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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2007-01-15

[BOJ][economy]17・18日の金融政策決定会合で利上げ?

WARNING!!!

[東京 12日 ロイター] 日銀は1月17、18日に開く金融政策決定会合での追加利上げに向け、最終調整に入った。日銀は昨年10月の展望リポートで、企業部門主導の景気拡大が次第に家計部門にも波及していくという基本シナリオを示しており、今回の決定会合で行う中間評価で、同シナリオの維持を合意する見通し。ただ、利上げの時期については、消費者物価(CPI)の上昇が鈍いことなどから賃金動向などもう少し見極めるべきだとの意見が日銀内にあり、1月利上げで多数意見が集約されるかどうか、決定会合の行方はなお流動的だ。

ロイターの取材によると、1月利上げに踏み切ってもいいのではないかとの意見は、決定会合のメンバーである審議委員の多数を占めている。総裁・副総裁の3人が利上げの判断を固めれば、政策委員会の大半が利上げに賛成する展開が予想される。

ロイター「〔焦点〕日銀は月内利上げ視野に最終調整、CPI動向判断がカギ」

引用部の冒頭にあるとおり12日の報道ですが、これを機に週末は各紙で利上げの可能性が高いとの報道が相次ぎ、その手の雰囲気が形成されてきているようです。どのようなロジックで利上げしようとしているのか、当サイトの読者であれば先刻ご承知という向きも多いでしょうけれど、ロイターが丹念に取材をしてくれていますので、確認いたします。

昨年12月の決定会合では、消費がなお弱いとして日銀は追加利上げを見送った。これについて日銀の複数の幹部は、夏場の消費落ち込みは一時的な現象と確認できたとし、「10月展望リポートで示したとおり、企業部門がエンジンとなってやや弱めの家計部門にもいずれ徐々に波及していくとの基本シナリオに狂いはないことが確認できた」という認識を示している。

昨年10月の展望リポートで示した06年度の国内総生産(GDP)とCPIの見通しは、下振れがほぼ確実になっている。これについて日銀では、GDPの下振れは05年度からのゲタ(成長率算定の基準)が低くなったという技術的な側面が背景にあり、CPIは原油価格と家賃の低下が主な理由と判断。景気拡大とともに物価が緩やかに上昇していくという基本的なシナリオは維持されているとみている。また「市場の1月利上げへの織り込みもかなり進んでいる以上、やらないことの方が不安定要因となる」との指摘も日銀内にはある。

ロイター「〔焦点〕日銀は月内利上げ視野に最終調整、CPI動向判断がカギ」

2005年のゲタが低くなったのを技術的というなら、これまでの量的緩和・ゼロ金利解除は本来低かったゲタが技術的に高かったときに高いことを理由に行ったことを撤回すべきでないの、ということは日銀は思わないのでしょう。CPIが低調であるのは原油価格と家賃の低下が主な理由だというなら、これまた量的緩和・ゼロ金利解除時にだって(とりわけ原油価格により)CPIは上げ底だったということになるわけで、その場その場で都合のいい面だけをつまみ食いするのは勘弁していただきたいものです。

現状についても、景気拡大基調は変わらないと見込んでいるようですが、たとえば、

内閣府が11日発表した2006年11月の景気動向指数(速報値)は、景気の現状を示す一致指数が、景気判断の分かれ目となる50%まで2か月ぶりに低下した。

(略)

一方、半年程度先の見通しを示す先行指数は20・0%と、2か月ぶりに50%を割り込み、市場関係者の間では今年前半の景気減速を懸念する声も出ている。

読売「11月の景気動向指数、一致指数が50%まで低下」

といった状況でもあるわけです。

しかしながら、この点については、bank.of.japanさんが昨年11月の時点で、今を見越したかのような観測を発表されています。

私自身は、「景気が見通しシナリオ通りなら利上げが必要」とのロジックは基本的にはポーズに過ぎないと思う。このロジックは「錦の御旗」のようなもので、簡単には降ろせない。降ろすと量的緩和の解除やゼロ金利解除の判断が誤りであったことにつながりかねず、これからも掲げ続けないといけないロジックである。景気が足踏みしても恐らくは掲げるだろう。

