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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2006-11-24

[economy][politics]牧原秀樹議員との対論

きっかけは、当サイトにいただいた次のコメントでした。

金鉱マン (2006-11-21 00:27)

すみません、ここで聞いて良いのかわからないのですが、なんかしっくりこないので、どなたかご助言いただけると幸いです。

衆議院議員の牧原先生のコラム(国の財政は事実上破綻している」)に質問してみたんですが、次のような返答が返ってきました。↓のコメント欄。

http://www.hmacky.net/archives/2006/11/05/224537.html

私の不勉強で変なこと(あるいは分析的に聞けてない)を聞いているのであれば申し訳ないんですが、bewaadさんのところの議論と真逆?…というより、多分に精神論的要素を感じるのです。

bewaadさんとは反対方向の意見をもたれている、と理解すべきものなのでしょうか。

変なこと言ってたらすみません。

11/20のエントリによせられた金鉱マンさんのコメント

リンク先の牧原議員のエントリは、次のようなものでした。

政治家にはよくも悪くも予算をどうつけるか、というのが活動の一つの中心的課題となる。国の財政は事実上破綻しているから、昔のように何でも予算をつければよいというわけにはいかない。

(略)

この問題は実は政治家の課題ではなく、国民みんなで考えるべき問題である。たとえば、年金額を一月1万円一律に増やせばお年寄りの方々はその分何かをすることができ、最も投票率の高いお年寄りの方々のご支持を相当頂けるだろう。政治家として当選に一歩近づくことは間違いない。しかし、約2400万人の65歳以上の方々に月1万円ということは全部で月2400億、年では3兆円近い歳出増になる。

投票権がない子供やあまり投票をしない子育て世代に3兆円の財源を充てても票は増えないが、少子化や子供の教育の問題は多少よくなるかもしれない。芸術振興やスポーツ振興、自然育成、動物愛護等々、心の育成にかかる問題に充てれば、即効性はないかもしれないが、50年後の日本人の心は豊かになるかもしれない。

私はあらゆる世代の皆様のこと(選挙権のない子供たちやこれから生まれてくる子供も含め)、選挙区内外や自分の支持者であるかを問わずあらゆる国民のことを考えなくてはならないと思っている。そして、自分の当選が、国の長期的な利益よりも優先されるようなことがあってはならないとも覚悟している。正直民主党や共産党がばらまき政策を主張するのを見て、ああ言えたらどんなに楽なことか、と思う。古い自民党の人たちもそうだ。しかし、1998年度からのばらまき政策のつけの大きさを考えたら、私なら未来の世代に顔向けができない。そうした強い責任感を抱きながら毎日生きている。

(後略)

「限られた財源の中でー優先順位は?」(@牧原ひでき公式サイト11/5付)

このエントリに対する金鉱マンさんのコメント、及びそれへの牧原議員の回答は次のとおりです。

はじめまして。精力的にご活動されている様子を、コラムなどで拝見させていただいております。

さて、そのコラムです。これまでのコラムを見る限り、「国の財政は事実上破綻している」と言う主旨のご発言が何度も出てきます。これは、本当にそうなんでしょうか?。

素人があちこち読んだ感想でしかないのですが、他のブログを見る限り(bewaadさんと言う官僚の方のエントリーを参考にしています。http://bewaad.com/20061006.html〜〜のエントリーで議論があります)、財政状態は破綻している状態にはない、と思うのです。

牧原先生はご専門が法律であり経済は必ずしもご専門ではないようですが、「国の財政は事実上破綻している」と言う点について、何か根拠があってご発言になっているのでしょうか?。

経済システムは国の土台であり、ここについての認識を誤れば、すべての活動の土台が崩れるかと思いますし、国民としては大変な関心事です。客観的に破綻しているのならば、早急に対策を打たないと困りますが、そうでなければ、何を煽っているのかしら・・・とも思えてしまいます。

