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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2006-12-23

[media]大淀病院産科休診

以前取り上げた大淀病院事件が、さらなる悲劇を呼ぶ可能性を高くする結果に終わりそうです。天漢日乗で紹介されていたNHKのページは削除されているようですので、別ソースから。

奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、重体になった妊婦(当時32)が計19病院に搬送の受け入れを断られた末、大阪府内の病院で死亡した問題で、同病院が来年3月で分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することがわかった。同病院の産婦人科にはこの妊婦を担当した常勤の男性医師(59)しかおらず、長年にわたる激務や妊婦死亡をめぐる対応で心労が重なったほか、別の産科医確保の見通しが立たないことなどが理由とみられる。

県などによると、同病院は来年3月末で産科診療を休止し、その後は婦人科外来のみ続ける方針。スタッフの拡充を検討したが、県内の公立病院に産科医を派遣してきた奈良県立医大の医師不足などから、新たに医師が確保できず、分娩対応の継続ができないと判断した。病院側は同日、院長名で事情を説明する文書を張り出した。

男性医師は県立医大から非常勤医師の応援を得ながら、年間150件以上のお産を扱っていた。宿直勤務は週3回以上で、妊婦が死亡した後、「ここで20年以上頑張ってきたが、精神的にも体力的にも限界」と周囲に漏らしていたという。

県南部では、県立五條病院(五條市)が4月に産科医不足から分娩取り扱いを中止しており、大淀病院がお産を扱う唯一の病院だった。県幹部は「早急に県内の周産期医療のあり方を見直さねばならない」と話す。

朝日「奈良・大淀病院、分娩対応中止へ 県南部のお産の場消える」

仮に当初の毎日新聞の報道のとおり、医療ミスであったとしても、なんとかそこで産科医療が継続されるような方向での論評が望まれたケースであったとwebmasterは考えます。記事にあるとおり、大淀病院が奈良県南部での唯一の産科診療の選択肢だったからです。悪いことをしました、だから潰しますでは、困るのは現地の妊産婦ということになってしまいます。

しかるに、本件は医療ミスだったとの報道は、webmasterが関連情報を見る限りは間違いだったと言ってよいと思います。大淀病院の産科医をはじめとする関係者は、当時の切迫した状況・限られたリソースの中で、ほぼベストといえる対応をしたと評価できますし、それでもなお死が避けられなかったからといって責任が追及されるようでは、誰もがしり込みして当然です。

そのような報道を行い今回の残念な結果をもたらした毎日新聞こそ、その責任をとことんまで追及されるべきでしょう。速やかに自らの誤報を認めた上で謝罪を行い、新しい産科医の人件費を丸抱えしてでも大淀病院での産科診療継続を図るべきです。今後奈良県南部において妊産婦に何らかの問題がおき、大淀病院に産科があればなんとかなったのに、ということがあった場合、そうした事態を招いた原因の過半は毎日新聞の報道に帰せられるのですから。

[politics]本間政府税調会長辞任問題雑感

本間正明氏から吉川洋氏へか。なんか知らんけどもむちゃくちゃ不安な人事ですね(もっと率直にいいたいところが本心だよなあ。簡単にいうと人間力が……パペットってか……bewaadさん頼むw)。

「誰かのパペットになるのか?」(@Economics Lovers Live12/21付)

そのようなことをおっしゃられましても、本当に吉川先生になるのかもわかりませんし、仮にそうだとしても、吉川先生の人となりでしたら、学界つながりでむしろ田中先生の方があれこれ知るチャンスが多いのではないでしょうか(笑)。というわけで、せっかくいただいたリクエストにはあまりお応えできないのですが、その余のことを徒然なるままに。

  • 日銀の福井総裁もそうですが、この手のスキャンダルでは辞任の話が盛り上がるというのに、本職での失敗‐端的には、未だデフレから脱却できていないこと‐については、辞任はおろか問題視する発言すら公にはほとんど見ないというのは、webmasterには理解はできても納得はできません。世の中の期待するその手のポストに就く人間像というのは、私人としてクリーンでありさえすれば、専門的能力はどうでもいい、ということなんですねぇ(やっぱり、専門的内容はブラックボックスということなのでしょう)。
  • 本間先生を経済財政諮問会議の民間議員として引っ張りあげたのは小泉政権でしたし、官舎への入居も小泉政権時代だというのに、現総理の任命責任ばかりが取りざたされているのは、マスメディアの論調は世の鏡でしかないことを考えれば、本当に国民的人気を得ていた小泉前総理に対して、人気がバブルでしかなかった現総理、ということを端無くも表しているのだとwebmasterは思います(いまさら前政権を批判しても仕方がない、ということではあるにせよ)。復党問題以来、いろいろな失敗が重なって人気が落ちてきていると見られているわけですが、むしろ岩盤となる人気がないからこそ、ひとつひとつの失敗が大きなダメージにつながっているということなのでしょう。
  • 復党問題といえば、それ以降は道路特定財源問題についても本件についても、中川幹事長が一歩も二歩も引いているというのは、彼の権力の増大を快く思わない官邸の意向の表れであると考えてよいでしょう。中川幹事長からすれば、お手並み拝見ということだったのでしょうけれど、その結果がこれでは、かえって党内の少なからぬ人に「中川幹事長はさすがだ。それにひきかえ・・・」という印象を与えただけなのでは(笑)。
  • 結局、口では田中派的な政治手法への攻撃をしておきながら、「汗は自分でかきましょう、手柄は人にあげましょう」(by竹下登)的な黒子をきちんと配置していた小泉総理は(飯島秘書官、竹中大臣、中川国対委員長ら(いずれも当時)、そして数多くの霞が関関係者)、その強みも十分にわかっていたということなのでしょう。他方で、非田中派的政治手法への批判を額面どおり受け取ってしまい、それから本気で決別してしまった現政権は、官邸という狭い世界ですら俺が私がの大合唱で、まして党内その他はいうもさらなり、といった状況であると。
  • このように人情の機微に疎いという現政権の特徴を踏まえれば、次期税調会長が誰になるにせよ、路線転換はあり得ず、法人税減税その他は引き続き推進されるのでしょう。名を捨てて実をとるか、名をとって実を捨てるか、いずれもできずに名も実もということでは、似たような失敗が繰り返されるだけだとwebmasterは思うのですが。つまりは、田中先生のご質問にお答えするなら、誰がなってもパペットとしての振る舞いを求められるのは、本間前会長のときと変わらないのでは、ということになります。
  • 財務省が本間前会長を好まずリークした、という説がメディアでは多く見られ、官邸もそれを疑っていたようですが、本当にそうであるとすれば、国民福祉税のときの失敗をまったく活かせていないといいますか、短期的な目的を達成したとしても、中長期的には警戒されてバッシングを受けるだけだというのに、バカなことをしでかしたものです。仮にそうであったとしても、この手のことは「沈黙は金」であるに決まっているというのに、実際、財務官僚の一人は舞台裏について「宿舎の件はうち(財務省)が用意し、自民党税調のインナーが引き金を引いたという感じかな」と言ってはばからない産経「首相官邸 危機管理また不発 成長戦略「顔」こだわり」)とは、愚行の上に愚行を重ねているとしか言いようがありません(実際にはそうでないのに、いい機会だと強がっているなら、もっとバカですが)。参院選に当たって、集票のための「抵抗勢力」認定を受ける可能性がずいぶんと高くなったのでは?
本日のツッコミ(全100件) [ツッコミを入れる]
koge (2006-12-23 16:14)

>このように人情の機微に疎いという現政権
前政権もそういわれていたのに現政権はさらに輪をかけてですからねぇ…しかも野党をみても民主も社民も共産もそういうのはなさそうですからねぇ。
そういうものをなくすことが国民の要求であり、それが現代なのだといわれればそれまでですが。

西麻布夢彦 (2006-12-23 20:42)

> 日銀の福井総裁もそうですが、この手のスキャンダルでは辞任の話が
> 盛り上がるというのに、本職での失敗‐端的には、未だデフレから
> 脱却できていないこと‐については、辞任はおろか問題視する発言すら
> 公にはほとんど見ないというのは、
(中略)
> 世の中の期待するその手のポストに就く人間像というのは、私人として
> クリーンでありさえすれば、専門的能力はどうでもいい、ということ
> なんですねぇ
古くはローマ時代から、政治というのは「委任法理」で処理されてますから、「マジメに仕事をする」ことが「成功する」ことより重視される傾向がありますね。
それに、人の首を取るときに、「成果」があるかどうかを論じれば、水掛け論になって決着が付きません。
ソニー等の大手電機メーカーが、成果主義で崩壊したのも、「成果」なるものが客観的に評価できないために、結果として不公平(不公正)がまかり通ったからだともいえます(評価を巡って不毛な交渉が繰り広げられる)。
愛人やファンドからの利益供与なら、証拠もバッチリしてますし、「納得性」も高いですね。(愛人は喜んで「証言」してくれることでしょう)
民間企業でも、海外視察に奥さん以外の女性をつれていったことが、「数年後」「突然」明らかになって辞職に追い込まれる人は後を絶ちません(*)。
外国の例を見ても、ユコス…あわわ、大手エネルギー会社の会長が「突然、脱税をはじめて」会社を失ったりするのが、「資本主義」というものですね。
(全体主義なら「理由」など不要ないのですけどね)
日本も「資本主義」を信奉する以上、「仕事の成果とは関わらず」辞任や逮捕に追い込まれる人が後を絶たないでしょうね。(アーメン)

(*) 独身者は追い落とせないのかって?
  そんなのセクハラ事件の一つでも「仕込めば」簡単です。

韓リフ (2006-12-23 20:49)

吉川先生の人となりでしたら、学界つながりでむしろ田中先生の方があれこれ知るチャンスが多いのではないでしょうか(笑)。>

ところがいわゆる「学界」といっても専門化されてまして、僕は面識もまったくないんですよ。むしろ経済財政諮問会議の特に末期の財務省べったり(吉川先生の理論的主張とどうしてこれが整合的か??という発言を多く見聞)だった印象です。

ともあれご指摘の現状の制度からはパペット化必然論のご指摘はモリタク先生の指摘とも重なることでそうなんだろうと思います。まあ、昔からそうなんだ、ということなんでしょうけども(ちなみにこの種の指摘をある学「会」の専門誌で書いたら反批判されて面食らいましたがw 政府のこの種の委員会の人選をその公式的うたい文句どおりにとる人はかなり多いんだなあ、と)。

地元民 (2006-12-24 00:29)

大淀病院産科休診ですが、医療体制についてマスコミがつっこんだことにより、最悪の事態となった。
結果的に、マスコミがつっこんだことが悪かった。本当でしょうか?
情報の開示が体制にダメージを与えるとしたら、それは業界そのものが末期的状況だからです。
問題の根底には、奈良県の医療体制の構造的な部分が大きいでしょう。

医療業界は、他府県でも似たり寄ったりの処があるでしょうが、地元医科大学を中心としたヒエラルキーが根底にあり、優良事業者の参入を徹底的に排除します。奈良県では特に酷い。数年前にも、聖隷事業団が国立病院の事業主体となろうと手を挙げようとしたのを、医師会と共●党(岡●会)が一致団結して、キャンペーンを張りました。
また、生駒市でも近大病院の進出とうらはらに、旧生駒総合病院が閉院となり、小児科を中心とした二次救急等の空白が続いています
http://www.city.ikoma.lg.jp/blog/2006/11/post_38.html
私は決して生駒市長よりの人間ではありませんが、市民の心情を考えると彼が当選するのも当然という気がします。

そういう医療体制や地域の特殊構造を抜きにして、報道があったことによってより悪い方向に向くこと、その結果、報道そのものを否定することは非常に怖いことのように考えます。

地元民 (2006-12-24 00:37)

>しかるに、本件は医療ミスだったとの報道は、webmasterが関連情報を見る限りは間違いだったと言ってよいと思います。
本当ですか?何をご存じですか?
たらい回しの対象先には、私立の民間病院は含まれていませんでした。
奈良県には天理教による天理病院や近大病院などもあります。
にも、関わらず、そこには問い合わせは入りませんでした。
もし、1時間以内に搬送されて、それでもなくなっていたらこんな大きな話題になったでしょうか?

医療の空洞化とは「中央官僚のかってな思いこみ」で改善されるものではありません。
地域の実態を知らずにこのような意見を出されることに対して、非常に残念で悲しい思いでいっぱいです。

一般論として (2006-12-24 01:30)

(人口当たり)ドクターの数って基本「西高東低」なんですよね。
どうしてもマクロ的に「過剰・不足」で論じがちな方も多々見受けられますが、やっぱり「偏在」が最もシリアスだと思ってます。トータルとしては「不足」なのかもしれませんが、「偏在」を解消すれば事態が改善される余地は大きいでしょう。

変化の兆候は無きにしもあらずですけど、現状ドクターの人事は出身大学が圧倒的影響力を持つのは厳然たる事実で、統制経済故の構造問題が存在するのは否めないでしょう。

shy1221 (2006-12-24 02:48)

>奈良県には天理教による天理病院や近大病院などもあります。
>にも、関わらず、そこには問い合わせは入りませんでした。
どこでも問い合わせればいいというもんでなくて、受け入れ可能そうなところを選ばないと時間のムダなわけで。産婦死亡の前日から「天理よろづ相談所病院」は救急受け入れ中止だったし。19病院の中に、私立の民間病院ありましたよ。ちょっと手元に資料が無くて詳細書けなくて申し訳ないですが。
今回の症例は脳外科、麻酔科、NICU、産科が無ければ対応出来ない症例なわけで、最終的には国循(と大学病院)以外は処置不可能、というのが結果論でした。結果論では、最初から国循に連絡すればよかったのに、ということになりますけど。もし、って言い出したらキリないですけどね。

bewaad (2006-12-24 03:13)

>kogeさん
小泉政権の場合、友敵関係の敵には人情の機微を解さなくとも、友には解していましたから。友にすら解さない現政権とは、そこが違うのかな、と。言い換えれば、建前と本音をうまく使い分けていた前政権と、建前がすべてになってしまっている現政権の違いとでも言えましょうか。

bewaad (2006-12-24 03:18)

>西麻布夢彦さん
実態はおっしゃるとおりだと思うのですが、それでええんかいな、と。白河の清きに・・・なんてことは、200年以上前に言われているのになぁ・・・。

bewaad (2006-12-24 03:22)

>韓リフさん
直接のご面識はなくとも、人づてで、とか(笑)。

ご指摘の点を勘案しますと、吉川先生はパペットマスターに忠実なパペットなんだなぁ、と(笑)。財務省べったりというのも、与謝野前大臣あってのことで、前大臣が竹中路線であれば、そうではなかったのではないか、という気がします。

いずれにしても、役所の主張の理論化は御用学者として難ぜられるのに、官邸のそれは望ましいこととして語られるのは、当事者としては釈然としない気分についついなってしまうわけで。といいますか、最近の役所は逆風が身に凍みているので、官邸人事のような押し付けはしていないんですけどねぇ・・・。

bewaad (2006-12-24 03:31)