(略)

「景気がシナリオ通りでも利上げが必要」と断じてしまったため、例えば年明けになって利上げしないと景気がシナリオ通りになっていない、という見方が強まる恐れがある。こういうとき日銀は『信認』にこだわりやすい。景気シナリオへの信認、そして政策運営への信認を確保するため、データや市場が追い風でないのに、利上げを強行するリスクはないではない。

この場合、日銀はフォワードルッキングを強調するだろう。ただし、これは「やりたいようにやる」との方便であり、EURO SELLERさんは「実効性の無い発言で狼おじさんと言われてしまいそう」と指摘されたが、日銀はまさに狼おじさんではないことを証明するための利上げをやってしまうわけだ。将来の景気過熱論は、利上げしたいための方便と化す。

「フォワードルッキングは「やりたいようにやる」の方便=利上げのための景気過熱論」(@本石町日記2006/11/7付)

#これを受けて、このリスクは「ないではない」どころではなく多いにあり、それが外れるとしたら量的緩和解除・ゼロ金利解除の引締め効果で明らかに景気が本格的に腰折れたときしかないのではないかwebmasterも書かせていただきました(webmaster注:「このリスク」とは日銀が利上げを強行するリスクを指します)が、こういう外れてほしい予測ほど外れるものです(泣)。

「『市場の1月利上げへの織り込みもかなり進んでいる以上、やらないことの方が不安定要因となる』との指摘も日銀内にはある」というのも、利上げの機運を盛り上げたのに果たせなくては鼎の軽重が問われるというこの伝でしょう。先の読売の記事にも「市場関係者の間では今年前半の景気減速を懸念する声も出ている」とあり、先日取り上げたBEI(Break Even Inflation rate)の動向もあり、市場が利上げを織り込んでいるのは、利上げをすべき環境にあるからではなく、日銀が環境を無視して面子にこだわるだろうという姿勢を見てのことだとwebmasterは考えます。

といいつつも、正直なことを申し上げるならば、円高シンドロームを消極的に支持する‐つまり、実際に円安防止のために日銀が金融政策を決定しているかどうかは措くとしても、円安の程度は金融政策引き締めのよい物差しであると考える‐身としては、現在の実質実行為替レイトを見る限りにおいて、さらなる引き締めはさもありなん、ということになるわけですが・・・。

[BOJ][politics]日銀vs中川自民党幹事長‐日銀法改正?

上記エントリのような日銀の動きに対して、中川幹事長が過激とも受け止められる発言をしています。

自民党の中川秀直幹事長は14日、愛知県豊川市で講演し、日本銀行が利上げに踏み切る方向となったことについて、「政府の景気判断に変更はない。12月に(利上げの)判断を見送った日銀が、今月政策変更する合理的な理由は見あたらない」と述べ、日銀を強く牽制(けんせい)した。さらに中川氏は、日銀が利上げに踏み切った場合、政府が日銀の議決の先延ばしを求めることができる「議決延期請求権」を行使すべきだとの考えも示した。

安倍政権が掲げる経済の「成長重視戦略」の旗振り役を自任する中川氏としては、政府がデフレ脱却に取り組む中での利上げは景気の拡大を阻害する要因になりかねないと懸念。政府方針に足並みをそろえるよう日銀に異例の「最後通告」を突きつけた形だ。利上げについては大田経済財政相も14日のテレビ朝日の番組で「消費は弱くなっている。これが事実。この認識のうえで、日銀が責任をもって判断すると期待する」と述べており、17、18両日の金融政策決定会合に向け、日銀の最終判断が焦点になる。

