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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2007|01|02|

2007-02-01

[WWW]当サイトに近いアルファブログ

H.Yamaguchiさん経由で、あなたのブログは、どのアルファブロガーに近い???なるものを知ったので、さっそく試してみました。トップページのテキストを解析しているようで、エントリが新たに追加されれば結果は変わりますので、1/31時点のものということになります。

結果は長くなるので最後に貼り付けるとして、1以上のパーセントを集計した結果は次のとおりです。

アルファブログポイント
情報考学 Passion For The Future1504
たけくまメモ1047
isologue323
たつをの ChangeLog284
きっこのブログ228
アンカテ202
板倉雄一郎事務所200
最速インターフェース研究会101
メディア・パブ100
My Life Between Silicon Valley and Japan100
blog.bulknews.net91
高木浩光@自宅の日記53
池田信夫 blog37
404 Blog Not Found8

webmaster自身には、これらに近いような存在であるかどうかよくわからないのですが、客観的にご覧になった場合はいかがでしょうか? ま、この分析ではアルファブログに対象を限っての相対的距離しかわかりませんから、絶対的距離はうーんと遠いのかもしれませんが(笑)。

#以下、分析結果のうちパーセント表示部分を貼り付けます。

91%(0.0) blog.bulknews.net
8%(-1.1) 404 Blog Not Found
0%(-97.8) 情報考学 Passion For The Future
0%(-100.8) メディア・パブ
0%(-200.0) 高木浩光@自宅の日記
100%(0.0) たけくまメモ
0%(-200.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-300.8) きっこのブログ
0%(-302.6) blog.bulknews.net
0%(-303.6) 404 Blog Not Found
100%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-200.4) きっこのブログ
0%(-202.0) isologue
0%(-299.5) たけくまメモ
0%(-402.2) 池田信夫 blog
100%(0.0) メディア・パブ
0%(-97.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-99.2) たつをの ChangeLog
0%(-198.2) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-199.5) 結城浩の日記
99%(0.0) たけくまメモ
0%(-2.5) 高木浩光@自宅の日記
0%(-100.3) 情報考学 Passion For The Future
0%(-201.6) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-202.0) 最速インターフェース研究会
100%(0.0) たけくまメモ
0%(-100.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-102.4) isologue
0%(-201.9) アンカテ
0%(-202.6) 池田信夫 blog
69%(0.0) たけくまメモ
30%(-0.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-101.9) アンカテ
0%(-201.6) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-202.6) 池田信夫 blog
100%(0.0) たけくまメモ
0%(-100.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-102.4) isologue
0%(-102.6) 池田信夫 blog
0%(-200.8) きっこのブログ
99%(0.0) たけくまメモ
0%(-2.4) isologue
0%(-102.6) 池田信夫 blog
0%(-200.8) きっこのブログ
0%(-201.9) アンカテ
99%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-2.2) 池田信夫 blog
0%(-100.4) きっこのブログ
0%(-101.5) アンカテ
0%(-102.0) isologue
100%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-199.6) たけくまメモ
0%(-301.5) アンカテ
0%(-302.4) 板倉雄一郎事務所
0%(-402.2) 池田信夫 blog
62%(0.0) isologue
37%(-0.2) 池田信夫 blog
0%(-98.4) きっこのブログ
0%(-99.5) アンカテ
0%(-100.4) 板倉雄一郎事務所
99%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-3.6) 渡辺聡・情報化社会の航海図
0%(-99.6) たけくまメモ
0%(-100.4) きっこのブログ
0%(-102.0) isologue
69%(0.0) たけくまメモ
30%(-0.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-102.4) isologue
0%(-200.8) きっこのブログ
0%(-202.6) 池田信夫 blog
100%(0.0) 板倉雄一郎事務所
0%(-97.2) たけくまメモ
0%(-99.1) アンカテ
0%(-197.6) 情報考学 Passion For The Future
0%(-298.8) My Life Between Silicon Valley and Japan
100%(0.0) アンカテ
0%(-98.0) たけくまメモ
0%(-98.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-98.9) きっこのブログ
0%(-100.4) isologue
100%(0.0) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-101.1) 板倉雄一郎事務所
0%(-298.3) たけくまメモ
0%(-298.7) 情報考学 Passion For The Future
0%(-299.1) きっこのブログ
100%(0.0) 板倉雄一郎事務所
0%(-97.2) たけくまメモ
0%(-97.6) 情報考学 Passion For The Future
0%(-98.8) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-199.1) アンカテ
100%(0.0) アンカテ
0%(-198.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-198.9) きっこのブログ
0%(-200.5) Zopeジャンキー日記
0%(-200.6) 高木浩光@自宅の日記
71%(0.0) たけくまメモ
28%(-0.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-101.7) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-102.0) アンカテ
0%(-102.6) 高木浩光@自宅の日記
100%(0.0) たつをの ChangeLog
0%(-97.3) たけくまメモ
0%(-97.7) 情報考学 Passion For The Future
0%(-99.5) 最速インターフェース研究会
0%(-99.7) isologue
100%(0.0) たつをの ChangeLog
0%(-199.9) 高木浩光@自宅の日記
0%(-297.3) たけくまメモ
0%(-297.7) 情報考学 Passion For The Future
0%(-299.7) isologue
100%(0.0) 最速インターフェース研究会
0%(-97.8) たけくまメモ
0%(-98.2) 情報考学 Passion For The Future
0%(-100.3) isologue
0%(-100.4) 高木浩光@自宅の日記
99%(0.0) たけくまメモ
0%(-2.2) 最速インターフェース研究会
0%(-5.0) Goodpic
0%(-100.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-101.9) 大西 宏のマーケティング・エッセンス
70%(0.0) たけくまメモ
27%(-0.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-2.2) 最速インターフェース研究会
0%(-2.4) isologue
0%(-2.6) 高木浩光@自宅の日記
71%(0.0) たけくまメモ
27%(-0.4) 情報考学 Passion For The Future
0%(-2.2) 最速インターフェース研究会
0%(-2.5) isologue
0%(-2.6) 高木浩光@自宅の日記
53%(0.0) 高木浩光@自宅の日記
46%(-0.1) たつをの ChangeLog
0%(-100.0) blog.bulknews.net
0%(-197.8) 情報考学 Passion For The Future
0%(-199.8) isologue
61%(0.0) isologue
38%(-0.2) たつをの ChangeLog
0%(-98.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-199.7) 最速インターフェース研究会
0%(-200.1) blog.bulknews.net
97%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
1%(-1.8) 最速インターフェース研究会
0%(-2.2) 高木浩光@自宅の日記
0%(-99.6) たけくまメモ
0%(-201.2) My Life Between Silicon Valley and Japan
99%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-2.2) 高木浩光@自宅の日記
0%(-103.3) 404 Blog Not Found
0%(-203.0) メディア・パブ
0%(-299.6) たけくまメモ
100%(0.0) たけくまメモ
0%(-101.9) アンカテ
0%(-200.3) 情報考学 Passion For The Future
0%(-201.6) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-202.4) isologue
100%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-299.6) たけくまメモ
0%(-300.4) きっこのブログ
0%(-301.5) アンカテ
0%(-302.0) isologue
100%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-199.6) たけくまメモ
0%(-200.4) きっこのブログ
0%(-302.4) 板倉雄一郎事務所
0%(-1804.3) On Off and Beyond
100%(0.0) isologue
0%(-100.2) 池田信夫 blog
0%(-198.4) きっこのブログ
0%(-297.9) 情報考学 Passion For The Future
0%(-299.5) アンカテ
100%(0.0) きっこのブログ
0%(-201.0) アンカテ
0%(-201.8) 池田信夫 blog
0%(-299.1) たけくまメモ
0%(-299.5) 情報考学 Passion For The Future
100%(0.0) きっこのブログ
0%(-101.8) 池田信夫 blog
0%(-301.9) 板倉雄一郎事務所
0%(-799.1) たけくまメモ
0%(-802.5) メディア・パブ
100%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-302.0) isologue
0%(-302.4) 板倉雄一郎事務所
0%(-399.6) たけくまメモ
0%(-502.2) 池田信夫 blog
71%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
28%(-0.4) きっこのブログ
0%(-201.5) アンカテ
0%(-202.0) isologue
0%(-204.6) Goodpic
97%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
2%(-1.6) アンカテ
0%(-99.6) たけくまメモ
0%(-100.5) きっこのブログ
0%(-102.2) 高木浩光@自宅の日記
100%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-99.6) たけくまメモ
0%(-100.4) きっこのブログ
0%(-101.2) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-201.5) アンカテ
100%(0.0) isologue
0%(-297.9) 情報考学 Passion For The Future
0%(-298.4) きっこのブログ
0%(-300.2) 池田信夫 blog
0%(-1402.3) On Off and Beyond
100%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-101.5) アンカテ
0%(-201.2) My Life Between Silicon Valley and Japan
0%(-299.6) たけくまメモ
0%(-301.7) 最速インターフェース研究会
100%(0.0) 情報考学 Passion For The Future
0%(-100.7) ARTIFACT@ハテナ系
0%(-101.6) アンカテ
0%(-102.2) たつをの ChangeLog
0%(-103.0) メディア・パブ
本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

Before...

通行人 [単語の一致、取り上げる日付の近さレベルでの近さ判断であれば、意見が真逆であっても、争点が同じブログが一致性が高いと判..]

bewaad [>宮嶋陽人さん ベイジアンフィルタがどのように機能しているのかはわかりませんが、その基本原理からすれば、登場する単語..]

bewaad [>通行人さん おそらく、そういうことなんでしょうねぇ。]


2007-02-02

[economy]マルクス主義2.0

だから、生産性の高い人間だけを集めて仕事をすれば、途方もない生産性で成果が生まれ、とても自分では食いきれない価値が発生するのは必然である。このことは、養老氏が「脳化社会」と言っている範囲、つまり、普通の人が「社会」とか「リアルな社会」と呼んでいる範囲では、同じように成立する。

(略)

そして、まずは直径30cmのケーキを差し出す。つまり、自分たちの高い生産性の成果を、惜しげもなく社会に還元する。だから、「アリさん」企業の生産物は、ほとんどがタダになる。電話や検索やメールやワープロがタダになっているのは、全然序の口で、もっといろいろな凄いものがタダになる。広告とかバージョンアップとか、何らかのヒモつきで後でお金を取られるようなニセモノのタダではなくて、本物のタダになる。

(略)

タダにならない部分は、アリさん企業の法人税を財源として、失業手当として支給できるだろう。

「働かなくても食っていける社会がもうすぐやってくるよ」(@アンカテ(Uncategorizable Blog)1/31付)

大多数が働かなくても生きて行ける社会は、やろうと思えば全世界規模でさほどの困難もなく実現できる。食料なら、すでに80億人分ある。15億人分も過剰だ。その配布システムはまだ全世界を覆い尽くすには至っていないけど、仕事にあぶれた土建屋たちを動員すれば、10年とかからず出来るだろう。65億人が生きていくために必要なものは食い物だけではないけれど、全員分の衣食住を整えるだけのヒトもモノもカネもすでに充分以上ある。

実のところ、「大多数」を「過半」に代えれば、先進国においてはほとんど実現している。「中小企業白書 2006年版」によれば、日本の就労人口は2003年の時点で6600万人。五割をわずかに上回っているに過ぎない。残りはまだ就学中だったり、すでに「寿退職」していたり、定年を過ぎていたりでこの中に入っていない。それでも日本は回っているし、日本を回すのに実はこんなに就労者が必要なわけではないということは皆うすうす知っている。

それが、問題なのだ。

65億人が生きていくために必要なものを揃えるのに、65億人も必要ないことそのものが問題なのだ。衣食住を揃えるためだけなら、おそらくその1/100で足りてしまうのではないか。かなり大めに見積もっても、1/10を超えることはないだろう。

「働かなくても生きて行ける煉獄」(@404 Blog Not Found2/1付)

これらを先取りした意見は、ずいぶんと昔に表明されています。

ネット社会のより高次の段階において、すなわち諸個人が生産活動を自己目的化して従属することがなくなり、それとともに精神的労働と肉体的労働との対立もなくなったのち、また、労働がたんに生活のための手段であるだけでなく、生活にとってまっさきに必要なこととなったのち、また、ネット技術の全面的な発展につれて彼らの生産能力をも成長し、直径30cmのケーキに比される富がそのすべての泉から溢れるばかりに湧き出るようになったのち――その時はじめて、従来型の労働の狭い地平は完全に踏み越えられ、そして社会はその旗にこう書くことができる。各人からはその能力に応じて、各人にはその必要に応じて!

あれっ、コピペの際に文字が化けてしまったようです。きちんと貼りなおしましょう。

共産主義社会のより高次の段階において、すなわち諸個人が分業に奴隷的に従属することがなくなり、それとともに精神的労働と肉体的労働との対立もなくなったのち、また、労働がたんに生活のための手段であるだけでなく、生活にとってまっさきに必要なこととなったのち、また、諸個人の全面的な発展につれて彼らの生産能力をも成長し、協同組合的な富がそのすべての泉から溢れるばかりに湧き出るようになったのち――その時はじめて、ブルジョア的権利の狭い地平は完全に踏み越えられ、そして社会はその旗にこう書くことができる。各人からはその能力に応じて、各人にはその必要に応じて!

このテキストが公表されたのは1875年、その名を「ゴータ綱領批判」といいます‐なんてわざわざ言わなくとも、ピンと来た方も多いでしょうけれども。生産性が極めて高いものとなれば、世に必要とされる以上の財・サービスを簡単に生み出すことができ、したがって労働を強制されることもなく、同時に欲しいものが好きなだけ手に入れられるようになる、という世界観において、essaさんやDan Kogaiさんのテキストとマルクスによる「ゴータ綱領批判」は同じ地平に立っています。

#そうした高い生産性の実現を阻害しているものが何かという点では、もちろん両者は異なっているのですが。

では、20世紀において壮大な失敗に終わった社会実験を喚起したマルクス主義は1.0に過ぎず、21世紀においてGoogleに代表される高生産性の実現が2.0としての復活をもたらすのだ、と考えてよいのでしょうか。essaさんにせよDan Kogaiさんにせよ、そうは説いていません。

そして、この社会が実現する為の最も大きな障害は、「人は報酬を労働の対価として受け取るべきである」という倫理である。「働くもの食うべからず」という倫理が最大の障害となる。

(略)

とは言っても、これは実際には夢物語だろう。労働者がこれを受けいれるとは思えないからだ。「人は報酬を労働の対価として受け取るべきである」という倫理は、簡単に拭い去ることはできない。仕事が無くて贅沢できる社会より、ワーキングプアだらけの格差社会を、労働者が望み、その集団的な力はとても強い。資本家や企業がそれに対抗して、上記のシナリオを実現するだけの力を持つことは難しいかもしれない。

「働かなくても食っていける社会がもうすぐやってくるよ」(@アンカテ(Uncategorizable Blog)1/31付)

我々は「働かなくても生きていける社会」で生きていけるほど慎ましくなれるのだろうか?残りの99人は「ごくつぶし」であることを従容するのだろうか?そして選ばれた1人は社会を食わせ続けることに飽きずにいられるのだろうか?

誰かに必要とされずとも生きていけるほど、人「間」は強く鈍くあれるものなのだろうか?

「働かなくても生きて行ける煉獄」(@404 Blog Not Found2/1付)

これらの見方の根底には、マズローを引き合いに出すもよし、ヴェーバーを引き合いに出すもよしですが、生きがいとしての労働という理解があります。もちろんそのような側面をwebmasterとて否定するものではありませんが、現実に見られるのは、全ての人にとって労働が生きがいではないという姿です。「ニート」「引きこもり」として病理に見立てられ語られるにせよ、ワーキングシェアや労働時間縮減として理想に見立てられ語られるにせよ、労働が生きがいになり得るということは、生きがいが労働でしかないこととイコールではないことを示しています。

#「働かざるもの食うべからず」とは、マルクス主義の文脈では、労働者を搾取して不労所得で「食う」ことは認め難いということですが、裏返せば、不労所得で「食う」存在があり得る=働くことは必須ではない、ということでもありますし。

まったくの趣味的な活動であっても、マズロー流の自己実現であるとか、ヴェーバー流の神の恩寵の徴であるとか、そういったものとして機能します。にもかかわらず、なぜ人は労働するのか。ここはやはり下世話にも食うためである、とせざるを得ないでしょう。マズローに依拠して語るのであれば、自己実現に達するまでには、生存等の下位欲求を満たさねばならないわけです。

ここでいう「食う」とは、単に生存が可能になることを示すものではありません。Dan Kogaiさんが「65億人が生きていくために必要なものを揃えるのに、65億人も必要ないことそのものが問題なのだ。衣食住を揃えるためだけなら、おそらくその1/100で足りてしまうのではないか。かなり大めに見積もっても、1/10を超えることはないだろう」とおっしゃっているのですが、「衣食住を揃えるためだけなら」という条件であれば、農業革命によってマクロ的にはとっくの昔に満たされていることになります。

しかしながら、ヒトの欲望はそれに留まることを許しません。例えば食に関しては、Dan Kogaiさんが「食料なら、すでに80億人分ある。15億人分も過剰だ」とご指摘ですが、これとて肉食というカロリー充足を基準にすれば非効率極まりないものを相当程度含んだベースでのことです。畜産を廃して飼料生産を食用に振り向けるならば、倍を超える人数を養えるだけの食料生産が可能でしょう。ヒトの欲望に応えるため、しなくてもいいことをしているのが現状なのです。

マルクスが「諸個人の全面的な発展につれて彼らの生産能力をも成長し、協同組合的な富がそのすべての泉から溢れるばかりに湧き出るようになったのち」と書いた際、どの程度の生産能力をもって「泉から溢れるばかりに湧き出る」と想定していたかは定かではありませんが、まず間違いなく、現在の生産能力はマルクスの想像力をはるかに超えていることでしょう。「ゴータ綱領批判」出版から130年余りを経過した現在、その間の平均実質成長率を辛く見て5%としても、600倍に近い生産能力を今の私たちは手にしています。

この生産能力は、1875年当時から見れば、「泉から溢れるばかりに湧き出る」としか表現のしようのないものに違いありません。にもかかわらず、「各人からはその能力に応じて、各人にはその必要に応じて」という社会は実現していません。各人の必要性の度合いを値段によって仕分ける市場経済は、その終焉の兆しすら感じさせる状態にはないのです。

Googleらによってもたらされる生産性向上が極めて顕著であることを認めるにせよ、600倍を超えるものではないでしょう。100年以上の時を経て実現した生産性向上によっても満たされることがなかったヒトの欲望が、どれだけGoogleらが優れているとしても、そう簡単に満たされるはずもないと考える方が合理的です。現にコンピュータ業界においても、次のような事例が転がっているわけです。

自分がフィールドにしているIT業界でも、ソフトウェアがバージョンアップに従って肥大化するというのはよくある話。Windowsでも一太郎でもMicrosoft Officeでも、バージョンアップする度に「でかい、重い、不要な機能ばかり多すぎる、ユーザーはこんな肥大化した製品を求めていない」と批判する声が出るのはお約束だ。

そして、こうした批判とワンセットで語られるのが、「機能を絞って安価にした "ライト" バージョンを出せ」という意見なのだが、いざ "ライト" バージョンを出してみると、これが売れないのだ。もし、本当にユーザーの多くが機能を絞った軽量版を求めているのであれば、「一太郎dash」や「Microsoft Works」が市場を制覇していても不思議はないはずなのだが、実際にはそうならない。

面白いもので、何年か経ってみると、"重たかった" はずの製品はムーアの法則のおかげでサクサク動くようになり、"誰も使わない" はずだった機能は書籍や雑誌で「こんな便利な機能があるのに使わないのは損」といってフィーチャーされる。登場したときに重いのなんのとボロクソにいわれた一太郎Ver.4なんて、今のPentium 4マシンで動かせば "超軽量製品" だろう。えてして、そんなものだ。

(略)

多分、PC用のOSやアプリケーションソフトでも事情は同じで、ユーザーが横並び比較で「あれが欲しい、これも欲しい」といっていろいろ付け加えているうちに、F-16ブロック40みたいに太ってきて、ライトでもなんでもなくなるのだ。
それに、「ユーザーが一部の機能しか求めていない」といっても、その「一部」が全ユーザーに共通するとは限らない。あるユーザーにとっては不要な機能でも、別のユーザーにとっては必要な機能だったりするわけで、両者のバランスをとると、結果的に肥大化への道を進んでしまう。

つまり、この話で何をいいたいのかというと、機能を絞った "ライト" バージョンを作っても、いずれはいろいろとユーザーが欲を出して追加装備を積み込み、いつの間にか重量化してしまうのがオチ、ということだ。冒頭で書いた、乗用車のモデルチェンジの話と同じだ。

"ライト" バージョンの誘惑と罠

派手な失敗により悪い印象しかマルクス主義1.0にはないのでしょうけれど、そう軽く見るべきものではなく、2.0とて同じトラップに嵌まりこんでしまうと予想されます。といいますか、革命時の消費水準の漫然とした維持を成功と定義するならマルクス主義1.0は成功していたわけで、その失敗はあくまで消費水準をより高く向上させ続けた自由主義経済圏との比較によってこそ、そう判断されているのです。

幸か不幸かの判断はともかく、働かなくても食べていける世の中は、現在の人類の想像力が及ぶ将来においては到来しないでしょう。もちろん「食べていける」というのが農業革命以前の水準‐というのが大げさであれば、産業革命以前の水準‐でよければ、今すぐにでも働かなくても食べていけることでしょうけれど、それはヒトにとって「食べていける」と呼ぶには値しないのです。そうしたヒトの業は、マルクス主義2.0をもってしても乗り越えられないとwebmasterは思います。仮に乗り越えられるのならば、ポトラッチ等を通じてヒトの性としての蕩尽に着目したポランニー流の経済人類学にこそ、可能性があるのではないでしょうか。

本日のツッコミ(全971件) [ツッコミを入れる]

Before...