>地元民さん
情報の開示というより、大淀病院と担当医へのいわれなき責任の押し付け、ということでしょう。ご指摘のような構造的問題があるならば、それこそ両者に責任を押し付けても状態が改善するはずがないわけです。報道がそれを押し付けたため、結果として県南部の産科を根絶してしまったわけです。ご指摘のような状況だからこそ、本件を個人ないし一組織のミスとして片付けてはならなかったのだと考えています。

関連情報については、エントリでもリンクを張った天漢日乗に多くを負っています。shy1221さんもお書きですが、設備としてのNICUが必須で、かつ、麻酔医等が深夜でも対応可能なだけの余裕がなければいかんともし難かった事態でしょう。そうした余裕のある病院が県内にあれば、ということで、県の医療行政を責めるのであればまだましだったでしょうけれど、あくまで毎日の報道は、大淀病院と担当医(と受け入れ拒否をした各病院)が悪かったというもので、県政を責めるものでもなければ、国政を責めるものでもありませんでした。その結果が、大淀病院の産科廃止なのだと理解しています。

bewaad (2006-12-24 03:35)

>一般論としてさん
地域的偏在もさることながら、(「医療崩壊」の受け売りですが)開業医への偏在、というのも大きな問題であると思います。さらには、産科や小児科を選ぶ医師が減っているという、分野の偏在もあるわけですが。

このあたりは、出身大学の縛りというより、ミクロのインセンティヴの問題なんだと理解しています。出身大学がいくら尻を叩いたところで、勤務医は割に合わない、開業医でいいやという境地に至った者になし得ることは限られるのではないでしょうか。

bewaad (2006-12-24 03:36)

>shy1221さん
補足ありがとうございました。

通行人 (2006-12-24 04:18)

医療関係で最近聞いているのは、大学系列の縛りが解かれた事で、人材が都市部大病院に集中してしまって、以前より偏在が酷くなった(あるいはなりそうだ)という事ですが、認識が違っているのかな。

地方公務員 (2006-12-24 08:00)

>地元民さん
私も地元民ですが(笑)bewaadさんの解釈が正鵠を得ていると思います。

毎日新聞の記事は事案発生から「2ヶ月も」経過しているにもかかわらず、担当勤務医の医療ミスと受け入れ拒否という冷酷な対応がその妊婦死亡の原因だったという書きぶりでありました(であるからこそ県警が捜査を開始した)。

産科医の退職は、その方の心がとうとう折れてしまったことが原因であると考えます。
(ここで思い出したが、TVでの御遺族(夫)へのインタビュー放映では、医師を詰るような発言はなく、もっぱら周産期医療体制の整備を求める発言をしておられた)

有名な尾鷲総合病院での一件も、地元市議会議員による中傷ともとれる発言に産科医の心が折れたことが原因なのですから・・・

事案発生から「2ヶ月」も経っての報道であるならば、県の医療体制の不備や国の政策の不備を指摘するものであってほしかったと思います(最近の毎日新聞の論調は大幅に変化し、またこの報道に触れないようにしているように見受けられる)。

県医師会のアンシャンレジーム?が今回の主原因ではないと考えます。

我が県はH18補正予算で周産期医療センター整備費1,200万円を計上しましたが、そんなにすぐに計上できるならなんで今まで?(もうあきまへんわ、我が県は・・・)

地元民 (2006-12-24 11:55)

>毎日の報道は、大淀病院と担当医(と受け入れ拒否をした各病院)が悪かったというもので、
毎日には、電話で連絡をしました。方向転換できなかったのは、残念です。しかし、毎日の報道がなければ医療行政の問題点を訴える事すらも出来ません。
>県政を責めるものでもなければ、国政を責めるものでもありませんでした。
今回の問題だけが理由ではありませんが「知事が辞める」事も確かです。それまでは、多選批判もなんのその、出る気満々でした。
知事を交代させることが出来、優秀なマネジメントにより、医療行政が改革出来れば短期的な医療の後退は黙認出来るでしょう。新知事候補は、規制緩和のトップランナーです。

NICUが存在していないことが最大の問題とすればその通りです。そして、医師会と岡○会が聖隷医療事業団の進出に反対していなければ、来年度にはNICUが奈良市に出来ていたかも知れません。たら、れば、ですが・・。今、たいへんな財政難の中、奈良市は50億円の起債を行って、元国立病院であった「市民病院」を建て替えなくては行けません。その国立病院が民間へ委譲されていれば、資金調達は民間の責任ですんだのに。その50億があれば、様々な事が出来るのに。

Baatarism (2006-12-24 12:06)

今、NHKで伊藤元重氏が政府税調会長に内定というニュースが流れてました。
インタゲ賛成派が税調会長になるわけですね。(^o^)

地元民 (2006-12-24 12:12)

>地方公務員さん
少なくとも、あなたは奈良県の医療行政が問題だらけであると知った。
毎日の報道がなければ、未だに奈良県医療の問題点に対して気を払わなかったのではないですか?

国立病院委譲の時、市民病院にしてはダメだと市長に掛け合ったし、県会議員にも市会議員にも訴えた。しかし、誰も私の言う意味がわからなかった。誰も医療行政に対して見通しを持っていなかった。私は、今回の事態は起こるべくして起こったと考えています。貴方もおぼろげながら見えてきているはずです。

毎日新聞は、まだましです。
少なくともホスピス建設には大変尽力してくれました。奈良県の医療にあっては、ないのはNICUだけではないのです。

地元民 (2006-12-24 12:33)

>shy1221 (2006-12-24 02:48)
>今回の症例は脳外科、麻酔科、NICU、産科が無ければ対応出来ない症例なわけで、最終的には国循(と大学病院)以外は処置不可能、というのが結果論

その通りです。つまり、救急体制連携全般の不備であり、地域の医療情報を体系的に纏める必要があるのです。新聞報道が無ければ、問題意識すら起きません。あと、奈良県南部のような僻地には、医療用ヘリコプターと、ヘリコプター基地の建設も重要でしょう。

つまりは、医療体制の抜本的見直しが必要です。
「NICUだけ」の小さな問題に拘泥していては、本質的な部分を見失うでしょう。

地方公務員 (2006-12-24 16:50)

>地元民さん
>少なくとも、あなたは奈良県の医療行政が問題だらけであると知った。
毎日の報道がなければ、未だに奈良県医療の問題点に対して気を払わなかったのではないですか?

「知った」ではなく「知っていた」んですが。
最もここまで酷いとは私も想定外でしたが。。。

毎日新聞の報道は確かに我が県の周産期医療の不十分さを十分に指摘してくれました。が、それは「医師憎し、許すまじ」の報道姿勢を前面に押し出したものでした。

ただでさえ県政に関わる報道が少ない県なのに、せっかくのスクープ報道が矛先を間違えてしまったため、その一番大事な守らねばならない部分が吹き飛んでしまった、これが許せないんですよ。

医師に責任をかぶせた報道のため、知事の定例記者会見のコメントはなんだったと思います?

「(妊婦死亡については)残念に思います。」

まあ、なんて他人事なんでしょ(いつもだが)。

某課の職員曰く
「報道が定例記者会見の前でなくてよかった」(報道が知事定例の直後だった)って(毎日新聞に報道されてましたが)。

でもその知事が5選目指してやる気満々だったときに県医師会も大いに支援してましたから、この県は終わってますな。
(5選目不出馬の理由は大淀病院の件では全くない)

平城遷都1300年記念事業に単年度で350億円も突っ込む予定の余裕ある県ですから(そもそも民間企業が流出しまくりの県なのに民間資金100億円も集まる見込みは今のところ立っていません。県庁内部の人間の90%は失敗すると考えています。このまま行けば夕張市状態ですな。)。

その知事を選んでいるのも県民。

行政課題のプライオリティを見失っている県です。

竹馬 (2006-12-24 16:55)

>>地元民様

毎日新聞の報道を問題視している方々の多くは、「皆が問題を直視しました。で、制度を改正して良くしました。しかし、毎日新聞の報道を受けて、患者に向かい合いべき現場には医者は一人も残っていません。」こんな事態を招くのが(毎日新聞側に立ったとしても)せいぜいの報道(それもおそらく誤報)をしているからではないでしょうか。

実際に、今回の報道の変遷を辿れば、当初は現場の医者や医療機関の責任を面白おかしく責めて、終了という姿勢であると多くの医療関係者やそれをウォッチしていた人達に感じさせて、さらに結果としては医師の逃散を招くという最悪の事態を招いているようです。

いくら結果として、制度を改めたとしても、改めたときには、すでに現場には誰も残っていないということです。現在の制度を直接的には改められない、現場をギリギリの努力で支えている決して責めてはならなかった医師等を責めてしまうという最悪の愚行を犯してしまったのでは無いでしょうか?現場の医師達は人間です心が折れてしまっては、制度を変えても誰もついてきません。正しいはずの制度が機能しないんです。

医師達は、彼等(彼女達)なりに現状を必死に訴えていると私は思います。ですが、仰られようにマスコミに取り上げられない限り、国民全体の理解するところにはなかなかなりません。
((世の中においては、官僚は絶大な力を持って、自分達の好きなように制度を変えられると未だに信じている人達も居ますが、)しかしながら、世論や世論に反するとしても正しいことだと確信すれば支えてくれる政治家がいなければ、官僚は決して法制度を変えることはできません。特に今では、官僚が正しいと考えるだけでは制度改正は困難です。)

私は、今回のようなプロとしての姿勢が欠如した報道が続く限り、医療に限らず日本がより良い方向へと向かっていくのは困難だと思います。マスコミは国民の目であり耳であるはずが、目は幻を捕らえ、耳は嘘を囁きます。これでは、脳(世論)は正しい判断を下せないのではないでしょう。

色々書きましたが、本質的に重要なのは、1「正しい制度」だけではなく、2「制度に対応できる現場の維持」だと考えます。しかし、今回の新聞報道は、2については、壊滅的な打撃になっているような気がしてなりません。

地元民様が地域に対する高い見識を持ち、行動もされていることは、書き込みを読みましたので理解しておりますが、「現場への配慮」も有していただければ幸いです。

今の医師達の行動に、明日の官界の姿が透けて見える気がします。
すでに、逃散が始まっている業界に身を置く者として、色々と今回は考えさせられました。

私は奈良県南部における医療の後退が仰られるような短期のものですみ、医療用ヘリやヘリコプター基地等の緊急医療体制が整備されたときに対応できる医師が残っていることを祈らずにはいられません。


ではでは

小児科医 (2006-12-24 17:39)

地元民様、まあそう怒らないでください。
奈良ではたまたま不幸な事でしたが、もちろん奈良だけが不幸なのではありません。北海道でも、沖縄でも、東北でも、関西圏でも大阪南部、兵庫県中北部、京都滋賀北部、和歌山三重で産科はほぼ崩壊です。もちろん東京圏でも横浜も崩壊してきていますし、東京も墨東が産科休止です。
日本全国産科が危ないわけで、来年度以降、日本の皆様が等しく悲しみを共有されることになります。
 安心して他地域の不幸を味わってください。

地方公務員 (2006-12-24 18:09)

>小児科医様
>日本全国産科が危ないわけで、来年度以降、日本の皆様が等しく悲しみを共有されることになります。
 安心して他地域の不幸を味わってください。

東京が崩壊しないと気が付かないんですよね、マスゴミさんも政治家も。何もかもが東京一極集中、地方切り捨て。。。

医療費抑制政策をなぜ皆さん止めようとしないんでしょ?
(医師への妬み・嫉妬が歪んだ形で噴出していると理解しています)

ああ、はよ東京が崩壊しないかなぁ。。。
子供さっさと作っといてよかった(爆)

小児科医 (2006-12-24 18:58)

>>医療費抑制政策をなぜ皆さん止めようとしないんでしょ?

地方公務員様は金銭と福祉に恵まれていらっしゃいますよ。
今の健康保険料だって高いとおっしゃる方が多いです。

まあでも医師への嫉妬が歪んだ形で出るような土地は、医師がいなければ誤診も醜い嫉妬もない美しい郷里になるのですから、私も出て行くことによって喜んでご協力させていただきます。
私としてもこうやって安倍総理の「美しい国」に助力ができてうれしいです。

まあ、私としては東京崩壊どころか、国民皆保険崩壊まで楽しめるのではないかと思う今日この頃です。
 

地元民 (2006-12-24 19:12)

皆様、一度、日本で初めてホスピスを作った聖隷三方原病院や聖隷事業団のホームページを確認していただけないでしょうか?私は決してその施設の回し者ではありません。この事業団は奈良県医療には、ないあらゆる先進的医療に取り組んでいます。その病院が、国立病院の後受医療として進出しようと手を挙げたとき、こぞって反対したのが奈良県○○党=岡○会、と医師会だったのです。ちなみに奈良県ではつい最近まで看護大学すら、ありませんでした。
奈良県民は「キュア&ケアの両立した先端的医療とは何か」を知らされていないのです。ですから、間違った方向に多少ぶれても、奈良県の医療機関や医療体制の問題点を知らしめてくれるマスコミ報道は歓迎すべきものであって、決して排除してはいけないのです。何より、目指すべき事が何かを全く解っていない医療関係者が、いや保身のために改革を阻むことに日夜奔走している関係者が、この県の医療体制を支配しているのですから。

地元民 (2006-12-24 19:13)

地方公務員様
まず一番に知って欲しいこと。
>ただでさえ県政に関わる報道が少ない県なのに
これ本当でしょうか?
奈良県は1/100県という言葉をご存じでしょうか?
人口も総人口の1/100、国土面積も1/100
それから考えると、この一年間の全国版社会面の報道量は非常に多いように思います。
例えば、職員の長期休暇と談合・解放同盟の問題等。これは偶然ではありません。奈良県という自治体が、医療だけでなくおそらく行政改革・行政評価等数多くの分野で立ち後れた地域であると言うことの証左であるように思います。夕張より財政状況が悪い自治体が一番多いのが奈良県ですから。

>医師に責任をかぶせた報道のため、知事の定例記者会見のコメントはなんだったと思います? 「(妊婦死亡については)残念に思います。」
その「知事」が辞めることになったのですから、素直に喜びませんか。

>(5選目不出馬の理由は大淀病院の件では全くない)
もちろん、そうです。では居続けるのが良かったのですか?
長年にわたって、この実態を知っていた人間にとっては、ほんの少しの進歩でもありがたい気持ちでいっぱいです。貴方も数年たてば解るでしょう。このブログの方々が、税制会長が伊藤元重かもしれないというニュースが流れただけで喜ぶように。まだ、正式就任でもなければ、ましてやインタゲが採用になったわけでもない。でも、半歩前進したと思うのです。

地元民 (2006-12-24 19:13)

>竹馬様
>毎日新聞の報道を受けて、患者に向かい合うべき現場には医者は一人も残っていません。
制度の変更が必ずしも改良とはならない事は、消費者金利のグレーゾーン撤廃論議でも明らかです。
間違った制度改革の責任まで報道機関に押しつけるのは正しいこととは思いません。グレーゾーン撤廃論議を一番最初にはじめたのは、司法界ですから。それよりも、報道機関に間違った現状分析や解説を出している関係機関を、どうして断罪されないのでしょうか?