中川氏は、講演で「政府・与党は今年3月までにデフレ脱却させると公約した。ここは政府・日銀が共同責任で頑張らないといけない」と指摘。さらに、日銀法が定める議決延期請求権に触れ、「日銀が抵抗するなら、政府は権利を行使する義務がある」と強調した。速水優前総裁時代の00年8月のゼロ金利政策解除の際、利上げを決めた日銀に対する議決延期請求を日銀が拒否した経緯にも言及し、「そういう道を繰り返すならば、重大な法制度の欠陥ととらえざるを得ない」と述べ、日銀法を改正する可能性も示唆した。

朝日「日銀利上げ「合理的な理由ない」 自民幹事長が強く牽制」

もちろん本件についてはwebmasterは中川幹事長を応援したいのですが、この論理展開では弱いのではないか、という気もします。中川幹事長が当サイトをご覧になることはないと思いますが、どなたか近しい人が見てくれることを祈りつつ(高橋洋一さんとは申しませんが、高橋さんにつながりのある人とまで範囲を広げれば、おひとりぐらいは・・・)。

  • 政府の景気判断に変更はないとなると、例のいざなぎ越えという話になってしまうわけで、安部政権になっても景気はしっかりしているという見解を維持する限り、主張がゴリ押しと受け止められてしまう可能性が高いでしょう。
  • 今回は議決延期請求権を行使するとしつつ、量的緩和・ゼロ金利解除の際にはそうしなかったことにも疑問が残ります。もっとも簡単な説明は首班が代わって現状評価も変わったというものでしょうけれど、それは採り難いでしょう。となると、
    • 昨年の夏よりも今は景気の腰が弱いとでも説明することで、一番目の点とあわせて見解を変更してしまうのが無難でしょう。もうひとつ、
    • 0.25%までの利上げとそれを超えての利上げでは効果が違う、というものも形式論理的にはあり得ますが、舌を噛むでしょうねぇ・・・。
  • でまあせっかく法改正を持ち出すのでしたら、インフレターゲットと同様の効果を持つようにやってみたらいかがでしょうか。つまり、
    • 適当な期限を設定し(5月末までに、ぐらいでしょうか。なぜ5月末なのかは後述します)、
    • その間に一定の達成すべきインフレ率(生鮮食料品とエネルギ関連を除くベース)の幅を定め(個人的には(プライスレヴェルターゲティング的な意味も込めて)7〜10%とでもしたいところですが、世に受け入れられるのはせいぜい1〜3%でしょう)、
    • 仮に期限までに達成すべきインフレ率の幅が実現できなかった場合には、インフレターゲティングの導入とターゲット未達の際の総裁解任規定を盛り込んだ日銀法改正法案を今国会に提出する(ので期限は5月末となります)ことをコミットします。
    • これならば、そのような法改正は日銀は絶対に実現を阻止しようとするでしょうから、インフレ率の実現は多くの人が期待するところとなるのは間違いなし、と(笑)。
本日のツッコミ(全37件) [ツッコミを入れる]
EURO SELLER (2007-01-15 04:48)

今晩は,
為替市場ではもはや利上げしても織り込み済みで,引き続き円安予測です。派手にやるぞやるぞキャンペーンを張りすぎたからでしょう。日銀としては満足でしょうが,輸出企業の差益増大しても消費につながらない現状に今後どう責任を取って行くのかが注目されます。

竹馬 (2007-01-15 07:56)

せっかく法改正を持ち出すのでしたら、法改正しちゃいましょう。(爆)
法改正されちゃったから、仕方ないんだよねぇというエクスキューズにもなりますし。面子も立つでしょと言ってみる罠。(超毒)

最近の世の中の空気を見ていると。日本人て、ひょっとしたら崖から落ちてみるまで、断崖絶壁の際を歩いているのに気が付かない人種かもしれないですね。
(結果、羹に懲りて、なますを吹くが身に付いているというよりも、染み込んでいる???になり、別の方向で問題が起こる気がしますが。)

