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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2006-12-09

[economy]直近のGDPも下方改定

2005年度GDPの下方改定に続いて、本年第3四半期GDPの第2次速報において、第1次速報値が大幅に下方改定されました。

内閣府は8日、2006年7〜9月期の国内総生産(GDP)の改定値を発表した。物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)の成長率は前期比0・2%増(年率換算で0・8%増)となり、11月14日に公表された速報値の0・5%増(同2・0%増)から大幅に下方修正された。

GDPの柱の一つである設備投資が同1・5%増と、速報値の同2・9%増から大きく下方修正されたのが響いた。

7四半期連続のプラス成長は維持したが、足元の成長率が年率1%を下回っていることが確認され、日本銀行が目指す早期の追加利上げの判断には逆風となりそうだ。物価変動を反映し、家計や企業の実感に近いとされる名目GDPの成長率は、速報値の前期比0・5%増(年率1・9%増)から、改定値では前期比0・0%減(年率0・0%減)に下方修正され、2004年4〜6月期以来、9四半期ぶりにわずかながらマイナスになった。

大田経済財政相は8日の閣議後会見で、「個人消費の弱さが反映したが、設備投資はそれほど弱くない。景気の腰折れ懸念はなく、踊り場に入る兆候はない」と述べ、景気回復基調に変わりがないことを強調した。

(略)GDPの5割強を占める民間最終消費支出(個人消費)も速報値の同0・7%減から同0・9%減へ下方修正された。この結果、内需全体の寄与度はマイナス0・2%と、2005年10〜12月期以来のマイナスとなった。

読売「7―9月期のGDP年率0・8%増、大幅下方修正」

追加利上げする状況じゃないということ以上に、そもそも量的緩和・ゼロ金利の解除が原因ではないか、ということをまずは疑うべきではないでしょうか。この点に言及しているのが、

自民党の中川秀直幹事長は8日夜、埼玉県上尾市内での講演で、「国民生活とはかなりかけ離れた『駆け込み利上げ』はしないと信じたい」と述べ、日銀による追加利上げを強くけん制した。「金融政策の影響は大きい。政府としっかり意思疎通してもらわないといけない」とも強調した。

中川氏は今年7―9月期の国内総生産(GDP)改定値が大幅に下方修正されたことに関して「考え得る政策の影響はゼロ金利の解除などしか思い浮かばない」と述べ、日銀の金融政策が一因だとの認識を示した。そのうえで「金融政策が実体経済に与えた影響を検証し、国民に説明してほしい」と注文を付けた。

読売「7―9月期のGDP年率0・8%増、大幅下方修正」

このようにメディア自身の分析ではゼロで政治家である中川幹事長のみだ(webmasterが気付いた限りでは)というのは、やっぱり日銀への評価は甘いものだなぁと。

bank.of.japanさんの情報によると、中川幹事長、今夜の講演(埼玉県)で「政府から独立しているという日銀のメンツのためだけに(利上げを)強行するなら、その代償は余りにも大きい。日銀には『平成の関東軍』などと言われないよう心から期待したい」と述べたそうだと、もっとどぎつい表現(笑)だったとのことです。

ちなみに、

これにより、内閣府が示している2006年度の実質成長率見込みの2・1%を達成するためには、10〜12月期からの残り2四半期で年率3・1%の伸びが必要となる。また、名目成長率見込みの2・2%の実現には、年率8・6%の成長が求められ、いずれも達成が厳しい状況となった。

読売「7―9月期のGDP年率0・8%増、大幅下方修正」

そりゃ「達成が厳しい」どころではなく、絶対に無理(特に名目)というものでしょう(笑)。現状で推移どころか拡大しなければならないわけですが、実態はおそらくは逆で、例えば足元の景気ウオッチャー調査も先行きが怪しそうですし。

[economy][politics]円高シンドローム再燃の危機?