>さらに結果としては医師の逃散を招くという最悪の事態を招いているようです。
リスクを個人に押しつけるからではないでしょうか?そして、ヒエラルキーによって割り当てられるポスト。自分の希望ではなく、教授の指示で行ったのに、マスコミに振り回されてはたまったものではない。殆どの若手医師の気持ちでしょうね。

>現場の医師達は人間です心が折れてしまっては、制度を変えても誰もついてきません。
そうですか?奈良にも立派な医師がいますよ。在宅ホスピス医療のため、連日車の中で仮眠をとることを厭わない優れた医師が。むしろ腐っているのは、あぐらをかいている体制だし、県民そのものです。だいたい宗教法人が代表例です。
○○寺整枝園?「悲田院」の意味を理解すれば、為すべき事は山積していると思うのですが、錦の御旗のように、自分たちは仕事をしたと威張っている。ご本尊と同じようにあぐらを書いている方々の多いこと。
何を持って、尊敬される医師なのか、患者が求める医師とはどのような人材か、それが明確化されないので、諸先輩の待遇と比べて、俺はアンラッキーと感じてしまうのです。
産科医師の果たすべき役割とか、自らのミッションとかを全く考えない、教えない、大学病院の教育も大きく間違えていると思います。彼らにとって、完全に医は算術になっているのです。

地元民 (2006-12-24 19:16)

竹馬様と小児科医様の内容をごっちゃにして返答してしまいました。申し訳ありません。

通行人 (2006-12-24 21:28)

>地元民さん
ここの板はいろいろな問題について深く考えたい人が多く、そしてそれが世間で受け入れられない事が多いため、それ見たことか!と言いたいバイアスが若干かかっています。それゆえ、毎日新聞の報道姿勢に対して、予想した事が起きるべくして起きた事をことさら大きく考えています。その点は、僕も含めて反省すべきだと思っています。

ただね。医もマスコミも何もかもすべて算術ですよ。理想をいくら語っても自身一人しか理想に同感してくれなければ、それは1億分の1にしかなりません。頑張って100人説得してもまだ100万分の1です。その算術がうまく働くように制度を作れば、当事者すべてがその算術に則って行動開始します。
同様に、算術がうまく働かないように制度を作ってしまったり、あるいは報道など極端に影響力が大きい手段で魔女狩りをしてしまうと、当事者すべてがその算術にしたがって、逃散を開始するという事で。
すなわち、これは医者の心の問題ではなく、民間が官に何を求めるのかという問題だと思います。民間人が医療事故を断罪する自分に酔う事を望むのか、医療制度をどう作るのか考えてもらう事を望むのか。マスコミが、医療事故を断罪する自分に酔う民間人を養成するのを望むのか、それとも正しい情報を得たいと考えるのか。

市井の勤務医 (2006-12-24 22:52)

webmaster様。m3で紹介され、拝読した勤務医のものです。
webmaster様のような財務官僚が勤務医について上記の記事のような見識を持ってくださっていることを大変うれしく思います。

医療崩壊の問題は上覧でwebmaster様が指摘なされているようにミクロのインセンティヴの問題です。

ご存知のように日本の医療費はほとんど公的負担であるがゆえにGDP比8%という信じられない少なさで信じられないほどの成果を出してきました。この背景には慢性的な医師の過重労働や勤務医、看護師の低賃金があります。それを持続可能にしていたのは使命感と強大な医局権力です。

しかし、昨今の訴訟、報道リスクの増加および医療費削減政策によりただでさえタイトだったリスクプレミアムのバランスが崩れ、巷よく言う「逃散」による「医療崩壊」が加速度的に進行しています。墨東病院に続いて総務省管轄の東京逓信病院も産科が休診しました。冗談ではなく、このままでは日本中のハイリスク診療科、およびすべての診療科における僻地医療は崩壊します。

イギリスの例を見るまでもなく、民主主義国において医療崩壊は政治的に看過できるものではありません。財務省がどれだけプライマリーバランスと国際破綻によるインフレリスクを説いたとしても国民には受け入れられないでしょう。
しかし、一度医療システムが崩壊すると立て直すには今現在よりはるかに巨額のコストがかかります。イギリスでは毎年医療費公的支出を20%(!)ずつ上昇させているのにまだ医療再建できていないようです。

冗談ではなく、今が政策転換の最後のチャンスです。直ちに財務省、厚労省の両省が政府与党と連携して医療費削減政策を転換することが医療崩壊を防ぐために不可欠です。
併せてwebmaster様ご指摘の通り、現場に責任を転嫁するマスコミ報道やあまりに理不尽な司法判断も改められるべきでしょうが、やはり財政政策の転換が優先します。

私は医師ですが、投資もしておりますので、国債管理と財政再建の重要性はよく理解しております。しかし、このまま医療体制が崩壊すれば結局財政再建は遠のきます。

かつて財務省は一度悲願であったプライマリーバランスを正常化させました。しかしそれは結局小渕首相による巨額の国債発行につながりました。一度の短期的勝利代償として巨大な負債を負ったわけです。

社会保障で同じ過ちを繰り返すべきでは有りません。
本当に医療提供体制が崩壊すれば政治家は財源を印刷機に求めざるを得なくなります。そうすれば「財政再建を求めて社会保障費を削減した結果、かえって財政破綻を加速する。」というパラドックスに再び直面することになります。

目の前の小利ではなく、長期的な安定のためにどうか医療費削減政策の可及的速やかな転換を願ってやみません。

bn2islander (2006-12-24 23:06)

>竹馬さん
>医師達は、彼等(彼女達)なりに現状を必死に訴えていると私は思います

現状を訴えるだけでは駄目だと思います。一般市民が医師の現状を知ったところで、同情するだけです。どのように改善したらいいのか、その処方を知っているのは医師だけなのですが、処方箋が提示されていないので、市民にとってはどうすることも出来ません。

例えば、GDP比が他国に比べて少ないと言う話は聞きますが、具体的に何%あれば適切な値なのか、医師の方々が示す事はないようです。医療のどこに問題があって、どこを改善する必要があるのか、どの辺りに市民の協力の余地があるのかを可視化しなければ、市民としても途方に暮れるだけではないでしょうか。

市井の勤務医 (2006-12-24 23:08)

追記です。

経済財政諮問会議や経団連はビジネスチャンスの意識もあり、混合診療など自由診療の幅を広げようとしております。
そして公的医療費支出を抑えたい財務省にも共感する動きがある屋に聞きます。
確かにより負担できる人が3時間待ちの3分診療に甘んずる必要はなく、ミクロレベルで見れば正しい政策かもしれません。

ただ注意しなければならないのは現在の医療費はまさに公的負担一本だからこそ極めて安価な価格に抑えられているということです。保険診療で1本100円の点滴は自由診療だと2000円で売られています。アメリカも似たような水準です。
混合診療が全面的に解禁された世界で、保険診療一本でやるバカは日本中どこにいません。当然金持ちの顧客の取り合いになり、保険診療は形骸化するか、医療機関のインセンティブを上昇させるために単価(=診療報酬)に著しい上昇圧力がかかることになります。

当然「医は算術なのか!」「赤ひげの志を求めたい。」「保険診療を守るためのプロ市民の署名活動」と言った批判は巻き起こるでしょうが、それが何の効力ももたらさないことはwebmaster様ならご理解いただけると思います。

アメリカは高齢者と低所得者の一部の診療しか公的保険でカバーしていないのにGDP比で日本の公的医療費支出とほぼ等しい額の公的支出を強いられています。財務省の皆様にご理解いただきたいのは「医療の自由化はおそらく競争に勝った医療機関や保険会社を太らせるだけで、公的医療費削減効果はそれほど期待できない。」ということです。

ここを錯覚して、財政再建のために経済財政諮問会議の尻馬に乗ることはおそらくは避けたほうが財務省にとっては(99%の国民にとっても)良いように思います。
現状のサービスをGDP比8%の医療費で提供しているのは明らかにやりすぎなので、自由化すれば適正価格に近づくと考えられ、おそらく医師にとっては自由化のほうがいい未来なのでしょうが・・・。私個人は大多数の患者さんを見捨ててまで金持ちになりたいとはあまり思ってはいません。
色々厳しい提言をいたしましたが、それもwebmaster様が財務官僚には珍しく?聞く耳と高い見識を持ってくださっておられる方だと思ったからです。

どうかこれからも日本のために頑張ってください。

bn2islander (2006-12-24 23:15)

>地方公務員さん
>医療費抑制政策をなぜ皆さん止めようとしないんでしょ?

族議員の崩壊と、日本医師会の弱体化に尽きると思います。厚労省を批判したり、強力な政治力を持って医療政策に自分たちの声を反映させたり、医師の声を代弁する存在がいなくなったからだと思います。

通行人 (2006-12-25 00:32)

そういや医療問題ってバス会社の赤字問題と同じですね。バス会社の知人は、黒字にしたければ過疎部の路線廃止すれば良いと言っていました。もともと市町村からの要望で過疎部の路線を維持し、その代償として補助金をもらっていたので、補助金が無くなれば路線廃止は当然というスタンスです。運賃も自由化してもらえば確実に黒字になるとも言っていました。良く似ています。
これ、経済問題ではなく政治問題です。全部、似たような点を攻撃しています。今まで住民の要求として築き上げられて来た制度への挑戦です。そして、財政再建をダシに「やむを得ない事」扱いされています。明らかに僕らが希望する姿からかけ離れていくにもかかわらず。誰が政治に対してこのような要望を出しているのか、それがいまだにわからない・・・。

元患者 (2006-12-25 02:00)

医療費を抑制するとレベルが下がるのはごく当たり前のことで、現状に非効率な部分がよほどない限り、医療レベルは低下するでしょう。
あとは、国民負担とのバランスをどう考えるかだと思います。
産婦人科医が不足してしまうのは1にも2にも政策的な無策があるかと思います。産婦人科医がたりないなら、産婦人科医の待遇を改善する、地方の医者が足りないなら地方の待遇を改善する。それのみならず、人気の専門部門や都市部の医者の待遇を悪くするということも同時に行えば、間違いなく問題は解決するのではないか。必ずしも医療費の総額を増やす必要があるとは限らない。特に後者は医師会などには絶対受け入れられないだろうから、結局は医者のなかでの意志の統一が図られない。
医師全体で過剰労働が問題であれば、医学部の定員を相当程度増やす必要がありますが、これもまた医師会が反対している。医師会は結局国民に対するサービスより自分たちの立場を第一に考えているだけです。それが悪いとはいっていません。そういった役割をになっている団体というだけです。結局は政治が責任をもってバランサーとならなけらばなりません。目の前に超高齢社会がせまっていることが目に見えているのに、医師会はさらにその先の先にある、医者余りを憂慮して医者の数を絞ろうとしているのです。
問題の構造は単純明快です。

地方公務員 (2006-12-25 02:02)

>地元民さん
この一年間の全国版社会面の報道量は非常に多いように思います。
例えば、職員の長期休暇と談合・解放同盟の問題等。これは偶然ではありません。奈良県という自治体が、医療だけでなくおそらく行政改革・行政評価等数多くの分野で立ち後れた地域であると言うことの証左であるように思います。夕張より財政状況が悪い自治体が一番多いのが奈良県ですから。

県内で発行される全国紙奈良版での県政に関する報道量は多くはありません(いつもお寺などでの行催事の紹介ばっか)。
年中行事を追いかけるのに精一杯かな?赴任する記者の関心がそこにしか向かないんでしょうね。

>その「知事」が辞めることになったのですから、素直に喜びませんか。

県庁内大喜び\(^^)\
でも後継候補、大丈夫?ってな雰囲気で。
今より(多少)ましにはなるでしょうけど、、、
1300年事業はどんどんやるそうでorz
(観光事業への投資の経済効果ってそんなにないっちゅうねん)

>でも、半歩前進したと思うのです。

結果、医療崩壊しました。いや遅かれ早かれそうなったんでしょうが、悔しいのは、誇りと尊厳、使命感を持って医療業務に従事されておられた産科医の方が、このような形で現場を離れざるを得なくなったことです。

県議会でこの産科医不在問題を従前から積極的に追求しているのは残念ながら?共産党だけです。この12月議会で与党から周産期医療センター整備費についての「質問」もありはしましたが。。。(恐らく県立五條病院は膨大な赤字を生み出しているだろう。病院特会で一本なので表面化していないが)

それとマスコミは売れる記事しか書きません。
構造改革、抵抗勢力、郵政民営化、田中真紀子(批判記事ほとんどありませんでしたね)、、、儲けていて(サービスに対する正当な報酬を認めないんですね。これは公務員人件費の問題にも繋がりますが)権威ある医師を攻撃すると溜飲がさがるのでしょう、この国の民は!
(「階層化がはかられておらず、大多数の人びとが同じ階層に所属すると認識している社会」ならではですね(「再分配政策の政治経済学機bewaadさんお薦め権丈善一先生著から)

竹馬 (2006-12-25 02:04)

>>bn2islander様
私は、医師達の義務は現状を訴えるところまでだと思います。現状を改めなければという共通認識ができれば、そこから先は政治の仕事ではないでしょうか。

具体的には、GDP比でどこまでの医療費が必要かは、国民がどれだけの水準の医療を望むのか次第だと思います。そして、それを決めるのは政治の仕事ではないでしょうか。議論が行われた上で、もし国民(政治)が「たとえ崩壊していたとしても、ただ安価であればよし。」と判断するのであれば、それも(正しい選択かどうかは別にして)ありではないでしょうか。

個人的には、そのような状況は望ましいとは思えないため、負担増やむなしかなと考えています。そのためにも景気回復は必要ですよね、bewaadさんが既に書かれているように。

>>地元民様
仰られるとおり、全ての医師達が素晴らしい訳ではありません。当然、現状にあぐらをかいた人達もいることでしょう。(どこの業界でも同じだと思います。)このような人達が糾弾されるべきなんでしょう。

また、マスコミに間違った分析を伝えている専門家や機関が問題だとのことですが、その間違った分析をしている人達は確かに問題ですが、正しい分析を行っている専門家や機関に取材せず、したとしても採用せずに自分達の論調に合っている分析を採用しているのがマスコミの現状ではないでしょうか。(特に今回の件に関しては、二ヶ月という十分な取材期間がありましたが、結局はこのような事態となっております。)誰とは言いませんが構造改革主義のエコノミスト等の主張ばかりがマスコミで取り上げられます。結局、選択しているのはマスコミだと思うのですが。

今回糾弾された産科医が本当に糾弾されるべき専門家とは思えません。そのような人を糾弾することが、やる気がある人達の絶対数を減少させていることも事実でしょう。今回の場合、今後の問題となるのは、制度を改めたときに、機能するだけの十分な数の(やる気のある)医師が残っていることだと考えます。