経済学部卒の人達が大勢いるはずなのに、オカシナ議論をしているぞ。とか感じる人が少ない気がしますね。理系だと自分が勉強したことと矛盾していると、何でだろうと考える人が多い気がしますが。

ではでは

(ひょっとして、すでに改正案の準備をさせられて、財務省の中の人、ガンガレ!なんてことになっていたりして。)

銅鑼衣紋 (2007-01-15 08:07)

>EURO SELLERさん

>輸出企業の差益増大しても消費につながらない現状に今後どう責任
>を取って行く

現在の低い労働分配率が異常なら問題なわけですが、実質実効レー
ト同様に、高すぎたモノが80年代前半の正常水準に回帰している
のであれば問題とは言えなくなります。私見に寄れば現状はまさに
そうでして、マクロ政策で動かすべきモノではないということに
なります。

こういう変数はまさにマクロ政策からみると「構造変数」でして、
動かす(ことが可能だとしても)には構造政策こそ必要であって
マクロ政策ことに金融政策はまったく無関係です。これは、バブル
を金融政策で正常化しようという暴挙と同じです。

韓リフ (2007-01-15 08:25)

ちょっと瑣末な気もするなあ。たとえ周囲の人がひとりぐらいいたとしても(僕と同じ人が脳裏に浮かんでるでしょうけれどもw)、その人ではなく暗黒卿周辺にはあまり参考意見にはならないのでは? 

○<政府の景気判断に変更はないとなると、例のいざなぎ越えという話になってしまうわけで、安部政権になっても景気はしっかりしているという見解を維持する限り、主張がゴリ押しと受け止められてしまう可能性が高いでしょう。>

 意味がよくわからないんですが、別に「いざなぎ」だろうが「天地開闢」だろうが「めぐり愛宇宙」だろうが、景気の回復局面とデフレの共存というのは十分ありえるわけで、デフレが解消されれば経済の回復の水準はより高いものになっているという某「経済学を知らないサイト」wwでは「リフレ厨」として削除されてしまう意見らしいですが、政府は経済の拡大基調とデフレ脱却(=より拡大の必要)をいっていたのであまり矛盾はしませんね。

例えば経済財政諮問会議での閣議了解をうけた政府の公式的な景気の現状と将来見込みについては、
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2006/1220/item7.pdf
が直近のものです。これにも
<2)平成18年度の経済動向
景気は、消費に弱さがみられるものの、回復を続けている。
平成18年度の我が国経済は、企業部門の好調さが、雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及し、民間需要中心の回復が続くと見込まれる。
物価の動向を総合的にみると、消費者物価指数は前年比で上昇が続いているが、石油製品、その他特殊要因を除くとゼロ近傍で推移しており、また、需給ギャップはゼロ近傍まで改善している。これらのこと等から、デフレからの脱却が視野に入っているものの、海外経済の動向などにみられるリスク要因を考慮しつつ、デフレに後戻りする可能性がないかどうか、注視していく必要がある。>
とあります。

さらに
<平成19年度においては、世界経済の着実な回復が続く下、企業部門・家計部門ともに改善が続き、改革の加速・深化と政府・日本銀行の一体となった取組等により、物価の安定の下での自律的・持続的な経済成長が実現すると見込まれる。 >

とあるんで、利上げが予想される日銀の行動は政府の「了解」とは異なる行動に解釈されても不思議ではなく、この文書がなかなか曲者化しているように思えます。

○ <今回は議決延期請求権を行使するとしつつ、量的緩和・ゼロ金利解除の際にはそうしなかったことにも疑問が残ります>
経済政策の決定にサンクコストはないのですw それは冗談ですが、この点も上げ潮路線の実質経済成長率=潜在成長率の安倍政権になってからの上昇修正を行っているので上に書いた「景気より拡大求ム路線」と矛盾してませんのでなんの問題もないという印象ですね。