Michaelpes [<a href="http://www.chargane.com/サンコースーツケースソラーレ-トゥインクルスターズ..]

Williammag [<a href="http://www.chargane.com/プログレキャリーケースソフト-クレベール-tr-ミ..]

Wesleypi [<a href="http://www.blutunes.net/toms-shoes-トムズ-シューズ-レディース..]


2007-02-03

[politics]柳沢厚生労働大臣発言

今更ながらの話ではありますが(同発言についての議論については、「柳沢関連発言について」(@kmizusawaの日記2/2付)が概観に便利です)、というのも、大臣の「失言」としては久間防衛大臣の発言の方がよほど問題で、柳沢大臣のものはしょせんは言葉尻の話に過ぎないとしか思えなかったため取り上げませんでした。さはさりながら、Baatarismさんの問題提起に触発されたので、改めて論じてみたいと思います。

柳沢厚生労働相が女性を子どもを産む機械や装置に例えた発言をした件で、政界も世論も大騒ぎになっています。特に女性の反発が強く、世間には感情的な意見や報道が満ちあふれています。これに対応して共産党以外の野党は柳沢氏の辞任を要求して審議拒否を始め、世論の支持を得ようとしています。

ただ、政治家として非常識な発言だったとはいえ、1回の失言で辞職を迫られるというのも異例な話です。ここまで世論の怒りが大きくなった理由として、何らかの潜在的な状況があったと考えてもおかしくはないでしょう。

(略)

そこで厚労省関係で女性の反発を受けそうな事件を考えたところ、昨年世間を騒がせた「産科崩壊」問題を思い出しました。

(略)

しかしこれらの問題について、厚労省が積極的な対策を打ち出すことはありませんでした。日本産科婦人科学会が看護士の内診行為を認めるよう強く要求している件についても、厚労省は従来の方針を変えようとはしません。

もし、柳沢厚労相が昨年の段階でこのような「産科崩壊」問題への対策に乗り出していれば、女性の味方というイメージが生まれますから、今回のような失言があっても擁護する女性も多くなり、これほどまでに強い反発を受けることはなかったと思います。しかし柳沢氏はホワイトカラー・エグゼンプションの導入には熱心でしたが、「産科崩壊」問題に対しては冷淡でした。政府が問題視している少子化への対策となるのは、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入ではなく、「産科崩壊」問題の解決だと思うのですが。

「柳沢厚労相の本当の過ち」(@Baatarismの溜息通信2/2付)

webmasterにとっての疑問は、確かに政界が大騒ぎになっているのは事実ですし、メディアも連日大きく取り上げていますが、世論は本当に大騒ぎになっているのでしょうか? もちろんメディアの露出が多いので、それにより受動的に関心を引き寄せていることは否めないでしょう。しかしながら、半径5mの女性の反応を見る限り、政界やメディアが騒ぐほどに世の女性の嫌悪感を刺激しているようではなさそうだ、というのがwebmasterの実感です。

#産科崩壊問題が、それほど人々の耳目を集めているとは、webmasterには思えないということもあります。

そもそも柳沢大臣の発言の趣旨は、AとBの積として得られる数値について、Aが減った場合に同じ程度を保とうとすればBを増やさなければならない、ということに過ぎません。女性を子を産む機械・装置に譬えた場合に難ぜられるべきなのは、子を産む以外の女性の活動を低く見たり、子の親としてのみ女性をアイデンティファイし個人の尊厳を認めなかったりといった考えの表れとして出ることですが、彼の発言は文脈を考えてもそのような含意を導くことは困難でしょう。

#朝日によれば、少子化問題についてふれた際、「機械と言って申し訳ないけど」「機械と言ってごめんなさいね」などの言葉を入れながら、「15〜50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと述べたという「「女性は子ども産む機械」柳沢厚労相、少子化巡り発言」)ということであった由。蛇足ながら、この記事のタイトルが典型ですが、「女性は子どもを産む機械」だとは言ってないんですけれどもねぇ。

仮に誰かを犬と呼んだとき、必ず問題発言だということではないでしょう。対等な人間としての扱いを拒否し、動物を代表して犬を引き合いに出したならば大いに問題でしょうけれど、足が速かったり鼻が利いたり息が荒かったりすることの比喩であるならばどうでしょう? 問題視されかねない軽率さがあったのは事実ですし、その限りにおいて責められるのは当然でしょうけれど、大臣の職に見合うほどのものだと皆が考えるようなものとも思えません。

既にこれだけ報道が広がり、各種の論評が飛び交っているので、聞いた瞬間のファーストインプレッションを集計することは不可能でしょうけれど、一般の人々にどの程度の問題発言だと捉えられたのかは興味があります。良し悪しで言えば悪なのは誰も否定しないでしょうけれど、そのような報道が正のフィードバックをもたらして、白地での感触以上に騒がれてしまっているというのが実態ではないでしょうか。

ちなみに、野党やメディアが騒がなければそのようなフィードバックも働かなかったのでしょうけれど、これらの者が騒ぐことについては、以上と違って大いに納得のできる理由があります。野党については、

  • 結局は頓挫したホワイトカラーエグゼンプション以外にも、関連する労働関連法規改正、さらには社会保険庁改革や被用者年金一元化など、今国会は明らかに厚生労働省が(政府側の)主役を張る状況にあります。そうした中、そのトップをできるだけ叩いておくというのは、今後の国会戦術を考えても非常に有効な一手である、
  • 野党共闘が、選挙協力のつまづきや国民投票法等への対応のばらつきにより足並みが乱れがちですが、本件は社民党にとって(党首のパーソナリティもあり)重要関心事項である一方、民主党にとって社民党に肩入れしても党内事情を気にする必要のない案件なので、野党共闘の結束を固めるための利用価値が極めて高い、

ということが言えるでしょう。メディアについては、野党が騒げばそれ自体がニュースヴァリューを持つということがありますが、それと同様に見過ごせないのは、安倍政権に対する冷たい態度でしょう。きっかけとなったのは政権交代後のぶらさがり取材の削減でしょうけれど、

  • 小泉前総理と違って安倍総理は視聴率等の稼げる存在ではなく、メディア側に迎合するインセンティヴに乏しく、
  • それでも丁重に扱ってくれるのであれば好意が湧きもするのでしょうけれど、既述のぶらさがり削減など、政権側もメディアに対して暖かい対応はしていないので、ますます冷たさが増す、

という状況にあるように見えます。政権のメディア戦略は世耕補佐官のご担当なのでしょうけれど、本件に限らずメディアの冷たい態度があるとするなら、彼は大失敗をしでかしている、ということにならざるを得ません。おそらくは、小泉前総理という類まれなキャラクタと、飯島秘書官をはじめとする周囲のバックアップがあってこそ成功した彼の広報戦略を、彼自身の力量の成果であると勘違いしたのだろうなぁ、と察しはいたしますが。

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2007-02-04

[politics][government]官房長官の役割

昨日取り上げたBaatarismさんのエントリで引用されていたかんべえさんのテキストに、気になる点がありました。

〇その一方で、ホワイトカラー・エグゼンプションをめぐる一連の騒動がなかったならば、この発言はスルーされていただろうな、とも思う。年明けの頃から、厚生労働省はWCE問題に強い意欲を見せていたが、与党内には慎重論があった。選挙にマイナスだと判断するのなら、早めに葬り去っておけばよかった。しかしこの問題について、官邸は調整機能を発揮することができず、外遊中の安倍総理が帰国するのをひたすら待っていた。そして安倍総理の帰国後、1日たってから(おそらく、この間に安倍さんが勉強したのでしょう)通常国会に上程しないという決断を下した。このことで与党が失った機会は大きなものがある。

〇ホントに悪いのは、調整機能を果たさなかった塩崎官房長官であると思います。おそらく塩崎さんが言ったのでは、柳沢厚生労働大臣は聞く耳を持たなかったのでしょう。例えばこれが福田官房長官であれば、「WCEは時期尚早」と早めに葬り去ることができたかもしれない。が、何週間も店ざらしとなり、週末の政治番組ではWCEが何度も叩かれることとなった。結果として悪者になったのが、柳沢大臣です。

〇そこへお誂えむきに登場したのが「女は産む機械」発言。森元総理の「神の国」発言がそうだったように、「こいつを辞めさせろ」という思いが小さな失言を拡大してしまっている。要は柳沢さんはお気の毒ということであって、悪いのは官邸の調整機能の不十分であるとワシは思うのですけどね。もっとも、実質副総理の官房長官に、あんな軽量級を据えたのが失敗だったと言えばそれまでなのですが。

かんべえの不規則発言(2/1付)(webmaster注:しばらくすると2月のアーカイヴに収録されるでしょう(本日現在ではまだ転載されていません))

何が気になるのかといえば、塩崎官房長官が「軽量級」なのかということです。一般に国会議員の軽重は当選回数で計りますが、そのプロフィールをみると当選5回、うち1回は参議院でのものなので衆議院で5回よりも若干格上(参議院の方が任期が長いので)といった感じでしょう。

例えばこれを、小泉政権時代の各官房長官と比較すれば次のとおりです。

福田康夫
就任時で当選4回
細田博之
就任時で当選5回(webmaster注:プロフィールでは平成12年の選挙で当選4回とまでしか示されていませんが、その後に平成15年に選挙がありました)
安倍晋三
就任時で当選5回(webmaster注:当選回数は記載されていませんが、1993年初当選とは細田元官房長官と同期です)

当選回数を物差しにする限り、塩崎官房長官を軽量級というのであれば小泉政権を通じて皆「軽量級」だったということになってしまいます。官邸の調整機能がろくなものではないというのはwebmasterも同意ですが、その理由は軽重ではなく、官房長官が黒子に徹して調整を一手に引き受けるというのは一つの解法ですけれど、塩崎長官はそのようなキャラでもありませんし以前書いたように、彼の資質によるものでしょう。

かく理由は異なれど、求められる役割を果たすことができない官房長官を据えたのが失敗だという点においては、かんべえさんとwebmasterに違いはありません。ではなぜ失敗したのか、安倍総理の人を見る目ということもあるでしょうけれど、それ以上に彼の経歴によるところが大きいのではないかと思えてなりません。

安倍総理は、ただひとつのポストを除いて閣僚経験のなきまま総理の座につきました。ということは、トップとして組織を率いた経験がないということになります。トップとして組織を切り盛りした経験があれば、舞台裏で汗をかく汚れ役が組織には必要だということは、身にしみてわかるはずです。そうした経験がなく、舞台裏の重要性を理解しないまま、外部から派手に活躍するトップ(=小泉総理)の光の当たる部分だけを手本としてしまったのではないでしょうか。

先に「ただひとつのポストを除いて」と書きましたが、それは既述のように官房長官です。ところが、官房長官はあくまで官邸のナンバーツーであって、トップに立たない唯一の閣僚です。官房長官の経験は、トップとして自らを支える人間はどういう人間でなければならないか、ということを知るにはあまり役立たないといえましょう。

とはいえ、自らが官房長官として、総理を舞台裏で支えた経験があれば、上から見ているのではないので見方が偏るのは否めないにせよ、ある程度その重要性を理解できるのでは、というご意見もあるでしょう。しかし不幸なことに、安倍総理が官房長官になったのは郵政解散の後、つまり小泉前総理の威令が政府与党の隅々にまで行き渡り、その意向をかざせば苦労なく調整できてしまう状況にありました。むしろその経験が、官房長官に求められる調整能力を見くびらせる原因になってしまったようにwebmasterには見えます。

#官房副長官時代に、上司である福田元官房長官の仕事振りをきちんと見ていれば、ある程度はわかったはずなのですが、そうなっていないのは、きちんと見ていなかったのか、それとも、見ていても理解できなかったのか・・・。

皮肉な言い方をするなら、小泉政権の末期において、安倍前官房長官の代わりに塩崎官房長官が就任していたとしても、大過なく務め上げることが可能だったのでしょう。しかし安倍政権においては、安倍前官房長官や塩崎官房長官をはるかに超える調整能力を持つ者であることが、官房長官には求められているのです。なにせ、各省庁の調整云々を言う前に、補佐官5人を筆頭に官邸の中でまずは調整をしなければならないのですから。

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2007-02-05

[politics]野党にとっての痛恨の善戦‐愛知県知事・北九州市長選挙

与野党が激突する今年最初の大型選挙として注目を集めた愛知県知事選と北九州市長選が4日投開票され、それぞれの推薦候補が「1勝1敗」となった。野党は苦戦が予想された愛知での善戦を追い風ととらえ、女性を「産む機械」に例えた柳沢伯夫厚生労働相の罷免要求で攻勢を強める構え。与党内でも辞任論が再燃する可能性がある。

日経「愛知知事選は現職神田氏、北九州市長選は野党系の北橋氏」

まあこうした見方が一般的であろう、とはwebmasterも思います。しかしながら、この善戦ゆえに野党は振り上げた拳の落としどころがなくなってしまい、今後はジリ貧になっていくでしょう。なぜかといえば、端的には優勢を頼んで勝利条件を上げ過ぎてしまったからです。

現在野党は審議拒否をしていますが、その具体的内容は次のとおりです。

また、来週から補正予算審議が参議院に移り、与党が審議を強行する恐れがあるとの認識を示した菅代表代行は、「断固、そうした審議を進めるべきではない。柳澤大臣の辞任が先との姿勢で戦っていきたい」と表明。週明け以降も、厚労相の辞任を引き続き強く求め、辞任しない限り、すべての国会審議に応じない方針を3党間で確認したことを明らかにした。

「菅代行、社民、国民新党幹事長と会談 厚労相の辞任要求を再確認」(民主党公式サイト)

鍵になるのは、「厚労相の辞任を引き続き強く求め、辞任しない限り、すべての国会審議に応じない」という部分。ここまで言ってしまった以上、与党が辞任せずで結束していれば、野党としては打つ手がありません。補正予算ぐらいならばともかく、今後来年度予算や各種の重要法案審議が始まった後においても審議復帰をしなければ、どんどん野党のイメージが悪くなるばかりですが、かといって辞任を勝ち取らないのに復帰してしまえば腰砕けの印象のみが残りますから、行くも地獄帰るも地獄とはこのことでしょう。

すべての審議を拒否+辞任するまで復帰しない、というコミットメントをしてしまった以上は、今回の選挙が最初で最後のチャンスだったわけです。さすがにどちらも与党を負かしていたならば、与党内でも辞任の機運は弥が上にも高まっていたことでしょうけれど、善戦ではそれにはまったく及びません。人の噂も75日、柳沢発言問題の鮮度はこれから失われる一方ですから、それにこだわっていつまでも(予算審議にすら)応じないというのでは、いずれ風向きが必ず変わります。

#野党が国会審議に出席していないというのは、過去形ではなく現在進行形ですから。

これでは、うまくいったときのことだけを考えて、失敗した場合にダメージを最小化するためにはどうすればいいかという発想がまるでない、と言わざるを得ません。補正予算審議には出席しないとでもしておくなり、それなりの形式を踏んだ謝罪などを勝利条件にしておくなりしておけば、このようなことにはならなかったのですが。その程度に抑えておいても、選挙で2勝すれば辞任は結果的には勝ち取れたでしょうから、そこまで辞任というカードへの掛け金を積む必要はなかったのです。

#小沢代表は、住専問題におけるピケの失敗から何も学ばなかったのでしょうかねぇ・・・。

何が何でも辞任を勝ち取らなければ負けだ、という背水の陣である以上、このまま辞任を勝ち取れなければ川に突き落とされるだけのこと。当然ながら与党はそれを見透かしていますから、辞任に応じる考えなど出てくるはずもありません。

しかしながら、そんな野党にすら付け込む隙を与えるのが今の与党(笑)。報道を見る限り、参院からは今般の選挙結果を受けて辞任論が再燃しているようですが、これが野党にとって本当に最後のチャンスでしょう。うまく与党内を分裂させ、不信任案の可決が見込めるようになれば勝利が見えてきますが、さて、それだけのことを仕組める寝業師が今の野党にいるのやら・・・。

逆に言えば、辞任はさせない姿勢を明確にしているにもかかわらず、参院側にそのような発言を許す安倍総裁というのも、本当に脇が甘いなぁと。そのぐらいはきちんとグリップしないと。

#個人的な利害得失を申し上げるなら、野党の出席しないまま予算審議や法案審議が進むというのは、仕事が大幅に軽減されてまことにめでたいのですが(笑)。

・・・ってなことを書いて準備していたのに、サーバトラブルで公にできないままでいたところ、次のような動きが。

一方、民主、社民、国民新3党は、今後の国会審議に応じるかなどについて、近く党首会談を開いて対応を決める。民主党内には厚労相の不信任決議案を提出し、07年度予算案審議からの復帰を探る動きもある。

これに関連し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は、5日朝、都内で記者団に「政府・与党はこれで(柳沢氏が)辞任せずに済んだと思っているかもしれないが、大間違いだ」と指摘した上で「新たな思いで、さらに議論の場で追及することもあり得る」と述べ、国会審議への復帰を示唆した。

共産党の穀田恵二国対委員長は午前、国会内で自公両党の国対委員長と会談し、与野党幹事長・書記局長会談か国対委員長会談を開くよう要請。与党側は「協議の用意はある」と答えたという。

中日「政府・与党が厚労相続投を確認/補正予算案、参院委で単独可決」

前半に書いたようにずるずると審議拒否を続けるよりはよほどましな「損切り」ですが、そもそも事前にちゃんと退路は確保しておけよ、と。

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bewaad [>hさん http://bewaad.com/20050603.html#p02 で書いたのですが、審議拒否自体は、..]

bewaad [>kogeさん 実は北朝鮮では中央の統制がほころんでいるのでは、というのは昔書いたことがあります。 http://b..]

bewaad [>大屋先生 私も同じ考えで、さすがにそこまでリスキーな賭けはしていないとは思います。単に結果オーライなんだろうな、と..]