責められるべきが制度のときに、現場の個人が責められることがあってはなりません。

これは一般論ですが、現在の日本においては、どのような制度にすべきかという議論が必要なときに、議論をするよりもスケープゴートを見つけ、全ての責めをそこに負わせようという「悪人はアイツだ!アイツを締め上げろ!」という安直な議論しか起きないことが心配でなりません。予備知識の必要なあるべき議論をすべきときに、このような安直な議論をすることは、関係者を萎縮させ、あるべき制度改正を行う意欲を失わせるだけになっているのではないでしょうか。

「唇寒し」これが、私の職場でも流れている空気です。誰だったかな「日本の政治は嫉妬である。」という言葉があった気が・・・
地元民様のようなきちんとした認識を持った方々が増えれば、我々もより良い仕事ができるようになります。正直に言って、地元民様がマスコミ関係者だったらなぁと思ってしまいました。


ではでは

地方公務員 (2006-12-25 02:33)

追伸

来年度県立奈良医大に開設予定の「総合周産期母子医療センター」ですが、おそらく産科医は確保できませんので、期待しておいてください。

以上

bewaad (2006-12-25 06:33)

>地元民さん
あくまで個人的な好き嫌いなのですが、何らかの大義のために犠牲になる個というのは、もちろん不可避である局面はあるにせよ、できるだけ少なくあって欲しいと思うのです。確かに今回の報道によって奈良県の医療行政は改善に向かうかもしれません。しかし、大淀病院の産科診療が休止されることに伴い、何らかの不便をこうむる、あるいは最悪の事態を考えればそれゆえに死亡してしまう、という人が出てきた場合、それは県政の改善のために不可欠だったのでしょうか、と考えてしまうのです。

#他都道府県の産科への影響ももちろんあるでしょうけれど、それを脇に置くとしても。

少なくとも、県の医療行政等に問題があるとして、それへの「告発」はこのような形をとる必要はなかったわけです。大淀病院の担当はほぼベストを尽くしたし、受け入れ拒否をした側にもやむを得ない事情がそれぞれあった、そもそもの問題は・・・という報道であれば、大淀病院の担当に限らず産科医も「心が折れる」ことがそれほどなく、今よりもより悪影響が少ないまま改善を図ることができたのではないでしょうか。

bewaad (2006-12-25 06:40)

>通行人さん
勤務地と分野を自由化すれば、より高収入、あるいは同じ収入であればより低リスクの職場を選ぶ人が増えるのは自然なことでしょう。

bewaad (2006-12-25 06:46)

>地方公務員さん
奈良県政の実態についてあれこれコメントできる立場にはありませんが、いろいろな分野が財政危機の声におされ、どれだけ必要かではなくどれだけお金が出せるかによって決められていることが、医療関係の窮境の一因だと思います。

もちろん無い袖は振れないわけで、予算制約に服することは一般論としていえば当然のことではあります。しかし、本当に収入を最大化できているのか、というのは当サイトで繰り返し問題提起してきたところですし、収入を増やす努力もなしに支出を減らすことに奔走することの副作用は、今やあまりに多岐にわたる分野にどんどんでてきているように思います。

bewaad (2006-12-25 06:49)

>Baatarismさん
金融政策を議論できない立場に押し込められちゃいましたねぇ、というのは僻みが過ぎますでしょうか(笑)。

bewaad (2006-12-25 06:57)

>竹馬さん
おおむね同じ意見だと思うのですが、マスメディアが世論をゆがめている、というのは違うような気がします。マスメディアにしても読者が金を払って見たいと思うものしか提供できないのが実態ではないでしょうか。

なんでもかんでも経済情勢に引き寄せすぎとの批判はあるでしょうけれど、衣食足りて云々というように、まずは全体として豊かになってこそ、おっしゃるような傾向に対して疑問を持つ余裕も出てくるのだろう、というように個人的には思っています。

bewaad (2006-12-25 07:07)

>小児科医さん
医師側の問題としては、小松さんの「医療崩壊」を読んだ感想としては、日本医師会という団体がどれだけ医師を代表し得るか、という点が大きいような気がしました。医師の訴えを聞いてどう対応するかが政治(ひいては全国民)の問題であるとして、そこでどのような訴えがなされているかについては、医師側の努力を期待したいと思います。

bewaad (2006-12-25 07:17)

>通行人さん(2006-12-24 21:28〜)
医もマスコミも算術だというのはおっしゃるとおりだと思いますが、その伝でいけば財政再建を支持する者というのもまた算術だと思います。例えば三位一体改革による税源移譲や交付税削減により、明らかに東京都は大儲けをし、東京都民への行政サービスは手厚いものとなっています。

私の推測では(何度か書いていますが)、かつては都市住民といっても地方から出てきていた第一世代が過半だったのが、その世代が現役から退く一方、第二世代・第三世代という生まれながらの都市住民が増加することにより、都市と地方の紐帯が弱ってきたことがその主因ではないかと考えているのですが。

bewaad (2006-12-25 07:26)

>市井の勤務医さん
m3で紹介されているとは存じませんでした。もちろん私は見ることができませんので(笑)、そこで当サイトのここがおかしいとかあそこがおかしいといったような議論がなされていましたら、ご紹介いただけるとありがたいです。

これまでいろいろな方へのお応えでも書いてきたので繰り返しませんが、やはり収入が現状でせいぜい、という前提からすべてをはじめる緊縮路線が問題なのだと思います。日銀も諮問会議も財務省も誰もがマクロ経済の運営に責任を持たないというおそるべき状態なのですが、それを問題視する声はほとんど聞こえてこないわけで・・・。

bewaad (2006-12-25 07:29)

>bn2islanderさん
そこは専門家同士のコラボ(笑)でいいのではないでしょうか。あえて申し上げるなら、例えば権丈先生が経済学者としてご指摘のような点について数字を出したとき、医師側はそれを積極的にプッシュする(もちろん検証の上で納得すれば、ではありますが)という形での連携がふさわしいのではないでしょうか。経済学は分業の利益を唱導する学問でもありますし(笑)。

bewaad (2006-12-25 07:34)

>元患者さん
加えて、家計による医療・介護の自家供給に依存してきた構造が崩壊しつつある現状が、より事態を深刻にしているのでしょう。

竹馬 (2006-12-25 13:01)

>>>bewaad様
そこは、私はまだマスコミに(相当程度)期待している若造なんですよ、きっと(笑)。彼等も食べていくために、需要に応えているだけなのは頭では分かっている(分かったつもりでいる?)んですけどね。

ではでは

bn2islander (2006-12-25 22:20)

>竹馬さん
負担増は私もやむを得ないと考えますが、たたき台があった方が良いと思うのです。「現在の医療費水準だと提供出来る医療水準は○○である」とか「医療側は○○の待遇が必要であり、そのためには医療費を○○億増大する必要がある」等々具体的な事がわかればイメージしやすいのではないかと。

医療側も政治を構成している一員である以上、医療側から政治への働きかけも重要だと思いますが。


>bewaadさん
「医療崩壊」を賞賛している医師の声は色々ありますが、「医療崩壊」を出版した朝日新聞社を賞賛している医師は皆無に近いようなのが面白いところですし、興味深いところでありますね。

竹馬 (2006-12-26 04:51)

>>bn2islander様
その仕事こそが、行政の役割だと考えます。自分の考えでは、そこがまさしく専門家としての行政の仕事ではないかと。今回で言えば、奈良県や厚生労働省の本来の役割ですね。

問題は、現在そのような分析を行政が行った場合に、「逼迫した財政状況も省みず、焼け太りを図っている。」との批判が予想されているため関係者が萎縮して、本来果たすべき役割を行えないことではないでしょうか。

やはり、ここは経済を拡大基調に乗せて、貧すれば鈍すからの脱却しかないのでしょうね、Bewaadさんが仰っているように。

ではでは

Rosewood (2006-12-26 08:52)

>bn2islanderさん

医師会(これが開業医ではなく、病院勤務医の意見を代表をしているのか?という問題について、またその弱体化については別の議論が必要と思います)が昨年、医療の現状を維持するには医療費を最低3%増加させる必要がある、と訴えたことは新聞でも報道されたのでご存知のことと思います。しかしその訴えは、NHKをはじめとする「高給取りの医師が何を言うか」(医療費増大は医師の人件費によるという大誤報)というネガティブキャンペーンに利用されただけでした。

匿名の「政府関係者」の「医師会も今度ばかりは無理だと悟っただろう」という言葉を引用して、医師達がこの期に及んで何を寝ぼけたことを言っているのかと読者に印象付け、医療費が削減されると現実にどのような事態が生じるのかについては一片の考察もない(考察できないのでしょうが)新聞記事を目にしたときの怒りは忘れられません。

医師たちが声を上げても(処方箋を示しても)マスコミは取り上げないばかりか、逆にそれをネガティブに利用しているのです。マスコミ(および行政、司法)に対する怒りとともに激務を続ける動機を失っているのは産科医だけではありません。マスコミに頼らず国民に日本の医療の現状を知らしめるためには、実際に一度医療が崩壊するしかないと考えている医師は少なくありません(もちろん崩壊した方がよいと思っているわけではありませんが)。

bewaad (2006-12-26 12:53)

>竹馬さん
私もついついメディアには愚痴ってしまいがちなのですが、自戒を込めて忘れちゃいけないな、と思っています。

bewaad (2006-12-26 12:53)

>bn2islanderさん
朝日本社と出版社との評価の違いは、それこそ市場として想定するセグメントの違いを反映しているのでしょう。朝日新聞(等)への批判は、実際のところはそれを欲して供給させている消費者へのそれになるのが理屈ではありますが、それをやってはますます反発を招いてしまいますので、そうしたリスクを回避するためメディアへの批判になると。マスメディアも、こうして考えると同情の余地はないわけではないな、と(笑)。

bewaad (2006-12-26 12:54)

>Rosewoodさん
おっしゃることはよくわかります。ただ、あえて申し上げれば、例えば医師の側でも、公共事業費は無駄だからもっと削減して社会保障費に回せとか、そういった意見が少なくないのではないでしょうか。もし私の推測が外れていればごめんなさい、ということではありますが、他の自らに対する無理解は、自らの他に対する無理解の鏡でもあるように思うのです。

そうした現状に対して、私はかねてから構造改革主義者の分断統治であると申しておりまして、それに嵌められることなくお互いに実は自分たちと同じように苦しんでいるのかもしれない、という相互理解が必要ではないかと考えております。政府がそうした風潮を煽っているのは事実で、そこに籍を置く身がいうのは忸怩たるものがあるのですが・・・。

やぶい (2006-12-26 13:15)

bewaad (2006-12-25 07:26)さん
>日銀も諮問会議も財務省も誰もがマクロ経済の運営に責任を持たないというおそるべき状態

現在、経済産業省経済産業政策局で社会保障を扱うなど、官界ではマクロ経済全体の運営にかかわる動きが出てきていますが、是非この動きを大きくして国家の役に立つものにしていただきたいです。

koge (2006-12-26 20:02)

>Rosewoodさん
ならばバラバラに逃散するのではなく、「医療崩壊」とはこういうものだと知らしめるためにゼネストでもやれば…とも思いましたが、なんせこの国はあの「英国病」時代にもなかった、「労働運動の暴走」に資本家・経営者ではなく消費者が自ら攻撃を加えたというできごと(上尾事件)があった国ですからねぇ…。英国もサッチャリズムを経て医療が崩壊したそうですが、この分だとサッチャリズム程度じゃすまないような気がします。
個人的には、今の日本は消費者の欲望や期待水準が自分たちで生産できる量をはるかに超えているんだと思います。それに対応するため労使ともども低賃金で過労死するほど働いて安い商品を消費者に提供し、それを見た若者はこれじゃ割に合わないと、消費者であり続けるため労働から逃走しニートになる…。大陸欧州のように自分たちが無理なく生産できる量しか消費しないという社会的合意を得るのは無理でしょうが、これなら米国の弱肉強食=生産した財・サービスの分だけ消費できるという格差社会のほうがまだマシのような気もしますね…。

bn2islander (2006-12-26 21:35)

>Rosewoodさん
失礼ながら、失念しておりました。言われれば思い出す程度の事と言うのが正直な所です。医師会が診療報酬の3%増額を要望するのであれば、私自身としては否定する理由がありません。

医師会の戦略にも問題があったと思うのです。まず、診療報酬の増額を要望する相手が、厚生労働大臣と言うのは筋違いなのではないかと思います。政治を活用した方がよろしいのではないでしょうか。

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国会に提出される前の与党内での議論の時に日本医師会としての考えを明確に提案し与党の国会議員に理解してもらう活動をしなければ変わらないのです。国会議員は国民の投票によって選ばれてきます。つまり国会議員は国民の代表なのです。前執行部の先生方からは私と武見参議院議員にさえも何の情報も提供されませんでした。
http://www.nishijimahidetoshi.net/report/detail.php?RN=286
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次に、要望などと言うものはマスコミはなかなか取り上げないと思います。日弁連はあきれるほど多くの意見書を出していますが、マスコミに取り上げられたのはほんの一部でしょう。http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/index.html

Rosewood (2006-12-27 07:46)

>bewaadさん
公共事業費と医療費を比較する議論は確かによく耳にしますが、私の周囲では「公共事業費を社会保障に回せ」というものではなく、年間30兆円という医療費が本当に高いのかという文脈で比較されることが多いように思います。

GNP比8%の医療費(アメリカの半分、総額で言えば1/10)、OECD加盟国では最低ランクの人口当たり医師数で世界最長の寿命、世界最低の周産期死亡率を実現している日本の医療費が、コスト対効果で考えて本当に高いのかという議論がなされず、「医療費が高い」という前提からすべての話が始まっていることが大きな問題だと思います。

医師の苛立ちは、1.行政からの医療費抑制による締め付けと、2.患者、マスコミ、司法からの権利意識増大による過大要求との板ばさみになっていることが根本の原因だと考えています。分断統治はマスコミ、司法を介して業界の枠を超えて国民にまでおよび、すでに新たな士農工商が作り出されいるのではないでしょうか。

医療費削減政策が「ゆとり教育」と同じ道筋をたどることは目に見えています。あわてて修正しようとしても、取り返しのつかない空白が生じることも明らかです。

>kogeさん
ドイツでは大学病院で医師のストライキがおこなわれ、そのために死期が早まった患者もいること、しかし市民の中には医師を擁護する意見も少なくないと聞きました(しかしマスコミが一切報道しないので、情報はドイツ人医師の友人からの伝聞のみです)。日本で同じことが行われればどれだけの医師バッシングが生じるかは容易に想像できます。疲労困憊の医師にはそれに耐えるだけの余力はありません。