来日中のアダムズ米財務次官(国際金融担当)は7日の記者会見で、日本のデフレは終わったとの見解を示した。さらに日本政府が2004年3月以降、為替介入を実施していないことを歓迎した。会見要旨は次の通り。

──日本経済の見通しは。
「景気回復は持続可能とみている。国際通貨基金(IMF)は来年2%程度の成長を予測している。設備投資と輸出が景気をけん引し、個人消費にはまだ疑問符がついているが、回復は時間の問題との見方もある。多くの指標をみるとすでに日本のデフレの局面は終わっている」

(略)

──米自動車業界に円安への不満がある。
「米産業界の指導者とは定期的に協議しており、彼らの声を聞くことは重要。為替相場については日本が04年3月から介入を実施していないことを歓迎していると言うにとどめたい」

日経「日本 デフレ終わった/アダムズ米財務次官見解」

円安対策として金融引締めがアメリカから求められたとしたら・・・バーナンキが止めてくれることでも期待するしかないのでしょうか・・・。

[economy]設備投資が輸出関連主導であることの備忘

企業の設備投資意欲と密接に関連する工作機械の2006年受注額が、バブル期の1990年以来16年ぶりに過去最高を更新することが確実となった。北米や欧州を中心とした輸出がけん引役となり、国内も建設機械や電機業界からの受注が堅調だった。

日本工作機械工業会(中村健一会長)が7日発表した1-11月の累計受注額(速報)は、前年比6.2%増の1兆3107億円だった。12月の受注が20%減ったとしても、90年に記録した暦年の最高記録(1兆4121億円)を更新する。

(略)90年当時は内需が約7割を占めたのに対し、今年は輸出がけん引。11月までの累計は同14.5%増の6344億円と、この時点で暦年の最高記録を更新。輸出比率は48%に達した。

日経「工作機械受注額、最高に/今年、16年ぶり/輸出がけん引」

バブル期と同じ程度に内需関連投資が高まっていたとしたなら、

  • 1.41×0.7×11/12+0.63=1.53=1.17×1.31

ということで、17%ほど上積みがあったということになります。

[politics]道路特定財源問題関連エントリのサルヴェージ

旬の話題ですが、昔書いたことにあまり付け加えることもないので。

一般財源化できるなら税を減免をすべし

調整役に不向きな塩崎官房長官

本日のツッコミ(全14件) [ツッコミを入れる]
竹馬 (2006-12-09 13:31)

すでに十分関東軍な気がするのは私だけなのでしょうか・・・・
霞ヶ関はすぐに叩かれるのになぁ・・・・

しかし、本当に利上げと輸出急減が重なりそうな悪寒がしますね。こうなったら、目標インフレ率を経済財政諮問会議で決定して、どのように行うかは日銀にお任せみたいな仕組みにでもしないとだめな気すらしてしまいます。
このままだと、独立性を守るべき頑張った愚行が、結局日銀法の改正につながることを祈るしかないですね。そういえば、日銀法の改正担当って、どこでしたっけ?財務省なんですかね。

自分とこの所掌以外は疎いんですよね・・・
そのうち、日銀法の引用照会が、急遽来たりして(笑)。

通りすがり (2006-12-10 02:09)

本当に不思議なのは消費が急落したことなんですよね。実はこういうことは2004年10-12月期にも起きていてそのときもびっくりした記憶があります。本来、個人消費なんてそんなに大きくぶれるはずないんですけどね。
それまで潜在成長率を超える成長を続けていたのなら「息切れ失速かな」って考えられますけどbewaadさんはじめ皆さんの仰るように潜在成長率を下回る成長していないと私も思うからその推理は当たらないし、かといって日経Quickや内閣府の経済モデルを見る限り25bp程度の利上げでは経済全体に与える下押し圧力はせいぜい年率0.1%だし、まさか定率減税廃止の影響だとしたら怖いがそれも考えにくいしなあ。雇用者所得が急減した訳ではなかったから日本人が急に貯金あるいは外債投信(笑)に目覚めた、ぐらいしか推理出来ないのですが、みなさまどうお考えでしょうか?

