一方がまったく聞く耳を持つ意味のないほど全面的に間違っているなんてことはないのでは、というのは抵抗勢力の繰言なのでしょう(笑)。

もう少しもっともらしいことを申し上げるなら、その手の対立はいわば価値観の対立があるからこそ調整がつけづらいのであって、縦割りやらセクショナリズムやらの影響ははるかに小さいものにとどまるでしょう。公害問題の例で言うなら、公害対策を最優先にすべきという価値観と、企業の経済活動の自由を殺いではならないという両極の価値観があったからこそなかなか調整がつかなかったわけで、そこから目を逸らせてセクショナリズムを悪役にしたところでどうなるものでもないでしょう。

ちなみに。

以上簡単にですが、まとめてみました。新しい省庁を創設せよというのはよくある話で最近では「情報通信省」なんかが話題になっていたことが思い出されます。このニュースに対する指摘として参考となるのは、bewaadさんの「中央省庁再々編」や、池田信夫氏の「「情報通信省」はよみがえるか」などの指摘でしょうか。

bewaadさんは、

これまた共管なんてものは霞が関にいくらでも類例が見つけられる話なので、どこをどのように切り取ったところで重複などなくせるはずはないのですがどうするのでしょう(仮に一時的に重複をなくすことが可能だとしても、時間の経過とともに復活することは避けられません)。数えるのもばかばかしいのでカウントはしませんが、膨大な数の「関係省庁(等)連絡会議」(協議会その他別名称の同種の合議体を含む)があるわけで、先が思いやられます(笑)。

と述べておられますように、例えば環境庁設立時にも各省庁連絡会議のような会議(公害対策本部)があるからそれで十分対応可能というのが当時の多数の意見だったとのことですし、ここから次の一歩までの過程(各省庁連絡会議から省庁設置)は果てしなく遠いのだと思います。環境庁の時は「公害国会」ということもあってなんとか設立されたようですが。

「【本】官庁セクショナリズム(まとめ)」(@Koukyo政策大学院生の蹇蹇録8/7付)

それは新たな省庁を作れば省庁間調整が不要になるかのような情報通信省を揶揄したものでありまして、連絡会議があれば対応可能と言いたいわけではなく、大くくり再編をしたはずの12府省体制においてもそれだけの調整事項(しかも全てではありません)があるのであって、なんなら1省体制にしますか(笑)、という趣旨でございます。連絡会議がどの程度機能しているか、同業者ならそれに期待すべくもないことはよくご理解たいだけるでしょうといいますか、総理なり官房長官なりが本気になればそんな器はなくても調整は可能ですし(価値観の対立をどう捌くかの問題ですから)、そうでなければいくら器を作っても無駄といいますか。

[media][government]いじめられっこの巣窟=霞が関

いつも朝、テレビでズームインとかめざましとか思いっきりとかを見かけると、「あ〜あ」とげんなりすることが多い。

(略)

わかりやすく「悪い奴」とか、行政の不行き届きとか警察のミスとか、そういうのをこきおろすのはたいへんキモチイイことなので、じゃあみんなでこきおろそうぜってテレビ主導の「公開いじめショー」を行ってるように見える。いじめる対象は「普通」から外れてれば外れてるほどいい。

いじめショーの獲物として好都合なのは、

(略)

  • 行政、公的機関:みんなが「絶対に間違えてはいけない」となぜか厳しい目で見ている対象なので凡ミスでも思いっきり叩けてキモチイイ。そして報復を受けにくいので好都合

(後略)

「公開いじめショー」(@とっくりばー8/7付)

これで当事者が主観で被害者妄想にかられているわけでなく、客観的に見てもそうだということが証明されましたね!