>今の日本は消費者の欲望や期待水準が自分たちで生産できる量をはるかに超えているんだと思います。
ご意見に賛成します。また、医療に関しては司法がそれを後押ししています。最近の医療裁判の結果をご覧ください。不十分な体制であっても何とか患者を救いたいと受け入れ、その結果が患者、家族の期待したものでなければ「十分な治療を受けられるはずという患者の期待権を侵害した」と損害賠償請命令が下され、他方、体制が不十分だからと患者の受け入れを断れば、大淀病院の一件のようにマスコミに散々な非難を浴びせられたあげく、警察が業務上過失致死容疑で捜査をおこなう、というのがこの国の現状です。受診する患者も医療に対する責任を負っている(費用負担も含め)ことについて触れた新聞記事などただの一度も目にしたことはありません。

司法判断に対する防衛医療はすでに始まっています。Evidence Based Medicine (EBM)ではなく、Judgement Based Medicine (JBM)という言葉が半ば自虐的に用いられるようになりました。司法から咎められないだけの検査、治療をおこなうためにどれだけの無駄な医療費が使われることになるのでしょうか。

>bn2islander
おっしゃる通りだと思います。医師会内部の権力争いに明け暮れ、医療を守るための効果的な戦略を何一つ打ち出せない医師会に対して多くの(少なくとも私の周囲の)病院勤務医は幻滅しています。医師会は開業医の権利団体であって病院勤務医の意見を代表するものではないと考え、現状に幻滅しています。ここにも厚生労働省による巧妙な分断統治(診療所と病院に対する診療報酬の調整)が入り込んでいます。

病院勤務医が新たな行動を起こす前に医療が崩壊し、国民が問題の根の深さを思い知ることになることになると思われますが(病院勤務医には人的、時間的な余力はまったくありません)、医師会に代わる活動のひとつとしてこのように草の根でネット上で情報を発信する医師が増えているのは事実です(今年2月の福島県大野病院事件がひとつの発端となりました)。マスコミに対しては、スポンサーの不買運動による抗議が実際に始まっています。実効力についてはまだまだ判断できませんが、多くの医師が「何かせずにはいられない」という気持ちで、新たな行動を起こし始めているのは事実です。

Rosewood (2006-12-27 07:51)

>bn2islander さん
先のコメントで敬称が抜けてしまいました。大変失礼致しました。

bewaad (2006-12-27 08:14)

>やぶいさん
社会保障そのものはミクロな話でして、つまりは額の多寡よりも経済成長率や失業率、物価上昇率といった全体の集計量を対象とするのがマクロということになります。それらについて、どの程度を達成すべき水準かを決め、その成否に何らかの責任を負う者がいないのが問題だと思っています。

bewaad (2006-12-27 08:16)

>kogeさん
ゼネストは外部性があり、フリーライドが可能ですから、よほど統制が確保されないと難しいと思います。ミクロ的には、逃散が合理的なんですよね。

bewaad (2006-12-27 08:25)

>bn2islanderさん
まずは厚生労働省、というのは標準的なやり方ではないでしょうか。政治といっても厚生族ではまとめて抵抗勢力扱いでしょうし、なかなか難しいところではあります。

bewaad (2006-12-27 08:28)

>Rosewoodさん
そのあたりは、経済学関連ですと、慶應大学の権丈先生が精力的に取り組んでいらっしゃって、私も先生の研究から多くを得ています。少しずつではあっても、そのような形で理解は広がっているように思います。

地方公務員 (2006-12-28 02:27)

>bewaadさん
>他の自らに対する無理解は、自らの他に対する無理解の鏡でもあるように思うのです。

この言葉は大切にさせていただきます。。。
自分自身への戒めとして・・・

地元民 (2006-12-28 07:23)

たくさんのお返事に対して、総て会と出来るだけの余裕貸せないのですが・・
地方公務員さん、皆さん
国から委譲をうけた市民病院建て替えのために、奈良市が50億円の起債を行うことをどう考えておられるのか、考えを聞かせて下さい。金利だけでも、二億近くの費用が市民の税金から消えていきます。それくらいなら、初めから外部評価が高い民間病院を招致し、その病院に地域医療に必要な医療を提供してもらえるよう、助成する方が一〇〇倍効果的だったと私は思います。
ちなみに、http://health.nikkei.co.jp/hranking5/
「日本経済新聞社が全国の主要病院長を対象に計4回実施したアンケート調査を総合評価したところ、最高ランクの「AAAA」には、聖隷浜松病院(静岡県)など計13病院が入った。」が、奈良県で開業していればどうなっていたでしょうか。

>>県議会でこの産科医不在問題を従前から積極的に追求しているのは残念ながら?共産党だけです。
その共産党=岡○会は、私が説明している旧国立病院から1キロと離れていないところにあります。旧国立病院聖隷事業団が出てくれば、一番きりきりまいをしたでしょう。だからこそ、必死になって「市民病院構想」キャンペーンを行ったのですから。当時の共産党の議員関係者の中でも、心ある方は、あれは間違いだったと認めておられます。

いくら此処で説明しても、奈良県共産党が市場の改革を阻んだ一番の「癌だった」という認識を、あなたにも、その他の方々も、持っては頂けないでしょう。
この状況を5年以上前から予測出来た、といってもおわかりいただけないでしょう。そして、五年前から現状を認識している私からすると、ニュースに出ない貧困医療による犠牲者の話は、例えば私の友人の父なども含め、枚挙のいとまがないほどあり、今回の件は氷山の一角にすぎない、と思うのですが、それには決してご賛同頂けないでしょう。当時、誰も私の言うことを意味がわからなかったように。(正確に言うと、たった一人の共産党市議を除いて)

そして、マスコミがたたいたことが失敗だ、という皆さんの認識に対して、私がここでいくら別の見解を述べたとしても、マスコミの論調とおなじく、多勢に無勢となるでしょう。産科と言うことで言えば、市場のニーズがそこにあるとしたら、敏感な産科医が奈良県の南和地区で個人開業すればすむことなのに・・・
町立大淀病院が経営を続ける必要がどこにあるんでしょうか?
奈良市の妊婦は、個人病院でたくさん出産しています。何か問題があったときは、県立医大へは、奈良市からいくより大淀からの方がずっと近いです。周産期医療も、奈良県の地形からすると県立医大にも、県立病院に作られるべきでしょうが、決してそうはならないでしょう。
個人医をスケープゴードにしたと、マスコミを叩いておられる皆さんの議論に、私は冷静さをかいた議論だと危惧せざるを得ません。

地元民 (2006-12-28 08:00)

ちなみにお産は、病気ではないので健康保険の対象ではありません。出産一時金として30〜35万円程度組合からサポートがあると言うだけです。(ある種・混合医療に近いものでしょう)
産院タイプ別入院出産費http://baby.goo.ne.jp/member/special/04/j/02.html
ですので、ここのお産科の話題が、医療費抑制だとか医師の激務だとかの話へとひろがるのが、私には不思議でしかありません。
医療もサービス業であり付加価値によって価格が異なるのは当たり前のことです。であれば、今後医療は保険と自費が混在する混合診療報酬体系へとならざるを得ません。それが当たり前の時代を迎えようとしているのに、ある種混合医療が実現化している「お産」ですら、このような展開となってしまうことについても大きな疑問を感じます。
今後は「医療マネジメント」「医療経済学」について充分検証されることが必要であると思います。

bn2islander (2006-12-28 08:26)

>bewaadさん
標準的なやり方だとは思いますが、診療報酬の増額を厚生労働省に要望すると言うことは、利害関係の調整を要望されている事と同義だと思います。行政の領分を超えた働きを期待されているかと思います。


>地元民さん
マスコミの報道があろうとなかろうと、大淀病院の産科取り扱いは遅かれ早かれ中止されていたのではないかと思います。ただ、マスコミが取り扱ったためにハードランディングになってしまった可能性はあるとも思います。ソフトランディングのやり方もあったのではないかというのがここでの議論の本筋だと思います。

医療経済学に関しては「改革のための医療経済学」と言う書籍が面白いです。これを読んで思ったことは、日本の医療に関するデータの収集と分析がほとんど行われていないのだなと言うことです。医療崩壊が叫ばれていますが、医療崩壊が何をもたらしているのかは検証する必要があるでしょうね。「ゆとり教育」が実際に何をもたらしたのかも我が国では検証していない訳でありますし。

改革のための医療経済学
https://ssl.medica.co.jp/shoseki/2006/cre_html/0605000498.html

bewaad (2006-12-28 08:42)

>地方公務員さん
もちろん私も自身できちんとできているとは限らない話で、気をつけないといけないなぁと思(いつつもついつい自らの物差しで割り切ってしま)っているところです。

bewaad (2006-12-28 08:53)

>地元民さん
少なくとも私は、
○毎日新聞の報道は追及すべきでない責任を追及しようとした誤報であり、
○それが産科医へのディスインセンティヴとして働いた、
というのは否定できないと考えており、それを問題視しています。

他方で、地元民さんのようにかねてからこの問題に取り組んでいるわけではないので、物事の軽重として、毎日新聞の報道よりも現状を招いた要因としてはもっと大きなものがある、というご主張でしたら、なるほどということになり、このような議論にはなっていなかったように思います。

ひょっとしたら単に言葉遣いの問題だった、ということなのかもしれませんけれども、毎日新聞の報道がおかしかった、という理解を否定されているかのように(少なくとも私は)受け止めたところに相違があるのかな、という気がします。

bewaad (2006-12-28 08:57)

>bn2islanderさん
確かに厚生労働省に現状の大転換を求めるのは、客観的に見てもきわめて分の悪い賭けであることは否めません。

スナイプ (2006-12-28 15:21)

>地元民さん
混合診療だから、こうなったのです。
合併症のない正常産は付加価値をつけた個人開業医院へ。合併症や母子リスクのあるお産は高次医療機関へ紹介(保険診療)。しかし受け入れ側は慢性の人員不足で十分な体制がとれないため、受け入れ拒否。もしくは無理して受け入れれば結果が悪かったときには訴訟のリスクを負う。
受け入れ先が見つからないような場所で個人開業する産科医はいません。
と同時に、医療費抑制や医者の過剰労働と十分リンクした話です。

寝食を忘れ移動の車中での仮眠を厭わない真面目な医者が、90%の不可抗力と10%の注意不足で患者さんを失ったとき、マスコミから袋叩きに遭う。その端緒を開いたのが、発生から2か月後に医者の責任のみを問うたある新聞記事だったとしたら、と仮定してもらえばわかりやすいでしょうか。

Rosewood (2006-12-28 15:27)

>bewaadさん
コメント、情報をありがとうございました。こちらでたくさんのことを学ばせていただいております。今後も自分なりに勉強を続けていきたいと思います。

>地元民さん
>市場のニーズがそこにあるとしたら、敏感な産科医が奈良県の南和地区で個人開業すればすむことなのに・・・
もうそんなバカなことをする産科医はいないということを認識してください。敏感な産科医はお産を取ることのリスクにも当然敏感です。ミスがなくても「刑事訴追の恐れあり」という仕事を取る人はいません。さらに付け加えますが、産科は儲かりません(このことをご存じない方が非常に多い)。ローリターン、ハイリスクの職業が敬遠されるのは当たり前でしょう。多くの産科医は婦人科をはじめ他の診療科に転職可能なのですから。

>ここのお産科の話題が、医療費抑制だとか医師の激務だとかの話へとひろがるのが、私には不思議でしかありません。
産科医不足の現状を認識しておられないのでしょうか。今回搬送が不可能であった最大の原因は、どの病院にも受け入れベッド数とともに、産科医、麻酔科医、脳外科医の数が足りていなかったことにあります。厚生労働省は医療費抑制の方策のひとつとして医師数を抑制すると公言しています。将来の人口減を考えると医師数は不足していないと厚生労働省は主張していますが、実際には不足しています。それは医療の高度化という要因が忘れ去られているからです。医療が高度化すれば専門医が必要になり、これまで以上の医師数が必要になります。近年の医療の高度化、および司法が高度医療を受けられることが当然という判断を下している現実を考慮すると医師数はあきらかに不足しています。

その中で特に激務である産科から(その他の外科系および小児科からも)医師の撤退が始まっています。これがさらに今後合併症を生じた妊婦の搬送を妨げる要因になるのは明らかです。どこが病院を経営しようとも、どれだけ周産期母子医療センターなどの箱物を作ろうとも、そこで働く医師がいなければ医療は成り立ちません。

奈良県は奈良医大敷地内に周産期母子医療センターを作るようですが、そこで働く産科医、小児科医はいるのでしょうか?いるとすればどこからやってくるのでしょうか?奈良医大の医師が兼務するか、患者数の少ない病院から医師を引き上げるしか方法はありません。兼務であれば医大医師の負担が大きくなり、事故の心配も生じますし、適正な賃金が支払われるとも思えません(県立病院産婦人科医が県を提訴したとおりです)。他病院からの引き上げであれば第2、第3の大淀病院が生まれるわけです(厚生労働省はこれを集約化と呼んでいるわけですが、それについて国民にきちんと説明しているとはいえません)。

これらの問題は医師数不足(つまり医療費抑制政策)に起因していると考えます。リンクは明らかです。地元民さんが提起されている問題も重要なことだとは思いますが、もはや経営母体が違っていれば医師が充足し、十分な医療を提供できるというレベルの問題ではありません。

大淀病院の記事を書いた記者本人がその後のコラムの中で、「記事化が必要だと思った一番の理由は、医師個人を問題にするのではなく、緊急かつ高度な治療が可能な病院に搬送するシステムが機能しない現状を、行政も医師も、そして私たちも直視すべきだと思ったからだ」と述べています。然るに初出記事はタイトル「18病院受け入れ拒否」「6時間放置」という事実誤認から始まり、どこからどう読んでもシステムの問題を提起しているとは読めず、医師個人の資質に原因を負わせているとしか思えない記事でした。コラムの内容が事実であるとすればこの記者の力量はまったく不足しているとしか言いようがありませんし、コラムの内容が後付のいいわけであるとすれば、事実誤認に基づいた記事によって多くの産科医のやる気を失わせた(そのうちのひとりが大淀病院の産科医でしょう)「道義上の」責任は免れないと考えます。

>医療もサービス業であり付加価値によって価格が異なるのは当たり前のことです。
であればまず、医師の応酬義務を廃止するべきです。応酬義務下での医師の役割は警察官や消防士と類似しています。これらは社会保障のためのサービスではありますが、市場原理によるサービス業とは異なります。火元住民からの支払額に応じて放水量が決まるというやり方で社会のセーフティネットを維持することができるのでしょうか?医療をサービス業とするには、医師も応酬義務にしばられず、顧客選択の自由が前提ではないでしょうか。故意の治療費(自己負担分)不払い患者であっても、故意の過量服薬や療養に関する指示の不遵守、診断書の内容に関する強要など明らかに治療契約に違反している患者であっても、症状を訴えて院内に一度入れば医師は診察、治療するしか方法はありません。契約不履行の顧客に対しても有料のサービス継続を法律により強要されるサービス業が他にあればご教示ください。ライフラインである電気、水道でさえ契約不履行であれば止められるわけですが。

長文のコメント、大変失礼しました。長文はこれで最後にします。

地元民 (2006-12-28 17:28)

Rosewood (2006-12-28 15:27) さん
>将来の人口減を考えると医師数は不足していないと厚生労働省は主張していますが、実際には不足しています。
>それは医療の高度化という要因が忘れ去られているからです。
>医療が高度化すれば専門医が必要になり、これまで以上の医師数が必要になります。
>近年の医療の高度化、および司法が高度医療を受けられることが当然という判断を下している現実を考慮すると医師数はあきらかに不足しています。

いったいどういうデータから、不足しているとお返事されているのでしょうか?

