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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2007-01-30

[BOJ][economy]円高シンドロームは死なず

日銀のなかで、とにかく利上げを急ぎたい人は焦っている。これまでの引き締めの論拠が崩れかけているからだ。

(略)

論拠を示してきた調査統計局など事務方は前提が崩ずれた(ママ)とは認めたくない。今月開いた支店長会議ではまず事務連絡の形で本部の景況判断が示された。

通常は支店長の報告が先で、それを本部が総括する。順序の変更がどう響いたか計るのは難しいが、焦点の消費について支店からは「総じて底堅い」(東北)、「持ち直している」(北陸)と明るいトーンが相次いだ。

それを受け利上げ推進派は、1月の金融政策決定会合での利上げを探った。これまで調査統計局は消費統計は振れが大きく、中期的な傾向を見極める必要があると主張してきた。福袋がよく売れた程度の改善では、利上げ理論のほころびは覆い隠せなかった。

利上げ見送りを英フィナンシャル・タイムズ紙は社説で「ディスコンボビュレーティッド(混乱させた)」と論評。計画の失敗などの際に使う戯言的な言い回しで、理の通らない利上げの試みが失敗したことを失笑するようなトーンになっている。

(略)

2月の決定会合までに、日銀が論拠を立て直すだけの材料はそろわないのではないか。会合の前に発表される昨年10‐12月期の国内総生産(GDP)は、やや高めの成長が予想される。それを利上げ材料に振りかざすと、これまで言ってきたフォワードルッキングの姿勢と相いれない。

このため日銀内でも利上げに向かおうとするなら、別の角度の論拠が必要との指摘が出てきた。その候補が超低金利を背景とした円安である。欧州やアジアからは円安批判が出始めている。円が一段と下がれば、国際的な不均衡是正にも逆行するというわけだ。

日程を見ると、2月上旬の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議、3月の国際決済銀行の中央銀行総裁会議など国際金融会議が続く。そうした席で円安が俎上(そじょう)にのぼれば、2月以降、円安阻止の利上げ論が展開できるとの思惑がある。

(略)

奇をてらった手法で利上げを狙えば、再混乱は必至。消費者物価に騰勢はなく、時間的な余裕は十分ある。日銀に必要なのは、これまでの論拠や政策の枠組みと整合性のとれた行動である。さもなければ揺らいだ信認は戻らない。

(編集委員 太田康夫)

日経金融「ポジション/「円安阻止の利上げ」難しく/米国内にドル全面安懸念も」

どう見ても結論先にありきです。円安阻止で利上げなんて本当ですか、と思いきや・・・

武藤敏郎日銀副総裁が25日、自民党本部に中川秀直幹事長や丹羽雄哉総務会長ら幹部を訪ね、利上げ見送りを決めた先の日銀金融政策決定会合の内容などを説明した。

(略)

ただ、武藤氏は丹羽氏との会談で「国際金融の世界で厳しい立場に置かれている。円安の問題があり、各国から批判を浴びている」とも指摘した。「円安の原因は日本の低金利」との構図を訴えて、利上げの地ならしを始めたのでは、との憶測も呼びそうだ。

日経「日銀・武藤副総裁/中川氏らを訪問/自民幹部と関係修復?」

少なくとも徴候は認められるようです。要フォローといえましょう。

日銀はバブルを反省してやたらに金融を引き締めたがるということなのでしょうけれど、そもそもバブル前の金融緩和は国際協調を前面に押し出して行われたのですから、反省の仕方が間違っているのでは? いいかげん円高シンドロームは治癒してほしいといいますか、他国のことよりも、まずは自国の経済運営を優先しましょうよ。

[music]1980年前後生まれ男性にとっての演歌とは?

B'zやTMネットワーク、BOOWYって演歌だよなあ、というのをカラオケに行くたびに感じる。これらを熱唱する団塊ジュニア世代の姿は、演歌や軍歌を熱唱する壮年の男性にだぶる。

(略)

次の世代は何になるんだろう。渋谷系? カラオケ熱唱対象は思春期や20代前半に聞いた音楽がなると思うんだけど、熱唱するためにはやはりある種の暑苦しさが必要なので、その辺で渋谷系は弱い感じ。

「団塊ジュニア男性にとっての演歌」(@ARTIFACT@ハテナ系1/29付)

ハロプロ、に一票。たとえ男性であっても。

本日のツッコミ(全13件) [ツッコミを入れる]
cloudy (2007-01-30 12:34)

日曜(1/28)の朝日経済面「補助線」でも「指標に縛られ円安招く」と題して、「円高にしろ」と言っていました。署名はあの山田厚史です。
タイトルが示すとおり、
> 利上げを見送った理由は、(略)物価や雇用に力強さを示すデータがなかった、という。「木を見て森を見ず」とはこのことだ。
> 景気の力強さが指標に明白に表われるなら、すでに金利が3〜5%に上がっているだろう。
と、全く意味不明なロジックで、国内の指標より為替レートを重視、利上げして円高にすべしという記事でした。

また昨日は、小林K16が一人ディベート形式記事(2つの意見が並置してあるが、両方とも小林の記事で両方とも反リフレ主張)で利上げ汁節をぶち上げ。朝日って本当に利上げが好きなんですね。

cloudy (2007-01-30 12:45)