例えば、bewaadさんのブログとかで、現役の衆議院の方と官僚の方で議論なぞしていただけると、今後の国の方向性を知る上で、国民として大変参考になるのですが。

Posted by: 金鉱マン : 2006年11月20日 14:03

ありがとうございます。まず私は法律だけではなく、経済・金融・財政も相当熟知しています。経済と財政とは違いますので、ご質問が「経済が破綻している」ということと「財政が破綻している」とを混同されている点修正させて頂きます。「経済」は全く破綻していません。また、経済の血液たる金融はこの両者の間に挟まれて極めて難しい運営を強いられていますが、今は健全さを取り戻しております。

財政については、評価は様々でしょうが、「大丈夫」という意見はあまりに楽観主義です。もちろん、わが国の「今」の現状を見ればこれ以上借金を積み重ねても貸してくれる人がおり、借金を未来にどんどん先送りすることができている状況ですが、図体が大きいために夕張市のようにならないというだけであり、収入と借金の総額との比率でいえば夕張市と何ら変わりません。

さらにわが国を引っ張ってこられた団塊の世代の方が所得税を払う側から年金をもらう側になり、そこに少子化がまともに直撃します。こうした20年後、30年後を考えれば極めて厳しい状況にあることが分かります。その認識の下で運営をしていかなければこの国の未来は厳しいということです。

Posted by: 牧原 : 2006年11月20日 21:58

「限られた財源の中でー優先順位は?」におけるコメント(@牧原ひでき公式サイト11/5付)

これを受けてwebmasterから、詳細は忘れてしまったのですが(笑)、ドーマー条件とブロダ&ワインシュタイン論文の2つについてのお考えを問うコメントをさせていただきました。しかしながらその掲載は認められず、次のようなメイルをいただきました。

ありがとうございます。こうした議論を続けるのは大切ですが、私はエコノミストではないので、エコノミスト的な議論は避けたいですし、それ自体には意味がないと思っていますので、遠慮させて頂きます。

ドーマー条件を巡る理念的な対立があったのはご承知の通りですが、結局対立があるということが問題であって、そもそもそんなことをしている暇はないというのが私の意見です。

財政は破綻している、いないというのもそういうことです。現実的には国債を発行しても消化されているわけですし、何ら不払いがないために財政は理論的には破綻していません。しかし、どうひっくり返ってみても今の財政状況が健全ではないのは明らかですし、このままの税体系や社会保障体系、そして少子高齢化や国際競争力の衰退などの客観的状況を見れば、国民に警告を発しておく必要がありますし、財政状況をきちんと理解してもらう必要があります。

いずれにせよどちらが正しい、正しくないなどの決着をつける必要はありませんし、私は学者ではないですので、国民にとって正しい道と思える道を示すのみです。学者の方は、是非理念や学説の対立の中で、自説が正しいということを証明していただき、そうすればいずれ竹中さんのように思う存分自分の考えで腕をふるってもらえる日が来ると思います。自民党では山本幸三先生や佐藤ゆかりさんといった方が経済学にはうるさい方ですので、是非意見をぶつけて、国の政策として反映してもらうように努力をされてみてください。

牧原議員からいただいたメール(その1)

それに対して、当サイトに掲載してよいかをおうかがいしたところ、次のようにご快諾いただきました。

もちろん、結構です。南米で一番経済が健全なのはチリですが、私のチリの友人が言っていたのは、ピノシェト独裁体制になったときに、経済が分からないので当時はトップと言われたシカゴ学派の経済学者にまかせきりにしたからということでした。いったんは、古い国内産業が壊滅したのですが、その後に足腰の強い経済が立ち上がったということでした。

経済は理論と実態、両方大切です。日本ではお互いが分離して、お互いが悪口を言い合っているという面がありますので、そうしたことをなくしていきたいと思っています。

牧原議員からいただいたメール(その2)

議論されるおつもりはないとのことですので、内容について言及することはwebmasterも差し控えたいと思います。公開を了承していただいた牧原議員に感謝するとともに、このやりとりをご覧いただくことが皆様にとって何らかの形で役立つことを祈りつつ、公開させていただく次第です。

本日のツッコミ(全21件) [ツッコミを入れる]
sfdude (2006-11-24 06:27)