86才の祖父が心臓の手術をして、2000万円と高額な請求がきたが高額医療費制度でほとんどが支給されで良かった、と喜んでいる方もいらっしゃいます。医療が高度化すれば専門医が必要でしょう。86才の方にも治療は必要です。

財布の量が同じ社会保障費の枠内で、使い方に自由度があるとしたら、もうほんの少しでも母子家庭への補助や児童手当へ回すべきではないか、と思います。2000万円とは、母子家庭の一年間支援額10世帯分です。

高度医療の意味と中身をもう少し、具体的に開示・検証して頂ければ幸いです。

bewaad (2006-12-29 00:33)

>スナイプさん
実態を知る立場にはありませんが、インセンティヴを考えれば、そのようなことがあるのは自然なことだと思います。

bewaad (2006-12-29 00:34)

>Rosewoodさん
こちらこそ、引き続きよろしくお願いいたします。

bewaad (2006-12-29 00:34)

>地元民さん
横からの口出しとなり恐縮ですが、

>86才の祖父が心臓の手術をして、2000万円と高額な請求がきたが高額医療費制度でほとんどが支給されで良かった、と喜んでいる方もいらっしゃいます。医療が高度化すれば専門医が必要でしょう。86才の方にも治療は必要です。

>財布の量が同じ社会保障費の枠内で、使い方に自由度があるとしたら、もうほんの少しでも母子家庭への補助や児童手当へ回すべきではないか、と思います。2000万円とは、母子家庭の一年間支援額10世帯分です。

というのは、Rosewoodさんの問題認識とほぼ同じということではないでしょうか。リソースの集中により、全体としてのリソース量が同じであれば、集中する部分以外はその分だけ手薄になるということですから。以外について集中前と同水準を保つためには、集中を所与とするなら、追加リソースの投入が必要でしょう。

地方公務員 (2006-12-29 02:48)

>地元民さん
>いったいどういうデータから、不足しているとお返事されているのでしょうか?

こんなサイトがありました
http://www.stat.go.jp/data/sekai/zuhyou/1404.xls
先進国で見ると医師数は不足しているようです?
医療費の対GDP比は約8%と最低ランク(アメリカは倍近く)
アメリカのような医療制度になったとしても医療費が節減されるかといえば決してそうではなさそうです。

>もうほんの少しでも母子家庭への補助や児童手当へ回すべきではないか、と思います。

おっしゃられている例でいくと、母子家庭に補助を回しその分見捨てる人を作ると(爆)
「医療の付加価値」ってなんなんでしょうか?
最先端の治療を受けることが付加価値であるとすれば、貧乏人は早く死ね、と言っていることと同義では?と思います。
なお、混合診療を導入すれば貧困医療による犠牲者が確実に増えるのではと思います。

>国から委譲をうけた市民病院建て替えのために、奈良市が50億円の起債を行うこと

立て替えが必要な建物(築40年)だったようですが、民間病院の誘致ならば、その立て替え費用分も補助する必要があったのではないかと思います。
仮に、
民間病院への補助金総額≒起債総額+α
とするならば、起債した方がその償還財源の一定割合に交付税措置がなされます(起債の種類によりけりだが)ので、その方がお得ではなかろうかと(たぶん)。

Rosewood (2006-12-29 04:48)

>地元民さん
30年前の医療と現在の医療の質の差を示すのにどのようなデータが必要でしょうか?今、日本で30年前の医療を再現すれば、医師不足は解消されるかもしれません。しかしそこでは「頭部CT」という選択は存在しなくなります。30年前の医師国家試験と現在の医師国家試験を比較すると必要な知識は数十倍から100倍と言われていますし、それは医師の出発点としての問題に過ぎず、その後に学ばなければならないことは30年前の比ではありません。人間の能力には限りがありますから、知識の増大に対処するには領域を狭める必要があります。

医師数の需要とは医師一人当たりの患者数×患者ひとりあたりにかかる診療内容(具体的には時間)を基に考えるべきであるのに、後者がまったく無視されています。

「医療の高度化、専門化」に限らず、例えばインフォームドコンセントに割く時間、行政に関わる診断書記載等に割く時間、毎年山のように出る新薬についてすべてを把握しそれを患者に説明するにのかかる時間、電子カルテの運用に割かなければならない時間など治療以外の部分での医師の仕事も飛躍的に増加しています。これらの仕事が医師をどれだけ圧迫しているかを知っていただきたいと思います。

例えば北米では医師に秘書が付くことも少なくありません(すべての病院について知っているわけではありません)。カルテ記載を含め、多くの事務手続きなどは秘書がおこない、医師は最終確認をするのみです。日本ではすべてを医師がおこなっています。電子カルテ導入にともない、その傾向はますます強まっています(発生源入力の原則)。

大学病院や総合病院の医師が週に100時間働かないと医療が機能しない現状で医師数が充足しているといえるのでしょうか?賃金、サービス残業の問題、実質夜勤でありながらそれを当直としか認められず過剰な労働を強いられている実態からも医師不足および人件費不足は明らかです(夜勤と当直の違いはご存知のことと思います)。

厚生労働省はこれを医師偏在(地域間、診療科間、病院勤務医と開業医)の問題としており、病院集約化、開業の制限(僻地診療の経験などのハードルを設けようとしている)にてこれを解消しようとしています。その一方で、高齢者については「かかりつけ医」制度を設けることにより病院へのアクセスを制限しようとしています。

これまで日本の医療は病院勤務医と開業医のバランスにより、また国民皆保険制度により、「かかりたいときにかかりたい医療機関を受診できる」という医療機関へのフリーアクセスが成り立っていました。その恩恵を受けている国民は多いはずです。しかし病院集約化や開業制限、かかりつけ医制度が進むともはやフリーアクセスではなくなります。どんなによい病院(聖隷事業団のような)があったとしても、患者は直接そこを受診することができなくなるわけです。

国民がそれを受け入れるのであればよいでしょう。しかし集約化とかかりつけ医制度を導入しても、全体の医師数というパイを広げなければ、例えば、小児病院で予約なしの外来患児は6時間待ち、かかりつけ医を受診した後専門医の診察を受けることができるのは3ヵ月後、交通事故外傷患者でもひとつの救急病院に患者が集中し治療が間に合わず亡くなる、という事態が生じます。これは私が住んでいた国(ホームドクター制、医療費はすべて公的負担(患者負担ゼロ)ただし医療費は抑制されており、医師数は不足している)での実例です。

>情報の開示が体制にダメージを与えるとしたら、それは業界そのものが末期的状況だからです。 問題の根底には、奈良県の医療体制の構造的な部分が大きいでしょう。
この業界を末期的なものにしたのは国の失政であり、奈良県のレベルの問題ではありません(奈良県にも問題があることは否定しません)。

>地元医科大学を中心としたヒエラルキーが根底にあり、優良事業者の参入を徹底的に排除します。
新研修医制度導入により、大学医局の人事派遣能力は明らかに低下しています。そしてそれが条件の悪い病院(地方の公立病院など)での医師不足を顕著なものにしているのです。お隣の三重大学の現状などご存知ではないのでしょうか?ヒエラルキーが存在し得るのは医局が医師を派遣できる状況においてのみです。

どうか問題の本質を県レベルに貶めないでください。bewaadさんがおっしゃるとおり、パイを広げるか、そうでなければ(ある部分での)質を落とすか、方法はふたつにひとつです。これまでパイを広げずに(この20年間の医師人件費についてお調べください)質を高めてきた日本の医療は、医師個人の使命感、献身によるところが大きいのです。元来これが限界に近づいていたことに加え、昨今の医療報道、司法判断により気持ちがポッキリと折れてしまったのです。新研修医制度を経て、十分な権利意識を持った若手医師が一線に出る頃にはこの流れはますます加速するでしょう。

地元民さんが問題提起されていることについて、それに反対したり無関心であるというわけではありません。しかし、もし奈良県の問題が是正されたとしても、奈良県内における医療の貧困化という問題は十分には是正されないでしょう。国レベルの失政の結果や新聞報道が国民に与えるインパクト等を無視し、問題の本質が奈良県レベルの官庁、大学における利益誘導体質にあるとされるお考えには賛同しかねます。

(また長文で失礼しました)

bn2islander (2006-12-29 07:50)

>Rosewoodさん
>医師の応酬義務を廃止するべきです

応酬義務ですが、これに違反すると何が問題になってくるのでしょうか。応酬義務違反に対する罰則規定がない以上、実質的には廃止されており、形だけのものではないかと思うのですが。

Rosewood (2006-12-29 14:41)

>bn2islanderさん
3点思うところを述べます。誤りがあればご指摘、ご教示ください。

1.今回の大淀病院の一件では、受け入れを断った病院を警察が業務上過失致死の容疑で操作したとの新聞報道がありました(真偽については個人的に確認したわけではありません)。今回受け入れを断った病院はそれぞれ合理的な理由があり、応酬義務違反ですらありませんが、診察を断った患者が結果的に不幸な転帰をとったということで捜査の対象となったわけです。個人的には立件されるわけはないと考えますが、少なくとも立件の可能性がゼロではなかったから警察は動いたのでしょう。

これが、受け入れを断った理由に合理的なものがなければ立件される可能性はかなり高くなると思います。応酬義務違反自体に罰則がなくとも、業務上過失致死(あるいは傷害)の「過失」の理由として応酬義務違反が持ち出されることはありえないのでしょうか?応酬義務に反した医師は、断った患者が次の医療機関を受診するまで何事もなければ大丈夫かもしれませんが(それでも民事で患者の期待権や精神的苦痛を持ち出されると賠償責任を負う可能性は十分にあると思います)、次の受診までに死亡や、治療の遅れによる後遺症などが生じれば、応酬義務違反を土台とした業務上過失致死(傷害)で刑事罰を受ける可能性が十分にあると思います。応酬義務がなければ、患者の受け入れを断った時点でそのような責任とは無縁となり、業務上過失致死等の刑事責任を負うことはなくなると考えます。

2.医師は免許制ですので、行政処分の対象となる可能性はあると思います(申し訳ありませんが、過去の事例については認知しておりません)。

3.我々は合併症についてそれを知っていますが、すべてを予防できるわけではありません。現在の警察、検察の捜査立件の流れから考えると、患者の合併症を予防できなかった場合はすべて業務上過失致死(傷害)となってしまいます(可能性があると知っていたのに防げなかった)。ここに応酬義務を当てはめてみてください。「診療を断れば症状が悪化する可能性があると知っていたのに診療しなかった」となり、警察の捜査を受けるのは確実と思われます。つまり応酬義務撤廃とは、単に診療責任の免除だけではなく、診察を断った後の患者の転帰には責任を負わない、という部分が含まれ、これが「医療をサービス業とするのであれば」大切なことではないかと考えます。

地元民 (2006-12-29 15:02)

地方公務員さん、その他の皆さん
>最先端の治療を受けることが付加価値であるとすれば、貧乏人は早く死ね、と言っていることと同義では?と思います。

最先端の治療を受けることだけが、付加価値ではありません。患者にとって、ケアもキュアも重要です。
手術は成功しました。患者は死にました。これはさんざん起きていることですね。
「特にそれのみが付加価値だ」と考えている医療の実態こそが、現在の制度の限界を作り出しているように思います。

寿命には限界があるのです。
85才の高齢者が、2000万円の治療を受けて、翌年別の病気でなくなる(例えば肺炎やノロウィルス等)確率は非常に高いです。

2000万円で、母子家庭が10世帯養えるというのに・・・
今般、生活保護制度の法案改正へむかっています。
母子家庭への支援制度が変わる事が決まっています。どんどん削減される方向へ向かうでしょう。

貧乏人は子を産むな。これがこの国の現実です。
超少子高齢化社会となって、年金システムの問題が騒がれているのに・・・

貧乏人に医療を受けるなとは、一言も言っていません。
医療行為を行う前に、患者に選択させることも一つの方法です。

資源(化石エネルギー)も資金(国家の財政)も有限です。
みなさん、それを忘れて金がない、金がないとおっしゃる。
この国に最も無いのは「知恵」と「規範」です。

地元民 (2006-12-29 15:13)

Rosewood さん
>例えば北米では医師に秘書が付くことも少なくありません(すべての病院について知っているわけではありません)。カルテ記載を含め、多くの事務手続きなどは秘書がおこない、医師は最終確認をするのみです。

その制度を取り入れたら済む話ではないですか?
それは、医療マネジメントの問題であり、財政の効率性を高める素晴らしいシステムです。

>日本ではすべてを医師がおこなっています。電子カルテ導入にともない、その傾向はますます強まっています(発生源入力の原則)。

それが無駄だと考えるのであれば(生産性の面で私も無駄だと思います)現状改革を貴方が(たぶんお医者様と推測しますが)ご自身でなさればよい。
比較優位という考え方からすれば、当然の主張です。
それはまた、医療経済学の分野の話でもあります。

私の意見に反対する理由は何もありません。
むしろ貴方が、マスコミを非難されているのは、自己正当化を図られているだけのように思います。

Rosewood (2006-12-29 16:25)

>地元民さん
絡むようで申し訳ありませんが、少しだけコメントさせてください(今回おっしゃている内容には基本的に賛同しています)。

>「特にそれのみが付加価値だ」と考えている医療の実態こそが、現在の制度の限界を作り出しているように思います。
ここには誤解があります。たとえどれだけ高齢の患者さんであっても、高額だが効果が期待できる(たとえ1%の望みでも)治療を受けずに亡くなられれば、遺族が「十分な治療を受けさせてもらえなかった」と提訴し、裁判所が「十分な治療を受けさせなかった」という理由で病院に損害賠償を命じているのが現実です。このような民事裁判、判決が、どれだけ多いかお調べになってください。

最近では、手術後余命6ヶ月と宣告された末期がん患者に、術後7ヶ月目に生じた(中心静脈栄養をおこなう上で完全に予防することが困難な)感染症を防ぐことができず、患者の「最期の機会」を奪った、という理由で1300万円の慰謝料の支払いを病院に命じる判決が出ています。この患者さんは、中心静脈栄養をおこなっていたからこそ当初の余命宣告を超えて生存しておられた可能性が高いにも関わらずです。もちろん遺族が提訴したからこそ裁判になったわけですが、では一体どうしていればよかったのかというのが多くの医師の反応です。

最近ではこれが民事だけではなく、刑事裁判にまで広がってきています。新潟の呼吸器外しの一件などについてもお調べください(これは簡単に白黒がはっきりつくような問題ではありませんが)。