2007-02-06

[politics]国会での議論はどうにもならんなと思う件

いつもいつも話のきっかけとして頼ってしまい申し訳ないと思いつつ、今日も山口浩さんのエントリ、「国会での議論がどうにかならんかと思う件」を題材に。ここで山口さんは、国会の議論がつまらない理由について、「朝まで生テレビ」を対照例として引きつつ、

  • 論点ではなく人によりフックされる議論
  • モデレータの不在

ではないかと指摘されています。前者は、質問者ごとに質疑がまとめられているので、質問者が変われば重複があるなどして議論が深まらないということです。後者は、議論を整理し進行させる役回りがいないので、質問者と答弁者が勝手に言い合っているという状況になっているということです。

それぞれごもっともではあるのですが、webmasterの国会質疑に携わる業務経験から私見を述べるならば、根っこは違うところにあります。その根っこが変わらなければ、議論を論点ごとに行い、有能なモデレータを登場させたとしても、やっぱり議論はつまらないままであろう、と。

では根っこの問題とは何か。webmasterは、答弁者(主として政府側)は守る一方、質問者(主として野党側)は攻める一方、という質疑の構造であると考えています。答弁者は守りきって点を与えないことが勝利条件で、いくら果敢に反論して質問者をやり込めても点は与えられないので、ひたすら防御に徹し、失言その他の付け入る余地を与えないようにしか答弁を組み立てません。その進化のきわみが、わかりづらいと批判されがちな、いわゆる官僚的答弁ということになります。

#(主観的には)わかりやすく説明しようといらぬ比喩を用いた柳沢大臣は、この点からすれば優秀な答弁者ではないわけです。

このように答弁者側が進化すると、質問者側の行動原理も変わってきます。鉄壁の守りを前に千日手といいますか、基本的にはどのような質問をしても無駄だ、ということになってしまいます。とすれば、点がとれない以上ゲームのルール内での勝ちはあきらめ、せめて場外の観客にアピールでもして印象をよくしよう、という方向にインセンティヴが変わるのです。

かくて、

おそらくは、各議員にとって質問の機会は有権者に向けたプレゼンテーションの場としての性格が強いのだろう。閣僚に何を回答させるかよりも、自分が何を質問するかのほうが大事なのだ。はっきりいって、「議論」をするためのやり方ではない。

「国会での議論がどうにかならんかと思う件」(@H-Yamaguchi.net2/5付)

という状況の完成です。

ゲーム理論に詳しいかたであればピンとくるでしょうけれど、これはナッシュ均衡なので、お互いにここから状況を変えて議論をかみ合わせようとするはずもありません。答弁者からすれば、議論をかみ合わせても得点はなく、失言でもしようものなら大失点になってしまうわけですから、用意された答弁を踏み外すのは愚かなことになってしまいます。質問者からすれば、のらりくらりとかわされ続けて、「あの先生はパッとしないなぁ」なんて印象を有権者に持たれては質問しなければよかったということになってしまうわけですから、真摯に議論を深めようとするのは愚かなことになってしまいます。

であるならば、国会の議論を面白くするためには、政府に反論権を認めて、野党の質問や対案の問題点を抉り出したならば、多少の失言などがあっても政府の勝ちだ、とゲームのルールを変えるより他ありません。こうすれば、政府側には攻勢を仕掛けようとするインセンティヴが出てきますし、それにより隙もできるでしょうから議論がより緊迫するでしょう。野党側に緊張感が出てくるのは言わずもがな。

じゃあなぜそうなっていないのでしょうか。誰が考えたって、攻守が決まった試合よりも、攻防がめまぐるしく入れ替わる試合の方が面白いのは当然です。面白くするために政府に反論権を認める、なんてことを今さらながらwebmasterが言い出すまで、誰も考え付かなかったはずもありません。

webmasterの管見では、政府にはなるべく制約を課すべし、という思想の表れだということになります。一般的傾向としていえば、政府は一国の中で最大の機関ということになりますから、情報収集力をはじめ、総体としてはもっとも強力な存在となります。その力を総動員して野党に容赦なく反論するのであれば、その議論は著しく野党に不利なものとなりましょう。

それでは、議会による政府のチェック機能は相当程度減殺されてしまいます。政府は聞かれたことに答えるのが(議会での)役目であり、余計なことをしゃべるな、野党に問題があったとしても目をつぶれ、というのは、上記の政府の力へのハンディキャップとして議論を対等にさせるにとどまらず、野党の失敗よりも政府の失敗が問題であるので、そちらの抑止に重点を置くべきとの制度趣旨の表れでしょう。野党の失敗などたいしたことはない、それよりも政府が失敗を犯さないように厳重に手枷足枷を嵌めよ、と。

民衆が求める「面白さ」を捨ててまで、制度としての安定性を重視するというのは、これもまたひとつの立憲主義のあり方であるのかもしれません。民衆の欲求に応えて丁々発止の議論の応酬が行われ、その動向に衆目が注がれるというのは、ある意味で独裁者を求める民衆という歴史上何度となく見られた姿の土壌でもあるのでしょうから。

と考察を進めると、結論はタイトルのようにならざるを得ないんですよねぇ・・・。

[BOJ][media]「中央銀行の独立性」フェチ

昨日の日経に、「日銀の独立性守る成熟国に/円の信認こそ成長の土台」という論説が掲載されました(「核心」、岡部直明論説主幹によるもの)。これがまた、信仰告白と見紛うばかりのものすごいものです。

いま世界で最も輝いている指導者はドイツのメルケル首相だろう。(略)

そのメルケル首相は「中央銀行の独立性」でも見せ場を作った。欧州中央銀行(ECB)を訪れた首相は「中銀の独立性が極めて重要だ」とトリシェ総裁を励ました。ECBへの政治圧力はユーロの信頼を損なうと考えるからだ。二度の世界大戦による混乱を経験したドイツには「中銀を批判した人が批判される」という伝統がある。メルケル首相の言動には成熟した先進国の政治が垣間見える。

翻って、日本はどうか。ドイツとは逆に「日銀を批判した人が喝采を浴びる」風潮さえある。(略)

幸い、一月の利上げ見送りはこの政治圧力に屈したわけではない。もともと日銀政策委員会のなかでは景気・物価をもう少し見極めたいという慎重派が多数だった。しかし政治圧力のもとでの利上げ見送りで日銀の信認が傷つき、円の信認に響いたのは否めない。

グローバル経済化が進むなかで中央銀行に政治圧力をかけるのは危険である。東京市場の波乱は世界に連鎖する。政治圧力で身動きが取れないとなれば、グローバル市場は日銀の足元を見透かす。(略)

(略)

日銀に政策目標の共有を求めるなら、安倍政権はその前に実行すべきことが多い。まず中身がおぼろげな成長戦略を立て直すことだ。「開放なくして成長なし」という旗印の下に、外資誘致などグローバル戦略を実践するときでもある。

(略)

グローバル時代は「信認競争の時代」といえる。グローバルな成長力を取り込むには、中央銀行の信認と通貨の信頼が欠かせない。それを自ら崩すのは得策ではない。日銀の信認が揺らぎ円の信認が低下すれば、成長の土台も崩れる。

独立した中央銀行は国民の財産である。懐深い政治と責任ある日銀が相まってはじめて日本は成熟国の仲間入りができる。

日経「論説主幹 岡部 直明/核心/日銀の独立性守る成熟国に/円の信認こそ成長の土台」

グローバル時代だのグローバルな成長力だのといった言葉遣いなどツッコミどころはほぼすべてといった感がありますが、もっとも際立つのは、独立性=批判を許さないこと、といわんばかりの独立性の理解でしょう。中川幹事長をはじめとする「政治圧力」の脅迫めいたやり方は、手段として妥当性を欠くと指摘されてもやむを得ない面があることはwebmasterも否定はしませんが、そうした手法ではなく批判することそのものを問題視するというのは、権力の監視を使命として謳うメディアの人間にとっては自己否定ではないのでしょうか(日銀だって行政権の一部を担う存在なのですから)。

そんな風潮が世の中を支配し、中央銀行を批判した人間が白眼視されるようになったら「成熟国」だというのなら、永遠に「未熟国」であり続けた方がよほど幸せというものでしょう。といいますか、議会証言が求められるFRBやインフレターゲットを外した場合の説明責任を課せられるBOEを要する英米両国は、この基準で言えば「未熟国」ということなのでしょうけれど、ユーロ圏に比べてどちらも経済は好調なのですが。

ECBは国際機関であるだけに主権国家の統制がゆるい、という特殊事情があり(IMFやIBRDにはごくたまにそうした点への批判がなされますが、ECBに対してはほとんどないでしょう)、加えて最適通貨圏を大いに逸脱した流通圏を構築してしまったがゆえの金融政策運営の難しさを抱えていて、模範とすべきようなものではありません。

そもそも中央銀行の独立性確保とは、そうしておいたほうが経験則的・確率論的に金融政策が大過なく行われるというに過ぎず、独立性さえ確保しておけば必ず金融政策がうまくいくということではありません。個別の金融政策決定が誤りであることは、いくらでもあり得ます。そうした実態から目をそらし、独立性そのものに正しさを見出してしまうというのでは、物神崇拝=フェティシズム以外のなにものでもありますまい。

#ところで、ぐぐっても裏が取れませんでしたが、岡部論説主幹って、日銀法改正時にどこかの審議会のメンバーで担当していませんでしたっけ?

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2007-02-07

[politics]続・柳沢厚生労働大臣発言

2/3に取り上げた「機械」発言に引き続き、また野党を騒がせる発言が出ました。

「女性は産む機械」と発言し釈明に追われている柳沢伯夫厚生労働相が、6日の記者会見で結婚したい、「2人以上子どもを持ちたい若者」を「健全」と表現したことが波紋を広げている。首相官邸は問題視しない構えだが、野党側は「子どもが2人以上いなければ不健全なのか」と一斉に反発。柳沢厚労相の辞任を求める動きがさらに勢いづいており、国会審議の正常化を前に新たな火種となる可能性もある。

(略)

■柳沢伯夫厚生労働相の6日の記者会見での主なやり取りは次の通り。

(記者) 少子化対策は女性だけに求めるものなのか、考えはいかがか。

(厚労相) 若い人たちの雇用形態が、例えば婚姻状況などに強い相関関係を持ち、雇用が安定すれば婚姻率も高まるような状況なので、まず若者に安定した雇用の場を与えていかなければいけない。また、女性あるいは一緒の所帯に住む世帯の家計が、子どもを持つことで厳しい条件になるので、それらを軽減する経済的支援も必要だろう。もう一つは、やはり家庭を営み、子どもを育てることには人生の喜びのようなものがあるという意識の面も若い人たちがとらえることが必要だろう。そういうことを政策として考えていかなければならない。他方、当人の若い人たちは結婚をしたい、それから子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけだから、本当にそういう若者の健全な、なんというか希望というものに我々がフィットした政策を出していくことが非常に大事だと思っている。

Yahoo!ニュース(毎日)「<柳沢厚労相>子ども2人以上「健全」発言、波紋に拍車」

雇用問題に着目した部分が注目を引かないのは嘆かわしい限りですが、今般の流れに即してそこは今回は措きましょう。流れに沿ってこの発言に対する野党の反応を報道から拾うと、次のようなものがあります。

これに対し、民主党の小沢代表は山形市での記者会見で、「(女性を産む機械に例えた)発言以来、『ごめんなさい』と言っているが、柳沢氏自身の意識や考え方、体質は変わっていない」と批判した。国民新党の亀井久興幹事長も記者会見で、「子供を1人しか作れない人々は不健全と言わんばかりの発言だ」と指摘した。

読売「柳沢氏の子供2人「健全」発言、野党が一斉に反発」

共産党の穀田恵二国対委員長は「1人だったら不健全、ゼロだったら不健全だと言いたいわけだ。全く反省していない」、社民党の福島党首は「子どもを持ちたくても持てなかった人や、持とうと思わない人に配慮がない」と批判。小沢、福島両氏と国民新党の綿貫代表の3野党党首は6日夜の会談で、改めて辞任を求めることで一致。首相官邸で塩崎官房長官に申し入れた。

朝日「「結婚・子2人は健全」 厚労相発言、与党内からも批判」

「2人以上持ってらっしゃる方は健全で、持てない方は不健全だという風に受け止められますので、極めて不適切な発言だと思います」(民主党・蓮舫参院議員)

TBS「厚労相の新たな発言問題、野党が批判」

この中で、国民新党の亀井久興幹事長、共産党の穀田恵二国対委員長、民主党の蓮舫議員による批判は、実際のところ批判になっていないと申しますか、柳沢大臣よりも考えようによってはひどい発言しているという自覚がないのがみっともないです。その点、社民党の福島党首はちょっぴり見直しました。

というのも、柳沢大臣が「健全」と冠したのは、あくまで子どもを2人以上持ちたいという意思の問題で、2人以上持っているかどうかという実際の子どもの数の問題ではありません。持ちたいというのが健全だというのであれば、不健全なのはあくまで持ちたくないという場合のことだというのに、持たない/持てない場合のことだと脳内変換するというのは、柳沢大臣への批判のごとく勝手に言葉から意思を忖度してよいのであれば、ご自身がそのような価値観をお持ちだからそう聞こえてしまうのではないでしょうか(笑)。

福島党首については、「持ちたくても持てなかった人」への言及はさておき、「持とうと思わない人に配慮がない」という部分に理解が及んでいるのは、この文脈からすれば大したものです。って、橋下弁護士流に言うなら「国語力」の問題で及第点を出せることをもって大したものと評してしまうとは、webmasterも野党に甘いなぁ(笑)。

蛇足ながら、穀田国対委員長以外の方々におかれましては、子どもを「作る」「持つ」という言い方自体、そっちの価値観からすればまずいんでないの、というのは揚げ足取りですかそうですか。

[BOJ][media]続・「中央銀行の独立性」フェチ

こちらは昨日の続きということに。

お公家さん集団‐。十数年前、日銀を担当し始めたころ、われわれは日銀職員らをそう呼んでいた。そこには、象牙の塔にこもっていて世間知らずという意味合いとともに、「通貨の番人」を務める日銀に対する畏敬の念が無意識のうちに込められていたように思う。だが、先月の利上げをめぐる議論で、自民党幹部らの横やりで市場からの信頼が揺らいだ日銀を見ていると、通貨の番人としての権威も信頼もすっかり失ってしまったようでがっかりしてしまう。

(略)

その真剣な議論が必要な政策決定会合に対して、自民党幹部らが外野から利上げに声高に反対するのは、金融政策の神聖さを汚す行為だ。(後略)

産経「経済ノート/お公家さん集団の誇りは?」

「畏敬」「神聖さ」ですか・・・日銀法を改正して、「日銀ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」とでも規定せよとキャンペーンを張ってみてはいかがでしょうか(笑)。

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bewaad [>irさん おそらくは一定水準の子どもの数にのみ「健全」の語を当てることへの批判でしょうから、そのような展開にはなっ..]

bewaad [>◆さん >野党のほうも前は「少子化対策が不十分だから産めないのに責任者の大臣が個人にがんばらせようとするのはけしか..]

bewaad [>BUNTENさん 子どもを生むときの親の年齢からすれば、多くは合理的に行動するならやめた方がいい、という程度の収入..]


2007-02-08

[pension][economy]年金は経済だよ、兄貴!

兄貴とは誰かとはさておき(笑)。

厚生労働省が一昨日、「人口の変化等を踏まえた年金財政への影響(暫定試算)」を発表しましたが、これがなかなか味わい深い資料です。経済成長と出生率を変数とする年金の所得代替率見通しを示したものですが、厚生労働省資料では経済成長率が明示されていないので、朝日「年金額「現役の51.6%が基本」/厚労省、試算6分類公表/運用利回り4.1%想定 出生率は1.26」(webmaster注:ネットには掲載されていません)をベースに、そこに掲載されていない出生率1.76シナリオの計数を併せて示せば次のとおりです。

実質成長率\出生率1.061.261.551.76
1.0%49.4%51.6%54.2%55〜56%
0.6〜0.7%43.9%46.9%50.3%52〜53%

これについて、報道を散見する限り、例えば次のように、所得代替率50%以上確保という前回の財政再計算に基づく年金制度改正時の公約を守った体裁を取り繕うためのためにする試算ではないか、という見方が多いようです。

二〇〇四年の法改正で、現役世代の減少分や平均寿命の伸び率分を、物価スライドなどによる増額分から自動的に差し引き老若が負担を分かち合う方式の導入が決まった。これにより、所得代替率は徐々に下がるが、女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)を一・三九と見込み、将来とも50%が確保できると政府は確約していた。

昨年末公表の将来推計人口で、合計特殊出生率が一・二六で半世紀後も推移すると予測されることから、国民の年金への不安が高まり、厚労省は試算をし直した。それでも、所得代替率は二六年以降、51・6%を維持できるという。

出生率が予想を下回り、寿命が予想以上に延びてマイナス要因として働くにもかかわらず、好転した経済情勢に支えられ、物価や賃金、積立金の運用利回りの上昇、高齢者や女性の就労の増加などプラス要因に吸収されるとの見通しからだ。

だが、用いた今後の物価、賃金上昇率、運用利回りの数字は好都合すぎないか。達成するのは困難との見方もあり、50%以上を確保するための辻褄(つじつま)合わせといえなくもない。

東京「年金給付水準 数字の辻褄合わせでは」(2/7付社説)

しかしながら、この試算が示すのは、出生率を上げるよりはるかに容易であろう安定的な経済成長の確保により、年金制度は十分に安定的に維持可能である、という事実でしょう。試算では示されていませんが、仮に2%の実質成長を安定的に達成できるならば、(合計特殊)出生率が1.06にまで落ち込んだとしても、おそらくは所得代替率50%を維持できるはずです。

本件は、当サイトでは何度となく嘆いていることではありますが、実質成長率に関するこの悲観的な見方が、多くの議論をおかしくしていることの実例のひとつでしょう。実質成長率が1.0%であっても楽観的だというのが正しいならば、そりゃ消費税でも増税しなければろくな所得代対立は確保できないでしょうけれども、ねぇ。

もうひとつ蛇足を加えるなら、年金について第一次ベビーブーマー以上の世代は若年層の犠牲の上に多くをとりすぎである、という議論があるわけですが、この推計がほのめかすのは、現在/近い将来の受給世代にとって、その生涯において実現してきた経済成長を鑑みれば、不当なまでに多くを受け取っているわけではなかろう、ということです。そのような世代間対立は、結局は経済成長が低迷している中で、パイの取り分が限られているからこそのもの、ということでしょう。

仮に3%近くの(実質)経済成長が実現されるのであれば、おそらくは所得代替率は6割を超えてなお、年金財政には十分な余裕があるということになるでしょう。現在/近い将来の受給世代の生涯平均経済成長率は、それをはるかに超えるものでしょうから、それに見合う年金給付を想定するならば、それら世代にとっては、このようなみみっちい議論をする方がしっくりこなくて当然です。

もちろんその経済成長率は、高度経済成長期という歴史の「ボーナス」(多産多死から少産少死へのシフトの過程において、生産年齢人口比率がピークに達したこと)の賜物ではありますから、ある程度までは、彼/女らから今の現役世代が不当にけなされるべき事情にはないのも事実ではあります。しかし、3%弱の実質経済成長を成し遂げられないことについては、今の現役世代の責任といわれてもやむを得ないのではないでしょうか。

・・・って、バブル崩壊以後のマクロ経済政策を失敗し続けてきたのは、まさにその世代であり、その意味では、年金受給世代が不当に多くを取っていると批判されるのは、少なくともその世代に属する人々の責任ではあるのですが。若者を批判するより、同世代の無能な政策決定者をまず批判しろ、と現役世代からは反論させていただきたいのですが。

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bewaad [>kogeさん 仮に先進国は現状維持ないし微減でいいとして、発展途上国にそうしたことがいえるのか、ということですよね..]

霞ヶ関の通りすがり [代替率が高くなるのはマクロ経済スライドの適用期間が短くなっているからでしょう.暫定推計の方が一年短くなっています.]

bewaad [>霞ヶ関の通りすがりさん 情報提供ありがとうございました。やっぱりマクロ経済スライドには留意が必要ですね。]


2007-02-09

[economy]人口減少って、本当に問題なの?

昨日のエントリに関連する話題ではありますが。

結局のところ、この問題の解決策としては、以下の三つの選択肢しか存在しない。

  1. 国内で解決(domestic; do it ourselves = D)
  2. 国内の余剰高齢者を国外に移民(emigrate the old = EO)
  3. 国外の余剰若年者を国内に移民(immigrate the young = IY)

「少子化の三つの対策」(@404 Blog Not Found2/8付)

国内の余剰高齢者の移民という選択肢があることからも、人口減少そのものよりは、むしろ人口構成の問題であるとの受け止めだとwebmasterは理解します。

そして第三の理由は、絶対国力の減少。いくら一人当たりの生産性が高いといっても、市場全体が小さくなれば、当然その市場は後回しにされる。(略)クリティカルマスというのは確かにあるのだ。そしてクリティカルマスの点から見れば、今の日本でも小さすぎるという観かたもあるのだともおっしゃっていますので、人口の絶対数も無関係だということはないのでしょうけれども。

それをさらに詳しく見るなら、高齢者(現役引退世代)の増加は、

  • 生産活動に携わらない者の比率が増加するので、経済水準の維持に必要なだけの生産が不可能になるのではないか、
  • 医療費・年金等において相対的に高コストを要する者の比率が増加するので、経済水準を低下させることになるのではないか、

という2つの要素となるでしょう。相互に関連する話ではありますが、わかりやすく言うなら、収入は頭打ちなのに出費は増える、こりゃダメだ、と。

しかしながら、これらはそれほど深刻な問題ではない、とwebmasterは考えます。まず前者については、労働者人口が減り労働単価が上昇すれば、女性や高齢者など労働市場に参加していない者の労働参加が促されますから、生産活動に携わる者の比率の落ち込みは緩和されます。緩和されても落ち込むでしょ、というご意見もあるでしょうけれど、労働単価の上昇は同時に、労働力に頼らない生産活動(機械化、あるいは海外での生産(への投資)など)を相対的に廉価にするので、そちら側からも調整が進むのです。この点からは、「もの作りが大事だ」などといって妙な業界保護策に走らないことをこそ、警戒すべきでしょう。

後者については、まさに昨日年金について見たように、安定的な経済成長さえ達せられるなら、それほど心配すべき話ではありません。昨今の社会保障費関連の話題があまりに悲観的なのは、デフレ下でのろくでもない経済成長を前提としているからで、景気循環の波はあれど、デフレのような論外の状況に陥らないよう、まともなマクロ経済運営(他国と比べて抜きん出ている必要はなく、平均点程度でいいので)が行われることが何よりも大切です。

他方、これらに留まらない懸念の表明もあります。Dan Kogaiさんのエントリの契機となった、大石英司さんのエントリが代表的なものでしょうか。

問題は、地方に於いて、一族十数人しかいない中で、子供は一人、働いている人間はほんの二人で、残る10人は、みんな70歳以上、という時代が来るわけです。その時に、働き手世代一人で、救急車の運転もしなければならない、消防車に警察も、つまり公的業務を、もの凄く限られた人数でカバーしなければならない。小学校も中学校も、20万規模の中核市に一校のみ。通学はどうしましょう。片道1時間、保護者のマイカーで送り迎えするのも大変だから、毎日公民館に4、5人が集まって公民館でテレビ授業で済むでしょうか。高校なんか県庁所在地にしか無い。いずれそういう時代がやってくる。

今、たとえば長野県のいろんな過疎地で、泰阜村とか、それに近い状況にありますよね。それが更に遙かにタイトになる。コミュニティを回すには、一定のマンパワーが必要なのに、それが確保できないという状況がいずれやってくる。

ほとんど生産活動が無い地方のコミュニティでそれを回す原資は、都会から降って来る税金しかないけれども、いずれ、税金はあっても、人がいないという状況になる。だから私は、選抜公務員制度を提唱して、都会から若者を収奪して一定期間、地方で働かせるしか無い、と普段主張しているわけなのですが。

「人口が減るということ」(@大石英司の代替空港2/8付)

このような問題意識はwebmasterも共有していて、だからこそ限界自治体のホスピス政策なども提言しているわけですが、しかしこれは、人口減少に伴う問題なのでしょうか? こうした状況は、一言でいえば過疎化でしょうけれど、それが社会問題として語られるようになったのははるか昔からです。

「過疎」という語は、1966年に経済審議会の地域部会中間報告で初めて公式に登場した。翌年まとめられた同部会の報告は次のように述べている。

「人口減少地域における問題を『過密問題』に対する意味で『過疎問題』と呼び、過疎を人口減少のために一定の生活水準を維持することが困難になった状態、たとえば防災、教育、保健などの地域社会の基礎的条件の維持が困難になり、それとともに資源の合理的利用が困難となって地域の生産機能が著しく低下することと理解すれば、人口減少の結果、人口密度が低下し、年齢構成の老齢化が進み、従来の生活パターンの維持が困難となりつつある地域では、過疎問題が生じ、また生じつつあると思われる。」

(略)

過疎対策として、1970年に過疎地域対策緊急措置法が制定され、以降、十年おきに過疎地域振興特別措置法、過疎地域活性化特別措置法として更新され、過疎対策が講じられてきた。現在では、2000年に制定された過疎地域自立促進特別措置法を基に、十年間に渡る過疎対策が実施されている。現行法における過疎地域とは、この法律の第2条第1項の要件(第32条によって読み替えられて適用される要件を含む)に該当する市町村である。

過疎‐Wikipedia

60年代後半から認識され、70年に最初の総合的対策が講じられたということからは、高度経済成長期に顕在化したということが察せられますが、とまれ、すでに40年を数える問題です。人口減少とは最近の問題なのですから、全体としての人口よりも、その国内での分布の問題であるといえましょう。もちろん、全体の減少がより事態を深刻にしていることは確かですが。

[BOJ]政治の圧力なんかより、能力に疑問を持たれているのでは?