ピノシェの経済アドバイザーであったシカゴ学派の学者が
最近亡くなったマネタリストのフリードマン先生だったんですよね。

通りすがり (2006-11-24 09:20)

僕もコメントさせていただきましたが、投稿は認められませんでした。メールも来なかったなぁ。もしかしたら迷惑メールフィルタで削除されちゃったかも知れないけどw

Baatarism (2006-11-24 09:51)

>sfdudeさん
ピノシェト時代のチリはフリードマン経済学の実験場だったというわけですか。それはトリビアですねえ。

金鉱マン (2006-11-24 10:15)

 相手が弁護士で怖いので、ここで愚痴りますw。
 正直なところ、牧原議員の返答には少しばかり怒りを覚えます。民間で弁護士さんが開設しているブログならともかく、国会議員、それも中心となって活動する衆議院議員として発信されているブログですよね。もう少し対応の仕方があるんじゃないでしょうか。
 一国民である私としては、『勝手に熱くなって突っ走る』ことを望んではいません。「国民にとって正しい道」って何ですか?。崇高な教義でもあるんでしょうか??。であれば、その中身を具体的に示していただきたい(なんとなくは想像つくけど)。日本にも、思想良心の自由とか、信教の自由だけはあるんですよね??。

 それと、「古い国内産業が壊滅」、「足腰の強い経済が立ち上がった」、ですか。
 いずれについても、日本の場合における具体的な業種をお聞きしたいです。自分がその業界にいないことを祈りつつ。
 後者についても具体的な業種を知りたいです。株を買いますのでw。

cloudy (2006-11-24 13:21)

チリの奇跡
http://en.wikipedia.org/wiki/Miracle_of_Chile

・ピノチェト以前は共産主義国家だったのを資本主義にした
・改革は1975年から始めたが、1980年代初頭はひどい不況で実質成長率が-13.6%(82年),-2.8%(83年)。順調になったのは1985年以降
・当時のインフレ率は20〜30%、マイナス成長時でも9.9%。一桁になったのは95年になってから。1980年以降デフレの記録なし
・1990年までは対外債務国(今はほぼバランスし、若干プラス)

というわけで現代日本とは似ても似つかぬ状況。今の日本経済の処方箋に「チリの奇跡」がどう参考になるのかわかりません。

チリ経済データはIMFより。
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2006/02/data/weorept.aspx?pr.x=65&pr.y=6&sy=1980&ey=2007&scsm=1&ssd=1&sort=country&ds=.&br=1&c=228&s=NGDP_RPCH%2CNGDP_D%2CPPPPC%2CPCPIPCH%2CLP%2CBCA_NGDPD&grp=0&a=

金鉱マン (2006-11-24 15:45)

 つい先日、飯田先生の『ダメな議論』を読んだこと、また、昭和大恐慌関係の本(「経済失政はなぜ繰り返すのか」とか)を読んだためか、「そっくりじゃん!」って素人には思えてしまうのです。特に『精神』的な部分。
 ちなみに、私は、牧原議員の悪口を言う気も、誹謗中傷する気もサラサラありません。精力的にご活動されている点には、何もしていない自分からすれば頭の下がる思いがします。
 ただ、衆議院議員という影響力のあるお立場にあることからすれば、財政は破綻などというのであれば、やはりキチットした根拠を示して欲しいのです。

kumakuma1967 (2006-11-24 20:33)

「日本政府はすでに破綻している教」の普及はうれしいんですが....

アルベルト (2006-11-25 07:11)

ご本人も「エコノミスト的な議論は避けたい」と断言しているのですから、何らかの根拠とか定義に基づいた用語としての「破綻」というよりも、政治的なフレーズということなのでしょう。政治家に、それも小泉以降のこのご時世に「刺激的なフレーズを安直に使うな」と言っても無意味だと思います。
まあただ、「わかってるけど政治家だからあえてそういうフレーズを使っているセンセイ」と「本当にわかっていらっしゃらないセンセイ」との区別はやはり大事ですので、そういう点でこのようなやり取りを公表して頂くことには大いに意義があるのでしょう。