医師が費用対効果で「あまり意味がない」と考える治療であっても、司法がそれを要求しています。それが以前のコメントにも書いたJBM(Judgement Based Medicine)と呼ばれるものです。

>医療行為を行う前に、患者に選択させることも一つの方法です。
患者自身が選択したという責任を放棄して、予後が悪ければ病院を提訴するという事態が相次いでいます。さらに裁判所の判決がそれを後押ししています(文章による同意書があった場合でさえ)。残念ながら、医師が患者を信頼できない状況が広がりつつあるのです。医師は常に裁判になった場合を想定し、最も安全策と思われる(つまりコストがかかる)治療を選択せざるを得ません。患者の経済的負担を減らそうと工夫した治療が(その時点では患者も納得していたとしても)、後に過失と捉えられたのではたまりませんから。2000万円を高齢者医療から母子家庭の生活保護費にまわせば(医療を手薄にして他に資源をまわせば)、誰か(たぶん医師)が刑事罰を受けたり賠償責任を負う可能性があるのがこの国の現状です。

医療のパイが縮小していく現在、円滑な医療を継続するには医療関係者はもちろん、患者やその家族の「規範」(そして司法関係者の見識)も問われるのではないでしょうか(生活保護費に関しても、本当に困っている人たちだけに支払われているのではないことは周知の事実です)。

>bewaadさん
コメント欄をお借りし、長文の投稿を続けていることをお詫びします。コメントを返してくださる皆さんに対してだけではなく、ROMしておられる皆さんにもこのような意見(これが「医師側の意見」であることは自覚しております)を知っていただきたいとの思いからです。ご容赦ください。また、不適切な点がございましたらご指摘ください。

Rosewood (2006-12-29 16:56)

>地元民さん
投稿がかぶってしまいました。
残念ながらあなたのコメントも意を汲みにくくなってきました。どうやら追い詰めてしまっているようですが、それは本意ではありません。また、ここはbewaadさんの場所をお借りしているわけで、議論のための議論をする場所でもありません。これ以上管理人さんに失礼のないよう、私は一時退散し、しばらく時間をおきたいと思います。

koge (2006-12-29 20:29)

>Rosewoodさん
司法については、bewaadさんが次のように述べています。
http://bewaad.com/20050417.html#p01
立法・行政だけでなく、司法も所詮「民意の暴走」には太刀打ちできないのでしょう。
たとえ国家権力をもって少数派の人権を守ろうとしても、私を含め人間は一度贅沢に慣れるとそれを抑えることはできない(特に宗教的な縛りのないこの国では)ものですから、「既得権」が取り上げられると悲観して自ら命を絶つならいい方でたいがい吹き上がり、それが大多数なら「革命」にまで至ってしまうのかもしれませんし。

地元民 (2006-12-30 08:07)

長文失礼します。
Rosewoodさん
>今回おっしゃている内容には基本的に賛同しています。
・・・・
>残念ながらあなたのコメントも意を汲みにくくなってきました。
どちらなのでしょうか? むしろ、相矛盾するあなたのメッセージからは、ようやく議論になり始めたと感じますが?

はじめに申し上げていたと思いますが、ポイントは「医療マネジメント」と「医療経済学」の話なのです。限りある財源をどのように効率的に使うのか、と言うことについて国民的な議論が必要な時期に来ており、客観性に重きを置いた経済学的知見に基づく学術的調査が重要になってきているのです。(メーカーも含めた医療関係者の利益誘導ではない学術調査が重要です)

>医療のパイが縮小していく現在、円滑な医療を継続するには医療関係者はもちろん、患者やその家族の「規範」(そして司法関係者の見識)も問われるのではないでしょうか

医療費のパイが縮まっている事が問題なのではなく、
1.高齢者の増加に伴う医療費上昇、
2.医師数の増加に伴い業界全体が必要とする資金の増加
3.財源には限りがあるのに健康保険のみでカバーする仕組みを放棄しない事
が問題なのではありませんか?
その結果、必要な人に必要な医療が施されなくなっていること、つまり成立不可能な話を前提に「医療崩壊」だと騒ぎ立てる事のほうが、社会全体の不安のみを増幅させる事になるのではないですか。今必要なことは、医療費の利用についてのガイドラインの策定だろうと思います。

先端的医療に取り組むとしたら医師の数が全く足りない、と仰いました。
平均余命が国民の保健福祉水準を総合的に示す指標であるなら、それが最も長い国である日本において他国の状況を先進事例として、声高に振りかざす必要があるのでしょうか?

すべてのサービスはまず価格提示が行われます。医療、特に先端的医療に伴う高額医療費は、すべて国がフルカバーという状況で価格提示は為されません。もし、貴方に投下される医療費によって、母子家庭○○世帯、児童手当○○○人、という比較による説明があったとき、高齢者の中には自費で治療を望む方や、治療そのものを辞退する方も出てこられるでしょう。

司法に対してもずいぶんと反発しておられますが、司法関係者は経済学的にみれば目先の問題に囚われ経済学的には非合理的行動に走りやすいのは、先のグレーゾーン金利問題であきらかです。司法のキャンペーンは、司法業界のパイの増加にはなっても、国民の福利厚生からすると、闇金の横行に拍車をかけるだけではないか、という議論がこのブログでも行われていました。

本当に本人が望むから必要な処置なのか、それとも医療業界が先端医療に伴う高額医療費が請求出来ること、それによって業界全体のパイが拡がる事になり、そのためにやっているのかをしっかり考えねば行けないと言いたいのです。

現在、サラ金業界は一つ一つの事案が小さいからと言って、手を抜いては行けないのだと必死になって巻き返しを図っています。医師側もこれまでの法廷での勝ちパターンに安住し、患者側からの訴訟攻勢に対処出来ていないのが、現状の結果ではないですか?

そして、何より「キュアとケア」のバランスを考えた統合的医療への取り組みが遅れているからこそ家族からの訴訟がやまないのではないか、という反省が必要でありませんか。法廷へ持ち込まれる事案において、患者や家族の気持ちがきちんと拾えていたのか、そういう属人的な研究がきちんと検証がされているのでしょうか。

医療体制の構造的問題を議論するというのであれば、30そこそこの毎日新聞の若手をバカヤローと叩くのも結構ですが、私からすると業界に属しておられる方々、医療体制を研究・調査し、コメントを出す人たちが、どれだけ現実を直視し問題を理解しているかはなはだ疑問です。少なくとも産婦人科学会が、見せしめのように根津医師を追放している現状からは、医師会の民主化や医療業界の構造改革が最優先されるべき課題だと感じざるを得ません。

元内科医 (2006-12-30 10:50)

>Rosewood様、bn2islander様

本筋に関係ない形でお話に水を差すようで申し訳ありません。
『応酬義務』ではなく『応召義務』ではないでしょうか。
『応酬』では『呼ばれたら呼びかえせ』とかそういった少し面白い感じになってしまう気がします。

Rosewood (2006-12-30 11:08)

>kogeさん
ご教示ありがとうございます。
世論がどれだけ判決に影響を与えるものなのか推し量りかねていましたが、やはり影響はあるものなのでしょうね。素人考えですとそれは法治ではなく人治(民治?)主義になるのかなと・・・もちろん法に基づいてのことですが。陪審員制度もその流れということになるのでしょうか。

自然科学の世界に身を置く者としては法が人により作られたものであるにも関わらず、その解釈に恣意性があることに違和感を禁じえないのですが、それは法というものに対する理解や期待の仕方に誤りがあるからなのでしょうね。もう少し、他の理解の仕方を学ぶように心がけてみます。

>地元民さん
>今回おっしゃている内容には基本的に賛同しています。
→(2006-12-29 15:02)のコメントに対して

>残念ながらあなたのコメントも意を汲みにくくなってきました。
→(2006-12-29 15:13) のコメントに対して

Rosewood (2006-12-30 11:10)

>元内科医さん
まったくその通りです。お恥ずかしい限りです。

bewaad (2006-12-30 12:24)

>皆様
議論が盛り上がっているところで恐縮ですが、当サイトで使用しているtDiaryの仕様上、ツッコミ・コメントは1日のページあたり最大で100となっており、これで91ですから、もうそろそろこの上限に引っかかってしまいます。

ご要望があれば、新たにコメントを寄せていただけるようなエントリを立ち上げてそちらで、ということとしたいと思いますが、いかがでしょうか。

市井の勤務医 (2006-12-30 13:29)

しばらくぶりに見たら非常に議論が盛り上がっていますね。
特に地元民さんとrosewoodさんの議論は見ごたえが有りました。
地元民さんの深い見識に敬意を表した上で一言。
現在の医療崩壊の大きな原因は医局や業界団体の民主化運動抑圧ではなく、医局の支配力が低下し、医師の労働条件が流動化したことが大きな一因です。
このため医師労働市場が流動化し、訴訟リスクが高くリターン(患者の笑顔と収入ですかね。笑顔は訴訟リスクが高まると減少します。)が低い病院や地域、診療科から人がいなくなっているわけです。じゃあどうするかというと、医師の移動の自由を規制するか、患者のアクセスを制限するか、コストを上げるかという話で多分rosewoodさんもこうしたお立場と思います。地元民さんの言う86歳への心臓移植制限(私は大賛成です。)も見方を変えればアクセス制限(自発的にせよ)ですよね。
もし地元民さんの言うようにさらに医療業界を民主化すれば多分奈良の周産期センターで働く医師を見つけるのは相当に困難と思います。むしろ奈良県立医大産婦人科自体診療停止に追い込まれるかもしれません。となるとやはり県レベル、首長レベルの悪者探しで済むとは思えないのですが・・・。

Rosewood (2006-12-30 17:23)

>bewaadさん
ご配慮ありがとうございます。
私の見識など底が浅く、すでに主張のほとんどを出し尽くしてしまっているのはご覧の通りです。しかし、業界の外の方々との対話は非常に楽しいものですので、もし地元民さんもご希望になるということであれば、新しいエントリにお供させていただきます。

>市井の勤務医さん
要点をきちんと抜き出していただきありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。少し元気が回復しました。

>地元民さん
気を取り直して再度コメントさせていただきます。
>ポイントは「医療マネジメント」と「医療経済学」の話なのです。
その領域でのお話しをさせていただく前に、では「30そこそこ(私は記者の年齢を初めて知りましたが。記者を直接ご存知なのでしょうか)の記者であれば事実誤認に基づく記事を紙上に載せても許されるのか?」というポイントについてはきちんとまとめさせてください。そもそもこのエントリは新聞報道についてのものです。この部分をまとめずに先に進むことはできません(つまり多くの医師が憤慨している部分ということです)。

今回、医師が毎日新聞の報道(10月17日付け「意識不明、6時間“放置” 妊婦転送で奈良18病院、受け入れ拒否 脳内出血死亡」)を強く批判しているのには、少し特殊な事情があります。それは、「遺族がカルテのコピーを報道陣に配布し、それがネット上にも広まり、カルテの内容の検証が可能であった」ことです。医師掲示板にも(プライバシーに関する部分などは当然出てきませんが)治療内容が分単位で追えるような情報が提供されました。

その情報を検証すれば、「6時間の放置」などなかったことは明らかです。また「当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、CTの必要性を主張したが、産科医は受け入れなかった」という報道にも全く根拠がないことがわかります。

また、受け入れを「拒否」したとされる18の病院は受け入れが不可能だったからであり、それを拒否と表現するのはあまりにも恣意的です。

更に、奈良医大産婦人科教授が実名で「子癇発作と脳内出血の症状の判別は困難」とコメントをしているのに対し、その後に『匿名の』産婦人科医の「CTによる確認は可能であった」とするコメントが載せられています(この段落の小見出しは「確認可能なはず」)。

問題なのは、CT画像上で出血像が認められるには出血後一定の時間がかかること、また、頭部CTを確認してもしなくても予後に変わりはなかったという可能性が全く無視されていることです。確認できたところで同院では治療は不可能であったわけですし、子癇発作の妊婦の受け入れが困難であった病院で脳内出血を合併した妊婦の受け入れができたとは考えにくいのです。搬送先は結局同じか、もしかすると更に探さなければならなかったかもしれません。

もし、CTを撮ろうとしてCT台上で痙攣発作が起きればどうなったでしょうか?台上から転落して大きなケガを負ったかもしれません。あるいは撮影中であればトンネル内で頭を何度も激しくぶつけるようなことも十分に考えられます。CTを撮り終えるまでは子癇発作と脳内出血の区別はつきません。子癇発作であれば灯りや音などの刺激により強い痙攣発作が再発する可能性が非常に高いわけですから、CTを撮るかどうかは「賭け」だったのです。搬送できるのであれば、CTより先に搬送するほうがよいというのは妥当な判断です(しかしその搬送がスムーズにいかなかった。これはシステムの問題です)。

これらは「CTを撮って診断していれば助かった」という「ニセ医学」に基づくもので、CT撮影が予後に与えた影響(リスク対効果)の評価は複雑であり、「撮っていれば助かった」「撮らなかったから助からなかった」という単純な二分法では表せないものです。その単純ではない部分をきちんと考えていくことこそが本来の「合理的思考」であり「科学的思考」なのです。二分法は、思考停止に他なりません。大手新聞の記者でさえこのような二分法から抜け出せず(倫理的思考ができず)、安易に結論のみを求める風潮についてきちんと検証する必要があるのではないでしょうか(例のパラフレーズです)。

端的にいって新聞記者は科学や医学を理解できていないのです(更には医療のシステムについてもですが)。理解できないまま記事にしようとするから白黒をはっきりとつけてくれる「ニセ医学」を信じてしまうのです。論理的思考の訓練に問題はないのでしょうか。

さらに具合が悪いことは、彼、彼女らは善意で「ニセ医学」を記事にしていることです(更に菊池教授のフレーズをお借りしています)。善意であれば過失は容認されるのでしょうか。善意で記事にしているだけに、地元民さんが「しかし、毎日の報道がなければ医療行政の問題点を訴える事すらも出来ません」とおっしゃるように、記事がニセ医学に基づいていようがいまいが、記事化されたことにより結果として奈良県の医療システムが抱える問題が浮かび上がり、それが改善されようとしているのだからよいではないか、という意見もあるかもしれません。本当にそうでしょうか?このような二分法による報道が、読者の思考停止を引き起こすのではありませんか?例えば「CTを撮れば脳内出血は助かる」といったとんでもない認識(事実テレビ番組で語られたことです。同様の事例は枚挙に遑がありません)が広がり、そのような誤認は必ず医療現場でのトラブルを引き起こします。これは患者さんにも医師にも不幸なことですし、ますます医療の非効率化を招きますからそれを放置するわけにはいきません。

また、国や県のシステムの問題をあぶりだすために、ひとりの産婦人科医の名誉をこれだけ毀損してもよいというものではないでしょう。善意であれば許されるというものではありません。

地元民さんは毎日新聞に電話したが方向転換できなかったとおっしゃっていますので、毎日新聞ともつながりを持った報道関係者の方なのかもしれませんが、記者が記事を書き紙面に載せるという行為は、医師が処方をおこなうのと同様の責任を負うべきと考えますがいかがでしょうか?30そこそこの記者であれば誤報は許されるのでしょうか?医師であれば研修医であっても誤処方の責任からは逃れられません。善意であれば(あるいはある目的のためであれば)理解不足から誤った認識を読者に植え付けても許されるのでしょうか?