米国の大都市圏で住宅市場の落ち込みが鮮明になっている。国内消費は底堅く、今のところ米景気への影響は限定的だが、一部の専門家の間で、住宅バブル崩壊が米景気失速につながるとの見方は根強い。米住宅市場の動向は、世界経済をけん引する米経済の行方を占うバロメーターとなっている。

(略)

ただ、先行きは予断を許さない。プリンストン大のクルーグマン教授は、米紙ニューヨーク・タイムズ紙上のコラムで再三にわたって住宅バブル崩壊を警告。エール大のシラー教授も「年内のどこかでマイナス成長転落がありうる」と、バブル崩壊が先導する景気後退の可能性を強調する。

シラー教授は住宅ローン返済が滞り、金融機関経営に悪影響を与える可能性も指摘する。昨年夏以降の市場金利上昇に伴い、信用力の低い低所得者層開拓を狙った「サブプライム・ローン」の焦げ付き件数は急増。同教授は「日本のバブル崩壊の二の舞を演じる危険も念頭に置かなければならない」と表情を引き締める。

こうした見方があることに対し、1月17日にニューヨークで講演したFRBのミシュキン理事は「日本ではバブル崩壊後、日銀が速やかな金融緩和をしなかった」と反論した。

同理事は「中央銀行はバブル崩壊を確認したら間髪を入れず金融緩和で対応することが重要」と述べ、FRBが既にバブル崩壊に向けて準備を始めていることを強調している。

東京「海外エコノメール/米国発:予断許さぬ住宅市場/バブル崩壊、景気後退も」

政治家やポジションを持つ投資家の発言としては、先般の利上げ騒動において政治の圧力に屈したの屈しないのと、それによって信認がどうしたこうしたといった議論になっているようですが、同業者たる海外の中央銀行から見れば、そんなことよりも金融政策の遂行能力において見くびられているのでは、とうかがわせる報道です。バブル崩壊時の対応は過去のことだとしても、未だに当時の誤りを認めないというのでは、「わかってないなぁ、こいつ」と内心馬鹿にされてもやむを得ないでしょう。

こうした日銀に対する認識があるのであれば、同業者をはじめとするプロの目からは、利上げ騒動も日本での報道振りとは異なって移っているのではないでしょうか。当サイトで繰り返し申し上げていることではありますが、デフレから脱却していないというのに利上げをするのは、期待インフレ率の急激な上昇でも観測されない限り、とうてい正当化できるものではありません。「あいつら、引き締めればいいと思っていやがるんだ(笑)」というのが正直な感想であるかもしれませんし、先日のFinancial Timesの社説も、そうしたプロの空気を反映したものだったのではないでしょうか。

[BOJ]今さら日銀の目標が何であるかが話題になるとは・・・。

日銀は政治的圧力から利上げを見送ったのではないかとの憶測があり、市場では日銀や総裁に対する批判や問題視する見方も広がった。

一つは、日銀の政策と政府の経済政策の関係を定義している日銀法第4条の解釈の問題である。(略)

二つ目は、日銀の金融政策の基軸の問題で、中期的な物価安定を目指すことと、金利を正常な水準に戻すことと、どちらをより重視した政策を基軸とするのかについて、明確にすべきではないかとの問題である。これらの問題を明確にすることは時間がかかるだろうが、日銀の信認や政策の独立性を確保するためには、ぜひとも解決する必要がある。

朝日「経済気象台/日銀の金融政策」

「金利を正常な水準に戻すこと」なんてものが、なんで金融政策の目標になり得るんだよぉ・・・。

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bewaad [>通りすがりさん FTについては、石ばっかりよりも玉石混交の方がよほどましということで(笑)。 メディア対応につい..]

bewaad [>tanbryさん 2/7のエントリの方でお応えさせていただきました。]

bewaad [>kumakuma1967さん 地方分権の部分否定ですし、当の地域においても受け入れがたかったということかと思います..]


2007-02-10

[economy]円キャリートレードの何が問題なのかがわかりません。

別にwebmasterが適役ではないのでしょうけれども。

低利の円で資金調達し、ユーロやドル建ての資産で運用して金利差をかせぐ「円キャリー取引」が増えたのだ。

この問題についていわゆるリフレ派の意見を見たことがない。基本的にリフレ派はこの手の領域に触れないように思える。

「産経社説 G7 円安リスク洗い出す好機」(@finalventの日記2/9付)

webmasterがこの手の話題を取り上げないのは、取り上げるに値する価値を認めていないからです。とりあえず、finalventさんのエントリで引かれている産経の社説を見てみましょう。

日本にとっても、リスクは円高への反転だけでない。円安は国内からの資金流出が多いことも反映している。

過去最高水準の企業業績にもかかわらず日本株の動きが鈍いのは、売買益を得ても、ドルやユーロに交換するさいの目減りを嫌う海外投資家が敬遠しているため−との見方も強い。債券も含めて、これらが悪循環を起こすと円からの資金逃避が加速しかねない。

円安の背景には日銀の超低金利政策がある。景気回復を受けて連続利上げした欧米との金利差が広がった。低利の円で資金調達し、ユーロやドル建ての資産で運用して金利差をかせぐ「円キャリー取引」が増えたのだ。

選挙を控え、政府・与党は「景気を冷やす」と利上げに強い拒否反応をみせているが、こうした問題にも目を向けるべきだ。実際にG7が円安是正を打ち出したり、日銀の金融政策に注文をつけたりする可能性は低い。しかし、G7での議論は、居心地の良い円安、超低金利の抱えるリスクを洗い出す好機である。

産経「G7 円安リスク洗い出す好機」(2/9付社説)

円高になるリスクもあれば円安になるリスクもある、なんて話を真剣に取り上げる気になるのも難しいところですが(笑)、それにしてもこの社説子は自家撞着を起こしていることに気がついていないのでしょうか。株式投資についてはキャピタルゲインを上回るほどの為替変動を想定しておきながら、円キャリートレード、つまりはインカムゲインを求めての行動で円安を説明しようとしています。キャピタルゲインが吹き飛ぶほどの円安を投資家が見込んでいるのであれば、円キャリートレードの動機はインカムゲインではなく、円安による為替差益に決まっています。

むしろ円安の動きは、単純な購買力平価で説明可能でしょう。日本は遅々たるものがあるとはいえ、一応はデフレ脱却の道を歩んでいて、つまりは相対変化としてはインフレ率が上昇する方向へ動いています。他方でヨーロッパでは、まだインフレ率がそれほど上昇しているわけではないにもかかわらず引き締めを鮮明にしているわけで、つまりは相対変化としてはインフレ率が下降すると見込まれます。インフレ率が上昇しつつある通貨と下降しつつある通貨との間の為替相場が、前者の下落という形に落ち着くのは、購買力平価の予言するところに他なりません。

#絶対値としてのインフレ率によって為替レイトが定まるというのが購買力平価ですから、上記はミスリードな記述でした。そのような金融政策の方向感から、中長期的な見通しとしての期待インフレ率が逆転しているのだろう、というようにご理解ください。(2/11追記)

そもそも為替相場において警戒すべき変動とは、ファンダメンタルズから乖離した相場がファンダメンタルズへ回帰する際のオーバーシュートであるというのが一般的に言えることでしょう。社説子の論調からすれば、ファンダメンタルズよりも円安に現状の相場が形成されていると理解しているのでしょうから、「円からの資金逃避が加速しかねない」なんていう妄言は、聞き流す以外にどうしろというのでしょう(笑)。

では円高へのオーバーシュートがあり得るのかといえば、先の購買力平価を援用すれば、まだデフレから脱却していないというのに再度デフレを深化させかねないようなことがその契機となり得るでしょう。既述のインフレ率の相対関係が逆転し、投資家の円安見通しに基づく円ポジションは一斉に解消されるでしょうから、そのようなことは避けねばなりません‐皮肉なことに、社説子の心配とは逆に、日銀がファンダメンタルズを無視して引き締めに走ることが最大のリスクということになります。

産経社説を離れてキャリートレードに問題があり得るかを考えるならば、過去にキャリートレードが引き起こした問題を見てみるのが早道でしょう。典型的にはアジア通貨危機ですが、東南アジア諸国につぎ込まれていた短期資金の引上げに際して、返済に必要な外貨(つまりはドル)がショートしたことが原因です。問題が生じるとするなら、あくまでキャリー先(の流動性)においてであって、キャリー元においてではありません。

常識的に考えても、今まで借りていたお金を急に返せと言われて困ることはあっても、今まで貸していたお金をもういりませんと言われて困ることがあるでしょうか? 仮に円キャリートレードに巻き戻しが生じるとしても、その際に困らないように対処すべきなのはあくまでキャリー先なのです。もしユーロがECBの金融政策の結果としてファンダメンタルズ以上に高い相場を形成しているとすれば、アジアに限らず通貨危機でよく見られるように、売り浴びせ→外貨不足による暴落、というリスクに瀕している可能性があります。そう、事態は円安リスクではなくユーロ高リスクである可能性の方が大きいですし、リスクが顕在化した場合の影響もまたそうであるのです。

[government][economy][media]高橋洋一さんによる「政権批判」

田中秀臣先生のご紹介を受けて今週号の週刊文春掲載の「安倍ブレーン(高橋洋一内閣参事官)がバラしちゃった/「総理のホンネは選挙までは景気を良くしておいてネ」」を読みました。詳しい内容は週刊文春、あるいは田中先生のエントリをご覧いただきたいと思いますが、概要をご紹介するならば、高橋さんが講演において、安倍政権のスタンスとは、

  • マクロ経済に一番関心がある、
  • (おそらくは増税や歳出削減を通じた)財政再建には熱心ではない、
  • 「構造改革」や個別の産業政策には関心が低い、

といったものだと語ったというものです。ご本人の自負がいかほどかはさておき、実際に一人で政権の経済政策を牛耳っているわけではないでしょうから、100%安倍政権の経済政策がそのようなものであるわけではないでしょう。それにしても、実際にこのような方向で政策運営がなされている部分がそれなりにあるというだけでも、webmasterからすればずいぶんと高く評価すべきだと思ってしまいます。

#景気を良くしておくのは選挙以降もよろしくお願いします、とは思いますが。

しかしながら面白いのは、記事のトーンはこうした高橋さんの安倍政権像を、政権批判であると捉えていることです。実際は再チャレンジとか成長力強化とかそんなんばっかりで、全然マクロ経済への関心が見えてこないじゃないか、という批判に対する政権弁護ではないかと何度目を凝らして読み直してもそうなのです(笑)。

田中先生もこれを高橋洋一さんの政権批判に摩り替えたいこの記事と評されていますが、実際のところその「摩り替え」は成功しているのかどうか。この記事を目にした読者の多くが、なんだ安倍政権は経済成長でごまかして改革に手を抜いているのか、と反感を持つようなことは・・・結構な確率でありそうなのが厭だなぁ。

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韓リフ [戦前も毎日は清算主義で昭和恐慌を煽ってたけど、本当に恐慌が深刻になると顔面蒼白(新聞が蒼くなったかどうかはわかんない..]

鍋象 [毎日新聞は2000年のゼロ金利解除の時も、「利上げすべし」という社説を書いていましたよね。 僕の記憶が確かなら、当時..]

bewaad [>韓リフさん、鍋象さん 歴史的経緯もあるでしょうけれど、個人的にはなんでバブルつぶしで痛い目を見た毎日がよりによって..]


2007-02-11

[misc]陸海軍は仲間はずれ?

【テクノバーン】(2007/2/8 19:37)米大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン(Marine One)」が近く引退し、早ければ今夏にも新編隊に入れ替わることとなった。ホワイトハウスでは新大統領専用ヘリコプターの導入費用として既に61億ドル(約7320億円)の予算を確保。新編隊は合計23機のロッキード・マーチン製のVH-71ヘリコプターになる見通しだ。

テクノバーン「米大統領専用機「マリーン・ワン」が近く引退、機種変更は実に四半世紀ぶり」

マリーンってことは海兵隊で、大統領専用機がエアフォース・ワンであることはよく知られていますから、じゃあ陸海軍(アーミー・ワン、ネイヴィー・ワン)はないのかな、とぐぐってみたところ・・・。

  • 海兵隊機に搭乗した場合: マリーンワン - 通常はヘリコプター。
  • 陸軍機の場合: アーミーワン - 1957年から1976年まで、海兵隊と共にヘリコプター輸送を担当していた。
  • 海軍機の場合: ネイビーワン - 2005年現在までのところ、2003年に対潜哨戒機のS-3 ヴァイキングがブッシュ大統領を乗せた一例のみ。
  • 沿岸警備隊機の場合: コーストガードワン - 2006年現在までのところ、該当機は無し。
  • 民間機の場合: エグゼクティブワン - 通常アメリカ大統領は、プライベートな場合を含め民間機に乗ることはないが、リチャード・ニクソンだけはしばしば民間機を使用していた。

エアフォースワン‐Wikipedia

アーミー・ワンもネイヴィー・ワンもありました。2003年までは海軍だけは仲間はずれだったようですが。

ちなみにマリーン・ワンの「通常はヘリコプター」という記述、この文脈ですとよくわからないですよね。脱線になりますが、Wikipediaのもうちょっと前の部分を引用してみます。

「エアフォースワン」と言った場合、1990年以前はボーイング707を改造したVC-137、それ以降はボーイング747を改造した専用機 (VC-25) の事をさすことが多いが、それは大統領がこの機に乗ることがほとんどであるために起こる誤解で、実際には戦闘機であろうが輸送機であろうが、アメリカ空軍の航空機に大統領が搭乗すればその搭乗機のコールサインが「エアフォースワン」となる。なお、映画「エアフォースワン」で、大統領が輸送機に乗り移ったのを確認してコールサインを変更するシーンがあるが、これは正しい解釈である。

エアフォースワン‐Wikipedia

あれま、大統領専用機=エアフォース・ワンではないのね、ということで。テクノバーンの「マリーン・ワン」も、この伝で間違ったようです。

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2007-02-12

[notice]WordPress導入準備中

最近サーバトラブルが頻発しご迷惑をおかけしております。DoS攻撃ではないかといったご心配もいただきましたが、最近になって不連続な形でこのような事態になった理由はよくわからないものの、そのような特定の行為によるものではなく、単純なアクセス増加によるサーバ負荷が原因のようです。

現状のサーバ負荷を考えるに、tDiaryを走らせる際、Rubyが起動するたびに必要とするメモリが最大のボトルネックとなっています。現状、1プロセスあたり50MBほどメモリを食っているので、同時に複数立ち上がると止まってしまうわけです。tDiaryには、そしてそれで今まで運用してきた現状の体制には愛着もあるのですが、あくまでテキストを公開することが目的であり、tDiary等はその手段でしかないので、手段に執着して本来の目的を達せられないのでは本末転倒です。

というわけで、現在、常駐型のエンジンへの乗換えを検討しております(tDiaryのまま種々の負荷軽減策を講じても、先行きに限界があるのは明らかなもので)。とりあえずはPHPのもの、その中でもWordPressを考えておりまして、準備を進めております。記法への習熟をはじめ、WordPressでの運営がある程度の水準でできる目途が立ちましたら、移行したいと思います(遅くとも今月中には、と見込んでいます)。

#その際、CSSを書き換えるだけの気力は残ってなさそうで、webmaster自身は気に入っているものの何かと評判の悪い(笑)現在のスタイルから、標準的なスタイルへの移行もあわせて行われることとなります。

ブログエンジンは、エントリを書き始めるまでがインストールです(謎)。

[economy]G7会合終了

ヨーロッパ諸国の関心はあったものの、アメリカが反対の姿勢をとったこともあり、下馬評どおり円についての言及はありませんでした。これまでにその意義は論じてきましたので、声明から該当部分を参考までに引用のみいたします。

我々は、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。我々は、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額かつ増加する経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の実効為替レートが、必要な調整が進むように変動することが望ましい。

(略)

ヘッジ・ファンドや、クレジット・デリバティブを含む先端金融技術の隆盛を含む近年の国際金融市場の動向は、金融システムの効率性に大きく貢献。しかしながら、これらの活動に伴う潜在的なシステミック・リスク及びオペレーショナル・リスクの評価は、一層複雑・困難化。ヘッジ・ファンド業界及び商品の急速な成長を踏まえ、我々は警戒する必要。よって、この問題をさらに探求することに合意。我々は民間部門と意見交換を行い、加えて、金融安定化フォーラム(FSF)に対し、高レバレッジ機関に関する2000 年報告を今日の状況を踏まえて改訂するよう要請。

7か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明のポイント[2007年2月9日、10日]

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でで失敗したときに読む資料 [http://www.securiba.jp/インターネット でで失敗したときに読む資料 http://www.se..]

通販サイト情報 [http://www.securiba.jp/でで失敗したときに読む資料 通販サイト情報 http://www.se..]

Jagsspeedat [What a great way to give bk to the munity or the environnt..]


2007-02-13

[WWW]Wikipediaの財政危機

前々から思っていたのだけど、いい機会なので。

メディア・パブ: Wikipediaが資金不足で3〜4ヶ月以内に閉鎖かも?

Web2.0の代名詞的存在になっているオンライン百科事典“Wikipedia”が運用資金不足で3〜4ヶ月以内に閉鎖してしまう・・・(mathewingram.com/workより)。

そろそろ広告を載せてもいいのでは?

「Wikipediaに広告を」(@404 Blog Not Found2/12付)

そもそも広告でやっていけるのか、という問題もあるようですが「働かなくても生きて行ける煉獄」というエントリをものしたDan Kogaiさんにしては夢のない話ではありませんか、広告とは。全てのものが無料で手に入る世界に一番近いのはネットでしょうけれど、そのトップに近いところにいるはずのWikipediaにして何らかの収入が必要というのであれば、「煉獄」の実現可能性にもケチがついてしまうでしょう。

技術的にはいろいろと問題があるのかもしれませんが、SETI@homeUDがん研究プロジェクトのやり方で、Wikipediaを運用することはできないのでしょうか? 処理能力よりも記憶容量に問題があるようなら、ファイル共有ソフト方式で、ディスクスペースについては追加で協力を求めることもできるでしょう。

Wikipediaほど多くのアクセスを集めるサイトの運用に必要なだけの協力を募ることができるのか、という疑問もあるでしょうけれど、アクセス数が多いというのであれば、それを逆手に取ることも可能でしょう。Wikipediaの閲覧には、余剰CPU能力やディスクスペースを提供する(無料の)プログラムをダウンロードする必要がある、ということにしてしまえば、アクセスが集まれば集まるほど対応余力を確保することが可能です。それらをうまく連携させるための専用サーバぐらいは必要かもしれませんが、それこそそのぐらいならば寄付で賄えるのではないかとwebmasterは思うのです。

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bewaad [>nuffyさん そっちの業界人ではないのであてずっぽうですが、ミクロ的基礎付けの重要性の浸透が、そういった発想を自..]

rijin [ あ、いや、こちらこそ恐縮です。  申し上げたかったのは、大学のネットワークへの負荷がどれぐらいになるのか、事前に..]

bewaad [>rijinさん 了解です。 しかし、よくよく考えてみれば、この手のものがそれなりの安定性・信頼性で動くのであれば..]