で、どうすればよいかですが、そうか、報復すればいいんだ!(違います) でも魔太郎は報復しても次々と新たないじめっ子にいじめられてたなぁ(年齢がばれます)。

本日のツッコミ(全11件) [ツッコミを入れる]
ばたーかっぷ (2006-08-08 02:50)

財政赤字のことしか見ていない財務省と、インフレを恐れてばかりいる日銀は対立ばかりしてけしからんから、全部内閣府に統合してしまえっていう話にもなりますね。
と書いたところで、上手く行くならそれもいいのかもと思ったり。。。

bewaad (2006-08-09 04:19)

>ばたーかっぷさん
それらが全部一緒だったら、あの非不胎化外為介入は行われなかったような気もするので(笑)、やっぱり分散しておいた方が無難じゃないでしょうか。チェックアンドバランスというやつで。

規制業種 (2006-08-09 22:07)

環境省誕生の場合は時代背景や歴史的必然があったような気がしますので、省庁間問題の一般論として取り扱うのはちょっと難しいような気がします。
環境省のおかげで微量PCBだとかアスベストだとか、とにかく面倒な仕事が増えたのは事実ですが、将来的なリスクを引き下げることは企業にとっても長い目ではメリットになります。
#経産省が所轄してたら放置されてたでしょう:-)

びん (2006-08-09 23:45)

>「共管競合による不都合の発生」を前提にして、
> そこから議論を始めるからこそ原因として遡って認識されるもの
同感です。
原因としてあげられているものは、確かに「今でも十分に通用する指摘」かもしれませんが結局後知恵の指摘であって、これらから将来の不都合を回避するための具体的な策が出てくるとは思えません。
現実の仕事は多面的で、具体的な不都合が発生した段階で遡ってみればどの軸で競合をとりまとめておけば良かったかが判りますが、不都合が発生する前の段階ではどの軸で整理した方が良いのかは決めようがないように思うので。やっぱり1省体制でしょうか(笑)
知的営みによってなされた指摘が長きにわたって通用することと、それが不都合を生じさせる原因を排除するために実効的であることとは別だと思うのですが、後者の観点から優れた分析がされている本なりがあれば、是非読んでみたいと思う今日この頃です。
長文失礼・・・。

bewaad (2006-08-10 05:01)

>規制業種さん
なければないで厚生省がそれなりに頑張ったでしょうから、それほど大きな違いがあるとは思いませんが(公害問題については。CO2対策とかはかなり違っていたかもしれません)、それこそ公害国会といわれるほどの世論などの盛り上がりがあってのことでしょう。逆説的ではありますが、環境庁ができるほどの情勢であれば、環境庁がなくてもそれなりになんとかなったであろう、ということではないでしょうか。

bewaad (2006-08-10 05:03)

>びんさん
せめて「縦割り」なかりせば、ということを結論先にありきでなく客観的にシミュレートして、やっぱり「縦割り」はメリットよりデメリットが大きい、ということを示してからであれば納得もできるのですけれどもねぇ。

kumakuma1967 (2006-08-11 06:51)

 現官房長官は「政策案を作るのが役所、どの政策案を実行するのが政治の役割だ」が持論みたいでしたが、なんか「調整」以前の話に見えたのを思い出しました。
 調整役ってのは、他のパートと違う視点から(全体を俯瞰的に)見てると効率がいいんだけど、族議員って視点を共有するから族議員なんでしょうか?
 個人的には事業推進はサイズを小さくした庁で、調整と計画は大臣を擁する省でやったらいいように思うけど、行政改革でどんどんごっちゃになっていきますよね。

bewaad (2006-08-11 08:06)

>kumakuma1967さん
族議員は視点を共有するもの、というのはそのとおりかと存じます。自らの価値観を最も尊いとして主張する一方で、その意を汲んだ俯瞰者による調整には服するというのがかつての自民党における調整法でしたが、調整者が俯瞰せずに一方に組してガチンコになったのが郵政民営化だったと。

むしろ各省庁を小さなユニットに細分化し、必ず大臣は複数省庁の長を兼任する(組み合わせはその時々の必要に応じて)方がいいのでは、とは個人的に昔から考えていることではあります。

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