金鉱マン (2006-11-25 10:04)

「政治的なフレーズ」
 そうでよね。破綻教自体は普及する必要性がありそうですし。ただ、ネタがベタになってる方が少なからず??いらっしゃると。
 色々と勉強になります。
 他の議員さんにも聞いてみようかしらんw。

元学生 (2006-11-25 10:46)

匿名と本名の間でまともな議論ができますか。
bewaadさん、本名を名乗る人と議論したいなら、名前を明かして、議論すべきではないですか。

名無し (2006-11-25 11:18)

匿名かどうかと議論の正当性にはあんまり関係ないと思うけどね。
俺みたいに「名無し」とか誰もが真似できる匿名ならともかく、
bewaad氏はこの名前に帰属した議論なり意見表明なりをしてきてるし。

元学生さんの意見だと、
芸名使ってるタレントはテレビで議論できないよね。
まあ「あれは議論なんかではない!」って言い切るならいいけど。

アルベルト (2006-11-25 13:01)

牧原氏の側からすれば、「匿名の相手との議論に、ムダ(になるかもしれない)な時間を使いたくない」ということで応戦しないというポリシーは当然あり得るでしょうね。
ただ、元学生さんのようにプリミティヴな形で匿名性自体を批判する人が今でもいるというのは少々驚きました。

ir (2006-11-25 13:50)

>いずれにせよどちらが正しい、正しくないなどの決着をつける必要はありませんし、私は学者ではないですので、国民にとって正しい道と思える道を示すのみです。

牧原議員のこの文章を自分なりに理解すると「自分が国民に示す道が本当に正しいか正しくないかはどうでもいい」となってしまいます。ちょっと心配。

bewaad (2006-11-25 15:04)

>sfdudeさん、Baatarismさん、cloudyさん
当時のチリは、
(1)ポスト共産主義政権の経済政策をアメリカの経済学者が担い、
(2)少なからぬ混乱を巻き起こした、
という点で、90年代後半のロシアに重なって見えます。個人的には。スティグリッツが批判するIMF的経済政策の源流といいますか、彼に論評させればボロカスなんでしょうねぇ、当時のチリも(笑)。

bewaad (2006-11-25 15:10)

>通りすがりさん
金鉱マンさんに対してお答えをなさった後だったので、何らかのご返答をしようとお考えいただいたのだと思います。つまりは私の名前をだしていただいた金鉱マンさんのおかげということで。

bewaad (2006-11-25 15:15)

>金鉱マンさん
メイルの公開をお許しいただいたことで、私は十分だと思っています。それを読んだ人が金鉱マンさんのようにお考えになるのか、それともそうでないのかというリスクをとっていただいたわけですし。

私からはエントリで書いたように内容への言及は避けますが、あえてもうしあげるなら、公開を認めていただくようお願いし、実際に公開した、というあたりからお察しいただければ(笑)。

bewaad (2006-11-25 15:16)

>kumakuma1967さん
例の追加費用の際のエントリを拝見し、私も入信しました(笑)。

bewaad (2006-11-25 15:18)

>アルベルトさん
そのように言っていただけると、こちらとしても公開したかいがあります。

bewaad (2006-11-25 15:21)

>元学生さん
エントリをご覧いただければご賢察いただけると思うのですが、牧原議員の対応を問題視するつもりはまったくありません。公開をお許しいただけてよかったと思っています。

bewaad (2006-11-25 15:24)

>名無しさん
個人的には、ネットでの議論については黒木さん(今でも「先生」とお呼びすることは禁じられていらっしゃるのでしょうねぇ(笑))の「恥をかくことができる」原則が妥当だと思っていますし、その要件は満たしていると思っています(し、今後も満たし続けていきたいと考えています)。

bewaad (2006-11-25 15:26)

>irさん
個人的には、正しいか正しくないかは国民が判断すべき話で、政治的主張はおのおのが正しいと信ずるところを貫けばよい、というような話だと理解しています。この手の話題がそうした取扱いに向いているかどうかは議論があるでしょうけれど(個人的には疑問です)、そのようなお立場は「あり」だと考えています。


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