2007-02-14

[law][joke]チョコレート等の特定贈与等による心理的外傷の防止に関する法律案

条文

チョコレート等の特定贈与等による心理的外傷の防止に関する法律(平成十九年法律第   号)

(目的)

第一条 この法律は、チョコレート等の特定期日における贈与等を禁止するとともに、当該贈与等についての罰則及び当該贈与による被害が発生した場合の措置等を定め、もってチョコレート等の贈与等による人の心理的外傷の被害の防止及び公共の安全の確保を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「チョコレート等」とは、チョコレート(ココアを含有する調製食料品をいう。以下同じ。)及び次の各号のいずれにも該当する物質で政令で定めるものをいう。
 一 チョコレート以上の又はチョコレートに準ずる強い印象を有すること。
 二 その原材料、製法、贈与したときの価値その他その物質の特性を勘案して贈与等をした場合の人(当該贈与等をし、または受ける者を除く。)の精神に対する危害の程度が大きいと認められること。
 三 犯罪に係る社会状況その他の事情を勘案して人の精神の保護並びに公共の安全の確保を図るためにその物質についてこの法律の規定により規制等を行う必要性が高いと認められること。

(製造等の禁止)

第三条 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、特定期日(二月十四日及び二月十四日が日曜日または土曜日である場合におけるその日前においてその日に最も近い金曜日である日から二月十四日後においてその日に最も近い月曜日である日までの各日(二月十四日を除く。)をいう。次項において同じ。)にする贈与その他の適正な対価を得ずして譲り渡す行為(以下「特定贈与等」という。)のためにチョコレート等を製造し、輸入し、所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
 一 相続又は遺贈によって譲り渡すとき。
 二 特定贈与等がチョコレート等の試験研究に充てるための寄付として行われるとき。

2 前項の適正な対価が三月十四日及び三月十四日が日曜日または土曜日である場合におけるその日前においてその日に最も近い金曜日である日から三月十四日後においてその日に最も近い月曜日である日までの各日(三月十四日を除く。)において特定期日に贈与その他の譲り渡す行為をした者が譲り受ける代償である場合における前項の規定の適用については、当該代償は、適正な対価でないものとみなす。

3 次に掲げる行為は、チョコレート等の特定贈与等とみなす。
 一 前項の代償を譲り渡す行為
 二 チョコレート等の特定贈与に準ずるものとして政令で定める役務の提供

(被害発生時の措置等)

第四条 警察官、海上保安官又は消防吏員(以下「警察官等」という。)は、チョコレート等又はチョコレート等である疑いがある物質の特定贈与等により人の心理的外傷の被害が生じており、又は生じるおそれがあると認めるときは、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)、警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)、海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)、消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)その他の法令の定めるところにより、直ちに、その被害に係る建物、車両、船舶その他の場所への立入りを禁止し、又はこれらの場所にいる者を退去させ、チョコレート等またはそれを含む物品その他のその被害に係る物品を回収し、又は廃棄し、その他その被害を防止するために必要な措置をとらなければならない。この場合において、警察官等は、相互に緊密な連携を保たなければならない。

2 警視総監若しくは道府県警察本部長又は管区海上保安本部長は前項の規定による措置又はこの法律に規定する犯罪の捜査に関し、消防長又は消防署長は同項の規定による措置に関し、それぞれ、関係行政機関又は関係のある公私の団体に対し、技術的知識の提供、装備資機材の貸与その他必要な協力を求めることができる。

3 チョコレート等の販売業者は、チョコレート等を一般に購入する者に対し、特定贈与等の禁止に関する情報その他必要な情報を提供するように努めなければならない。

4 国民は、チョコレート等若しくはチョコレート等である疑いがある物質若しくはこれらの物質を含む物品の特定贈与等を発見し又はそれが行われる場所を知ったときは速やかに警察官等にその旨を通報するとともに、第一項の規定による警察官等の措置の円滑な実施に協力するよう努めなければならない。

(罰則)

第五条 チョコレート等の特定贈与等をして公共の危険を生じさせた者は、無期又は二年以上の懲役に処する。

2 前項の未遂罪は、罰する。

3 第一項の罪を犯す目的でその予備をした者は、五年以下の懲役に処する。ただし、同項の罪の実行の着手前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

第六条 第三条の規定に違反した者は、七年以下の懲役に処する。

2 前条第一項の犯罪の用に供する目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処する。ただし、同条第一項の罪の実行の着手前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

3 前二項の未遂罪は、罰する。

4 製造又は輸入に係る第一項又は第二項の罪を犯す目的でその予備をした者は、三年以下の懲役に処する。

第七条 情を知って、第五条第一項の罪又は製造若しくは輸入に係る前条第一項若しくは第二項の罪に当たる行為に要する資金、土地、建物、艦船、航空機、車両、設備、機械、器具又は原材料を提供した者は、三年以下の懲役に処する。

第八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、当該各号に定める罰金刑を科する。
 一 第六条第一項又は第三項(第一項に係るものに限る。) 五億円以下の罰金刑
 二 第六条第四項又は前条 三億円以下の罰金刑

附則

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第五条から第八条までの規定は、この法律の公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。

(経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に特定贈与等のためにチョコレート等を所持する者又はこの法律の施行の日以後その日から起算して三十日を経過する日までの間に第三条の規定に違反してチョコレート等を所持するに至った者は、同日までの間に、その所持するチョコレート等の種類、数量及び所在する場所を当該場所を管轄する警察署長に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出をした者は、警察署長が指示する日時において、その指示する方法により、その届出に係るチョコレート等を廃棄しなければならない。

3 前項の規定により廃棄するまでの間における当該廃棄のためのチョコレート等の所持については、第三条の規定は、適用しない。

(罰則)

第三条 前条第二項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2 前条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各項の罰金刑を科する。

備考

  • 昨年、ネットで流れている元ネタをベースに「特定菓子贈与禁止法」の第1条・第2条(目的と定義)を考えてみましたが、フルセットで規定を考えるとどうなるか、という観点から悪乗りしてみました。
  • 昨年は個人情報保護法を下敷きにしていましたが、目的はあくまでヴァレンタインデイのチョコのやりとりの禁止であって、個人情報保護法で言えば個人情報の不正使用になりますから、本末転倒のような気もしましたので、そのものずばり行為を禁止する法律‐サリン等による人身被害の防止に関する法律(平成7年法律第78号)‐のパロディとしてみました。個人情報保護法は条文数が多すぎて面倒だ、という方がwebmasterにとっては大きな意味がありましたが(笑)。
  • チョコレート等の「等」は、この規定ですと菓子類には限られません。アクセサリーなどは無論のこと、「あたしをあ・げ・る」とかいうのも禁止(笑)!
  • 附則第一条を訂正いたしました。(2/19追記)
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Thomastums [eisncpf http://www.institutchama.fr/256-nike-hyperven..]

Thomastums [hqjtbkl http://www.plombier-chauffagiste-argaud.fr/as..]

MichaelTen [vneskpp http://www.luxavideo.it/701-louis-vuitton-rep..]


2007-02-15

[law][joke]「チョコレート等の特定贈与等による心理的外傷の防止に関する法律案」正誤表

昨日のものにつき、いただいたコメントを踏まえること等により、以下の訂正等を加えました。すべて反映させましたが、どこをどう変えたかについて、ここでまとめて掲載いたします(変更部分は強調してあります)。

条項変更前変更後摘要
第3条第1項以下同じ次項において同じミスの訂正・項追加のハネ
同項その日二月十四日ミスの訂正
同条第2項(加える)2 前項の適正な対価が三月十四日及び三月十四日が日曜日または土曜日である場合におけるその日前においてその日に最も近い金曜日である日から三月十四日後においてその日に最も近い月曜日である日までの各日(三月十四日を除く。)において特定期日に贈与その他の譲り渡す行為をした者が譲り受ける代償である場合における前項の規定の適用については、当該代償は、適正な対価でないものとみなす。ホワイトデイ対応
同条第3項(加える)3 次に掲げる行為は、チョコレート等の特定贈与等とみなす。
 一 前項の代償を譲り渡す行為
 二 チョコレート等の特定贈与に準ずるものとして政令で定める役務の提供
ホワイトデイ対応・物品以外の行為を対象化
第4条第3項(加える)3 チョコレート等の販売業者は、チョコレート等を一般に購入する者に対し、特定贈与等の禁止に関する情報その他必要な情報を提供するように努めなければならない。販売業者の責務
第4条第4項第4条第3項(項ずれ)項追加のハネ
第8条第2号第七条前条ミスの訂正
附則第2条第1項この法律の施行の日以後その日から起算して十日を経過する日この法律の施行の日以後その日から起算して三十日を経過する日十分な経過措置期間の確保
同条第2項サリン等チョコレート等ミスの訂正
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bewaad [>野次馬さん 参考人招致はお許し下さい(笑)。]

bewaad [>野次馬2さん で、続いて、多くの女性は2人にはチョコレートをあげたいという健全な状態にあるとも発言、引き続きと(笑..]

bewaad [>Satsukiさん 反発は、「今ですら多くの義理チョコを配っているというのに、これ以上の負担を求めるのは男女間格差..]


2007-02-16

[economy]主観相殺仮説

主観相殺仮説って何よ、と誰もが思うでしょうけれど、それも無理ありません。webmasterが今思いついた造語ですから。ではなぜそんな造語をこしらえたかといいますと、まずは次をご覧下さい。

今回の授業で扱った論文

What Do We Know about Capital Structure? Some Evidence from International Data.
Raghuram G Rajan; Luigi Zingales
Journal of Finance, Vol. 50, No. 5 (December, 1995), pp. 1421-60.

1987年〜91年におけるG7各国(アメリカ・日本・ドイツ・フランス・イタリア・イギリス・カナダ)の主要企業(ただし金融機関除く)のバランス・シートを分析した実証論文なのですが、まず実際のデータを見て以下の事実に驚かされます。(実務家の皆さんは驚かれないかもしれませんが、象牙の塔の経済学者にとっては興味深いデータですw)

【資産サイド】

  • 流動資産(Current Assets)の割合が非常に高い:日本及び大陸ヨーロッパ諸国では全資産の6割近くを占めている。アメリカでも5割近く。
  • 流動資産の中でも売掛金(account receivable)の占める割合が大きい。
  • 固定資産(tangible assets)の割合が低く、流動資産よりも圧倒的に少ない。

【負債サイド】

  • 流動資産ほどではないが流動負債(Current Liabilities)の割合が高い:だいたい全負債の4割前後
  • 流動負債の中でも買掛金(account payable)の占める割合が大きい。
  • 長期負債(Long-term debt)の割合が決して高くない:買掛金と同じくらいの割合を占めるに過ぎない
  • 自己資本(Shareholder equity)の割合もそんなに高くはない:3割から4割くらい

(略)

資産サイド・負債サイドに共通しているのは、流動項目のシェアの大きさ、とりわけ「売掛金」と「買掛金」の多さです。これは「近い将来に受け取る(あるいは支払う)予定のキャッシュフロー」を表していますが(定義が間違っているかもしれません。会計に詳しい方フォローよろしくです!)「この項目がどのように決まるのか?」「なぜこんなに高い割合なのか?」「各国間で割合が異なるのはどういった理由が考えられるか?」などをうまく説明できる標準的な経済理論は確立されていないようです。(シン教授はこのミッシング・パートを埋める研究の重要性をかなり力強く指摘していました)

「シン・ファイナンスその1:まずはデータを見よう」(@ECONO斬り!!2/15付)

主観相殺仮説とは、この「ミッシング・パート」を埋める試みのひとつということです。実証を伴わない思い付きですから、的外れである可能性も多分にありますが、言うだけなら只ですので、当たれば儲け物だと(笑)。少しなりとも説得力を感じた本職の方が実証して、世界的にも重要だと認められている研究テーマで有名になりましたら、発想の原点は当サイトであったとどこかで言及してください(笑)。

などとずいぶんな御託を並べていますが、内容はしごく簡単な話で、企業の経営者は、現金の売買と掛の売買をほぼ同じものと考えているのではないか、ということです。論より証拠、簡単なモデルで見てみましょう。

A社はある財を90の価格で入荷し、100の価格で出荷しているとします。この取引を全部現金で行っているとすれば、入出荷を2回繰り返した場合のバランスシートの推移は次のとおりです。

  1. 1回目入荷前
    資産負債・資本
    現金 90資本 90
  2. 1回目入荷後・1回目出荷前
    資産負債・資本
    現金 0
    在庫 90
    資本 90
  3. 1回目出荷後・2回目入荷前
    資産負債・資本
    現金 100資本 100
  4. 2回目入荷後・2回目出荷前
    資産負債・資本
    現金 10
    在庫 90
    資本 100
  5. 2回目出荷後
    資産負債・資本
    現金 110資本 110

これが入出荷ともに掛に変わると、次のようになります(初期状態において、資本に対応する資産はとりあえず何らかの固定資産であるとします(が、現金でない限り何であっても同じことです))。

  1. 1回目入荷前
    資産負債・資本
    固定資産 90資本 90
  2. 1回目入荷後・1回目出荷前
    資産負債・資本
    在庫 90
    固定資産 90
    買掛金 90
    資本 90
  3. 1回目出荷後・2回目入荷前
    資産負債・資本
    売掛金 100
    固定資産 90
    買掛金 90
    資本 100
  4. 2回目入荷後・2回目出荷前
    資産負債・資本
    売掛金 100
    在庫 90
    固定資産 90
    買掛金 180
    資本 100
  5. 2回目出荷後
    資産負債・資本
    売掛金 200
    固定資産 90
    買掛金 180
    資本 110

初期状態ではいずれのケースも総資産90で始まりましたが、2回目出荷後においては、現金商売では総資産が110にとどまっているのに対して、掛商売では総資産は290にまで膨れ上がっています。両者を比べて、後者について「おっと、バランスシートが水ぶくれしているから商売を手控えないと」と思うのであれば、あまり売掛・買掛は膨らまないでしょうけれど、現金と同じ感覚で商売を続けるのであれば、掛の存在がバランスシートの規模をどんどん大きくし、当然ながらそれに占める掛の比率も上がっていくわけです。

実際に売掛・買掛の比率が高いということは、掛であっても現金と同じように捉えて商売をしているのではないかという推測が成り立ちます。その状態に、webmasterは「主観相殺」の語を充てたいと思います。つまり、掛が資産・負債の両建てで積みあがっていても、経営者の頭の中ではそれらが相殺消去されているように認識され、例えば銀行からの借入金がどんどん膨れ上がっているようには考えられていないのではないか、ということです。

わかりやすい譬えとしては、手形での決済がいいでしょう。仕入れ元に代金として現金の替わりに以前の出荷時に受け取っていた手形に裏書して渡せば、経営者の頭の中では現金を支払ったかのような感覚になっても不思議ではないでしょう。しかしながら、法的には、出荷先からの売掛債権も、仕入れ元に対する買掛債務も、手形の額面金額が振出人の口座から引き落とされるまでは、依然として存続しているのです。

#実際の経理の仕分けとしては、手形を渡したときと掛にしたときでは異なりますので、厳密にはあくまで概念的には、ということです。

さて、上記を前提に、そもそものシラーシン先生(2/17訂正)の問いにどのような回答が考えられるか、以下にまとめてみます。

「この項目がどのように決まるのか?」

一般論として言えば、流動性管理の容易さや経営への介入の可能性を考えれば、現金(銀行借入でのファイナンスを含む)よりも掛での商売が好まれるでしょうから、外部制約により押し止められるまでは、どんどん売掛・買掛が大きくなるものと考えられるでしょう。その外部制約とは、

  • 信用リスク
  • 在庫期間と掛の回収期間の比率

ということになります。

「なぜこんなに高い割合なのか?」

上記で信用リスクと期間の比率が制約要因となると書きましたが、裏を返せばそれらの要因が高い売掛・買掛の割合を許容するものであるといえます。具体的には、信用リスクについては、それが大きければ(=掛を回収できない可能性が高ければ)、商売相手が掛を受けてくれないことが多くなるので、売掛・買掛の割合を低くせざるを得ません(これが社会全体に生じたような事例が、ソ連崩壊時のディスオーガナイゼイションでしょう)。

期間の比率については、上記の例でも明らかなように(次の入出荷までに掛の期限が来るなら、総資産は大きくなりません)、在庫期間に対して掛の回収期間が長ければ長いほど割合が高くなります。一般には信用リスクが低いほど長めの掛の回収期間が許容されるでしょうけれど、商慣行等による部分も大きいでしょう。

「各国間で割合が異なるのはどういった理由が考えられるか?」

これも、信用リスクと期間の比率が各国によって異なるから、ということになるでしょう。ただし、信用リスクそのものというより、それに対する評価のありようではあったりしますが。

以前のエントリで、鍋像さんや梶ピエールさんからコメント欄でご教示いただきましたが、例えば中国では、掛の回収率が低い=信用リスクが高いにもかかわらず、掛売り・掛買いが極めて活発だとのこと。これは、リスクの絶対水準が高いとしても、それを許容する風土(中国の場合、自分が取りっぱぐれるなら、他のやつにも払わないと居直る)があれば、掛の商売は活発に行われることを意味します。

同様に、在庫期間は商売の種類に応じておのずと程度が定まるのでしょうけれど、掛の期間については、各国において様々であり得るでしょう。それに応じて、売掛・買掛のバランスシートに占める割合は上下することとなるはずです。

[BOJ][economy]日銀の金融緩和が評価できない理由

宋文洲さんのテキストが注目を集めているようですが、ご自身のblogのエントリにリアクションを寄せてもよいとのことですので、そちらにtrackbackを送るべく、取り上げてみたいと思います。

#と思いきや、403ではねられちゃいました・・・。

宋さんのご主張のポイントは、次の段落ということになるでしょう。

この結果、景気が戦後最長と言いながら、GDP(国内総生産)の伸びは1%台にとどまります。確かに最悪のマイナスから脱出していますが、多くの主要国が5%台もしくはそれ以上の成長を遂げている環境下、果たしてこれが現在の金融政策を是認するのに足りる実績でしょうか。

ゼロ金利、長く続けば、刺激ゼロ(2/2)

当然ながら、是認するには足りない実績だということになるわけですが、結論だけならばwebmasterにも異存はありません。しかし、いかにしてそうした結論になるかについては・・・いわずもがなですね(笑)。まず、実績が不十分であろう原因について、宋さんは(タイトルから察せられるがごとく)次のようにお書きになっています。

「ゼロ金利は景気を刺激する」と言いますが、「刺激」になるのは条件があります。一時的な措置なら刺激と言えますが、長期間に及ぶと、最初は刺激になっても、次第に刺激に感じなくなるはずです。辛さに弱い人が辛いモノを食べさせられると、最初は大変ですが、8年間も食べ続ければ次第に慣れて、ついにはその味が癖になってしまうでしょう。

ゼロ金利、長く続けば、刺激ゼロ(1/2)

比喩として食料品を用いるならば、カロリーオーバーの食事を続けていると、最初はぶくぶく太っていくけれども、次第に慣れて太らなくなる・・・わけではありません。慣れるか慣れないか、比喩の選び方で決まる話でもなく、筋道だてて検討していく必要があるでしょう。

鍵となるのは、次の2つであるとwebmasterは考えています。

  • 期待実質金利
  • そうでなかった場合のシミュレーション

前者ですが、当サイトの読者にはご案内の方々も多いでしょうけれど、改めて記すのであれば、次のとおりです。

  • 期待実質金利=名目金利−期待インフレ率

ゼロ金利だ、という際の「ゼロ」とは名目値ですから、各経済主体がデフレ見込んでいる=期待インフレ率がマイナスであるならば、それを差し引けばプラスの期待実質金利だったということになります。長らく日本はデフレ下にあるわけですから、期待実質金利で見るならば、「ゼロ金利」は羊頭狗肉であったと言わざるを得ません。「神様、グリーンスパン様」を擁したFRBは、約2年もの間実質マイナス金利を続けたことで、デフレ懸念を払拭したというわけで、デフレ懸念ですら実質マイナス金利を講ずべきであるところ、実質プラス金利では金融緩和というにふさわしいものではありません。

各経済主体が期待実質金利を考えているのか、という疑問はあるでしょう。おそらくは、わざわざ期待インフレ率を計測して期待実質金利を計算し、その上で投資判断をする企業経営者などいないでしょう。しかし、(期待)インフレ率とは、個々の財・サービスの価格変動の総和なのです。

家電メーカの経営者が工場を作るかどうか考える際、採算に合うかどうかは、そこで生産される家電製品の売り上げがどの程度のもので、それに対して投資コストが見合うかどうかで判断することになります。ここで「売り上げ」といえば、当然ながら価格×数量で計算されます。今の価格では売れそうにないなぁ、ちょっと値下げしてこの程度かな、というような見込みを立てるのが当然で、この経営者にとっての期待実質金利とは、銀行借入れなり社債なりに付された名目金利に、値下げ幅を加えたものとなるわけです。