経済財政諮問会議の文書(それに付随する中川発言)を追うとこの12月末の閣議了解文書の「政府と日銀一体となった取組み」の意味(この文言は今回初登場でしょう)が非常に政治的・戦略的に重みをましますね。言い方をかえると今回の中川幹事長や与党の動きはかなり時間をかけて用意されたアクションでしょう。ある人からこの文言に注意を促されましたが、まさかこうなるとは。笑。この些細な文言の附加で中銀が窮地に追い込まれただけに政治の駆け引きは恐ろしいなあw

○法改正がどうなるかはわからないですが、むしろここまで政府が反応しているのならば(なおかつ日銀も追い込まれて逆に利上げを避けることは選択肢としてとりがたいかも)、日銀が例によって政治巧者振りを発揮して、インタゲもどきを今回の利上げに「あわせ技」で対応してくる可能性があったりして。

韓リフ (2007-01-15 08:48)

ちょっとコピペで切り取り忘れたんですが、その前後の事実上の物価水準目標経路もどきと組み合わさった形で「政府と日銀が一体」になるとコミットしたことが重要です。ただの一体をいうだけならいままでもあるので。

特殊法人 (2007-01-15 10:54)

先週、大攻防の末、immatureな利上げをしないよう勧告出したんですけどね。
ご存知かも知れませんが某局が景気見通しに強気です。家計消費が戻ると確信してるんですよ。さらに(これもご存知の通り)K房長官が親日銀ですし、強気に押し切るんじゃないですかね。

つばめレディ (2007-01-15 16:20)

 やるならやったらいい。これで、市場はとりあえず灰汁抜きされる。経済情勢は知らない。悪化すれば日銀幹部が切腹すればいい(もはや、あきれて、こうとしか言いようがない)。

本石町日記 (2007-01-15 21:44)

こういう事態になることを強く予見していたわけではないですが、引用して頂き多謝です。私も書いたこと忘れておりました(笑)。とりあえず会合結果を待ちたいと思います。

鍋象 (2007-01-16 02:55)

個人的には、日銀が今回どう動こうと、日銀の独立性はあくまで通貨発行手段の独立性であって、金融調節の主目的については外部から与えられるべきものであるわけで、変に政治的駆け引きを楽しむのは止めにして頂いて、早いところ法改正しちまえよゴルアと思っていたりします。
日銀の説明って自己の判断根拠の説明はきわめて精緻に(自己正当化)ロジックを組み立てているのですが、肝心の金融調節の目的・目標・達成すべきゴールについて説明した事は見たことがありません。

民間のやり方至上主義もやりすぎるとどうかとは思いますが、この件に関しては主張したいです。所詮は政府の一機関です。上位組織より与えられた予算があってそれが達成できたかPDCAサイクルをまわし、駄目だった時は人事で激震が走るというきわめてまっとうな組織統治手法を採用すべきだと思います。日銀の独立性も、公開企業では経理と財務はわけましょうという内部牽制の伝統的手法です。後者だけは権利として主張して、PDCAの管理を拒絶するというのはあまりにもご都合主義です。文字通りガバナンスの問題ありという事です。

通りすがり (2007-01-16 07:22)

いつも不思議に思うのだが、なぜ日本はたかだか25bpの金融調節に目くじらを立てるんだろう。少々利上げしたところでデフレが大幅に悪化する訳でもあるまい。
確かに利上げ自体はデフレ方向に働くと思うが、25bp程度ではその影響は微々たるもののはずだ。
逆に政府に問いたい。彼らは「デフレになる」というが、そういう彼らはどんなデフレ対策を売っているのか。定率減税を廃止し、公共投資を削減する政策は総需要を抑制するデフレ政策そのものではないのか。そんな政策を実行しておきながら一方では「金融政策は日銀の専管事項」と言って責任を回避し、土壇場になって「法改正だ」と脅しを掛ける。自己の行動をどう考えているのだろうか。
デフレが困るというのなら、なぜ政府は総需要を増加させないのか、円安誘導をもっと積極的に行わないのか。やれることをやらない不作為の罪を自覚しないのか。日銀法改正を行う前に自らの責任にも言及すべきである。