通りすがり (2006-12-10 02:14)

上記補足。
「消費が急落」というのは既に1次QEで出ていた、民間最終消費支出が全四半期比-0.9%減ということ自体の話ね。1次QEから2次QEへの消費の下方修正は単に12月1日の2005年度確報発表に伴う季節調整の掛け直しである程度説明出来ると思うよ。

ゆーき (2006-12-10 03:57)

あいかわらず日経は名目GDPにはふれようとしませんねえ。
上から何か言われてるんでしょうか(笑)
http://www.nikkei.co.jp/keiki/gdp/
これなんて見出しには実質とすら書かれてません。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061208AT3S0800G08122006.html

「経済」の字が泣くとは思わないんでしょうかね。

ゆーき (2006-12-10 04:01)

ああ、ちょっと考えれば「見出し」につけることもないか・・・
あまりな報道という思いにかられすぎですね・・・

bewaad (2006-12-10 08:01)

>竹馬さん
最近の雰囲気では、景気が腰折れたとしても、道路特定財源問題に象徴される「改革の後退」が原因だとかされそうで・・・。

ちなみに日銀法を見る限り、改正案は財務省作成(閣法の場合)になりそうですね。

bewaad (2006-12-10 08:04)

>通りすがりさん
実証のできない人間のたわごとという前提で勝手な推測を述べるなら、
(1)気候要因等によるぶれ
(2)短期では所得ほどには消費は上下しませんが、景気回復が喧伝されるわりには所得が伸びず、所得に依存しての消費水準について長期の調整が始まった、
なんてことが考えられるのかな、という気はします。

bewaad (2006-12-10 08:07)

>ゆーきさん
見出しはともかくとして、読売(と一部東京)以外は似たようなものではないでしょうか、とあきらめの境地です(笑)。

通りすがり (2006-12-10 11:10)

bewaadさん>
そういえば今回は天候要因による下げはありましたな。それで全てが語れる訳でもないだろうけど、意外と重要な要因かもしれません。ただ2番目の長期調整には疑問ありかも。長期調整なら急落はしないからね。
とはいえ今回の消費急落→それを見た企業の設備投資減→景気失速コンボが天候要因をきっかけに起こるというなら、今後の日本の経済運営は気象庁に掛かっているということか(多分違う)

通行人 (2006-12-10 14:37)

今年って天候要因って何かありましたか?

前から密かに、個人消費って意外と経済政策感応度が高いんじゃないかみたいに思っていました。調べちゃいないですが。タクシーの運転手との会話とか、意外とマクロ的にまともな反応をされているのが面白いです。もしかしたら、消費者金融問題かも。

bewaad (2006-12-12 06:13)

>通りすがりさん
長期の話はこちらもまったく自信はありません(笑)。で、気象庁は予報するだけですから、ここは気候そのものを変えるため、国家事業としての加持祈祷の復活が求められているはずです(絶対違う)。

bewaad (2006-12-12 06:14)

>通行人さん
夏は全般的に涼し目だったのではないでしょうか。消費者金融の貸し渋り問題は、もしあるとすればこれから本格化していくことでしょう。

通りすがり (2006-12-12 22:48)

通行人さま>
7月は梅雨明けが遅れて天候不順になり、同月の消費指標が軒並み下がってしまったんです。これが7-9月期のGDP上の消費支出を大きく押し下げる一つの要因となったことは確かです。
参考URLとして景気ウォッチャー調査の8月分(http://www5.cao.go.jp/keizai3/2006/0808watcher/bassui.html)を上げておきます。冒頭のコメントをお読み下さい。
ちなみに一般的な経済学的な理論では、個人消費はむしろ経済政策感応度が低いと思われます。というのも減税では中立命題が働きやすいし、そもそも一人当たりの生活費はそう簡単に変化させられないからです。(急に生活水準が変えられないのと一緒)

bewaadさん>
そうかあ、究極の経済政策は古代へと戻るのか(だから違う)
とはいえ天候ひとつで実体経済に影響を与えることも確かなことなので
あまり馬鹿には出来ません。つくづく経済とは難しいものだと感じ入ります。

bewaad (2006-12-13 06:39)

>通りすがりさん
伝統を大事に、とは現政権の金看板ですから、きっと加持祈祷の復権も含まれているのですよ(大いなる勘違い)。

真面目な話として、気候の影響が少なからずあるとして、その程度でへこたれないだけの足腰を作れということではあるのですが。

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本石町日記さんによると、自民党の中川幹事長*1が日銀に関して日銀には『平成の関東軍』などと言われないよう心から期待したい」と言ったそうです。 本石町日記 : 12月利上げ、織り込み進む=統計は悪いのに… (ps平成の関東軍?) まあBewaadさんが指摘されているよ


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