各経済主体のこのような投資・消費の判断に用いる期待実質金利の総計が、先の「名目金利−期待インフレ率」という形で表される経済全体の期待実質金利ということになります。各経済主体がその意味での期待実質金利をいちいち考えたりしなくとも、全体としてはそのような平均値が醸成されるのです。

後者ですが、ではゼロ金利(量的緩和を含む)が満足な結果をもたらさなかったとして、それでもそうでなかった場合に比べて良かったのだとすれば、(相対的には)高い評価を与えるべきということになります。宋さんは代替策をお示しではありませんが、ゼロ金利は何を「刺激」したでしょうか。まず思いつくのは銀行と不動産ですとし、本当の成長とは、新しい価値の創造にあると思います。(略)ゼロ金利は貯蓄から投資に資金を向かわせる策として継続して、果たして資金は投資に回ったのでしょうかとおっしゃっていることからは、おそらくはゼロ金利を早く脱すべきであったというものと察せられます。

しかしながら、内閣府経済社会総合研究所の研究によれば、短期金利の1%引上げによる実質GDP抑制効果は、1年目▲0.39%、2年目▲0.50%。この背景には、金利の上昇による設備投資、住宅投資の抑制、円高などが影響しているとのことです。ゼロ金利が投資を招かなかったからといって金利を引き上げていれば、より投資を抑制してしまっていただろう、ということが明らかにされているのです。

さきの期待実質金利の議論とあわせて、日銀はもっと積極的な金融緩和をして、期待実質金利をもっと押し下げるべきだった、というのがこれらから下される評価です。ゼロ金利が満足な結果をもたらさなかったのは、宋さんの文脈においても、プラス金利でなかったからではなく、マイナス金利(期待インフレ率をプラスにできれば、名目金利がゼロ金利でも、期待実質金利をマイナスにすることができます)でなかったから、ということなのです。

#どうやって期待実質金利をもっと押し下げることができたのかについては、リフレ政策faqをご覧下さい。

[economy]やっぱり世界最高の中央銀行は、BOEかFRBなんでしょうかねぇ。

イングランド銀行(英中銀)のキング総裁は14日の記者会見で、最近の円安傾向にドイツやフランスといった欧州諸国から批判が出ていることについて「日本に国内景気を弱める円高政策を求めるとは理解に苦しむ」と反論した。

総裁は先週末の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席。席上、独仏などが「円が安過ぎる」と主張したことに対し、総裁は過去10年、G7は日本に景気浮揚のため低金利を求め続けたと指摘。「日本に景気拡大を望む一方で(低金利の結果である)円安に文句を言うのはおかしい」と強調した。(ロンドン=吉田ありさ)(16:03)

日経「英中銀総裁、円安批判「理解に苦しむ」」

副音声で、「手前らがしんどい思いをしているのは、調子に乗ってユーロなんぞを立ち上げて金融政策の自由度を放棄したからであって、自業自得だというのに、責任転嫁してんじゃねーよ(笑)」と言っているように聞こえるのは、きっとwebmasterの幻聴なのでしょう(笑)。

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2007-02-17

[government]新省設立建白

白田秀彰先生による、知的財産・情報通信を所管する新省を設立して、当該分野の産業政策を盛んにして産業振興を図っていこうというものですが、

それで、政府の仕組みも政治も何にも知らない私が、完全な妄想で新しい役所の形について書いてみた。遠慮なく好きなような叩くなり批判するなりしてほしい。そうやって叩き合っているうちに、話が具体的になってくるかもしれない。

新省設立建白

とおっしゃっていただいているにもかかわらず、ぐぐった限りでは叩いたり批判したりする人がいないようですから、叩いたり批判したりしてみたいと思います。

最初の問題として、産業政策の是非から考えてみましょう。

今般、情報通信や知識創造にかかる政府諸官の目標権限責任は錯綜し互いに相噛みあい動くに可わず。我国の優れた文化技術の保てる有利なる地位をただ徒にするのみ。この有様で、どうして熾烈なる競争に伍して国際社会における有力なる地位を確保維持できようか。

新省設立建白

サイト内検索で「キャプテン」とか「シグマ」を検索していただければ手っ取り早いでしょうけれど、webmasterは産業政策に懐疑的です。日本経済にとって、今後この手のコンテンツ産業が真に比較優位となるかどうかは不明ですし、仮に比較優位になるにせよ、コンテンツ産業を「育成」するためにいかなる政策を講ずべきかは、これもまた不明です。それこそ市場に任せるべき話だ、というのが基本的な考え方となります。

例示したので活用するなら、キャプテンシステムは、通産省が足を引っ張ったから失敗したのでしょうか? シグマプロジェクトは、郵政省が協力しなかったからうまくいかなかったのでしょうか? いずれの答えもNoということになります。省庁縦割りで政策リソースが有効に活用されていないことが問題で、それがうまく活用されれば今よりもましになるとは限りません。通産省と郵政省がひとつの役所であったと仮定して、キャプテンとシグマのいずれかに一本化された事業にすべてのリソースが投入されていたというパラレルワールドを想定すれば、今以上に悲惨な結果であったであろうことは、webmasterは疑いません。

逆に分散していたからこそよかったのだろう、とまでwebmasterは考えています。金融庁に牛耳られている銀行・証券・保険を見て、ああなりたいと思うIT等業界の関係者が、果たしてどれだけいるのでしょうか。せっかく経産、総務、文科と主要どころで3つもあるのですから、それぞれをうまくぶつけ合ってポテンヒットを狙うぐらいのしたたかさがあってもいいのではないでしょうか。

といっても、白田先生は次のようにおっしゃっている、との指摘があるかもしれません。

新省は、思想精神言論表現の自由の実現を最大価値とし、現存する全ての各種規制を再検討し、可能な限り最小の規制によって目的を達することを方針とする。

新省設立建白

その言や良し、可能な限り最小の規制というのであれば、大規模政府介入に伴う政府の失敗を懸念する必要はない、という理解があるとするならば、それは軽率であるとwebmasterは思います。レッシグを借りるならば、ネットは自然のアーキテクチャの制約をほとんど受けず、そのほとんどを人工的な構築物に依存して振る舞いが定まることになりますし、知的財産権そのものも、同様の文脈に位置付けることが可能でしょう。

新省が所管する分野は、したがって、「可能な限り最小の規制」という概念自体が空虚なものとならざるを得ません。規制のあり方について、その設定主体が政府なのか業界団体なのか国際団体なのか、スタイルが事前規制なのか事後チェックなのか、等々の違いがあるだけの話であって、絶対量自体に大差が生じるはずもないのです。

webmasterが思うに、現状に問題があるとするならば、所管する官庁が分散していることではなく、この規制のあり方についての見解がまちまちであることだということになります。わかりやすい例を挙げるならば、当サイトでも取り上げたことがある著作権保護期間延長問題でしょう。

当該問題において、少なくとも延長を主張しているのは、著作権を保持している側が多いのが現状です。これに対して白田先生は延長に反対されているお立場ですが、延長は創作・流通を助長するのか阻害するのかについて、少なくとも社会的合意はなされていないといわざるを得ません。新省は、ある規制が創造流通を阻害しているとの申立に対する応答責任、採用されている規制の正当化についての説明責任を負うと構えてみたところで、延長派は延長が政党であるとし、反対派は延長は阻害するとする構図が変わるわけでなし、この問題に片がつくわけではないのです。

結局のところ、よく行革関連の話題で「形だけ取り繕っても中身が」といった議論がなされますが、新省設立もそれと軌を一にするものということなのです。形だけ云々とは、行革案が生ぬるいという文脈でなされることが多いわけですが、政府への批判だけにしか妥当しないわけもなく、政府のあり方への代替案にだって当然ながら妥当し得るものです。政府がまともになったら、というのは、政府への何らかの依存の別の表れに他ならず、まずは政府など無視して何ができるか、という議論こそが望まれているのではないでしょうか。

あとは蛇足ながら、官僚としては気にならざるを得ない点(=官僚以外の人々にとってはどうでもいい点(笑))をいくつかご紹介いたします。

  • 指定職の数はスクラップ&ビルドの制約が課せられていますが、新省を作るとして、スクラップされるのはどこなのかな・・・。
  • 各局に2つずつ部がぶら下がっていますが、課で足りるものも多い(といいますか、部とは霞が関では例外的な組織単位です)ような気が・・・。
  • 「○○省と調整」「××省と連携」といった文言が多く並んでいますが、それがうまくいくなら新省がなくても現状の各省庁の調整・連携でうまくいくでしょうし、現状がうまくいっていないなら、新省だってうまくいかないと考えるのが自然では・・・。

[economy]続・やっぱり世界最高の中央銀行は、BOEかFRBなんでしょうかねぇ。

昨日はBOEでしたが、本日はFRBで。

【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は14日、上院銀行住宅都市委員会での証言で最近の円安に触れ「為替操作や市場介入は全く見られない」と述べた。日本が円相場を安値に誘導しているという民主党指導部などの批判とは一線を画し、日本の為替政策に問題はないとの認識を示した。

議長は日本が2004年3月から為替介入を実施しておらず「円の価値は自由で開かれた市場で決まっている」と言明した。「日本の金融政策は国内の経済情勢を反映している」とも語り、日本が超低金利政策によって円安を維持しているとの見方も否定した。

ペロシ下院議長ら民主党指導部は日本と中国が「為替操作」を実施していると批判し、米政府が制裁措置の発動も視野に入れて是正を迫るよう求めている。一方、ポールソン財務長官は日本への批判を控えており、バーナンキ議長も歩調を合わせた格好だ。

日経「米FRB議長、円安「為替操作ない」」

バーナンキ議長を今さらほめても仕方がありませんが(笑)、不安なのは民主党の動向です。次の大統領選で共和党に勝ち目がないとすると、あと2年足らずでアメリカからは猛烈な通商圧力が寄せられることは確実です。それまでにまともな成長路線に回帰できていなければ、円高シンドローム再発によって再び奈落の底へ・・・。

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2007-02-18

[law][politics][government]政府への不信感の表れ@自転車の歩道通行

軍事関係の諸エントリで高名なJSFさんが、自転車の歩道通行を例外的に取り入れる道路交通法改正に対する疋田智さんらによる反対運動を取り上げていらっしゃいます。その論調は一次ソースに当たり筋道を追って展開されるもので、政府に対する物言いの過半がこのようなものであるならば、官僚とはさぞかし素敵な職業になるだろうなと思わせるものです。

とまあうれしさに浸っていても致し方なく、政府の言い分を普及してくださることはとってもうれしいことなのですが、「政府に対する物言いの過半がこのようなもの」になることはないとあきらめているのもまた事実です。

ロードバイク乗りにとって、車道通行禁止とは死刑宣告に等しいのです。

だから、危機感があります。この法改正案が出てくるよりも以前から「警察の一部には自転車を歩道に押し込めようとする」勢力が居ることは確かだと言い、なおさら警戒しているわけです。其処に今回の改正案が出てきました。条文通りに読むのなら、車道通行の原則は維持されます。しかし一部は疑心暗鬼に駆られ、深読みに走りました。

『これは"将来"車道通行禁止にする為のステップだ。これを許せば車道通行禁止の道が開ける。現行法は一字一句も変えてはいけない』

・・・なんだか、全く別の法案で似たような主張をする団体に見覚えがありませんか? 「車道通行禁止」の部分を任意の法律にすれば、テンプレートに使えそうです。

(略)

ですが最も性質が悪いのは、今回の改正案で原則が維持されることを理解した上で、大衆への危機感を煽るべく嘘を教えた反対運動の首謀者達であることは疑いようがありません。

警察庁はその部分を隠蔽して隠蔽して、いかにも官僚的な言葉遣いで、一見強制ではないように読めるが、実は警察が自由に自転車の車道走行を禁止できる条文を作ろうとしている。

もし本気で理解していないとしたら、陰謀論者が陥り易い被害妄想の末期的症状と言ってよいでしょう。

「法改正反対運動における扇動・デマゴーグ」(@週刊オブイェクト2/16付)

というのも、

  • ここで指摘されているような「深読み」があり得ないとは言えず、
  • 経験則上、政府のやることには疑いを持って臨む方が無難だという経験則が成立するから、

です。

「深読み」については、数多くの別件逮捕が例として挙げられるでしょう。立法時にそのような運用をする気があるかと問われれば、提案者(多くの場合において政府)は、そんな運用は想定しておりません、と答えることでしょう。しかし、現にそのような運用が行われた事例は、枚挙に暇がありません。

ただし、これをもって政府の悪意(法学的な意味ではなく、文字通りの意味で)を想定するのは、その内部で口を糊する身として申し上げるなら、事実に合致しません。別件逮捕は、オウム真理教事件がもっともわかりやすいでしょうけれど、何とかして捕まえなければならないとの社会の要請に応えるための非常ボタンのようなものです。杓子定規という言葉が批判の語として用いられるように、その手の裏道がなくてはうまく回らないというのも、人の世の本質ではあるのでしょう。

本題に戻ると、である以上は、政府がそういう運用はしないと言っても、するかもしれないという疑いの目で見る方が安全というものです。三権分立に代表される、民主政であるにもかかわらず民意のストレートな反映に待ったをかけるような様々な制度は、そうした安全の確保のために設けられているわけで、その延長線上として、政府のやることに陰謀論的な疑いの目が向けられる社会というのは、究極の選択としてそうしたことがまるでない社会に比べれば、どうやら無難な選択だというのが歴史の教えであるようです。

・・・なんてことはあくまで他人事として言えることであって、既述の通り理解を示されるとうれしくなってしまうのが人間というもの。官僚をたぶらかすには賄賂なんぞいりません。「いろいろ大変ですねぇ。皆勝手なことばかり言って、それを黙って尻拭いするなんて、本当にお疲れ様です」なんて言葉をかければ、あっという間に篭絡できますから(笑)。

[joke][law][government]危うし! チョコレート等のt(ry

kanryoさんのたれこみですが、農林水産省にておいしいだけじゃないよ!チョコレート・ココアという特別展示がなされたとのこと。

・各省協議もめそうですね、特に農水省あたり。…というか法制局通らないか(笑)。やはり議員立法でしょうか。

「チョコレート等の特定贈与等による心理的外傷の防止に関する法律案」(2/14付)に対するbranchさんのコメント

branchさんの慧眼には感服いたしました(笑)。

#しかし、食料自給率向上を政策として掲げているにもかかわらず、より普及すれば自給率の下がる食料品のプレイアップをするとは、整合性としてどうよ>農林水産省。

[economy]雨宮先生の金言

東大法学部ミシュラン経由で。

渡辺
…確かに、不思議です…。今、私は先生の話を伺いながら、先生の反応や表現を心底、楽しませていただいています。多分、それは今こうしてお話ししていることがリハーサル抜きにこの場で話しているから得られる感動で…何度も練習してしまったら上手くプレゼンテーション出来るかもしれないけれど、新鮮な感動は薄れますよね。先生のご職業で、ライブで学生達と作って行く授業より、訓練したことが評価されるのは不思議です。
雨宮
難しいものをやさしく見せかける先生が良い先生と評価される。僕の教育方針はまったく逆、やさしいものを難しく思わせるのが得意。クラスに来る学生は「僕はこれも知っている、あれも知っている」と間違った認識を持っている、その学生に対して、それは間違っていると思わせようとしています。難しいものを難しいと認識せずに、やさしいものだと錯覚しても何も勉強にならない。スタンフォードの学生は優秀で、自信に満ち満ちている。自分は何でも知っていると思っている学生に対して「実際におまえは何もしらない、おまえが考えているよりはるかに難しい」と思わせるように仕向けているんです。
渡辺
それは本当に、素晴らしい教育だと思います…。「分かる、分かる」って言葉をよく使ってしまいますけれど「分かる」なんて事は、ほとんど無いんだと思うこの頃です。悲観的な意味じゃないのです…恐い事件や事故は何故起きたのか早く知って安心したいけれど、分かった気分になる幻想を与えられる方が、もっと恐い。だから「分からないことだらけなんだ、でも、分かっていくことは少しづつでも出来るはず」とシンプルに今や自分を見ることが大事なのじゃないか、と…。ただ、今まで自分がもっとも優秀だと思っていた生徒にとって先生の教えは鼻をへしおられるようなショックでしょうね。
雨宮
ソクラテスはそのような教育をして結果的には処刑されました。僕の場合、Evaluationが悪いが学生には殺されていないので大丈夫でしょう(笑い)。多くの先生は難しいことを教えようとしない、できるだけやさしく教えようとしている。僕はそれが間違っていると思います、学生には難しい問題を考えてもらいたいと思っているのです。

ICU Alumni Association Web Site「今を輝く同窓生たち/経済学者・スタンフォード大学教授 雨宮健」

webmasterは人間ができておらず、ついつい分かった気になりがちですので、耳が痛いです・・・。

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2007-02-19

[law][politics][government]続・政府への不信感の表れ@自転車の歩道通行

補足エントリがあります。(2/23追記)

昨日取り上げた標記の件につき、奇しくも次のようなご指摘を(事前に)いただきました。

(略)ジャーナリストの松浦晋也氏が自転車の歩道通行に関して、こんな文章を書いてますね。

http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2007/02/post_209a.html

正直、官僚の文章をここまで裏読みするのはやり過ぎのように思うのですが、本当にここまで注意しなければならないような罠があるのか、それともこれは一種の官僚バッシングなのか、どっちなんでしょうね?

「新省設立建白」(2/17)にいただいたBaatarismさんのコメント

昨日申し上げたとおり、webmasterは「罠がある」とはそれほど思いませんが、何でもかんでも「注意」する方が、何でもかんでも「注意」しないよりは無難なのだろう、とは考えています。したがって、このような方がいらっしゃることについては、個人的には潜在的当事者として色々思うところはあれど(笑)、社会にとっては有用なのだろうとも考えています。

同時に、このような警戒心がどのように生まれるのかは、もちろん職業上の利害関係込みではありますが、興味深いことです。webmasterの管見では、想像力の不足から起こるのではないか、ということになります。昨日ご紹介のJSFさんの表現をお借りするならば陰謀論者ということになりますが、世に隠されたけしからんたくらみを暴いたと自認するほどの想像力があるのですから皮肉なことではあります。

ここで想像力の不足と申し上げるのには、2つの意味があります。

  • 世に自らの主張と食い違う意見を唱える一般人がいることに思いが至らない想像力の不足
  • 政府が悪巧みをしているという類型的な勧善懲悪的世界観の妥当性を疑わない想像力の不足

実際のところは同じことの表裏ではないかともwebmasterは思うのですが、自らの主張とは異なる主張が力を持つ場合に、そうした主張を支持する者が相当数いるということに気づかず、あるいはうすうす気づいても目をそむけ、政府その他の悪辣な者どもがけしからぬ何がしかを企んでいるに違いない、という理解になっているのではないでしょうか。本件について申し上げれば、そうした思考の影が次の一連の流れによく表れているといえるでしょう。

官僚は文書の作成を仕事としており、文書作成のプロだ。彼らは、文書の文言を操作することで行政を動かしている。そのことを軽く見るべきではない。

プロの文書である以上、官庁の文書はその一言一句に至るまでに意味を持たせている。それを読みとれるかどうかは、国政を左右する重大問題なのである。

ここまでを理解した上で、「提言」の本文を読もう。関係する部分は17ページ以降の「第4 自転車の通行空間・通行方法の在り方について」という章である。すると、だ。

自転車は、現行道路交通法でも規定されているように、車両の一種であり、その走行性能を発揮し、通行の安全性とともに迅速性・快適性を確保するためには、その通行空間は、専用の通行空間である自転車道か、又は車道に求められるべきである。このような考え方は、諸外国においても例外がなく(資料6)、ルールはクリア・シンプルであることが望ましいことからすれば、自転車の通行空間は(自転車道が整備されている場合は別として)車道に一本化すべきという考え方もあり得る。

しかしながら、我が国における自転車利用の多様性、とりわけ、子供や高齢者の利用、主婦等による買い物や子供の送迎目的の利用等身近な生活における移動手段として自転車が幅広く利用されており、これらの利用主体又は利用目的においては、自転車に車両としての迅速性等の機能を求めていない場合も多いことを考慮する必要がある。

「原則は車道歩行で、国際的にも車道一本化だ。でも日本では自転車に迅速性は求められていない」という、ねじれた論理を展開している。道路環境が悪いから、多くの自転車ユーザーは自転車に迅速性を求めるのを諦めているというのが正しい理解だろう。

(略)

警察庁の事情がなにかは、知らない。天下りの椅子の誘惑かも知れないし、有力議員のごり押しかも知れないし、そのほかになにかあるのかも知れない。

今回はっきりしているのは、その無理筋の改正案に対して、疋田氏の運動により反対のパブリックコメントが殺到し、警察庁が態度を変えざるを得なかったということである。

「公文書を読む」(@松浦晋也のL/D2/17付)

「迅速性等の機能を求めていない場合も多い」を「迅速性は求められていない」と乱暴に言い換えるのもいかがかと思いますが、それはさておき、松浦さんの世界観においては「多くの自転車ユーザーは自転車に迅速性を求めるのを諦めている」ことは自明なので、迅速性を求めていないユーザがいるというのは無理な理屈だということになります(だからこそ、天下りとか有力議員といった「悪役」が出てこないと納得できないのでしょう)。でも、本当にそうでしょうか。遅い方がうれしいなんてことはないという意味では迅速性を求めてはいるのでしょうけれど、それを超えるものではないはずです。

アンケート調査をしたわけではありませんが、いわゆるママチャリを使うような人々にとって、なぜ歩道を通行するかと聞けば、安全だから(逆に言えば、車道は危ないから使わない)という理由が過半でしょう‐ここでの安全・危険の評価とは、身も蓋もない言い方をすれば自動車と歩行者とではぶつかったときの自転車の乗り手にとってのものに過ぎない身勝手なものではあるのですが。そしていくら身勝手なものであれ、それが多数派を占めるのであれば、正当なものとして扱われるのが民主政というもの。

結局のところ、警察がそのような政策を選ぶのは、そのような社会情勢の反映なのです。本件に限った話ではなく、世間的に評判が悪い諸々の政府の判断‐最近の例でいえば公共事業にせよ、グレーゾーン金利にせよ(これについては結局は世間受けのいい結論にはなりましたが)、共謀罪にせよ‐について、なぜそのようなものが採用されるのかといえば、それを必要とする何らかの者がいるということに他ならないのです。

言い換えれば、陰謀でも想定しなければ理解し難いような政府の振る舞いがあった際には、その向こうにいるであろう、自らと同様に政府に対してあれこれと要望を突きつけている者を想像することが、理解への近道であったりもするわけです。Imagine all the people sharing all the world without sharing sympathy...