そもそも私は日本において、経済政策の失敗を理由にして政権交代がなされた例をしらない(橋本内閣ですら経済政策が原因ではなく、言を左右にしてあげく参院選に敗れた政治的失敗である)。

俺自身もここで利上げをする必要性には乏しいとは思うし、はっきり言って利上げには反対だ。でもだからといって日銀法を改正しなければならないほどの問題ではないように思われるし、少なくともデフレ促進政策を取っている現政権にその資格はないと思う。

bewaad (2007-01-16 08:53)

>EURO SELLERさん
むしろ心配は、これでも円安が止まらないといってさらなる利上げを狙いやしないかと・・・。

bewaad (2007-01-16 08:53)

>竹馬さん
まああちらはあちらで、この期に及んで構造改革の必要性を認識していないなんて、てな感じでしょう(笑)。単に現状への処方箋ではない、と言っているだけなんですけれどもねぇ。

bewaad (2007-01-16 08:54)

>銅鑼さま
パイの分け方の問題ではなく、パイの大きさの問題ですよね。私の常識では過熱しそうなら引き締め、ということなのですが、どこに過熱の徴候があるのやら・・・。

bewaad (2007-01-16 08:54)

>韓リフさん
情報提供ありがとうございました。確かにそれらを見れば、小泉政権時代よりも一歩踏み込んでいるようですね。

ただ、今回の件で気になるのは、改めて考え直してみますと、正統的な独立性の解釈、すなわち手段はお任せよ、というところから前に出て、個別の利上げについて異議を唱えているところで、上げるならどうぞ、その代わり結果によっては覚悟しておけよ、という方がベターだったのかな、と。まあ誰もこのようなことを発言しない事態を想定すれば、言挙げする人がいる(しかも、それが与党の要人だ)というのはありがたいことですが。

bewaad (2007-01-16 08:55)

>特殊法人さん
官房長官は、現時点では日銀に批判的のようですね。大田大臣をはじめ、日銀への批判的姿勢で政府が動き出してしまうと、閣内不一致は起こせないという制約が強く働きますし。

bewaad (2007-01-16 08:55)

>つばめレディさん
速水総裁時代のゼロ金利解除で、当時の山口副総裁が責任をとると金融政策決定会合で言ったらしいのですが(藤井良広「縛られた金融政策」)、どういう責任をとったんですかねぇ、というのが前例ですから・・・。

bewaad (2007-01-16 08:56)

>本石町日記さん
強く印象に残っていたものですから(笑)。

bewaad (2007-01-16 09:00)

>鍋象さん
結局、中央銀行の独立性というものについての理解が違っている部分が大きい、ということなのでしょう。独立性といっても手段の独立性だよね、という意見はまだまだ少ないように思いますし。

デフレがもっと深刻であった際においても、リフレ政策を求めるのは独立性を踏み越えた議論だという意見があったぐらいで、今に至ってはなおさら、ということになってしまうのではないかと。

bewaad (2007-01-16 09:06)

>通りすがりさん
25bpという量の問題というより、引き締めるという行為の問題ではないかと理解しています。この観点から、日銀への批判が妥当かどうかについては、エントリで書いたように量的緩和・ゼロ金利解除を許容したことととの整合性に難があると思っています(両者とも今回同様引締めだったじゃないの、と)。

政府自身の施策については、おそらくご覧いただいているかと思うのですが、私も財政不安を煽り立てての引締めには批判的で、関連するエントリをいくつか書いてきています。

特殊法人 (2007-01-16 12:19)

>Bewaad氏
確かに表立って閣内不一致というわけにはいかんでしょうね。
大体、中銀マンとして冷静に見れば、もうひと月見送っても実質的に何の問題もないんですよ。ところが一部の局は本気でバブルを懸念してますし、一部の人々は妙に意地になってるってのが現状です。
もうね、いっそ日銀法改定されてしまえ、とか思ってしまうわけですよ。・・なんてことは匿名だから言える戯言ですが。