ここで地元民さんに質問です。
1.毎日新聞初出の報道と、家族が公開したカルテ情報との齟齬をどのようにお考えでしょうか?
2.「医療システムの問題をあぶりだすため」という理由で、「CTを撮っていれば助かったはず」という「ニセ医学」を読者に植え付けることの是非についてはどのようにお考えでしょうか?
3.同じ理由で、一産婦人科医の名誉を毀損する報道をおこなったことについてはどのようにお考えでしょうか?
4.事実と食い違う報道をおこなった「善意の」「30そこそこの」記者の責任についてはどのようにお考えでしょうか?

元は新聞記事に関するエントリですし、これらは多くの医師の疑問点です。この後医療経済のお話になるとしても、まずこれらの質問にぜひお答えください。よろしくお願いいたします。

>訂正です
ずっと上のほうで書いた呼吸器外しの件は新潟ではなく、富山です。。。

地元民 (2006-12-31 09:39)

>市井の勤務医 (2006-12-30 13:29) さん
お褒めいただき、ありがとうございます。
今回の一連の議論を通じて反省していることは、私自身がアクセスする経路として、具体的事例に基づいた経営研究を行う場を持っていたにも関わらず、優れたホスピタリティマネジメントについての発表することなく、漫然と過ごしてきたことです。

そして、今回の一連のディスカッションを通じて自らの役割をしっかりと自覚したように思います。だぶん、私の発表が認知されるには何年、十数年という時間軸が必要でしょう。いえ、認知されないかも知れない。しかし、
1.医療における優れたサービス(つまり患者の求めるサービス)とは、ケアだけではない事、 
2.医療は決して聖域ではなくニーズに応えることCSが重要であり、そのためにはマネジメントを研究するが必要があること
3.ニーズに見合うサービスを提供すれば、患者はコストを支払う事
4.事業の成功には「パッション」が重要であり、民間の優れた手法に基づくマネジメントの事例研究が医療の分野において今後さらに重要となる事
そういう事例を知っている者として、伝えていく義務があるのだと理解しました。

>現在の医療崩壊の大きな原因は医局や業界団体の民主化運動抑圧ではなく、医局の支配力が低下し、医師の労働条件が流動化したことが大きな一因です。

研修医が過労でなくなった事が原因で医局制度が改められた結果でしょうか?
話はことなるのですが、15年ほど前、大学病院で研修医に別の患者さんの抗生物質を点滴された経験があります。私がそれに気づいたため、私の抗ガン剤をその患者さんに点滴するというとんでもないミスは、防ぐことは出来ましたが、私に対してなされたミスについては、全く何の謝罪もありませんでした。また、絨毛皮腫の掻爬治療においても、麻酔課を通すと処置が大げさになるから、と、気休めに精神安定剤を注射して処置が施されました。両足を縛られ、研修医がたった一人、力ずくで治療するという状況、それを複数回繰り返すという現実は、1990年代の日本とは思えませんでした。確かに命は助かったのですが、病院から出た後、収容所を無事に出た囚人のような気持ちで過ごさざるを得なかったのは事実です。

医師側の言う「医療崩壊」とは、患者が医療の現場を告発しはじめた結果でしかない、ように、私からは見えています。

>このため医師労働市場が流動化し、訴訟リスクが高くリターン(患者の笑顔と収入ですかね。笑顔は訴訟リスクが高まると減少します。)
一般のホスピタリティマネジメント(例えばホテル)と考えが逆転していると言うことをご存じでしょうか。顧客に満足を与えるためには、現場は常に笑顔を振りまかないと行けない、と言うことです。しかし、笑えと言っても、現場は笑えません。マクドナルドでは、スマイル0円と書いてはいますが・・・
そのために経営者がたゆまぬ努力を続けていかねばならないのだ、と言うことをご理解頂けているでしょうか?

>もし地元民さんの言うようにさらに医療業界を民主化すれば多分奈良の周産期センターで働く医師を見つけるのは相当に困難と思います。
そうでしょうね。県立ですから。マネジメントとは何か、という本質からかけ離れた公的セクターが経営を行うのですから。

>むしろ奈良県立医大産婦人科自体診療停止に追い込まれるかもしれません。となるとやはり県レベル、首長レベルの悪者探しで済むとは思えないのですが・・・。

そうでしょうか?公的セクターの出来る権限は大きいと思います。
少なくとも、トップが競争的市場とは何か、それによる効果がいかに大きいかを知っていれば。優れた民間事業者を活かすことが、出来るでしょう。
競争的市場と医療費との整合性、それが最も大きな課題でしょう。

地元民 (2006-12-31 09:39)

Rosewoodさん
まず、お伝えしますが私は記事が出た当日に、報道について毎日の記者と「今回のことは奈良県医療の構造に起因する事だから、そこまで踏み込んで欲しい」と話をしました。それはあくまで、一読者としてお話ししたことです。
決してマスコミ関係者ではありませんし、記者の知人でもありません。
また、この話についてコメントを続けるには時間的制約上、問題が出てくる可能性が大きいように思います。今はあくまでお正月休みなので。

>1.毎日新聞初出の報道と、家族が公開したカルテ情報との齟齬をどのようにお考えでしょうか?
お尋ねしますが、10月17日付け「意識不明、6時間“放置” 妊婦転送で奈良18病院、受け入れ拒否 脳内出血死亡」の報道と家族がカルテをネット上に張り出したのとどちらが先ですか?
記事が先で、ネットの上での発表が後であるとしたら、出てしまった新聞報道について時間を戻すことは可能ですか?

>搬送できるのであれば、CTより先に搬送するほうがよいというのは妥当な判断です>(しかしその搬送がスムーズにいかなかった。これはシステムの問題です)。
まさにその問題が一番大きいことを、あの記事からでも充分読者は理解していると思います。そして、メディアや読者が構造に問題があると認識したからこそ、その構造のトップの「奈良医大産婦人科教授が実名で「子癇発作と脳内出血の症状の判別は困難」としたコメントは、部下をかばい自分を正当化する発言でしかなく、『匿名の』産婦人科医の「CTによる確認は可能であった」とするコメントを信頼に値するものだと捉えた、ということをご理解頂いているでしょうか?

>2.「医療システムの問題をあぶりだすため」という理由で、「CTを撮っていれば助かったはず」という「ニセ医学」を読者に植え付けることの是非についてはどのようにお考えでしょうか?

「CTを撮っていれば助かる確立が多少なりともあったかも」ではありませんか?
何度も言いますがマスコミに「ニセ医学」を標榜される前に、マスコミに駆け込んでしまった遺族の気持ち、それを拾うことが出来なかった医療の現実を反省されるべきではありませんか。
 
>3.同じ理由で、一産婦人科医の名誉を毀損する報道をおこなったことについてはどのようにお考えでしょうか?

世の中は矛盾と非合理に満ちています。メディアスクランブルの被害に合うのは、その医師だけではありません。どうしようもない事態に落ちったら、そこから学び、そこから訴える。彼が自分で考えるべき事です。不満かあれば、名誉毀損でうったえればよいでしょう。貴方が納得出来ないのであれば、キャンペーンを支援すればよいのではないですか?

>4.事実と食い違う報道をおこなった「善意の」「30そこそこの」記者の責任についてはどのようにお考えでしょうか?

あなたは、私が治療してもらった研修医とは違って、一度もミスをしたことがない完璧な人なのだなと感じるだけです。

市井の勤務医 (2006-12-31 12:44)

うーん。地元民さんのコメントは一気にレベルが下がったように感じますね。少しがっかりです。
「民間の優れた手法に基づくマネジメントの事例研究」ですか・・・。あっちゃこっちゃの病院で「患者第一主義」「マネジメント」とか言っていますが見る限り会議と書き物が増えるだけで患者満足度も診療レベルも改善していません。大体雑用が増えて1〜2年すると医師と看護師がいなくなって診療崩壊することが多いようです。
コンサルタント的な知識はあられるようですが、失礼ながら自分の医療を受けた体験や病院内の局所的な問題はわかっておられても、あまり医療の構造的問題をわかっておられないようです。
優れた民間の知恵というか競争による顧客満足、サービスの質の向上はコンサルタントが二言目には口にすることですが、それは供給が十分で価格が自由に決定される市場での話です。

医療市場の根本的な問題は供給が過小でサービスの質を向上させても価格に転嫁できない(公定されている)ため、経営の黄金戦略は残念ながら一人当たりの医療の質を下げて数をこなすことになります。

経営学的に見れば患者満足度の向上のために丁寧に説明することはマイナスです。また、ここがマイナスになってしまうところこそが医療の問題です。

こうした問題点を防ぐために、個人的には混合診療を完全に解禁し、医療サービスの価格を病院毎に決定できるようにする。
赤字前提で無茶な安値でサービスを提供する公立、国立病院は民業圧迫そのものなので速やかにすべて民営化する、といった市場化が必要になりますが、その場合は供給過小の現状ではコスト負担できない人が受けられる医療サービスは低下するでしょう。

相応の負担を負わないくせにどこまでも良質なサービスと丁寧な説明を求めるのは消費者側のモラルハザードそのものです。
「マネジメント」は市場化された後の競争的な環境ではじめて意味をなします。個人的には国民に市場原理がどういうものか良く理解していただくために、医療を是非完全に市場化して公立、国立病院はすべて民営化してするのも一考かと思います。

市井の勤務医 (2006-12-31 13:03)

追記です。あと、よくある誤解で「医療の何が特別か。」という問題です。
医師会など医師側の言い分は「医師は人の命を守るものだ。だから特別だ。」
財界の言い分は「医師しか病院のトップになって経営できないのはおかしい。医療業界の非効率は医師の経営的才覚の無能によるものだ。民間の手法を取り入れればうまくいく。」
プロ市民や医師嫌いマスコミの言い分は「人の命がかかっている医は仁術だ。銭金の話をするとは何事か。医師は特別な聖職なのに、医師は人の心の痛みがわからない。」といいます。

どれも的外れな話です。医療は単なるサービス業です。
経営学的に言わせれば医療の特別性は(欷運芭鼎砲茲覯然文定により、サービスの供給者たる病院や診療所に独自に価格決定権がない。広告ができない新規の病院開業が規制された至り、地域ごとにいくつ病院がなければいけないか法律で決めている。
などサービス業の前提となる営業の自由、価格決定の自由、開設、廃業の自由を規制でがんじがらめにしている点だけです。

これらの規制を気持ちよく取っ払えば地元民さんのおっしゃるように競争的でCSを競い合うサービス業マーケットが生まれます。
現に今でも美容外科など自由診療の病院では接客サービスやCSは素晴らしいもので、コンサルタントなど「マネジメント」を売りにする人も入ってきています。医師の接客態度ももちろんすごくいいですし、きっと地元民さんが行かれても満足されるのではないかと思います。(笑)

現状の医師不足は価格決定や開設、廃業が市場化していないのに医局崩壊により医師や看護師の労働市場だけが自由化されたことによるものとも言えます。

したがって地元民さんの望む医療を実現するためにはこれらの規制をすべて撤廃、特に保険点数という形でサービスの価格を国が決めているばかげた制度を一刻も早く撤廃すべきと思います。
そういうキャンペーンを訴えられるのはいかがでしょう??
病院存続の署名より、よほど意味があると思いますよ。

竹馬 (2006-12-31 15:25)

>>>市井の勤務医様
この場合の規制撤廃は、数少ないアメリカでの自分の経験からも、日本にとって良くない事態を招くだけになると思います。
文面からも御存知のことと思いますが、一部の大富豪を除けば、受けられる治療方法を保険会社が決めることとなり、満足な治療を受けられなくなる人が続出するだけですよね。
就職した企業によって、保険の契約内容が異なり、優良企業に就職するか自己負担可能な財産を持たない限り満足な治療を受けられないなんて世の中は嫌だなぁと。(笑)

医療の特別な点とは、「(選択しうる)最善の治療をしても、必ずしも治療できるとは限らない。」という自然科学の確率論的限界があること(他にも同種のものはありますが)ではないかと思います。
このため、特に最先端の技術が必要等医学的な限界に左右されるような場合には、医学的には正しい判断であったにもかかわらず、残念な結果に終わってしまうことも多々あること。一方で、遺族等患者側からは、結果のみしか解らない状況になっており、医師側に過失があったから(技術的には成功していたとしても)失敗したんだとしか思えない状況もあるということ。

じゃあ、どんな制度にしたら良いのかというと、難しいですよね。自分の少ない経験からでは、各医療分野の専門家(今回の事例なら産婦人科及び脳外科?補足いただければ幸いです。)からなる審判制度と、患者救済のための無過失保障制度の同時導入位でしょうか。(後者は、自分の感覚だと自動車事故における自賠責の位置付けでしょうか、確率論的に防げないのならば、最低限の救済措置は必要ではないかなと。)

専門家から見ても、問題の無い治療を行えるよう勉強しつづけないといけなくなるので、極一部の不勉強な医師には嫌われそうな制度ですが、普通に仕事熱心な方々が安心して治療を続けられ、患者側が(担当医以外の)専門家からみて正しい治療を受けられたのかどうかが判明し、ある程度の保障が受けられる制度にはなりそうな気がします。

ただ、この仕組みには非常に大きな欠点があります。
それは、立法技術的に、内閣法制局を通りそうな気が全くしないことです。(苦笑)こういう場合こそ、政治的な判断で議員立法をしてもらうしかなさそうな気が・・・・・

経験豊かな同業者の方々、普通に仕事熱心な医師が治療に集中でき、患者側も疑問があれば専門家による正しい治療だったのかどうかの判断を確認でき、最低限の保障が受けられる制度としてどのようなものが考えられるでしょうか?

ではでは

竹馬 (2006-12-31 15:39)

>>>補足
そもそも、どの程度の医療レベルと医療費負担にするかは、別に国民的議論が必要なことで、まずはこの議論をどう起こすかが一番の論点だと考えています。(個人的には、受けられる医療レベルの向上を図るためにも、負担増はやむなしと考えています。)医療費負担の拡大を、どのように負担感無く行っていくかは、今後の景気拡大局面において、増大する政策リソースの割り当てに際して医療費の割合を多くするしかないというBewaadさんの議論が一番ではないかと思います。

最近の医療裁判の増大の理由の一つとして、医学のブラックボックス化に伴い患者側に「受けた治療が本当に最善のものだったのか確認したい。」という願いの増加もあるように思います。(昔から変わった人は、どこにでもいたんじゃないかと思うのですが。)

ではでは

bewaad (2006-12-31 16:17)

>皆様
12/31付エントリにここでの議論を紹介いたしますので、続きはそちらでお願いいたします。


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