霞が関のすごさはすり合わせ技術にあり、とは以前書いたことがありますが、裏を返せばその手のスキルに希少価値があるということでもあります。すり合わせをするには利害関係者を漏れなく認識し、その意図を把握する必要がありますが、そういう観点で物事を見る訓練がなされる立場はそれほど多くないのかもしれません。が、そのような見方を想像するのが、松浦さんの公文書解釈よりも役に立つのでは、という気がします。

#ただし、以上は霞が関住人のミスディレクションかもしれませんので、軽々には信じてはなりませんよ。官僚の文章は常識で解釈してはならないそうですから(笑)。

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2007-02-20

[economy][WWW]生産性問題まとめ

山形浩生さんと池田信夫先生が中心となった一連の論争について、まとめてみました。

主なやり取り(時系列順)

山形浩生さん
ゴッドランドの経済学はてなブックマークでの反応
山形浩生さん
生産性の話の基礎はてなブックマークでの反応
池田信夫先生
生産性をめぐる誤解と真の問題はてなブックマークでの反応
山形浩生さん
それでも賃金水準は平均的な生産性で決まるんだよ。はてなブックマークでの反応
分裂勘違い劇場さん
アルファブロガーたちの地位争いが優良コンテンツを量産するはてなブックマークでの反応
池田信夫先生
生産性と「格差社会」はてなブックマークでの反応
分裂勘違い劇場さん
「他人の生産性が向上すると自分の給料も増えるのか?」を中学生でもわかるように図解してみましたはてなブックマークでの反応
山形浩生さん
山形より上手でていねいな説明をごろうじろ。はてなブックマークでの反応
池田信夫先生
賃金格差の拡大が必要だはてなブックマークでの反応
池田信夫先生
限界生産性とPPPについての超簡単な解説はてなブックマークでの反応
分裂勘違い劇場さん
今回の生産性論争の流れを簡潔・公平・分かりやすくまとめてみたはてなブックマークでの反応
山形浩生さん
クイズ:経済学者3人にきいてみました。はてなブックマークでの反応
池田信夫先生
山形浩生氏へはてなブックマークでの反応

第三者による総括

506: 名無しさんの冒険   2007/02/18(Sun) 22:45

実質賃金が労働の限界生産物によって「決定される」という表現が正しいのは労働供給が一定である場合に限られる。本来は単なる均衡条件であり一方的な因果関係ではない。たとえば、二つの部門からなる経済で一方の部門(これをIT部門と名付ける)で生産性が上昇したとしよう。閉鎖経済であれば、これは実質所得の増加を引き起こすが、その一部はIT部門の生産物の需要に回るが、他の部門(これを土建部門と呼ぶ)の生産物が劣等財でないかぎり、そちらにも需要が増加する。この時、土建部門の労働生産性が一定であれば、雇用が増加せざるを得ない。労働供給が一定であれば土建部門の雇用増加は当然ながらIT部門の雇用の縮小をもたらす。このように、ある部門で生産性が上昇したのに雇用が減っているのは部門間の労働力移動を阻害する制度的な要因が作用しているという主張は、実はまったくの間違いであることが明らかになるのである。この例では、部門間の労働力移動が完全であるから土建部門の雇用が増加し、IT部門の雇用が減少しているのだ。

このような奇妙な結果が生じる理由は、実質賃金=労働の限界生産物という均衡条件が、雇用量の決定のメカニズムであることを忘れているためだ。この例で言えば、IT部門での生産性上昇による実質所得(山形の言う平均生産性ないし平均所得)の一部は土建部門の生産物需要の増加を招くため、土建部門の生産物価格を上昇させ、価値限界生産物を増加させる。これが、IT部門からの雇用のシフトを引き起こすことになるのである。

クルーグマンを枕に経済騙っている山形が、そう簡単に池田に負けることはなかなかなかろうwww

507: 名無しさんの冒険   2007/02/19(Mon) 00:26

要するに、山形の言葉使いは雑だし、「絶対生産性では『決まらない』。平均生産性で『決まる』のだ」と言い切っちゃうあたり脇が甘い(経済学プロパーなら決してやらない)が、大雑把な現実の説明としては的確。まあクルーグマンの受け売りだもんね。

池田の限界生産性に関する議論は、ミクロの初等レベルでは確かにそういう説明がされるが、マクロの話をしてるってことをすっかり忘れきった「木を見て森を見ない」議論。自分の説明どおりにならないことを何でも「市場の不完全性」のせいにしてるあたりは笑止。いったいどういう不完全性なんだか...また、「賃金は限界生産性に『均等化する』」という言い方はなんだかなあ...いかにも理解があやふやな感じ。

いちご経済/経済学板「☆くだらない質問はここに書きこめ☆12問目」スレ・レス506,507

山形さんが本当に言いたかったことは、

「ある産業での国際的な所得格差は、その産業の国際的な生産性格差に起因するものではない」

ということだと思われる。これを述べるのにいちいち厳密な数理モデルを立ててもいいが、そんなエネルギーをかけるまでもない。こういうことを考えるには、一番初歩的なド本質モデルとして、生産要素が労働だけで、付加価値が全部労働所得になる想定をするのが定石である。そのほうが、何が結論に効いているのかが初心者にもはっきりしてわかりやすいからである。

(略)

山形さんが言っている話は、モデルにすれば以上で尽きている。

これは全く経済学的にまっとうな議論であり、この筋自体には異論を挟む余地はない。

それに対して池田さんは、「賃金は限界生産力で決まるのだ」と言って批判している。

それは全くその通りなのだけど、それがどう批判になっているのか、何が気に入らないのか、未だによくわからないでいる。ひょっとしたら、山形さんがさんざん強調している「賃金は社会の平均的な生産性で決まる」という言葉を、「賃金イコール社会の平均的な生産性」という命題と受け取ったのだろうか。まさかねとは思うが。

しかしまあ「社会の平均的な生産性」という言い方も、超アバウトでミスリーディングだからしょうがないか。

(略)

それはともかく、山形さんの「賃金は社会の平均的な生産性で決まる」という言葉。揚げ足を取られないように厳密に言えば、「所得の国際的格差は、諸貿易財の生産性の国際的格差を、すべての貿易財について加重平均したものによって規定される」と言うことになる。あーしんど。

「07年2月19日 山形・池田「生産性論争」への今頃のコメント」@松尾匡のページ

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2007-02-21

[government]「向こう側」がはっきり見えているのに。

一昨日、webmasterは次のように書きました。

結局のところ、警察がそのような政策を選ぶのは、そのような社会情勢の反映なのです。本件に限った話ではなく、世間的に評判が悪い諸々の政府の判断‐最近の例でいえば公共事業にせよ、グレーゾーン金利にせよ(これについては結局は世間受けのいい結論にはなりましたが)、共謀罪にせよ‐について、なぜそのようなものが採用されるのかといえば、それを必要とする何らかの者がいるということに他ならないのです。

言い換えれば、陰謀でも想定しなければ理解し難いような政府の振る舞いがあった際には、その向こうにいるであろう、自らと同様に政府に対してあれこれと要望を突きつけている者を想像することが、理解への近道であったりもするわけです。Imagine all the people sharing all the world without sharing sympathy...

そうしたある種の典型的な板ばさみ状態の報道がありました。

「続・政府への不信感の表れ@自転車の歩道通行」(2/19)

政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は19日、教育委員会への国の関与のあり方など教委改革に関し、近く文部科学省にヒアリングを申し入れることを決めた。規制改革会議は、政府の教育再生会議が提言した国の関与強化に反対の見解を表明しており、ヒアリングを通じて「直接対決」する。

(略)

ヒアリングは、政府・自民党内に権限強化を支持する声が強いことに対する規制改革会議の対抗措置。文科省の局長級の担当者を呼び、文科相に権限を付与することが現在の教委制度の問題解決にどうつながるのかや、地方分権の流れに逆行していないかなどについて考えを聞く方針だ。問題点を明らかにし、新たな見解をまとめることも検討。国の関与強化に向けて議論の流れが一方的になることを阻止したい考えだ。

東京「文科省と"直接対決"/規制改革会議ヒアリング要請へ」

全然「直接対決」ではないじゃないですか! 教育再生会議の提言に反対だというなら、教育再生会議の議長その他のメンバーや、せめてその事務局である内閣官房の人間を呼んでしかるべきでしょう。にもかかわらず呼ばないというのは、どういう経緯があったのかは知りませんが、結果的に文部科学省の地位を引き上げるに等しい行為です‐当事者能力を認めるのは教育再生会議ではなく文部科学省だというのですから。

規制改革会議のメンバーが言い出したのか、それとも事務局の官僚が振付けたのか、それとも「上」から圧力なり指示があったのかはわかりませんが、このようなこととなる発想の根本にあるのは、規制改革会議と教育再生会議とが真正面から衝突したら、また官邸の調整能力が問われますし、お互いのメンツも傷つきますし、落としどころもよめないのでリスキーだということでしょう。他方で文部科学省を呼べば、そのようなことは回避できるので便利であろうことは否定しません。しかし、そうした便利さこそが、霞が関の「権力」の源泉(のひとつ)なのです。

言い換えるならば例の「すり合わせ」ということになるのですが、霞が関を相手にしている限り、それほど無茶は言わないという安心感がある上、それなりにメンツのたつ結論を用意してくれもしますので、自らが直接利害調整に乗り出すよりはよほど楽なのは事実でしょう。しかし、そのような楽をしたいという心持こそが、霞が関に存在意義を与えているといっても過言ではありません。流通革命ではありませんが、「中抜き」が進んで利害関係者同士で直接調整が行われるならば、霞が関の出番なんてずいぶんと減ってしまうのですから。

規制改革会議が霞が関の実権を削ることを目的(のひとつ)としているのであれば、既述のような「大人の事情」があれど、ここは文部科学省ではなく教育再生会議の関係者を断固として呼ぶべきだったのです。それができない以上、規制改革会議は、しょせんは枝葉の話にしか切り込めない存在だと評さざるを得ないのです。

官房長官ですら混乱するほどの会議の乱立っぷりゆえに、キャパシティ超過で官邸/内閣官房が本当に当事者能力を失っているというのが事の真相なのかもしれませんが(笑)。

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2007-02-22

[economy][BOJ]0.25%→0.5%へ金利誘導目標引上げ

今回は、報道に基づき日銀の意図をあれこれ言うことはしません(笑)。しかしながら、日銀の言い訳を聞くまでもなく、次の問題があることは明らかでしょう。

  • 先月の金融政策決定会合と今月のそれとで、判断材料として何が一番異なっていたかと言えば、明らかに政治からの圧力の有無です。実際にそうであるかどうかにかかわらず、これで外部からは、日銀は政治からの圧力によって政策決定を変更する存在であると見られるのは不可避でしょう。いくら政治からの圧力は政策決定に無関係だといきがって見せたところで、結果がこれでは誰も信用するはずもありません。
  • CPIの上方バイアスを勘案すれば、まだデフレであると考えられるにもかかわらず、利上げ(=金融引締め)をすることは到底正当化できません。

でまあ報道による限り、円安を気にしたとか設備投資の過熱化を防ぐためとか0.25%は経済成長率に比べて低い金利だとか言っているようですが、本日総裁記者会見要旨を確認して本当にそのようなことを言っているとしたなら、ボロクソに批判する旨、あらかじめ予告しておきます(笑)。ああ、会見要旨の公表が待ち遠しいなぁ(笑)。

といいつつ、ひとつだけ報道から。

9人の政策委員(正副総裁3人と審議委員6人)の採決結果は賛成8、反対1で、福井俊彦総裁の提案に反対したのは、総裁を補佐する岩田一政副総裁(60)だった。金融政策で執行部内の意見が割れたのは1998年4月に新日銀法で現在の合議制が導入されて以来、初めてだ。

関係者によると、岩田副総裁はこの日の会合で、消費者物価や個人消費の先行きに懸念があると訴える文書を政策委員全員に配り、利上げで日本経済がデフレに逆戻りする恐れがあると力説した。他の委員からは「悲観的すぎる」などと反論が出て、会合は一時、張りつめた空気に包まれたという。

読売「“岩田副総裁の乱”日銀の利上げ決定、一人だけ反対」

政府は議決延期請求権を行使すべきだったのでしょう。議論が割れているからあと1ヶ月様子を見るべきだ、という立派な大義名分が立つじゃないですか。これじゃあ岩田副総裁を見殺しにしたも同然でしょうに。

[economy]マクドナルド基準による生産性国際比較

trackbackしようとしたのですが、リンクがなくはねられたとのことですので、webmasterからご紹介を。

はてなブックマークでも注目を集めるなど、既に押さえられた方も多いとは思いますが、もしお読みになられていない方がいらっしゃいましたら、ぜひお読みいただきますようお薦めいたします。面白いですよ。

[economy]「景気回復による出生率回復」仮説が妥当であり、でも景気回復は遅すぎたことの傍証

厚生労働省は21日、2006年の人口動態統計(速報)を公表した。

年間の出生数は112万2278人で前年比3万2041人増となった。

出生数が前年より増加するのは6年ぶり。合計特殊出生率(女性が一生の間に産む子供の数に近い推計値)は05年に過去最低の1・26を記録したが、06年は4年ぶりに1・3台を回復すると見られる。

(略)

女性の人口は年々減少していることから、06年の出生数が増加に転じたのは「例外的な現象」とみられている。同省は「景気回復による雇用情勢の改善で、05年6月以降、男性雇用者数と婚姻数が増加傾向になっている。雇用の安定で、安心して結婚・出産する人が増えたのではないか」と分析している。

ただ、07年以降は女性の人口減に加え、人数が多い団塊ジュニア世代(1971年〜74年生まれ)が、出生率が低下する30歳代後半へと移行していくことから、出生数が再び減少する可能性が高い。

読売「06年の出生率、1・3台回復…出生数も6年ぶり増加」

こうしたことを予測していたのはwebmasterに限りませんが、だから言っていた通りだろ、と。

少子化対策にはいろいろあるわけですが、理念的には、潜在的・中長期的に日本社会が構造として達成し得る合計特殊出生率と、短期的要因による変動と分けて対策を割り当てることが有益ではないか、と思っています。(略)

これに対する短期的変動としては、昨今の出生率向上に端的に見られるように、安定的な経済成長の確保が有効であると思います。第2次ベビーブーマーが30台半ばに差し掛かっている今、そのコーホートの生涯出産数は今後数十年にわたり人口構成に大いなる影響を与えるでしょうから、今のような好調な外需という僥倖に頼るのではなく、まともなマクロ経済政策運営がなにより大切だと思います(バブル崩壊以降の長期経済低迷の最大と言ってよい悪影響は、この第2次ベビーブーマーの就職難→生涯出産数の低下なのではないでしょうか)。

「産科の暗黙のナショナルミニマム」(2006/10/26)に係るwebmasterのコメント

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2007-02-23

[BOJ][economy]利上げ総裁記者会見(2/21)を斬る!

というわけで、昨日の予告どおりに。特に気になった点として、3点取り上げます。まず1点め。

(問) 冒頭の説明の2つの柱の後半部分で、資金の流れについて述べていますが、このまま低金利が続くと歪みが生じる、これをもう少し具体的に国民にわかりやすく説明されたほうがよろしいかと思います。資金の歪みというのは、どのような弊害なのでしょうか。

(答) なかなか具体的にこれだという言い方は難しいです。それを言いますとかえって誤解を生むようなところがあり、非常に難しいところです。先日のG7でも、やはり市場の中であまりにも偏った、あるいは行き過ぎたポジションを市場関係者が持つようになると、それが巻き戻される時のリスクが大きくなる。そして、そのリスクは単に市場の中に留まらないで、各国の実体経済に響くようなリスクになりかねない、そういった意味合いのことがコミュニケにも盛られておりますし、広く議論されました。日本の場合にも同じことが言え、仮に低金利が経済・物価情勢とあまりに離れて長く続くと、そのような期待感が定着し、金融機関や企業などの経済主体がそうした期待を前提として行動してしまう。その結果、金融資本市場において行き過ぎたポジションが構築されます。金融資本市場ですから、どこの市場となかなか前もって言えません。株式市場か債券市場か為替市場か、色々な市場を指しているわけですが、いずれにせよ偏ったポジションが構築され、その巻き戻しのリスクは決して小さくないということです。そしてより広く見れば、効率的な経済活動に資金が回るというよりは、非効率な経済活動に資金が回って資源が使われる、長い目でみて資源配分に歪みが生じます。私どもが意識していることは、物価安定のもとでの息の長い成長であり、政府の長期的な政策との関係で言えば、人口減少のもとでも潜在成長能力を上げていくことであり、日本銀行もその政策を支持しています。この政策の効果を実現する最大のポイントは、常に資源配分が適正だということです。要するに、資金や資源がわき道に逸れないで、そういった将来の成長軌道をきちんと築いていく、そして振幅の少ない経済成長を掌中に収めていく、このために一番大事なことは絶えず資源配分に歪みが生じないということです。いくら述べても抽象的に聞こえて申し訳ないですが、それ以上具体的に言うのはむしろ弊害があるということです。

総裁記者会見要旨―― 2007年2月21日(水)午後3時半から約80分

webmasterがもっとも問題だと考えるのがこのやりとりです。ひとつには、既に田中秀臣先生が取り上げていらっしゃいますが、「資源配分の歪み」を念頭に金融政策を行うことの是非で、田中先生のように上品に表現するならば、歪みの有無や、有るとしてもそれが何かを正しく認識できるかという問題(田中先生の言う「能力の問題」)と、歪みが存在してそれを正しく認識できたとして、その処方箋として金融政策を用いることの是非という問題(田中先生の言う「割当問題」)があるということになります。

webmaster流に下品に表現するならば、バブルつぶしの失敗をもう一度繰り返すのですね、ということになるわけですが、バブル(資源配分の歪みのひとつ)に対するに金融政策を用いるべきでないという先進国のベストプラクティスにまた背を向けるのだなぁ、と。もちろん、バブル対策としての金融政策の否定は、バブルでない資源配分の歪みの中に金融政策で対処することが適切であるものが存在する可能性を否定するものではありませんが、一般論としてもその可能性はそれこそナローパスでしょう(詳しくは田中先生のエントリをご覧下さい)。

しかし、より重大な問題として、この言い分を認めるのであれば、日本経済は日銀に白紙委任状を渡したも同然だということが挙げられます。この福井総裁発言の骨格は、

  1. 「資源配分の歪み」に関する何らかのリスクが日本経済には存在し、
  2. そのリスクに対応するためには金融政策の発動が必要であるが、
  3. そのリスクが何であるかは言えない。

ということです。まず現時点の評価として、3の言い訳がとおる限り、1や2の検証は不可能です。実際にそのようなリスクがあるのか、あるとして金融政策で対応することが適切かどうか、といったこと(先の「能力の問題」「割当問題」)は誰にも確かめようがありません。

現にこの記者会見でも、そうした物言いに当たって具体的に想定しているのは円キャリートレードなのかとか、円安なのかとか、そういった質問がなされているわけですが、ひたすらに具体的な言及は有害だとして何ら言質を与えていません。円キャリートレード対策として利上げしましたとか、円安対策として利上げしましたなどというのであれば、その是非をめぐって建設的な議論がなされるであろうというのに、何がなんだかわからない(それどころか、存在するのかどうかもわからない)リスクのためだというのでは、どのような批判も「そういうものではない」という逃げが可能です。