通行人 (2007-01-17 00:11)

>通りすがりさん
たかが25BPと言いますが、2000年8月のゼロ金利解除時もそんなもんだったと思います。たかが25BPなんて言えないのでは?それから、利払いの額という面では25BP→50BPで倍になります。
あと日銀は前科持ちである事をお忘れなく。

通りすがり (2007-01-17 00:27)

bewaadさん>
現時点の景況判断に関して私自身は「悪いどころかむしろ良い」と思っている点でbewaadさんとは意見を大いに異にしますので、原油安によって物価が下落する懸念があるこの局面での利上げには反対ですが、物価が上昇に転じれば利上げもいいんじゃないかと思います。

政府の施策に関してはBewaadさんのご意見は拝見させていただいておりますが、多分私の方がもっと過激なんだと思います。私は、もともと現在の日本における金融政策の有効性にみなさんよりもずっと懐疑的であり、足りない分を(財政政策や為替政策で)補完すべき政府の施策が逆方向に行っているのが、物価が上がっていかない一番の問題なんだと思っています。

通りすがり (2007-01-17 00:52)

通行人さん>
2000年8月については内閣府が面白いレポートを出しています。
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis180/e_dis173.htmlに添付されたPDFファイルにある「補論III ゼロ金利政策解除の影響試算−Counter-factual Simulation-」)
これによると?金利政策解除の影響は、実質GDPについて最大で0.12%、最も影響が大きいとみられる民間企業設備投資でも0.51%のマイナスにとどまる。
この結果に見る限り、ゼロ金利政策解除は、当時の景気後退の主要因の一つとは考えられず、せいぜい景気の谷を若干深くした程度の影響にとどまったことが示される。」とあります(P38)
もちろん、同論文では適用モデルの限界を素直に認めていることを勘案すると、実際の影響はこれより大きかったのかもしれませんが、いずれにしても本論文の結論は大きく変わらないことは容易に想像出来ます。

そこで私は考えます。今回25bpの利上げがなされたとして、そのことがGDPやCPIに与える影響はどの程度なのか。また現時点の10年金利は7月の利上げ時よりも10bp以上低下していますが、そのことはこれからの経済にどのような影響を与えているか。その一方で財務省が10円の円安誘導をすればその影響はどうだろうか。定率減税を廃止し公的支出を減少させている財政を反転させたら総需要はどれだけ増加するのか。

こうして日銀の利上げするかもしれない(まだ決定会合前なので一応そういっておきます)罪と財政を引き締め円安誘導をしてこなかった政府の不作為の罪とどちらが罪が深いだろう、と。

日銀を批判するのはかまわないのです。だって彼らのしようとしていることはベクトルがおかしいから。でも日銀を率先して批判している中川幹事長はそんなことをいう資格があるのですか?
彼は共産党でも国民新党でもなく、責任ある最大与党・自民党の幹事長なんですよ。その彼が日銀の「デフレ的政策」を批判する一方、総需要を減少させる財政政策を推し進めています。それっておかしくないですか?

長文になりましたが、私のいいたいことはそういうことなのです。

bewaad (2007-01-17 09:15)

>特殊法人さん
妙に政治的な立ち回りがうまくなって、今般は政治の圧力に押し切られたように見せて利上げせず、政治の横暴だ! といった世論を1ヶ月間盛り上げた後で来月利上げする、なんてことになるのも困ったものなので、実直であることはありがたく思ってい・・・たのですが、今回は見送りとかいう報道もありますので、本当にそうなってしまうかも。

bewaad (2007-01-17 09:15)

>通行人さん
日銀に対して逆を言うなら、大したことのない利上げならしなくてもいいじゃん、ということになるのでしょう。この答えがyesでないなら、やっぱりそれなりの意味があるということになりますよね。

bewaad (2007-01-17 09:17)