> 演歌
元メガデスのマーティ・フリードマン(ミルトンとは無関係)によれば、演歌はロックなんだそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=uWbfqnVkSaQ

PK (2007-01-30 13:12)

中央銀行制度は、戦前グローバリズムの混乱の中で生まれたBISと一体のもの。存在自体が国際的であって、苺あたりのインタゲ阿呆のいうようなものではない。
金融政策は、世界の視点から演繹的に降って来るのだ。
だから、演繹が始まる前に国際金融界に分析と解釈を与えないといけない。国際的に少し有名な竹中の発言は受け入れられるが、日本の田舎政治家が日銀にものを言うのは失笑を買うだけだ。

a-kun (2007-01-31 00:35)

為替政策は財務省の専管事項。財務当局者がきちんと「まだ日本はデフレ脱却には至っていない。だから円安誘導でインフレにするんだ」と言い切れば各国のマネタリストは納得すると思うのです。
むしろ積極的な円安誘導を行わないこれまでの為替政策の方が問題だ、と思うのは多分私だけなのかもしれないですが、少なくとも円高は間違いなくデフレを招く(だって輸入品の価格は下がるでしょ?)ので、円高を求める外圧には毅然とした対応をしてほしいと思います。

・・・つか、世界一の円キャリートレードポジションを持っていると目される投資家として、そのくらいのポジショントークしてくれ(笑)

通りすがりの者です (2007-01-31 00:44)

>日銀はバブルを反省してやたらに金融を引き締めたがるということなのでしょうけれど
最近、リフレ派の方々の中で、日銀がやたらと引き締めたがる理由を、資産インフレを懸念するためとうのが、知らないうちにコンセンサスになってきている気がしてならないのですが、これって正しいんですか?
根拠がなくて申し訳ありませんが、何か眉唾な気がします・・・

本石町日記 (2007-01-31 00:48)

この円安懸念というのが良く分からないですね。低金利なのは景気が冴えないためで、為替がそれで円安に振れるのは緩和効果ではないかと思うのですが…。仮に円安が問題だとしても、それはまずは財務省の所管であり、いきなり日銀が前面に出る話ではないでしょう。ところで、少なくとも私が知る限りの日銀マンは円安は懸念しておりません、むしろ円高になると困るよなあ、という受け止め方です。

bewaad (2007-01-31 20:18)

>cloudyさん
朝日が不景気を歓迎するのは、個社のシェアを念頭に置けば合理的な行動でしょう。毎日や産経は経営基盤の弱さから不景気によってより悪影響をこうむるという、例のデフレでは寡占企業が強いということと同じだと考えています。その意味では、毎日の親デフレの方がよほど不可解(笑)。

演歌はロックだというのは、ロックの歌詞を見れば納得ですよね。もちろん先鋭的なものもあるにせよ、多くはベタな恋愛話だったりしますし。

bewaad (2007-01-31 20:18)

>PKさん
世界最初の中央銀行たるBOEは、それよりも随分前に成立しているのではないでしょうか。また、「分析と解釈を与えないといけない」というのは説明責任そのものであって、国の内外を問わずきちんとやらなければならないことだと思います。

bewaad (2007-01-31 20:18)

>a-kunさん
為替相場を直接政策目標にすることに議論はあるにせよ、財務省が円安介入なり政府紙幣発行なり、日銀がサボるなら代わりに何らかの措置を講ずることができる唯一の存在であるのは事実だと思います。ただ、日銀が不胎化する限り円安介入は短期的・限定的な効果しか持ち得ないので、現状では為替介入は労多くして益の少ない政策手段であるのは否めないでしょう。

bewaad (2007-01-31 20:18)

>通りすがりの者ですさん
日銀自身がそのようによく言うこと(量的緩和解除の際には、しきりにバブルの懸念を口にしていました)が最大の理由ではないでしょうか。経緯を見ても、バブル潰しを仕掛けた三重野元総裁は、ここ20年ではもっとも世間的評価が高かったわけで、そこからそうした教訓を日銀が導いたのだろうと察することには理があると考えています。

bewaad (2007-01-31 20:19)

>本石町日記さん
日銀マンの現場感覚がそのようなものだとすると、幹部とそれ以外で温度差があるのかな、という気がします。速水前総裁ほど強調はしないにせよ、円の信認とかそういった発想が幹部には少なからずあるようには見えるのですが。

a-kun (2007-02-01 00:35)

bewaadさん>
株にせよ、債券にせよ、もちろん為替でも、大きな投資家の登場により、市場の雰囲気が大きく変わってしまう状況(昨年夏の商品市況もそうですね)を幾度となく体験している「市場参加者」としては、やっぱり当局の介入は怖いものです。「短期的」しか効果がなくとも、その「短期間」って数ヶ月や数年保つ可能性だってあるし、なにより人々の「期待」を変えてしまう可能性がありますからね。

まあ、個人的には(日銀というよりも)財務省が「外圧」に負けて「円高介入」する、というシナリオが一番怖いシナリオなんです。これは間違いなくデフレ効果を与えてしまいますからね。今日のエントリに見られるような海外からの「圧力」に負けないよう、今度のG7ではがんばってほしいものです。

bewaad (2007-02-01 08:35)

>a-kunさん
そのあたり、英米に期待してしまいますね。とりわけアメリカは、ドルの独歩安を嫌がっているようですから、と考えてしまうのは希望で目が曇っているのかな?


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