「現時点の評価」と対になるものとしてwebmasterが想定しているのは事後評価ですが、3の言い訳は結果責任の追及をも封じるものです。というのも、今後景気が悪くなったり、デフレが深刻化するようなことがあったとしても、「しかしながらリスクの回避には役立った」という説明が可能になってしまうからです。

何らかのリスク対応が必要だとして、その対応が適切であったかどうかは、リスク自体の見極めが必要です。例えば自動車保険を考えても、一定の事故の確率を想定した上で保険料が妥当かどうかを検討して保険の加入の是非を決断しますし、リスクの程度が事後的に検証されれば、それにより保険料が変動して再度検討・決断がなされることになります(事故を起こせば保険料が上がりますし、有料運転手だということになれば保険料が下がります)。

ところが、何のリスクかわからなければ、その発生確率や発生した場合の損害も当然ながら不明ですから、どの程度のコストがその回避策として妥当かどうかは確かめようがありません。今般の文脈で言えば、景気後退やデフレ深化が生じた場合、にもかかわらずそうした多大なるコストを費やすに足るリスクであったかどうかは、日銀の言い値を飲まなければならないことになってしまいます。これにより、どれだけコストが大きなものとなっても、それよりも期待損失が大きかったのでリスク回避策として妥当であったと日銀は説明することが可能になったため、結果責任の追及は不可能です。

こんなひどい説明をしておいて、アカウンタビリティや透明性がどうのこうのと口走るなど、馬鹿馬鹿しくて付き合っていられません。全く。

続いて2点め。

(問) (略)また、少し抽象的な質問になりますが、今後の金融政策運営について、「極めて低い金利水準による緩和的な金融環境」という表現になっていますが、総裁がお考えになる極めて低い金利水準、緩和的な金融環境のレベル感についてお示しください。

(答) (略)

極めて低い金利水準を維持しながら緩和的な金融環境を提供していくということは、なかなか固定的にどのようなレベルを目指してということは申し上げられず、経済そのものは生き物ですのでわかりません。これから歩きながら考えるというところが圧倒的に大きいということは先程も既にお答えしたところです。しかし、いずれにしても、物価水準は非常に低いが実質2%程度の成長が安定的に続くというように考えた場合でも、やはり0.25%とか0.5%という金利水準は、相対的に非常に低いということはすぐにおわかり頂けると思います。差し当たって、それぐらいの感覚でご理解頂ければと思います。

総裁記者会見要旨―― 2007年2月21日(水)午後3時半から約80分

だからいい加減名目金利ターゲットめいたことを考えるのは止めよというのに。「物価水準は非常に低いが実質2%程度の成長が安定的に続くというように考えた場合でも、やはり0.25%とか0.5%という金利水準は、相対的に非常に低いということはすぐにおわかり頂けると思います」って、まったくわかりません。「物価水準は非常に低い」というなら、「0.25%とか0.5%という金利水準」は正の実質金利を意味しますから、「緩和的な金融環境」であるとは限りません。

また、「実質2%程度の成長が安定的に続く」というのは、潜在成長率によってインフレギャップ状態なのかデフレギャップ状態なのかの評価が分かれますから、それだけで「相対的に非常に低い」ということにはまったくなりません。webmasterのように日銀に粘着(笑)していれば、日銀の潜在成長率評価が極めて低いことは承知していますから、そこは補完して理解することが可能ですが、そうした背景事情があたかも存在しないがごとく、「実質2%程度」という絶対水準それ自体に意味があるかのような発言は、ミスリードもいいところでしょう。

で、実際のところ「緩和的な金融環境」であるのかどうか、いちご経済/経済学板の書き込みで次の指標の紹介がありました。tDiaryの記法上、blockquote要素の中にpre要素をどうはめ込めばよいのかわからないので、引用の形をとらずに直接記述します。

年月    M2+CD   前年同月比
2005.01  6,998,252  1.97%
2005.02  6,953,440  1.85%
2005.03  6,999,008  2.07%
2005.04  7,049,983  1.83%
2005.05  7,037,424  1.46%
2005.06  7,038,765  1.62%
2005.07  7,085,130  1.66%
2005.08  7,077,972  1.64%
2005.09  7,076,717  2.00%
2005.10  7,055,711  1.91%
2005.11  7,071,911  2.10%
2005.12  7,125,369  1.90%
2006.01  7,123,681  1.79%
2006.02  7,075,631  1.76%
2006.03  7,103,323  1.49% ← 量的緩和解除
2006.04  7,171,703  1.73%
2006.05  7,130,540  1.32%
2006.06  7,123,454  1.20%
2006.07  7,123,733  0.54% ← ゼロ金利解除
2006.08  7,109,742  0.45%
2006.09  7,119,253  0.60%
2006.10  7,100,080  0.63%
2006.11  7,119,883  0.68%
2006.12  7,178,944  0.75%
2007.01  7,192,966  0.97% 

いくら(名目)金利の絶対水準が低かろうと、量的緩和解除以降の金融政策は引締めであるとwebmasterは一貫して主張してきましたが、このマネーサプライ(=M2+CD)の動きは、それを何よりも雄弁に物語っているといえましょう。この程度のマネーサプライの伸びで、果たしてどれだけの経済成長が可能なのやら。言い換えれば、日銀がどの程度の経済成長を適正なものと考えているかを浮かび上がらせる数字でもあるのです。

最後に3点め。

(問) (略)改めてインフレ・ターゲットのような政策目標の設定について、いかがお考えなのかをお伺いします。

(略)

(答) (略)

インフレーション・ターゲティングをとるかどうかについて、これは、より広い意味での日本銀行の政策手段、政策のフレームワークについて透明性確保のためにどのような道具立てを整えていけばよいかということであり、これまでも追求し続けてきましたし、これからも追求していく大きな課題です。インフレーション・ターゲティングを持つことが唯一最大の解決であるとは思っていませんが、インフレーション・ターゲティングが持つ良さは、状況変化の中で、とり入れられるべきものはとり入れていくということにやぶさかではありません。現在、私どもの「中長期的な物価安定」の理解を含めた新しい枠組みは、採用してからまだ1年近くしか経っていないと思いますが、この中にも日本の実情に合うインフレーション・ターゲティングの良い面はある程度とり入れてきているつもりです。透明性確保のために金融政策のフレームワークを磨くという意味では、今後とも私どもは前向きに取り組んでいきたいと思っています。

(略)

(問) 昨年の量的緩和政策の解除の際には、消費者物価(除く生鮮食品)でプラスが維持されるといったわかりやすい目途があったのですが、今回はそのようなわかりやすい指標がありません。本日の利上げは、いわゆる金利の正常化を優先したための判断と考えてよろしいのでしょうか。

(答) おっしゃった金利の正常化が一体何を意図されておられるのかわかりませんので、直接的にはお答えしにくいのですが、量的緩和政策という異例な枠組みからの脱却のプロセスにおいては、経済のダイナミズムが十分働いていない状況であったので、消費者物価(除く生鮮食品)が安定的にプラスになるまでというわかりやすい一つの到達点というものをお示ししながら、異例な金融政策が終わる時点について、多くの人が共通の目でみられるように視点を定めてきたということは事実です。しかし、量的緩和政策の枠組みからの脱却後は、経済は、前向きに、よりダイナミックに動けるようになったということですので、特定の指標だけで金融政策を判断するということは、金融政策の最も適切な判断、機動的な運営、すべてにとってむしろ足かせになるということです。やはり、フォワード・ルッキングに先々の経済の展望は何かということを明確につかみながら、より望ましい金利水準を遅からず早からず設定していくという、量的緩和政策を続けている時よりも、はるかにダイナミックな判断が必要な状況になったということではないかと思います。

総裁記者会見要旨―― 2007年2月21日(水)午後3時半から約80分

インフレターゲティングの最重要要素とも言える、一定の(幅を持った)インフレ率に対するコミットメントによる期待インフレ率への働きかけを欠く、単にインフレ率の見通しを示したに過ぎない数字を出したことをもって、「日本の実情に合うインフレーション・ターゲティングの良い面はある程度とり入れてきているつもり」とは、羊頭狗肉もいいところでしょう。記者にはぜひとも、「『インフレーション・ターゲティングの良い面』とは何か、具体的に教えてください」と追求してほしかったなぁ(笑)。

#透明性確保などと口走ることのおかしさは既述のとおりですので繰り返しません。為念。

そもそも福井総裁はどのようにインフレターゲティングを理解しているのか、「特定の指標だけで金融政策を判断するということは、金融政策の最も適切な判断、機動的な運営、すべてにとってむしろ足かせになる」なんてことは誰もが承知しています。しかし、経験則が物語るのは、「最も適切な判断、機動的な運営」と思われるものが、得てして不適切な判断や混乱を招くだけの運営だったりするということ。インフレターゲティングが足枷になるというのは、グリーンスパンが言うからこそ様になる台詞なのです。

#蛇足ながら、インフレターゲティング導入国から誹謗中傷だと言われたら、日銀がどう答えるつもりなんでしょうかねぇ。

その意味で、インフレターゲティングにおいては、ある種のfoolproofとしての機能もまた、先の期待インフレ率への働きかけと同様に重要な「良い面」だといえます。ここ20年ほどの日銀の実績を見る限り、「最も適切な判断、機動的な運営」だと日銀が主観的に認識するものは不適切な判断や混乱を招くだけの運営そのものであり、だからこそインフレターゲティングの導入が日本においては他国において以上に意義深いと言わざるを得ません。

はっきり言えば、日銀が認識する「最も適切な判断、機動的な運営」をして欲しくないからこそ、インフレターゲティングの導入を求めているという一面があるのですよ、webmasterには。

[WWW]続々・政府への不信感の表れ@自転車の歩道通行

自転車の歩道通行に関する道路交通法改正への動きについては、2/182/19の両日に取り上げました。この2つのエントリについて、webmasterが意見を変えたとの評価がなされているとBaatarismさんからご教示をいただきました。具体的には、

>警察関係ではありませんが、現職の官僚の方の
>ブログでも話題にしています。
http://bewaad.com/20070218.html
>ご参考までに。

そのbewaad氏ですが、翌日の日記で主張を転換、法案反対派叩きに転じました。

http://bewaad.com/20070219.html

彼の所の読者が、松浦晋也氏の主張はおかしいのではないか、と苦言を呈したことから、bewaad氏も主張を転じています。

Posted by: 名無しランドナー | 2007.02.20 at 07:02 PM

(略)

>そのbewaad氏ですが、翌日の日記で主張を転換、法案反対派叩きに転じました。

bewaad氏は自分のコストでネットにblogを開設しています。ですから、そこでどのような主張をするのも氏の自由です。そして、bewaad氏が主張を転じたという一点は、私が翻意する理由にはなりません。

彼の主張が、私の論拠を崩し、今回の問題についてより妥当な筋道を示し、それに私が納得してこそ、私が前言を撤回するということになるわけです。

私としては現役霞ヶ関官僚であるbewaad氏が、なぜ一度公にした意見をひるがえしたのかに興味がありますね。

(略)

Posted by: 松浦晋也 | 2007.02.21 at 09:07 PM

「公文書を読む」(@松浦晋也のL/D2/17付)

webmasterが間違ったことを書いて訂正したことなどいくらでもあるので、前言を撤回しないなどと言うつもりはさらさらありませんが、そのような際には必ず意見を変えたとか、訂正しましたとかといった断りを入れてきたわけで、理由もその旨も示さず意見を変えたと受け止められるのは決して本意ではありません。さはさりながら、そう受け止められそうな記述があったならば、それはwebmasterの責任でもありますので、この両日のエントリの位置づけについて補足したいと思います。

両日とも、松浦さんの官僚に対する見方というのが穿ちすぎだとの評価を前提にしたエントリです。ただ、18日はそのような見方であっても政府に対する監視機能を果たすという意味では存在意義があるという肯定的な一面を取り上げ、他方で19日はそのような見方が何に由来するのかを考察いたしました。18日が肯定的な評価である一方、19日は否定的な評価であったため、あたかも意見を変えたかのように受け止められたのかな、と愚考いたしますが、これはひとつの事象の異なる面からの評価を書いたもので、前言を撤回したとかそういったものではありません。

具体的にどこに着目したかが書かれていませんので、一般論としては以上のとおりですが、webmaster自身読み返して、次の部分がひっかかったのかな、とは感じました。

というのも、

  • ここで指摘されているような「深読み」があり得ないとは言えず、
  • 経験則上、政府のやることには疑いを持って臨む方が無難だという経験則が成立するから、

です。

「深読み」については、数多くの別件逮捕が例として挙げられるでしょう。立法時にそのような運用をする気があるかと問われれば、提案者(多くの場合において政府)は、そんな運用は想定しておりません、と答えることでしょう。しかし、現にそのような運用が行われた事例は、枚挙に暇がありません。

「政府への不信感の表れ@自転車の歩道通行」(2/18)

実際のところは同じことの表裏ではないかともwebmasterは思うのですが、自らの主張とは異なる主張が力を持つ場合に、そうした主張を支持する者が相当数いるということに気づかず、あるいはうすうす気づいても目をそむけ、政府その他の悪辣な者どもがけしからぬ何がしかを企んでいるに違いない、という理解になっているのではないでしょうか。(後略)

「続・政府への不信感の表れ@自転車の歩道通行」(2/19)

この両者を比べますと、前者では陰謀論に見える主張が実は陰謀論ではない場合があると書いてあるようにも解され、他方で後者では陰謀論である前提での記述であることは明らかなので、意見が変わったかのような受け止めを招く可能性があるでしょう。18日には陰謀論と決め付けるのはよくないとしておきながら、19日には陰謀論と決め付けている、と。

しかしこの両者は、そのような関係にはありません。前者で言う「『深読み』があり得ないとは言え」ないとは、事後的にそのような運用がなされる可能性について触れたもので、事前においてそのような「深読み」が妥当であるケースがあるという含意はありません。政策が打ち出された段階で、陰謀論的に裏事情を勘ぐることは的外れだという理解において、両者に差はないのです。

後から異なる意味づけを付与したのではとの疑いを持たれるかもしれませんが、書いた段階からそうであることはテキスト上からも検証が可能だとwebmasterは考えます。前者の引用のすぐ後には、次のような記述が続くのですから。

ただし、これをもって政府の悪意(法学的な意味ではなく、文字通りの意味で)を想定するのは、その内部で口を糊する身として申し上げるなら、事実に合致しません。別件逮捕は、オウム真理教事件がもっともわかりやすいでしょうけれど、何とかして捕まえなければならないとの社会の要請に応えるための非常ボタンのようなものです。杓子定規という言葉が批判の語として用いられるように、その手の裏道がなくてはうまく回らないというのも、人の世の本質ではあるのでしょう。

「政府への不信感の表れ@自転車の歩道通行」(2/18)

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2007-02-24

[BOJ][media]金利誘導目標引上げ提案のリーク問題

webmasterがあれこれコメントできるような情報をもっているわけではありませんが、興味深い問題の指摘といえましょう。

簡単に言えば、執行部が利上げ提案をしたという報道が21日12時40分ごろに流れたわけですが、それを見た銀行に駆け込みでのロンバート借り入れを可能にさせてしまったのでは、という問題です(ロンバートの統計は日銀当座預金増減要因と金融調節 (2月21日<水>分)の「金融調節/貸出」でよいのでしょうか? とりあえずそれが当たっているならば、明らかにその前後の期間に比べて目立つ額となっています)。一般論として言えば、リークとは内部告発系のほか、記者に恩を売るために行われることが多いですが、そのような個人的な思惑で不当な収益機会を作ったりするのは、批判されてしかるべき振る舞いと言わざるを得ません。

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2007-02-25

[media][history][comic][book]ホイチョイ・プロダクションズ「気まぐれコンセプトクロニクル」

ビッグコミックスピリッツでの連載をまとめたものですけれども、時々の世相風俗+広告業界の流行り廃りを4コマで表したに過ぎないものが、これだけ積み重なるとそれだけで価値が出てくるといえるでしょう。テレビや新聞ではあまり振り返られることのない時代の側面が描かれているのを見れば、当時を知っている人間からすれば懐かしさをくすぐられるでしょうし、知らない人間からすれば、例えばバブルとはどういう時代だったのか、単に株価や地価が高かったという知識からは得られない臨場感を味わうことができるでしょう。

そうした過去の記録として、おそらくは著者陣の意図とは異なって感慨深いのは、本書の80年代で描かれる風俗は、得てして消費のピークが93年前後であることです。教科書的に記すのであれば次のWikipediaのようになるのでしょうけれど、それが具体的にどういう事象の集合を指しているのか、その一部でしかないのは致し方ないにせよ、本書はこれ以上なく実感させる材料を与えてくれます。

「バブルの崩壊」は、あるとき一瞬にして起きた現象ではない。グラフ(各種指標)はある瞬間に最大値を取り、理論上、そこでバブル崩壊が始まったわけだが、それは始まりに過ぎない。バブル崩壊は、開始から数年間をかけて徐々に生じた過渡的現象である。現象の進行は地域や指標の取り方によっても異なり、例えばマンションの平均分譲価格を見ても、東京と大阪ではピークに約一年の差がある。東京でバブルが崩壊したとき、大阪ではまた崩壊していなかった、とも言える。俗に「バブルが弾けた」というが、あたかも風船やシャボン玉がある瞬間に破裂したかのようなニュアンスのあるこの表現は、誤解を招く。

数値的に確認できる「バブルの崩壊」と、体感的な「バブルの崩壊」にも最大で数年程度のずれがある。データ上、バブルの崩壊は1991年10月ごろ始まったが、必ずしも誰もが直ちにそれを体感したわけではない。バブルの崩壊を経済学的現象ではなく社会現象ととらえるとき目安となる時期は1993年ごろであり、それまでは(事実としてバブル崩壊が始まっていたにもかかわらず)それを認識できずに楽観的でいたり、そうでなくても、まだ持ち直すかもしれないと期待していた人も多かっただろう。

バブル景気‐Wikpedia

しかしさすがはホイチョイというべきか、内容を離れて本書の存在自体がネタとして通用するわけです。ひとつには、本書がこのタイミングで出版されるのは当然ながら「バブルへGO!!〜タイムマシンはドラム式〜」の封切りを念頭に置いたものであること。簡単に思いつくものとしても、単純な露出増を狙ったメディアミックス展開に留まらず、原案(pp867-875)の出版という意味もあるわけで、業界のプロとして20年以上の仕込をどうこの機会に活用しようとしているのか、裏読みをはじめるといろいろ勘ぐってしまうという楽しみがあります。

また、本書に掲載されている期間は22年(1984〜2006年)に及ぶわけですが、その間に絵柄がほとんど変わっていないことが確認できるのも、それ自体が本書の性格を物語っているといえましょう。通常の漫画家であれば、20年以上も連載していれば、絵がうまくなってしまって絵柄が変わってしまうのは不可避でしょう。もっとうまく描けるようになったのに、あえてそう描かないことを選択できる漫画家は、あまり想像できません。

にもかかわらず、本書ではその選択が行われています。本当にうまくなっていないという可能性もあるのでしょうけれど(笑)、素直に考えるなら、マンガであることはメディア(媒体)選択の結果であって、どのようなメディアであるかを変えるのは、あくまで意図を持った判断の結果でしかあり得ないということなのでしょう。漫画家の作家性ではなく、メディアとしての在り様から絵柄が決められ、だからこそうまくなったからなんていう理由でそれを変えることはないのだ、というメタ的なメッセージを読みとるのは、読者の勝手な思い込みというわけでもないといえるのではないでしょうか。

最後に脱線ですが、先に紹介した「バブルへGO!!」について、馬場康夫監督が次のように語っています。

若者が資本主義に乗っかったときに、企業もそこからお金を得るシステムを作りました。新しい遊園地がどんどんできて、90年代後半までそんなトレンドが続いた。

そのころの若者は車も持っていて元気が良くて、ある意味高感度だった。その時代は刺激的だったでしょ、今と違って。

でもあのバブル時点と現代では、学生のバイト時間はそんなに変わっていない。なのになんで豊かさを感じないの、と考えると、お金を回せばなんとかなるんじゃないかって思います。

まじめな話をすれば、映画の冒頭シーンで米連邦準備理事会(FRB)の前議長、グリーンスパンの言葉が出てきます。あの言葉に象徴されているのですが、「バブルは崩壊して初めてバブルとわかる」。ならば、崩壊させなければバブルじゃないよ、という意味ですね。

米国ではITバブル、住宅バブルなどいろいろあったけど、グリーンスパンは絶妙な舵取りで、景気を膨らましては引き締めて決してバブルを弾けさせなかった。

一方、日本では日銀の三重野総裁がちょっと過激なことをやって、マスコミも「土地はだれのもの」とか、そんなに土地が上がってどうするのか、とかネガティブなイメージで捉えていた。で、結局、グリーンスパンのようにうまく着地できずに、バブルを弾けさせてしまいました。

映画『バブルへGO!!』馬場康夫監督に聞く――「いざなぎ」越え、実感ないのは……(2007/02/16)(1/2)

次期日銀総裁には是非馬場さんを(笑)。

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2007-02-26

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