>通りすがりさん
14日のエントリでご紹介いただいたペーパーでも、ゼロ金利解除の影響については試算がなされていますね。そこでは、期待の変化を織り込むともう少し大きいかも、と今後の研究の方向性が示されています。レジーム転換を重視する立場からすれば、その方向での実証は非常に興味深いところです。

通りすがり (2007-01-17 23:32)

期待の変化を定量化する試みは面白そうですが、同時に非常に困難でしょうね。特に期待が実現に向かう感応度が時とともに変わる(=不安定なので定式化が困難)なのが大変でしょう。学生時代経済学を専攻した私としては今後の進展をわくわくして待っている今日この頃だったりします。

特殊法人 (2007-01-18 02:00)

ご存知かと思いますが、日銀は今回、秘書官送りこんでますからね。政治対応力は、ある偉い人の豪腕で上ってます。それ自体は全然いいことなんですよ。
問題の本質は景気見通しじゃないでしょうか。なぜ、そんなに強気見通しに自信があるのかと。自信あってもあと1月くらい待てるだろと。

bewaad (2007-01-18 03:59)

>通りすがりさん
そういう困難なことは自分ではまったくできないので、応援するぐらいしか私にはできないんです、残念ながら(泣)。せめてその成果は、拳拳服膺して読ませていただきたいと思います。

bewaad (2007-01-18 04:02)

>特殊法人さん
ある偉い人というのは、某副総裁でしょうか(笑)。日銀職員の評価も高いと聞きます。ちょっと前の話題と結びついちゃいますが、天下りを受け入れる組織の側の便益を端的に表しているなぁと思います。

通行人 (2007-01-18 23:26)

>通りすがりさん
「余計な構造改悪は不況期にはすべきではない」と思いつつも、「景気対策は政府の仕事ではなく日銀の仕事」だと思っています。日銀がデフレ対策を行うのであれば、政府はそれに対して協力すべきという点では一致しますが、不作為の罪までは考えません。そして、安部内閣になってから、この辺は国会を重視して割と柔軟に対応しているように思いますが。
まあ、参院選が終わったらどうなるか知りませんが。

通りすがり (2007-01-19 00:04)

通行人さん>
私は逆に「景気対策は日銀の仕事ではなく政府の仕事」だと思っています。というのも私は金融政策の有効性は非常に小さいと思っているからです。先にお示しした内閣府の論文でも「ゼロ金利政策解除は、当時の景気後退の主要因の一つとは考えられ」ないと結論づけられていることも私の見解を裏付ける根拠です。

ま、金融政策の有効性は脇においておくとしても「政府・与党は3月にデフレ完全脱却を公約しているが怪しくなってきている。」と主張する政党は総需要を拡大させる政策を打ち出すべきであると私は考えます。普通、総需要を拡大させる方策として政府が実行出来るのは(一応彼によると「金融政策は日銀の専管事項」であるから)財政の拡大か円安誘導のいずれかでしょう。でも先に述べたように彼は円安誘導を主張しない(=総需要に対しては中立でしかない)し、定率減税の廃止に至っては総需要を縮小させる方向に舵を切っています。私はこのことを捉えて「そういう彼らはどうなのか?」と問いかけているだけなのです。

bewaad (2007-01-19 03:49)

>通行人さん、通りすがりさん
原則としては、物価安定が中央銀行の使命であって景気対策ではない、ということになろうかと存じます(スタグフレーションの反省としてのマネタリズム→インフレターゲットにいたる議論)。ただ、物価を(マイルドインフレで)安定させられれば、景気の振れ幅が小さくなることから、結果的に景気対策としての意味も持つのだろう(とりわけデフレ下においては)、と考えています。

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JSFさんに教えていただいたのですが、「逆神」として知られる森田実氏が参院選について次のようなことを言っているそうです。  7.22参院選での与野党逆転は困難なのか  私は、いまの与野党の力関係と戦略戦術と組織力のまま7月22日の投票日を迎えると、逆転は難しいと判


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